JPH07128871A - 分散型有機系感光体 - Google Patents

分散型有機系感光体

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JPH07128871A
JPH07128871A JP27166793A JP27166793A JPH07128871A JP H07128871 A JPH07128871 A JP H07128871A JP 27166793 A JP27166793 A JP 27166793A JP 27166793 A JP27166793 A JP 27166793A JP H07128871 A JPH07128871 A JP H07128871A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 分散型感光層の膜厚を厚くすることによって
生じる、繰り返し使用時の感光層中への電荷の蓄積を防
止し、感度の低下と残留電位の上昇が防止するととも
に、ガサツキ等の無い優れた画質の画像を形成できる感
光体を提供する。 【構成】 表面にアルマイト層を有する導電性支持体上
に有機電荷発生材料および有機電荷輸送材料を結着樹脂
に分散してなる厚さ30μm以上の感光層を設けた分散
型有機系感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真に用いられる
感光体、特に膜厚の厚い感光層を有し、耐摩耗性および
電気的特性に優れ、ガサツキ、画像あれ等のない良好な
画像を形成することが可能な感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真等に使用する感光体にお
いては、感光層を構成する材料として、セレン、硫化カ
ドミウム、酸化亜鉛等の無機光導電性材料が知られてい
る。これら無機光導電性材料は数多くの利点、例えば暗
所での電荷の散逸が少ないこと、あるいは光照射によっ
て速やかに電荷を散逸できることなどの利点をもってい
る反面、次のような各種の欠点を有している。例えば、
セレン系感光体では、製造コストが高く、また熱や機械
的な衝撃に弱いため取り扱いに注意を要する。また、硫
化カドミウム系感光体では、多湿の環境下で安定した感
度が得られない点や、増感剤として添加した色素がコロ
ナ帯電による帯電劣化や露光による光退色を生じるため
長期にわたって安定した特性を与えることができない欠
点を有している。さらにこれらの感光体は安全性の面で
も問題がある。
【0003】一方、感光層を構成する材料として、ポリ
ビニルカルバゾールをはじめとする各種の有機光導電性
ポリマーを感光層の形成に用いることも検討されてき
た。これらのポリマーは、前述の無機系光導電性材料に
比べて成膜性、軽量性などの点で優れているが、未だ十
分な感度、耐久性および環境変化による安定性の点で無
機系光導電性材料に比べ劣っていた。
【0004】そこで、近年においては、これらの感光体
における上記のような欠点を解決するため、種々の研究
開発が行なわれ、光導電性機能の電荷発生機能と電荷輸
送機能とをそれぞれ個別の物質に分担させるようにした
積層型あるいは分散型の機能分離型有機系感光体が開発
された。通常積層型機能分離型感光体の感光層は、有機
系電荷発生材料を含有する電荷発生層と有機系電荷輸送
材料および結着樹脂を含有する電荷輸送層とを積層して
構成されており、分散型機能分離型感光体の感光層は結
着樹脂中の有機系電荷発生材料と有機系電荷輸送材料と
を分散した層から構成されている。
【0005】このような機能分離型有機系感光体は、物
質の選択範囲が広く、帯電特性、感度、残留電位、繰り
返し特性等の電子写真特性において、最良の物質を組み
合わせることができ、これによって高性能な感光体を提
供することができる。また、塗工で生産できるため、極
めて生産性が高く、安価な感光体を提供でき、しかも電
荷発生材料を適当に選択することによって、感光波長域
を自由にコントロールすることができる。
【0006】特に分散型の機能分離型感光体は、正帯電
感光体として使用可能である。正帯電感光体は、負帯電
感光体に比べて、オゾン発生量が少なく、環境に対して
も有利であることから注目されている。
【0007】しかし、上記有機系感光体は、一般に機械
的強度が無機系感光体に比べて低く、耐久性に劣ってお
り、トナーあるいは紙との摩擦、クリーニング部材によ
る摩擦等、装置内における実用上の負荷によって感光層
の摩耗が生じ膜厚が減少する。摩耗による膜減り量は、
材料、プロセスによって異なるが、1万枚のコピープロ
セスで0.2〜1μm程度が通常である。さらに膜厚の
減少は帯電性の低下をもたらす。この低下が許容できる
範囲を越えると感光体は寿命を迎えてしまい、結果とし
て耐刷性能が劣ることとなる。
【0008】そこで、耐久性を向上させ感光体の長寿命
化を図るために、分散型の感光体において、感光層の膜
厚を従来よりも厚く構成することが検討されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、単に、
感光層の膜厚を大幅に厚くした場合には、繰り返し使用
することにより、感光層中に電荷が蓄積してしまい残留
電位の著しい上昇、帯電性能の低下により画像乱れが生
じる等の問題がある。
【0010】従って、本発明は、上記問題点を解消し、
感光層の膜厚を、従来使用されている10〜20μm付
近の膜厚より大幅に厚くし、30μm以上、好ましくは
35μm〜60μmにまで上げても、繰り返し使用時
に、電気的特性が悪化せず、残留電位の上昇が小さく、
高感度の分散型機能分離型有機系感光体を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】少なくとも、表面にアル
マイト層を有する導電性支持体と、有機電荷発生材料お
よび有機電荷輸送材料を結着樹脂に分散してなる厚さ3
0μm以上の感光層とを有する分散型有機系感光体に関
する。
【0012】本発明の感光体は、少なくとも、表面にア
ルマイト層を有する導電性支持体、該導電性支持体上に
電荷発生材料と電荷輸送材料を結着樹脂中に分散させて
なる感光層を設けることにより構成される。
【0013】本発明においては、アルマイト層を設ける
ことにより、感光層の膜厚が従来より厚い感光体であっ
ても、繰り返し使用時の感光層中への電荷の蓄積を緩和
し、帯電能の低下、残留電位の上昇を極力防止して、画
像の劣化、例えば画像のガサツキ、黒斑点等を有効に防
止することができる。
【0014】まず、本発明の感光体を構成するアルマイ
ト層について説明する。
【0015】アルマイト層は、アルミニウム導電性支持
体上に設けられたバリアー層と多孔質層の2層からな
る。アルマイト層の役目としては接着性の付与、電荷注
入防止性および整流性等が必要である。
【0016】アルマイト層が電荷注入防止性を有するた
めにはバリアー層の厚みを大きくする必要がある。しか
しながら、バリアー層を厚くしすぎると残留電位の上昇
となり、感度の低下や繰り返し時に起こるカブリ等の原
因となる。したがって、バリアー層の厚みは10〜10
00Å、好ましくは10〜500Åが望ましい。
【0017】多孔質層は接着性の付与を伴い、ある程度
の厚みが必要であるが、厚すぎると残留電位の上昇や暗
電流の増加となって現われる。したがって、多孔質層の
厚みは0.5〜15μm、好ましくは1〜10μm、よ
り好ましくは2〜8μmが望ましい。
【0018】さらに好ましくは本発明のアルマイト層は
部分的に封孔処理を施す。部分的にというのは、その多
孔質層中に空洞が残存した状態でその表面のみを封孔す
るという意味である。封孔度は封孔処理する時間や、封
孔剤の濃度、溶液の温度などにより調整することができ
る。部分的封孔処理によってアルマイト層中に入ったN
i等の不純物により、電子の流れがスムーズに行われ、
一方、アルマイト層のバリアー性によって正孔自体は注
入が防止される結果、良好な整流性が得られる。
【0019】アルマイト層は、感光体の支持体として円
筒状等の適宜な形状に加工されているアルミニウム支持
体を陽極とし、電解液として硫酸あるいはシュウ酸等を
用いて電解処理を行い、この表面にアルマイト層を形成
する。バリアー層の厚みの調整は、電解電圧を調整する
ことにより可能であり、多孔質層の厚みの調整は、電解
時間を調整することにより可能である。
【0020】封孔処理は酢酸ニッケルやフッ化ニッケル
等の水溶液で処理することにより行う。封孔剤の濃度
は、1〜15wt%がよく、好ましくは5〜10wtで
ある。水溶液の温度は30〜80℃が好ましい。
【0021】本発明におけるアルマイト層中の不純物の
量は、アルミニウム合金の材質や、アルマイト処理条件
によって調整することができる。
【0022】本発明のアルマイト層中には、マグネシウ
ム、鉄、銅、シリコン以外のマンガン、クロム、亜鉛、
チタン等の金属は、特に電荷注入の原因にならない限り
は含有されてもよいが、その量は、0.1重量%以下で
あることが望ましい。
【0023】なお、アルマイト層中の金属の量は、オー
ジェ電子分光分析、発行分光分析により定量することが
できる。
【0024】さらに、アルマイト層のインピーダンス
を、1〜300KΩ、好ましくは50〜250KΩ、よ
り好ましくは100〜250KΩの範囲に調整すれば、
アルマイト処理することによって劣化するとされていた
感光体としての特性、たとえば残留電位の上昇、繰り返
し特性の悪化等を良好なものにすることができる。
【0025】インピーダンスの調整は、電解時間や電解
電圧をそれぞれ調整することによって可能であり、ま
た、封孔処理を施すなどにより可能である。アルマイト
層のインピーダンスは低すぎると、注入防止層としての
役割を果たさず、電荷保持能が低く、また、耐刷時の白
斑点も多数発生する。逆に、アルマイト層のインピーダ
ンスが高すぎると、初期の残留電位が高くなり、感度の
低下を招き、また、繰り返し複写によって残留電位の増
加となり、画像にカブリが発生する。
【0026】インピーダンスの測定方法は、ASTM−
B457ー67により標準方式で測定することができ
る。すなわち、その方法は、A−Cインピーダンスブリ
ッジを用いて測定を行う方法で、電解液として35%の
食塩水を使用し、1000Hzで測定し、何回か他の場
所でテストを繰り返し測定し、その平均を取るものであ
る。
【0027】アルマイト層皮膜のインピーダンスは、皮
膜の厚さに比例し、測定面積に反比例し、測定温度にも
影響を受ける。本発明のアルマイト層皮膜のインピーダ
ンスは、測定面積0.129cm2、測定温度25℃の条
件下におけるインピーダンス値に換算したものである。
【0028】電荷注入防止性はアルマイト層中における
不純物にも大きく影響される。鉄、銅またはシリコン等
が不純物として多く含有されていると電荷注入防止、整
流性が大きく影響される。本発明は、特に、電荷注入の
原因になると考えられるシリコン、銅、鉄等の不純物を
できるだけ押さえることが好ましい。また、マグネシウ
ムおよびシリコンが含有されていると、非常に弊害にな
るマグネシウムーシリコン合金が形成される。かかる理
由から上記金属は出来るだけ少ないほうが望ましい。
【0029】本発明の感光体における導電性支持体とし
ては、一般に円筒状のものが使用されるが、例えば、押
出し加工後、引き抜き加工を施したアルミニウムパイプ
を切断し、その外表面をダイヤモンドバイト等の切削工
具を用いて約0.2〜0.3mm切断し仕上げたもの(切
削管)や、アルミニウム円板を深絞り加工してカップ状
とした後、外表面をしごき加工によって仕上げたもの
(DI管)。アルミニウム円板をインパクト加工してカッ
プ状とした後、外表面をしごき加工によって仕上げたも
の(EI管)、押出し加工後、冷間引抜き加工したもの
(ED管)等が用いられる。またこれらの表面をさらに切
削したものであってもよい。導電性支持体としては上記
の他、アルミニウムの箔ないしは板をシート状にしたも
のでもよく、これらの金属をプラスチックフィルム等に
貼り合わせたもの等を使用してもよい。
【0030】本発明の感光体は、このような導電性支持
体上にアルマイト層を形成した後、電荷発生材料と電荷
輸送材料を結着樹脂中に分散させてなる感光層を設けた
ものである。
【0031】感光層を形成するにあたっては、電荷発生
材料と電荷輸送材料を適当な結着樹脂を溶解させた溶液
中に分散させ、この分散液をアルマイト層上に塗布し、
乾燥させて形成する。なお、この感光層については、そ
の膜厚が30〜60μm、好ましくは35〜60μmに
なるようにする。さらに本発明の感光体は必要に応じて
表面保護層、下引き層あるいは中間層を有していてもよ
い。
【0032】本発明における感光体は、電荷発生材料の
微粒子を樹脂溶液もしくは電荷輸送材料と樹脂を溶解し
た溶液中に分散せしめ、これを上述の通りアルマイト処
理されたドラムの外周面に塗布乾燥することにより作製
される。感光層の塗布は公知のものなど各種の塗布装置
を用いて行うことができ、具体的には、例えば、アプリ
ケーター、スプレーコーター、バーコーター、ディップ
コーター、ロールコーター、ドクタブレード等を用いて
行うことができる。感光層中における電荷発生材料の配
合割合は、少ない場合は充分な感度が得られず、多い場
合は成膜性が悪い、感光層の機械的強度が弱い等の問題
点を生じるため、感光層中の結着樹脂1重量部に対して
0.01〜2重量部、好ましくは、0.2〜1.5重量部
が望ましい。電荷輸送材料の配合割合は、少ない場合に
は充分な感度が得られず、多い場合には帯電不良、感光
層の機械的強度が弱くなる等の問題点を生じるため、感
光層中の結着樹脂1重量部に対して0.01〜2重量
部、好ましくは0.03〜1.3重量部が望ましい。感光
層の膜厚は、上述の通り30〜60μm、好ましくは3
5〜60μmとする。
【0033】なお、本発明の感光体においては、感光層
中の電荷の移動度が2×105V/cmの条件下で5×
10~6cm2/V・sec以上となるように、使用する樹脂
と電荷輸送材料とを選択して用いることにより、より一
層の耐久性及び感度の向上を図ることができる。
【0034】本発明の感光体に用いられる電荷発生材料
としては、例えばビスアゾ系顔料、トリアリールメタン
系染料、チアジン系染料、オキサジン系染料、キサンテ
ン系染料、シアニン系色素、スチリル系色素、ピリリウ
ム系染料、アゾ系染料、キアクドリン系染料、インジゴ
系顔料、ペリレン系顔料、多環キノン系顔料、ビスベン
ズイミダゾール系顔料、インダスロン系顔料、スクアリ
リウム系顔料、フタロシアニン系顔料等の有機物質が挙
げられる。この他、光を吸収して極めて高い効率で電荷
担体を発生する材料であれば、いずれの材料であっても
使用することができる。
【0035】本発明に用いられる電荷輸送材料として
は、例えば、ヒドラゾン、トリフェニルメタン、オキサ
ジアゾール、カルバゾール、ヒドラゾン、スチリル、イ
ミダゾール等の誘導体からなる電子供与性物質や、トリ
ニトロフルオレノン、テトラニトロキサントン、テトラ
シアノエチレン、テトラシアノキノジメタン等の電子授
与性など電荷輸送性のある物質を用いることができる。
【0036】上記のような感光体の製造に使用される結
着樹脂は電気絶縁性であり、単独で測定して1×1012
Ω・cm以上の体積抵抗を有することが望ましい。例え
ば、それ自体公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬
化性樹脂、光導電性樹脂等の結着剤を使用することがで
きる。具体的には、飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド
樹脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、イオ
ン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、スチレン
−ブタジエンブロック共重合体、ポリカーボネート、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロースエステル、
ポリイミド、スチロール樹脂等の熱可塑性樹脂;エポキ
シ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、熱
硬化アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂;光硬化性樹脂;ポ
リビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニル
アントラセン、ポリビニルピロール等の光導電性樹脂等
が挙げられ、これらの結着樹脂は単独もしくは2種以上
組み合わせて使用する。
【0037】なお電荷輸送材料がそれ自身バインダーと
して使用できる高分子電荷輸送材料である場合は、他の
結着樹脂を使用しなくてもよい。
【0038】本発明の感光体は上記結着樹脂とともにハ
ロゲン化パラフィン、ポリ塩化ビフェニル、ジメチルナ
フタレン、ジブチルフタレート、O−ターフェニルなど
の可塑剤やクロラニル、テトラシアノエチレン、2,1,
7−トリニトロフルオレノン、5,6−ジシアノベンゾ
キノン、テトラシアノキノジメタン、テトラクロル無水
フタル酸、3,5−ジニトロ安息香酸等の電子吸引性増
感剤、メチルバイオレット、ローダミンB、シアニン染
料、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等の増感剤を使用
してもよい。
【0039】また、これらの樹脂を溶解する溶剤は、樹
脂の種類によって異なるが、例えば、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族系溶媒、アセ
トン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケト
ン、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のア
ルコール、酢酸エチル、エチルセロソルブ等のエステ
ル、四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホルム、ジクロロ
メタン、テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、
テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルホル
ムアミド等を挙げることができる。
【0040】これらの溶媒は1種単独で使用してもよ
く、あるいは2種以上を混合溶媒として併用してもよ
い。
【0041】さらに、本発明の感光体は、アルマイト層
と感光層の間に中間層を設けたものであってもよい。こ
れによって接着性の向上、塗工性の改良、支持体の保
護、支持体側からの感光層への電荷注入の抑制を図るこ
とができる。中間層に用いられる材料としては、ポリイ
ミド、ポリアミド、ニトロセルロース、ポリビニルブチ
ラール、ポリビニルアルコール等が適当で、また、膜厚
は1μm以下が望ましい。これらの材料に低抵抗化合物
を分散させてもよい。
【0042】さらに、本発明の感光体は表面保護層を設
けたものであってもよい。表面保護層に用いられる材料
としては、アクリル樹脂、ポリアリール樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ウレタン樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性
樹脂などのポリマーをそのまま、または、酸化スズ、酸
化インジウムなどの低抵抗物質を分散させたものなどが
適当である。また、膜厚は5μm以下が望ましい。
【0043】また、有機プラズマ重合膜を使用した保護
層でもよい。有機プラズマ重合膜は必要に応じて適宜酸
素、窒素、ハロゲン、周期律表の第3族、第5族原子を
含んでいてもよい。
【0044】尚、本発明の感光体は、電子写真複写機の
ほか、レーザー、発光ダイオード(LED)、LCDシ
ャッター、ブラウン管等を光源とするプリンター、ファ
クシミリの感光体として各種の電子写真応用分野に好適
に利用することができる。
【0045】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的
に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、こ
れらに限定されるものではない。尚、以下において
「部」は、特に断らない限り「重量部」を示す。
【0046】実施例1 表面に鏡面加工を施したJIS6063合金製アルミパ
イプを1%水酸化ナトリウム水溶液中で30℃で5分間
エッチングし、水洗した後、25℃の7%硫酸中に1分
間浸漬した。水洗後、150g/lの硫酸電解液中で、
1.0A/dm2の電流密度で陽極酸化を行い、平均膜
厚6μm(バリアー層300Å)の陽極酸化皮膜を形成
した。さらに水洗後、酢酸ニッケルの10g/lの水溶
液に80℃で30分間浸漬した後、引き上げ、純水にて
洗浄した。このパイプのインピーダンスは85KΩであ
った。
【0047】アルマイト層上に下記化学式:
【0048】
【化1】
【0049】で表されるアゾ顔料1.5部、下記化学
式:
【0050】
【化2】
【0051】で表されるジスチリル化合物40部、ポリ
カーボネート樹脂(パンライトK−1300;帝人化成
社製)60部を1,4−ジオキサン500部とともにサ
ンドミルで24時間分散させた分散塗液を乾燥膜厚が3
5μmとなるように塗布し、乾燥させて感光層を形成し
た。このようにして、分散型機能分離型感光体を得た。
【0052】実施例2 表面に切削加工を施したJIS3003合金製のアルミ
パイプを1%水酸化ナトリウム水溶液中で30℃で5分
間エッチングし水洗した後、25℃の1%硝酸中に1分
間浸漬した。水洗後、20℃±1℃の硫酸7vol%を有
する電解浴で、浴電圧30V、電流密度1.2A/dm
2で陽極酸化を行い、平均膜厚4μm(バリアー層42
0Å)の陽極酸化皮膜を形成した。
【0053】得られたアルミパイプを水洗後、フッ化ニ
ッケルの7g/lの水溶液に70℃で10分間浸漬し
た。浸漬後、パイプを引き上げ、純水で洗浄した。この
パイプのインピーダンスは120KΩであった。
【0054】上記アルマイト層上に、τ型無金属フタロ
シアニン1部、ポリカーボネート樹脂(PC−Z;三菱
瓦斯化学社製)20部、下記化学式:
【0055】
【化3】
【0056】で表されるブタジエン化合物20部、ヒン
ダードフェノール化合物(イルガノックス565;チバ
ガイギー社製)2部、およびフルオロシリコーンオイル
(X−22−8−19;信越化学社製)0.01部、お
よびテトラヒドロフラン(THF)180重量部ととも
にサンドミルにより12時間分散させた分散液を乾燥膜
厚が40μmとなるように塗布した後、乾燥させて分散
型機能分離型感光体を有作製した。
【0057】実施例3 アルミニウムからなる円筒状基体の外表面に鏡面切削加
工を施した後、ジクロルメタンで洗浄し、液温20℃、
硫酸濃度100g/lの電解液中で、電流密度2.5A
/dm2で10分間陽極酸化処理を施して膜厚7μm
(バリアー層800Å)の陽極酸化皮膜を形成した。さ
らに水洗後、酢酸ニッケル8g/lの水溶液に90℃で
10分間浸漬した後、引き上げ、純水にて洗浄した。こ
のパイプのインピーダンスは190KΩであった。
【0058】アルマイト層上にチタニルフタロシアニン
顔料5重量部、下記化学式:
【0059】
【化4】
【0060】で表されるジアミノ化合物50部およびポ
リアリレート樹脂(ユーポリマーU−100;ユニチカ
社製)50部、ジブチルヒドロキシトルエン10部をジ
クロルエタン400重量部とともにサンドミルを用いて
24時間分散させた塗布液を乾燥膜厚が45μmとなる
ように塗布乾燥し、分散型機能分離型感光体を作製し
た。
【0061】比較例1 実施例1において、アルミベースが陽極酸化を行ってな
いこと以外は実施例1と全く同様にして感光体を作製し
た。
【0062】比較例2 実施例1において、感光層の膜厚を20μmとすること
以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
【0063】得られた感光体を市販の電子写真複写機
(ミノルタカメラ社製; EP−5400)に組み込み+5
KVのコロナ放電により帯電させ、初期表面電位V
O(V)、表面電位が初期表面電位の半分に減衰するため
に必要な露光量(以下、半減露光量という)E1/2(lux・se
c)、1秒間暗中に放置したときの初期電位の減衰率DD
1(%)、イレース光(50lux・sec)を照射後の残留電
位Vr(V)を測定した。また、得られた感光体を15万
枚の連続コピーによる耐刷を行い、複写画像を15万枚
とった後の、初期表面電位V0、半減露光量E1/2、残留
電位Vrおよび膜厚を測定した。結果を表1に示す。
【0064】更に、上記実施例及び比較例の各々の感光
体について、画像特性上の黒ベタ部での白斑点、ガサツ
キ、ハーフ部での白斑点、黒ベタ部の画像濃度(ID)
等を以下の基準で評価した。この結果を表2に示す。
【0065】白斑点:○ 黒ベタ画像部の目視評価にお
いて、殆ど白斑点が認められないもの非常に良好 △ 若干白斑点が認められるものの実用上問題のないも
の × 白斑点が多数認められ実用上問題があるもの − 測定せず ハーフ:○ 灰色画像部の黙視評価において、良好に再
現されているもの △ 若干白斑点が認られるものの実用上問題のないもの × 白斑点が多数認められ実用上問題のあるもの − 測定せず ガサツキ:○ 細線再現性の目視評価において、良好に
再現されているもの △ 若干細線の細りが生じるものの実用上問題のないも
の × 細線の細りが顕著になり実用上問題のあるもの − 測定せず 黒ベタ画像濃度:○ I.D. 1.5以上 △ I.D. 1.0〜1.5 × I.D. 1.0未満 − 測定せず
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の感光体によ
れば、アルマイト層を設けることにより、繰り返し使用
時の感光層中への電荷の蓄積を緩和し、帯電能の低下、
残留電位の上昇を極力防止しするとともに、耐久性に優
れ、画像の劣化、例えば画像のガサツキ、黒斑点等を有
効に防止することができる。
【0069】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、表面にアルマイト層を有す
    る導電性支持体と、有機電荷発生材料および有機電荷輸
    送材料を結着樹脂に分散してなる厚さ30μm以上の感
    光層とを有する分散型有機系感光体。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006163394A (ja) * 2004-12-03 2006-06-22 Xerox Corp 多層型フォトレセプタ
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JP2014182872A (ja) * 2013-03-18 2014-09-29 Uacj Corp 電池用外装材及びアルミニウム箔

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