JPH07127231A - 置床式発泡樹脂根太及びその施工方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 遮音、断熱、防湿効果を向上し、また施工を
容易にする置床式根太及びその施工方法を提供する。 【構成】 発泡樹脂製の四辺形状の板体１の上面に同板
体の一つの辺に平行に帯状の第１の補強体２を固着し、
かつ前記板体１の下面の所要個所に、床面に配置される
支持脚１０の上面を受ける帯状の第２の補強体３を固着
した置床式発泡樹脂根太。また、この根太を用いた施工
方法は、支持脚１０をその上面のレベルが水平になるよ
うに調整しながら床面に配置し、前記支持脚１０の上面
に第２の補強体３が載るように板体１を敷き詰めるもの
である。前記根太１に直接支持脚１０を設けることもで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、断熱、遮音、防湿のた
めの置床式根太及びその施工方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】住宅等の居室の断熱、遮音、防湿を図る
ものとして、コンクリート床スラブの上に、モルタルの
塊を置き並べ、その上に発泡樹脂製の床下地材を敷き詰
める方法がある。しかしながら、このようなモルタルの
塊による床下地材の床スラブに対する離隔手段では、モ
ルタルを所定の固さ（スランプ）に調整する作業や床に
並べる工程が煩雑であるばかりでなく、高さ調整を任意
にすることが困難であるという問題があった。

【０００３】このような問題を解決するものとして、合
板のブロックにナットを埋め込み、このナットに支持ボ
ルトを螺合し、支持ボルトの下端に座金を介して防振ゴ
ムを取り付けた支持脚をモルタルの代わりに用いる方法
が施工されている。この支持脚を用いれば、前記合板の
ブロックに床下地材のコーナー部を載せて支持し、支持
ボルトをドライバー等で回転させることにより床下地材
の高さを微調整することができるので、施工及び調整が
簡単になる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記支持脚を用いる標
準的な工法では、支持脚の上にパーティクルボードのよ
うな床下地材をセットし、その上に捨張合板を釘打ち固
定し、その上に床板を張るか、畳を敷くようにしてい
る。

【０００５】しかしながら、この施工方法は、床下地材
をスラブ床面から浮かすことにより、遮音、断熱を図っ
ているが、その効果が充分ではない。

【０００６】一方、遮音、断熱効果の高い素材として、
発泡ポリスチレンのような材料があるが、これはそれ自
体では強度が低いため、これを床下地材の代わりにその
まま使用することはできない。

【０００７】本発明が解決すべき課題は、遮音、断熱、
防湿効果を向上し、また施工を容易にする置床式根太及
びその施工方法を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の置床式発泡樹脂根太は、発泡樹脂製の四辺
形状の板体の上面に同板体の一つの辺に平行に帯状の第
１の補強体を固着し、かつ前記板体の下面の所要個所
に、床面に配置される支持脚の上面を受ける帯状の第２
の補強体を固着したものである。

【０００９】また、この根太を用いた施工方法は、支持
脚をその上面のレベルが水平になるように調整しながら
床面に配置し、前記支持脚の上面に第２の補強体が載る
ように板体を敷き詰めるものである。さらに、前記根太
に直接支持脚を設けることもできる。

【００１０】

【作用】発泡樹脂根太は、上面と下面がそれぞれ補強体
によって補強されており、発泡樹脂根太の強度を上げ、
遮音、断熱、防湿効果が向上する。

【００１１】

【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて
具体的に説明する。

【００１２】図１は本発明に係る根太の第１実施例を示
す斜視図である。根太本体１は発泡ポリスチレン製であ
り、その上部には第１の補強体２が幅方向に３本、また
下部には第２の補強体３が長手方向に３本、それぞれ予
め根太本体１に形成した溝内に嵌め込み、接着されてい
る。第１及び第２の補強体２，３は、低発泡ポリスチレ
ンで製造されており、これは合成木材とも呼ばれ、根太
本体１の発泡ポリスチレンとは異なり、強度が高く、釘
止めが容易にできる。

【００１３】第１及び第２の補強体２，３の側部は、根
太本体１に形成した溝の側部に食い込んで本体１と一体
化するように、コ字状溝が形成されている。

【００１４】図２は第１実施例の根太を用いて床を施工
する方法の一部を示すものである。図中１０は支持脚で
あり、既製品として提供されている。この支持脚１０は
上面に粘着材を付着させた合板ブロック１１と、この合
板ブロック１１の中央の孔に埋設したナット１２と、こ
のナット１２に螺合した支持ボルト１３と、この支持ボ
ルト１３の下端の円錐形基部１４を回転自在に支持する
座金１５と、ゴム製の防振ゴム１６とからなっている。

【００１５】この支持脚１０をスラブ床面の所定位置に
置き、合板ブロック１１の上に根太本体１のコーナー部
をセットし、水平レベルは支持ボルト１３の上端のマイ
ナス溝にドライバー等の先端を差し込んで回転すること
により調整する。根太本体１と合板ブロック１１とは、
釘を打って固定する。このようにして床を施工した後、
日本間の場合は根太本体１の上に直接または防虫紙を敷
いて畳を載せる。板張りの場合は、根太本体１の上に板
を張る。

【００１６】図３は本発明の第２実施例を示す要部の斜
視図、図４はその断面図である。この実施例では、支持
脚１０を根太本体１下面の第２の補強体３のコーナー部
に直接取り付けたものである。すなわち、第２の補強体
３にナット１２を直接埋め込み、これに前記と同様に支
持ボルト１３を螺合して支持脚１０を形成したものであ
る。支持ボルト１３の上の部分の根太本体１には、孔１
ａを設けてドライバーを差し込むことができるようにし
ている。

【００１７】第１実施例では、水平レベルを調整するた
めに根太本体１のコーナー同志は一定の間隔をあけて合
板ブロック１１の上にセットし、中央の隙間から支持ボ
ルト１３の頭部の溝にドライバーを差し込んで回す必要
があったが、第２実施例では孔１ａが根太本体１の上面
に通じているので、根太本体１を敷き詰める際、互いに
間隔をあけないで密着して敷くことができる。

【００１８】

【発明の効果】上述したように、本発明によれば、補強
体を上下に設けた発泡樹脂製の根太とすることにより、
強度を確保した状態で発泡樹脂の特性である遮音、断
熱、防湿効果を床に持たせることができる。また、支持
脚の構造を根太本体に直接設けることにより、施工を著
しく短縮することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る根太の第１実施例を示す斜視図
である。

【図２】 第１実施例の根太を用いて床を施工する方法
の一部を示す斜視図である。

【図３】 本発明の第２実施例を示す要部の斜視図であ
る。

【図４】 前記第２実施例の断面図である。

【符号の説明】

１ 根太本体、１ａ 孔、２ 第１の補強体、３ 第２
の補強体、１０ 支持脚、１１ 合板ブロック、１２
ナット、１３ 支持ボルト、１４ 円錐形基部、１５
座金、１６ 防振ゴム

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 発泡樹脂製の四辺形状の板体の上面に同
   板体の一つの辺に平行に帯状の第１の補強体を固着し、
   かつ前記板体の下面の所要個所に、床面に配置される支
   持脚の上面を受ける帯状の第２の補強体を固着したこと
   を特徴とする置床式発泡樹脂根太。
2. 【請求項２】 第２の補強体を第１の補強体とは直交す
   る方向に沿って固着した請求項１記載の置床式発泡樹脂
   根太。
3. 【請求項３】 支持脚をその上面のレベルが水平になる
   ように調整しながら床面に配置し、前記支持脚の上面に
   第２の補強体が載るように板体を敷き詰めることを特徴
   とする置床式発泡樹脂根太の施工方法。
4. 【請求項４】 発泡樹脂製の四辺形状の板体の上面に同
   板体の一つの辺に平行に帯状の第１の補強体を固着し、
   かつ前記板体の下面の所要個所に、床面に配置される支
   持脚の上面を受ける帯状の第２の補強体を固着し、か
   つ、前記第２の補強体の所要個所に、埋め込みナット
   と、同埋め込みナットに螺合する支持ボルトと、同支持
   ボルトの下端を回転自在に支持する支持部を有する防振
   ゴム座とからなる支持脚を設けたことを特徴とする置床
   式発泡樹脂根太。
5. 【請求項５】 第２の補強体を第１の補強体とは直交す
   る方向に沿って固着した請求項４記載の置床式発泡樹脂
   根太。
6. 【請求項６】 請求項４記載の置床式発泡樹脂根太を床
   面に配置し、前記各根太の支持脚の支持ボルトを回転さ
   せることにより前記根太のレベルを調整することを特徴
   とする置床式発泡樹脂根太の施工方法。