JP3133011B2 - 床の構造及び際根太の取り付け方法 - Google Patents

床の構造及び際根太の取り付け方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物の床の構造、
特に、コンクリート等の躯体の床の上に更に床材を貼設
する、主に集合住宅に施工する二重床として施工して最
適の床の構造、及び、このような床における際根太の取
り付け方法に関し、床面の生活雑音が際根太からこれに
接する壁面を伝わって他の部屋に伝達するのを防ぐもの
である。
【0002】
【従来の技術】図7〜図10に示すのは従来の二重床の
構造の説明図である。図7に示す構造は、床材がベース
ボード6と仕上げ材7とからなり、壁際においては、壁
10にコンクリート釘8等で固定された際根太17の上
でベースボード6を支持するものである。際根太17
は、必要に応じて、適当な間隔で設けた束18でも支持
される。床の中央部分は図では省略しているが、床材は
支持ボルトで支持した根太や発泡プラスチックのベース
材等で支持される。根太を支持する支持ボルトの下端に
は防振ゴムの足部を設け、床の振動が躯体の床に伝わら
ないようにするのが一般的である。ベースボードは合板
やパーティクルボード、仕上げ材はフローリング、絨
毯、畳等である。
【0003】図8に示す二重床の構造は、床材がやはり
ベースボード6と仕上げ材7とからなり、壁際において
は、壁10にコンクリート釘8等で固定された際根太2
の上でベースボード6を支持するものである。際根太2
は支持ボルト3で支持される。支持ボルト3は際根太2
に埋め込まれたナット4に螺着し、これを回転させるこ
とで高さを調節することができる。支持ボルト3の下端
には防振ゴムの足部5が設けられている。図7で省略さ
れている床の中央部は、前述の図6の場合と同じであ
る。
【0004】図9に示す二重床の構造は、床材がやはり
ベースボード6と仕上げ材7とからなり、壁際において
は、壁10にコンクリート釘8等で固定された際根太1
7の上で仕上げ材7が支持されている。際根太17は、
必要に応じて、適当な間隔で設けた束18でも支持され
る。ベースボード17にはナット18が埋め込まれ、こ
れに螺着された支持ボルト3で高さ調整可能に支持され
る。支持ボルト3の下端には防振ゴムの足部5が設けら
れている。
【0005】図10に示す二重床の構造は、床材がベー
ス材16と仕上げ材7からなる。ベース材16は発泡ポ
リスチレン等の発泡プラスチックで、躯体床9上に直接
又は適当なスペーサーを介して施工される。壁際におい
ては、壁10にコンクリート釘8等で固定された際根太
17の上で仕上げ材7が支持されている。際根太17
は、必要に応じて、適当な間隔で設けた束18でも支持
される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の二重床の
構造においては、いずれの場合も際根太が躯体壁に接触
して取り付けられているので、床の振動が際根太から躯
体壁に伝達し、仕上げ床面の生活雑音が壁面を伝わって
他の部屋に伝達することとなる。本発明は、仕上げ床面
の生活雑音が壁面を伝わって他の部屋に伝達することの
ない二重床構造を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、壁際に設置し
た際根太の上に床材を貼設し、際根太を壁に直接接触さ
せないように際根太と壁との間にパッキン材を設ける
の構造において、パッキン材をゴム製の逆L字形とし、
際根太の上面をパッキン材の横辺の下面に当接させた
とを特徴とする床の構造である。パッキン材は、ゴムや
エラストマー等の振動を伝達しにくい軟質部材である。
際根太が壁に直接接触しないので、床の振動が壁に伝達
することがない。
【0008】パッキン材をゴム製の逆L字形とし、際根
太の上面をパッキン材の横辺に当接させることで、際根
太が固定され、床の浮き上がりや床鳴りのおそれが全く
なくなる。床材をベースボードと仕上げ材とする場合
は、逆L字形パッキン材の横辺の厚さをベースボードの
厚さと等しくすることが望ましい。これにより仕上げ材
の下面がパッキン材に接触して支持される。
【0009】パッキン材をゴム製略トの字形とし、その
横辺の下面に際根太を接触させ、その上部縦辺は仕上げ
材の厚さとほぼ等しいかそれよりも低く形成すると、仕
上げ材を該上部縦辺に接触させて施工することができ
る。このようにすると、仕上げ材の振動が壁面に伝わら
ず、仕上げ材は該上部縦辺に突き当てて施工できるの
で、仕上げ材の施工が楽なのである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を示す図面
を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。図1〜図6は
本発明の実施例に関し、図1は実施例1の床の根太組み
の様子の平面説明図、図2は図1におけるAA線断面
図、図3は図1におけるBB線端面図、図4はパッキン
材1の斜視図、図5は実施例2の要部説明図、図6は実
施例3の要部説明図である。
【0011】
【実施例1】実施例1の床の構造は、パッキン材1、際
根太2、根太11、ベースボード6、仕上げ材7等から
なる。コンクリート等の躯体床9の上には、図1に示す
ように、際根太2及び根太11が配置される。これらの
根太部材は公知のもので、埋め込まれたナット4に支持
ボルト3が螺着されて高さ調整可能に支持され、支持ボ
ルトの下端にはゴム製の足部材5が設けられて振動が躯
体床9に伝わらないようになっている。コンクリート等
の壁10には、際根太2の設置に先立ってゴム製のパッ
キン材1がコンクリート釘8により所定間隔を隔てて固
定されている。パッキン材1は、図4に示すように、横
辺21と縦辺22で逆L字形に形成され、横辺21には
釘穴23が貫通している。横辺21の厚さはベースボー
ド6の厚さと等しくなっている。際根太2はパッキン材
1と支持ボルト3で上下から挟まれた形で完全に固定さ
れる。ベースボード6は際根太2及び根太11の上に貼
設され、仕上げ材7はベースボード6及びパッキン材1
の上に貼設されている。
【0012】
【実施例2】図5に示す実施例2は、実施例1と比較し
てパッキン材12、際根太13及びナット14の形状が
異なっている。パッキン材12は、横辺24、縦辺25
及び上部縦辺26でトの字状に形成されている。上部縦
辺26は比較的薄く形成されており、その高さは仕上げ
材7の厚さとほぼ等しくなっている。仕上げ材7はこの
上部縦辺26に接触して設けられているが、上部縦辺の
作用で仕上げ材の振動が壁に伝わらない。仕上げ材7の
施工は、上部縦辺26に突き当てて行うことができるの
で、容易に行うことができる。際根太13は、側面にナ
ット14が設けられ、釘15で固定されている。ナット
14には支持ボルト3が螺着され、際根太は高さ調整可
能に支持されている。支持ボルトの下端にはゴム製の足
部材5が設けられて、躯体床9に振動が伝わらないよう
になっている。際根太13はパッキン材12と支持ボル
ト3でやはり上下から挟まれた形で完全に固定されてい
る。
【0013】
【実施例3】図6に示す実施例3は、実施例1と比較し
てベースボード6及び根太11に代えてベース材16が
用いられている。ベース材16は、発泡スチロールなど
の発泡プラスチックで、躯体床9の上に直接又は適宜ス
ペーサーを介して施工される。仕上げ材7はベース材1
6及びパッキン材1の上に貼設される。
【0014】上記実施例においては、パッキン材を所定
間隔で設置したが、これを長尺に形成し、壁のほぼ全長
にわたって設けてもよい。パッキン材は、振動を伝達し
にくい軟質材であればよく、ゴムに限るものではない。
パッキン材の壁への固定方法は、実施例のように釘に限
るものではなく、接着剤を用いるなど、他の固定方法を
とることもできる。床の中央部分の支持方法は、上記各
実施例の根太11などに限るものではなく、種々の公知
手段を用いることができる。また本発明は、いわゆる二
重床でない床にも用いることができる。
【0015】
【発明の効果】本発明の床の構造及び際根太の取り付け
方法は、際根太と壁の間にパッキン材を設け、際根太が
壁に直接接触しないので、仕上げ床面の振動が壁に伝達
することがなく。床面の生活雑音が壁面を伝わって他の
部屋に伝達することがほとんどない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の床の根太組みの様子の平面説明図で
ある。
【図2】図1におけるAA線断面図である。
【図3】図1におけるBB線端面図である。
【図4】パッキン材1の斜視図である。
【図5】実施例2の要部説明図である。
【図6】実施例3の要部説明図である。
【図7】従来の二重床の構造の説明図である。
【図8】従来の二重床の構造の説明図である。
【図9】従来の二重床の構造の説明図である。
【図10】従来の二重床の構造の説明図である。
【符号の説明】
1 パッキン材 2 際根太 3 支持ボルト 4 ナット 5 足部材 6 ベースボード 7 仕上げ材 8 コンクリート釘 9 躯体床 10 壁 11 根太 12 パッキン材 13 際根太 14 ナット 15 釘 16 ベース材 17 際根太 18 束 21 横辺 22 縦辺 23 穴 24 横辺 25 縦辺 26 上部縦辺

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 壁際に設置した際根太の上に床材を貼設
    し、際根太を壁に直接接触させないように際根太と壁と
    の間にパッキン材を設ける床の構造において、パッキン
    材をゴム製の逆L字形とし、際根太の上面をパッキン材
    の横辺の下面に当接させたことを特徴とする床の構造
  2. 【請求項2】 壁際に設置した際根太の上に床材を貼設
    し、際根太を壁に直接接触させないように際根太と壁と
    の間にパッキン材を設ける床の構造において、床材はベ
    ースボードと仕上げ材からなり、パッキン材をゴム製の
    略トの字形とし、その横辺の厚さはベースボードの厚さ
    と、上部縦辺の高さは仕上げ材の厚さとほぼ等しくし、
    横辺の下面に際根太の上面を接触させ、上部縦辺の側面
    に仕上げ材を接触させたことを特徴とする床の構造
  3. 【請求項3】躯体床上に設置した根太及び躯体床上かつ
    壁際に設置した際根太の上にベースボード及び仕上げ材
    を貼設する二重床の構造において、際根太と壁との間に
    パッキン材を設け、際根太を壁に接触させないように
    し、パッキン材はゴム製の逆L字形として際根太の上面
    をパッキン材の横辺に当接させ、パッキン材の横辺の厚
    さをベースボードの厚さとほぼ等しくしたことを特徴と
    する床の構造
  4. 【請求項4】壁の所定位置にパッキン材を固定し、際根
    太の上面を該パッキン材に接触させて配置し、該際根太
    を下方からは支持ボルトなどの支持材で、上方からは該
    パッキン材で挟んで支持し、かつ、該際根太を壁に接触
    させないことを特徴とする際根太の取り付け方法
  5. 【請求項5】請求項の際根太の取り付け方法におい
    て、パッキン材を逆L字形とし、際根太の上面をパッキ
    ン材の横辺の下面に当接させたことを特徴とする際根太
    の取り付け方法
  6. 【請求項6】請求項の際根太の取り付け方法におい
    て、パッキン材を略トの字形とし、際根太の上面をパッ
    キン材の横辺の下面に当接させたことを特徴とする際根
    太の取り付け方法
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