JPH0712613B2 - 複合成形品の製造方法 - Google Patents

複合成形品の製造方法

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JPH0712613B2
JPH0712613B2 JP18148690A JP18148690A JPH0712613B2 JP H0712613 B2 JPH0712613 B2 JP H0712613B2 JP 18148690 A JP18148690 A JP 18148690A JP 18148690 A JP18148690 A JP 18148690A JP H0712613 B2 JPH0712613 B2 JP H0712613B2
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至郎 山本
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は複合成形品の製造方法に関するものである。更
に詳しくは、(i)繊維状補強材を含有する熱硬化性樹
脂相よりなる表層部、(ii)気泡粒子(発泡含有粒子)
を含有する該樹脂相よりなる芯部および(iii)該表層
部と該芯部との間に存在する分離相よりなる一体化され
た複合成形品を効率的に製造する方法に関するものであ
る。
〈従来の技術〉 芯部が発泡コアを有し、表層部が繊維強化樹脂で構成さ
れた複合成形品は、軽量性および強靱性に優れているた
め、各種の分野に実用化されており、さらに改良された
成形品および製造方法が提案されている。
前記した構造を有する複合成形品の製法としては、例え
ば、芯部の発泡コアを予め成形しておき、この成形体を
補強材としての織布で包んだ後、型に挿入し、次いで型
内へ液状成形樹脂を注入して表層部を形成させ、複合成
形品を型から取り出す方法、或いは表層部となる部材を
予め成形しておき、その中心部の空隙内に発泡性ウレタ
ン樹脂などを注入し、その空隙内で発泡した芯部を形成
させることによって複合成形品を得る方法等が知られて
いる。
例えば、特開昭63-162207号公報には、熱膨張トランス
ファー成形法と称される方法が記載されている。即ち、
この公報に記載されている方法は、熱弾性硬質フォーム
を所定形状に予備成形すること、予備成形フォームを織
布で包むこと、その内部制約面が最終部材の外形を形成
しかつ上記予備成形フォームコアの特定部位を加熱可能
な型内に置き、熱硬化性の液状成形樹脂を注入し、加熱
によりフォームコアを膨張させ、その膨脹力でフォーム
コアを包む織布を型の内部制約面に押しつけると共に樹
脂を硬化させて成形品を得る方法である。この方法は、
従来にない軽量で強靱な複合成形品が得られるという利
点を有するが、(a)フォームコアとして、型の形状と
できる限り近似した形状のものを予備成形する必要があ
る、(b)フォームコアの材質として熱膨張挙動が適切
な範囲のものを選択する必要がある、さらに(c)フォ
ームコアとして熱硬化樹脂が浸透しないように独立気泡
を有するものを使用する必要がある、などの制約があ
る。
また、実公昭62-24521号公報には、繊維含有不飽和ポリ
エステル樹脂からなる二つの表面層の間に、ポリオレフ
ィン径樹脂発泡粒子またはその粉砕物を多数含有する不
飽和ポリエステル樹脂からなるコア層を一体に形成して
なることを特徴とする繊維強化不飽和ポリエステル樹脂
軽量成形体、が記載されている。
この軽量成形体は、成形用の型内にガラス繊維を敷載
し、これに不飽和ポリエステル樹脂原液を被覆して表面
層を形成させ、次いでポリオレフィン樹脂の発泡した粒
子と不飽和ポリエステル樹脂原液との混和液を流し込み
(コア層)、その上にガラス繊維含有不飽和ポリエステ
ル樹脂を被覆(表面層)した後、形締めをして硬化させ
る方法により得られる。
この方法は、既に発泡した後の粒子を用いるので、成形
の際、全体に均一に圧力をかけることは困難である。従
ってこの方法によっては均質な複合成形物を安定して得
ることは容易ではない。さらに、この方法は上下の表面
層の間に発泡粒子を含む不飽和ポリエステル樹脂がコア
として存在するボード形態の成形体を得るのに適してい
るが、屈曲した面を有する成形体を得る方法としては適
当ではない。
前記した如き従来公知の技術は、(i)複合成形品を得
る工程が多岐にわたり操作が煩雑であり、そのため成形
品の生産効率が低くコスト高になるという欠点を有して
いたり、(ii)得られた複合成形品の強度や外観が不満
足であったり、また(iii)複合成形品の形状や大きさ
が制限されるという欠点を有していた。
〈発明が解決しようとする課題〉 そこで本発明の第1の目的は、表層部および発泡粒子
(気泡含有粒子)を含む芯部(コア部分)より実質的に
形成される複合成形品を比較的簡単な操作で得ることが
できる方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、前記構造を有する複合成形品を
実質的に1工程で得ることができ、しかも煩雑な操作や
複雑な条件を必要としないで得ることができる方法を提
供することにある。
本発明の他の目的は、生産効率が優れた、殊に成形機当
りの複合成形品の生産率が高い方法を提供することにあ
る。
本発明のさらに他の目的は、軽量で、物理的に高い強度
を有しかつ外観が優れた構造を有する複合成形品の製造
方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、形状や大きさを任意に選択
しうる複合成形品の製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は以下の説明から一層明らかと
なるのであろう。
〈課題を解決するための手段〉 本発明者らの研究によれば、前記本発明の目的は、 (i) 繊維状補強材を含有する熱硬化性樹脂相より
なる表層部、 (ii) 発泡粒子(気泡含有粒子)を含有する該樹脂
相よりなる芯部、および (iii) 該表層部と該芯部との間に存在する分離層よ
りなる一体化された複合成形品の製造方法であって、次
の工程(a)〜(h) (a) 実質的に密閉された成形用型内に、発泡性粒子
は実質的に通過しないが、成形時に流動性を有する熱硬
化性樹脂またはその前駆体を通過しうる分離層を設け、 (b) 型内に該熱硬化性樹脂またはその前駆体を用意
し、 (c) 型内における前記分離層と型との間に該分離層
と一体化するかまたは別個の繊維状補強材を連携して配
置し、 (d) さらに型内における前記分離層の型内面と反対
の位置に発泡性粒子の集合体を用意し、 (e) 昇温によって該発泡性粒子を発泡させて該集合
体の体積膨張を生じせしめ、 (f) 前記(e)の体積膨張により分離層を型の内面
方向に押し付けながら、該熱硬化性樹脂またはその前駆
体を、分離層を通じて流動させ、かくして分離層と型の
間および発泡粒子間に熱硬化性樹脂またはその前駆体を
存在せしめ、 (g) 次いで、該熱硬化性樹脂またはその前駆体を硬
化せしめ、固化を完了せしめて、前記表層部および芯部
を形成させ、 (h) かくして得られた複合成形品を型から取り出
す、 よりなることを特徴とする複合成形品の製造方法によっ
て達成されることが見出された。
上記本発明方法は、昇温による発泡性粒子の発泡を型内
で行なわせ、かくすることによってこれら粒子の集合体
の体積膨張を生じさせ、この体積膨張の力を最大限にか
つ有効に利用して複合成形品の成形を行う点に特徴を有
している。
すなわち、前記粒子の集合体の体積膨張による力は、そ
の集合体を取り囲む分離層を、その外に向って型の内面
方向へ押し付ける力および分離層内部において発泡した
粒子間に隙間(空隙)の無い均質なコア部分を形成する
ように直接作用する。さらに前記粒子の集合体の体積膨
張によって、型内に存在する流動性の熱硬化性樹脂また
はその前駆体は、分離層を介して移動し、繊維状補強材
中への浸透および/または発泡粒子集合体中への浸透が
充分に行われ、緻密な表層部および隙間芯部の形成が達
成される。
かくして下記の特徴を有する複合成形品が得られる。
(i) 繊維状補強材を含有する合成樹脂相よりなる
表層部が成形品の表面全体に亘って均質かつ均密に形成
される。そしてこの表層部には発泡した粒子は事実上存
在しない。
(ii) 該表層部中には、実質的に発泡した粒子は存
在しないので形成された表層部は緻密な構造を有し、得
られた成形品は物理的強度が高くかつ優れた外観を有し
ている。
(iii) 分離層内部において、発泡粒子と合成樹脂と
が互いに隙間なくつまった芯部が形成される。
(iv) 密閉された型内において流動性の熱硬化性樹脂
またはその前駆体が分離層を介して流通することによっ
て前記表層部と芯部が形成されるので、該表層部と芯部
とは同じ樹脂の連通によって強固に一体化された構造を
形成する。
次に、本発明方法における成形プロセスについてさらに
詳細に説明する。
本発明の成形プロセスは、実質的に密閉された成形用の
型(mold)内で事実上一工程で行なわれる。その際使用
される型は、成形時に実質的に密閉することが可能であ
り、成形圧力および温度に耐えうるものであればよく、
通常ハンドレイ法,RTM法(Resin Transfer Molding法)
またはRIM法(Reaction Injection Molding法)などの
成形法に使用される型が使用可能である。型の材質とし
ては、金型,木型或いは樹脂型のいずれであっても差支
えない。
本発明の方法の利点は、前述したように、発泡性粒子の
発泡によってこれら粒子の集合体の体積膨張を行わせ、
その体積膨張の力を、分離層を用いることによって最大
限にかつ効果的に働かせることによって達成される。
そのため、分離層の使用は本発明の目的達成のために不
可欠である。
かくして本発明において分離層は、発泡性粒子を実質的
に通過しないが成形時における流動性のある熱硬化性樹
脂またはその前駆体を通過しうるものであることが必要
である。
さらに分離層として望まれる性能は、前記粒子の集合体
の体積膨張の結果、その圧力に耐えうるものであること
である。体積膨張の結果、分離層が破れたり、或いは穴
が開いて、発泡した粒子が分離層を通過すると、目的と
する良好な複合成形品を得ることが困難となる。
前記した性能を達成するため、分離層の目開き、強度或
いは孔の大きさは、使用される発泡性粒子の大きさおよ
び形状に基いて選択されるべきである。
これに反し、発泡性粒子が通過しうる分離層を使用する
と、表層部に起泡含有粒子が含まれることになり、この
結果、得られた複合成形品は満足すべき強度を有しなか
ったり、また外観が劣悪なものとなり商品価値が低くな
る。
分離層の材料としては、具体的には織物,編物,不織
布,ウェッブ,紙,金網または多孔質膜が挙げられる。
これらのうち、好ましいものは織物,編物,不織布また
はウェッブであり、これらの素材は合成繊維,天然繊維
または無機繊維のいずれであってもよい。
分離層は、その構造も発泡性粒子を実質的に通過させな
いものであることが望まれる。すなわち分離層の構造
は、成形に使用される型の構造や目的とする複合成形品
の構造或いは形状に依存して決められる。一般には袋構
造体或いは面状構造体であり、袋状構造体が特に好まし
い。上記袋構造体或いは面状構造体は、その全体が分離
層である必要はなく、実質的に樹脂を通過させて発泡性
粒子を通過させない限り、その一部が樹脂を通さない他
の材質、例えばフィルム,膜,微多孔膜などで構成され
ていてもよい。
本発明方法において分離層は、表層部を形成する繊維状
補強材と一体化された構造材料であることができる。こ
の一体化された構造材料を使用することは、本発明方法
の好ましい実施態様の1つである。典型的な一体化され
た構造材料は、前述した分離層としての機能を、少なく
ともその表面部に有する繊維状補強材である。
表層部を形成する繊維状補強材については、後に詳しく
説明するが、この補強材として例えば織物、編物、不織
布或いはウェッブなどを使用した場合、その内側表面部
分(発泡性粒子の集合体が接触する面)において、実質
的にこれら粒子を通過しないものであれば、その補強材
自体が分離層としての機能を有しており、分離層を兼ね
ることができる。このような繊維状補強材を使用する場
合、わざわざ別個に分離層を設ける必要はない。しかし
分離層と繊維状補強材とは別個に連携して使用すること
もできるし、また重ねて一体化して使用することもでき
る。
本発明の複合成形品の表層部を形成する繊維状補強材
は、一般にプラスチックの強化のために使用される繊維
状の材料が使用される。その繊維状補強材としては、ガ
ラス繊維,炭素繊維,シリコン・カーバイト繊維,金属
繊維,アラミド繊維,ポリアリレート繊維,ポリオレフ
ィン繊維およびこれらの2種以上の混合繊維が好まし
い。これら繊維の他に、ポリエステル繊維,ポリアミド
繊維,ビスコース繊維,天然繊維または石綿なども使用
することができる。これら繊維は短繊維であっても長繊
維であってもよく、またウイスカーであってもよいが、
長繊維特に連続繊維が好ましい。
これら繊維状補強材は一般には繊維構造体として使用さ
れるのが好ましい。すなわち、この補強材は織物(平織
り、スダレ織り,綾織りなど),編物,不織布,UD糸
(一方向配列フィラメント)またはウェッブであるのが
有利である。これらの形態は、平坦なものに限らず、三
次元織物,三次元編物でもよく、またブレードチューブ
のようなものでもよい。
短繊維或いはウイスカー(例えばシリコンカーバイトウ
イスカー,炭素ウイスカー,酸化ケイ素ウイスカーな
ど)は、それ自体としては表層部における補強材として
使用することは適当ではないが、ウェッブや不織布の一
部の材料として使用することができる。
本発明の目的とする複合成形物において、芯部に含まれ
る発泡粒子(気泡含有粒子)は、複合成形物の成形時に
おいて発泡性粒子を樹脂中に存在させて加熱することに
より粒子中に含まれる物質を発泡または膨張させること
により形成される。
前記発泡性粒子としては、成形時の加熱により体積膨張
することができ、かつ発泡後実質的に気泡が粒子中に内
包されているものが使用される。この発泡性粒子として
は加熱により体積が少なくとも約10%、好ましくは少な
くとも約20%増大するものが使用される。現在入手しう
る発泡性粒子は、通常約20%〜70倍程度体積膨張するも
のである。ここで体積膨張の倍率は、発泡性粒子を成形
温度において常圧で発泡させた時の体積膨張倍率を示す
ものであって、必ずしも成形によって得られた複合成形
品中の発泡倍率を意味するものではない。
使用される発泡性粒子の大きさは、その平均径が約1μ
m〜約5mm、好ましくは約10μm〜約1mmの範囲が好適で
ある。前記発泡性粒子を形成する重合体は、成形時の加
熱により発泡して体積膨張し、気泡が実質的に内包され
ているものであり、しかも成形時の加熱温度により流動
しないものである。一般的に好適な発泡性粒子は、ポリ
塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレンまたはポリスチ
レン共重合体,ポリオレフィン,ポリフェニレンオキサ
イド共重合体またはポリフェニレンオキサイドとポリス
チレンとの混合体等により形成され、その中に発泡性ガ
スを内包しているものである。殊に加熱により基体とし
て体積膨張する低沸点炭化水素を内包しているポリ塩化
ビニリデン系ポリマーの粒子(これは大気中では数倍〜
数十倍程度に膨張する)を使用するのが望ましい。この
ような粒子は、ノーベル社の「エクスパンセル」,松本
油脂製薬社の「マツモトマイクロスフェア」または積水
化成品社の「エスレンビーズ」という商品名で市販され
ており、これらをそのまま使用することができる。
しかしながら、ポリオレフィン,ポリスチレン等の発泡
ビーズの製造において、発泡を途中で止め、加熱により
さらに発泡し得るようにしたビーズ類(これらは後の加
熱により10%〜数十%膨張する)も使用可能である。
前記発泡性粒子の集合体は、これに加熱等によって実質
的に体積膨張しない非膨張性発泡粒子を混合して使用す
ることができる。この非膨張性発泡粒子もまた分離層を
実質的に通過しないものである必要がある。この非膨張
性発泡粒子を前記粒子の集合体に混合して使用すると、
成形操作が容易となり、また得られた複合成形品は一層
強靱性および剛性が優れたものとなる。
前記非膨張性発泡粒子としては、無機発泡粒子或いは有
機発泡粒子のいずれであってもよいが、一般には無機発
泡粒子が好適である。非膨張性無機発泡粒子としては、
例えばガラスバルーン,シリカバルーンおよびシラスバ
ルーンが挙げられ、これらは平均粒径が約1μm〜約1m
m、好ましくは約5μm〜約0.5mmのものが望ましい。上
述の発泡性粒子と、この非膨張性発泡粒子との混合割合
は、重量で10:1〜1:5、好ましくは9:1〜1:3の範囲が望
ましい。
本発明の複合成形品の製造において、表層部および芯部
に使用される熱硬化性樹脂は、通常、その前駆体または
プレポリマーとして使用されることが多い。これらはい
ずれも、成形時に流動性を示すものである限り、一般に
成形用樹脂として使用されるものであればよい。熱硬化
性樹脂またはその前駆体としては、成形の結果重合反応
および/または架橋反応によって硬化し固体の樹脂を与
えるものであり、一般には常温で液状のものが有利であ
る。前駆体とは、モノマーおよびプレポリマーを意味す
るものとする。熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ
樹脂,ポリウレタン樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,ポ
リビニルエステル樹脂,ポリイミド樹脂,ポリアミド樹
脂であり、これらの中でエポキシ樹脂,ポリウレタン樹
脂,不飽和ポリエステル樹脂またはポリビニルエステル
樹脂が好ましい。また場合によっては硬化型のポリシク
ロオレフィン樹脂(例えば、ジシクロペンタジエン樹
脂)も使用しうる。
熱硬化性樹脂は、通常使用されるように、樹脂またはそ
の前駆体(例えば原料モノマー)中に硬化剤および/ま
たは促進剤等を組合せて用いられるが、本発明も同様
に、これらを組合せて使用することができ、またその方
が有利である。
これらの熱硬化性樹脂またはその前駆体は、室温におい
て固体で加熱によって流動性を示すようなものも使用で
き、場合によってはその方が好ましいこともある。
本発明方法により成形を実施するに当っては、先ず過剰
の樹脂等を型外へ排出するためのベント口を有し、かつ
成形時には実質上型内が密閉し得る型を用意し、該型の
内面に沿って繊維状補強材を配置し、さらにその内側に
分離層を設置する。分離層と繊維状補強材が一体化され
ている場合、典型的には分離層の機能を有する繊維状補
強材を使用する場合には、その一体化物を型の内面に分
離層としての機能を有する面が内側(中心側)に位置す
るようにほぼ全面に配置するのが好ましい。
分離層および繊維状補強材をどのように配置するかは、
目的とする複合成形品の形状,大きさ,物性および用途
などに依存して決められる。
前述したように本発明方法は、成形過程において、発泡
性粒子の集合体の体積膨張を効果的に利用するので、前
記粒子の集合体の体積膨張が分離層を型の内面に向って
全体に押し付けられるように分離層および繊維状補強材
を配置すべきである。
また当然のことながら、複合成形品の表層部中に気泡含
有粒子が入らないように、分離層を型の形状に応じて配
置すべきである。分離層が発泡性粒子を実質的に通過し
ない性能を有していたとしても、型内において、分離層
の配置が不完全であるために、成形時にその周辺の一部
からこれら粒子が流れて表層部へ移動することは望まし
くなく避けるべきである。
例えば、棒状または円柱状の成形品を製造しようとする
場合、この成形品の形状に合致して分離層および繊維状
補強材を袋構造体(中空筒形)状に型内面に配置すれば
よい。添付した第2図および第3図に、このタイプの配
置図が概略的に説明されている。また平板の成形品を製
造しようとする場合には、型の内面に分離層および繊維
状補強材を全体に貼りつけるように配置すればよい。そ
の場合分離層は袋構造体とすることができる。この平板
を製造する場合の分離層および繊維状補強材の型内の配
置の例は、第1図に示されている。
また、平板や表裏のある面状の成形品の場合、分離層は
型の内面の一方の側だけに設置することもできる。この
場合他の側は、分離層を設けない例、分離層の代わりに
液状成形樹脂をも通さないフイルムなどの材料を設置す
る例などがありうるが、目的に応じて選択すればよい。
例えば自動二輪車のカウリングの場合、表面側に印刷し
たフイルムを設置し、裏面側にガラス繊維の織物の分離
層を用いることで、成形後表面側を塗装し、デカールを
貼る作業を簡略化できる。高剛性を要する構造材として
平板を成形する場合は、両面に分離層を設け、さらにそ
れぞれの分離層と型の内面の間に繊維状補強材を配置す
ればよい。
前記したように、型内に分離層および繊維状補強材を配
置した後、発泡性粒子は分離層の型内面と反対の位置
に、すなわち、発泡性粒子が分離層によって囲まれ得る
ように用意される。分離層が袋構造体の場合はその内部
に用意される。殊に分離層が袋構造体の場合、予め型外
においてその内側に発泡性粒子および必要に応じ加えら
れるX膨張性発泡性粒子を入れておくこともできる。
発泡性粒子の集合体は、前記したように小さい粒子の集
合体であるので、それ自体流動体を有しており、型を閉
じた後で型内に流通管を通して供給することも可能であ
る。しかし、細い流通管を通して型内に前記粒子の集合
体を安定した操作で供給することは、注意が必要であ
る。従って、通常は発泡性粒子(および非膨張性発泡粒
子)は、型を閉じる前に型内に入れておく方が望まし
い。
本発明の目的とする複合成形品において熱硬化性樹脂ま
たはその前駆体(以下これを総称して“樹脂成分”とい
うことがある)を型内に配置もしくは供給する方法は、
いくつかの方法がある。
大別すると下記(イ)〜(ハ)の方法がある。
(イ) 樹脂成分(室温で液状または固体状の)を分離
層および繊維状補強材中に混合もしくは含浸しておく方
法 (ロ) 樹脂成分(室温で液状または固体状の)を発泡
性粒子の集合体と混合または含浸させておく方法 (ハ) 樹脂成分(液状の)を、型を閉じて後、型内に
注入する方法 これら(イ)〜(ハ)の方法は、それぞれ単独もしくは
2つ以上の任意の組合せであることができる。
上記(イ)〜(ハ)のいずれを採用するかは、熱硬化性
樹脂の種類とりわけ使用時に液状か固体状のいずれであ
るかによって、主として左右される。
熱硬化性樹脂またはその前駆体が常温で液体である場合
には、前記(ロ)または(ハ)またはこれらと(イ)と
の組合せが実用的である。この場合、熱硬化性樹脂また
はその前駆体は、発泡性粒子の熱膨張(発泡)に従っ
て、その一部が芯部から分離層を通過し、繊維状補強材
中へ含浸し、型全体に樹脂成分が行きわたることにな
る。
一方、熱硬化性樹脂またはその前駆体が常温で固体であ
って、成形時の温度では流動化しうるものである場合に
は、前記(ロ)または(イ)(ロ)の組合せが採用され
る。その1つの方法は具体的には、熱硬化性樹脂または
その前駆体の固体粉末を、予め発泡性粒子と混合して得
られた固相の混合体を型内の所定の位置に配置して成形
する方法である。この方法では型の加熱によって樹脂成
分が流動化し前記粒子の集合体の体積膨張に従って芯部
の形成と共にその一部が分離膜を通して繊維補強材中へ
流れ、表層部が形成される。
この方法の別の改良法は、型外において予め発泡性粒子
を分散して含みかつ前記樹脂成分をマトリックスとする
固形の中間一体化物(中間素材)を作っておき、これを
発泡性粒子および前記樹脂の混合体として利用する方法
である。この一体化された固形の(例えばシート状の)
混合体を型内の所定の位置に配置して型を閉じて加熱す
ると固形の混合体中のマトリックス樹脂成分が流動化し
発泡性粒子の発泡と共に芯部が形成され、樹脂成分の一
部が分離膜を通過して繊維補強材中へ流れ表層部が形成
される。
上記のいずれの方法においても、発泡性粒子或いは発泡
性粒子と樹脂成分との混合物は袋状物の中に収容して型
に入れ成形に供するのが、作業性の面で好ましい。
すでに述べた如く分離層を袋構造体として、その中へ発
泡性粒子またはそれを含む混合物を入れるのが好適であ
るが、樹脂成分の粘度が低い場合は樹脂成分が分離層を
通じて袋外へ浸出することがあるので、そのような場合
は、別に、成形時に発泡による内圧によって破断し得る
フイルムで袋状物をつくり、該フイルム製の袋状物の中
に混合物をいれて用いることが好ましい。
型内に存在せしめられる分離層,繊維状補強材,樹脂成
分,発泡性粒子およびその他成分の量および割合は、目
的とする複合成形品の性状,用途などによって、種々変
えることができる。しかし必要なことは、型内におい
て、前記した各成分の量が成形時において発泡性粒子の
集合体が体積膨張した後に、空隙部が存在しないような
量であることである。
殊に本発明の複合成形品が下記(a)〜(e)の組成と
なるように分離層,繊維状補強材,樹脂成分,発泡性粒
子を選択して使用するのが望ましい。
(a) 複合成形品における芯部が存在する実質的部分
において、芯部が約30〜約95容量%、好ましくは約40〜
約90容量%を占めること、 (b) 芯部における比重が約0.05〜0.8g/ml、好まし
くは約0.1〜0.6g/mlであること、 (c) 芯部における樹脂成分の割合が約15〜70容量
%、好ましくは約20〜50容量%であること、 (d) 表層部において繊維状補強材および分離層は約
30〜80容量%、好ましくは約30〜60容量%を占めるこ
と、 (e) 表層部においては発泡粒子または軽量弾性体粒
子は実質的に存在しないこと。
なお、本発明方法では、芯部に補強用の短繊維またはウ
イスカーその他の添加材を含有せしめることができ、そ
の場合は、発泡性粒子集合体中に混合しておくことが好
ましい。
本発明方法は、前述したように型内に各成分を仕込み、
型を外部から加熱するか、またはその硬化発熱が起る場
合にはその発熱によってもしくはそれらは両方によって
型内の温度を昇温させて、先ず発泡性粒子を発泡(熱膨
張)させて、これら粒子の集合体の体積膨張を起こさせ
る。これら粒子が分散して含有する合成樹脂マトリック
スの中間一体化物を使用する場合には、先ず加熱等によ
りこのマトリックス成分を流動化させて、これら粒子の
集合体の体積膨張を起こさせる。
この際、これら粒子の集合体の体積膨張が起っている
間、少なくとも樹脂成分は流動製を保持していることが
必要である。かくして前記粒子の集合体の体積膨張によ
り分離層が型の内面方向へ押し付けられると共に、樹脂
成分が分離層を介して、内側(芯部)から外方(成形品
の表層部側)へ流動する。
かくして緻密な表層部が形成され、また発泡粒子と硬化
した樹脂よりなる芯部が形成され、さらに表層部と芯部
が分離層を介して同じ樹脂によって連通して強固に一体
化された複合成形品が得られる。
一方成形に当って、樹脂成分の過剰分を型の貯り部分に
集めるかまたはベントから抜いた後、合成樹脂を硬化さ
せる。次いで型を開いて形成された複合成形品は常法に
従って型から取り出され、必要に応じて仕上されて製品
とすることができる。さらに得られた複合成形品位はオ
ーブン中でポストキュアーすることも可能である。
また、成形時に型の最内面にフイルムまたは薄いシート
を配することにより、複合成形品の表層部の外側にフイ
ルムまたはシートを貼付けた構造の製品とすることもで
きる。このようにすれば型の内面が磨かれていない型を
用いても、美麗な表面の成形品が得られ、フイルム,シ
ートに着色,模様等を施すことにより、意匠製の優れた
成形品とすることもできる。
かくして、本発明によれば軽量で強靱性を有する複合成
形品が実質上一工程で得られる。
〈発明の効果〉 以上の如き本発明によれば、予め発泡コアを形成する必
要がなく、一工程で軽量かつ強靱な一体成形されたサン
ドイッチフォームコア複合成形品を生産性よく低コスト
で製造することができる。さらに、従来法では製造が非
常に困難であった薄物の複合成形品や曲面を有する複合
成形品が容易に製造できるという利点もある。
得られた複合成形品は、例えばカヌーパドル,マスト,
方向舵,ウィンドサーフィン安定用フィン(スケグ),
人力水中翼艇,スキー(板,ポール),ホッケースティ
ック,野球用バット,スポークのない車輪,自転車のフ
レーム,スケートボード等のスポーツ用品分野、自動車
(乗用車,バス,トラック)等のスポイラー,ドライブ
シャフト,内外装品,電車のドアや構造部材等の車輌分
野、熱交換器の鏡板,エアコン・コンプレッサーブレー
ド,攪拌翼,電気絶縁材サポートビーム,フィッティン
グ類等の産業分野、車椅子(ハイドリム,側パネル),X
線投影用テーブル,義手・義足等の医療器具分野、およ
び、プロペラ,座席,家具,コントロールサーフェス,
二次構造材,衛星放送用アンテナのリフレクター等の広
い用途に有効に使用できる。
〈実施例〉 次に本発明方法を実施例によりさらに詳細に説明する。
なお、例中に単に「部」とあるは、特にことわりのない
限り重量部をあらわす。
実施例1 本例は平板状の複合サンドイッチフォームコア成形品を
本発明方法により製造する例である。
タテ160mm,ヨコ60mm,厚み3mmの平板用の透明のアクリル
樹脂製の「型」(上部にベント、下部に液注入口を有す
る)を用意した。次に、タテ160mm,ヨコ60mmに切断した
目開きの小さいガラス繊維織物(日東紡WE-180-100BV)
2枚2組を用意して型の両内面にそれぞれ配置し、型の
両面を合わせて締め付けた後、型の下部注入口からシリ
ンジを用いて、熱をかけると発泡してマイクロカプセル
化する低沸点炭化水素を内包した平均粒径10〜20μm,発
泡後の比重0.02の塩化ビニリデン共重合物の発泡性微粒
子(松本油脂製薬(株)製の「マツモトマイクロスフェ
アーF−30D」)とエポキシ樹脂(油化シエルエポキシ
社製の「エピコート828」/「エポメート」YLHOO6の重
量比100/31混合物)を重量比20/80で混合したスラリー
を、ガラス繊維織物の2組の間に型の下部より50mmの高
さまで加圧注入した。この際、型の上部ベントは開放と
した。
90℃の湯浴中にこの型全体を浸漬したところ、約13分経
過して、スラリーの体積膨張が始まり20分経過後にベン
トより少量の吹き出しがあり、膨張が終了した。
50分後に、型を湯浴より取出し、水冷後、硬化した成形
品を離型した。
成形品は両外側面に薄いエポキシ樹脂の表皮が形成さ
れ、ガラス繊維織物は表皮のすぐ下に表皮に沿って内層
の発泡コアに押し付けられた形で存在し、第1図のよう
な断面構造を有する複合サンドイッチコアの成形品が得
られていることを確認した。この成形品の比重は0.80,
曲げ強度11.7kg/mm2,弾性率1335kg/mm2であった。
なお、第1図において、aは混合スラリーが固化した発
泡コア層、bは各2枚のガラス繊維織物からなる分離層
兼繊維補強層、cは表面を構成する硬化樹脂層である。
別に「マツモトマイクロスフェアーF−30D」を単独で
発泡させたものを水で懸濁させ、該ガラス繊維織物を通
し過したところ、粒子の微少量の通過がみられたが、
殆んどは材上に残った。
実施例2 本例は発泡性粒子と無機中空粒子とを併用して平板状の
複合サンドイッチフォームコア成形品を製造する例であ
る。
実施例1と同じ型を用いて、タテ160mm,ヨコ60mmに切断
したガラス繊維織物(日東紡WE-181-100BV)2枚2組を
用意してそれぞれの組みにあらかじめエポキシ樹脂
(「エピコート828」/「エポメートYLH006」の重量比1
00/31混合物)中に浸して充分樹脂を浸透させ、型の両
面にそれぞれ貼りつけた。次いで、型の凹面側に実施例
1で用いた発泡性微粒子「(マツモトマイクロスフェア
ーF−30D」)と無機質中空球体(旭硝子社製「シリカ
バルーン」Q−CEL)および上述の組成のエポキシ樹脂
を重量比14:17:69で混合したペースト状のものをスプー
ンですくって載せた。型の両面を合わせて締め付けて垂
直に立てた。ペースト状のものは流動して降下し、型の
下部より65mmまで充たされた状態となった。
型の上部ベントは開放して90℃の湯浴中に型全体を浸漬
したところ、約18分経過して型内でペースト状物の体積
膨張が始まり25分目にベントより少量の液状樹脂の吹き
出しがあり膨張が完了した。50分後に、型を取出し水冷
後、成形品を離型し、目的の成形品を得た。このものは
比重0.72,曲げ強度10.1kg/mm2,弾性率887kg/mm2であっ
た。
実施例3 本例は炭素繊維のブレードで外周を補強した発泡コアを
芯材とした丸棒を本発明方法により製造する例を示す。
第2図および第3図は、この実施態様を説明する図であ
り、第2図は丸棒用金属型1を開いた状態を示す横断面
図である。ここに、内張りに目開き10μmのポリエステ
ル不織布2を配した炭素繊維の外径20mmのブレード3を
設置して、金型1を閉じた。次いで、第2図の縦断面図
のように垂直状態の金型の下部より、ポンプにて、80℃
以上の熱をかけると発泡してマイクロカプセル化しうる
低沸点炭化水素を内包した実施例1と同様の塩化ビニリ
デン共重合物の発泡性微粒子4と70〜80℃で硬化の始ま
るエポキシ樹脂5のペースト状混合物を、プレートの内
側に全長(高さ)の約1/3強になるまで押込んだ。しか
る後、型を昇温して80℃にすると、しばらくして型の上
部のベント6より気泡を伴ったガスが出始め、やがてエ
ポキシ樹脂が液状で吹き出してきた。
2時間経過後、型を冷却して複合成形品とした。かくし
て得られた成形品を金型を開いて取出した。
実施例4 本例は発泡性樹脂粒子と無機中空体粒子とを併用して丸
棒を製造する例である。
第4図に実施例2,3と同じ丸棒用の金型を用いた他の実
施例を説明する図を示す。本例では、実施例3の発泡性
樹脂粒子とエポキシ樹脂のペースト状混合物の代りに、
予め粒径30μm,比重0.1の「シラスバルーン」と80℃以
上の熱をかけると発泡してマイクロカプセル化する低沸
点炭化水素を内包した塩化ビニリデン共重合物の粒子
(粒径20μm,発泡後の比重0.02)とを重量比10:1の割合
で均一になるように充分混合した後、該混合物を型の上
部11を開いて一杯になるだけ投入した。
投入後開口部を閉じ、発泡した粒子が型外へ飛び出すの
を防止する不織布12を内部につけたベント13を設けた。
しかる後、下部の樹脂注入口14からエポキシ樹脂を注入
した。
型を昇温して80℃にすると、しばらくして型の上部のベ
ント13より気泡を伴ったガスが出始め、やがて不織布12
を通過したエポキシ樹脂が液状で吹き出してきた。2時
間経過後、型を冷却して発泡コアを有する丸棒状の複合
成形品を型より取出した。
実施例5 本例は発泡性樹脂微粒子としてポリイミド前駆体の粒子
を用いて平板状の複合サンドイッチフォームコア成形品
を本発明の方法により製造する例である。
タテ150mm,ヨコ110mm,厚み10mmの平板用のステンレス製
の金型(上部にベント口、下部に樹脂液注入口を有す
る)を用意した。次にタテ150mm,ヨコ110mmに切断した
目開きの小さいガラス繊維織物(日東紡WE-181-100BV)
を2枚用意し、型の両内面に置いた。
発泡性樹脂粒子として、ベンゾフェノンテトラカルボン
酸無水物のメタノールおよびイソプロパノール開環物と
4,4′−ジアミノジフェニルメタンおよびヘキサメチレ
ンジアミンとの混合ジアミンとをイソプロパノール中で
混合し界面活性剤を加え、過剰のアルコールを減圧で除
き、固形化し微粉砕したポリイミド前駆体粒子を用意し
た。
このポリイミド前駆体粒子とエポキシ樹脂(「エピコー
ト」/「リカシッドMT-500」(新日本理化製,触媒トリ
エタノールアミン1重量%)の重量比40/60の混合物140
gを前記金型内のガラス繊維織物2枚組の間に入れた。
ベントを除いて金型を閉め、160℃のオイルバス中にこ
の金型全体を浸漬したところ、ポリイミド前駆体粉体の
膨張が生じ、約10分後にベントより液の流出が生じるの
で、約5g出たところでベントを閉じ、同じ温度で10時間
静置した。
冷却後、型を用いて硬化した発泡コア成形品を離型した
ところ、成形品は金型通りの形状を呈し、外表面にはガ
ラス繊維上にエポキシ樹脂が外皮を形成していた。
なお、発泡後の該ポリイミド前駆体粉体と「エピコー
ト」をまぜた混合液をつくり、本実施例で用いたガラス
繊維織物を布として過したが、液はほとんど「エ
ピコート」の液であった。
実施例6 本例は発泡性樹脂微粒子としてABS粒子の粉末を使用
し、平板状のサンドイッチフォームコア複合成形品を製
造する例である。
目開き10μmのポリエステル不織布および炭素繊維織物
をタテ150mm,ヨコ110mmに切断したものを2組用意し
た。そして該不織布および織物をエポキシ樹脂液(「エ
ピコート」/リカシッドMT-500」,触媒トリエタノール
アミン2重量%)に浸漬し、液切りした。
該不織布および織物を実施例4で用いた金型内に炭素繊
維織物/不織布/不織布/炭素繊維織物の順に配置し
た。発泡性樹脂としてABS樹脂(発泡剤p,p′−オキシビ
ス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)含有)を用い、該
ABS樹脂の粒子と前記エポキシ樹脂および無機質中空球
体(旭硝子製(シリカバルーン」Q−CEC)を重量比20:
20:60の割合で混合したペースト状物140gを型内の不織
布と不織布の間に挿入した。
150℃のオイルバス中に金型全体を浸漬すると約8分後
にベントより液が出てくるのでベントを閉めそのまま8
時間加熱した。
冷却後、金型より取出すと、両外表面は炭素繊維織物と
ポリエステル不織布がエポキシ樹脂で一体化した成形品
が得られた。この成形品の内部のコア断面は褐色均質の
発泡樹脂状であった。
実施例7 本例は、発泡性粒子としてポリプロピレン発泡粒子を用
いて平板状の複合サンドイッチフォームコア成形品を製
造する例である。
(ポリプロピレン発泡粒子の製造) ポリプロピレンとフレオン等の発泡剤を加圧下で混合
し、常圧下に放出し、得られた予備発泡粒子を常圧で熟
成し、ついで圧力容器中に入れ、160℃の外温で6kg/cm2
・Gの圧力で1時間圧縮した。室温に戻ってから常圧に
戻し、ポリプロピレンの発泡粒子を得た。この発泡粒子
の粒径は1〜2mmであり、これを100℃に加熱すると直ち
に20%体積膨張する。これを常温に戻しても体積の収縮
はみられない。
(複合成形品の製造) タテ150mm,ヨコ110mm,厚み10mmの平板用のステンレス製
の金型(上部にベント、下部に樹脂液注入口を有する)
を用意し、次にタテ150mm,ヨコ110mmに切断した目開き
の小さいガラス繊維織物を2枚用意し、型の両内面に置
いた。このガラス繊維織物の間に、前記のポリプロピレ
ン発泡粒子100ccおよびガラスバルーン(旭硝子製,M−c
el,径60〜80μm)100ccおよびビニルエステル樹脂(大
日本インキ製,UE-5101L,触媒パーカドックス16(化薬ヌ
ーリー製)1PHR添加)20gをよく混合したものを入れ
た。
ベントを除いて型を閉め、ついで下部液注入口より前記
ビニルエステル樹脂液を上記のベントよりオーバーフロ
ーするまで注入した。ついで100℃のオイルバス中にこ
の金型全体を浸漬したところ約5分後にベントより樹脂
液の流出が見られた。同じ温度で30分おき、冷却後固化
した成形品を離型した。
成形品は金型通りの形状を呈し、中心部は発泡コア層で
あり、表面はガラス繊維上にビニルエステル樹脂が外皮
を形成しているサンドイッチコア複合成形品であった。
この成形品の密度は0.33g/cm2と軽量でかつ折り曲げに
も強いものであった。
実施例8 本例はポリエチレン発泡粒子を用いて平板状の複合サン
ドイッチフォームコア成形品を製造する例である。
(ポリエチレン発泡粒子の製造) ポリエチレンと架橋剤とフレオン等の発泡剤を加圧下混
合し、常圧下に放出し得られた予備発泡粒子を常圧で熟
成し、ついで再度圧力容器中に入れ、120℃の外温で7kg
/cm2・Gの圧力で1時間圧縮した。室温に戻ってから常
圧に戻しポリエチレンの発泡粒子を得た。この発泡粒子
の粒径は3〜4mmであり、これを100℃に加熱すると直ち
に20%体積膨張する。これを常温に戻しても体積の収縮
はみられない。
(複合成形品の製造) タテ150mm,ヨコ110mm,厚み10mmの平板用のステンレス製
の金型(上部にベント、下部に液注入口を有する)を用
意し、次にタテ150mm,ヨコ110mmに切断したガラス繊維
織物を2枚用意し、型の両内面に置いた。これとは別
に、前記のポリエチレン発泡製粒子100ccとガラスバル
ーン(旭硝子製,M−cel,径60〜80μm)100ccを不飽和
ポリエステル樹脂(日本ユピカ製「ユピカ4007」,触媒
パーカドックス16 1PHR添加)20gとよく混合したものを
ポリエチレンテレフタレート繊維を主成分とする不織布
(目開き10μm以下)製の袋(サイズ:タテ150mm,ヨコ
110mm)に入れ、該金型内のガラス繊維の間においた。
ベントを除いて金型を閉め、次いで下部液注入口より前
記の不飽和ポリエステル樹脂液を上部のベントよりオー
バーフローするまで注入した。ついで100℃のオイルバ
ス中にこの金型全体を浸漬したところ約5分後にベント
より樹脂液の流出が認められた。同じ温度で30分おき、
冷却後硬化した成形品を離型した。
この成形品は金型通りの形状を呈し、表面はガラス繊維
上に不飽和ポリエステル樹脂が外皮を形成するサンドイ
ッチコア成形品であった。この成形品の密度は0.38g/cm
2と軽量でかつ折り曲げにも強いものであった。
実施例9 本例は、本発明方法において、複合成形物の表層部(繊
維補強樹脂層)の外側をポリエステルフイルムで形成し
た複合成形品を製造する例である。
タテ150mm,ヨコ110mm,厚み10mmの平板用のステンレス製
の金型(上部にベント口、下部に液注入口を有する)を
用意した。次に、型の内面に沿うようにタテ150mm,ヨコ
110mmに切断した目開きの小さいガラス繊維織物(日東
紡WE-181-100BV)2枚2組、および同じサイズの片面を
コロナ放電処理したポリエチレンテレフタレートフイル
ム(コロナ放電処理面は内面側にする)、その内側(芯
部寄り)にガラス繊維織物を設置した。また、金型の上
部ベント口には上記のガラス繊維織物の2枚重ねにした
ものを設置した。金型の両面を合わせて締め付けた後、
型の下部注入口よりシリンジを用いて、熱発泡性マイク
ロカプセル「マツモトマイクロスフェアーF−30−
D」)とエポキシ樹脂(「エピコート」/「エポメー
ト」100/31混合物)とを重量比20/80で混合したスラリ
ーをポリエチレンテレフタレートフイルムおよびガラス
繊維織物からなる層2組の間の空間部に金型の下部より
加圧注入した。注入量は約100gとなし、この際、金型の
上部ベントは開放とした。
次いで、95℃のオイルバス中にこの型全体を浸漬したと
ころ、約10分経過して体積膨張が始まりベント口よりエ
ポキシ樹脂を主とする液が流出した。流出量は約20gで
あった。流出後ベント口を閉じた。
1時間後に金型をオイルバスより取出し、水冷後、型を
開放して硬化した成形品を離型した。
成形品は、中心部が発泡コアからなり、外面はポリエチ
レンテレフタレートフイルムの表皮、そのすぐ内側にガ
ラス繊維強化樹脂層が表皮に沿って形成されているサン
ドイッチコア状の複合成形品であった。
全体の成形品は、金型のサイズ(内寸)と同一であり、
型のステンレス内面を特に研摩してなくても、成形品表
面にフイルムが存在しスムースな表面を有するものが得
られた。
実施例10 本例は、成形物の外面をポリイミドフイルムとなした実
施例9と類似の複合成形品を製造する例である。
実施例9と同じ2つに分割する金型を用い、タテ150mm,
ヨコ110mmに切断したガラス繊維織物(日東紡WE-181-10
0BV)およびポリイミドフイルム(25μm,片面コロナ放
電処理済)を2枚づつ用意した。
金型の片方に、まずポリイミドフイルム(放電処理した
面を内側にする)その上にガラス繊維織物および目開き
の小さいポリエステル不織布をおき、次いでエポキシ樹
脂(「エピコート」/「リカシッドMT-500」(新日本理
化製)100/70混合物,触媒トリエタノールアミン2wt%
含有)とアクリルニトリル系重合体の発泡性マイクロカ
プセル(「マツモトマイクロスフェアーF−80SD」)の
混合物(重量比70/30)90gをおく操作を行った。次い
で、同様にしてポリイミドフイルム,ガラス繊維織物お
よび不織布を積層した金型の他方を合わせて締め付け
た。
下部注入口はあらかじめ閉じておき、上部ベントにはガ
ラス繊維織物を2枚重ねたものを設置した。160℃のオ
イルバス中にこの金型全体を浸漬したところ、約8分後
にベントより液の流出が起り、約20g流出したのち、ベ
ントを閉じ、160℃で10時間おいた。冷却後、硬化した
成形品を離型した。
成形品は金型通りの形状をし、中心部は発泡コアからな
り、外皮は赤褐色のポリアミドフイルム、それに押し付
けられた形でガラス繊維織物強化樹脂層が強固に貼りつ
いている一体化した複合成形品であった。
この成形品を切断し、その内部を調べたところ内部は褐
色でヒケの発生もなく均質であった。
実施例11 本例は熱硬化性樹脂として不飽和ポリエステル樹脂を使
用する例である。
実施例9で用いた金型を準備した。
実施例9と同様の目開きの小さいガラス繊維織物とポリ
エチレンテレフタレートフイルム(片面コロナ放電処理
済)を2枚づつ用意し、型内に実施例9と同様に設置し
た。
また、金型の上部ベントには上記のガラス繊維織物を2
枚重ねておいた。
金型内のガラス繊維織物の内部に不飽和ポリエステル樹
脂溶液(スチレン50wt%稀釈,開始剤ジクミルパーオキ
サイド1wt%含有)と熱発泡性マイクロカプセル(「マ
ツモトマイクロスフェアーF−30D」)を重量比65/35で
混合したもの140g入れた。そして、金型の上部に設けた
ベントだけをあけ、残りを閉じて金型全体を110℃のオ
イルバス中に浸漬した。約5分後にベントより液が出始
め約20g出たとき、ベントを閉め、そのまま2時間加熱
を行った。
加熱後、金型より成形品を離型した。
全体の成形品は金型のサイズと同一であり、表面がフイ
ルムでスムースな複合成形品が得られた。
また、成形品の断面は均質でありガラス繊維強化樹脂層
はフイルムに押し付けられ、外表面上に存在する。
実施例12 本例は分離層としてウレタンフォームのシートを用い
て、平板状の複合サンドイッチフォームコア成形品を本
発明方法により製造する例である。
タテ160mm,ヨコ60mm,厚み10mmの平板成形用のステンレ
ス製の金型(上部にベントを有する)を用意した。次
に、強化材として一方向配列ガラス繊維をタテ160mm,ヨ
コ60mmとタテ0mm,ヨコ160mmに2枚づつ切断して、内1
枚づつをガラス繊維の配列が直交するように重ねたもの
を2組タテ420mm,ヨコ10mmの帯状に切ったガラス繊維で
できた厚み3mmのフェルトを用意した。別途分離層とし
て連通気孔を有する伸縮性のあるシート状のウレタンフ
ォームをタテ150mm,ヨコ55mm,厚み7mmの袋状にしたもの
の中にポリスチレンの発泡性粒子(積水化成品社製「エ
スレンビーズ」HEタイプ)とエポキシ樹脂(油化シェル
エポキシ社製「エピコート828」/「エポメートYL006」
100/31混合物)を重量比50/50で混合したもの20gを入れ
袋の上部を粘着テープで封止したものを用意した。
金型のキャビティ側の内面に強化材1組を設置し周囲は
フェルトで囲った上で上述の組成のエポキシ樹脂をハケ
を用いて設置した強化材に塗布した。この上に上述の袋
を置き、その上にエポキシ樹脂をハケで塗布した後、さ
らに重ねて強化材1組を載せてから金型を閉じた。
金型を立て、ベントは大気中に解放した状態で110℃の
オイル浴にこの型全体を浸漬したところ約5分経過して
ベントから少量の液の吹き出しが始まった。100分後
に、金型を取出し水冷後、型を開き成形品を離型した。
成形品は両面に薄いエポキシ樹脂の表皮が形成され、ガ
ラス繊維の強化材とシート状のウレタンフォームは表皮
のすぐ下に表皮に沿って内層の多孔性フォームコアに押
し付けられた形で存在し第1図に類似の断面構造を有す
る複合サンドイッチコアの成形品が得られていることを
確認した。
実施例13 本例はL字型の複合サンドイッチフォームコア成形品を
本発明方法により製造する例である。
タテ200mm,ヨコ60mm,厚み10mmの平板をタテ150mmの位置
でL字型に折り曲げた型の成形品が得られるように設計
されたステンレス製の金型(上部にベントを有する)を
用意した。
次に、強化材としてガラス繊維織物をタテ450mm,ヨコ60
mmに切断したものを用意した。別途分離層として伸縮性
のあるスパンデックス繊維の織物(目開き5μm)をL
字型の角の曲げ部に当る部分はアイロンで押えて目開き
部分をなくした上で四周およびその近傍部分をアイロン
で融着させてタテ170mm,ヨコ50mm,厚み8mmの袋状にし
た。この中に熱をかけると膨張する平均粒径10〜20μm
のポリアクリルニトリル系重合体の中空粒子(松本油脂
製薬社製「マツモトマイクロスフェアーF80D」)とガラ
ス・ミルドファイバー(日東紡社製平均繊維長100〜300
μm)およびエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製
「エピコート」/「エポメート」100/31混合物)を重量
比40:45:15で混合したもの70gを入れ袋の上部を粘着テ
ープで封止したものを用意した。
金型のキャビティ側の内面に上記強化材を成形品が出来
上がった時点で全体を覆った表面を形成するような位置
に設置した。この上に上述の袋を置き、さらに重ねて強
化材で袋を包み込んでから型を閉じた。
金型を立て、ベントは大気中に解放した状態で160℃の
オイル浴にこの型全体を浸漬したところ約5分経過して
ベントから少量の液の吹き出しが始まった。60分後に、
金型を取り出し水冷後、型を開き成形品を離型し、目的
の成形品を得た。分離層の一部が液状樹脂を通さないに
もかかわらず成形品の全面にわたって液状樹脂からなる
表層部が形成されていた。
実施例14 本例は、本発明方法を実施するに当り、一旦中間素材を
製造し、これを使用して成形する方法である。
発泡性粒子として熱膨脹性発泡ビーズ、「マツモト マ
イクロスフェアーF−80SD」を入手した。この発泡ビー
ズは140℃以上で膨張を初め、約70倍まで膨張する性質
を有する。以下、この粒子をF−80SDと略称する。
一方、シェル製のエポキシ樹脂および硬化剤、即ち、
「エピコート1001」(この樹脂自体は室温で固体であ
り、熱可塑性的挙動を示す)を70部、「エピコート34
8」を30部、無水フタル棧を30部、「エポメートYLH18
5」を1部、80℃で溶融混合した。これを樹脂組成物A
とする。
上記のF−80SD 100部と樹脂組成物A100部を80℃で混合
した。これを80℃に予熱した金型に流し込み直ちに冷却
した。その後、金型を開いて厚さ約3mmの薄板を得た。
得られた薄板を中間素材Bとする。
アルミニウムの板2枚の間に、「テフロン」(登録商標
名)の枠を挟んだ金型を作り、上下の端にノズルを設け
た。日東紡製のガラス繊維クロスWF-181-100BVを用意
し、上記金型一杯のガラスクロスを2枚と長さを金型に
合せ幅をノズルを覆うサイズにした短冊状ガラスクロス
10枚を作り、大きなガラスクロスを用いて、ガラスクロ
ス/中間素材B/ガラスクロスの順で金型に入れた。ノズ
ルを覆う位置、つまり金型の上下端は、小さなガラスク
ロスを重ねて埋め、この位置にはF−80SD膨脹粒子が入
らないようにした。双方のノズルを用いて吸気し金型内
部を真空にした。次いで金型ごと145℃のシリコン油浴
に入れ、加熱した。液化した少量の樹脂とガスを上記ノ
ズルより溢流させ、逐次ノズルを閉鎖した。1時間後シ
リコン油浴から金型を取り出し、冷却して金型から成形
品を取り出した。かくして、表面がガラス繊維強化エポ
キシ樹脂、内層が硬化したエポキシ樹脂マトリックス中
に発泡したF−80SDが分散したフォーム状体からなる良
好な軽量サンドイッチ構造物が得られた。得られた成形
物は、小さなガラスクロスを入れた部分以外は発泡した
F−80SDが均等に行き渡り、密度は0.54g/cm3であっ
た。
実施例15 本例は実施例14と同様に一旦中間素材を製造し、これを
成形して舵状のモデルを作る実施例である。
実施例14と同様にしてF−80SD、樹脂組成物A、中間素
材Bを準備した。
最大幅120mm,最大長さ350mm、最大厚さ14mmの、舵状の
モデルを作る2個組の金型を準備した。金型の上下には
ノズルを設けた。この金型に合わせたガラスクロス4葉
およびカーボンクロス2葉も準備した。ガラスクロスは
目開きの小さい日東紡製のガラス繊維クロスWF-180-100
BVであり、カーボンクロスは東レ製の炭素繊維織物CO63
04である。一方、ユニセル(株)製のポリエステル不織
布「ユニセルBT-0404」を金型に合わせて袋にした。
中間素材Bを概略金型の内形に合せ、若干小さ目に切り
取り、これを上記「ユニセル」の袋に入れ、ガラスクロ
スとカーボンクロスで挟んで金型に収めた。
金型内を真空に引した後、金型ごと145℃のシリコンオ
イルの温浴に入れた。それぞれのノズルに液化した樹脂
とガスが出るのを確認してからノズルを閉じた。1時間
保持後、金型を温浴から取り出し、冷却して成形物を取
り出した。比重0.8の良好な舵形モデルが得られた。
実施例16 本例は中間素材を経由する方法においてポリプロピレン
発泡粒子を用いる例である。
両端にノズルを設けた、断面が20mm×20mm、長さが500m
mである金型を用意した。
ポリプロピレンとフレオン等の発泡剤を加圧下で混合
し、常圧下に放出し、得られた予備発泡粒子を常圧で熟
成し、次いで圧力容器に入れ、160℃の外温で6kg/cm2
圧力で1時間圧縮した。室温に戻ってから常圧に戻し、
ポリプロピレンの発泡粒子を得た。この発泡粒子は、粒
径1〜2mmであり、100℃に加熱すると直ちに20%体積膨
張するがこれを常温に戻しても体積の収縮は見られない
という性質を有するものである。このポリプロピレン粒
子と実施例14と同じ樹脂組成物Aとから同様にして薄板
を作り、これを棒状に切り取った。これを中間素材Cと
する。
ポリエステル不織布「ユニセルBT-0404」で周囲80mmの
筒を作り上記の中間素材Cを収めた。
この中間素材Cを収めた「ユニセル」製の筒を、炭素繊
維のブレード2層とガラス繊維のブレード1層で覆っ
た。用いたブレードは、炭素繊維ブレードは、「トレ
カ」T−3964,T−3484、ガラス繊維ブレードは「アトキ
ンス・アンド・ピアーズ」#9273であり、各ブレードを
T−3484、#9273、T−3964の順で重ねた。
これを前記の金型に収め、金型を閉じた。金型を水平に
し、一旦、真空ポンプで減圧となしほぼ真空にした。次
いで実施例14,15とほぼ同様に、110℃の温浴に入れ、余
分の樹脂とガスを抜きながら、樹脂を硬化させた。金型
を1時間後に温浴から取り出し、冷却して金型から成形
品を取り出した。
かくして表面が炭素/ガラス繊維強化エポキシ樹脂、内
層がエポキシ樹脂とポリプロピレンの発泡体である、軽
量角材が得られた。表面のFRP層を含んだ角材の比重は
0.56g/cm3であった。
実施例17 本例は使用する発泡ビーズを変えることにより、適当な
分離膜が代ることを示すと共に、分離膜として織物を用
いた例を示す。
松本油脂製薬(株)製の熱膨張性発泡ビーズ「マツモト
マイクロスフェアーF−50D」、ノーベル社(Nobel I
ndustries)の「エクスパンセル461」を準備した。とも
に100〜110℃で膨張する微粒子である。以後、それぞれ
F−50D,Expancel-461と略称する。
シェル製のエポキシ樹脂「エピコート807」を100部と硬
化材「エピキュアYLH006」を31部混合した。これを樹脂
Aとする。
樹脂Aの100部とF−50Dの100部を混合した。この混合
物を混合物Bとする。一方、樹脂Aの100部とエクスパ
ンセル461の100部を混合した。この混合物を混合物Cと
する。
アルミニウムの板2枚の間に、「テフロン」(登録商標
名)の枠を挟んだ金型を作った。上下の端にノズルを設
けた。不織布「ユニセルBT0404」とナイロンタフタ織物
(白崎工業SD2510)を準備した。これらを用いて金型に
合わせて袋を作った。これらの袋にそれぞれ混合物Bお
よび混合物Cを入れた。ユニセル/混合物Bを中間材料
(1)、ナイロンタフタ/混合物Bを中間材料(2)、
ユニセル/混合物Cを中間材料(3)、ナイロンタフタ
/混合物Cを中間材料(4)とする。
目開きの比較的大きい旭ファイバーグラス製のガラス繊
維クロスMS253E-1040-2NT-10FSを用意した。金型一杯の
ガラスクロスを2枚とおよび長さを金型に合せ、幅をノ
ズルを覆うサイズにした短冊状ガラスクロス10枚を作
り、大きなガラスクロスを用いて、ガラスクロス/中間
材料(1)(2)((3)または(4)/ガラスクロス
の順で金型に入れた。ノズルを覆う位置、つまり上下端
は、小さなガラスクロスを重ねて埋めた。
双方のノズルを用いて金型内部を真空にした。次いで金
型を110℃のシリコン油浴に入れ、加熱した。少量の樹
脂とガスをノズルの位置に溢流させ、ほぼ同時に逐次ノ
ズルを閉鎖した。1時間後に金型を温浴から取り出し、
冷却して金型から成形物を取り出した。中間材料(1)
(2)(4)を用いたものは表面がガラス繊維強化エポ
キシ樹脂、内層がエポキシ樹脂に発泡したビーズを分散
した良好なサンドイッチ材が得られたが、中間材料
(3)を用いたものは表面に発泡したビーズが現れ外観
の劣ったものとなった。F−50Dを用いた場合、「ユニ
セルBT0404」,ナイロンタフタ共に良好な分離層である
が、Expancel-461を用いた場合、ユニセルは分離層の機
能を果さず、ナイロンタフタが果していることを示して
いる。
中間材料(1)を用いたものは比重0.63,曲げ試験の強
度9.7kg/mm2,弾性率883kg/mm2、(2)を用いたものは
比重0.74,曲げ試験の強度9.6kg/mm2,弾性率886kg/m
m2、(4)を用いたものは比重0.80,曲げ試験の強度12.
5kg/mm2,弾性率886kg/mm2であった。
実施例18 本例はセーリングボードのフィン(スケグ)を作る例で
ある。
予め、フィンの成形用の型を樹脂で作った。この型の両
端部に液抜きを設けた。二つ割りの金型にした。最大幅
120mm,最大長さ350mm,最大厚さ14mmである。上下にノズ
ルを設けた。
シェル製のエポキシ樹脂「エピコート807」を100部、硬
化剤「エポメート」を31部混合した。これを樹脂Aとす
る。
松本油脂製薬製の「マツモト マイクロスフェアーF−
30D」を20部、旭硝子製の無機バルーンM−28を10部混
合した。これと樹脂Aの約1/3を混合した。得られたも
のを混合物Bとする。
東レ製の炭素繊維クロスT−400と帝人製のアラミド繊
維「テクノーラ」との平織の交織布1枚、日東紡製のガ
ラス繊維クロスWF-181-100BV2枚および、ユニセル
(株)製のポリエステル不織布「ユニセルT−4040」を
1枚、型の内形に合わせて切り取り積層した。2組をつ
ないで、中に混合物Bを入れた。これを成形用の型に収
め、型を締め付けた後、空気を排出しながら型内の繊維
層に残りの樹脂Aを注入した。溢流するまで注入した。
一方のベント(液抜き)を閉じ、開いている方のベント
(液抜き)を上にして80℃の温浴に入れ、加熱した。1
時間後に温浴から取り出し、冷却して型から成形物を取
り出した。表面がエポキシ樹脂、外核が炭素繊維/アラ
ミド繊維・ガラス繊維補強エポキシ樹脂、芯が無機バル
ーンとマイクロスフェアの発泡体である美麗でファッシ
ョナブルで、かつ軽量で良好な特性のフィンが得られ
た。
実施例19 断面20mm×10mm,長さ500mmの金型を作り、両端にノズル
を設けた。シェル製のエポキシ樹脂「エピコート807」
を100部、硬化剤「エポメートYLH006」を31部混合し
た。これを樹脂Aとする。
市販の発泡ビーズ松本油脂製薬製の「マツモト マイク
ロスフェアーF−30D」を入手した。このビーズ20部
と、旭硝子製の「無機バルーンM−28」を10部混合し
た。「ユニセルBT0404」で周囲80mmの筒を作り、上記の
混合ビーズの1/2を詰めた。このビーズを詰めたユニセ
ルの筒を、炭素繊維のブレード2層とガラス繊維のブレ
ード1層で覆った。用いたブレードは、「トレカT−39
64」および「トレカT−3484」、ガラス繊維ブレードは
「アトキンス アンド ピアース#9273」である。これ
らをT−3484、#9273、T−3964の順で重ねた。
これを前記の金型に収め、混合ビーズの残部を押し込
み、「ユニセル」の筒と金型を閉じた。
金型を水平にし、一旦、上部ノズルを用いて真空ポンプ
で減圧してほぼ真空となし、そのまま、下部ノズルから
液状の樹脂Aを注入し、樹脂が上部ノズルから溢流した
ことを確かめて注入をやめた。
次に、70℃の温浴に入れ、樹脂を抜きながら硬化させ
た。1時間後に温浴から取り出し、冷却して金型から成
形物を取り出した。かくして、表面が炭素/ガラス繊維
強化エポキシ樹脂、内層がエポキシ樹脂と無機中空体/
マイクロスフェアの発泡体である軽量角材が得られた。
表皮を含んだ比重は0.62kg/cm2であった。
実施例20〜22および比較例1〜6 本例は表面の直下に補強繊維を偏在させ、それ以外の部
分に発泡粒子を偏在させた樹脂との一体成形物と、表皮
の直下が発泡粒子と樹脂で、ほぼ中心部に補強繊維と樹
脂を偏在させた成形物との違い、表面の直下に補強繊維
を偏在させたがその中に発泡粒子も同時に存在するもの
との違い、表面直下の補強繊維を廃した場合のものとの
違いを比較検討するものである。
シェル製のエポキシ樹脂「エピコート807」を100部、硬
化材「エポメートYLH006」を33部混合した。これを樹脂
Aとする。
松本油脂製薬製の「マイクロスフェアーF−50D」20部
を、上記の樹脂A40部と混合した。これを混合物Bとす
る。
予め、アルミ製の平板を2枚と、「テフロン」(登録商
標名)製のスペーサーからなる二分割型の金型を作り両
端部に液抜きを設けた。スペーサーの厚みは3mmとし
た。
旭フエイバーグラス製の目開きの比較的大きいガラス繊
維織物(ガラスクロス)MS253E-1040-2NT-10FS(平織)
を金型に合わせて切った。これを同サイズに切ったユニ
セル(株)製の不織布「ユニセルBT0404」を重ね合わせ
た。樹脂Aを二つ割にした一方の金型に薄く塗布し、こ
の金型に合わせて、上記のガラスクロス/不織布をガラ
スクロスを外にして収めた。上下のノズルの位置に上記
のガラスクロスを8枚幅20mmに切って収め、混合物Bを
入れた。他方の金型に樹脂Aを塗布し、同様に同じ構成
のシートをガラスクロス層を外にして実質的に貼り付け
て収め、混合物Bを入れた方の金型に裏返して載せた。
金型を閉じ、過剰の樹脂と空気を排出しながら110℃の
温浴に入れ、加熱した。過剰な樹脂と空気を排出しなが
ら硬化させた。1時間後に温浴から取り出し、冷却して
金型から成形物を取り出した。得られたサンプルは厚さ
3mm,密度0.76g/cm2で表面直下にガラスクロスが、これ
以外の部分に発泡粒子が存在するエポキシ樹脂一体成形
物である。この成形物をサンプル(a)とする。
同様に、不織布「ユニセルBT0404」を除いて他は全く同
様にして一体成形物を得た。該成形物の表面には発泡し
た粒子が認められた。これをサンプル(b)とする。
旭ファイバーグラス製ガラスクロスMS253E-1040-2NT-10
FSの代わりに、目開きの小さい日東紡製のガラス繊維ク
ロスWF-181-100BV(朱子織り)を金型に合わせて切っ
た。不織布「ユニセルBT0404」を同様に切ったシート1
枚とを重ねて、サンプル(a)と同様にして成形物を得
た。これをサンプル(c)とする。これはサンプル
(a)と同様な外観の成形物であった。
サンプル(c)を成形するのと同様にして、ただし「ユ
ニセルBT0404」を併用せずに、サンプルを得た。これを
サンプル(d)とする。この成形物も外観はサンプル
(a)と同様であった。
旭ファイバーグラス製グラスクロスMS253E-1040-2NT-10
FSを金型に合せて切った。「ユニセルBT0404」を同じサ
イズに切り、これに重ねた。金型の一方に混合物Bを塗
布し、この上にこのガラスクロスと「ユニセルBT0404」
を載せ、さらにこの上に混合物Bを載せた。他方の金型
に同様に混合物Bを塗布し、もう一方の金型に裏返して
載せた。両者を合せて金型を閉じ、過剰の樹脂と空気を
排出しながら110℃の温浴に入れ、加熱した。1時間後
に温浴から取り出し、冷却して金型から成形物を取り出
した。表面がエポキシ樹脂/発泡粒子、その内側がガラ
ス繊維補強エポキシ樹脂である軽量成形板が得られた。
これをサンプル(e)とする。
さらに、上記「ユニセル」を除く以外はサンプル(e)
と同様にして、サンプルを作った。これをサンプル
(f)とする。
旭ファイバーグラス製ガラスクロスMS253E-1040-2NT-10
FSの代わりに、日東紡製のガラス繊維クロスWF-181-100
BVを用いるほかはサンプル(e)同様にして、複合成形
品を製造した。これをサンプル(g)とする。
さらに「ユニセルBT0404」を除くほかはサンプル(g)
同様にして、同様の複合成形品を作った。これをサンプ
ル(h)とする。
次に、「ユニセルBT0404」を金型に合わせて切取った。
これに樹脂Aを塗布した二分割した片方の金型に収め
た。この上に混合物Bを載せた。他方の金型に同様に樹
脂Aを塗布し、「ユニセルBT0404」を貼り付け、裏返し
て載せた。金型を閉じ、過剰の樹脂と空気を排出しなが
ら110℃の温浴に入れ、加熱した。1時間後に温浴から
取り出し、冷却して金型から成形物を取り出した。表面
がユニセル/エポキシ樹脂、その内側が発泡した粒子/
エポキシ樹脂である軽量成形板が得られた。得られた成
形物をサンプル(i)とする。
得られた各サンプルについてインストロン試験機で曲げ
試験を行った。その結果は次表に示す通りである。
これらの実施例および比較例において、目開きの小さい
日東紡製のガラス繊維クロスWF-181-100BV(朱子織り)
の場合には本発明で特定した分離層が補強繊維を兼ねて
いる例であり、補強繊維が分離層の役目を果し、発泡粒
子の表層部への移行を阻止している。実施例22(サンプ
ル(d))は分離層と補強材料が同一の場合であり、実
施例21(サンプル(c))はこの作用効果を確認する例
となっている。旭ファイバーグラス製グラスクロスMS25
3E-1040-2NT-10FS(平織)の場合には目開きが大きく発
泡性粒子が阻止できないため、分離層として別に不織布
「ユニセルBT0404」を用い、これと別に補強繊維を用い
た例である。実施例20(サンプル(a))はこの例であ
り、比較例1(サンプル(b))はこの確認になってい
る。さらに比較例2〜5(サンプル(e)〜(h))
で、表皮直下に補強繊維が、他の部分に発泡粒子が偏在
し、互いに分かれていることが成形物の物性上重要であ
ることを示し、比較例6(サンプル(i))は分離層と
して用いた不織布「ユニセルBT0404」の補強材料として
の寄与は無視できることを示している。
実施例23 本例は発泡性樹脂粒子および熱硬化性樹脂の混合物を成
形時に破断するフイルムからなるチューブに詰めて使用
する例である。
シェル社製のエポキシ樹脂および硬化材、「エピコート
807」を100部、「エポメート」を31部混合した。これを
液状樹脂Aとする。
この液状樹脂A100部、松本油脂製薬製発泡性樹脂粒子
「マイクロスフェアF−30D」を44部、中空ガラスビー
ズ22部を混合した。これを発泡性混合物Bとする。
一方、直径10mmのポリ塩化ビニリデン/塩化ビニル共重
合体のフイルムからなるチューブを作り、これに発泡性
混合物Bを積め、両端と中間を50mm間隔で結び、袋状物
内に混合物を収納してなる連続した腸詰め状の成形材料
を作った。
次に、アトキンス・アンド・ピアース(Atkins & Pear
ce)社の炭素繊維製ブレードチューブ(管状編物)を3
層分、手操り合わせて上記の連続した腸詰め状の成形材
料の表面に被せ、上記腸詰め状の成形材料を環状につな
ぎ、ブレードチューブが上記成形材料の全体を覆うよう
にした。
一方、リング状の「型」を樹脂で作成した。この型には
ガス・液抜きを設け、上下二つ割りの型にした。
上記のブレードチューブで覆った腸詰め状の環状成形材
料を、予め内面に液状樹脂Aを塗布した一方の型内にそ
の形状に合わせて入れた後、この上にさらに液状樹脂A
を塗布した。この上に他方の型を裏返して載せた。
型を締め付けた後、ガス・液抜きを上にしてこのノズル
から排気して型の内部を真空となし、ノズルを閉じた後
に型を100℃の油浴中に入れ、加熱した。放置後、ガス
・液抜きノズルを開けて、ガスと液が出るのを確かめて
から再度閉じた。1時間後に油浴から取り出し、冷却し
て型から成形物を取り出した。かくして、表面がエポキ
シ樹脂、外核が炭素繊維補強エポキシ樹脂、内層がエポ
キシ樹脂の発泡体である軽量で良好なリングが得られ
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法により得られる複合成形品の1例を
示す部分断面図、第2図は本発明を実施する金属型を開
いた状態を示す横断面図、第3図は型を閉じ中空状の発
泡性樹脂粒子と液状の成形樹脂を分離層内部に充填した
状態を示す縦断面図、第4図は他の実施態様を示す縦断
面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 63:00 67:00 75:00 105:04 105:06 B29L 9:00 (31)優先権主張番号 特願平1−255304 (32)優先日 平1(1989)10月2日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平2−18000 (32)優先日 平2(1990)1月30日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平2−95069 (32)優先日 平2(1990)4月12日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 木村 繁和 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維状補強材を含有する熱硬化性樹脂相よ
    りなる表層部、発泡粒子を含有する該樹脂相よりなる芯
    部、および、該表層部と該芯部との間に存在する分離相
    よりなる一体化された複合成形品の製造方法であって、 (a) 実質的に密閉された成形用の型内に、発泡性粒
    子は実施的に通過しないが成形時に流動性を有する熱硬
    化性樹脂またはその前駆体は通過しうる分離層を受け、 (b) 型内に該熱硬化性樹脂またはその前駆体を用意
    し、 (c) 型内における前記分離層と型との間に該分離層
    と一体化するかまたは別個の繊維状補強材を連携して配
    置し、 (d) さらに、型内における前記分離層の型内面と反
    対の位置に発泡性粒子の集合体を用意し、 (e) 昇温によって該発泡性粒子を発泡させて該集合
    体の体積膨脹を生じせしめ、 (f) 前記(e)の体積膨脹により分離層を型の内面
    方向に押し付けながら、該熱硬化性樹脂またはその前駆
    体を、分離層を通じて流動させ、かくして分離層と型の
    間および発泡粒子間に熱硬化性樹脂またはその前駆体を
    存在せしめ、 (g) 次いで、該熱硬化性樹脂またはその前駆体を硬
    化せしめ、固化を完了せしめて、前記表層部および芯部
    を形成させ、 (h) かくして得られた複合成形品を型から取り出
    す、 工程よりなることを特徴とする複合成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】分離層が、発泡性粒子を実質的に通過しな
    い織物、編物、不織布、紙、金網または多孔質膜である
    請求項(1)に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】繊維状補強材が、織物、編物、不織布、一
    方向配列フィラメントまたはウェブである請求項(1)
    に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】発泡性粒子が、加熱により体積膨脹するこ
    とができ、かつ発泡後実質的に気泡が内包されているも
    のである請求項(1)〜(3)のいずれかに記載の製造
    方法。
  5. 【請求項5】発泡性粒子重合体は、さらに非膨脹性発泡
    粒子を含有する請求項(1)〜(4)のいずれかに記載
    の製造方法。
  6. 【請求項6】発泡性粒子集合体を袋状物の中に収納して
    使用する請求項(1)に記載の製造方法。
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