JPH07100847A - 高表面品質複合成形品の製造方法 - Google Patents
高表面品質複合成形品の製造方法Info
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- JPH07100847A JPH07100847A JP5274810A JP27481093A JPH07100847A JP H07100847 A JPH07100847 A JP H07100847A JP 5274810 A JP5274810 A JP 5274810A JP 27481093 A JP27481093 A JP 27481093A JP H07100847 A JPH07100847 A JP H07100847A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 表面平滑性、表面耐熱性に優れた、表層部と
芯部に発泡コアを有する高表面品質複合成形品を提供す
る。 【構成】 成形用の型内にガラスサーフェイスマットの
ような表層部形成材料、ガラスマットのような繊維状補
強材、不織布のような分離材料を配置し、その中に発泡
性樹脂粒子および液状成形樹脂の混合物を入れ、金型を
閉じて加熱成形することにより表層部と芯部に発泡コア
を有する複合成形品を製造するに際し、ろ過抵抗の異な
る2種類以上の分離材料を用いるか、あるいは発泡開始
温度の異なる2種類以上の発泡性樹脂粒子を用いること
により、繊維状補強材の表層部形成材料への不均一押圧
を防止し、高表面品質の複合成形品を得る。
芯部に発泡コアを有する高表面品質複合成形品を提供す
る。 【構成】 成形用の型内にガラスサーフェイスマットの
ような表層部形成材料、ガラスマットのような繊維状補
強材、不織布のような分離材料を配置し、その中に発泡
性樹脂粒子および液状成形樹脂の混合物を入れ、金型を
閉じて加熱成形することにより表層部と芯部に発泡コア
を有する複合成形品を製造するに際し、ろ過抵抗の異な
る2種類以上の分離材料を用いるか、あるいは発泡開始
温度の異なる2種類以上の発泡性樹脂粒子を用いること
により、繊維状補強材の表層部形成材料への不均一押圧
を防止し、高表面品質の複合成形品を得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高表面品質複合成形品
の製造方法に関し、さらに詳細には(イ)繊維状補強材
を含有する樹脂層よりなる表層部と、(ロ)発泡コアか
らなる軽量な芯部とにより一体化された高表面品質複合
成形品の製造方法に関する。
の製造方法に関し、さらに詳細には(イ)繊維状補強材
を含有する樹脂層よりなる表層部と、(ロ)発泡コアか
らなる軽量な芯部とにより一体化された高表面品質複合
成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】芯部に発泡コアを有するFRP複合成形
品は、軽量性と強靱性に優れているため、スポーツ用品
分野、自動車・電車・航空機・船舶など輸送機器の構造
材、内外装部材、医療機器、通信機器など極めて広い用
途がある。
品は、軽量性と強靱性に優れているため、スポーツ用品
分野、自動車・電車・航空機・船舶など輸送機器の構造
材、内外装部材、医療機器、通信機器など極めて広い用
途がある。
【0003】芯部に発泡コアを有するFRP複合成形品
は、軽量性と強靱性に優れているため、スポーツ分野、
自動車・電車・航空機・船舶などの輸送機器の構造材、
内外装部材、医療機器、通信機器など、極めて広い用途
がある。芯部に発泡コアを有するFRP複合成形品の製
造としては、例えば芯部に発泡コアをあらかじめ成形
し、これを強化材としての織布で包んだのち、改めて型
に挿入し、液状成形樹脂を注入して外殻を形成する方法
(特開昭55−82612号公報、特開昭61−279
517号公報参照)、あるいは外殻のFRPをあらかじ
め成形しておき、その中心部の空隙内に発泡性ウレタン
樹脂などを注入して空隙内で発泡させる方法などが知ら
れている。
は、軽量性と強靱性に優れているため、スポーツ分野、
自動車・電車・航空機・船舶などの輸送機器の構造材、
内外装部材、医療機器、通信機器など、極めて広い用途
がある。芯部に発泡コアを有するFRP複合成形品の製
造としては、例えば芯部に発泡コアをあらかじめ成形
し、これを強化材としての織布で包んだのち、改めて型
に挿入し、液状成形樹脂を注入して外殻を形成する方法
(特開昭55−82612号公報、特開昭61−279
517号公報参照)、あるいは外殻のFRPをあらかじ
め成形しておき、その中心部の空隙内に発泡性ウレタン
樹脂などを注入して空隙内で発泡させる方法などが知ら
れている。
【0004】しかしながら、上記の技術は、いずれも複
合成形品を得るための工程が多岐にわたり操作が繁雑で
あり、そのため成形品の生産効率が低く、コスト高にな
るという欠点を有している。これらの欠点を改善するも
のとして、発泡性樹脂粒子と液状成形樹脂を使用し、発
泡コアと繊維状補強材を含有する樹脂層よりなる表層部
を同時に成形する技術が、特開平3−183511号公
報、特開平3−180329号公報、特開平3−453
15号公報、特開平3−288629号公報、特開平4
−27532号公報などに提案されている。
合成形品を得るための工程が多岐にわたり操作が繁雑で
あり、そのため成形品の生産効率が低く、コスト高にな
るという欠点を有している。これらの欠点を改善するも
のとして、発泡性樹脂粒子と液状成形樹脂を使用し、発
泡コアと繊維状補強材を含有する樹脂層よりなる表層部
を同時に成形する技術が、特開平3−183511号公
報、特開平3−180329号公報、特開平3−453
15号公報、特開平3−288629号公報、特開平4
−27532号公報などに提案されている。
【0005】これらの先行技術によると、型のキャビテ
ィ内壁面に強化繊維シートのごとき表層部形成用の材料
および/または目開きの小さい織物、不織布などの分離
層(分離材料)を配置し、その内側の部分に予熱した発
泡性樹脂粒子および液状成形樹脂の混合物を入れ、金型
を閉じて加熱すると、発泡性樹脂粒子が膨張し、これに
より表層部形成材料を型のキャビティ内壁面に押し付け
ることにより、強靱な表層部と発泡コアからなる芯部を
有する軽量な複合成形品を得るものである。
ィ内壁面に強化繊維シートのごとき表層部形成用の材料
および/または目開きの小さい織物、不織布などの分離
層(分離材料)を配置し、その内側の部分に予熱した発
泡性樹脂粒子および液状成形樹脂の混合物を入れ、金型
を閉じて加熱すると、発泡性樹脂粒子が膨張し、これに
より表層部形成材料を型のキャビティ内壁面に押し付け
ることにより、強靱な表層部と発泡コアからなる芯部を
有する軽量な複合成形品を得るものである。
【0006】しかし、この成形方法において得られる複
合成形品を型から取り出す際に、充分に冷却しないと、
発泡性樹脂により生じる内圧の影響で、成形品が変形す
る。これを防止し、成形品を充分に冷却する前に取り出
すことができれば、成形サイクルを短くすることができ
る。しかしながら、成形時に充分に内圧がかからなけれ
ば、成形品の表面性および表面の耐熱性が不充分とな
る。
合成形品を型から取り出す際に、充分に冷却しないと、
発泡性樹脂により生じる内圧の影響で、成形品が変形す
る。これを防止し、成形品を充分に冷却する前に取り出
すことができれば、成形サイクルを短くすることができ
る。しかしながら、成形時に充分に内圧がかからなけれ
ば、成形品の表面性および表面の耐熱性が不充分とな
る。
【0007】また、この成形法において得られる複合成
形品は、表層部に存在する樹脂の硬化収縮により表面に
小さなボイドが見られ、自動車の外板用材料のような外
観が重視される用途に対しては充分な表面平滑性がある
とはいえない。また、成形後の発泡コアとなる部分に供
給する発泡性樹脂粒子と液状成形樹脂に、いわゆる低収
縮化剤、発泡性樹脂粒子または充填剤をあらかじめ混合
しておいても、成形に際して分離層を透過できなかった
りして、表層部まで達することができず、期待される良
好な表面平滑性が得られない。
形品は、表層部に存在する樹脂の硬化収縮により表面に
小さなボイドが見られ、自動車の外板用材料のような外
観が重視される用途に対しては充分な表面平滑性がある
とはいえない。また、成形後の発泡コアとなる部分に供
給する発泡性樹脂粒子と液状成形樹脂に、いわゆる低収
縮化剤、発泡性樹脂粒子または充填剤をあらかじめ混合
しておいても、成形に際して分離層を透過できなかった
りして、表層部まで達することができず、期待される良
好な表面平滑性が得られない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の課題を背景になされたもので、成形サイクルを短く
することができ、かつ表面平滑性、表面耐熱性に優れ
た、表層部と芯部に発泡コアを有する高表面品質複合成
形品を提供することを目的とする。
術の課題を背景になされたもので、成形サイクルを短く
することができ、かつ表面平滑性、表面耐熱性に優れ
た、表層部と芯部に発泡コアを有する高表面品質複合成
形品を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも液
状成形樹脂により所定の形状に成形された表層部および
発泡コアからなる芯部を有する複合成形品を製造するに
あたり、(a)成形用の型内に、少なくとも表層部形
成材料/ろ過抵抗の大きい分離材料a/繊維状補強
材/ろ過抵抗の小さい分離材料b/発泡性樹脂粒子
および液状成形樹脂を含む混合物/′ろ過抵抗の小さ
い分離材料b/′繊維状補強材、の順に設置するこ
と、(b)型を閉じたのち、型の所定領域を充分高い温
度まで加熱することおよび/または前記液状成形樹脂の
反応熱による温度上昇により、芯部に位置する発泡性樹
脂粒子を加熱発泡させて体積膨張を生じさせ、これによ
り表層部形成材料を型の内部制約面に対して押しつける
こと、(c)液状成形樹脂を硬化させること、そして、
(d)得られた複合成形品を型から取り出すこと、を特
徴とする高表面品質複合成形品の製造方法(以下「第1
製造方法」ともいう)である。
状成形樹脂により所定の形状に成形された表層部および
発泡コアからなる芯部を有する複合成形品を製造するに
あたり、(a)成形用の型内に、少なくとも表層部形
成材料/ろ過抵抗の大きい分離材料a/繊維状補強
材/ろ過抵抗の小さい分離材料b/発泡性樹脂粒子
および液状成形樹脂を含む混合物/′ろ過抵抗の小さ
い分離材料b/′繊維状補強材、の順に設置するこ
と、(b)型を閉じたのち、型の所定領域を充分高い温
度まで加熱することおよび/または前記液状成形樹脂の
反応熱による温度上昇により、芯部に位置する発泡性樹
脂粒子を加熱発泡させて体積膨張を生じさせ、これによ
り表層部形成材料を型の内部制約面に対して押しつける
こと、(c)液状成形樹脂を硬化させること、そして、
(d)得られた複合成形品を型から取り出すこと、を特
徴とする高表面品質複合成形品の製造方法(以下「第1
製造方法」ともいう)である。
【0010】この第1製造方法において、(a)工程の
′繊維状補強材の後に、さらに′ろ過抵抗の大きい
分離材料a/′表層部形成材料を設置すると、両面と
もに優れた高表面品質の複合成形品が得られる。
′繊維状補強材の後に、さらに′ろ過抵抗の大きい
分離材料a/′表層部形成材料を設置すると、両面と
もに優れた高表面品質の複合成形品が得られる。
【0011】また、本発明は、少なくとも液状成形樹脂
により所定の形状に成形された表層部および発泡コアか
らなる芯部を有する複合成形品を製造するにあたり、
(a)成形用の型内に、少なくとも表層部形成材料/
分離材料/繊維状補強材/高温発泡性樹脂粒子a
/分離材料/高温発泡性樹脂粒子aより低温で発泡
する低温発泡性樹脂粒子bおよび液状成形樹脂の混合物
/′分離材料/′表層部形成材料、の順に設置する
こと、(b)型を閉じたのち、型の所定領域を充分高い
温度まで加熱することおよび/または前記液状成形樹脂
の反応熱による温度上昇により、芯部に位置する低温発
泡性樹脂粒子b、高温発泡性樹脂aを順次加熱発泡させ
て体積膨張を生じさせ、これにより表層部形成材料を型
の内部制約面に対して押しつけること、(c)液状成形
樹脂を硬化させること、そして、(d)得られた複合成
形品を型から取り出すこと、を特徴とする高表面品質複
合成形品の製造方法(以下「第2製造方法」ともいう)
である。
により所定の形状に成形された表層部および発泡コアか
らなる芯部を有する複合成形品を製造するにあたり、
(a)成形用の型内に、少なくとも表層部形成材料/
分離材料/繊維状補強材/高温発泡性樹脂粒子a
/分離材料/高温発泡性樹脂粒子aより低温で発泡
する低温発泡性樹脂粒子bおよび液状成形樹脂の混合物
/′分離材料/′表層部形成材料、の順に設置する
こと、(b)型を閉じたのち、型の所定領域を充分高い
温度まで加熱することおよび/または前記液状成形樹脂
の反応熱による温度上昇により、芯部に位置する低温発
泡性樹脂粒子b、高温発泡性樹脂aを順次加熱発泡させ
て体積膨張を生じさせ、これにより表層部形成材料を型
の内部制約面に対して押しつけること、(c)液状成形
樹脂を硬化させること、そして、(d)得られた複合成
形品を型から取り出すこと、を特徴とする高表面品質複
合成形品の製造方法(以下「第2製造方法」ともいう)
である。
【0012】この第2製造方法において、(a)工程の
混合物と′分離材料との間に、さらに′分離材料
/′高温発泡性樹脂粒子a/′繊維状補強材を設置
すると、両面ともに優れた高表面品質の複合成形品が得
られる。
混合物と′分離材料との間に、さらに′分離材料
/′高温発泡性樹脂粒子a/′繊維状補強材を設置
すると、両面ともに優れた高表面品質の複合成形品が得
られる。
【0013】以下、本発明を第1製造方法と第2製造方
法に分けて説明する。第1製造方法 第1製造方法では、(a)工程において、分離度の異な
る2種類以上の分離材料(分離膜)を用いることに大き
な特徴を有するものである。すなわち、第1製造方法に
おいて、加熱時、未発泡または発泡初期の小さい発泡粒
子の一部は、〜′ろ過抵抗の小さい分離材料bを通
り、〜′ろ過抵抗の大きい分離材料aで堰き止めら
れる。この小さい発泡粒子と〜′ろ過抵抗の大きい
分離材料aが、〜′表層部形成材料と〜′繊維
状補強材との間でクッション体の役割を果たし、〜
′繊維状補強材が、直接、〜′表層部形成材料を
不均一に押圧することを防止するとともに、成形時に充
分な内圧がかかるため、均一で強化材料体積率の高い層
ができる。その結果、熱安定性の良好な高表面品質を有
する複合成形品が得られる。
法に分けて説明する。第1製造方法 第1製造方法では、(a)工程において、分離度の異な
る2種類以上の分離材料(分離膜)を用いることに大き
な特徴を有するものである。すなわち、第1製造方法に
おいて、加熱時、未発泡または発泡初期の小さい発泡粒
子の一部は、〜′ろ過抵抗の小さい分離材料bを通
り、〜′ろ過抵抗の大きい分離材料aで堰き止めら
れる。この小さい発泡粒子と〜′ろ過抵抗の大きい
分離材料aが、〜′表層部形成材料と〜′繊維
状補強材との間でクッション体の役割を果たし、〜
′繊維状補強材が、直接、〜′表層部形成材料を
不均一に押圧することを防止するとともに、成形時に充
分な内圧がかかるため、均一で強化材料体積率の高い層
ができる。その結果、熱安定性の良好な高表面品質を有
する複合成形品が得られる。
【0014】本発明では、まず型を準備する。その際使
用される型は、成形時に実質的に密閉することが可能で
あり、成形圧力温度に耐え得るものであればよく、通
常、ハンドレイアップ法、RTM法(Resin Tr
ansfer Molding法)、またはRIM法
(Reaction Injection Moldi
ng法)などの成形方法に使用される型が使用可能であ
る。型の材質としては、金型、木型あるいは樹脂型のい
ずれであっても差し支えない。
用される型は、成形時に実質的に密閉することが可能で
あり、成形圧力温度に耐え得るものであればよく、通
常、ハンドレイアップ法、RTM法(Resin Tr
ansfer Molding法)、またはRIM法
(Reaction Injection Moldi
ng法)などの成形方法に使用される型が使用可能であ
る。型の材質としては、金型、木型あるいは樹脂型のい
ずれであっても差し支えない。
【0015】この型内、すなわちこの型のキャビティ内
壁面に沿って、表層部形成材料/ろ過抵抗の大きい
分離材料a/繊維状補強材/ろ過抵抗の小さい分離
材料b/発泡性樹脂粒子および液状成形樹脂を含む混
合物/′ろ過抵抗の小さい分離材料b/′繊維状補
強材、さらに必要に応じて′ろ過抵抗の大きい分離材
料a/′表層部形成材料を設置する。ここで、〜
′表層部形成材料は、表層部に配置される以外は、実
質的に〜′繊維状補強材と同様の材料が用いられ
る。また、〜′ろ過抵抗の大きい分離材料aは、
〜′ろ過抵抗の小さい分離材料bに較べてろ過抵抗が
大きい以外は、分離材料bと同様の材料が用いられる。
繊維状補強材および/または分離材料の例は、先に挙げ
た特開平4−27532号公報などに詳しく記載されて
いる。
壁面に沿って、表層部形成材料/ろ過抵抗の大きい
分離材料a/繊維状補強材/ろ過抵抗の小さい分離
材料b/発泡性樹脂粒子および液状成形樹脂を含む混
合物/′ろ過抵抗の小さい分離材料b/′繊維状補
強材、さらに必要に応じて′ろ過抵抗の大きい分離材
料a/′表層部形成材料を設置する。ここで、〜
′表層部形成材料は、表層部に配置される以外は、実
質的に〜′繊維状補強材と同様の材料が用いられ
る。また、〜′ろ過抵抗の大きい分離材料aは、
〜′ろ過抵抗の小さい分離材料bに較べてろ過抵抗が
大きい以外は、分離材料bと同様の材料が用いられる。
繊維状補強材および/または分離材料の例は、先に挙げ
た特開平4−27532号公報などに詳しく記載されて
いる。
【0016】すなわち、繊維状補強材としては、一般に
プラスチックの強化のために使用される繊維状の材料が
使用される。この繊維状の材料としては、ガラス繊維、
炭素繊維、シリコン・カーバイト繊維、金属繊維、アラ
ミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリオレフィン繊維、
およびこれらの2種以上の混合繊維が好ましい。これら
の繊維のほかに、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、
ビスコース繊維、天然繊維、または石綿なども使用する
ことができる。これらの繊維は、短繊維であっても長繊
維であってもよく、またウィスカーであってもよいが、
長繊維、特に連続繊維が好ましい。これらの繊維状材料
は、一般に繊維構造体として使用されるのが好ましい。
すなわち、この繊維状補強材は、織物(平織り、スダレ
織り、綾織りなど)、編物、不織布、UD糸(一方向配
列フィラメント)、またはウエッブであるのが有利であ
る。これらの形態は、平坦なものに限らず、三次元織
物、三次元編物でもよく、またブレードチューブのよう
なものでもよい。短繊維あるいはウィスカー(例えば、
シリコンカーバイトウィスカー、炭素ウィスカー、酸化
ケイ素ウィスカーなど)は、それ自体としては、表層部
における補強材として使用することは適当ではないが、
ウエッブや不織布の一部の材料として使用することがで
きる。なお、表面性を良くする目的でよく用いられるサ
ーフェスマットのようなものを、繊維状補強材に被せて
使用することがある。ここでは、このような場合も一体
として繊維状補強材と称する。
プラスチックの強化のために使用される繊維状の材料が
使用される。この繊維状の材料としては、ガラス繊維、
炭素繊維、シリコン・カーバイト繊維、金属繊維、アラ
ミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリオレフィン繊維、
およびこれらの2種以上の混合繊維が好ましい。これら
の繊維のほかに、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、
ビスコース繊維、天然繊維、または石綿なども使用する
ことができる。これらの繊維は、短繊維であっても長繊
維であってもよく、またウィスカーであってもよいが、
長繊維、特に連続繊維が好ましい。これらの繊維状材料
は、一般に繊維構造体として使用されるのが好ましい。
すなわち、この繊維状補強材は、織物(平織り、スダレ
織り、綾織りなど)、編物、不織布、UD糸(一方向配
列フィラメント)、またはウエッブであるのが有利であ
る。これらの形態は、平坦なものに限らず、三次元織
物、三次元編物でもよく、またブレードチューブのよう
なものでもよい。短繊維あるいはウィスカー(例えば、
シリコンカーバイトウィスカー、炭素ウィスカー、酸化
ケイ素ウィスカーなど)は、それ自体としては、表層部
における補強材として使用することは適当ではないが、
ウエッブや不織布の一部の材料として使用することがで
きる。なお、表面性を良くする目的でよく用いられるサ
ーフェスマットのようなものを、繊維状補強材に被せて
使用することがある。ここでは、このような場合も一体
として繊維状補強材と称する。
【0017】また、ろ過抵抗の大きい分離材料aは、発
泡性樹脂粒子を実質的に通過させないが、流動性のある
液状成形樹脂を通過し得るものである。他方、ろ過抵抗
の小さい分離材料bは、液状成形樹脂が容易に通過し、
かつ発泡性樹脂粒子が未発泡または発泡初期の小さい発
泡性樹脂粒子の一部は通過するが、発泡した発泡性樹脂
粒子は実質的に通過させないものであることが必要であ
る。さらに、分離材料として望まれる性能は、発泡性樹
脂粒子の集合体の体積膨張の結果、その圧力に耐え得る
ものであることが必要である。体積膨張の結果、分離材
料が破れたり、あるいは穴が開いて、発泡性樹脂粒子が
分離材料を通過すると、分離膜内と繊維状補強材部で差
圧がとれなくなり、充分に繊維状補強材を金型に押しつ
けることができないので、薄いスキン層を得ることが困
難となる。本発明の複合成形品の性能を達成するため
に、分離材料の目開き、強度あるいは孔の大きさは、使
用される発泡性樹脂粒子の大きさおよび形状に基づいて
選択されるべきである。これに反し、発泡性樹脂粒子が
実質的に通過し得る分離材料を使用すると、表層部に気
泡含有粒子が含まれることになり、その結果、得られる
複合成形品は満足すべき強度を有しなかったり、また外
観が劣悪なものとなり、商品価値が低くなる。
泡性樹脂粒子を実質的に通過させないが、流動性のある
液状成形樹脂を通過し得るものである。他方、ろ過抵抗
の小さい分離材料bは、液状成形樹脂が容易に通過し、
かつ発泡性樹脂粒子が未発泡または発泡初期の小さい発
泡性樹脂粒子の一部は通過するが、発泡した発泡性樹脂
粒子は実質的に通過させないものであることが必要であ
る。さらに、分離材料として望まれる性能は、発泡性樹
脂粒子の集合体の体積膨張の結果、その圧力に耐え得る
ものであることが必要である。体積膨張の結果、分離材
料が破れたり、あるいは穴が開いて、発泡性樹脂粒子が
分離材料を通過すると、分離膜内と繊維状補強材部で差
圧がとれなくなり、充分に繊維状補強材を金型に押しつ
けることができないので、薄いスキン層を得ることが困
難となる。本発明の複合成形品の性能を達成するため
に、分離材料の目開き、強度あるいは孔の大きさは、使
用される発泡性樹脂粒子の大きさおよび形状に基づいて
選択されるべきである。これに反し、発泡性樹脂粒子が
実質的に通過し得る分離材料を使用すると、表層部に気
泡含有粒子が含まれることになり、その結果、得られる
複合成形品は満足すべき強度を有しなかったり、また外
観が劣悪なものとなり、商品価値が低くなる。
【0018】分離材料としては、熱膨張後の発泡性樹脂
粒子を実質的に通さず液状成形樹脂は通す分離機能を有
する部分が少なくともその一部または全部を構成し、残
りは液状成形樹脂をも通さない材料からなるものが用い
られる。この分離材料の分離機能を発現し得るものとし
て、例えば目開きの小さい繊維シートおよび/または多
孔質シートが挙げられる。分離層用のシートとしては、
各種天然繊維、合成繊維、無機繊維などの織布、編物、
組物、不織布、紙などが用いられる。また、多孔質シー
トとしては、連通気孔を有するシートまたはフィルムで
あって、ポリウレタン、ポリスチレンあるいはポリプロ
ピレンなどのフォームシートや延伸、抽出または凝固法
などで作るポリエチレン、ポリプロピレンあるいはポリ
スルホンなどの多孔膜が用いられる。その目開きは、発
泡性樹脂粒子の種類や発泡性に応じて、これらが通過し
ない範囲のものが選択される。
粒子を実質的に通さず液状成形樹脂は通す分離機能を有
する部分が少なくともその一部または全部を構成し、残
りは液状成形樹脂をも通さない材料からなるものが用い
られる。この分離材料の分離機能を発現し得るものとし
て、例えば目開きの小さい繊維シートおよび/または多
孔質シートが挙げられる。分離層用のシートとしては、
各種天然繊維、合成繊維、無機繊維などの織布、編物、
組物、不織布、紙などが用いられる。また、多孔質シー
トとしては、連通気孔を有するシートまたはフィルムで
あって、ポリウレタン、ポリスチレンあるいはポリプロ
ピレンなどのフォームシートや延伸、抽出または凝固法
などで作るポリエチレン、ポリプロピレンあるいはポリ
スルホンなどの多孔膜が用いられる。その目開きは、発
泡性樹脂粒子の種類や発泡性に応じて、これらが通過し
ない範囲のものが選択される。
【0019】この分離材料として、それ自体、補強材と
しての機能を有するガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊
維などの目開きの小さいシートを用いることができる。
この場合は、分離材料自体が表層部の補強材を兼ねる。
また、分離材料として容易に成形品の形状に合わせるよ
うに伸縮性を有する材料を選択することもできる。
しての機能を有するガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊
維などの目開きの小さいシートを用いることができる。
この場合は、分離材料自体が表層部の補強材を兼ねる。
また、分離材料として容易に成形品の形状に合わせるよ
うに伸縮性を有する材料を選択することもできる。
【0020】この分離材料は、一部が液状成形樹脂を通
さない材料で構成されたものでもよい。例えば、分離機
能を有する材料からなる部分とその部分で用いている材
料とは異なった材料をつなぎ合わせる以外に、分離機能
を有する繊維シートおよび/または多孔質シートの一部
をあらかじめ樹脂でその目開きを封止処理したもの、繊
維シートがポリプロピレン繊維など加熱処理により融着
させ得る場合は、融着処理により一部の目開きをつぶし
たもの、一部にフィルムなどを貼りつけたものなどが用
いられる。
さない材料で構成されたものでもよい。例えば、分離機
能を有する材料からなる部分とその部分で用いている材
料とは異なった材料をつなぎ合わせる以外に、分離機能
を有する繊維シートおよび/または多孔質シートの一部
をあらかじめ樹脂でその目開きを封止処理したもの、繊
維シートがポリプロピレン繊維など加熱処理により融着
させ得る場合は、融着処理により一部の目開きをつぶし
たもの、一部にフィルムなどを貼りつけたものなどが用
いられる。
【0021】以上の分離材料は、ろ過抵抗に応じて、ろ
過抵抗の大きい分離材料a、ろ過抵抗の小さい分離材料
bとして、適宜、選択して使用される。ここで、ろ過抵
抗が大きい分離材料aとしては、ろ過抵抗が0.5〜1
08 〜1×1010m-1、好ましくは8×108 〜0.5
×109 m-1のものが、他方ろ過抵抗の小さい分離材料
bとしては、ろ過抵抗が1×106 〜0.5×108 m
-1、好ましくは2×106 〜1×108 m-1のものを用
いることができる。なお、分離材料のろ過抵抗は、丸善
(株)刊「化学工学便覧」(改訂3版)第928頁に記
載の方法に準じて測定される値である。
過抵抗の大きい分離材料a、ろ過抵抗の小さい分離材料
bとして、適宜、選択して使用される。ここで、ろ過抵
抗が大きい分離材料aとしては、ろ過抵抗が0.5〜1
08 〜1×1010m-1、好ましくは8×108 〜0.5
×109 m-1のものが、他方ろ過抵抗の小さい分離材料
bとしては、ろ過抵抗が1×106 〜0.5×108 m
-1、好ましくは2×106 〜1×108 m-1のものを用
いることができる。なお、分離材料のろ過抵抗は、丸善
(株)刊「化学工学便覧」(改訂3版)第928頁に記
載の方法に準じて測定される値である。
【0022】これらの繊維状補強材および/または分離
材料は、あらかじめプリプレグの形で樹脂処理しておく
ことも可能である。
材料は、あらかじめプリプレグの形で樹脂処理しておく
ことも可能である。
【0023】本発明では、上記のように成形用の型のキ
ャビティー内壁面に沿って、まず表層部形成材料/
ろ過抵抗の大きい分離材料a/繊維状補強材/ろ過
抵抗の小さい分離材料b/発泡性樹脂粒子および液状
成形樹脂を含む混合物/′ろ過抵抗の小さい分離材料
b/′繊維状補強材の順で、さらに得られる複合成形
品の両面ともに高表面品質にするためには、さらに′
ろ過抵抗の大きい分離材料a/′表層部形成材料を設
置する。
ャビティー内壁面に沿って、まず表層部形成材料/
ろ過抵抗の大きい分離材料a/繊維状補強材/ろ過
抵抗の小さい分離材料b/発泡性樹脂粒子および液状
成形樹脂を含む混合物/′ろ過抵抗の小さい分離材料
b/′繊維状補強材の順で、さらに得られる複合成形
品の両面ともに高表面品質にするためには、さらに′
ろ過抵抗の大きい分離材料a/′表層部形成材料を設
置する。
【0024】なお、本発明では、発泡性樹脂粒子およ
び液状成形樹脂を主成分とする混合物に気泡が含まれて
いると、成形品の表面や表層部の繊維状補強材および/
または分離材料の内部にボイドなどが発生しやすくなる
ことが経験的に知られている。これを防ぐには、混合時
に混合物に空気はチッ素などの非凝縮性ガスが含まれな
いようにしたり、混合物をから減圧真空により空気やチ
ッ素などの非凝縮性ガスを脱泡することが有効である。
び液状成形樹脂を主成分とする混合物に気泡が含まれて
いると、成形品の表面や表層部の繊維状補強材および/
または分離材料の内部にボイドなどが発生しやすくなる
ことが経験的に知られている。これを防ぐには、混合時
に混合物に空気はチッ素などの非凝縮性ガスが含まれな
いようにしたり、混合物をから減圧真空により空気やチ
ッ素などの非凝縮性ガスを脱泡することが有効である。
【0025】なお、混合物は、型内に他の材料を設置
しながら、順次、注型する方法、他の材料を設置したの
ち注型する方法、さらにはあらかじめ他の材料(例え
ば、〜′分離材料bなど)に該混合物を塗りつけて
おき、これを型内に設置する方法などがある。
しながら、順次、注型する方法、他の材料を設置したの
ち注型する方法、さらにはあらかじめ他の材料(例え
ば、〜′分離材料bなど)に該混合物を塗りつけて
おき、これを型内に設置する方法などがある。
【0026】発泡性樹脂粒子は、加熱することにより膨
張を起こす材料であって成形に供する液状成形樹脂が反
応硬化時に膨張する機能を持っているもので、特開平4
−27532号公報などに詳しく記載されている。すな
わち、発泡性樹脂粒子としては、成形時の加熱により体
積膨張することができ、かつ発泡後実質的に気泡が粒子
中に内包されているものが使用される。この発泡性樹脂
粒子としては、加熱により体積が少なくとも約10%、
好ましくは少なくとも約20%増大するものが使用され
る。現在入手し得る発泡性樹脂粒子は、通常、約20%
〜70倍程度体積が膨張するものである。ここで、体積
膨張の倍率は、発泡性樹脂粒子を成形温度において常圧
で発泡させたときの体積膨張率を示すものであって、必
ずしも成形によって得られる複合成形品中の発泡倍率を
意味するものではない。
張を起こす材料であって成形に供する液状成形樹脂が反
応硬化時に膨張する機能を持っているもので、特開平4
−27532号公報などに詳しく記載されている。すな
わち、発泡性樹脂粒子としては、成形時の加熱により体
積膨張することができ、かつ発泡後実質的に気泡が粒子
中に内包されているものが使用される。この発泡性樹脂
粒子としては、加熱により体積が少なくとも約10%、
好ましくは少なくとも約20%増大するものが使用され
る。現在入手し得る発泡性樹脂粒子は、通常、約20%
〜70倍程度体積が膨張するものである。ここで、体積
膨張の倍率は、発泡性樹脂粒子を成形温度において常圧
で発泡させたときの体積膨張率を示すものであって、必
ずしも成形によって得られる複合成形品中の発泡倍率を
意味するものではない。
【0027】発泡性樹脂粒子の大きさは、その平均径が
約1μm〜約5mm、好ましくは約10μm〜約1mm
の範囲が好適である。一般的に好適な発泡性樹脂粒子
は、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリアクリロニトリ
ルまたはその共重合体、ポリスチレンまたはポリスチレ
ン共重合体、ポリオレフィン、ポリフェニレンオキサイ
ド共重合体またはポリフェニレンオキサイドとポリスチ
レンの混合体などにより形成され、その中に発泡性ガス
を内包しているものである。特に、加熱により気体とし
て体積膨張する低沸点炭化水素を内包しているポリ塩化
ビニリデン系ポリマーの粒子(これは、大気中では数倍
〜数十倍程度に膨張する)を使用するのが望ましい。こ
のような発泡性樹脂粒子の具体例は、ノーベル社の「エ
クスパンセル」、松本油脂製薬(株)の「マツモトマイ
クロスフェア」、積水化成(株)の「エスレンビーズ」
などが挙げられ、これらをそのまま使用することができ
る。しかしながら、発泡性樹脂粒子としては、ポリオレ
フィン、ポリスチレンなどの発泡ビーズの製造におい
て、発泡を途中で止め、加熱によりさらに発泡し得るよ
うにしたビーズ類(これは、後の加熱により10%〜数
十%膨張する)も使用可能である。
約1μm〜約5mm、好ましくは約10μm〜約1mm
の範囲が好適である。一般的に好適な発泡性樹脂粒子
は、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリアクリロニトリ
ルまたはその共重合体、ポリスチレンまたはポリスチレ
ン共重合体、ポリオレフィン、ポリフェニレンオキサイ
ド共重合体またはポリフェニレンオキサイドとポリスチ
レンの混合体などにより形成され、その中に発泡性ガス
を内包しているものである。特に、加熱により気体とし
て体積膨張する低沸点炭化水素を内包しているポリ塩化
ビニリデン系ポリマーの粒子(これは、大気中では数倍
〜数十倍程度に膨張する)を使用するのが望ましい。こ
のような発泡性樹脂粒子の具体例は、ノーベル社の「エ
クスパンセル」、松本油脂製薬(株)の「マツモトマイ
クロスフェア」、積水化成(株)の「エスレンビーズ」
などが挙げられ、これらをそのまま使用することができ
る。しかしながら、発泡性樹脂粒子としては、ポリオレ
フィン、ポリスチレンなどの発泡ビーズの製造におい
て、発泡を途中で止め、加熱によりさらに発泡し得るよ
うにしたビーズ類(これは、後の加熱により10%〜数
十%膨張する)も使用可能である。
【0028】なお、発泡コアに使用される発泡性樹脂粒
子中には、加熱などにより実質的に体積膨張しない非膨
張性発泡粒子を混合して使用することができる。この非
膨張性発泡粒子もまた分離材料を実質的に通過しないも
のであることが必要である。この非膨張性発泡粒子を混
合して使用すると、成形操作が容易となり、また得られ
る複合成形品は一層強靱性および剛性に優れたものとな
る。この非膨張性発泡粒子としては、無機発泡粒子、有
機発泡粒子のいずれでもよいが、一般には無機発泡粒子
が好適である。非膨張性無機発泡粒子としては、例えば
ガラスビーズ、ガラスバルーン、シリカバルーン、シラ
スバルーンなどが挙げられ、これらは平均粒径が約1μ
m〜約1mm、好ましくは約5μm〜約0.5mmのも
のが望ましい。前記発泡性樹脂粒子とこの非膨張性発泡
粒子との混合割合は、重量比で10:1〜1:5、好ま
しくは9:1〜1:3の範囲である。
子中には、加熱などにより実質的に体積膨張しない非膨
張性発泡粒子を混合して使用することができる。この非
膨張性発泡粒子もまた分離材料を実質的に通過しないも
のであることが必要である。この非膨張性発泡粒子を混
合して使用すると、成形操作が容易となり、また得られ
る複合成形品は一層強靱性および剛性に優れたものとな
る。この非膨張性発泡粒子としては、無機発泡粒子、有
機発泡粒子のいずれでもよいが、一般には無機発泡粒子
が好適である。非膨張性無機発泡粒子としては、例えば
ガラスビーズ、ガラスバルーン、シリカバルーン、シラ
スバルーンなどが挙げられ、これらは平均粒径が約1μ
m〜約1mm、好ましくは約5μm〜約0.5mmのも
のが望ましい。前記発泡性樹脂粒子とこの非膨張性発泡
粒子との混合割合は、重量比で10:1〜1:5、好ま
しくは9:1〜1:3の範囲である。
【0029】また、液状成形樹脂は、成形時に流動性を
示すものである限り、一般に成形用樹脂として使用され
るものであればよい。この液状成形樹脂としては、成形
の結果、重合反応および/または架橋反応によって硬化
し、固体の樹脂を与えるものである。この液状成形樹脂
の具体例としては、例えばエポキシ樹脂、ポリウレタン
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリビニルエステル樹
脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂などであり、これ
らの中でエポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂またはポリビニルエステル樹脂が好まし
い。また、場合によっては、硬化型のポリシクロオレフ
ィン樹脂(例えば、ジシクロペンタジエン樹脂)も使用
し得る。これらの液状成形樹脂は、通常使用されるよう
に、樹脂またはその前駆体(例えば、原料モノマー)中
に硬化剤および/または硬化促進剤などを組み合わせて
用いられるが、本発明も同様にこれらを組み合わせて使
用することができる。この場合の発泡性樹脂粒子と液状
成形樹脂との重量割合は、通常、5/100〜30/1
00、好ましくは10/100〜25/100である。
示すものである限り、一般に成形用樹脂として使用され
るものであればよい。この液状成形樹脂としては、成形
の結果、重合反応および/または架橋反応によって硬化
し、固体の樹脂を与えるものである。この液状成形樹脂
の具体例としては、例えばエポキシ樹脂、ポリウレタン
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリビニルエステル樹
脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂などであり、これ
らの中でエポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂またはポリビニルエステル樹脂が好まし
い。また、場合によっては、硬化型のポリシクロオレフ
ィン樹脂(例えば、ジシクロペンタジエン樹脂)も使用
し得る。これらの液状成形樹脂は、通常使用されるよう
に、樹脂またはその前駆体(例えば、原料モノマー)中
に硬化剤および/または硬化促進剤などを組み合わせて
用いられるが、本発明も同様にこれらを組み合わせて使
用することができる。この場合の発泡性樹脂粒子と液状
成形樹脂との重量割合は、通常、5/100〜30/1
00、好ましくは10/100〜25/100である。
【0030】さらに、成形品の強度を上げるために、上
記の混合物に、さらに炭素繊維、アラミド繊維や、シリ
コンカーバイト、チタン酸カリウム、ボロンなどの短繊
維やウィスカーなどの6mmよりも短い繊維を加えるこ
とができ、また必要に応じて顔料などを添加することも
できる。いずれにせよ、各成分を成形後の発泡コアの密
度が、0.8g/cm3 以下となるように配合するのが
適当である。型内に上記混合物を供給する量は、発泡性
樹脂粒子の配合率、加熱時の体積膨張率を考慮して、適
宜選定すべきであるが、型内の空間容積の50〜90%
の範囲になるように調節するのが好ましい。
記の混合物に、さらに炭素繊維、アラミド繊維や、シリ
コンカーバイト、チタン酸カリウム、ボロンなどの短繊
維やウィスカーなどの6mmよりも短い繊維を加えるこ
とができ、また必要に応じて顔料などを添加することも
できる。いずれにせよ、各成分を成形後の発泡コアの密
度が、0.8g/cm3 以下となるように配合するのが
適当である。型内に上記混合物を供給する量は、発泡性
樹脂粒子の配合率、加熱時の体積膨張率を考慮して、適
宜選定すべきであるが、型内の空間容積の50〜90%
の範囲になるように調節するのが好ましい。
【0031】型を閉じたのち、型の所定領域を充分高い
温度まで加熱することおよび/または上記液状成形樹脂
の反応熱による温度上昇により、発泡性樹脂粒子が膨張
を開始しその膨張圧力で分離材料および/またはその他
の表面形成材料が型の内部制約面(キャビティ内壁面)
に押し付けられ、該制約面に沿った外形を形成させると
同時に、液状成形樹脂が分離材料および/または繊維状
補強材などの表層部形成材料に浸透し、その一部は該材
料を通り抜け成形品の表面層を形成する。
温度まで加熱することおよび/または上記液状成形樹脂
の反応熱による温度上昇により、発泡性樹脂粒子が膨張
を開始しその膨張圧力で分離材料および/またはその他
の表面形成材料が型の内部制約面(キャビティ内壁面)
に押し付けられ、該制約面に沿った外形を形成させると
同時に、液状成形樹脂が分離材料および/または繊維状
補強材などの表層部形成材料に浸透し、その一部は該材
料を通り抜け成形品の表面層を形成する。
【0032】この際、発泡した粒子のうち、小型のもの
は、〜′ろ過抵抗の小さい分離材料bを通り、〜
′ろ過抵抗の大きい分離材料aで堰き止められる。こ
の小型の発泡粒子と〜′ろ過抵抗の大きい分離材料
aが、〜′表層部形成材料と〜′繊維状補強材
との間でクッション体の役割を果たし、〜′繊維状
補強材が、直接、〜′表層部形成材料を不均一に押
圧することを防止するとともに、成形時に充分な内圧が
かかるため、均一で強化材料体積率の高い層ができる。
その結果、熱安定性の良好な高表面品質を有する複合成
形品が得られる。
は、〜′ろ過抵抗の小さい分離材料bを通り、〜
′ろ過抵抗の大きい分離材料aで堰き止められる。こ
の小型の発泡粒子と〜′ろ過抵抗の大きい分離材料
aが、〜′表層部形成材料と〜′繊維状補強材
との間でクッション体の役割を果たし、〜′繊維状
補強材が、直接、〜′表層部形成材料を不均一に押
圧することを防止するとともに、成形時に充分な内圧が
かかるため、均一で強化材料体積率の高い層ができる。
その結果、熱安定性の良好な高表面品質を有する複合成
形品が得られる。
【0033】なお、樹脂の過剰分は型の貯り部分に集め
るか、ベントから抜き出される。ここで、充分高い温度
とは、型内に充填した液状成形樹脂が反応を開始するに
必要な温度と反応熱の一部を金型が奪って内部温度が低
下しないで反応が完結するに必要な温度である。また、
液状成形樹脂の反応熱による温度上昇は、液状成形樹脂
が硬化するときは発熱反応であり、外部から積極的に熱
を除去しなければ反応により温度が上昇する。この反応
熱を利用して発泡性樹脂粒子を膨張させるものである。
るか、ベントから抜き出される。ここで、充分高い温度
とは、型内に充填した液状成形樹脂が反応を開始するに
必要な温度と反応熱の一部を金型が奪って内部温度が低
下しないで反応が完結するに必要な温度である。また、
液状成形樹脂の反応熱による温度上昇は、液状成形樹脂
が硬化するときは発熱反応であり、外部から積極的に熱
を除去しなければ反応により温度が上昇する。この反応
熱を利用して発泡性樹脂粒子を膨張させるものである。
【0034】同時並行的に液状成形樹脂の硬化が進み、
充分硬化した段階で得られた複合成形品を型から取り出
す。この硬化条件は、硬化時の温度と時間によって決め
られ、条件設定は、液状成形樹脂の熱軟化点(Tg)が
所望の値になる条件で行う。
充分硬化した段階で得られた複合成形品を型から取り出
す。この硬化条件は、硬化時の温度と時間によって決め
られ、条件設定は、液状成形樹脂の熱軟化点(Tg)が
所望の値になる条件で行う。
【0035】以上のように、第1製造方法では、(a)
工程において、分離度の異なる2種類以上の分離材料を
用いることにより、〜′繊維状補強材が、直接、
〜′表層部形成材料を不均一に押圧することを防止す
るとともに、成形時に充分な内圧がかかるため、均一で
強化材料体積率の高い層ができる。その結果、熱安定性
の良好な高表面品質を有する複合成形品が得られる。ま
た、従来方法に較べ、温度に対して表面の変化(例え
ば、表層部形成材料となるガラス繊維痕跡、フクレな
ど)がより少なくなるため、取り出し時の温度を高く設
定することができるので、冷却時間を短くすることがで
き、従って成形サイクルを短縮することもできる。
工程において、分離度の異なる2種類以上の分離材料を
用いることにより、〜′繊維状補強材が、直接、
〜′表層部形成材料を不均一に押圧することを防止す
るとともに、成形時に充分な内圧がかかるため、均一で
強化材料体積率の高い層ができる。その結果、熱安定性
の良好な高表面品質を有する複合成形品が得られる。ま
た、従来方法に較べ、温度に対して表面の変化(例え
ば、表層部形成材料となるガラス繊維痕跡、フクレな
ど)がより少なくなるため、取り出し時の温度を高く設
定することができるので、冷却時間を短くすることがで
き、従って成形サイクルを短縮することもできる。
【0036】第2製造方法 第2製造方法は、(a)工程において、発泡温度の異な
る2種類以上の発泡性樹脂粒子を用いることに大きな特
徴を有するものである。すなわち、加熱時、高温で発泡
する高温発泡性樹脂粒子aは、低温発泡性樹脂粒子bに
対し、発泡するまでの時間差を有する。低温発泡性樹脂
粒子bでの発泡圧が繊維状補強材に不均一にかかってい
ても、高温発泡性樹脂粒子aの発泡圧が弱い部分に圧力
を及ぼすため、繊維状補強材を全体に均一に押圧するこ
とになる。この結果、繊維状補強材の内側に高温発泡性
樹脂粒子aより構成される発泡層が配置されるので、そ
のクッション作用により、繊維状補強材が表面に押しつ
けられてできる繊維目が目立たなくなり、高表面品質の
複合成形品が得られる。
る2種類以上の発泡性樹脂粒子を用いることに大きな特
徴を有するものである。すなわち、加熱時、高温で発泡
する高温発泡性樹脂粒子aは、低温発泡性樹脂粒子bに
対し、発泡するまでの時間差を有する。低温発泡性樹脂
粒子bでの発泡圧が繊維状補強材に不均一にかかってい
ても、高温発泡性樹脂粒子aの発泡圧が弱い部分に圧力
を及ぼすため、繊維状補強材を全体に均一に押圧するこ
とになる。この結果、繊維状補強材の内側に高温発泡性
樹脂粒子aより構成される発泡層が配置されるので、そ
のクッション作用により、繊維状補強材が表面に押しつ
けられてできる繊維目が目立たなくなり、高表面品質の
複合成形品が得られる。
【0037】本発明では、上記の型のキャビティ内壁面
に沿って、表層部形成材料/分離材料/繊維状補
強材/高温発泡性樹脂粒子a/分離材料/高温発
泡性樹脂粒子aより低温で発泡する低温発泡性樹脂粒子
bおよび液状成形樹脂の混合物/′分離材料/′表
層部形成材料、さらに必要に応じて前記混合物と′
分離材料との間に、′分離材料/′高温発泡性樹脂
粒子a/′繊維状補強材を設置する。
に沿って、表層部形成材料/分離材料/繊維状補
強材/高温発泡性樹脂粒子a/分離材料/高温発
泡性樹脂粒子aより低温で発泡する低温発泡性樹脂粒子
bおよび液状成形樹脂の混合物/′分離材料/′表
層部形成材料、さらに必要に応じて前記混合物と′
分離材料との間に、′分離材料/′高温発泡性樹脂
粒子a/′繊維状補強材を設置する。
【0038】本発明における高温発泡性樹脂粒子aと低
温発泡性樹脂粒子bとしては、該粒子aと粒子bの発泡
開始温度の差が10〜80℃、好ましくは15〜50℃
の範囲で適宜選択される。また、成形温度において、発
泡倍率は、高温発泡性樹脂粒子aは1.1〜20倍程度
に膨張し、低温発泡性樹脂粒子bは2〜60倍程度に体
積膨張するものが好ましく用いられれ、上記第1製造方
法において用いられる発泡性樹脂粒子の中から、発泡開
始温度の条件に合ったものを適宜選択することができ
る。
温発泡性樹脂粒子bとしては、該粒子aと粒子bの発泡
開始温度の差が10〜80℃、好ましくは15〜50℃
の範囲で適宜選択される。また、成形温度において、発
泡倍率は、高温発泡性樹脂粒子aは1.1〜20倍程度
に膨張し、低温発泡性樹脂粒子bは2〜60倍程度に体
積膨張するものが好ましく用いられれ、上記第1製造方
法において用いられる発泡性樹脂粒子の中から、発泡開
始温度の条件に合ったものを適宜選択することができ
る。
【0039】また、〜′分離材料は、上記第1製造
方法において列挙されている各種の分離材料を適宜用い
ることができるが、好ましくはろ過抵抗の大きい分離材
料aである。
方法において列挙されている各種の分離材料を適宜用い
ることができるが、好ましくはろ過抵抗の大きい分離材
料aである。
【0040】なお、〜′表層部形成材料、液状成形
樹脂、〜′繊維状補強材などのその他の材料は、第
1製造方法において用いられる材料と同様である。ま
た、第2製造方法における(b)〜(d)工程も、第1
製造方法と同様である。
樹脂、〜′繊維状補強材などのその他の材料は、第
1製造方法において用いられる材料と同様である。ま
た、第2製造方法における(b)〜(d)工程も、第1
製造方法と同様である。
【0041】第2製造方法によると、得られる複合成形
品は、例えば芯部には繊維状補強材を含んだ高温発泡性
樹脂粒子aから構成される緻密な発泡層A(低発泡倍
率)/低温発泡性樹脂粒子bから構成される疎な発泡層
B(高発泡倍率)/繊維状補強材を含んだ高温発泡性樹
脂粒子aから構成される緻密な発泡層A(低発泡倍率)
という、サンドイッチ構造となる。この製造方法で、サ
ンドイッチ状複合成形品を成形した場合、繊維状補強材
が発泡圧により表面方向に押しつけられるが、さらにそ
の外側に緻密な発泡層Aが存在し、そのクッション効果
により繊維状補強材の繊維目を目立たなくすることがで
きる。また、発泡層Aは、発泡開始温度が高いため、発
泡開始温度以下まで材料温度を下げることにより、製品
の変形をもたらす発泡圧を抑えることが可能となる。ま
た、発泡層Bは、発泡圧を持つものの、すぐ外側に存在
する繊維状補強材を含んだ緻密な発泡層Aに拘束されて
製品を変形するに至らない。また、塗装焼き付け時に
も、同様に変形しにくい、高表面品質の複合成形品とす
ることができる。また、従来方法に較べ、温度に対して
表面の変化(例えば、ガラス(例えば、表層部形成材料
となるガラス繊維痕跡、フクレなど)がより少なくなる
ため、第1製造方法と同様に、取り出し時の温度を高く
設定することができるので、冷却時間を短くすることが
でき、従って成形サイクルを短縮することもできる。
品は、例えば芯部には繊維状補強材を含んだ高温発泡性
樹脂粒子aから構成される緻密な発泡層A(低発泡倍
率)/低温発泡性樹脂粒子bから構成される疎な発泡層
B(高発泡倍率)/繊維状補強材を含んだ高温発泡性樹
脂粒子aから構成される緻密な発泡層A(低発泡倍率)
という、サンドイッチ構造となる。この製造方法で、サ
ンドイッチ状複合成形品を成形した場合、繊維状補強材
が発泡圧により表面方向に押しつけられるが、さらにそ
の外側に緻密な発泡層Aが存在し、そのクッション効果
により繊維状補強材の繊維目を目立たなくすることがで
きる。また、発泡層Aは、発泡開始温度が高いため、発
泡開始温度以下まで材料温度を下げることにより、製品
の変形をもたらす発泡圧を抑えることが可能となる。ま
た、発泡層Bは、発泡圧を持つものの、すぐ外側に存在
する繊維状補強材を含んだ緻密な発泡層Aに拘束されて
製品を変形するに至らない。また、塗装焼き付け時に
も、同様に変形しにくい、高表面品質の複合成形品とす
ることができる。また、従来方法に較べ、温度に対して
表面の変化(例えば、ガラス(例えば、表層部形成材料
となるガラス繊維痕跡、フクレなど)がより少なくなる
ため、第1製造方法と同様に、取り出し時の温度を高く
設定することができるので、冷却時間を短くすることが
でき、従って成形サイクルを短縮することもできる。
【0042】以上、本発明を第1製造方法と第2製造方
法に分けて説明したが、本発明はこれらの製造方法に限
定されるものではない。例えば、第1製造方法と第2製
造方法を組み合わせることによって、さらに優れた高表
面品質の複合成形品を得ることができる。すなわち、本
発明によれば、表層部と芯部に発泡コアを有する複合成
形品を加熱成形により製造するに際し、異なるろ過抵抗
を有する2種類以上の分離材料、および異なる発泡開始
温度を有する2種類以上の発泡性樹脂粒子を組み合わせ
ることにより、さらに優れた高表面品質の複合成形品を
得ることも可能である。
法に分けて説明したが、本発明はこれらの製造方法に限
定されるものではない。例えば、第1製造方法と第2製
造方法を組み合わせることによって、さらに優れた高表
面品質の複合成形品を得ることができる。すなわち、本
発明によれば、表層部と芯部に発泡コアを有する複合成
形品を加熱成形により製造するに際し、異なるろ過抵抗
を有する2種類以上の分離材料、および異なる発泡開始
温度を有する2種類以上の発泡性樹脂粒子を組み合わせ
ることにより、さらに優れた高表面品質の複合成形品を
得ることも可能である。
【0043】この場合の態様としては、例えば第1製造
方法に従い、ろ過抵抗の異なる2種の分離材料を配置
し、中心部に発泡温度の低い低温発泡性樹脂粒子を添加
し、ろ過抵抗の異なる2種の分離材料の間に高温発泡性
樹脂粒子を添加する方法が挙げられる。これにより、高
温発泡性樹脂粒子層がクッション効果を示し、かつろ過
抵抗の大きい分離材料により発泡性樹脂粒子は完全に捕
集され、表層部形成材料(スキン層)への混入を防ぐこ
とができる。この方法では、第2製造方法に較べて表層
のスキン層に発泡性樹脂粒子を混入させることなく、よ
り樹脂の含浸性を高めた状態で成形することができる。
方法に従い、ろ過抵抗の異なる2種の分離材料を配置
し、中心部に発泡温度の低い低温発泡性樹脂粒子を添加
し、ろ過抵抗の異なる2種の分離材料の間に高温発泡性
樹脂粒子を添加する方法が挙げられる。これにより、高
温発泡性樹脂粒子層がクッション効果を示し、かつろ過
抵抗の大きい分離材料により発泡性樹脂粒子は完全に捕
集され、表層部形成材料(スキン層)への混入を防ぐこ
とができる。この方法では、第2製造方法に較べて表層
のスキン層に発泡性樹脂粒子を混入させることなく、よ
り樹脂の含浸性を高めた状態で成形することができる。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明する
が、これらは本発明を説明するためのものであって、こ
れらの実施例により本発明が限定されるものではない。
なお、実施例中の各種の測定は、下記に基づいた。ウネリの評価 成形品のリブ上の表面凹凸を1mmピッチで測定し、こ
のデータを5次回帰し、これと測定データとの差をプロ
ットし、高低差の最大値をウネリの最大値とした。表面粗度の評価 ガラス繊維目の浮きの評価を測定することによって行っ
た。すなわち、表面粗度は、10μmピッチで測定した
表面凹凸の高低差の最大値とした。
が、これらは本発明を説明するためのものであって、こ
れらの実施例により本発明が限定されるものではない。
なお、実施例中の各種の測定は、下記に基づいた。ウネリの評価 成形品のリブ上の表面凹凸を1mmピッチで測定し、こ
のデータを5次回帰し、これと測定データとの差をプロ
ットし、高低差の最大値をウネリの最大値とした。表面粗度の評価 ガラス繊維目の浮きの評価を測定することによって行っ
た。すなわち、表面粗度は、10μmピッチで測定した
表面凹凸の高低差の最大値とした。
【0045】参考例1 実施例および比較例に使用される発泡性樹脂粒子、液状
成形樹脂、表層部形成材料(繊維状補強材)、分離材料
などとして、以下のものを用意した。
成形樹脂、表層部形成材料(繊維状補強材)、分離材料
などとして、以下のものを用意した。
【0046】表層部形成材料;ガラスサーフェイスマッ
ト〔日東紡績(株)製、MF−60、目付=約60g/
m2 〕 繊維状補強材;ガラスマット〔旭ファイバーグラス
(株)製、M8609−450、目付け=約450g/
m2 、嵩高さ=0.03cm3 /cm3 〕 分離材料; ポリエステルを主体とする不織布a(分離材料a)=日
本バイリーン(株)製、MF135(目付=約135g
/m2 、ろ過抵抗=1.4×109 m-1) ポリエステルを主体とする不織布b(分離材料b)=
〔帝人ユニセル(株)製、BT605W(目付=40g
/m2 、ろ過抵抗=2×107 m-1) 発泡性樹脂粒子; 高温発泡性樹脂粒子a=松本油脂製薬(株)製、「マツ
モトマイクロスフェア」F100D(発泡温度=150
℃) 低温発泡性樹脂粒子b=松本油脂製薬(株)製、「マツ
モトマイクロスフェア」F−82D(発泡温度=105
℃) 非膨張性発泡粒子;ガラスバルーン〔住友スリーエム
(株)製、C−15〕 液状成形樹脂;エポキシ樹脂〔油化シェル(株)製、
「エピコート」828〕 硬化剤;イソホロンジアミン
ト〔日東紡績(株)製、MF−60、目付=約60g/
m2 〕 繊維状補強材;ガラスマット〔旭ファイバーグラス
(株)製、M8609−450、目付け=約450g/
m2 、嵩高さ=0.03cm3 /cm3 〕 分離材料; ポリエステルを主体とする不織布a(分離材料a)=日
本バイリーン(株)製、MF135(目付=約135g
/m2 、ろ過抵抗=1.4×109 m-1) ポリエステルを主体とする不織布b(分離材料b)=
〔帝人ユニセル(株)製、BT605W(目付=40g
/m2 、ろ過抵抗=2×107 m-1) 発泡性樹脂粒子; 高温発泡性樹脂粒子a=松本油脂製薬(株)製、「マツ
モトマイクロスフェア」F100D(発泡温度=150
℃) 低温発泡性樹脂粒子b=松本油脂製薬(株)製、「マツ
モトマイクロスフェア」F−82D(発泡温度=105
℃) 非膨張性発泡粒子;ガラスバルーン〔住友スリーエム
(株)製、C−15〕 液状成形樹脂;エポキシ樹脂〔油化シェル(株)製、
「エピコート」828〕 硬化剤;イソホロンジアミン
【0047】実施例1 まず、液状成形樹脂である「エピコート」828を10
0重量部に、硬化剤(イソホロンジアミン)24重量部
および発泡性樹脂粒子b(「マツモトマイクロスフェ
ア」F−82D)38重量部およびガラスビーズ18重
量部を混合し、スラリーを調製した。次いで、成形用の
型として、厚み10mm(リブ部)、厚み5mm、幅2
50mm、長さ340mmの金型端部から30mm内部
に沿って厚み10mm、幅30mmのリブ部を持ったキ
ャビティーと金型に熱媒を通して加熱できるようジャケ
ットを備えた上下一対の金型を準備した。
0重量部に、硬化剤(イソホロンジアミン)24重量部
および発泡性樹脂粒子b(「マツモトマイクロスフェ
ア」F−82D)38重量部およびガラスビーズ18重
量部を混合し、スラリーを調製した。次いで、成形用の
型として、厚み10mm(リブ部)、厚み5mm、幅2
50mm、長さ340mmの金型端部から30mm内部
に沿って厚み10mm、幅30mmのリブ部を持ったキ
ャビティーと金型に熱媒を通して加熱できるようジャケ
ットを備えた上下一対の金型を準備した。
【0048】次いで、あらかじめ寸法を合わせておいた
ガラスサーフェイスマット、ガラスマット、不織布a〜
b、およびスラリーを、ガラスサーフェイスマット/不
織布a/ガラスマット/不織布b/スラリー/不織布b
/ガラスマット/不織布a/ガラスサーフェイスマット
の順に金型に納めた。金型を閉じて、金型のジャケット
に140℃の熱媒体を通して金型温度を120℃に調節
した。金型内部の温度は、反応熱により160℃まで上
昇したのち、3分後100℃まで冷却し、金型を開き成
形物を取り出した。成形物のリブ上のウネリは20μ
m、ガラスマットの繊維目の浮き(表面粗度)は0.1
μmであった。得られた成形物を、120℃の乾燥器内
で20分保存したが、表面形状に変化は見られなかっ
た。
ガラスサーフェイスマット、ガラスマット、不織布a〜
b、およびスラリーを、ガラスサーフェイスマット/不
織布a/ガラスマット/不織布b/スラリー/不織布b
/ガラスマット/不織布a/ガラスサーフェイスマット
の順に金型に納めた。金型を閉じて、金型のジャケット
に140℃の熱媒体を通して金型温度を120℃に調節
した。金型内部の温度は、反応熱により160℃まで上
昇したのち、3分後100℃まで冷却し、金型を開き成
形物を取り出した。成形物のリブ上のウネリは20μ
m、ガラスマットの繊維目の浮き(表面粗度)は0.1
μmであった。得られた成形物を、120℃の乾燥器内
で20分保存したが、表面形状に変化は見られなかっ
た。
【0049】比較例1 実施例1と同様のガラスサーフェイスマット、ガラスマ
ット、不織布aおよびスラリーを、ガラスサーフェイス
マット/ガラスマット/不織布a/スラリー/不織布a
/ガラスマット/ガラスサーフェイスマットの順に金型
に納めた。金型を閉じて、金型のジャケットに140℃
の熱媒体を通して金型温度を120℃に調節した。金型
内部の温度は、反応熱により160℃まで上昇したの
ち、3分後60℃まで冷却し、金型を開き成形物を取り
出した。実施例1と同様にして金型を加熱し硬化させた
のち、125℃になった時点で36℃の冷却用熱媒に切
り換えて内温が60℃になるまで冷却するのに15分必
要であった。得られた成形物を、120℃の乾燥器内で
20分保存したところ、リブ上のウネリは60μmから
100μmに、表面粗度は0.5μmから1μmに変化
した。
ット、不織布aおよびスラリーを、ガラスサーフェイス
マット/ガラスマット/不織布a/スラリー/不織布a
/ガラスマット/ガラスサーフェイスマットの順に金型
に納めた。金型を閉じて、金型のジャケットに140℃
の熱媒体を通して金型温度を120℃に調節した。金型
内部の温度は、反応熱により160℃まで上昇したの
ち、3分後60℃まで冷却し、金型を開き成形物を取り
出した。実施例1と同様にして金型を加熱し硬化させた
のち、125℃になった時点で36℃の冷却用熱媒に切
り換えて内温が60℃になるまで冷却するのに15分必
要であった。得られた成形物を、120℃の乾燥器内で
20分保存したところ、リブ上のウネリは60μmから
100μmに、表面粗度は0.5μmから1μmに変化
した。
【0050】比較例2 実施例1と同様のガラスマット、不織布aおよびスラリ
ーを、ガラスサーフェイスマット/不織布a/ガラスマ
ット/スラリー/ガラスマット/不織布a/ガラスサー
フェイスマットの順に金型に納めた。金型を閉じて、金
型のジャケットに140℃の熱媒体を通して金型温度を
120℃に調節した。金型内部の温度は、反応熱により
160℃まで上昇したのち、3分後100℃まで冷却
し、金型を開き成形物を取り出した。成形物のリブ上の
ウネリは30μm、表面粗度は0.2μmであった。得
られた成形物を、120℃の乾燥器内で20分保存した
ところ、リブ上のウネリは40μmに、表面粗度は0.
5μmになった。
ーを、ガラスサーフェイスマット/不織布a/ガラスマ
ット/スラリー/ガラスマット/不織布a/ガラスサー
フェイスマットの順に金型に納めた。金型を閉じて、金
型のジャケットに140℃の熱媒体を通して金型温度を
120℃に調節した。金型内部の温度は、反応熱により
160℃まで上昇したのち、3分後100℃まで冷却
し、金型を開き成形物を取り出した。成形物のリブ上の
ウネリは30μm、表面粗度は0.2μmであった。得
られた成形物を、120℃の乾燥器内で20分保存した
ところ、リブ上のウネリは40μmに、表面粗度は0.
5μmになった。
【0051】実施例2 実施例1と同様の材料を、ガラスサーフェイスマット/
不織布a/ガラスマット/高温発泡性樹脂粒子a/不織
布a/スラリー/不織布a/高温発泡性樹脂粒子a/ガ
ラスマット/不織布a/ガラスサーフェイスマットの順
に、実施例1と同様の金型に納めた。ただし、スラリー
中の発泡性樹脂粒子は、高温発泡性樹脂粒子aの代わり
に、低温発泡性樹脂粒子b(「マツモトマイクロスフェ
ア」F−82D)を用いた。金型を閉じて、金型のジャ
ケットに140℃の熱媒体を通して金型温度を120℃
に調節した。金型内部の温度は、反応熱により160℃
まで上昇したのち、約3分後100℃まで冷却し、金型
を開き成形物を取り出した。冷却時間として、3分かか
った。成形物のリブ上のウネリは20μm、表面粗度は
約0.1μmであった。得られた成形物を、120℃の
乾燥器内で20分保存したが、表面形状に変化は見られ
なかった。
不織布a/ガラスマット/高温発泡性樹脂粒子a/不織
布a/スラリー/不織布a/高温発泡性樹脂粒子a/ガ
ラスマット/不織布a/ガラスサーフェイスマットの順
に、実施例1と同様の金型に納めた。ただし、スラリー
中の発泡性樹脂粒子は、高温発泡性樹脂粒子aの代わり
に、低温発泡性樹脂粒子b(「マツモトマイクロスフェ
ア」F−82D)を用いた。金型を閉じて、金型のジャ
ケットに140℃の熱媒体を通して金型温度を120℃
に調節した。金型内部の温度は、反応熱により160℃
まで上昇したのち、約3分後100℃まで冷却し、金型
を開き成形物を取り出した。冷却時間として、3分かか
った。成形物のリブ上のウネリは20μm、表面粗度は
約0.1μmであった。得られた成形物を、120℃の
乾燥器内で20分保存したが、表面形状に変化は見られ
なかった。
【0052】比較例3 実施例2と同様の金型、ならびに繊維状補強材、液状成
形樹脂、分離材料などを準備した。なお、スラリーに混
合する発泡性樹脂粒子には、高温発泡性樹脂粒子a〔松
本油脂製薬(株)製、「マイクロスフェア」F100
D〕を用いた。ガラスサーフェイスマット/ガラスマッ
ト/不織布a/スラリー/不織布a/ガラスマット/ガ
ラスサーフェイスマットの順に、実施例2と同様の金型
に納めた。金型を閉じて、金型のジャケットに150℃
の熱媒体を通して金型温度を130℃に調節した。金型
内部の温度は、反応熱により170℃まで上昇したの
ち、約3分後100℃まで冷却し、金型を開き成形物を
取り出した。冷却時間として、6分かかった。得られた
成形物のリブ上のウネリは30μm、表面粗度は約0.
2μmであった。
形樹脂、分離材料などを準備した。なお、スラリーに混
合する発泡性樹脂粒子には、高温発泡性樹脂粒子a〔松
本油脂製薬(株)製、「マイクロスフェア」F100
D〕を用いた。ガラスサーフェイスマット/ガラスマッ
ト/不織布a/スラリー/不織布a/ガラスマット/ガ
ラスサーフェイスマットの順に、実施例2と同様の金型
に納めた。金型を閉じて、金型のジャケットに150℃
の熱媒体を通して金型温度を130℃に調節した。金型
内部の温度は、反応熱により170℃まで上昇したの
ち、約3分後100℃まで冷却し、金型を開き成形物を
取り出した。冷却時間として、6分かかった。得られた
成形物のリブ上のウネリは30μm、表面粗度は約0.
2μmであった。
【0053】実施例3 まず、液状成形樹脂である「エピコート」828を10
0重量部と高温発泡性樹脂粒子a〔松本油脂製薬(株)
製、「マツモトマイクロスフェア」F100D(発泡温
度=150℃)〕を38重量部、およびガラスバルーン
〔住友スリーエム(株)製、C−15〕18部を混合し
たのち、硬化剤(イソホロンジアミン)24重量部を加
え、よく混合してスラリーAを調製した。また、スラリ
ーBとして、実施例1で用いたものを同じスラリーを調
製した。実施例1と同様の材料を、ガラスサーフェイス
マット/不織布a/スラリーA/ガラスマット/不織布
b/スラリーB/不織布b/ガラスマット/スラリーA
/不織布a/ガラスガラスサーフェイスマットの順に、
実施例1と同様の金型に納めた。金型を閉じて、金型の
ジャケットに180℃の熱媒体を通して金型温度を15
0℃に調節した。金型内部の温度は、反応熱により19
0℃まで上昇したのち、120℃まで冷却し、金型を開
き成形物を取り出した。冷却時間として、3分かかっ
た。成形物のリブ上のウネリは20μm、表面粗度は約
0.1μmであった。得られた成形物を、120℃の乾
燥器内で20分保存したが、表面形状に変化は見られな
かった。
0重量部と高温発泡性樹脂粒子a〔松本油脂製薬(株)
製、「マツモトマイクロスフェア」F100D(発泡温
度=150℃)〕を38重量部、およびガラスバルーン
〔住友スリーエム(株)製、C−15〕18部を混合し
たのち、硬化剤(イソホロンジアミン)24重量部を加
え、よく混合してスラリーAを調製した。また、スラリ
ーBとして、実施例1で用いたものを同じスラリーを調
製した。実施例1と同様の材料を、ガラスサーフェイス
マット/不織布a/スラリーA/ガラスマット/不織布
b/スラリーB/不織布b/ガラスマット/スラリーA
/不織布a/ガラスガラスサーフェイスマットの順に、
実施例1と同様の金型に納めた。金型を閉じて、金型の
ジャケットに180℃の熱媒体を通して金型温度を15
0℃に調節した。金型内部の温度は、反応熱により19
0℃まで上昇したのち、120℃まで冷却し、金型を開
き成形物を取り出した。冷却時間として、3分かかっ
た。成形物のリブ上のウネリは20μm、表面粗度は約
0.1μmであった。得られた成形物を、120℃の乾
燥器内で20分保存したが、表面形状に変化は見られな
かった。
【0054】比較例4 実施例2と同様の材料を、ガラスサーフェイスマット/
ガラスマット/不織布b/スラリー/不織布b/ガラス
マット/ガラスサーフェイスマットの順に金型に納め
た。他は、実施例2と同様にして成形した。得られた成
形物のリブ上のウネリは100μm以上であり、表面粗
度は1.2〜2.0μmであった。
ガラスマット/不織布b/スラリー/不織布b/ガラス
マット/ガラスサーフェイスマットの順に金型に納め
た。他は、実施例2と同様にして成形した。得られた成
形物のリブ上のウネリは100μm以上であり、表面粗
度は1.2〜2.0μmであった。
【0055】比較例5 実施例2と同様の材料を、ガラスサーフェイスマット/
ガラスマット/不織布b/スラリー/不織布b/ガラス
マット/ガラスサーフェイスマットの順に金型に納め
た。金型を閉じて、金型のジャケットに170℃の熱媒
体を通して金型温度を150℃に調節した。金型内部の
温度は、反応熱により190℃まで上昇したのち、80
℃まで冷却し、金型を開き成形物を取り出した。冷却時
間として、6分かかった。得られた成形物のリブ上のウ
ネリは30μm、表面粗度は約0.2μmであった。
ガラスマット/不織布b/スラリー/不織布b/ガラス
マット/ガラスサーフェイスマットの順に金型に納め
た。金型を閉じて、金型のジャケットに170℃の熱媒
体を通して金型温度を150℃に調節した。金型内部の
温度は、反応熱により190℃まで上昇したのち、80
℃まで冷却し、金型を開き成形物を取り出した。冷却時
間として、6分かかった。得られた成形物のリブ上のウ
ネリは30μm、表面粗度は約0.2μmであった。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、高表面品質の、発泡コ
アを有する軽量で強靱なFRP複合成形品を安定して短
時間に製造することができる。本発明により得られる複
合成形品は、自動車外板用材料のほか、例えばカヌーパ
ドル、マスト、方向舵、ウインドサーフィン安定用フィ
ン(スケグ)、人力水中翼挺、スキー(板、ポール)、
ホッケースティック、野球用バット、スポークのない車
輪、自転車のフレーム、スケートボードなどのスポーツ
用品分野、自動車(乗用車、バス、トラック)などのス
ポイラー、ドライブシャフト、内外装品、電車のドアや
構造部材などの車両分野、熱交換器の鏡板、エアコン・
コンプレッサーブレード、攪拌翼、電気絶縁材サポート
ビーム、フィッティング類などの産業分野、車椅子(ハ
イドリム、側パネル)、X線投影用テーブル、義手・義
足などの医療器具分野、およびプロペラ、座席、家具、
コントロールサーフェス、二次構造材、衛星放送用アン
テナのリフレクタなどの広い分野に有効である。
アを有する軽量で強靱なFRP複合成形品を安定して短
時間に製造することができる。本発明により得られる複
合成形品は、自動車外板用材料のほか、例えばカヌーパ
ドル、マスト、方向舵、ウインドサーフィン安定用フィ
ン(スケグ)、人力水中翼挺、スキー(板、ポール)、
ホッケースティック、野球用バット、スポークのない車
輪、自転車のフレーム、スケートボードなどのスポーツ
用品分野、自動車(乗用車、バス、トラック)などのス
ポイラー、ドライブシャフト、内外装品、電車のドアや
構造部材などの車両分野、熱交換器の鏡板、エアコン・
コンプレッサーブレード、攪拌翼、電気絶縁材サポート
ビーム、フィッティング類などの産業分野、車椅子(ハ
イドリム、側パネル)、X線投影用テーブル、義手・義
足などの医療器具分野、およびプロペラ、座席、家具、
コントロールサーフェス、二次構造材、衛星放送用アン
テナのリフレクタなどの広い分野に有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川村 訓久 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 入山 要次郎 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 少なくとも液状成形樹脂により所定の形
状に成形された表層部および発泡コアからなる芯部を有
する複合成形品を製造するにあたり、(a)成形用の型
内に、少なくとも表層部形成材料/ろ過抵抗の大き
い分離材料a/繊維状補強材/ろ過抵抗の小さい分
離材料b/発泡性樹脂粒子および液状成形樹脂を含む
混合物/′ろ過抵抗の小さい分離材料b/′繊維状
補強材、の順に設置すること、(b)型を閉じたのち、
型の所定領域を充分高い温度まで加熱することおよび/
または前記液状成形樹脂の反応熱による温度上昇によ
り、芯部に位置する発泡性樹脂粒子を加熱発泡させて体
積膨張を生じさせ、これにより表層部形成材料を型の内
部制約面に対して押しつけること、(c)液状成形樹脂
を硬化させること、そして、(d)得られた複合成形品
を型から取り出すこと、を特徴とする高表面品質複合成
形品の製造方法。 - 【請求項2】 (a)工程において、′繊維状補強材
の後に、さらに′ろ過抵抗の大きい分離材料a/′
表層部形成材料、を設置する請求項1記載の高表面品質
複合成形品の製造方法。 - 【請求項3】 少なくとも液状成形樹脂により所定の形
状に成形された表層部および発泡コアからなる芯部を有
する複合成形品を製造するにあたり、(a)成形用の型
内に、少なくとも表層部形成材料/分離材料/繊
維状補強材/高温発泡性樹脂粒子a/分離材料/
高温発泡性樹脂粒子aより低温で発泡する低温発泡性樹
脂粒子bおよび液状成形樹脂の混合物/′分離材料/
′表層部形成材料、の順に設置すること、(b)型を
閉じたのち、型の所定領域を充分高い温度まで加熱する
ことおよび/または前記液状成形樹脂の反応熱による温
度上昇により、芯部に位置する低温発泡性樹脂粒子b、
高温発泡性樹脂aを順次加熱発泡させて体積膨張を生じ
させ、これにより表層部形成材料を型の内部制約面に対
して押しつけること、(c)液状成形樹脂を硬化させる
こと、そして、(d)得られた複合成形品を型から取り
出すこと、を特徴とする高表面品質複合成形品の製造方
法。 - 【請求項4】(a)工程において、混合物と′分離
材料との間に、さらに′分離材料/′高温発泡性樹
脂粒子a/′繊維状補強材を設置する請求項3記載の
高表面品質複合成形品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5274810A JPH07100847A (ja) | 1993-10-07 | 1993-10-07 | 高表面品質複合成形品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5274810A JPH07100847A (ja) | 1993-10-07 | 1993-10-07 | 高表面品質複合成形品の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07100847A true JPH07100847A (ja) | 1995-04-18 |
Family
ID=17546885
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5274810A Withdrawn JPH07100847A (ja) | 1993-10-07 | 1993-10-07 | 高表面品質複合成形品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07100847A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012196899A (ja) * | 2011-03-22 | 2012-10-18 | Teijin Ltd | 炭素繊維強化熱可塑性樹脂サンドイッチ成形体、およびその製造方法 |
US8741198B2 (en) | 2006-03-08 | 2014-06-03 | Toray Industries, Inc. | Process for producing fiber reinforced resin |
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