JPH09129716A - 静電吸着装置とその製造方法、ウエハ処理方法 - Google Patents

静電吸着装置とその製造方法、ウエハ処理方法

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JPH09129716A
JPH09129716A JP28593795A JP28593795A JPH09129716A JP H09129716 A JPH09129716 A JP H09129716A JP 28593795 A JP28593795 A JP 28593795A JP 28593795 A JP28593795 A JP 28593795A JP H09129716 A JPH09129716 A JP H09129716A
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wafer
ring
electrode
inner electrode
dielectric film
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JP28593795A
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English (en)
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Seiichiro Sugano
誠一郎 菅野
Nobuo Tsumaki
伸夫 妻木
Taketo Usui
建人 臼井
Hiroyuki Kitsunai
浩之 橘内
Takeshi Yoshioka
健 吉岡
Nushito Takahashi
主人 高橋
Saburo Kanai
三郎 金井
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマの有無に係らずスイッチのオン/オ
フによってウエハの吸着脱離を行なうことができ、均一
なエッチング処理を行なうことができる静電吸着装置を
提供することである。 【解決手段】 外径がリング状電極17の外径の70パ
ーセント以上ある内電極16を、互いに電気的に絶縁さ
れた状態で同心円状に配置し、この表面に表面が平坦な
誘電膜15を形成する。そして、これら内電極とリング
状電極間に電位差を印加する。 【効果】 エッチング装置において、プラズマの有無に
係らずウエハの吸着脱離を行なうことができ、しかも均
一なエッチングを行なうことができる静電吸着装置を提
供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体製造
装置内のウエハの搬送時や、ウエハの処理を行なう際の
ウエハの固定に用いられる、静電気力を利用して被搬送
物を保持する静電吸着装置とその製造方法、及びウエハ
処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】静電気力を利用して被搬送物を保持する
方法は、特に半導体装置製造装置のウエハの搬送や各プ
ロセス中のウエハの固定に使用されている。ウエハの搬
送や固定を行なう際の保持方法としては、他にクランプ
を用いた機械的な保持方法等が考えられるが、静電気力
を用いる方が半導体ウエハの保持に関して有利な点が多
い。例えば、ウエハの処理面との機械的な接触部分がな
いために摩耗粉等によるウエハの汚染がない、ウエハ裏
面全面で吸着するのでウエハの反り、等を矯正でき、エ
ッチング等の微細加工の際に加工精度が確保される、吸
着面との接触がより確実となり、熱伝導性が改善され、
ウエハの温度制御が容易になる、等である。
【0003】これまで処理中のウエハ固定に使用される
静電吸着装置の回路構成は、図4に示すモノポール型と
呼ばれるタイプのものが構造も単純であり主流である。
これは、一端で接地された直流電源11を電極に接続
し、処理用のプラズマ7とプラズマに接しているチャン
バ67(接地38されている)を介して、ウエハ9を吸
着する方法である。図中、符号10はイオンの入射を制
御してエッチング状態を制御するための交流電源、符号
68は処理ガス13のための吸入口、符号69は排気口
をそれぞれ示している。
【0004】しかし、この方法ではプラズマがない状態
ではウエハの固定を行なうことができないから、いくつ
かの問題がある。例えば、乾式エッチング過程ではイオ
ンや電子やラジカルがウエハに入射してくるために温度
が上昇するので、エッチング特性を改善するためにウエ
ハの裏面にガスを流して冷却することが行われている
が、モノポール型ではプラズマがない状態ではウエハの
吸着を行なうことができず、処理開始直後に冷却を行な
えないという温度制御性の問題がある。また、処理終了
後プラズマを切ってしまうとウエハは導通を取ることが
できず、ウエハに蓄えられた電荷が残り、残留吸着力が
発生し、次動作へ移れないという問題もある。さらに、
残留吸着力を取り除くために除電用のガスを流す等の対
策を施すと、これに要する時間が装置のスループットの
低下を惹き起こすという問題もある。
【0005】そこで、プラズマの有無に係らずウエハの
吸着脱離を行なうことができる静電吸着方法が提案され
ている。その例としては、ウエハ処理面の外周や裏面に
導通用の端子を接触させて導通を取る方法や、誘電体の
内部に正負の電極パターンを埋め込み、これらの電極間
に電位差を発生させる方法が提案されており、それぞれ
特開平5−183043および特開平6−120329
に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、従来
処理中のウエハ固定用の静電吸着装置では、モノポール
が構造も簡単であり主流であった。しかし、モノポール
型ではプラズマなしではウエハを固定することができな
いことに起因する種々の問題を有している。そこでプラ
ズマの有無に係わらないウエハ固定法が必要となるが、
その方法としては、ウエハの処理面の外周やウエハの裏
面に導電性の部材を接触させて接地電位を与える方法
(特開平5−183043)や、誘電膜の内部に正負の
電極パターンを埋め込みこれらの電極間に電位差を与え
る方法(特開平6−120329)が提案されている。
【0007】しかしながら、特開平5−183043の
場合のように、ウエハ処理面の外周部に接地電位を与え
るための電極を接触させと、接触部で発生する摩耗粉が
素子上に付着し、素子破壊を惹き起こすおそれがある。
また、任意の裏面から導通を取る場合には、プラズマか
ら入射する電子や、静電吸着用の直流電源からの電流が
端子に集中するため、その上部の素子に素子破壊や耐圧
劣化を惹き起こすことが考えられる。さらに、ウエハ裏
面の接触する外周部に接地用電極を埋め込む構造とする
際には、接地用電極材質が誘電膜と異なるので(エッチ
ングレートは異なる) 、プラズマによるエッチング処理
の繰返しにより段差が発生する。その結果、導通を取れ
なくなり、ウエハを吸着することができなくなるという
問題が予想される。
【0008】また、特開平6−120329の場合のよ
うに、誘電膜の中に異なる極性の電極を埋め込んだ静電
吸着装置では、電極パターンによりウエハ面内のエッチ
ングに不均一が発生すると考えられる。例えば、誘電膜
内に電極が存在すると熱伝導性に分布ができることは容
易に予想されるが、エッチングに及ぼす温度の影響は特
開平6−120329中でも明らかにされている。ま
た、誘電体内部に極性の異なる電極が存在するので、ウ
エハ上に蓄えられる電子に分布を発生させる可能性が高
い。その結果、プラズマに分布が発生し、不均一な処理
となる問題がある。
【0009】本発明の第1の目的は、プラズマの有無に
関係なくウエハの吸着保持を行なうことができ、脱離時
に残留吸着力が早く低下する静電吸着装置を提供するこ
とである。また、このときウエハの処理面に異物が発生
することがない静電吸着装置を提供することである。さ
らに、ウエハを吸着する面の大部分の電位を同一とする
ために、ウエハに入射する電子やイオンの均一性のより
よい静電吸着方法を提供することにある。本発明の第2
の目的は、本発明の静電吸着装置の製造方法を提供する
ことである。本発明の第3の目的は、本発明の静電吸着
装置を用いたウエハの処理方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による静電吸着装置においては、誘電膜内部
に外径がリング状電極の外径の70パーセント以上の内
電極を互いに電気的に絶縁した状態で同心円状に配置
し、上記内電極と上記リング状電極間に電圧を印加す
る。その際、上記リング状電極の電位を上記内電極の電
位よりも高くする。また、リング状電極上の誘電膜の厚
みを内電極上の誘電膜の厚みよりも小さくすればより効
果的に達成可能となる。上記内電極および上記リング状
電極は下部ブロックに対して絶縁シートによって絶縁し
てもよいが、冷媒によって絶縁してもよい。さらに、ウ
エハの処理終了後にウエハに帯電した電荷の除電は、ウ
エハの処理中に印加した電位とは逆の電位を印加するこ
とにより達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明による静電吸着装置では、
ウエハを誘電膜上に載置するだけで直流電源を含む電気
回路が形成されるので、プラズマの有無に係らずウエハ
の吸着脱離を行なうことができる。その結果、エッチン
グの開始直後から温度制御性のよい、またエッチング処
理終了後除電の速い静電吸着装置を提供できる。さら
に、ウエハの処理面には何も接触することがないので、
異物による汚染を最小限に抑えることができる。さら
に、被吸着物を保持する部分の電位をできるだけ同一と
しているので、プラズマエッチングのように電子やイオ
ンにより加工を行なうような過程ではより均一な加工を
実現することができる。
【0012】また、リング状電極上の誘電膜を内電極に
比べて薄くすれば、上述した効果をより効果的に実現す
ることができる。さらに、ウエハの処理終了後に、ウエ
ハの処理中に印加した電位とは逆の電位を印加すれば、
さらにスループットのよいウエハ処理方法を実現するこ
とができる。以下,本発明の実施の形態を図面にしたが
って説明する。
【0013】図1は本発明になる静電吸着装置の第1の
実施の形態を示すもので、図3は、図1の装置を有磁場
マイクロ波プラズマ処理装置に適用した1例を示す。最
初に、図3に示す装置の構成と動作を簡単に説明する。
大気空間3内に石英管29を設置し、これにより構成さ
れる真空処理室1内に静電吸着装置8を用いてウエハ9
を固定する。この静電吸着装置8に本発明の静電吸着装
置を適用しているが、詳細は後述する。続いて真空処理
室1内に処理ガス13を導入する。処理ガスは、導波管
4を通って導入されるマイクロ波5と放電管2の周りに
取り付けられたコイル6の相互作用によりプラズマ7状
態となっている。ウエハの処理(こゝではプラズマ乾式
エッチング処理)は、プラズマ7中のイオンやラジカル
や電子の入射により行なわれるが、特にイオンの入射を
制御してエッチング状態を制御するのが高周波電源10
である。また、静電吸着装置8はプラズマにより構成さ
れるセルフバイアスによっても固定可能ではあるが、ウ
エハの裏面に冷却ガスを流してウエハを冷却するため
(こゝでは図示しない)、確実にウエハを固定する必要
があり直流電源11および11’を接続して、電極に電
圧を印加して静電吸着装置の吸着力を確保する。なお、
符号12および12’は吸着力をオン/オフするための
スイッチを示している。また符号30は、余分な処理ガ
ス、および反応生成物の排気を表わしており、真空ポン
プ等に接続されている(こゝには図示しない)。
【0014】引き続き、本発明の第1の実施の形態であ
る静電吸着装置の構成の詳細説明を図1を用いて行な
う。図中、符号14はアルミ製のブロックを示してお
り、この内部に内電極16とリング状電極17を内蔵し
た焼結体の誘電膜15が導電性の接着剤により固定され
ている。こゝで、内電極16の外径はリング状電極17
の外径の70パーセントとしている。これら内電極とリ
ング状電極には、外部の直流電源11から電力を供給で
きるように電線18が接続されている。また、ブロック
14には貫通孔19が設けられており、この貫通孔内に
は外部のロッド20の上下運動によりウエハ9を上下で
きるプッシャ21が設けられている。ブロック14は、
下部ブロック22に螺子24によりOリング23を挿ん
で固定されている。このOリング23は下部ブロック内
に設けられ、ブロック14の裏面に付けられたフィン3
4により形成される通路25を流れる冷媒が外部に漏れ
ないようにするためのものである。符号26は、ブロッ
ク14と下部ブロック22を外部から電気的に絶縁する
ための絶縁ブロックを示し、符号27は保護カバーを示
し、接地電位が与えられている。符号28は、内電極1
6とリング状電極17に直流電圧を印加する電線をブロ
ック14、下部ブロック22、絶縁ブロック26から絶
縁するための絶縁筒を示している。なお、符号35は、
ブロック14が直接プラズマに曝されることを防ぐため
のサセプタを示しており、また符号33はウエハの処理
中の温度をモニタする温度計を示している。
【0015】つぎに、内電極16およびリング状電極1
7への直流電圧の印加方法を説明する。本実施例では、
内電極16には電線18’に対して、絶縁ガイド3
1’、コネクタ32’、および高周波電源10からの高
周波成分が接地電位に流れ込まないように設けられたブ
ロッキングコイル36’を介して接地電位が与えられて
いる。一方、リング状電極17は、内電極と同様に絶縁
ガイド31とコネクタ32およびブロッキングコイル3
6を介して、スイッチ37の切替えに応じて、接地38
または一端に接地電位が与えられた直流電源11が接続
される。
【0016】このように構成されたウエハの静電吸着装
置において、スイッチ37を直流電源11に接続すれば
内電極とリング状電極間に電位差を与えることができる
ため、プラズマの有無に係らずウエハを吸着することが
できる。また、このときスイッチの切替えによりリング
状電極17に接地電位を与える場合にはプラズマから入
射していた電子や、静電吸着装置の直流電源から供給さ
れた電子は回路を通して除電されるので、素早くウエハ
を取り剥がすことができる。また、ウエハの吸着固定に
際してウエハの処理面に接触する部分がない構成となる
ため、異物による汚染を抑えることができる。
【0017】図1の構成にて、内電極の外径をリング状
電極の外径の70パーセントとしたが、その理由を詳し
く説明する。まず、図1の装置の等価回路を図11に示
す。ウエハを吸着しているときの等価回路としては、直
流電源11、スイッチ37、ブロッキングコイル36、
リング状電極17上の誘電膜49、ウエハ9、内電極1
6上の誘電膜39、ブロッキングコイル36’、接地3
8の直列回路と考えることができる。こゝで、リング状
電極上の誘電膜49、内電極上の誘電膜39は、それぞ
れ容量成分40、41と抵抗成分42、43の並列回路
と考えられる。こゝで、ウエハの抵抗率(10Ωcm程
度)は誘電膜の抵抗率(通常1010Ωcmから1013Ω
cm)に較べて非常に小さいので、無視できる程度と考
えられる。したがって、回路に印加される直流電圧は抵
抗成分42、43の抵抗値の比の割合で分担されること
になる。吸着力はウエハ9と各誘電膜49、39間に電
位差が発生したときに発生するから、抵抗成分42、4
3の割合が重要になってくる。従来技術の中でも説明し
たように、プラズマを利用した技術では、誘電膜の中の
電極の電位がプラズマに影響を与えることが考えられる
ので、ウエハを支持する面は成可く同電位である方がよ
いことは明らかである。したがって、本実施例では内電
極の直径をできるだけ大きくする方がよいことになる
が、上記の理由により内電極に対してリング状電極が小
さ過ぎるとリング状電極上の抵抗が大き過ぎ、内電極上
に電圧が十分印加されないことになる。このような状況
下では、ウエハの冷却のためにウエハ裏面にヘリウム等
の冷却ガスを流すような場合、吸着力の弱い部分で冷却
ガス圧力により剥がれてしまうことが起こってくる。し
たがって、内電極に対してもガス圧に耐えるような吸着
力を発生しうる電圧が印加されなければならない。した
がって、内電極の直径を決定するのは直流電圧、吸着力
の二つであることがわかる。
【0018】仮に、印加電圧を500V、ウエハ冷却ガ
ス圧力を933Pa(7Torr)としたときに設定し
得る内電極のリング状電極に対する直径の割合を求めて
みる。誘電膜の材質はアルミナに酸化チタンを添加した
もので、抵抗率は1012Ωcmである。この誘電膜の吸
着力特性を予め測定したのが図12である。冷却ガス圧
力が933Paのとき、ウエハ裏面に発生する力は9.
2gf/cm2程度である。したがって、吸着力として
は多少余裕を見て20gf/cm2は確保す る必要があ
ると判断すると、図12から電圧としては100V必要
であることがわかる。誘電膜の膜厚が同一であれば、電
極上の誘電膜の抵抗値は電極の面積に反比例する。した
がって、リング状電極上の誘電膜に400V、内電極上
に100Vが印加されるとすると、面積比はリング状電
極:内電極=1:4の割合まで内電極を大きくできる。
このときの内電極の直径はリング状電極の89パーセン
トとなる。したがって、この条件では内電極はリング状
電極の直径の89パーセントまで広げても吸着力として
は問題ないことになる。本実施例ではリング状電極の外
径に対して内電極の外径が70パーセントであったが、
このときは面積比は1:1となり、電圧が均等に分担さ
れ、ウヘハ面内で均一な吸着状態となっていた。逆に7
0パーセント以下では、内側の吸着力の方が大きくなっ
てしまう。このときの問題としては、通常エッチング処
理ではウエハ外周部ほど温度上昇が大きいので外周部で
の吸着力が内部に較べて小さいと熱的コンタクトが悪化
し、温度制御性が悪くなることが挙げられる。したがっ
て、エッチング処理用の静電吸着装置としては避ける方
がよいことは明らかである。以上の考え方により、同心
円状の電極を有する静電吸着装置においては内電極の直
径をリング状電極の直径の70パーセント以上とするこ
とにより、より均一な処理が可能となる。
【0019】尚、図1では、内電極に対して接地電位を
与えた例を示したが、必ずしもそうである必要はなく、
別の電源を利用して電圧を印加してもよいし、内電極と
リング状電極に印加した電圧をフローティング状態にし
てもよい。また、内電極16を接地し、リング状電極1
7に正電位を印加しても、内電極16に負電位を印加
し、リング状電極17に正電位を印加してもよい。重要
なのは、各電極間に印加される電圧の大きさとその割合
である。ただし、実際のプロセスでは、処理中のウエハ
はプラズマからの電子の入射によりチャージアップし、
自己バイアス電位を持つため、内電極とウエハ、外電極
とウエハ間の電位差が前述したように適正となるように
設定する必要がある。
【0020】図2に本発明になる静電吸着装置の第2の
実施の形態を示す。この装置では、約300μmの厚み
の誘電膜50を溶射により製作している。図中におい
て、図1と異なる図番の説明を行なうと、符号46、4
7がそれぞれ内電極、リング状電極であり、絶縁材44
により互いに絶縁されている。また内電極とリング状電
極が下部ブロックを介して導通しないように絶縁シート
48が設けられている。こゝで、内電極の外径はリング
状電極の外径の70パーセントとなっている。この状態
で、下部ブロックすなわち内電極にスイッチ37’の切
替えにより直流電源11’を接続し、リング状電極には
図1と同様の手法により接地電位を印加すれば、ウエハ
を介して回路が構成され、ウエハ9を吸着できる。前に
述べた理由により直流電源11’の極性は図1の直流電
源11の極性とは逆になっている。
【0021】このように構成された静電吸着装置におい
ては、図1の場合と同様の効果を期待できるほか、誘電
膜の厚みを焼結により形成した場合よりも小さくできる
ので、熱通過率のよい、つまり温度制御性のよい静電吸
着方法を提供することができる。
【0022】尚、内電極46とリング状電極47が下部
ブロック22を通して導通しないように絶縁シート48
を設けたが、こゝをOリング等によりシールした状態で
冷媒(フロリーナート等)により絶縁してもよい。この
とき、内電極と下部ブロック間に流れる冷媒の流路とは
別の冷媒の流路(図示しない)を構成すればより効果的
である。このような構成にすれば、リング状電極上の温
度制御性をさらに向上することができる。
【0023】つぎに、図5および図6に本発明の第3の
実施の形態を示す。図5は横断面図であり、図6は図中
A部の拡大図である。これは図1のものとほぼ同様な構
造であるが、内電極55上の誘電膜の厚みを300μ
m、リング状電極56上の誘電膜の厚みを100μmと
し、内電極の直径をリング電極の直径の86パーセント
としている点が異なっている。考え方としては、リング
状電極上の誘電膜の厚みを小さくすれば、この部分での
抵抗値を内電極上の誘電膜の抵抗値より小さくでき、そ
の分だけ内電極の面積を大きく取ることができるという
ものである。実際、上記の条件であれば、内電極とリン
グ状電極上の誘電膜の抵抗値はほゞ同一となり、直流電
圧は均等に印加される。このように構成されたウエハの
静電吸着装置においては、図1の場合と同様の効果を期
待できるほか、内電極の面積の割合を大きく取ることが
でき、ウエハ保持面内のより大きな部分の電極の電位が
同一となり、均一なエッチング処理を期待することがで
きる。
【0024】尚、図5、6では、内電極とリング電極に
印加される電圧が均等に分割されるように面積比を選ん
だが、必ずしもこの通りである必要はない。例えば、図
1の場合と同様に、印加電圧が500V、ウエハ冷却ガ
ス圧力が933Paとしたときに設定し得る内電極のリ
ング状電極に対する直径の割合を求めてみると、96パ
ーセントとなる。したがって、この条件ではウエハ上の
素子が載っている部分はほゞ内電極上に存在することと
なり、均一なエッチングを期待することが可能となる。
【0025】図7および図8は、本発明の装置の第4の
実施の形態を示す図であり、図7は横断面図、図8は図
7中B部の拡大図である。これは図5、6と同様の考え
方に基づき、更に図2と同様に誘電膜59を溶射により
形成した例を示す。こゝでは、誘電膜の厚みとしては、
内電極60上で300μm、リング状電極61上で10
0μmとした。こゝで、印加した直流電圧が内電極とリ
ング状電極に均等に分割されるように、内電極の直径は
リング状電極の直径の86パーセントとしている。しか
し、内電極の直径としては必ずしもこの値である必要は
なく、図5、6の場合で説明したように、印加電圧、裏
面ガス圧等の条件により、さらに広げることも可能であ
る。このように構成された静電吸着装置では、図5の実
施の形態で期待できる効果に加えて、誘電膜の厚みが小
さいために熱通過率が大きくなり、温度制御性の改善の
効果が期待できる。
【0026】つぎに、本発明の図5および図7の静電吸
着装置の誘電膜の製作方法を説明する。図9は、図5の
装置の誘電膜の製膜方法を示している。まず、(1)に
示すように、アルミナに酸化チタンを適量混合したグリ
ーンシート51を形成する。ここで、符号52は、内電
極とリング状電極に電力を供給するための給電口、符号
53は、温度計の端子の導入口を示している。また、符
号54は、プッシャ用の孔部を示す。その後、(2)に
示すようにスクリーン印刷法によりタングステンの内電
極55を20μm付ける。このときリング状電極は付け
ていない。(3)この上に、(1)と同様に酸化チタン
を混合したアルミナのグリーンシート57を形成する。
(4)つぎにスクリーン印刷法によりリング状電極56
となるタングステン膜を形成する。(5)最終的に酸化
チタンを含むアルミナのグリーンシート58を付け、そ
の後焼成すればよい。しかし、これだけでは静電チャッ
クとして十分な形状とはならないので、研削加工により
表面粗さ、平坦度を所望の値にする。こゝで注意しなけ
ればならないことは、焼成することにより全体が収縮す
るという点である。したがって、図5の装置のように、
内電極上の誘電膜の厚みを300μmとし、リング状電
極上の誘電膜の厚みを100μmとする場合には、焼成
後の厚みを予め把握しておけばよい。
【0027】図10は、図7の装置の静電吸着装置の誘
電膜の製法を示す図である。まず(1)に示すように、
内電極60とリング状電極61を絶縁材62により絶縁
した状態で同心円状に配置する。ここで、リング状電極
の誘電膜が形成される面と反対の面には、図7の所で説
明したように、絶縁シート48が取り付けられている。
ここでは、アルミナを溶射して形成してある。このと
き、内電極に対してリング状電極が200μm突出する
ようにしておく。その他、図中の引用番号を説明する
と、符号63はプッシャ用の孔部、符号64は温度計導
入口、符号65は下部ブロックに固定するためのボルト
孔、符号66は給電用螺子穴を示している。(2)その
後、アルミナに酸化チタンを適量混合した誘電膜45を
溶射により形成する。このとき、形成された膜は溶射面
の形状に倣うので、リング状電極上で盛り上がった形状
となる。(3)そこで、最終的に研削および研磨加工に
より膜厚が内電極上で300μm、リング状電極上で1
00μmとなるようにする。
【0028】以上、本発明の静電吸着装置の誘電膜で
は、特に表面に冷却ガスの通り溝を形成していないが、
必要に応じて研削により形成してもよい。また、図7の
装置のように、アルミ製の母材に直接溶射により誘電膜
を形成するような場合には、アルミの母材に最初に溝を
形成しておけば、溶射により形成された膜自体が溝を再
現した形状となるのでその後の作業が容易になる。
【0029】図14は本発明による静電吸着装置を用い
たウエハ処理方法を示し、図13に示す従来のモノポー
ル型静電吸着装置のウエハ処理方法の1例と比較して説
明する。前述したように本発明の静電吸着装置では、ス
イッチの切替えによりウエハの吸着脱離が容易に行なえ
るが、実際のウエハでは裏面に酸化膜や窒化膜が付いて
いる場合も多く存在する。このような場合には、これら
の絶縁性の膜の電気的応答性が悪いために、ウエハに帯
電した電荷の除電時間が長くなることがある。そこで、
従来のモノポール型の静電吸着装置では、エッチング終
了後に処理ガスをそれとは異なる除電用のガス(Ar)
で置換し、その後高周波を印加してプラズマを起こし、
そのときに直流的に逆電圧を印加する方法が行なわれて
いる。この方法では、除電用のガス置換の時間の他に、
さらに除電用ガスの排気時間を必要とする。したがって
処理終了後ウエハをアンロードするまでに約25秒程度
を要していた。
【0030】ところが、図14に示すように、本発明の
静電吸着装置では、プラズマの有無に係らずに逆電圧を
印加することができるために、プロセスガスの排気時間
内に逆電圧を印加可能となり、処理終了後ウエハをアン
ロードするまでの時間が10秒程度と短くてすむ。その
結果、スループットのよい処理方法を提供することがで
きるという効果を期待することができる。
【0031】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、外部に設
けられたスイッチの切替えによりウエハを任意に吸着脱
離可能となるので、取扱いの容易な静電吸着装置を提供
できる。また、ウエハの処理面やウエハの外周部に機械
的な接触がないので、異物が処理面に付着しにくいとい
う効果を期待できる。さらに、ウエハを支持する電極の
面の大部分は同電位であるので、エッチングや電子描画
装置等に使用した際にも均一性のよい静電吸着装置、お
よびそれを利用した装置を提供できる。また、ウエハの
処理終了後に処理中に印加した電位とは逆の電位を印加
することにより、より素早くウエハに蓄えられた電荷を
除電可能となるので、スループットのよいウエハ処理方
法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の横断面図である。
【図2】第2の実施の形態の横断面図である。
【図3】図1の装置の有磁場マイクロ波プラズマ処理装
置への適用例を示す図である。
【図4】モノポール型静電吸着装置の回路構成を示す図
である。
【図5】第3の実施の形態の横断面図である。
【図6】図5中のA部拡大図である。
【図7】第4の実施の形態の横断面図である。
【図8】図7中のB部の拡大図である。
【図9】図5の装置の誘電膜の製作方法を示す図であ
る。
【図10】図7の装置の誘電膜の製作方法を示す図であ
る。
【図11】図1の装置の等価回路である。
【図12】誘電膜の電圧−吸着力特性を示すグラフであ
る。
【図13】モノポール型静電吸着装置のウエハ処理方法
の一例を示す図である。
【図14】本発明の静電吸着装置を用いたウエハ処理方
法の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 真空処理室 2 放電管 3 大気空間 4 導波管 5 マイクロ波 6 コイル 7 プラズマ 8 静電吸着装置 9 ウエハ 10 高周波電源 11、11’ 直流電源 12、12’ スイッチ 13 処理ガス 14 ブロック 15 誘電膜 16 内電極 17 リング状電極 18、18’ 電線 19 貫通孔 20 ロッド 21 プッシャ 22 下部ブロック 23 0リング 24 螺子 25 通路 26 絶縁ブロック 27 保護カバー 28 絶縁筒 29 石英管 30 排気 31、31’ 絶縁ガイド 32、32’ コネクタ 33 温度計 34 フィン 35 サセプタ 36、36’ ブロッキングコイル 37、37’ スイッチ 38 接地 39 内電極上誘電膜 40 容量成分 41 容量成分 42 抵抗成分 43 抵抗成分 44 絶縁材 45 誘電膜 46 内電極 47 リング状電極 48 絶縁シート 49 リング状電極上誘電膜 50 誘電膜 51 グリーンシート 52 給電口 53 温度計導入口 54 プッシャ用孔 55 内電極 56 リング状電極 57 グリーンシート 58 グリーンシート 59 誘電膜 60 内電極 61 リング状電極 62 絶縁材 63 プッシャ用孔部 64 温度計導入口 65 ボルト孔 66 給電用螺子穴 67 チャンバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橘内 浩之 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 吉岡 健 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸工場 (72)発明者 高橋 主人 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸工場 (72)発明者 金井 三郎 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸工場

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに電気的に絶縁された状態で同心円
    状に配置された内電極とリング状電極、上記内電極およ
    び上記リング状電極に付けられた表面が平坦な誘電膜、
    上記内電極とリング状電極間に上記誘電膜上の物質を静
    電的に吸着保持するのに十分な電位差を与える手段を含
    み、上記内電極の外径が上記リング状電極の外径の70
    パーセント以上であることを特徴とする静電吸着装置。
  2. 【請求項2】 上記リング状電極上の誘電膜の厚みが上
    記内電極上の誘電膜の厚みよりも小さいことを特徴とす
    る、請求項1記載の静電吸着装置。
  3. 【請求項3】 上記リング状電極の電位が上記内電極の
    電位よりも高いことを特徴とする、請求項1または2記
    載の静電吸着装置。
  4. 【請求項4】 上記内電極および上記リング状電極が冷
    媒を介して下部ブロックから絶縁されていることを特徴
    とする、請求項1〜3の内のいずれか一つに記載の静電
    吸着装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の内のいずれか一つに記載
    の静電吸着装置で使用される上記内電極および上記リン
    グ状電極上の誘電膜が、溶射または焼結により付けられ
    ることを特徴とする静電吸着装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4の内のいずれか一つに記載
    の静電吸着装置を使用するウエハの処理方法であって、
    ウエハの処理終了後にウエハに帯電した電荷の除電を、
    上記内電極および上記リング状電極にウエハの処理中に
    印加した電位とは逆の電位を印加することにより行なう
    ことを特徴とするウエハ処理方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6500686B2 (en) 2000-07-10 2002-12-31 Kabushiki Kaisha Toshiba Hot plate and method of manufacturing semiconductor device
JP2003059910A (ja) * 2001-08-20 2003-02-28 Shibaura Mechatronics Corp プラズマ処理装置
JP2015504244A (ja) * 2011-12-21 2015-02-05 イオン ビーム サービス 静電基板保持具を含む支持具
CN114400174A (zh) * 2022-01-18 2022-04-26 长鑫存储技术有限公司 一种等离子体处理装置及其处理晶片的方法

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