JPH07129829A - 自動販売機の商品搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】送出口を通し貯蔵庫内から送出された商品を、
取出口内の受け台上の、取出口から取り出し易い位置
に、品質が劣化したり外観が損われたり騒音を発したり
しないよう落下させて搬送し、取出口から入れた手で貯
蔵庫内の商品が盗まれるのを防ぐ。 【構成】送出口１９ａ，１９ｂ，１９ｃを通し送出され
た商品４が横幅の狭い一つの取出口５内受け台２８上に
落下する迄の間に通る通路２０内に、近接側端を上向き
に付勢し離反側端を機体３に鉛直面内で回動自在に支持
して左右に対向配置した、商品４が載ると近接側端を下
向きに回動して近接側端を下にした傾斜面を上面が形成
する回動位置で近接側端が受け台２８に当接し回動が規
制される、上面が平坦な左右一組の回動体３２と、販売
待機時にこの回動体３２に当接してこの回動体３２を水
平姿勢で保持する当接部材３１と、受け台２８の上側の
空間を回動体３２間で左右に仕切る仕切部材３０とを備
える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、機体内に区画形成さ
れ商品が貯蔵される貯蔵庫から送出口を通し送出された
商品を取出口内へ落下させて搬送する自動販売機の商品
搬送装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】機体内に区画形成され商品が貯蔵される
貯蔵庫には、この貯蔵庫内から販売の都度一個ずつ送出
される商品を通す、貯蔵庫の前面に開口する送出口が一
般的に形成されている。この送出口を通して送出された
商品は、機体の前面に開口した商品の取出口内に配設さ
れた受け台上に通路を介し落下させて搬送される。

【０００３】一方、冷たい商品や温かい商品を一台で同
時に販売する自動販売機では、商品が収納される収納室
が貯蔵庫内に左右に並列して複数形成されている。各収
納室にそれぞれ収納された商品は、冷蔵，温蔵若しくは
常温で貯蔵されており、各収納室それぞれに対応する送
出口が左右に並列して貯蔵庫に複数形成されている。ま
た各収納室内には、種類毎に収納された商品を販売の都
度一個ずつ排出する収納装置が収容設置されており、各
収納装置から排出される商品は、貯蔵庫内から送出口を
通し送出され通路を介し受け台上に落下し、お客さんに
より取出口を通して取り出される仕組になっている。

【０００４】この種の自動販売機では、取出口が複数の
送出口それぞれに対応させて複数形成される場合もある
が、複数の取出口内のいずれに商品が搬出されるかをお
客さんが迷ったり、取出口を通し送出口から貯蔵庫内に
手を入れて商品が盗まれたりするのを防ぐため、複数の
送出口に対応する、横幅が狭い一つの取出口が形成され
た自動販売機がある。

【０００５】このような自動販売機では、左右に並列し
た複数の送出口と一つの取出口と間の通路空間に、左右
方向に延在する共通の傾斜シュータとを配置し、この傾
斜シュータの下端に合わせて取出口を設けたことによ
り、各送出口から送出されて来る商品がそれぞれの傾斜
シュータを介して取出口の受け台上に搬送されるように
なっている。

【０００６】しかしながら、傾斜シュータ上に落下する
商品は、傾斜シュータ上に落下した際の衝撃で、仮に商
品がアルミ缶入りの炭酸飲料の場合、商品が泡立って品
質が劣化したり、缶が凹んで外観が損われたり、騒音を
発して周囲に迷惑をかけたりしないことが望まれる。ま
た貯蔵庫内に収納された商品が盗難に遭うのを防ぐ必要
があると同時に、取出口から商品を取り出し易くする必
要がある。ここで、この種の自動販売機の商品搬送装置
の従来例を図２および図３に示す。図２はこの発明の対
象となる自動販売機の構成を示し、（Ａ）が外観を示す
前方斜右上から見た斜視図、（Ｂ）が（Ａ）のケースの
前面開口を覆う扉および、貯蔵庫の前面開口を覆う貯蔵
庫扉を半ば開いた状態の、前方斜右上から見た斜視図、
図３は従来の自動販売機の商品搬送装置の構成を示し、
（Ａ）が要部右側縦断面図、（Ｂ）が扉の後方斜右上か
ら見た要部斜視図、（Ｃ）が（Ｂ）の要部横断面平面図
で、（Ａ）は図の左側が、また（Ｃ）は図の上側がそれ
ぞれ前面側である。

【０００７】図２および図３において、１は前面が開口
するケースであり、このケース１の前面開口を覆う扉２
がその左端をケース１に水平面内で回動自在に支持され
ており、このケース１と扉２とで機体３が構成されてい
る。扉２の下部には、機体３内外に連通し前面に開口し
た商品４の取出口５が左右方向の中央部に一つ形成され
ている。また扉２の前面部には、商品４の図示しない広
告，商品見本６などを陳列展示する展示室７、商品４を
選択する選択釦８、硬貨が投入される投入口９、投入し
た硬貨を返却操作する返却レバー１０、釣り銭を返却す
る返却口１１などが設けられている。

【０００８】一方、ケース１内には、全体を図示しない
冷凍機の構成要素である圧縮機，凝縮器１３などが収容
設置され前面が開口する機械室１４が下側に、また商品
４が冷蔵され前面が開口する貯蔵庫１５が上側にそれぞ
れ区画形成されている。この貯蔵庫１５内には、この貯
蔵庫１５内を左右に仕切って、商品４がそれぞれ収納さ
れる３つの収納室１６ａ，１６ｂ，１６ｃが左右に並列
形成されている。各収納室１６ａ，１６ｂ，１６ｃ内に
は、種類毎に収納された商品４を販売の都度一個ずつ落
下排出する収納装置１７がそれぞれ設置されており、貯
蔵庫１５の前面開口は、ケース１に左端を水平面内で回
動自在に支持された貯蔵庫扉１８で覆われている。この
貯蔵庫扉１８の下部には、収納装置１７から落下排出さ
れた商品４を貯蔵庫１５内から送出する、収納室１６
ａ，１６ｂ，１６ｃそれぞれに対応し貯蔵庫扉１８前面
に開口する３つの送出口１９ａ，１９ｂ，１９ｃが左右
に並列してそれぞれ形成されている。この送出口１９
ａ，１９ｂ，１９ｃは、図３（Ａ）に示す通路２０を介
して取出口５と連通しており、上面が送出口１９ａ，１
９ｂ，１９ｃを通し前方の取出口５内に向って下り坂の
傾斜面を形成する庫内シュータ２１が各収納室１６ａ，
１６ｂ，１６ｃ内の収納装置１７の下に配設されてい
る。

【０００９】また扉２の取出口５の内側には、送出口１
９ａ，１９ｂ，１９ｃのいずれかを通して貯蔵庫１５内
から送出され通路２０を介し落下する商品４を受ける、
前面および上面が開口する受け箱２２が固定設置されて
いる。この受け箱２２内の通路２０の一部を形成する空
間は、この受け箱２２の前面開口を介して取出口５に、
また受け箱２２の上面開口および通路２０を介し全ての
送出口１９ａ，１９ｂ，１９ｃに連通しており、受け箱
２２底上面の左右両側の部分に、左右両側から中央へ向
かって下り坂の傾斜シュータ２３ａ，２３ｂを形成して
いる。この傾斜シュータ２３ａ，２３ｂで左右両側から
挟まれる受け箱２２底上面中央部はほぼ水平な平坦面を
形成した受け台２４を形成しており、この受け台２４の
上方の通路２０を前後に横切る位置に、前後に長い棒状
の一対の棒状体２５が左右に並列して前後両端を受け箱
２２の前後両壁に固定し設けられている。

【００１０】なお、収納装置１７内には、この収納装置
１７の上端部前面に開口する投入口２６（図２（ｂ））
から投入された商品４を収容し前後に蛇行しながら上下
に延在するトラックが前後に並列して複数形成されてい
るとともに、このトラックの下端には、下面に開口する
排出口２７が形成されている。このように構成された自
動販売機の販売動作は、投入口９から硬貨が投入後、選
択釦８で購入商品４が選択されると、販売指令信号によ
り、選択された商品４が収納される収納装置１７の前記
トラック内の最下位の商品４が排出口２７から排出され
庫内シュータ２１上に落下する。この庫内シュータ２１
上に落下した商品４は、庫内シュータ２１上面をその自
重で摺動若しくは転動しながら降下し、送出口１９ａ，
１９ｂ，１９ｃのいずれかを通して貯蔵庫１５内から送
出され、通路２０介して傾斜シュータ２３ａ，２３ｂ上
に落下する。そして、この傾斜シュータ２３ａ，２３ｂ
上をその自重で摺動若しくは転動しながら側方から取出
口５に向けて降下し搬送され、取出口５内の、受け台２
４へ向けて搬送され、取出口５を通してお客さんにより
取り出される。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の自動販売機の商品搬送装置は、貯蔵庫１５内から
送出口１９ａ，１９ｂ，１９ｃいずれかを通し送出され
た各商品を、扉２の左右方向の略中央部に開口した、取
出口５に向けて搬送できる。また、取出口５から入れた
手が通路２０を介し送出口１９ａ，１９ｂ，１９ｃのい
ずれかを通して貯蔵庫１５内に侵入するのを棒状体２５
が障害となって妨げることができ、貯蔵庫１５内に貯蔵
された商品４が取出口５を通して盗まれるのを防ぐこと
ができる。

【００１２】しかし、送出口１９ａ，１９ｂ，１９ｃか
ら送出された商品は、傾斜シュータ２３ａ，２３ｂ上に
落下した際の衝撃で、仮に商品４がアルミ缶入りの炭酸
飲料であれば、商品４が泡立って品質が劣化したり、ア
ルミ缶が凹んで外観が損われたり、騒音を発したりする
という問題がある。この発明は、貯蔵庫内から送出され
た商品の品質が劣化したりその外観が損われたり騒音を
発したりせず、また通路内に取出口から入れた手が送出
口を通し貯蔵庫内に入るのを防止できる自動販売機の商
品搬送装置を提供することを目的とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、この発明によれば、機体内に区画形成され商品が貯
蔵される貯蔵庫内からこの貯蔵庫の前面に開口する送出
口を通し販売の都度一個ずつ送出された前記商品を、前
記機体の前面に開口した商品の取出口内に配設された受
け台上に落下させて搬送する自動販売機の商品搬送装置
において、前記送出口を通し送出された前記商品が前記
受け台上に落下するまでの間に通る通路内に、左右両端
の一方を上向きに付勢し他方を鉛直面内で回動自在に前
記機体に支持された、前記商品が載ると前記一方を下向
きにして回動する回動体と、販売待機時に前記回動体に
当接して当該回動体を水平姿勢で保持する当接部材とを
具備するものとする。

【００１４】また、回動体は、その上面が平坦な面を形
成する回動体であって、前記上面がほぼ水平な面を形成
する回動位置で当接部材にその上面が当接するものとす
る。また、互に左右に向い合わせて配設され互に離反す
る側端を機体に回動自在に支持された左右一組の回動体
と、この左右一組の回動体の間で受け台の上側の空間を
左右に仕切る仕切部材とを備えるものとする。

【００１５】また、回動体は、商品が載って回動したと
き、機体に回動自在に支持された側と反対側の端を下に
して傾斜する傾斜面をその上面が形成する回動位置で前
記端が受け台に当接して回動が規制されるものとする。
また、送出口が左右に並列して複数形成されかつ横幅の
狭い取出口が一つ形成されるものとする。

【００１６】

【作用】この発明は、前記構成により、前記送出口を通
し送出された前記商品が前記受け台上に落下するまでの
間に通る通路内に、左右両端の一方を上向きに付勢し他
方を鉛直面内で回動自在に前記機体に支持された、前記
商品が載ると前記一方を下向きにして回動する回動体
と、販売待機時に前記回動体に当接して当該回動体を水
平姿勢で保持する当接部材とを具備したので、送出口を
通し貯蔵庫内から送出された商品を、上向きに例えば捩
りコイルばねで付勢された回動体で柔軟に受け衝撃を受
けないようにして回動体上に落下させることができ、か
つ回動体は受け止めた商品の重さで回動して上面が傾斜
面を形成することにより、この傾斜面上を自重で摺動若
しくは転動させながら商品を降下させて、取出口内の受
け台上に衝撃を受けないように軟着陸させることができ
る。また、通路内に取出口から入れた手が送出口を通し
て収納庫内に侵入するのを、水平姿勢の回動体および当
接部材が障害物となって妨げることができる。

【００１７】また、回動体は、その上面が平坦な面を形
成する回動体であって、前記上面がほぼ水平な面を形成
する回動位置で当接部材にその上面が当接するものとし
たので、当接部材に上面が当接する回動位置を待機位置
とすることにより、この待機位置で上面が水平な面を形
成する回動体の上面で、送出口を通し貯蔵庫内から送出
され落下する商品を容易に受けることができ、かつこの
商品を載せて回動し一端を下にして傾斜面を形成する回
動体の平坦な上面上を円滑に摺動若しくは転動させて回
動体上の商品を降下させ受け台上に商品を軟着陸させる
ことができ、同時に付勢力で回動体を待機位置に復帰さ
せることができる。

【００１８】また、互に左右に向い合わせて配設され互
に離反する側端を機体に回動自在に支持された左右一組
の回動体と、この左右一組の回動体の間で受け台の上側
の空間を左右に仕切る仕切部材とを備えるものとしたの
で、送出口が左右に並列して複数形成され、かつこの複
数の送出口に対応して、横幅の狭い取出口がただ一つし
か形成されていなくても、それぞれの送出口を通して貯
蔵庫内から送出され落下する商品を、左右いずれかの取
出口内の受け台上に軟着陸させることができるととも
に、左右一組の回動体の一方に載って受け台上に軟着陸
した商品が受け台上を他方の回動体側に移動するのを阻
止できる。

【００１９】また、回動体は、商品が載って回動したと
き、機体に回動自在に支持された側と反対側の端を下に
して傾斜する傾斜面をその上面が形成する回動位置で前
記端が受け台に当接して回動が規制されるものとしたの
で、機体に回動自在に支持された側と反対側の端が受け
台に当接する回動体の回動位置を、この回動体の上面が
緩く傾斜する緩斜面を形成する回動位置とすることによ
り、この緩斜面上を摺動若しくは転動させながら自重で
降下させて、回動体に載った商品を衝撃を受けないよう
に受け台上に軟着陸させることができる。

【００２０】また、送出口が左右に並列して複数形成さ
れかつ横幅の狭い取出口が一つ形成されるものとしたの
で、取出口が機体前面の左右若しくは中央に開口する取
出口であっても、それぞれの送出口を通して貯蔵庫内か
ら送出され落下する商品を、一つ若しくは左右一組の回
動体で受けて取出口内の受け台上に軟着陸させることが
できる。

【００２１】

【実施例】以下、この発明の実施例を図１および図２に
基づいて説明する。図１はこの発明の一つの実施例の自
動販売機の商品搬送装置の構成を示し、（Ａ）が要部正
面縦断面図、（Ｂ）が要部右側縦断面図で、（Ｂ）は図
の左側が前面側であり、図２はこの発明の対象となる自
動販売機の構成を示し、（Ａ）が外観を示す前方斜右上
から見た斜視図、（Ｂ）が（Ａ）のケースの前面開口を
覆う扉および、貯蔵庫の前面開口を覆う貯蔵庫扉を半ば
開いた状態の、前方斜右上から見た斜視図である。図３
と共通あるいは同一の部分は同一の符号で示す。

【００２２】図１および図２において、１は前面が開口
するケースであり、このケース１の前面開口を覆う扉２
をケース１に水平面内で回動自在に左端で支持してお
り、このケース１と扉２とで機体３を構成しいる。扉２
の下部には、機体３内外に連通し前面に開口した商品４
の取出口５を左右方向の中央部にただ一つ形成してい
る。また扉２の前面部には、展示室７，選択釦８，投入
口９，返却レバー１０，返却口１１などが設けている。

【００２３】一方、ケース１内には、全体を図示しない
冷凍機の構成要素である圧縮機，凝縮器１３などを収容
設置した、前面が開口する機械室１４を下側に、商品４
が貯蔵され前面が開口する貯蔵庫１５を上側にそれぞれ
区画形成している。この貯蔵庫１５内には、この貯蔵庫
１５内を左右に仕切って３つの収納室１６ａ，１６ｂ，
１６ｃを左右に並列形成している。各収納室１６ａ，１
６ｂ，１６ｃ内には、収納装置１７をそれぞれ設置して
おり、貯蔵庫１５の前面開口を、ケース１に左端を水平
面内で回動自在に支持した貯蔵庫扉１８で覆っている。
この貯蔵庫扉１８の下部には、収納室１６ａ，１６ｂ，
１６ｃにそれぞれ対応する３つの送出口１９ａ，１９
ｂ，１９ｃを左右に並列形成しており、この送出口１９
ａ，１９ｂ，１９ｃは、図１（Ｂ）に示す通路２０を介
して取出口５と連通している。また各収納室１６ａ，１
６ｂ，１６ｃ内の収納装置１７の下には、庫内シュータ
２１を配設しており、ここまでは前記した従来例と変っ
ていない。

【００２４】また扉２の取出口５の内側には、送出口１
９ａ，１９ｂ，１９ｃのいずれかを通して貯蔵庫１５内
から送出され通路２０を介し落下する商品４を受ける、
前面および上面が開口する四角な箱状の受け台２８を固
定している。この受け台２８の後壁で機械室１４の前面
開口を覆っており、受け台２８内の通路２０の一部を形
成する空間は、この受け台２８の前面開口を介して取出
口５に、また受け台２８の上面開口および通路２０を介
し全ての送出口１９ａ，１９ｂ，１９ｃに連通してい
る。また受け台２８底上面は、ほぼ水平な平坦面２９を
形成しており、この平坦面２９の上方の通路２０内に
は、通路２０の部分である、平坦面２９の直上の空間を
左右に仕切る平板状の仕切部材３０の下端を平坦面２９
中央部に固定している。また、平坦面２９の上方の通路
２０内には、この通路２０を前後に横切る位置で左右に
並列した前後に長い棒状の一対の当接部材３１の前後両
端を受け台２８の前後両壁を介して機体３に固設してい
る。さらに、平坦面２９の上方の通路２０内には、上面
がほぼ水平な面を形成する待機位置で一対の当接部材３
１にそれぞれ上面が当接し通路２０を上下に仕切る平板
状の左右一組の回動体３２を互に左右に向い合わせて配
設している。

【００２５】一組の回動体３２の互に離反する側端であ
る機体３側方側端を、軸長方向が前後に水平な回動軸３
３を介し受け台２８に回動自在に支持するとともに、一
対の回動体３２の互に近接する側端である機体３中央側
端を、上面が一対の当接部材３１にそれぞれ当接する方
向に上向きに捩りコイルばね３４で付勢している。この
捩りコイルばね３４の付勢力を、回動体３２に商品４が
載ると、回動自在に支持された側と反対側端を下向きに
して回動体３２が載った商品４の重さで回動するように
調節している。また、商品４が載って回動したとき、緩
く傾斜する緩斜面を上面が形成する回動体３２の回動位
置で、回動自在に支持された側と反対側の回動体３２の
端が平坦面２９に当接して回動体３２の回動が規制され
るように構成している。

【００２６】なお、収納装置１７内には、この収納装置
１７の上端部前面に開口する投入口２６（図２（Ｂ））
から投入された商品４を収容し前後に蛇行しながら上下
に延在する図示しないトラックを前後に並列して複数形
成しており、その他の構成は前記した従来例と同一であ
る。前述の構成において、この発明の自動販売機の販売
動作および、販売時の各部の動作および機能につき以下
述べる。

【００２７】この発明の自動販売機の販売動作は、投入
口９から硬貨を投入後、選択釦８で購入商品４が選択さ
れると、販売指令信号により、選択された商品４が収納
される収納装置１７の前記トラック内の最下位の商品４
が排出口２７から排出され庫内シュータ２１上に落下す
る。この庫内シュータ２１上に落下した商品４は、庫内
シュータ２１上面をその自重で摺動若しくは転動しなが
ら降下し、貯蔵庫１５内から通路２０内に送出口１９
ａ，１９ｂ，１９ｃのいずれかを通って送出される。そ
して、左右一組の回動体３２のずれかに殆ど衝撃を受け
ずに落下して載り、商品４が載った回動体３２は、その
機体３中央側端を下向きにして商品４を載せたまま回動
し、やがてその機体３中央側端が、その上面が緩斜面を
形成する回動位置で受け台２８の平坦面２９に当接して
停止する。ここで、回動体３２に載った商品４は、回動
体３２上面が形成する緩斜面上をその自重で摺動若しく
は転動しながらゆっくりと降下して側方から取出口５内
へ向け搬送され、衝撃を受けることなく平坦面２９上に
載り、仕切部材３０に緩やかに当接して平坦面２９の中
央部上で止る。この平坦面２９の中央部上に止った商品
４は、お客さんにより取出口５を通して取り出されると
ともに、回動体３２は、その機体３中央側端を上向きに
して捩りコイルばね３４の付勢力で回動し、やがて上面
が当接部材３１に当接し待機位置に復帰する。

【００２８】これにより、貯蔵庫１５内から送出された
商品４を、取出口５の横幅の狭くてもこの取出口５を通
してお客さんが取り出し易い取出口５内の位置に、回動
体３２，受け台２８などから衝撃を受けずに搬送でき、
同時に機械室１４内に転落して機械室１４内収設機器に
損傷を与えるのを防止できる。また、通路２０内に取出
口５から入れた手が通路２０を介し送出口１９ａ，１９
ｂ，１９ｃのいずれかを通して貯蔵庫１５内に侵入する
のを、仕切部材３０，当接部材３１および回動体３２が
障害となって妨げることができる。

【００２９】

【発明の効果】この発明によれば、機体の前面に開口し
た商品の取出口内に配設された受け台上に落下させて搬
送するため、前記機体内に区画形成され商品が貯蔵され
る貯蔵庫内から販売の都度一個ずつ送出される商品を通
す、貯蔵庫の前面に開口する送出口を通し送出された前
記商品が前記受け台上に落下するまでの間に通る通路内
に、左右両端の一方を上向きに付勢し他方を鉛直面内で
回動自在に前記機体に支持された、前記商品が載ると前
記一方を下向きにして回動する回動体と、販売待機時に
前記回動体に当接して当該回動体を水平姿勢で保持する
当接部材とを具備したので、送出口を通し貯蔵庫内から
送出された商品を、回動体で柔軟に受け衝撃を受けない
ようにして回動体上に落下させることができ、かつ取出
口から取り出し易い受け台上の位置に衝撃を受けないよ
うに軟着陸させることができるとともに、通路内に取出
口から入れた手が送出口を通して収納庫内に侵入するの
を、水平姿勢の回動体および当接部材が障害物となって
妨げることができる。これにより、お客さんは手探りせ
ずに取出口を通して商品を迅速かつ容易に取り出すこと
ができるとともに、受け台上に搬送された商品が仮にア
ルミ缶入りの炭酸飲料であっても、商品が泡立って品質
が劣化したり、アルミ缶が凹んで外観が損われたり、騒
音を発したりしないようにでき、かつ貯蔵庫内に貯蔵さ
れた商品が取出口を通して盗まれるのを防止できる。

【００３０】また、回動体は、その上面が平坦な面を形
成する回動体であって、前記上面がほぼ水平な面を形成
する回動位置で当接部材にその上面が当接するものとし
たので、送出口を通し貯蔵庫内から送出され落下する商
品を回動体の上面で容易に受けることができるととも
に、回動体の平坦な上面上を円滑に摺動若しくは転動さ
せ降下させて受け台上に商品を軟着陸させることがで
き、かつ同時に付勢力で回動体を待機位置に復帰させる
ことができ、これにより、受け台上に搬送された商品が
仮にアルミ缶入りの炭酸飲料であっても、商品が泡立っ
て品質が劣化したり、アルミ缶が凹んで外観が損われた
り、騒音を発したりしないようにできる。

【００３１】また、互に左右に向い合わせて配設され互
に離反する側端を機体に回動自在に支持された左右一組
の回動体と、この左右一組の回動体の間で受け台の上側
の空間を左右に仕切る仕切部材とを備えるものとしたの
で、送出口が左右に並列して複数形成され、かつこの複
数の送出口に対応して、横幅の狭い取出口がただ一つし
か形成されていなくても、それぞれの送出口を通して貯
蔵庫内から送出され落下する商品を取出口から取り出し
易い受け台上の位置に軟着陸させることができるととも
に、左右一組の回動体の一方に載って受け台上に軟着陸
した商品が受け台上を他方の回動体側に移動するのを阻
止でき、これにより、お客さんは手探りせずに取出口を
通して商品を迅速かつ容易に取り出すことができ、かつ
上記と同様の効果が得られる。

【００３２】また、回動体は、商品が載って回動したと
き、機体に回動自在に支持された側と反対側の端を下に
して傾斜する傾斜面をその上面が形成する回動位置で前
記端が受け台に当接して回動が規制されるものとしたの
で、回動体に載った商品を受け台上に衝撃を受けないよ
うに軟着陸させることができ、これにより、受け台上に
搬送された商品が仮にアルミ缶入りの炭酸飲料であって
も、商品が泡立って品質が劣化したり、アルミ缶が凹ん
で外観が損われたり、騒音を発したりしないようにでき
る。

【００３３】また、送出口が左右に並列して複数形成さ
れかつ横幅の狭い取出口が一つ形成されるものとしたの
で、それぞれの送出口を通して貯蔵庫内から送出され落
下する商品を、一つ若しくは左右一組の回動体で受けて
取出口内の受け台上に軟着陸させることができ、これに
より、お客さんはいずれの取出口内に商品が搬出される
か迷ったり手探りしたりせずに取出口を通して商品を迅
速かつ容易に取り出すことができ、かつ上記と同様の効
果が得られる。

【００３４】その結果、お客さんは購入した商品を取出
口を通して素速くかつ容易に取り出すことができるとと
もに、取出口内に搬送された商品が泡立って品質が劣化
したり、外観が凹んで損われたり、騒音の発生して周囲
に迷惑をかけたりするのを防止でき、かつ通路内に取出
口から入れた手で貯蔵庫内の商品が取り出されて盗難に
遭うことを防止できる自動販売機の商品搬送装置を提供
できるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一つの実施例の自動販売機の商品搬
送装置の構成を示し、（Ａ）が要部正面縦断面図、
（Ｂ）が要部右側縦断面図

【図２】この発明の対象となる自動販売機の構成を示
し、（Ａ）が外観を示す前方斜右上から見た斜視図、
（Ｂ）が（Ａ）のケースの前面開口を覆う扉および、貯
蔵庫の前面開口を覆う貯蔵庫扉を半ば開いた状態の、前
方斜右上から見た斜視図

【図３】従来の自動販売機の商品搬送装置の構成を示
し、（Ａ）が要部右側縦断面図、（Ｂ）が扉の後方斜右
上から見た要部斜視図、（Ｃ）が（Ｂ）の要部横断面平
面図

【符号の説明】

１ ケース ２ 扉 ３ 機体 ４ 商品 ５ 取出口 ６ 商品見本 ７ 展示室 ８ 選択釦 ９ 投入口 １０ 返却レバー １１ 返却口 １３ 凝縮器 １４ 機械室 １５ 貯蔵庫 １６ａ 収納室 １６ｂ 収納室 １６ｃ 収納室 １７ 収納装置 １８ 貯蔵庫扉 １９ａ 送出口 １９ｂ 送出口 １９ｃ 送出口 ２０ 通路 ２１ 庫内シュータ ２２ 受け箱 ２３ａ 傾斜シュータ ２３ｂ 傾斜シュータ ２４ 受け台 ２５ 棒状体 ２６ 投入口 ２７ 排出口 ２８ 受け台 ２９ 平坦面 ３０ 仕切部材 ３１ 当接部材 ３２ 回動体 ３３ 回動軸 ３４ 捩りコイルばね

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】機体内に区画形成され商品が貯蔵される貯
   蔵庫内からこの貯蔵庫の前面に開口する送出口を通し販
   売の都度一個ずつ送出された前記商品を、前記機体の前
   面に開口した商品の取出口内に配設された受け台上に落
   下させて搬送する自動販売機の商品搬送装置において、
   前記送出口を通し送出された前記商品が前記受け台上に
   落下するまでの間に通る通路内に、左右両端の一方を上
   向きに付勢し他方を鉛直面内で回動自在に前記機体に支
   持された、前記商品が載ると前記一方を下向きにして回
   動する回動体と、販売待機時に前記回動体に当接して当
   該回動体を水平姿勢で保持する当接部材とを具備したこ
   とを特徴とする自動販売機の商品搬送装置。
2. 【請求項２】請求項１記載の自動販売機の商品搬送装置
   において、回動体は、その上面が平坦な面を形成する回
   動体であって、前記上面がほぼ水平な面を形成する回動
   位置で当接部材にその上面が当接する自動販売機の商品
   搬送装置。
3. 【請求項３】請求項１または請求項２記載の自動販売機
   の商品搬送装置において、互に左右に向い合わせて配設
   され互に離反する側端を機体に回動自在に支持された左
   右一組の回動体と、この左右一組の回動体の間で受け台
   の上側の空間を左右に仕切る仕切部材とを備えた自動販
   売機の商品搬送装置。
4. 【請求項４】請求項１ないし請求項３のいずれかに記載
   の自動販売機の商品搬送装置において、回動体は、商品
   が載って回動したとき、機体に回動自在に支持された側
   と反対側の端を下にして傾斜する傾斜面をその上面が形
   成する回動位置で前記端が受け台に当接して回動が規制
   される自動販売機の商品搬送装置。
5. 【請求項５】請求項１ないし請求項４いずれかに記載の
   自動販売機の商品搬送装置において、送出口が左右に並
   列して複数形成されかつ横幅の狭い取出口が一つ形成さ
   れた自動販売機の商品搬送装置。