JPH07126498A - ポリエステル樹脂用ノンハロゲン系難燃剤及びその製造方法 - Google Patents
ポリエステル樹脂用ノンハロゲン系難燃剤及びその製造方法Info
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- JPH07126498A JPH07126498A JP27801593A JP27801593A JPH07126498A JP H07126498 A JPH07126498 A JP H07126498A JP 27801593 A JP27801593 A JP 27801593A JP 27801593 A JP27801593 A JP 27801593A JP H07126498 A JPH07126498 A JP H07126498A
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- polyester resin
- resin
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 特性の低下をほとんどまねくことなくポリエ
ステル樹脂の難燃性をノンハロゲンで向上させるノンハ
ロゲン系難燃剤を提供することである。 【構成】 (A)ポリエステル系樹脂、(B)分子内に
2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物及び
(C)フェノール樹脂、エポキシ基と反応し得る官能基
を有するリン、窒素、ホウ素系化合物の中から選ばれた
1種以上のノンハロゲン系難燃性化合物とを溶融反応し
てなることを特徴とするポリエステル樹脂用ノンハロゲ
ン系難燃剤とその製造方法。
ステル樹脂の難燃性をノンハロゲンで向上させるノンハ
ロゲン系難燃剤を提供することである。 【構成】 (A)ポリエステル系樹脂、(B)分子内に
2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物及び
(C)フェノール樹脂、エポキシ基と反応し得る官能基
を有するリン、窒素、ホウ素系化合物の中から選ばれた
1種以上のノンハロゲン系難燃性化合物とを溶融反応し
てなることを特徴とするポリエステル樹脂用ノンハロゲ
ン系難燃剤とその製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステル樹脂に添
加することにより、ノンハロゲンであるにもかかわらず
高度の難燃性を賦与することが可能となるポリエステル
樹脂用ノンハロゲン系難燃剤とその製造方法に関するも
のである。。
加することにより、ノンハロゲンであるにもかかわらず
高度の難燃性を賦与することが可能となるポリエステル
樹脂用ノンハロゲン系難燃剤とその製造方法に関するも
のである。。
【0002】
【従来の技術】飽和ポリエステル系樹脂は、その構造に
より多少の変わりはあるが、一般に表面平滑性に富み、
光沢のある外観を有している。結晶性のPET,PBT
は、高い融点、高い結晶化度度を有しており、寸法安定
性、透明性、強靭性、電気絶縁性、耐薬品性に優れフィ
ルム、成形品などに広く用いられている。又、非晶性の
PC,PARは、耐熱性、機械特性、透明性に優れ、耐
衝撃性についても結晶性のPET,PBTに較べかなり
良好であり、電気電子部品、OA機器、精密機械等の用
途に用いられている。ポリエステル樹脂は比較的燃え易
い樹脂で、中でも最も代表的なポリエステル樹脂である
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレン
テレフタレート(PBT)は可燃性のポリマーであるた
め、電機・電子分野、中でも製品の小型化、薄肉化が求
められている用途に用いる場合には難燃性を有する材料
が要求されている。従来からポリエステル樹脂の難燃化
にはハロゲン系難燃剤が用いられてきた。しかしハロゲ
ン系難燃剤は難燃効果は高いが環境問題や燃焼時の有害
ガスの発生といった欠点を有しているためノンハロゲン
系難燃剤を用いることが好ましい。しかし、リン系難燃
剤の場合は、多くが熱安定性が不十分である、液状もし
くは軟化点が低いため、ポリエステル樹脂に配合した場
合に耐熱性が低下してしまう、ポリエステル樹脂の加水
分解を促進してしまう、あるいは難燃剤がブリードをす
るなどの欠点を有している。また、無機系難燃剤は優れ
た難燃効果を得るためには大量の難燃剤を添加する必要
があり、そのため組成物の特性が低下するといった欠点
を生じた。以上のことからポリエステル樹脂とハロゲン
を含まない難燃剤によりポリエステル樹脂の難燃化を行
うことが出来れば最も好ましいが市場の要求を満たすも
のはまだ見いだされていない。
より多少の変わりはあるが、一般に表面平滑性に富み、
光沢のある外観を有している。結晶性のPET,PBT
は、高い融点、高い結晶化度度を有しており、寸法安定
性、透明性、強靭性、電気絶縁性、耐薬品性に優れフィ
ルム、成形品などに広く用いられている。又、非晶性の
PC,PARは、耐熱性、機械特性、透明性に優れ、耐
衝撃性についても結晶性のPET,PBTに較べかなり
良好であり、電気電子部品、OA機器、精密機械等の用
途に用いられている。ポリエステル樹脂は比較的燃え易
い樹脂で、中でも最も代表的なポリエステル樹脂である
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレン
テレフタレート(PBT)は可燃性のポリマーであるた
め、電機・電子分野、中でも製品の小型化、薄肉化が求
められている用途に用いる場合には難燃性を有する材料
が要求されている。従来からポリエステル樹脂の難燃化
にはハロゲン系難燃剤が用いられてきた。しかしハロゲ
ン系難燃剤は難燃効果は高いが環境問題や燃焼時の有害
ガスの発生といった欠点を有しているためノンハロゲン
系難燃剤を用いることが好ましい。しかし、リン系難燃
剤の場合は、多くが熱安定性が不十分である、液状もし
くは軟化点が低いため、ポリエステル樹脂に配合した場
合に耐熱性が低下してしまう、ポリエステル樹脂の加水
分解を促進してしまう、あるいは難燃剤がブリードをす
るなどの欠点を有している。また、無機系難燃剤は優れ
た難燃効果を得るためには大量の難燃剤を添加する必要
があり、そのため組成物の特性が低下するといった欠点
を生じた。以上のことからポリエステル樹脂とハロゲン
を含まない難燃剤によりポリエステル樹脂の難燃化を行
うことが出来れば最も好ましいが市場の要求を満たすも
のはまだ見いだされていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は特性の低下を
ほとんどまねくことなくポリエステル樹脂の難燃性をノ
ンハロゲンで向上させるノンハロゲン系難燃剤を提供す
ることである。
ほとんどまねくことなくポリエステル樹脂の難燃性をノ
ンハロゲンで向上させるノンハロゲン系難燃剤を提供す
ることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはポリエステ
ル樹脂の難燃化のため、ポリエステル系樹脂(A)とフ
ェノール樹脂及び/又はノンハロゲン系難燃性化合物
(C)を単純にブレンドする方法について検討したが、
この方法では難燃性の改善効果が不十分であり、その上
ブリードが発生する、流動性が低下する、衝撃強度が低
下するなどの特性低下を招くという欠点が生じることが
分かった。そこで更に鋭意検討した結果、ポリエステル
系樹脂(A)とフェノール樹脂及び/又はノンハロゲン
系難燃性化合物(C)に、これらの両方と反応するエポ
キシ化合物(B)を添加し、溶融反応させることによ
り、難燃性を損なうこと無く、従来の欠点であったブリ
ード、流動性、耐衝撃性などが改善されることを見い出
し本発明を完成するに至った。即ち本発明は、(A)ポ
リエステル系樹脂、(B)分子内に2個以上のエポキシ
基を有するエポキシ化合物及び(C)フェノール樹脂、
エポキシ基と反応し得る官能基を有するリン、窒素、ホ
ウ素系化合物の中から選ばれた1種以上のノンハロゲン
系難燃性化合物とを溶融反応してなることを特徴とする
ポリエステル樹脂用ノンハロゲン系難燃剤とその製造方
法に関するものである。
ル樹脂の難燃化のため、ポリエステル系樹脂(A)とフ
ェノール樹脂及び/又はノンハロゲン系難燃性化合物
(C)を単純にブレンドする方法について検討したが、
この方法では難燃性の改善効果が不十分であり、その上
ブリードが発生する、流動性が低下する、衝撃強度が低
下するなどの特性低下を招くという欠点が生じることが
分かった。そこで更に鋭意検討した結果、ポリエステル
系樹脂(A)とフェノール樹脂及び/又はノンハロゲン
系難燃性化合物(C)に、これらの両方と反応するエポ
キシ化合物(B)を添加し、溶融反応させることによ
り、難燃性を損なうこと無く、従来の欠点であったブリ
ード、流動性、耐衝撃性などが改善されることを見い出
し本発明を完成するに至った。即ち本発明は、(A)ポ
リエステル系樹脂、(B)分子内に2個以上のエポキシ
基を有するエポキシ化合物及び(C)フェノール樹脂、
エポキシ基と反応し得る官能基を有するリン、窒素、ホ
ウ素系化合物の中から選ばれた1種以上のノンハロゲン
系難燃性化合物とを溶融反応してなることを特徴とする
ポリエステル樹脂用ノンハロゲン系難燃剤とその製造方
法に関するものである。
【0005】本発明の(A)成分として用いられるポリ
エステル系樹脂は特に限定するものでなく市販されてい
るものであり、例えば、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、芳香族ポリカーボネー
ト、ポリアリレート、<ザイダー>、<ベクトラ>、<
ロッドラン>等の名前で市販されている液晶ポリエステ
ル、複数の原料成分を用いることにより得られる共重合
ポリエステル樹脂、ポリエステル系エラストマーなどが
例示される。これらの中でも、ポリエステルとゴムの性
質を兼ね備えたポリエーテル・ポリエステルタイプのポ
リエステルエラストマーあるいは結晶性ポリエステル・
非晶性ポリエステルタイプのポリエステルエラストマー
が好適に使用される。
エステル系樹脂は特に限定するものでなく市販されてい
るものであり、例えば、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、芳香族ポリカーボネー
ト、ポリアリレート、<ザイダー>、<ベクトラ>、<
ロッドラン>等の名前で市販されている液晶ポリエステ
ル、複数の原料成分を用いることにより得られる共重合
ポリエステル樹脂、ポリエステル系エラストマーなどが
例示される。これらの中でも、ポリエステルとゴムの性
質を兼ね備えたポリエーテル・ポリエステルタイプのポ
リエステルエラストマーあるいは結晶性ポリエステル・
非晶性ポリエステルタイプのポリエステルエラストマー
が好適に使用される。
【0006】本発明の(B)成分として用いられるエポ
キシ化合物は、ポリエステル系樹脂(A)とフェノール
樹脂及び/又はノンハロゲン系難燃性化合物(C)とを
つなぐ働きを有する重要な成分で、分子内に2個以上の
エポキシ基を有するものであれば特に限定するものでな
く市販されているものであり、いずれのものでも使用で
きる。具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エ
ポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエス
テル型エポキシ樹脂、エチレンとグリシジルメタアクリ
レートとの共重合体あるいはエチレン・アクリル酸共重
合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・ア
クリレート共重合体、エチレン・メタクリレート共重合
体とグリシジルメタアクリレートとの3元共重合体、エ
ポキシ化スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロ
ック共重合体、エポキシ化スチレン−エチレン・イソプ
レン−スチレンブロック共重合体等が挙げられる。これ
らの中でもエポキシ当量が170〜300の範囲のビス
フェノールA型液状樹脂が好適に使用される。
キシ化合物は、ポリエステル系樹脂(A)とフェノール
樹脂及び/又はノンハロゲン系難燃性化合物(C)とを
つなぐ働きを有する重要な成分で、分子内に2個以上の
エポキシ基を有するものであれば特に限定するものでな
く市販されているものであり、いずれのものでも使用で
きる。具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エ
ポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエス
テル型エポキシ樹脂、エチレンとグリシジルメタアクリ
レートとの共重合体あるいはエチレン・アクリル酸共重
合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・ア
クリレート共重合体、エチレン・メタクリレート共重合
体とグリシジルメタアクリレートとの3元共重合体、エ
ポキシ化スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロ
ック共重合体、エポキシ化スチレン−エチレン・イソプ
レン−スチレンブロック共重合体等が挙げられる。これ
らの中でもエポキシ当量が170〜300の範囲のビス
フェノールA型液状樹脂が好適に使用される。
【0007】本発明の(C)成分として用いられる難燃
性良好な樹脂であるフェノール樹脂は、特に限定するも
のでなく市販されているものであり、フェノール、ホル
マリンに酸系触媒を添加して反応させ、樹脂化して得ら
れる非熱反応性のノボラック型フェノール樹脂、あるい
はフェノール、ホルマリンにアルカリ系触媒を添加して
反応させ、樹脂化して得られる熱反応性のレゾール型フ
ェノール樹脂のいずれでもよいが、これらのなかで、非
熱反応性のノボラック型フェノール樹脂が特に好まし
い。本発明の(C)成分として用いられるエポキシ基と
反応し得る官能基を有するリン、窒素、ホウ素系化合物
は、特に限定するものでなく一般に市販されているもの
であり、官能基としては、例えば水酸基、カルボキシル
基、酸無水物基、アミノ基を有するものが好適に使用さ
れる。化合物の具体例としては、ポリリン酸、ポリリン
酸アンモニウム、アミノ基、水酸基、又はカルボキシル
基含有リン酸エステル等のリン系化合物、ホウ酸、ホウ
酸亜鉛等のホウ素系化合物、メラミンあるいはメラミン
シアヌレート化合物、メラミンリン酸塩、メラミンボレ
ート等のメラミン系誘導体、グアニジンあるいはスルフ
ァミン酸グアニジン、リン酸グアニジン等のグアニジン
系誘導体等が挙げられる。これらのノンハロゲン系難燃
性化合物は、単独あるいは2種以上組み合わせて用いら
れる。
性良好な樹脂であるフェノール樹脂は、特に限定するも
のでなく市販されているものであり、フェノール、ホル
マリンに酸系触媒を添加して反応させ、樹脂化して得ら
れる非熱反応性のノボラック型フェノール樹脂、あるい
はフェノール、ホルマリンにアルカリ系触媒を添加して
反応させ、樹脂化して得られる熱反応性のレゾール型フ
ェノール樹脂のいずれでもよいが、これらのなかで、非
熱反応性のノボラック型フェノール樹脂が特に好まし
い。本発明の(C)成分として用いられるエポキシ基と
反応し得る官能基を有するリン、窒素、ホウ素系化合物
は、特に限定するものでなく一般に市販されているもの
であり、官能基としては、例えば水酸基、カルボキシル
基、酸無水物基、アミノ基を有するものが好適に使用さ
れる。化合物の具体例としては、ポリリン酸、ポリリン
酸アンモニウム、アミノ基、水酸基、又はカルボキシル
基含有リン酸エステル等のリン系化合物、ホウ酸、ホウ
酸亜鉛等のホウ素系化合物、メラミンあるいはメラミン
シアヌレート化合物、メラミンリン酸塩、メラミンボレ
ート等のメラミン系誘導体、グアニジンあるいはスルフ
ァミン酸グアニジン、リン酸グアニジン等のグアニジン
系誘導体等が挙げられる。これらのノンハロゲン系難燃
性化合物は、単独あるいは2種以上組み合わせて用いら
れる。
【0008】本発明で用いられる(A)、(B)、
(C)成分の反応を促進する触媒は特に限定するもので
なく市販されているものであり、例えば、イミダゾール
類ではジメチルイミダゾール、アミン類及びその誘導体
ではジアザビシクロウンデセン、ジメチルベンジルアミ
ン、有機ホスフィン類及びその誘導体ではトリフェニル
ホスフィン等が挙げられる。
(C)成分の反応を促進する触媒は特に限定するもので
なく市販されているものであり、例えば、イミダゾール
類ではジメチルイミダゾール、アミン類及びその誘導体
ではジアザビシクロウンデセン、ジメチルベンジルアミ
ン、有機ホスフィン類及びその誘導体ではトリフェニル
ホスフィン等が挙げられる。
【0009】本発明のポリエステル樹脂用ノンハロゲン
系難燃剤は、(A)ポリエステル系樹脂、(B)分子内
に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物及び
(C)フェノール樹脂及び/又はエポキシ基と反応し得
る官能基を有するリン、窒素、ホウ素系のノンハロゲン
系難燃性化合物とを溶融反応してなることを特徴とする
ポリエステル樹脂用ノンハロゲン系難燃剤に関するもの
であり、好ましくはポリエステル系樹脂(A)とフェノ
ール樹脂及び/又はノンハロゲン系難燃性化合物(C)
の配合比率が重量比で80:20〜20:80、更に好
ましくは60:40〜40:60であり、エポキシ化合
物(B)とフェノール樹脂及び/又はノンハロゲン系難
燃性化合物(C)の配合比率が当量比(B/C)で0.
05〜2で配合し、溶融反応してなることを特徴とする
ポリエステル樹脂用ノンハロゲン系難燃剤に関するもの
であり、更に好ましくは,(A),(B),(C)成分
間の反応を促進する触媒0.01〜5重量部配合し、加
圧ニーダーやバンバリーミキサー等で150℃〜250
℃、10分〜30分間溶融反応することにより得られ
る。本発明のポリエステル樹脂用ノンハロゲン系難燃剤
において、ポリエステル系樹脂(A)とフェノール樹脂
及び/又はノンハロゲン系難燃性化合物(C)とを8
0:20〜20:80の比率で配合することが好まし
い。(C)成分のフェノール樹脂及び/又はノンハロゲ
ン系難燃性化合物の割合が80wt%を上回ると流動
性、耐衝撃性、機械特性の改善が不十分となる傾向にあ
り、20wt%を下回ると難燃性の改善効果が不十分と
なる傾向にある。又、エポキシ化合物(B)とフェノー
ル樹脂及び/又はノンハロゲン系難燃性化合物(C)の
配合比率は、当量比(B/C)で0.05〜2で配合す
ることが好ましく、当量比が0.05未満ではポリエス
テル系樹脂(A)とフェノール樹脂及び/又はノンハロ
ゲン系難燃性化合物(B)とをつなぐ働きが不十分とな
り、ブリードが発生する傾向にあり、当量比が2を越え
ると、難燃性が不十分となる傾向にある。
系難燃剤は、(A)ポリエステル系樹脂、(B)分子内
に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物及び
(C)フェノール樹脂及び/又はエポキシ基と反応し得
る官能基を有するリン、窒素、ホウ素系のノンハロゲン
系難燃性化合物とを溶融反応してなることを特徴とする
ポリエステル樹脂用ノンハロゲン系難燃剤に関するもの
であり、好ましくはポリエステル系樹脂(A)とフェノ
ール樹脂及び/又はノンハロゲン系難燃性化合物(C)
の配合比率が重量比で80:20〜20:80、更に好
ましくは60:40〜40:60であり、エポキシ化合
物(B)とフェノール樹脂及び/又はノンハロゲン系難
燃性化合物(C)の配合比率が当量比(B/C)で0.
05〜2で配合し、溶融反応してなることを特徴とする
ポリエステル樹脂用ノンハロゲン系難燃剤に関するもの
であり、更に好ましくは,(A),(B),(C)成分
間の反応を促進する触媒0.01〜5重量部配合し、加
圧ニーダーやバンバリーミキサー等で150℃〜250
℃、10分〜30分間溶融反応することにより得られ
る。本発明のポリエステル樹脂用ノンハロゲン系難燃剤
において、ポリエステル系樹脂(A)とフェノール樹脂
及び/又はノンハロゲン系難燃性化合物(C)とを8
0:20〜20:80の比率で配合することが好まし
い。(C)成分のフェノール樹脂及び/又はノンハロゲ
ン系難燃性化合物の割合が80wt%を上回ると流動
性、耐衝撃性、機械特性の改善が不十分となる傾向にあ
り、20wt%を下回ると難燃性の改善効果が不十分と
なる傾向にある。又、エポキシ化合物(B)とフェノー
ル樹脂及び/又はノンハロゲン系難燃性化合物(C)の
配合比率は、当量比(B/C)で0.05〜2で配合す
ることが好ましく、当量比が0.05未満ではポリエス
テル系樹脂(A)とフェノール樹脂及び/又はノンハロ
ゲン系難燃性化合物(B)とをつなぐ働きが不十分とな
り、ブリードが発生する傾向にあり、当量比が2を越え
ると、難燃性が不十分となる傾向にある。
【0010】(A)、(B)、(C)間の反応を促進す
る触媒が0.01重量部を下回ると反応を促進する効果
が不十分となる傾向にあり、5重量部を越えてもその効
果はあまり変わらない。このように本発明のポリエステ
ル樹脂用ノンハロゲン系難燃剤は、ポリエステル樹脂の
特性の低下をほとんど招くこと無く難燃性を向上する効
果を有しているが、その理由として、(A)成分のポリ
エステル系樹脂と(C)成分のフェノール樹脂及び/又
はノンハロゲン系難燃性化合物とをつなぐ働きを有する
(B)成分のエポキシ化合物を好ましくはポリエステル
系樹脂(A)に少量ずつ添加して予め溶融反応させた
後、更にフェノール樹脂及び/又はノンハロゲン系難燃
性化合物(C)と溶融反応させることにより生成した化
合物が、一分子中にポリエステル樹脂に親和性を有する
成分及びフェノール樹脂及び/又はノンハロゲン系難燃
性化合物に親和性を有する成分を有しているため、熱可
塑性樹脂中に難燃性良好な(C)成分のフェノール樹脂
及び/又はノンハロゲン系難燃性化合物がミクロ分散す
ることが可能になったためと考えられる。本発明のポリ
エステル樹脂用ノンハロゲン系難燃剤には、更に用途、
目的に応じて他の配合剤、例えば酸化防止剤、光安定
剤、顔料、染料、離型剤、可塑剤、補強剤、増量剤を添
加することができる。又、本発明のポリエステル樹脂用
ノンハロゲン系難燃剤は、水酸化マグネシウム、水酸化
アルミニウム等の無機系難燃剤と併用して用いることが
好ましい。
る触媒が0.01重量部を下回ると反応を促進する効果
が不十分となる傾向にあり、5重量部を越えてもその効
果はあまり変わらない。このように本発明のポリエステ
ル樹脂用ノンハロゲン系難燃剤は、ポリエステル樹脂の
特性の低下をほとんど招くこと無く難燃性を向上する効
果を有しているが、その理由として、(A)成分のポリ
エステル系樹脂と(C)成分のフェノール樹脂及び/又
はノンハロゲン系難燃性化合物とをつなぐ働きを有する
(B)成分のエポキシ化合物を好ましくはポリエステル
系樹脂(A)に少量ずつ添加して予め溶融反応させた
後、更にフェノール樹脂及び/又はノンハロゲン系難燃
性化合物(C)と溶融反応させることにより生成した化
合物が、一分子中にポリエステル樹脂に親和性を有する
成分及びフェノール樹脂及び/又はノンハロゲン系難燃
性化合物に親和性を有する成分を有しているため、熱可
塑性樹脂中に難燃性良好な(C)成分のフェノール樹脂
及び/又はノンハロゲン系難燃性化合物がミクロ分散す
ることが可能になったためと考えられる。本発明のポリ
エステル樹脂用ノンハロゲン系難燃剤には、更に用途、
目的に応じて他の配合剤、例えば酸化防止剤、光安定
剤、顔料、染料、離型剤、可塑剤、補強剤、増量剤を添
加することができる。又、本発明のポリエステル樹脂用
ノンハロゲン系難燃剤は、水酸化マグネシウム、水酸化
アルミニウム等の無機系難燃剤と併用して用いることが
好ましい。
【0011】
【実施例】以下実施例により、本発明を説明するが、こ
れは単なる例示であり、本発明はこれに限定されるもの
ではない。引張り試験はASTM−D638、曲げ試験
はASTM−D790、アイゾット衝撃試験はASTM
−D256、酸素指数はASTM−D2863、燃焼試
験はUnderwriters Laboratories 社の安全標準UL94
燃焼試験(○は燃焼時間10秒以内、△は燃焼時間10
秒以上、×は全焼する)によって測定した結果である。
又、成形外観については試験片の表面を目視(○は良
好、△はやや良好、×は不良)で観察して評価した。 *ノンハロゲン系難燃剤の製造例(イ〜ト) (A)成分のポリエステル系樹脂を所定量加圧ニーダー
に投入し、その後(B)成分のエポキシ化合物を、ポリ
エステル系樹脂(A)に少量ずつ所定量になるまで添加
して200〜260℃、5〜10分間予め溶融反応させ
た後、更にフェノール樹脂及び/又はノンハロゲン系難
燃性化合物(C)を加えて更に200〜260℃、10
〜15分間溶融反応させることによりノンハロゲン系難
燃剤イ〜トを得た。使用した原料は、A成分としてポリ
エステルエラストマー[PEE:ハイトレル 4057
東レ・デュポン(株)製]、ポリエチレンテレフタレー
ト[PET:ダイヤナイト MA−523V 三菱レイ
ヨン(株)製]、B成分としてエポキシ化合物[エピコー
ト 828 エポキシ当量189g/eq 油化シェル
(株)製]、C成分としてフェーノールノボラック[P
N:PR−51470水酸基当量 105g/eq 住
友デュレズ(株)製]、リン酸グアニジン[アピノン−3
01 アミン当量 108g/eq (株)三和ケミカル
製]、メラミン、触媒としてトリフェニルフォスフィン
(TPP)を使用した。反応の有無については、反応前
後でのエポキシ基の赤外吸収スペクトルピーク強度の相
違より確認した。その配合を表1に示す。
れは単なる例示であり、本発明はこれに限定されるもの
ではない。引張り試験はASTM−D638、曲げ試験
はASTM−D790、アイゾット衝撃試験はASTM
−D256、酸素指数はASTM−D2863、燃焼試
験はUnderwriters Laboratories 社の安全標準UL94
燃焼試験(○は燃焼時間10秒以内、△は燃焼時間10
秒以上、×は全焼する)によって測定した結果である。
又、成形外観については試験片の表面を目視(○は良
好、△はやや良好、×は不良)で観察して評価した。 *ノンハロゲン系難燃剤の製造例(イ〜ト) (A)成分のポリエステル系樹脂を所定量加圧ニーダー
に投入し、その後(B)成分のエポキシ化合物を、ポリ
エステル系樹脂(A)に少量ずつ所定量になるまで添加
して200〜260℃、5〜10分間予め溶融反応させ
た後、更にフェノール樹脂及び/又はノンハロゲン系難
燃性化合物(C)を加えて更に200〜260℃、10
〜15分間溶融反応させることによりノンハロゲン系難
燃剤イ〜トを得た。使用した原料は、A成分としてポリ
エステルエラストマー[PEE:ハイトレル 4057
東レ・デュポン(株)製]、ポリエチレンテレフタレー
ト[PET:ダイヤナイト MA−523V 三菱レイ
ヨン(株)製]、B成分としてエポキシ化合物[エピコー
ト 828 エポキシ当量189g/eq 油化シェル
(株)製]、C成分としてフェーノールノボラック[P
N:PR−51470水酸基当量 105g/eq 住
友デュレズ(株)製]、リン酸グアニジン[アピノン−3
01 アミン当量 108g/eq (株)三和ケミカル
製]、メラミン、触媒としてトリフェニルフォスフィン
(TPP)を使用した。反応の有無については、反応前
後でのエポキシ基の赤外吸収スペクトルピーク強度の相
違より確認した。その配合を表1に示す。
【0012】
【0013】(実施例1〜6)ポリブチレンテレフタレ
ート樹脂[PBT:C7000 帝人(株)製]にノンハ
ロゲン系難燃剤イ〜ハ、水酸化マグネシウム等を所定量
配合し、ニ軸混練機で混練して実施例の組成物を試作し
た。その配合及び評価結果を表2に示す。(比較例1〜
9)ポリブチレンテレフタレート樹脂[PBT:C70
00 帝人(株)製]にフェノール樹脂及び/又はノンハ
ロゲン系難燃性化合物、ノンハロゲン系難燃剤ニ〜ト、
水酸化マグネシウム等を所定量配合し、ニ軸混練機で混
練して比較例の組成物を試作した。その配合及び評価結
果を表3、4に示す。
ート樹脂[PBT:C7000 帝人(株)製]にノンハ
ロゲン系難燃剤イ〜ハ、水酸化マグネシウム等を所定量
配合し、ニ軸混練機で混練して実施例の組成物を試作し
た。その配合及び評価結果を表2に示す。(比較例1〜
9)ポリブチレンテレフタレート樹脂[PBT:C70
00 帝人(株)製]にフェノール樹脂及び/又はノンハ
ロゲン系難燃性化合物、ノンハロゲン系難燃剤ニ〜ト、
水酸化マグネシウム等を所定量配合し、ニ軸混練機で混
練して比較例の組成物を試作した。その配合及び評価結
果を表3、4に示す。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【発明の効果】表から明らかなように、本発明のノンハ
ロゲン系難燃剤は、ポリエステル樹脂の特徴を維持した
まま高度な難燃性を付与する新規な難燃剤である。
ロゲン系難燃剤は、ポリエステル樹脂の特徴を維持した
まま高度な難燃性を付与する新規な難燃剤である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 63/00 NJX
Claims (7)
- 【請求項1】 (A)ポリエステル系樹脂、(B)分子
内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物及び
(C)フェノール樹脂及び/又はエポキシ基と反応し得
る官能基を有するリン、窒素、ホウ素系化合物の中から
選ばれた1種以上のノンハロゲン系難燃性化合物とを溶
融反応してなることを特徴とするポリエステル樹脂用ノ
ンハロゲン系難燃剤。 - 【請求項2】 ポリエステル系樹脂(A)とフェノール
樹脂及び/又はノンハロゲン系難燃性化合物(C)の配
合比率が重量比で80:20〜20:80であり、エポ
キシ化合物(B)とフェノール樹脂及び/又はノンハロ
ゲン系難燃性化合物(C)の配合比率が当量比(B/
C)で0.05〜2である請求項1記載のポリエステル
樹脂用ノンハロゲン系難燃剤。 - 【請求項3】 ポリエステル系樹脂(A)、エポキシ化
合物(B)及びフェノール樹脂及び/又はノンハロゲン
系難燃性化合物(C)の混合物100重量部に対し、
(A)又は(C)と(B)との反応を促進する触媒を
0.01〜5重量部添加し、溶融反応してなることを特
徴とする請求項1又は2記載のポリエステル樹脂用ノン
ハロゲン系難燃剤。 - 【請求項4】 ポリエステル系樹脂(A)がポリエステ
ル系エラストマーである請求項1、2又は3記載のポリ
エステル樹脂用ノンハロゲン系難燃剤。 - 【請求項5】 エポキシ化合物(B)が、エポキシ当量
が170〜300の範囲のビスフェノールA型液状樹脂
である請求項1、2、3又は4記載のポリエステル樹脂
用ノンハロゲン系難燃剤。 - 【請求項6】 フェノール樹脂及び/又はノンハロゲン
系難燃性化合物(C)が、フェノールノボラック樹脂、
アミノ基、水酸基、カルボキシル基の中から選ばれた官
能基を有するリン酸エステル又はポリリン酸塩、ホウ
酸、ホウ酸亜鉛、メラミン、メラミン系誘導体、グアニ
ジン、グアニジン系誘導体の中から選ばれた少なくとも
1種以上の化合物である請求項1、2、3、4又は5記
載のポリエステル樹脂用ノンハロゲン系難燃剤。 - 【請求項7】 ポリエステル系樹脂(A)にエポキシ
化合物(B)を少量ずつ添加して予め溶融反応させた後
フェノール樹脂及び/又はノンハロゲン系難燃性化合物
(C)を配合し更に溶融反応させることを特徴とするポ
リエステル樹脂用ノンハロゲン系難燃剤の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27801593A JPH07126498A (ja) | 1993-11-08 | 1993-11-08 | ポリエステル樹脂用ノンハロゲン系難燃剤及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27801593A JPH07126498A (ja) | 1993-11-08 | 1993-11-08 | ポリエステル樹脂用ノンハロゲン系難燃剤及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07126498A true JPH07126498A (ja) | 1995-05-16 |
Family
ID=17591456
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27801593A Pending JPH07126498A (ja) | 1993-11-08 | 1993-11-08 | ポリエステル樹脂用ノンハロゲン系難燃剤及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07126498A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6133358A (en) * | 1997-01-10 | 2000-10-17 | Teijin Ltd. | Flame-retardant resin composition |
WO2001081470A1 (en) * | 2000-04-19 | 2001-11-01 | General Electric Company | Flame retardant polyester compositions |
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US7087667B2 (en) | 2001-05-15 | 2006-08-08 | Teijin Chemicals, Ltd. | Flame-retardant resin composition and molded article therefrom |
JP2020515653A (ja) * | 2016-11-28 | 2020-05-28 | キューイーディー ラブズ インコーポレイテッドQED Labs Inc. | 溶融性イントメッセント系難燃剤組成物 |
-
1993
- 1993-11-08 JP JP27801593A patent/JPH07126498A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020515653A (ja) * | 2016-11-28 | 2020-05-28 | キューイーディー ラブズ インコーポレイテッドQED Labs Inc. | 溶融性イントメッセント系難燃剤組成物 |
US11932765B2 (en) | 2016-11-28 | 2024-03-19 | Qed Labs, Inc. | Meltable intumescent flame retardant compositions |
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