JPH07253679A - 両極性感光体 - Google Patents

両極性感光体

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JPH07253679A
JPH07253679A JP4394794A JP4394794A JPH07253679A JP H07253679 A JPH07253679 A JP H07253679A JP 4394794 A JP4394794 A JP 4394794A JP 4394794 A JP4394794 A JP 4394794A JP H07253679 A JPH07253679 A JP H07253679A
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JP
Japan
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photosensitive layer
layer
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parts
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JP4394794A
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English (en)
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Hideaki Ueda
秀昭 植田
Shigeaki Tokutake
重明 徳竹
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Mitsubishi Chemical Corp
Minolta Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 感度および感度バランス等の感光体特性、帯
電極性切り替え時の追随性に優れ、耐久性のある新規な
両極性感光体を提供すること。 【構成】 導電性支持体上に、少なくとも有機電荷発生
材料を含有する第一感光層と、少なくとも特定量の有機
電荷発生材料と電荷輸送材料を含有する第二感光層を有
し、第一感光層と第二感光層に含まれる有機電荷発生材
料がn型とp型の組み合わせで選択されていることを特
徴とする両極性感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は両極性感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】感光体は、コロナ帯電によって与えられ
る電荷の極性に依存して、通常片極性で使用されてい
る。このような片極性の感光体をポジ原稿およびネガ原
稿のいずれの場合にもポジ画像を得る目的の例えばリー
ダプリンタに適用した場合、2つの片極性の感光体を使
用するかあるいは2つの現像器を用いる必要が生じる。
【0003】そこで1つの感光体と1つの現像器でポジ
原稿およびネガ原稿のいずれからもポジ画像を得ること
ができる感光体、すなわちプラスおよびマイナスいずれ
に帯電されても使用できる両極性感光体が提案されてい
る。
【0004】このような両極性の感光体としては、例え
ば特開昭53−87227号公報、特開昭49−457
37号公報、特開昭49−91646号公報、特開昭6
2−191854号公報、特開平5−127404号公
報および特開昭55−9557号公報等が知られてい
る。
【0005】特開昭53−87227号公報は共晶錯体
を分散した電荷発生層を有する感光体を開示している。
特開昭49−45737号公報および特開昭49−91
646号公報は基体上に電荷発生層、電荷輸送層および
電荷発生層の3層を有する感光体を開示している。特開
昭62−191854号公報は基体上に電荷輸送層、電
荷発生層および電荷輸送層の3層を有する感光体を開示
している。特開平5−127404号公報は電荷発生材
料と電荷輸送材料を分散させた感光体を開示している。
特開昭55−9557号公報はセレン層と共晶錯体分散
層を組み合わせた感光体を開示している。
【0006】上記両極性感光体はいずれもある程度の両
極機能を有するものの、いまだ充分な感度、耐久性が得
られていない。さらに、例えば正帯電時には感度が良好
でも、負帯電時には正帯電時と同程度の感度が得られ
ず、両極の感度バランスが悪いという問題がある。ま
た、例えば正帯電使用から負帯電使用へと極性を切り替
えた直後は満足な帯電レベルが得られず、帯電極性のス
イッチ切り替え時の追随性に問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みなされたものであり、感度および感度バランス等の感
光体特性、帯電極性切り替え時の追随性に優れ、耐久性
のある新規な両極性感光体を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は導電性
支持体上に、少なくとも有機電荷発生材料を含有する第
一感光層と、少なくとも有機電荷発生材料と電荷輸送材
料を含有する第二感光層を有し、第一感光層と第二感光
層に含まれる有機電荷発生材料がn型とp型の組み合わ
せで選択され且つ、第二感光層に含まれる有機電荷発生
材料の量が第二感光層の全構成材料に対して1.2〜2
0重量%であることを特徴とする両極性感光体に関す
る。
【0009】本発明の両極性感光体は、例えば、図1に
示すように、導電性支持体(1)上に第一感光層(2)、そ
の上に第二感光層(3)を積層した構成のものである。そ
して、第一感光層にp型の電荷発生材料を使用したとき
には第二感光層にn型の電荷発生材料を使用し、逆に第
一感光層にp型の電荷発生材料を使用したときは第二感
光層にn型の電荷発生材料を使用する。第二感光層中に
含有させる電荷輸送材料としては、電子輸送材料及び正
孔輸送材料のいずれも使用可能である。
【0010】尚、本発明で言うところのp型およびn型
とは、材料自身の持つ特性により分類されるもので、電
子と正孔の動く量の比較により決定される。電子輸送性
に優れた電荷発生材料をn型、正孔輸送性に優れた電荷
発生材料をp型としている。具体的な化合物は後述する
とおりである。
【0011】本発明は、第一および第二の2層の感光層
を設け且つ各々の層に異なる極性の電荷発生材料を含有
させること、そして第二感光層に含有させる電荷発生材
料の量を特定することにより、従来の両極性感光体に比
べて両極の感度バランスに優れ、正極性および負極性の
両方で使用可能な両極性感光体を提供することができ
る。さらに、第一感光層がブロッキング層として有効に
作用して、導電性支持体からの電荷の注入を阻止するた
めに、正極性、負極性の切り換え時における帯電の立上
がりがよく、追随性に優れた感光体を提供することがで
きる。
【0012】具体的な構成としては、第一感光層中にn
型の電荷発生材料を含有させ、第二感光層にp型の電荷
発生材料と正孔輸送材料とを含有させてなる両極性感光
体(構成1)、そして、構成1の感光体において第二感光
層の正孔輸送材料に替えて電子輸送材料を含有させた両
極性感光体(構成2)、さらに、第一感光層にp型の電荷
発生材料を含有させ、第二感光層にn型の電荷発生材料
と正孔輸送材料とを含有させた両極性感光体(構成3)、
構成3の感光体において第二感光層の正孔輸送材料に替
えて電子輸送材料を含有させた両極性感光体(構成4)が
挙げられる。
【0013】従来の両極性感光体は、導電性支持体上に
p型の電荷発生材料と正孔輸送材料を含有した感光層を
有している。そしてこの感光体は、正帯電時に像露光に
より感光層で発生した電子および正孔対のうち電子が感
光体表面側、正孔が支持体側に移動して静電潜像が形成
される。一方、負帯電時には上記とは逆に、電子が感光
体表面側、正孔が支持体側へと移動して静電潜像が形成
される。ところが上記感光体の感光層は正孔に対するブ
ロッキング作用が低く、このため負帯電時において支持
体側に誘起された正孔が感光層に注入して、この結果感
光体の帯電能が低下する。
【0014】これに対して、本発明の第一構成に示す感
光体は、上記感光層に相当する第二感光層の他に、さら
にn型の電荷発生材料を含有した第一感光層を設けるこ
とにより、負帯電時に支持体側からの正孔の注入を阻止
して帯電能の低下を防止すると共に、第一感光層が電荷
発生にも寄与することから感光体の感度の向上を図るこ
とができる。
【0015】上記第2構成における本発明の感光体は、
第二感光層に正孔輸送材料に替えて電子輸送材料を含有
する点で構成1と相違する。この構成により、n型の電
荷発生材料を含有する第一感光層は、正帯電時に電荷発
生に寄与し感光体の感度の向上を図るとともに、負帯電
時にはブロッキング層としても有効に作用して支持体か
らの電荷の注入を阻止するよう機能している。
【0016】第3構成における本発明の感光体は、第一
感光層にp型電荷発生材料、第二感光層にn型電荷発生
材料と正孔輸送材料を含有させるもので、第1構成とは
含有させる電荷発生材料の極性が逆である点で相違す
る。そしてこの構成により、第一感光層は正帯電時にブ
ロッキング層として作用し、負帯電時に電荷発生に寄与
するものである。
【0017】第4構成における本発明の感光体は、第二
感光層に正孔輸送材料に替えて電子輸送材料を含有させ
る点で第3構成とは相違する。この構成により、第一感
光層は、正帯電時にブロッキング層として作用すると共
に電荷発生にも寄与する。
【0018】即ち、上記何れの構成においても、第一感
光層を設けることにより、感度の向上と帯電能の向上を
図ることができる。そして以上より明らかなように、本
発明の両極性感光体は正極性、負極性の何れにもバラン
スよく帯電することができるものである。
【0019】また、本発明の両極性感光体においては、
第一感光層あるいは第二感光層に含有させる電荷発生材
料として後述する有機系のものを使用するものである。
これらの有機系材料、セレン、硫化カドミウム、酸化亜
鉛等の無機系材料に比べて、安全であり、成膜性、軽量
性などの点で優れている。さらに塗工で生産することが
できるため、極めて生産性が高く安価な感光体を提供で
きる利点がある。また有機系では電荷発生材料を適当に
選択することによって、感光波長域を自由にコントロー
ルすることができるため、本発明の感光体において第一
感光層と第二感光層の感光波長域を変えて、第1感光層
を電荷発生層とし充分に機能させることができる。
【0020】第一感光層および第二感光層に用い得る電
荷発生材料としては、例えばビスアゾ系顔料、トリスア
ゾ系顔料、トリアリールメタン系染料、チアジン系染
料、オキサジン系染料、キサンテン系染料、シアニン系
色素、スチリル系色素、ピリリウム系染料、キナクリド
ン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノ
ン系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、インダスロ
ン系顔料、スクアリリウム系顔料、フタロシアニン系顔
料等の有機系顔料および染料等が挙げられる。
【0021】上記電荷発生材料のうち、n型の電荷発生
材料としては、多環キノン系顔料、ペリレン顔料、イン
ダスロン系顔料、アゾ系顔料等が挙げられる。またp型
の電荷発生材料の例としてはフタロシアニン系顔料、ト
リアリールメタン系染料、ピリリウム系染料、スチリル
系色素、シアニン系染料、チアジン系染料、キナクリド
ン系顔料、スクアリリウム系顔料、オキサジン系染料、
キサンテン系染料、ビスベンズイミダゾール系顔料、イ
ンジゴ系顔料等が挙げられる。しかしながら、電荷発生
材料として使用される多くの顔料および染料において
は、置換基の種類によってn型とp型の両方が存在す
る。同一の顔料では、そのイオン化ポテンシャルの値を
目安にしてn型とp型を区別することが可能である。例
えばビスアゾ系顔料のn型とp型の区別は、イオン化ポ
テンシャルの値が5.5eVより大きいものをn型顔料
として、5.5eVより小さいものをp型の顔料として
取り扱うことができる。
【0022】特に、第一感光層にn型のアゾ系顔料、特
にビスアゾ系顔料あるいはトリスアゾ系顔料または多環
キノン系顔料、第二感光層にp型のピリリウム系染料、
特にチアピリリウム系染料またはフタロシアニン系顔
料、特にτ型、チタニル、銅あるいはテトラニトロ銅フ
タロシアニン系顔料を使用することが好ましい。中でも
アゾ系顔料とピリリウム系染料を組み合わせて使用する
ことが好ましい。
【0023】第一感光層には、さらなるブロッキング性
の向上のためヒンダードフェノール化合物、ヒンダード
アミン化合物、ハイドロキノン化合物、スピロクロマン
化合物、スピロインダノン化合物等を添加してもよい。
【0024】第一感光層は、電荷発生材料およびその他
の所望の添加剤を、結着樹脂の溶解した溶液に溶解ある
いは分散させ、得られた溶液をアルミニウム等の導電性
支持体上に塗布乾燥することにより形成される。
【0025】電荷発生材料と共に使用する結剤樹脂とし
ては、例えば、飽和ポリエステル樹脂、ブチラール樹
脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオ
ノマー)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、ポ
リアクリレート、ポリカーボネート、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、セルロースエステル、ポリイミド、ス
チロール樹脂、ポリアセタール樹脂、フェノキシ樹脂等
の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコ
ーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹
脂、アルキッド樹脂、熱硬化性アクリル樹脂等の熱硬化
性樹脂、光硬化性樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾー
ル、ポリビニレンピレン、ポリビニルアントラセン等の
光導電性樹脂を使用することができる。
【0026】中でも、ブチラール樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリカーボネート樹脂が好ましく、特にアゾ系顔料
に対してブチラール樹脂またはポリエステル樹脂、多環
キノン系顔料に対してポリカーボネート樹脂を組み合わ
せて使用することが好ましい。
【0027】上記の電荷発生材料をこれらの樹脂と共
に、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のア
ルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘ
キサノン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメ
チルスルホキシド等のスルホキシド類、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエー
テル等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエス
テル類、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロルエチレ
ン、四塩化炭素、トリクロルエチレン等の脂肪族ハロゲ
ン化炭化水素類あるいはベンゼン、トルエン、キシレ
ン、リグロイン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼ
ン等の芳香族類等の有機溶剤に分散あるいは溶解させて
調整した感光塗液を、上記の導電性支持体上に塗布し、
乾燥させて第一感光層を設ける。
【0028】この場合、第一感光層の膜厚は0.01〜
1μm好ましくは0.1〜0.5μmとなるように形成す
る。また、第一感光層中の電荷発生材料の含有量は、上
記結着樹脂1重量部に対して0.1〜10重量部、好ま
しくは0.3〜3重量部となるようにする。なお、電荷
発生材料は2種以上組み合わせて使用してもよい。電荷
発生材料の使用量が0.1重量部より少ないと感度が悪
くなったり、繰り返し特性が悪化したりする。また、1
0重量部より多いと暗減衰速度が速くなり、繰り返しに
よって表面電位が低下する。
【0029】塗布液を導電性支持体上に塗布する方法と
しては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング
法、スピナーコーティング法、ブレードコーティング
法、ローラーコーティング法、ワイヤーバーコーティン
グ法等の色々なコーティング法を用いることができる。
【0030】導電性支持体としては、銅、アルミニウ
ム、鉄、ニッケル等の箔あるいは板をドラム状にしたも
のが使用される。またこれらの金属をプラスチックフィ
ルム等に真空蒸着、無電解メッキしたもの、あるいは導
電性ポリマー、酸化インジュウム、酸化スズ等の導電性
化合物の層を紙あるいはプラスチックフィルム上に塗布
もしくは蒸着によって設けたものも使用可能である。一
般には円筒状のアルミニウムが使用されるが、具体的に
は、例えば、押出し加工後、引き抜き加工を施したアル
ミニウムパイプを切断し、その外表面をダイヤモンドバ
イト等の切削工具を用いて約0.2〜0.3mm切断し仕
上げたもの(切削管)や、アルミニウム円板を深絞り加工
してカップ状とした後、外表面をしごき加工によって仕
上げたもの(DI管)、アルミニウム円板をインパクト加
工してカップ状とした後、外表面をしごき加工によって
仕上げたもの(EI管)、押出し加工後、冷間引き抜き加
工したもの(ED管)等が挙げられる。またこれらの表面
をさらに切削したもの、陽極酸化したものを使用しても
よい。
【0031】次に、上記のようにして形成された第一感
光層の上に第二感光層を設ける。第二感光層形成に当た
っては、電荷発生材料と電荷輸送材料、結着樹脂その他
の所望の添加剤とを適当な溶剤に分散させ、この塗布溶
液を上記の第一感光層の上に塗布し、これを乾燥させる
ようにする。尚、電荷発生材料については、第一感光層
に使用する電荷発生材料とは極性の異なるのを使用する
必要がある。
【0032】塗布方法は第一感光層と同様の方法を適用
することができる。この場合、第二感光層の膜厚は10
〜60μm、好ましくは15〜50μmとなるように形成
する。
【0033】また、第二感光層中の電荷輸送材料の含有
量は、結着樹脂1重量部にたいして0.02〜2重量
部、好ましくは0.5〜1.2重量%となるようにする。
なお、電荷輸送材料は2種以上組み合わせて使用しても
よい。
【0034】第二感光層中の電荷発生材料の含有量は、
第二感光層を構成する全材料に対して1.2〜20重量
%、好ましくは1.4〜15重量%となるようにする。
なお、電荷発生材料は2種以上組み合わせて使用しても
よい。電荷発生材料の使用量が1.2重量%より少ない
場合は、正帯電、負帯電の感度バランスが悪くなり、両
極感光体としての特性が低下する。20重量%より多い
と繰り返し使用による帯電電位の低下を招く。さらに照
射光の透過率が低下し、第一感光層が電荷発生層として
機能しなくなるため、正帯電、負帯電の感度バランスが
悪くなり、両極性感光体としての特性が低下する。
【0035】第二感光層の形成に使用する電荷輸送材料
としては、前記したとおり正孔輸送材料および電子輸送
材料のいずれも使用可能である。正孔輸送材料として
は、例えばヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、スチ
リル化合物、トリフェニルメタン化合物、オキサジアゾ
ール化合物、カルバゾール化合物、スチルベン化合物、
エナミン化合物、オキサゾール化合物、トリフェニルア
ミン化合物、テトラフェニルベンジン化合物、アジン化
合物等が挙げられる。
【0036】中でも電荷輸送層の電荷の移動度が2×1
5V/cmの条件下で5×10-8cm2/V・sec以上とな
るような組み合わせで選択する。具体的には、例えばp
−ジフェニルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェ
ニルヒドラゾン、2−メチル−4−N,N−ジフェニル
アミノ−β−フェニルスチルベン、α−フェニル−4−
N,N−ジフェニルアミノスチルベン、α−フェニル−
4−N−フェニル,N−p−トリルビニルフェニルアミノ
スチルベン、1,1,4,4−ビスジエチルアミノテトラ
フェニルブタジエン、特開平3−136057号公報、
第3頁左上欄〜第5頁右上欄や特開平4−364153
号公報、第3頁〜第9頁に記載の化合物等の電荷輸送物
質を、単独または2種以上混合して使用する。
【0037】また、電子輸送材料としては、フルオレノ
ン化合物、ジフェノキノン化合物、ベンゾキノン化合
物、チオピラン化合物、ピラン化合物、ジシアノビニル
フルオレン化合物、シアノイミン化合物等を用いてもよ
い。
【0038】また、この第二感光層に使用する結着樹脂
としては、例えば、飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド
樹脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、スチレ
ン−ブタジエンブロック共重合体、ポリアクリレート、
ポリカーボネート、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、
セルロースエステル、ポリイミド、スチロール樹脂、ポ
リアセタール樹脂、フェノキシ樹脂等の熱可塑性樹脂、
エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フェノ
ール樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹
脂、熱硬化性アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂、光硬化性
樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレ
ン、ポリビニルアントラセン等の光導電性樹脂を使用す
ることができる。中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリ
アリレート樹脂が好ましい。
【0039】第二感光層の形成の際に使用する前記溶媒
の具体例としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、クロロベンゼン等の芳香族系溶媒、アセトン、メ
チルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコー
ル、酢酸エチル、エチルセロソルブ等のエステル、四塩
化炭素、四臭化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、
テトラクロロエタン等のハロゲン化炭素水素、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン等のエーテル、ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルホルムアミド
等を挙げることができる。
【0040】これらの溶媒は、1種単独で使用してもよ
く、あるいは、2種以上を混合溶媒として併用してもよ
い。
【0041】第二感光層にはオゾン劣化防止の目的で、
酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤として
はヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、フェニレ
ンジアミン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロ
インダノン、ヒドロキノリンおよびこれらの誘導体等を
所望により添加してもよい。
【0042】さらに、ハロゲン化パラフィン、ポリ塩化
ビフェニル、ジメチルナフタレン、O−ターフェニル、
m−ターフェニル、p−ターフェニル、ジエチルビフェ
ニル、水素化ターフェニル、ジイソプロピルビフェニ
ル、ベンジルビフェニル、ジイソプロピルナフタレン、
ジベンゾフラン、9,10−ジヒドロキシフェナントレ
ン等の可塑剤を添加してもよい。
【0043】本発明の感光体は、導電性支持体と第一感
光層の間に下引層を設けてもよく、さらに最表面に表面
保護層を設けてもよい。
【0044】下引層を設ける場合、その材料としてはポ
リイミド、ポリアミド、ニトロセルロース、ポリビニル
ブチラール、ポリビニルアルコール等のポリマーをその
まま、または酸化スズや酸化インジウムなどの低抵抗化
合物を分散させたもの、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、
酸化ケイ素などの蒸着膜等が適当である。この場合、下
引層の膜厚は1μm以下であることが望ましい。
【0045】表面保護層を設ける場合、その材料として
は、アクリル樹脂、ポリアリール樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、ウレタン樹脂等のポリマーをそのまま、または
酸化スズや酸化インジウムなどの低抵抗化合物を分散さ
せたもの等が適当であり、また有機プラズマ重合膜も使
用できる。必要に応じて酸素、窒素、ハロゲン、周期律
表第III族、第V族原子を含めることも可能である。表面
保護層の膜厚は5μm以下が望ましい。
【0046】次に、感光体を例えば実際にリーダープリ
ンタに使用する方法について説明する。正極性帯電時に
ポジ−ポジ画像を得る場合には、正帯電、露光の後、非
露光部を画像部とする静電潜像が形成され、負極性のト
ナーにより正規現像されてポジ原稿からポジ画像を得
る。一方、帯電極性を負に切り換えてネガ−ポジ画像を
得る場合は、光照射部を画像部とする静電潜像が形成さ
れ、負極性のトナーにより反転現像されてネガ原稿から
ポジ画像が得られる。
【0047】このように本発明に係る両極性感光体は正
帯電および負帯電の何れにも帯電可能であり、ポジ原稿
およびネガ原稿からポジ画像を得ることができる。
【0048】本発明の両極性感光体はリーダープリンタ
ー用感光体や、同時二色用の感光体、カラー用の感光体
等種々の用途に適用可能である。
【0049】さらに本発明の感光体は、極性の異なる2
種以上の電荷発生材料を組み合わせるため、パンクロマ
チックな分光感度を持たせることができ、レーザー光に
よる書き込みやプリンター用としても使用可能である。
従って、使用光源にしてもハロゲンランプ等分布をもっ
た光源を用いてもよいし、レーザー光やLEDのような
コヒーレント光を使用することもできる。
【0050】
【実施例】以下、具体的実施例を挙げながら本発明をさ
らに説明する。なお、以下の実施例中、「部」とあるの
は特に断らない限り「重量部」を意味するものとする。
【0051】実施例1 下記化学式(A)で表されるビスアゾ化合物(n型):
【化1】 0.45部、ブチラール樹脂(エスレックBH−3;積
水化学社製)0.45部をシクロヘキサノン50部とと
もにサンドミルにより分散させた。得られたビスアゾ化
合物の分散塗液を50φのアルミドラム上に乾燥膜厚が
0.3g/m2となるように塗布し第一感光層を形成し
た。
【0052】第一感光層の上に、下記化学式(B):
【化2】 で表されるジアミノ化合物50部およびポリカーボネー
ト樹脂(パンライトK−1300;帝人化成社製)50
部および下記化学式(C):
【化3】 で表されるチアピリリウム塩(p型)2.5部をジクロ
ルメタン400部に溶解した溶液を乾燥膜厚が18μm
になるように塗布し第二感光層を形成した。このように
して2層からなる感光層を有する感光体を得た。
【0053】得られた感光体を市販の電子写真複写機
(EP−50;ミノルタカメラ社製)に装填し、−6K
Vでコロナ帯電させ、初期表面電位(V0(V))、初
期電位を1/2にするために要した露光量(E1/2(l
ux・sec))、1秒間暗中に放置したときの初期電
位の減衰率(DDR1(%))を測定した。
【0054】さらに+6KVでコロナ帯電させたときの
初期表面電位(V0(V))、初期電位を1/2にする
ために要した露光量(E1/2(lux・sec))、1
秒間暗中に放置したときの初期電位の減衰率(DDR1
(%))をも測定した
【0055】実施例2 実施例1と同ように第一感光層を形成した。該感光層上
に、1,4−ジチオケト−3,6−ジフェニルピロロ
[3,4−C]ピロール化合物(p型)1部、下記化学
式(D):
【化4】 で表されるジアミノ化合物10部およびポリカーボネー
ト樹脂(K−1300;帝人化成社製)10部をジクロ
ルエタン100部と共にサンドミルにより50時間分散
させた。
【0056】この分散液を厚さ20μmとなるように塗
布、乾燥させて第二感光層を形成した。このようにして
2層からなる感光層を有する電子写真感光体が得られ
た。
【0057】得られた感光体について実施例1と同様の
方法で正帯電および負帯電時のV0、E1/2およびDDR
1を測定した。
【0058】実施例3 下記化学式(E)で表されるトリスアゾ化合物(n
型):
【化5】 0.45部、ブチラール樹脂(エスレックBX−1;積
水化学社製)0.25部およびフェノキシ樹脂(PKH
H;ユニオンカーバイド社製)0.25部をシクロヘキ
サノン50部とともにサンドミルにより48時間分散さ
せた。
【0059】得られた分散塗液を50φのアルミドラム
上に乾燥膜厚が0.3g/m2となるように塗布し第一
感光層を形成した。
【0060】第一感光層の上に、下記化学式(F):
【化6】 で表されるジスチリル化合物40部およびポリカーボネ
ート樹脂(L−1250;帝人化成社製)60部および
化学式(C)で表されるチアピリリウム塩(p型)1.
2部およびジブチルヒドロキシトルエン6部をジクロル
メタン400部に溶解した溶液を乾燥膜厚が20μmと
なるように塗布し第二感光層を形成した。このようにし
て2層からなる感光層を有する感光体を得た。
【0061】得られた感光体について実施例1と同様の
方法で正帯電および負帯電時のV0、E1/2およびDDR
1を測定した。
【0062】実施例4 化学式(A)で表わされるビスアゾ化合物(n型)0.45
部、ブチラール樹脂(エスレックBH−3、積水化学社
製)0.45部をシクロヘキサノン50部と共にサンドミ
ルにより分散させ、得られたビスアゾ化合物の分散塗液
を50Φのアルミドラム上に乾燥膜厚が0.5g/m2
なるように浸漬塗布し、第一感光層を形成した。
【0063】第一感光層の上に、化学式(F)で表わされ
るジスチリル化合物40部およびポリカーボネート樹脂
(K−1300、帝人化学社製)60部および化学式(C)
で表わされるチアピリリウム塩(p型)1.8部およびジ
ブチルヒドロキシトルエン8部、下記化学式(Q)で表わ
されるマロジニトリル化合物0.8部、o−ターフェニ
ル12部をジクロルメタン400部に溶解した溶液を乾
燥膜厚が18μmになるように塗布し、第二感光層を形
成した。このようにして2層からなる感光層を有する感
光体を得た。
【化7】
【0064】実施例5 下記化学式(G)で表されるビスアゾ化合物(p型):
【化8】 1部、ブチラール樹脂(エスレックBM−2;積水化学
社製)1部およびシクロヘキサノン100部とともにサ
ンドミルにより20時間分散させた。
【0065】得られた分散塗液を50φのアルミドラム
上に浸漬塗布し、乾燥させて厚さ0.3μmの第一感光
層を形成した。
【0066】次に、下記化学式(H):
【化9】 で表されるペリレン顔料(n型)5部、化学式(F)で
表されるジスチリル化合物45部およびポリカーボネー
ト樹脂(PC−Z;三菱ガス化学社製)50部をジブチ
ルヒドロキシトルエン6部およびジクロルエタン400
部とともにペイントコンディショナーで8時間分散させ
た。
【0067】このようにして得た分散塗液を第一感光層
の上に乾燥膜厚が20μmとなるように塗布し第二感光
層を形成した。このようにして2層からなる感光層を有
する感光体を得た。
【0068】得られた感光体について実施例1と同様の
方法で正帯電および負帯電時のV0、E1/2およびDDR
1を測定した。
【0069】実施例6 下記化学式(I)で表されるビスアゾ化合物(n型):
【化10】 1部、ポリエステル樹脂(バイロン200;東洋紡績社
製)1部および下記化学式(J);
【化11】 で表されるブタジエン化合物1部をシクロヘキサノン1
50部とともにサンドミルにより48時間分散させた。
【0070】得られた分散塗液を陽極酸化被膜(5μ
m)を有するアルミドラム(50φ)上に、乾燥膜厚が
0.3g/m2となるように塗布し第一感光層を形成し
た。
【0071】次に、τ型無金属フタロシアニン(p型)
1部、ポリカーボネート樹脂(L−1250;帝人化成
社製)20部、化学式(J)で表されるブタジエン化合
物20部、ヒンダードフェノール化合物(イルガノック
ス565;チバガイギー社製)2部およびフルオルシリ
コーンオイル(X−22−8−19;信越化学社製)
0.01部をテトラヒドロフラン180部とともにサン
ドミルにより5時間分散させた。
【0072】このようにして得た分散塗液を第一感光層
の上に乾燥膜厚が20μmとなるように塗布し第二感光
層を形成した。このようにして2層からなる感光層を有
する感光体を得た。
【0073】得られた感光体について実施例1と同様の
方法で正帯電および負帯電時のV0、E1/2およびDDR
1を測定した。
【0074】実施例7 N−メトキシメチル化ナイロン(トレジンF30;帝国
化学社製)1部をメタノール90部に溶解した。この溶
液を50φのアルミドラム上に乾燥膜厚が1μmとなる
ように塗布し、下引層を形成した。
【0075】次に、下記化学式(K);
【化12】 で表される多環キノン系顔料(n型)0.5部およびポ
リカーボネート樹脂(L−1250;帝人化成社製)
0.5部をシクロヘキサノン50部とともにサンドミル
により48時間分散させた。
【0076】得られた多環キノン系顔料の分散物を下引
層上に、乾燥膜厚が0.3μmとなるように塗布し、第
一感光層を形成した。
【0077】次に化学式(F)で表されるジスチリル化
合物40部およびポリアリレート樹脂(U−100;ユ
ニチカ社製)60部およびチタニルフタロシアニン(p
型)2.5部、ジブチルヒドロキシトルエン6部をジオ
キサン500部とともにサンドミルにより48時間分散
させた。
【0078】得られた分散塗液を第一感光層の上に、乾
燥膜厚が22μmになるように塗布し、第二感光層を形
成した。このようにして2層からなる感光層を有する感
光体を得た。
【0079】得られた感光体について実施例1と同様の
方法で正帯電および負帯電時のV0、E1/2およびDDR
1を測定した。
【0080】実施例8 カゼインのアンモニア水溶液(カゼイン11.1g、2
8%アンモニア1g、水222ml)を50φのアルミ
ドラム上に乾燥膜厚が1.0g/m2となるように浸漬
塗布法で塗布し、下引層を形成した。
【0081】次に、下記化学式(L);
【化13】 で表されるビスアゾ化合物(n型)1部およびブチラー
ル樹脂(ブチラール化度68%、数平均分子量2,00
0)1部ををシクロヘキサノン100部とともにサンド
ミルにより20時間分散させた。
【0082】得られたビスアゾ化合物の分散物を下引層
上に、乾燥膜厚が0.4μmとなるように塗布し、第一
感光層を形成した。
【0083】次に銅フタロシアニン50部とテトラニト
ロ銅フタロシアニン0.2部を98%濃硫酸500部に
充分撹拌しながら溶解させた。この溶液を水5,000
部に投入し、銅フタロシアニンとテトラニトロ銅フタロ
シアニンの光導電性材料組成物(p型)を析出させた。
析出物を濾過、水洗し、減圧下120℃で乾燥させた。
【0084】上記で得られた光導電性組成物5部をポリ
カーボネート樹脂(K−1300;帝人化成社製)30
部および化学式(J)で表されるブタジエン化合物15
部およびジブチルヒドロキシトルエン2部をジクロルエ
タン300部とともにサンドミルにより20時間分散さ
せた。
【0085】得られた分散塗液を第一感光層の上に、乾
燥膜厚が20μmになるように塗布し、第二感光層を形
成した。このようにして2層からなる感光層を有する感
光体を得た。
【0086】得られた感光体について実施例1と同様の
方法で正帯電および負帯電時のV0、E1/2およびDDR
1を測定した。
【0087】実施例9 共重合ナイロン(CMC−8000;東レ社製)1部を
メタノール90部に溶解した溶液を50φのアルミドラ
ム上に乾燥膜厚が1.0g/m2となるように浸漬塗布
法で塗布し、下引層を形成した。
【0088】次に、化学式(K)で表される多環キノン
顔料(n型)0.45部、ブチラール樹脂(エスレック
BX−1;積水化学社製)0.25部およびフェノキシ
樹脂(PKHH;ユニオンカーバイド社製)0.25部
をシクロヘキサノン50部とともにサンドミルにより4
8時間分散させた。
【0089】得られた多環キノン顔料の分散物を下引層
上に、乾燥膜厚が0.3g/m2となるように塗布し、
第一感光層を形成した。
【0090】化学式(B)で表されるジアミノ化合物5
0部およびポリカーボネート樹脂(PC−Z;三菱ガス
化学社製)50部およびチタニルフタロシアニン顔料
(p型)5部、ジブチルヒドロキシトルエン5部をジク
ロルエタン600部とともに分散させた。
【0091】得られた分散塗液を第一感光層の上に、乾
燥膜厚が18μmになるようにスプレー塗布し、第二感
光層を形成した。このようにして2層からなる感光層を
有する感光体を得た。
【0092】得られた感光体について実施例1と同様の
方法で正帯電および負帯電時のV0、E1/2およびDDR
1を測定した。
【0093】比較例1 下記化学式(M)で表されるトリフェニルメタン化合
物:
【化14】 50部、ポリカーボネート樹脂(L−1250;帝人化
成社製)50部および化学式(C)で表されるチアピリ
リウム塩(p型)2.5部をジクロルメタン400部に
溶解した。
【0094】得られた溶液を50φのアルミドラム上に
乾燥膜厚が18μmになるように塗布し感光層を形成し
た。このようにして単層型の両極性感光体を作製した。
【0095】得られた感光体について実施例1と同様の
方法で正帯電および負帯電時のV0、E1/2およびDDR
1を測定した。
【0096】比較例2 下記化学式(N)で表されるジアミノ化合物:
【化15】 45部、ポリカーボネート樹脂(PC−Z;帝人化成社
製)50部および化学式(H)で表されるペリレン顔料
(n型)5部をジクロルエタン400部にペイントコン
ディショナーで8時間分散した。
【0097】得られた分散液を50φのアルミドラム上
に乾燥膜厚が20μmになるように塗布し感光層を形成
した。このようにして単層型の両極性感光体を作製し
た。
【0098】得られた感光体について実施例1と同様の
方法で正帯電および負帯電時のV0、E1/2およびDDR
1を測定した。
【0099】比較例3 4−(4−ジメチルアミノフェニル)−2,6−ジフェ
ニルピリリウムパークロレート(P型)0.2g、ポリ
カーボネート樹脂(K−1300;帝人化成社製)0.
2g、ジクロルメタン15g、トルエン5gよりなる溶
液をn−ヘキサン50gを加えて共晶錯体を調製した。
【0100】得られた共晶錯体0.1gをビニルブチラ
ール樹脂(BH−3;積水化学社製)0.3gおよびト
ルエン2gと混合し、ボールミル中で23時間混練し
た。
【0101】得られた混練物を1−フェニル−3−(p
−ジメチルアミノスチリル)ピラゾリン0.2gをトル
エン2gに溶解した溶液に加え、5時間混練し感光性組
成物とした。
【0102】一方、アルミドラム上にセレンを50μm
厚に蒸着し、その上に上記感光性組成物を、乾燥膜厚が
15μm厚になるように塗布乾燥した。このようにして
2層からなる感光体を得た。
【0103】比較例4 実施例1において、第二感光層に添加するチアピリリウ
ム塩(p型)の量を0.9部とすること以外は、実施例1
と同様にして2層からなる感光層を有する感光体を得
た。
【0104】比較例5 電荷発生材料として、化学式[K]で表わされる多環キノ
ン顔料5部、ブチラール樹脂(エスレックBL−X:積
水化学社製)1部、酢酸n−ブチル40部からなる混合
物をペイントコンディショナーによく分散した。
【0105】得られた塗布液をアルミドラム上に乾燥膜
厚が0.4μmとなるように塗布し、乾燥させた。
【0106】次に下記化学式[O]で表わされるベンジジ
ン化合物10部とポリカーボネート樹脂(pc−z:三
菱ガス化学社製)11部、下記化学式[P]で表わされる
スクアリウム顔料0.003部を、モノクロルベンゼン
45部、ジクロロメタン45部に溶解した塗布液を第一
感光層の上に、乾燥膜厚が19μmになるように塗布
し、乾燥させて2層からなる感光層を有する感光体を得
た。
【0107】
【化16】
【0108】
【化17】
【0109】比較例6 実施例4において、化学式(C)で表わされるチアピソリ
ウム塩の量を1.3部とすること以外は実施例4と全く
同様にして2層からなる感光層を有する感光体を得た。
【0110】得られた感光体について実施例1と同様の
方法で正帯電および負帯電時のV0、E1/2およびDDR
1を測定した。
【0111】実施例1〜9および比較例1〜6で得られ
た感光体のV0、E1/2およびDDR1の測定結果を表1
にまとめた。さらに実施例1〜9および比較例1〜6の
感光体を正帯電−露光のプロセスを50回繰り返して行
った後、負に帯電させたときのVo’(V)を測定し、こ
れを表1に示した。尚、比較例5については、負帯電時
の感度が殆ど得られずVo’は測定不可能であった。
【0112】
【表1】
【0113】表1からわかるように、本発明の感光体は
正帯電でも負帯電でも電荷保持能が充分あり、暗減衰率
も感光体としては充分使用可能な程度に小さく、また感
度においても優れている。さらに、極性切替え時の電位
安定性に優れている。
【0114】実施例1の感光体においては、さらに市販
の電子写真方式のリーダープリンター機(RP−60
0;ミノルタカメラ社製)による正負帯電時の繰り返し
実写テストを行った。1,000枚のコピーを行って
も、初期、最終画像は鮮明であった。本発明の感光体
は、画像安定性、感度安定性等繰り返し特性も安定して
いることがわかる。
【0115】
【発明の効果】本発明は新規な両極性感光体を提供し
た。本発明の両極性感光体は感度、感度バランス、初期
表面電位、暗減衰率、極性切り替え時の電位安定性等の
感光体特性に優れ、繰り返し使用しに対する画像安定性
に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 感光体の模式的断面図
【符号の説明】
1:導電性支持体、2:第1感光層、3:第2感光層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、少なくとも有機電荷
    発生材料を含有する第一感光層と、少なくとも有機電荷
    発生材料と電荷輸送材料を含有する第二感光層を有し、
    第一感光層と第二感光層に含まれる有機電荷発生材料が
    n型とp型の組み合わせで選択され且つ、第二感光層に
    含まれる有機電荷発生材料の量が第二感光層の全構成材
    料に対して1.2〜20重量%であることを特徴とする
    両極性感光体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100532845B1 (ko) * 2002-10-02 2005-12-05 삼성전자주식회사 다층 구조의 전자 사진용 정대전형 유기 감광체 및 그제조 방법
US7183026B2 (en) 2002-08-30 2007-02-27 Samsung Electronics Co., Ltd. Organophotoreceptor with a plurality of photoconductive layers
WO2018100813A1 (ja) * 2016-11-30 2018-06-07 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 電子写真感光体

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