JPH08276441A - 周縁部が強化された軽量複合成形物およびその製造方法 - Google Patents

周縁部が強化された軽量複合成形物およびその製造方法

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JPH08276441A
JPH08276441A JP8015795A JP8015795A JPH08276441A JP H08276441 A JPH08276441 A JP H08276441A JP 8015795 A JP8015795 A JP 8015795A JP 8015795 A JP8015795 A JP 8015795A JP H08276441 A JPH08276441 A JP H08276441A
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lightweight
resin
matrix resin
molded article
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JP8015795A
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English (en)
Inventor
Hiromitsu Takamoto
裕光 高本
Hidetoshi Okamura
英俊 岡村
Yuzo Aido
勇三 相戸
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】繊維強化樹脂(FRP)からなる上下の緻密な
スキン層と主として軽量粒子と硬化マトリックス樹脂と
からなる多孔質コア層とを有する複合成形物において、
該複合成形物が本来有する軽量性、強靭性等の利点を維
持しながら周縁部分の剥離等の問題を解決する。 【構成】複合成形物の主要部は、繊維強化樹脂(FR
P)からなる緻密なスキン層と軽量粒子と硬化樹脂とか
らなる多孔質コア層の間にマトリックス樹脂を通すが軽
量粒子を通さない分離膜を配置した層構造となし、周縁
部は、分離膜が存在せず、好ましくは更に強化用繊維を
追加して、強化用繊維と樹脂と軽量粒子とが混在した強
化構造となした一体の複合成形物。該成形物は周縁部の
み分離膜を配置せずに、強化用繊維質シート/軽量粒子
とマトリックス樹脂の混合物/分離膜/強化用繊維質シ
ートの積層物を特殊な方法で一体成形することによって
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形物周縁部の強度が
改善された多孔質コアを有する複合成形物および該成形
物を製造する方法に関する。さらに詳しくは、上下の繊
維強化樹脂からなる緻密なスキン層と軽量粒子およびマ
トリックス樹脂からなる多孔質のいわゆるシンタクチッ
クフォーム・コア層とからなるサンドイッチ状断面構造
を持つ主要部と、マトリックス樹脂、軽量粒子および強
化用繊維が混合された状態にある周縁部とが一体化した
構造であり、周縁部の強度が改善された、軽量かつ強靭
な複合成形物ならびに該複合成形物の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】スキン層が繊維強化樹脂(FRP)でコ
ア層が多孔質のフォームコアであるサンドイッチ構造材
料は、その軽量性と強靭性のため、航空機、自動車、船
舶等の輸送機関や、スポーツ・レジャー分野において、
効果的に利用されてきた。
【0003】かかる軽量で強靭なフォームコア・サンド
イッチ構造を有する複合成形物の製造方法としては、例
えば、(ア)予め成形したポリウレタン、ポリスチレ
ン、ポリプロピレン等の樹脂フォームをコア材として用
い、その上下に繊維強化樹脂板等を積層接着する方法、
(イ)強化材としての織布で樹脂フォームを包んだ後、
あらためて金型に挿入し、該金型内に液状樹脂を注入し
て硬化させ、スキン層を形成する方法、あるいは(ウ)
予めスキン層の繊維強化樹脂を成形しておき、その中心
部の空隙内に発泡性ポリウレタン樹脂等を注入して空隙
内で発泡させる方法、等が知られている。また、樹脂に
ガラス製中空粒子を多量に添加して作ったシンタクチッ
クフォームをコア材として用いる方法も知られている。
【0004】さらに、特公平7−12613号公報に記
載のごとく、成形用の型内に、上下の強化用繊維質シー
ト、熱膨脹性粒子を含む軽量粒子と熱硬化性マトリック
ス樹脂とから主してなる多孔質コア形成材料およびこれ
らの間にマトリックス樹脂は通すが該軽量粒子は通さな
い分離膜を配置して、強化用繊維質シート/分離膜/多
孔質コア形成材料/分離膜/強化用繊維質シートからな
る積層構造を形成し、これを型内で昇温して該熱膨脹性
軽量粒子の体積膨脹を生ぜしめるとともにマトリックス
樹脂を硬化させて繊維強化樹脂(FRP)からなる緻密
なスキン層と軽量粒子と熱硬化性マトリックス樹脂から
主としてなる多孔質コア(シンタクチックフォーム・コ
ア)層とから構成される軽量で強靭な複合成形物を製造
する方法が提案されており、この方法は多孔質コアを有
する複合成形物を工業的に製造する方法として有用であ
る。
【0005】しかしながら、このような多孔質コアを有
するサンドイッチ構造の複合成形物は、軽量で高い強
度、剛性を持つが、その周縁部のスキン層が合体接合す
る部分は、急激な応力が作用する場合や長期にわたって
の使用に際して、接合部の剥離を起こし易く、ひいては
破壊に至る欠点を持っており、用途によっては使用に適
さないという問題がある。
【0006】これらの問題を解決するために、成形物周
縁部に相当する部分の強化繊維を予めスティッチするこ
とで剥離を抑えることも考えられるが、この方法はきわ
めて多くの時間と手間がかかるため、工業的には有用と
は言い難い。また、成形後に、その周縁部にそって接着
剤等を上塗りして強化する方法もあるが、十分な効果が
得られず、かつ工程が煩雑になるという難点を持つ。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のよう
な多孔質コアを有するサンドイッチ構造の複合成形物の
周縁部に発生する接合部の剥離の問題を解消し、該周縁
部に見られる剥離に対する抵抗力が高くかつ軽量で強靭
な複合成形物を提供すること、ならびに、かかる複合成
形物を一体成形法で効率良く製造する方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究の結果、多孔質コアを有する複
合成形物の成形に際して、その主要部(周縁部以外)は
上下の繊維強化樹脂からなるスキン層と軽量粒子および
マトリックス樹脂からなるシンタクチックフォーム・コ
ア層で構成される層構造となし、周縁部のみを強化繊
維、軽量粒子およびマトリックス樹脂の混合系からなる
強化構造とすることによって、該複合成形物周縁部(端
部)の剥離をなくすことができることを見い出だし、本
発明に到達した。
【0009】すなわち、本発明の複合成形物は、(a)
複合成形物の主要部が、上下に位置する繊維強化樹脂か
らなる緻密なスキン層、軽量粒子と硬化マトリックス樹
脂とから主としてなる多孔質コア層、およびこれらの各
層間に配置されたマトリックス樹脂は通すが軽量粒子は
通さない分離膜により構成された多層構造であり、か
つ、(b)該複合成形物の周縁部が、強化繊維、軽量粒
子および硬化マトリックス樹脂により構成された強化構
造であり、しかも、(c)該主要部と該周縁部とが連続
的に一体構造となっている、ことを特徴とする周縁部が
強化された軽量複合成形物である。
【0010】また、このような複合成形物を製造する本
発明の製造方法の一つは、熱膨張性樹脂粒子を使用して
成形する方法であって、(1)成形後に複合成形物の主
要部となる位置では、上下の強化用繊維質シートおよび
熱膨脹性樹脂粒子と熱硬化性マトリックス樹脂とを含む
コア形成材料を、両者の間に該マトリックス樹脂は通す
が熱膨脹した樹脂粒子は通さない分離膜を介在させて配
置し、(2)成形後に複合成形物の周縁部となる位置で
は、上下の強化用繊維質シートおよび熱膨脹性樹脂粒子
と熱硬化性マトリックス樹脂とを含むコア形成材料を、
分離膜を介在させずに配置し、(3)これらを制約され
た空間(成形用の型またはゾーン)内にて昇温すること
によって、熱膨脹性樹脂粒子の体積膨脹を生ぜしめ、主
要部においてはマトリックス樹脂の一部を分離膜を通過
させて上下の強化用繊維質シート中に浸透させるととも
に、周縁部においては熱膨脹した樹脂粒子と熱硬化性マ
トリックス樹脂と強化用繊維質シートとが混在した(入
り交じった)状態となし、(4)次いで、その状態でマ
トリックス樹脂を硬化させ、固化を完了させることによ
り、主要部と周縁部とが一体化した成形物とする、こと
を特徴とする軽量複合成形物の製造方法である。
【0011】また、本発明の製造方法のもう一つは、非
熱膨張性の軽量粒子を使用して同様の複合成形物を製造
する方法であって、(1)成形後に複合成形物の主要部
となる位置では、上下の強化用繊維質シート、非膨張性
の軽量粒子(圧縮性軽量粒子および/または剛性軽量粒
子)と熱硬化性マトリックス樹脂とから主してなるコア
形成材料およびこれらの間に熱硬化性マトリックス樹脂
は通すが該軽量粒子は通さない分離膜を配置し、(2)
成形後に複合成形物の周縁部となる位置では、上下の強
化用繊維質シートおよび軽量粒子と熱硬化性マトリック
ス樹脂との混合物から主としてなるコア形成材料を、分
離膜を介在させずに配置し、(3)これらを厚さ方向に
加圧することにより、主要部においてはマトリックス樹
脂の一部を分離膜を通過させて上下の強化用繊維質シー
ト中に浸透させるとともに、周縁部においては該軽量粒
子とマトリックス樹脂と強化用繊維が混在した(入り交
じった)状態となし、(4)次いで、その状態でマトリ
ックス樹脂を硬化させ固化を完了させることにより、主
要部と周縁部とが一体化した成形物とする、ことを特徴
とする軽量複合成形物の製造方法である。
【0012】次に、本発明の複合成形物を構成する各種
材料および該複合成形物の構造について説明する。
【0013】本発明において用いられる強化用繊維の具
体的な例としては、ガラス繊維、炭素繊維、シリコンカ
ーバイド繊維、金属繊維、アラミド繊維、ポリアリレー
ト繊維、高強度ポリオレフィン繊維またはこれらの2種
以上の混合物があげられる。また、これらの繊維の他
に、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリビニルア
ルコール繊維、レーヨン繊維、アセテート繊維、天然繊
維あるいは石綿等の各種繊維も使用することができる。
なかでも、ガラス繊維、炭素繊維、パラ系アラミド繊維
等のような高強力・高モジュラス繊維を用いることが好
ましい。
【0014】強化用繊維の形態としては、通常、シート
状物が使用される。具体的には、織物(平織、スダレ
織、綾織等)、編物、不織布、マット、紙、一方向に引
き揃え層状に集合させたロービング等のシート状物にし
たものが用いられる。これらは単独で用いても良いし、
2種以上のシート状物を重ねて用いても良い。
【0015】複合成形物の周縁部における強化用繊維
は、主要部と同様の上記シート状物が適用されるが、必
要に応じて、さらに、グラスウールやチョップドストラ
ンドのようなランダム状やブレード状、組み紐状、プリ
フォーム状等の形で、強化用繊維を追加することも可能
である。
【0016】本発明においては、成形物の主要部では、
成形時に分離膜を介して熱硬化性マトリックス樹脂を通
過させスキン層に配置した強化用繊維中に浸透させるの
で、成形後の成形品の表面状態は本質的に良好である
が、必要に応じて、ガラス繊維やポリエステルのような
有機繊維からなるサーフェシングマットを使用すること
も可能である。
【0017】本発明において使用する軽量粒子は、有機
または無機の微小なモノセルおよび/またはマルチセル
状の微小な中空構造を有する軽量粒子であり、これらの
粒子には、成形時に加熱昇温することにより体積膨脹を
起こす熱膨脹性樹脂粒子、ならびに、すでに熱膨脹した
状態にあるが加圧により圧縮され得る圧縮性軽量粒子お
よび加熱加圧によっても本質的に体積変化を起こさない
剛性軽量粒子等(後2者の粒子は非膨脹性軽量粒子と総
称されることがある)が包含される。
【0018】上記の熱膨脹性樹脂粒子は、熱硬化性マト
リックス樹脂と混合した状態で加熱されると体積膨脹を
生じ、引き続いて起こるマトリックス樹脂の硬化によっ
て、軽量な多孔質構造のシンタクチックフォームを形成
する特性を持つ。かかる体積膨脹の倍率は、加熱条件は
もとより、該粒子を構成するポリマー素材の種類や膜
厚、該粒子内部に包含されて加熱に際して著しい体積変
化を生ずる物質に依存するが、成形時の加熱により少な
くとも約10%以上、好ましくは約20%以上、通常は
約20〜70%の体積膨脹を起こすものである。
【0019】かかる熱膨脹性樹脂粒子の大きさは、体積
膨脹前の平均粒径が約1μm〜約5mm、好ましくは約
10μm〜約1mmの範囲が好適である。
【0020】上記熱膨脹性樹脂粒子としては、ポリアク
リロニトリル系共重合体、ポリメタクリロニトリル系共
重合体、ポリ塩化ビニリデン系共重合体、ポリスチレン
またはポリスチレン系共重合体、ポリオレフィン、ポリ
フェニレンオキサイド系共重合体等をあげることができ
る。これらの樹脂粒子内部には熱膨脹性ガスを内包して
おり、とくに加熱により気体として体積膨脹する低沸点
炭化水素類を内包するものが好ましい。
【0021】かかる熱膨脹性樹脂粒子の具体例として
は、松本油脂製薬(株)製「マツモトマイクロスフェア
ー」、ノーベル(株)製「エクスパンセル」、積水化学
工業(株)製「エスレンビーズ」等をあげることができ
る。
【0022】一方、上記圧縮性軽量粒子は、加圧するこ
とにより圧縮変形(弾性変形または塑性変形)して体積
の約1〜70%(好ましくは5〜50%程度)減少する
低比重の微小中空粒子であって、その代表例は、熱膨脹
性粒子を予め加熱膨脹させた中空軽量粒子あるいは多孔
質ポリプロピレン粒子等である。これらの圧縮性軽量粒
子は再加熱しても実質的に体積膨脹しない非膨脹性粒子
の1種であるが、成形時の加圧で圧縮変形する点におい
て従来のシンタクチックフォーム形成に用いられている
ガラスビーズ等の無機中空粒子とは異なる。
【0023】かかる圧縮性軽量粒子の具体例としては、
例えば、上記の松本油脂製薬(株)製「マツモトマイク
ロスフェアー」、ノーベル(株)製「エクスパンセ
ル」、積水化学工業(株)製「エスレンビーズ」等の熱
膨脹性軽量粒子を、蒸気加熱あるいは空気中または不活
性ガス中で加熱して膨脹させたものがあげられる。これ
らの圧縮性軽量粒子の大きさは、平均粒径で0.01〜
5mm、好ましくは0.05〜2mmの範囲であること
が好適である。
【0024】また、本発明で使用される剛性軽量粒子
は、加圧状態でも変形し難い剛性のある非膨脹性の微小
粒子であり、「ガラスバルーン」、「シラスバルー
ン」、「シリカバルーン」等の名称で知られる無機中空
粒子を用いるのが好適である。かかる剛性軽量粒子の大
きさは、平均粒径で0.01〜5mm、とくに0.1〜
2mmの範囲の物が好適に使用される。
【0025】本発明において使用する軽量粒子は、上述
のごとき熱膨脹性軽量粒子、圧縮性軽量粒子、剛性軽量
粒子からなる群より選ばれた1種の粒子または2種以上
の粒子の混合物である。すなわち、これら粒子は単独で
使用できるし、例えば熱膨脹性軽量粒子と剛性軽量粒子
との混合物、あるいは圧縮性軽量粒子と剛性軽量粒子と
の混合物の形で使用することもできる。
【0026】本発明における軽量粒子の使用量は、成形
物のコア層における該軽量粒子の合計量が、該コア層に
おける軽量粒子の合計量と熱硬化性マトリックス樹脂と
の和に対して、20〜80体積%の範囲で使用すること
が好ましい。軽量粒子の使用量が20体積%より少ない
と、本発明の多孔質コアを有する複合成形物の比重を軽
くする効果が小さく、好ましくない。ー方、80体積%
を越す場合は、より軽量な軽量な成形物が得られるもの
の、マトリックス樹脂の充填状況が良好でなくなり、亀
裂を起こす等、硬化成形後の成形物の強度の低下を招く
ことがあるので好ましくない。好適な特性の成形物を得
るための軽量粒子のより好ましい使用量は、30〜70
体積%の範囲である。(なお、熱膨張性樹脂粒子を使用
する場合は、該粒子が成形時の加熱により膨脹した後の
体積を基準とする。)本発明において使用する熱硬化性
マトリックス樹脂は、複合材料の成形に用いられる熱硬
化性樹脂であり、通常は常温で液状のものが好ましく用
いられるが、該マトリックス樹脂またはその混合組成物
が、成形に際して加熱状態において液状となるものであ
れば常温で固体状あるいは半固体状であっても使用する
ことができる。
【0027】かかる熱硬化性マトリックス樹脂の具体例
としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビ
ニルエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタ
ン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、
ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリシクロペンタジエ
ン樹脂、石油樹脂等の熱硬化性樹脂をあげることができ
る。なかでも、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂等が好ましい
熱硬化性マトリックス樹脂である。これらのマトリック
ス樹脂は、通常、それぞれ必要な硬化剤または開始剤、
硬化促進剤、稀釈剤等とともに使用される。
【0028】本発明においては、上記の各軽量粒子およ
び熱硬化性マトリックス樹脂とともに、成形物の機械的
特性を改善したり電磁遮蔽性等の機能を付与する目的
で、あるいはマトリックス樹脂が硬化する際に発生する
反応熱を吸収して急激な温度上昇を制御し局部的な高温
部位が生じることを防止する目的で、各種の添加物を併
用することが可能である。これらの添加物の例として
は、ミルドガラス、シリコンカーバイド・ウイスカー、
マイカ、鉄粉、炭酸カルシウム、ケイ砂、各種顔料等を
あげることができる。また、使用済みの複合材料の回収
品あるいは成形時のバリのような成形屑の粉砕物を加え
ることも可能である。
【0029】本発明の複合成形物を主要部を構成する重
要な要素の一つである分離膜としては、熱硬化性マトリ
ックス樹脂は通すが上記軽量粒子は通さない分離機能を
有する薄いシート状物が使用される。すなわち、本発明
にかかわる多孔質コアを有する複合成形物の主要部(す
なわち周縁部以外)では、強化用繊維質シートを含む表
層部(スキン)形成材料と、主として軽量粒子と熱硬化
性マトリックス樹脂とからなるコア形成材料との間に、
上記の分離膜を介在させるように配置し、加熱による粒
子の膨脹または/および上下からの加圧によって該分離
膜を通してマトリックス樹脂を選択的にスキン層となる
上下の強化用繊維質シート中に浸透させる。
【0030】分離膜(分離層)としては、上記の分離機
能を有するシート状のものであれば使用可能であるが、
一般に、目開きの小さい薄手の不織布、織編物、多孔性
フィルム等が適当であり、これらは2種以上併用するこ
とも可能である。
【0031】本発明では、上記分離膜を使用する主要部
とともに周縁部も一体成形するが、該複合成形物の周縁
部においては、上記分離膜を除いた構成で成形する。す
なわち、周縁部分においては、強化用繊維質シート、軽
量粒子および熱硬化性マトリックス樹脂との混合系から
なり強化用繊維質シート中に軽量粒子および熱硬化性マ
トリックス樹脂との混合系が互いに入り込んで硬化した
成形物となるように配置し、かつ、該主要部と周縁部と
が連続的に一体化した複合成形物にしたことを特徴とし
ている。
【0032】本発明でいう複合成形物の周縁部とは、該
複合成形物を上部から投影した時の周囲部分を意味し、
金型を用いたバッチ成形物にあっては全周を、また連続
成形法による長尺ものの成形物にあっては左右両端部を
意味する。さらに、上記のような連続成形において、硬
化が完了した時点で所定の長さあるいは形状に切断する
場合には、その切断箇所に対しても上記周縁部に対する
ように分離膜を除いた状態で成形することが望ましい。
【0033】かかる周縁部において分離膜を配置しない
部分の幅(端部からの距離)は、成形物の形状、厚さ、
スキン層の厚さあるいは周縁部(端部)の接合部のエッ
ジ角度等により異なるが、通常、端部から5〜20mm
程度であり、かつ複合成形物のスキン層の厚みの5〜2
0倍とすることが好ましい。分離膜を配置しない部分の
幅をあまりに狭くし過ぎると、本発明の最大の特徴であ
る周縁部における強化用繊維、軽量粒子および熱硬化性
マトリックス樹脂の混合一体化が不充分となり、周縁部
の接合破壊の防止効果が小さくなる。一方、分離膜を配
置しない部分の幅を大きくし過ぎると、相対的にスキン
層を有する割合が少なくなり、成形品としての強度が低
下する傾向があるので好ましくない。したがって、本発
明では、通常、上記の距離の範囲内にするのが好適であ
る。
【0034】このような構造の本発明の成形物は、主要
部では分離膜を介して明瞭なスキン/コア構造を呈する
が、周縁部ではスキンとコアの構成成分が入り交じった
混合強化構造となっており、このためこの部分の剥離が
生じることなく、強度が大幅に改善される。
【0035】次に、軽量粒子として熱膨脹性樹脂粒子を
用いて上記の複合成形物を製造する方法について詳細に
説明する。
【0036】この方法では、ほぼ特公平7−12613
号公報に記載の方法に準じて成形するが、本発明では成
形物の周縁部となる部分には分離膜(分離層)を配置し
ないで成形することを最大の特徴とする。すなわち、す
でに述べたところから明らかなように、(1)該複合成
形物の主要部(周縁部以外の箇所)となる位置では、上
下の強化用繊維質シートからなるスキン形成材料と、主
として熱膨脹性樹脂粒子と熱硬化性マトリックス樹脂と
からなるコア層形成材料および両者の間に配置したマト
リックス樹脂は通すが該熱膨脹性樹脂粒子および熱膨脹
した樹脂粒子は通さない分離膜とから構成された層構造
となし、(2)該複合成形物の周縁部となる位置では、
強化用繊維質シート、熱膨脹した樹脂粒子を含む樹脂粒
子およびマトリックス樹脂とが混合した状態となし、
(3)これらを成形用の型や成形ゾーン等の制約された
空間内で昇温することにより、該熱膨脹性樹脂粒子の体
積膨脹を生ぜしめ、その圧力によって、強化用繊維質シ
ートを制約面(たとえば型の内壁面)に押しつけるとと
もに、主要部においてはマトリックス樹脂の一部を分離
膜を通過させて上下の強化用繊維シート中に浸透させる
とともに、周縁部においては該熱膨脹した樹脂粒子とマ
トリックス樹脂と強化用繊維が混在した状態となし、
(4)次いで、その状態で、全体のマトリックス樹脂を
硬化させ、固化を完了させて、主要部と周縁部とがー体
化した成形物とする。
【0037】この方法では、成形時に熱膨張性樹脂粒子
の膨張による内圧が発生するので、成形用の型(金型)
を使用するのが好ましいが、この圧力に耐え得るもので
あれば、金型以外の他の成形手段を使用しても良く、制
約された空間内で加熱するようにした成形ゾーンを有す
る装置で連続して成形を行うようにしても良い。
【0038】この方法においては、熱膨脹性樹脂粒子と
もに、圧縮性軽量粒子および剛性軽量粒子の少なくとも
一種を併用することができる。
【0039】また、本発明の複合成形物は、軽量粒子と
して圧縮性軽量粒子、剛性軽量粒子等の非膨脹性軽量粒
子を用いて成形することも出来る。この成形方法では、
本発明者らが先に提案した特願平6−183355号、
特願平6−212499号、特願平6−272268号
等で提案した方法に準じて成形されるが、この際、
(1)該複合成形物の主要部を形成する位置では、上下
の強化用繊維質シートからなるスキン形成材料と、主と
して上記軽量粒子と熱硬化性マトリックス樹脂とからな
るコア形成材料および両者の間に配置したマトリックス
樹脂は通すが該軽量粒子は通さない分離膜とから構成さ
れた層構造となし、(2)該複合成形物の周縁部を形成
する位置では、強化用繊維質シート、該軽量粒子を含む
軽量粒子およびマトリックス樹脂を混合した状態とし、
(3)これらを上下方向に加圧することにより、主要部
においては、マトリックス樹脂の一部を分離膜を通過さ
せて上下の強化用繊維質シート中に浸透させるととも
に、周縁部においては該軽量粒子とマトリックス樹脂と
強化用繊維とが混在した状態となし、(4)次いで、そ
の状態で加熱して全体のマトリックス樹脂を硬化させ、
固化を完了させて、主要部と周縁部とが一体化した成形
物とする。
【0040】この場合、軽量粒子としては、圧縮性軽量
粒子単独またはこれと剛性軽量粒子との混合物を使用す
るのが好ましい。
【0041】この方法では、成形時に熱膨張性粒子を使
用せず該粒子の膨脹による内圧を生じないので、後述の
実施例2のような金型を使用する方法のみならず、実施
例3および図3に示すような連続方式の成形法も有利に
採用し得る。
【0042】上述したいずれの方法でも、成形物は、平
板状、波板状、局面状等のほか、羽根状、ブレード状、
フィン状等任意の形状とすることができるが、成形物の
形状に応じて最も適した成形法を選べば良い。
【0043】また、いずれの方法においても、周縁部の
全部または一部に強化用繊維を追加して成形し、当該部
分おける強化繊維の量を主要部より多くすることができ
る。多くの場合、その方が周縁部の強度がより向上する
ため、好ましい。
【0044】
【発明の効果】本発明による多孔質コアを有する複合成
形物は、主要部では緻密な繊維強化樹脂(FRP)スキ
ン層の間にシンタクチックフォームからなる多孔質コア
層が存在するサンドイッチ構造を有し、全体として軽量
性、強靭性を維持しながら、その周縁部(端部)の強度
が著しく改善された軽量構造材料を提供することができ
る。このため、本発明による複合成形物は、航空機、鉄
道車両、自動車、船舶あるいはコンテナーやパレット等
の輸送機器および各種の構造材料として有用である。ま
た、医療機器、事務機器、電気通信機器、建築材料、ス
ポーツ・レジャー用品、エネルギー機器等に各種用途に
おいても有用な材料を提供する。
【0045】たとえば、バンパー、フロントパネルやエ
ア・スポイラー等の自動車や車両におけるパネル材料、
カヌーパドルやウインドサーフィンのフィン等のスポー
ツ・レジャー用品における上下対称面等の接合部、レド
ームやパラボラアンテナのような情報通信分野における
成形品、ヘリコプターのブレードやラダーのような航空
機・船舶のパネル材料、風力発電用ブレード、クーリン
グタワー用ファンブレード、茶畑、温室や屋内の空調用
ブレードや排風機のブレードのような、エッジの立った
成形品の周縁部分(端部)における接合剥離を起こし易
い構造材料において、とくに効果的である。
【0046】
【実施例】以下に、実施例および比較例によって本発明
についてより具体的に説明する。ただし、これらの実施
例および比較例は、本発明の理解を助けるためのもので
あり、これらの記載によって本発明の範囲が限定される
ものではない。なお、実施例および比較例における
「部」はとくに断らない限りすべて重量部を表わす。
【0047】[実施例1]本実施例は、金型を用いて、
図1および図2に示されるフィン形状の複合成形物をバ
ッチ方式で製造(成形)する例を示す。
【0048】なお、この例では、強化用繊維質シートと
してガラス繊維のチョップドストランドマットを、分離
膜として目開きの小さいポリエステル系不織布「ユニセ
ルBT0807W」を使用した。
【0049】図1のフイン状成形物を成形する金型の上
下型の各内面に、予め該金型の形状にあわせてカットし
たチョップドストランドマット(旭ファイバーグラス
(株)製「グラスロンCM305」;目付け300g/
2 )の各2枚ずつをそれぞれ設置し、さらに、図1に
示すフィンの全周縁部で幅を10mmずつ狭くして同様
の形状にカットしたポリエステル系不織布(ユニセル
(株)製「ユニセルBT0807W」)を上下型の各内
面のチョップドストランドマットの上に配置した。さら
に、下型のフロントエッジ側(図1の斜線部分)に、追
加の強化用繊維として15mm幅にカットした上記と同
じチョップドストランドマットを6プライ重ねてセット
した。
【0050】次に、マトリックス樹脂としてエポキシ樹
脂(大日本インキ(株)製「エピクロン850」/イソ
ホロンジアミン/BF3 ・MEA(三フッ化ホウ素モノ
エチルアミン錯体系)の重量比100/24/1の混合
物)と、軽量粒子としてポリアクリロニトリル系共重合
体からなる熱膨脹性樹脂粒子(松本油脂製薬(株)製
「マツモトマイクロスフェアーTEM−8」)とガラス
バルーン(住友スリーエム(株)製「グラスバブルスK
−1」)からなる剛性軽量粒子との混合物(重量比で4
0/60)とを、樹脂/粒子の重量比=20/80で混
合してペースト状樹脂混合物を調製し、この樹脂混合物
を上記下型の内部に充填した後、金型を閉じた。
【0051】しかる後、上記の金型を、130℃に加熱
した恒温槽中に漬けて加熱した。この間、熱膨脹性樹脂
粒子の膨脹によって金型内部の圧力が上昇し、最高点に
達してから、さらに4分間保持した後、金型を開いて成
形物を取り出した。
【0052】かくして得られた多孔質コアを有するフィ
ン形状の軽量複合成形物における図1のX−X切断面の
断面図は、概略、図2に示すような構成で、フィン形状
の成形物のほとんどの部分(主要部)では、分離膜
(2)を介して繊維強化樹脂(FRP)からなるスキン
層(1)と熱膨張した樹脂粒子およびガラスバルーンか
らなる軽量粒子と硬化したエポキシ樹脂とで構成される
シンタクチックフォームの多孔質コア層(4)とを有す
るが、フロントエッジ部分は、分離膜は存在せず追加の
強化用繊維(3)と軽量粒子とマトリックス樹脂とが均
質に混合して硬化した状態にあり、該フロントエッジ部
分の平均繊維含有率Vfは約15%(容量)であった。
また、上記フィン状成形物の比重は0.75であり、軽
量であることが確認された。
【0053】この複合成形物を、図2に示した成形物断
面を観察するため、約1mm厚のサンプルをスライスし
たが、スライスにより周縁部の剥離等の変化は起こらな
かった。
【0054】[比較例1]上記の実施例1で示したフィ
ン形状の成形物を成形するに際して、該成形物の形状・
寸法のまま(周縁部のカットなし)の分離膜を使用し、
かつ、フロントエッジ部分の15mm幅のチョップドス
トランドマットは追加をせずに、実施例1と同様な成形
を試みた。かくして得られたフィン形状の成形品は、外
観上は実施例1と類似のものであったが、上記のような
サンプルスライスに際して、エッジ部分に小な亀裂ある
いは接合剥離が起こった。
【0055】[実施例2]本実施例は、金型を用いて、
平板状の複合成形物をバッチ方式で製造(成形)する例
を示す。
【0056】不飽和ポリエステル樹脂(大日本インキ
(株)製「ポリライトFG104N」)100部、硬化
剤(ベンゾイルパーオキサイドとクメンハイドロパーオ
キサイドの混合物)1.4部および硬化促進剤(ジメチ
ルアニリン)6部を良く混合した後、この樹脂組成物
に、軽量粒子として圧縮性軽量粒子(松本油脂製薬
(株)製「マツモトマイクロスフェアーLF−100C
A」=ポリアクリロニトリル系共重合体からなる平均粒
径0.1〜1mmの発泡済微小中空粒子で、比重約0.
13のもの)7.8部および剛性軽量粒子(住友スリー
エム(株)製「グラスバブルスK−1」=粒径0.1〜
1mm、比重0.125の中空ガラス粒子)10.6部
を添加混合して、樹脂混合物を調製した。
【0057】一方、830×553mmのサイズにカッ
トしたガラスサーフェイシングマットを1枚、目付け3
00g/m2 のチョップドストランドマット(旭ファイ
バーグラス(株)製「グラスロンCM305」)を2枚
積層し、その上に、800×523mmにカットした分
離膜(ユニセル(株)製の目付け40g/m2 のポリエ
ステル系不織布「ユニセルBT0908W」)を上記ガ
ラスマットと中央位置が同じになるよう配置した。さら
に、周囲に20mm幅にカットした上記と同じチョップ
ドストランドマットを6プライ重ねて枠取りした後、上
記で調製した樹脂混合物を圧縮率が約40体積%になる
量、ほぼ均質な厚みになるように層状に供給した。
【0058】さらに、その上から、上記の積層と対称的
に、同様の分離膜、チョップドストランドマット、サー
フェシングマットを順次重合わせた後、全体を上下方向
に加圧してマトリックス樹脂(不飽和ポリエステル樹脂
組成物)を上下に配置したチョップドストランドマット
(強化用繊維質シート層)に充分浸透させた。
【0059】かくして調製した積層物を、予め100℃
に加熱した830×553×7.5mm(t)の平板状
の金型内にセットし、金型を閉じた後、6分間保持し
た。金型を冷却した後、型を開いて成形物を取り出し
た。
【0060】得られた成形物の表面は良好であり、総重
量から算出した比重は約0.5と優れた軽量性を示し
た。また、この成形物の周囲端面は強靭で、本発明によ
る周縁部の強化繊維・軽量粒子・マトリックス樹脂の一
体化構造による効果が確認できた。
【0061】[実施例3]本実施例では、図3に示す成
形装置を用い、連続方式でパネル状の複合成形物を製造
する例を示す。
【0062】実施例2と同様の不飽和ポリエステル樹
脂、硬化剤・硬化促進剤、圧縮性軽量粒子および剛性軽
量粒子からなる樹脂混合物を、図3に示す成形装置の樹
脂混合器(14)に、圧縮性軽量粒子の圧縮率が10体
積%になるように供給した。一方、それぞれローラー
(15)にて連続的に供給されるポリエステルフィルム
(10)と強化用繊維質シート(11)とそれよりも若
干幅の小さい分離膜(12)とを重ね合わせ、さらに、
その両側の周縁部分のみ追加の強化用繊維(13、13
´)を重ね合わせ、その上に樹脂混合器(14)から上
記樹脂混合物を塗布した。この段階の積層体の内部構成
は、図4に示すように、ポリエステルフィルム(10)
上に、強化用繊維質シート(11)、それより若干幅の
小さい分離膜(12)を重ね、その左右両端部に強化繊
維(追加分)(13、13´)を配置し、その上に上記
の樹脂混合物を広げた状態となっている。
【0063】そして、この積層体上に分離膜(12´)
と強化用繊維質シート(11´)とポリエステルフィル
ム(10´)を重ね合わせ、強化用繊維質シート/分離
膜/樹脂混合物/分離膜/強化用繊維質シートからなる
積層体を作成し、該積層体を上下からポリエステルフィ
ルム(10、10´)で挟み込んだ状態で、加熱ローラ
(17、17´)で駆動される金属エンドレスベルト
(16、16´)で搬送し、加熱函(19)に供給し
た。
【0064】かくして上記積層体中の樹脂混合物は加熱
函(19)内の加熱ローラ(18)で圧縮され、内側の
主要部では分離膜(12、12´)を通してマトリック
ス樹脂が搾り出され、上下の強化用繊維質シート層に浸
透する。同時に両端部に配置した追加の強化用繊維(1
3、13´)にも樹脂混合物が浸透して、この部分では
強化用繊維/軽量粒子/マトリックス樹脂が混合した状
態となり、全構成成分がー体構造として硬化した。かく
して得られた成形物を5cm/分で引き取り、表面に付
着しているポリエステルフィルムを剥離した。
【0065】得られた複合成形物は、ボイドやウネリが
無く表面性に優れ、密度0.53g/cm3 と軽量性が
良好で、かつ両端部(周縁部)も強靭であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により得られる多孔質コアを含有する複
合成形物の1例を示すもので、フィン形状の成形物の全
体図。
【図2】図1に示すフィン形状の成形物の、X−X切断
面における断面図。
【図3】本発明を実施する連続成形装置の1例を示す概
略図。
【図4】図3に示す連続成形装置上で流れる本発明にお
ける材料構成の模式図。
【符号の説明】
1:繊維強化樹脂(FRP)からなるスキン層 2:分離膜 3:強化用繊維を追加した部分 4:熱硬化性マトリックス樹脂と軽量粒子とから形成さ
れる多孔質コア層 5:フロントエッジ 10,10´:ポリエステルフィルム 11,11´:強化用繊維質シート 12,12´:分離膜 13,13´:追加の強化用繊維 14:樹脂混合物の供給器 15:ローラ 16,16´:金属製のエンドレスベルト 17,17´:加熱ドラム 18:加熱ローラ 19:加熱函
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:06 B29L 9:00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)複合成形物の主要部が、上下に位
    置する繊維強化樹脂からなる緻密なスキン層、軽量粒子
    と硬化マトリックス樹脂とから主としてなる多孔質コア
    層、およびこれらの各層間に配置されたマトリックス樹
    脂は通すが軽量粒子は通さない分離膜により構成された
    多層構造であり、(b)該複合成形物の周縁部が、強化
    繊維、軽量粒子および硬化マトリックス樹脂により構成
    された強化構造であり、しかも、(c)該主要部と該周
    縁部とが連続的に一体構造となっている、ことを特徴と
    する周縁部が強化された軽量複合成形物。
  2. 【請求項2】 軽量粒子が、熱膨脹性樹脂粒子を成形時
    に熱膨脹させた軽量粒子、圧縮性軽量粒子および剛性軽
    量粒子からなる群より選ばれた1種または2種以上の粒
    子であることを特徴とする請求項1に記載の軽量複合成
    形物。
  3. 【請求項3】 軽量粒子が、熱膨脹性樹脂粒子を成形時
    に熱膨脹させた気泡含有粒子であることを特徴とする請
    求項1または請求項2に記載の軽量複合成形物。
  4. 【請求項4】 軽量粒子が、平均粒径0.01〜5mm
    の圧縮性軽量粒子および/または平均粒径0.01〜5
    mmの剛性軽量粒子であることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2に記載の軽量複合成形物。
  5. 【請求項5】 周縁部分の強化用繊維の含有量を主要部
    分の含有量より高めた請求項1〜請求項4のいずれかに
    記載の軽量複合成形物。
  6. 【請求項6】 上下の強化用繊維質シート、熱膨張性樹
    脂粒子と熱硬化性マトリックス樹脂とを含む多孔質コア
    形成材料およびこれらの間に該マトリックス樹脂は通す
    が熱膨脹後の該粒子は通さない分離膜を配置して、強化
    用繊維質シート/分離膜/コア形成材料/分離膜/強化
    用繊維質シートからなる積層体を形成し、これを制約さ
    れた空間内で昇温して熱膨脹性樹脂粒子の体積膨脹を生
    ぜしめるとともにマトリックス樹脂を硬化させることに
    より、繊維強化樹脂からなる緻密なスキン層および主と
    して軽量粒子と硬化マトリックス樹脂からなる多孔質コ
    ア層により構成された軽量複合成形物を製造するに際
    し、(1)成形後に該複合成形物の主要部となる位置で
    は、上下の強化用繊維質シートおよび熱膨脹性樹脂粒子
    と熱硬化性マトリックス樹脂とを含むコア形成材料を、
    両者の間に該マトリックス樹脂は通すが熱膨脹した樹脂
    粒子は通さない分離膜を介在させて配置し、(2)成形
    後に該複合成形物の周縁部となる位置では、上下の強化
    用繊維質シートおよび熱膨脹性樹脂粒子と熱硬化性マト
    リックス樹脂とを含む多孔質コア形成材料を、分離膜を
    介在させずに配置し、(3)これらを昇温することによ
    り、熱膨脹性樹脂粒子の体積膨脹を生ぜしめ、主要部に
    おいてはマトリックス樹脂の一部を分離膜を通過させて
    上下の強化用繊維質シート中に浸透させるとともに、周
    縁部においては熱膨脹した樹脂粒子とマトリックス樹脂
    と強化用繊維とが混在した状態となし、(4)次いで、
    その状態でマトリックス樹脂を硬化させ、固化を完了さ
    せることにより、上記主要部と周縁部とが一体化した成
    形物とする、ことを特徴とする周縁部が強化された軽量
    複合成形物の製造方法。
  7. 【請求項7】 熱膨脹性樹脂粒子が、平均粒径が1μm
    〜5mmの粒子であることを特徴とする請求項6に記載
    の軽量複合成形物の製造方法。
  8. 【請求項8】 熱膨脹性樹脂粒子のほかに、さらに平均
    粒径が0.01mm〜5mmの剛性軽量粒子を含むこと
    を特徴とする請求項6または請求項7に記載の軽量複合
    成形物の製造方法。
  9. 【請求項9】 上下の強化用繊維質シート、圧縮性軽量
    粒子および/または剛性軽量粒子を含む軽量粒子と熱硬
    化性マトリックス樹脂とから主してなる多孔質コア形成
    材料およびこれらの間に該マトリックス樹脂は通すが該
    軽量粒子は通さない分離膜を配置して、強化用繊維質シ
    ート/分離膜/コア形成材料/分離膜/強化用繊維質シ
    ートからなる積層体を形成し、これを厚さ方向に加圧し
    てマトリックス樹脂を上下の強化用繊維質シートに浸透
    させた状態で昇温しマトリックス樹脂を硬化させて、繊
    維強化樹脂からなる緻密なスキン層と主として軽量粒子
    と硬化マトリックス樹脂からなる多孔質コア層とから構
    成された軽量複合成形物を製造するに際し、(1)成形
    後に複合成形物の主要部となる位置では、上下の強化用
    繊維質シート、軽量粒子と熱硬化性マトリックス樹脂と
    から主してなる多孔質コア形成材料およびこれらの間に
    熱硬化性マトリックス樹脂は通すが該軽量粒子は通さな
    い分離膜を配置し、(2)成形後に複合成形物の周縁部
    となる位置では、上下の強化用繊維質シートおよび圧縮
    性軽量粒子を含む軽量粒子と熱硬化性マトリックス樹脂
    との混合物から主としてなる多孔質コア形成材料を、分
    離膜を介在させずに配置し、(3)これらを厚さ方向に
    加圧することにより、主要部においてはマトリックス樹
    脂の一部を分離膜を通過させて上下の強化用繊維質シー
    ト中に浸透させるとともに、周縁部においては該軽量粒
    子とマトリックス樹脂と強化用繊維が混在した状態とな
    し、(4)次いで、その状態で熱硬化性マトリックス樹
    脂を硬化させ、固化を完了させることにより、上記主要
    部と周縁部とが一体化した成形物とする、ことを特徴と
    する周縁部が強化された軽量複合成形物の製造方法。
  10. 【請求項10】 軽量粒子が、平均粒径が0.01〜5
    mmの中空粒子であることを特徴とする請求項9に記載
    の軽量複合成形物の製造方法。
  11. 【請求項11】 軽量粒子として、圧縮性軽量粒子と剛
    性軽量粒子の両者を用いることを特徴とする請求項9ま
    たは請求項10に記載の軽量複合成形物の製造方法。
  12. 【請求項12】 周縁部となる位置に追加の強化用繊維
    を配置して成形する請求項6〜請求項11のいずれかに
    記載の軽量複合成形物の製造方法。
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