JP6231313B2 - 複合成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の樹脂発泡小片と熱硬化性樹脂硬化物との複合成形体に関するものである。
近年の地球環境への各国の取り組みは加速してきており、炭酸ガス排出規制の具体的な取り組みは各産業分野でも重要な課題となっている。自動車産業では、欧州を始めとした各国において、自動車(以下、「クルマ」という場合がある。)の炭酸ガス排出規制によって、法的な拘束力をもって対処することが取り決められてきている。炭酸ガス排出規制への対応としては、電気自動車やハイブリッド車などでの取り組みが話題となるが、経済的な側面からは現実的に高価であり、幅広く普及を推進するには時間を要すると予測されている。このように、内燃機関を有する移動媒体においてはエンジン、ミッションなどの内燃機関の直接的な改良での削減対策が検討されているが、目標とする削減量を達するには、移動媒体の軽量化も不可欠である。
なお、クルマを始めとして鉄道、船舶、飛行機など様々な移動媒体の材料として信頼性が高いのは金属系材料である。具体的には、高張力鋼板などが挙げられるが、本質的な軽量化を達するには、更に軽量で比強度の高い材料開発が必要とされていた。
一方、プラスチック系の材料としては、熱硬化性樹脂が、樹脂材料全般の中でも比較的高剛性なものとして位置づけられている。更にガラス繊維や炭素繊維を併用して、より高い比強度が得られるFRP(繊維強化プラスチック)などがプラスチック系の材料として挙げられる。特に不飽和ポリエステル系樹脂とガラス繊維を複合したガラス繊維強化プラスチック(GFRP)は、自動車、船舶の外装部材として採用されてきた経緯があり、実用性のある軽量化材料として評価されている。しかしながら、ガラス繊維分散の不均一性やガラス繊維長の制限の問題から、物性的に均一な成形体が得られにくい傾向があった。これを補うためには、要求される物性に対して物性公差を上回る製品肉厚で設計せざるを得なかったことから、期待通りの軽量化効果を得るのが困難となることが度々生じていた。
これらの問題を解決するために、近年では炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が採用される傾向にある。しかしながら、CFRPにおいても、性能が良くてもコスト面から使いこなすのが困難であるといった課題を有する技術であった。
また、コストと材料強度の折り合いを求めた技術としては、サンドイッチパネル構造体を挙げることができる。
代表的な例としては、造船などに活用される硬質塩化ビニル系発泡板の上下面をGFRPでサンドイッチしたパネル構造が知られている。これらのサンドイッチパネル構造は、構造力学上の断面係数や断面2次モーメントを向上させることができる。具体的には、サンドイッチ芯材に発泡体や軽量木材または紙、アルミを用いたハニカム材料などを使用することで、比強度の向上を果たすことができる。しかしながら、製造過程で手作業に頼る部分が多く、結果的には性能が良くてもコスト面から使いこなすのが困難であるといった課題を有するものであった。
一方、樹脂発泡体材料は、比較的安価な材料であることは周知されている。また、その構造から軽量化には適した材料であるが、例えば金属材料への直接的な置き換えを検討した場合には、強度不足や信頼性不足の問題から、一部の部品の置き換えにとどまる傾向が根強かった。
たとえば、上記樹脂発泡材料としては、熱硬化性樹脂発泡体が挙げられる。しかしながら、すべての熱硬化性樹脂に適用できるものではなかった。また、ポリウレタンフォーム、フェノールフォーム、尿素樹脂フォームなどの例外的に発泡できる熱硬化性樹脂発泡体であっても、更にFRP系材料などと複合化する以外に金属系材料に代替する術がないのが実状であった。曲げ強度などの諸物性は投影面積当たりで比較すれば、同重量では高強度を達成するものの、厚みが厚すぎて実用サイズに加工できないこと、表面の硬度が乏しすぎること、また表面の平滑性が乏しく商品価値が得られないことなどの理由から金属系材料への代替ができなかった。
また、近年では、熱硬化性樹脂材料と発泡粒子とを組み合わせた、軽量化複合材料が提案されている。特許文献1には、発泡粒子と熱硬化性樹脂材料との複合材料が提案されている。前記複合材料は、発泡粒子と熱硬化性樹脂原料とを混合した後、熱硬化性樹脂原料を硬化させることにより得られるものである。このような混合工程を有する製造方法により得られる複合材料は、発泡粒子を均一に分散させることが難しく、硬化物中にエアーが巻き込まれる場合があり、複合軽量体の物性や強度の問題が懸念されるものであった。
さらに特許文献2には、複数個の発泡粒子が不飽和ポリエステル樹脂硬化物で一体化された複合軽量体が提案されているが、特許文献1と同様に混合工程を必要とするものであるため、複合軽量体の物性や強度の問題が懸念されるものであった。
さらに、特許文献3には、発泡樹脂原料を発泡させて成型した発泡樹脂成型体からなる母材を、流動状態の熱硬化性樹脂中に浸漬し、母材を組成している発泡セル間に形成された空隙内に前記熱硬化性樹脂を収容し、前記母材を前記熱硬化性樹脂から取出し、空隙内に収容されている前記熱硬化性樹脂を硬化させて得られる発泡樹脂複合構造体の製造方法が開示されている。しかしながら、前記複合構造体は、母材の一の面と他の面とに連通している空隙に、母材の他の面における圧力の方が前記一の面における圧力よりも低くなるように、前記一の面と前記他の面との間に圧力差を発生させて、流動状態の熱硬化性樹脂を収容させるものであった。このように、開放系における圧力差により熱硬化性樹脂を収用した複合成形体においては、厚み方向に対する熱硬化性樹脂の配置に偏りが生じ、複合構造体の物性に課題を残していた。
特開2000−319440号公報 特開平6−39936号公報 WO2008/120295号公報
本発明は、上記の問題点に鑑み、軽量にして高い曲げ強度を有する複合成形体を提供することを目的とするものである。
本発明者らは鋭意研究の結果、樹脂発泡小片間の間隙部分に熱硬化性樹脂硬化物が形成されてなり、複合成形体が、下記〔1〕を満たすことにより、前記の課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
〔1〕
複数の樹脂発泡小片と、熱硬化性樹脂硬化物とからなる複合成形体であって、
該樹脂発泡小片間に熱硬化性樹脂硬化物が形成されており、
前記複合成形体を構成する熱硬化性樹脂硬化物が3〜30体積%であり、
前記複合成形体の曲げ弾性率E(MPa)と複合成形体の密度ρ(kg/m3)が下式(1)を満足することを特徴とする複合成形体。
1/3/ρ > 0.02 [(MPa)1/3(kg/m3-1] ・・・ (1)
〔2〕
前記複合成形体の密度ρが100〜600kg/m3であることを特徴とする前記〔1〕に記載の複合成形体。
〔3〕
前記複合成形体の周囲には、熱硬化性樹脂硬化物からなる硬化物層が形成されていることを特徴とする前記〔1〕または〔2〕記載の複合成形体。
〔4〕
前記熱硬化性樹脂硬化物が、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂、ウレタン系樹脂、およびポリイミド樹脂から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の複合成形体。
〔5〕
前記樹脂発泡小片の基材樹脂が、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂および塩化ビニル系重合体から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の複合成形体。
〔6〕
前記樹脂発泡小片が、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子であることを特徴とする前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の複合成形体。
〔7〕
前記樹脂発泡小片が相互に融着されており、融着された樹脂発泡小片間の空隙に熱硬化性樹脂硬化物が形成されていることを特徴とする前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の複合成形体。
〔8〕
前記複合成形体の、230℃、10分間加熱後の加熱体積変化率が0%〜−3%であることを特徴とする前記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の複合成形体。
〔9〕
前記複合成形体から無作為に少なくとも5箇所から切り出した試験片の密度の標準偏差を、密度の算術平均で除した値である変動係数(%)が10%以内であることを特徴とする前記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の複合成形体。
〔10〕
前記〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の複合成形体の少なくとも一面に、金属板を積層してなる金属複合成形体
を提供する。
本発明の複合成形体は、軽量にして高い曲げ強度を有し、自動車、鉄道、船舶、飛行機等の移動媒体のパネルとして利用でき、部材の軽量化を達成できる。また、圧縮強度や曲げ強度などの均一性に優れることから、局所的に強度が弱くなる部分を考慮して、物性公差を上回る製品肉厚で設計する必要がなく、従来よりも厚みが薄くても、強度に優れた複合成形体である。
本発明の複合成形体とその製造方法の各工程を模式的に示す説明図である。(a)型内に発泡小片成形体を配置する工程、(b)〜(d)型内を減圧し、熱硬化性樹脂液体原料を空隙部に含浸させる工程、(e)熱硬化性樹脂を硬化する工程、(f)離型して複合成形体を得た状態を示す模式図である。 熱可塑性樹脂液体原料を空隙部に含浸させる工程の要部を模式的に示す説明図である。
本発明の複合成形体は、図1(f)に示す様に、複数の樹脂発泡小片1と、熱硬化性樹脂硬化物3とからなる複合成形体10であって、発泡小片間6に熱硬化性樹脂硬化物3が形成されてなる。例えば、該熱硬化性樹脂硬化物は、発泡小片を金型内に充填した際の隣り合う発泡小片により形成される間隙部分や、おこし状の連通した空隙を有する発泡小片成形体の該空隙部分、隣接する発泡小片の表面が融着して形成された樹脂発泡小片成形体の発泡小片間の空隙部分などの、発泡小片間に形成される。
本発明の複合成形体は、複数の樹脂発泡小片1間や、樹脂発泡小片成形体2を構成する樹脂発泡小片間の空隙、さらには、樹脂発泡小片1自体に形成された空隙などに、熱硬化性樹脂液体原料が全体にわたって満遍なく連続相の状態で含浸され、硬化し、熱硬化性樹脂硬化物3の連続相を形成している。
一方、複合成形体中の樹脂発泡小片1又は樹脂発泡小片成形体2は、樹脂発泡小片成形体を用いて複合成形体を製造した場合など、発泡粒子同士が融着していれば連続相として形成される。なお、複合成形体の強度の観点からは、樹脂発泡小片と熱硬化性樹脂硬化物が共連続相として存在することが好ましい。
複合成形体の内部では、樹脂発泡小片間の空隙部に、熱硬化性樹脂硬化物が樹脂発泡小片の個々を包むように且つ密着して硬化している。複合成形体内部において、すなわち、熱硬化性樹脂硬化物がいわゆる三次元網目構造を形成する。この網目構造の形成により、複合成形体の強度が発揮される。
複合成形体の用途などの目的によっては、特に制限されるものではないが、樹脂発泡小片と熱硬化性樹脂は強固に接着していることが好ましい。例えば、材料破壊試験などで複合成形体を折り割った場合には、樹脂発泡小片が材料破壊する程度に接着していることが好ましい。上記観点からは、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いた場合には、ポリ乳酸系樹脂、ポリプロピレン系樹脂が好ましく用いられる。
前記複合成形体を構成する熱硬化性樹脂硬化物は3〜30体積%であり、より好ましくは5〜25体積%である。熱硬化性樹脂硬化物が3体積%未満であると、複合成形体の圧縮強度や曲げ強度等の機械的強度が低下し、30体積%を超えると軽量化が図れない。
前記複合成形体の密度は、100〜600kg/m3であることが好ましく、より好ましくは150〜400kg/m3である。上記範囲内であれば、軽量性に優れると共に、強度にも優れる成形体となる。なお、前記複合成形体の密度は、複合成形体の重量を水没法などにて求められる複合成形体の体積で除して得られる値である。
熱硬化性樹脂硬化物による網目構造を構成している網目構造壁には、可能な限り気孔、すなわち、熱硬化性樹脂硬化物の網目構造を構成している気泡構造の気泡壁中に存在する微小な空洞が存在していないことが望ましい。上記のような気孔が熱硬化性樹脂硬化物により形成される気泡壁中に存在しない場合には、局所的な強度低下が生じず、寸法安定性に優れる複合成形体となると考えられる。なお、上記のような構造は、例えば、下記で説明する複合成形体の製造方法によって製造することができる。
前記複合成形体の曲げ弾性率E(MPa)と複合成形体の密度ρ(kg/m3)が下式(1)を満足することを要する。
(1/3)/ρ > 0.02 [(MPa)1/3/(kg/m3)]・・・ (1)
なお、式(1)で求められる値を前記複合成形体の比曲げ剛性という。前記比曲げ剛性が小さすぎる場合には、熱硬化性樹脂硬化物により形成される三次元網目構造の気泡壁部分に形成される気孔が応力点となって、曲げ剛性が低下していると考えられる。上記観点から、前記比曲げ剛性は、0.021以上であることが好ましい。なお、比曲げ剛性の上限は、0.04であることが好ましい。
前記複合成形体は、230℃、10分の加熱後の加熱体積変化率が0〜−3%となることが好ましい。前記加熱体積変化率が大きすぎる場合には、熱硬化性樹脂硬化物により形成される三次元網目構造の気泡壁部分に形成される気孔が応力点となって、加熱体積変化が大きくなると考えられる。したがって、上記範囲内であれば、圧縮強度や曲げ強度等の物性が低下することなく、良好な複合成形体となる。上記観点から、前記加熱体積変化率は、0〜−2.5%であることがより好ましい。
また、前記複合成形体の内部から無作為に少なくとも5箇所から切り出した試験片の密度(内層密度)の標準偏差を密度の算術平均で除した値である変動係数を百分率で表示して10%以内の範囲にあることが好ましく、8%以下であることが好ましい。なお、該内層密度は、表層の硬化物層部分を除いた密度として定義される。前記内層密度の変動係数が上記範囲内である場合には、前記複合成形体の内層密度のバラツキが小さいことから、強度の均一性に特に優れ、局所的に材料破壊などが進行して物性が低下してしまうことがなく、良好な複合成形体である。従って、従来よりも曲げ弾性率などの機械的物性に優れた複合成形体となる。
なお、前記内層密度は、硬化物層部分を除く複合成形体の内部から任意に切り出した、直方体状のサンプルの重量と3次元寸法を測定し計算した体積から、単位換算して内層密度(kg/m3)を求めることができる。また、直方体状に切り出すのが困難な場合は、任意形状に切り出し、重量を測定したのちに、水を入れたメスシリンダーにサンプルを沈めて、その標線変化から体積を測定(水没法)し、密度を計算することができる。なお、上記測定の場合には、サンプルは後述する硬化物層を含まないものとする。
また、複合成形体の平均気泡径、すなわち、熱硬化性樹脂硬化物で構成される網目構造の網目に相当する気泡径は、1〜5mmであることが好ましい。上記範囲内であれば、局所的な強度低下が生じず、均一な複合成形体となる。該平均気泡径の測定方法は、複合成形体を厚み方向に2分割し、切断面の拡大写真を撮影する。次に、写真上に複合成形体の表面から中心付近を通り反対側の表面まで達する直線を引き、直線と交わっている気泡数を数える。そして、直線の長さ(実際の長さ)を気泡数で除して、気泡1個当たりの気泡径を求め、この操作を複合成形体の5箇所について同様に行ない、得られる測定値の平均値を上記複合成形体の平均気泡径(mm)とする。
前記複合成形体の周囲には、熱硬化性樹脂硬化物からなる硬化物層(以下、単に「熱硬化性樹脂層」または「硬化物層」と表記することがある。)が形成されていることが好ましい。該硬化物層は、複合成形体の周囲を被覆する被覆層として存在する。また、複合成形体の外観は、型に包囲されて成形されるので、型の形状を転写している。なお、前記複合成形体の周囲の熱硬化性樹脂硬化物層の厚みは、0.1〜5mmであることが好ましく、0.3〜3mmであることがより好ましい。
また、上記のように硬化物層は、表面平滑性と塗装性を有し、表面硬度が実用レベルを維持することができ、かつ、表面加飾用の紙印刷物などのシートをパネルに挿入することで、外壁デザインならびに室内側意匠パネルとして活用できる。
本発明の複合成形体は、発泡小片成形体を含むことから、断熱性能を有する。該複合成形体の熱伝導率は、0.06W/(m・K)以下であることが好ましく、0.05W/(m・K)以下であることがさらに好ましい。
さらに、熱硬化性樹脂硬化物部分は、光を通す性能を有することから、得られた複合成形体は透光性を有する。従って、夜間に室内照明を点けることによってその光が外から視認できるような内外壁兼用断熱パネル等として利用することができる。
本発明の複合成形体は、金属板と一体化して金属複合成形体として用いることができる。具体的には、複合成形体の少なくとも一面に、金属板を積層してなる金属複合成形体を形成することができる。金属板の材料としては、特に制限されないが、鉄、アルミニウム、合金など、自動車、鉄道、船舶、飛行機等の移動媒体の金属外板パネルとして使われているものを用いることができる。具体的には、例えば、図1の5bの示す下型として金属板を用いて複合成形体の成形を行い、金属板面と熱硬化性樹脂液体原料が接着するように硬化させることで、複合成形体の一面に金属板を積層させることができる。
また、本発明の複合成形体は、複数の発泡小片と熱硬化性樹脂硬化物とからなる複合成形体を加熱し、発泡小片成形体部分を溶融分解、溶解、または減容することによって、外観上は熱硬化性樹脂硬化物による網目構造のみが残存した形態の成形品を提供することもできる。
この熱硬化性樹脂硬化物の網目構造のみが残存した形態の成形品は、本発明の複合成形品を、熱硬化性樹脂硬化物の分解温度以下であり、且つ樹脂発泡小片の溶融分解温度以上、或いは減容温度以上に加熱処理することによって、樹脂発泡小片を揮散或いは減容させて、樹脂発泡小片が占有していた部分を空洞状とすることによって達成される。かかる溶融分解操作或いは減容操作は、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で行うことが、網目構造を形成している熱硬化性樹脂硬化物の酸化劣化等を防止する観点から望ましい。
なお、この網目構造の成形品を得るには、耐熱性の高い熱硬化性樹脂を選択する必要がある。
本発明の複合成形体において、樹脂発泡小片としては、特に制限されるものではないが、樹脂発泡小片は、使用する熱硬化性樹脂液体原料に不溶性または難溶性である必要があり、複合成形体(熱硬化性樹脂複合成形体)とした後に熱硬化性樹脂硬化物と十分な接着性を有する必要がある。なお、樹脂発泡小片の不溶性は、液体状熱硬化性樹脂に浸漬することにより確認できる。
このような特性を有する樹脂発泡小片を構成する基材樹脂としては、例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリブチレンサクシネート,ポリエチレンテレフタレート,ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などを挙げることができる。これらの中でも、軽量性、耐水性、耐久性等の特性並びにコストの観点から、ポリプロピレン系樹脂、ポリ乳酸系樹脂を使用することが好ましい。
前記樹脂発泡小片は、その形状が熱硬化性樹脂硬化物による網目構造(以下、「熱硬化性樹脂複合成形体の網目構造」という場合がある。)を決定することになるため、該樹脂発泡小片の長手方向と短手方向の寸法比(以下、「アスペクト比」という場合がある。)が0.5〜2であることが好ましい。上記範囲内であれば、樹脂発泡小片間に形成される空隙が樹脂発泡小片成形体中に均一に形成されやすくなり、この空隙に熱硬化性樹脂原料液体が充填されて、より均一で強固な熱硬化性樹脂硬化物の網目構造が形成される。
また、該樹脂発泡小片の形状としては、発泡粒子、発泡ストランド、発泡成形体及び押出発泡体の粉砕物、鞍形状(チップ状)の発泡体等が挙げられるが、その中でも、発泡粒子の形状が好ましい。
また、樹脂発泡小片が発泡粒子の場合には、その粒子径は、1.0〜3.5mmが好ましく、1.5〜3.2mmがさらに好ましい。上記範囲内であれば、熱硬化性樹脂複合成形体の網目構造として形成される熱硬化性樹脂壁で形成される気泡の気泡径が、前記複合成形体の強度の向上に好適なものとなる。なお、樹脂発泡小片の粒子径が小さい方が空隙の開口面は小さくなる傾向にあることから、樹脂発泡小片の粒子径が小さいほど、空隙率を大きくして熱硬化性樹脂液体原料を含浸させやすくする必要がある。
さらに、前記樹脂発泡小片は、特開2004−068016号公報に記載されているような、鞘芯構造の発泡粒子を用いることが好ましい。前記鞘芯構造の発泡粒子を用い、鞘層を形成する基材樹脂を熱硬化性樹脂との接着性を考慮して選択することにより、より強固な複合成形体を形成することができる。
例えば、鞘芯型のポリ乳酸系樹脂発泡粒子においては、鞘層に非晶性ポリ乳酸樹脂を用いることが好ましい。該非晶性ポリ乳酸樹脂は熱硬化性樹脂に溶解または膨潤しやすい特性を有することから、熱硬化性樹脂液体原料との親和性が高くなる。従って、型内で発泡粒子と熱硬化性樹脂液体原料が接触した際に、鞘層を流路として熱硬化性樹脂液体原料が発泡粒子間の空隙に導入されやすくなり、熱硬化性樹脂硬化物の三次元網目構造がより緻密に形成されて、強度に優れる複合成形体となる。また、複合成形体として構成される熱硬化性樹脂硬化物の体積は、鞘層樹脂の分だけ熱硬化性樹脂原料から求められる理論体積よりも大きくなる傾向にある。
一方、芯層には結晶性ポリ乳酸樹脂を用いることが好ましい。該結晶性ポリ乳酸系樹脂は、熱硬化性樹脂液体原料に対して溶解や膨潤することなく、発泡粒子の形状が維持されると共に接着性の高い複合成形体が得られる。
上記のような発泡粒子は、例えば、特開2012−025869号公報に記載の方法により調製することができる。
本発明の複合成形体を構成する樹脂発泡小片の嵩密度は、15kg/m3〜250kg/m3であることが好ましい。上記範囲内であれば、軽量化の効果が高い上に、熱硬化性樹脂硬化物の網目構造が密に形成され、剛性に優れる複合成形体となる。
前記発泡小片としては、例えば、市販の発泡粒子、株式会社ジェイエスピーのポリプロピレン系樹脂発泡体である商品名「ピーブロック(登録商標)」の内、密度が10〜90kg/m3のものや、同社のポリエチレン系樹脂発泡体である商品名「エルブロック(登録商標)」の内、密度が15〜80kg/m3のもの、株式会社ジェイエスピーの発泡性ポリスチレン樹脂粒子、商品名「スチロダイヤ(登録商標)」を予備発泡機で所定の嵩密度に発泡させたポリスチレン樹脂発泡粒子などが例示される。また、特公昭53−1313号公報、WO2012/086305号公報、特開2012−025869号公報などを参照して発泡粒子を得ることもできる。
なお、前記複合成形体を製造する際には、複数の樹脂発泡小片間に熱硬化性樹脂原料が含浸され硬化させることにより得られる。具体的には、予め成形された樹脂発泡小片成形体を型内に配置した後に、熱硬化性樹脂液体原料を、成形体を構成する樹脂発泡小片間に導入し硬化させて複合成形体とする方法が挙げられる。他に、複数の樹脂発泡小片を型内に充填させた後に(すなわち、樹脂発泡小片成形体とすることなく)熱硬化性樹脂液体原料を導入し硬化させて複合成形体とすることもできる。
予め成形された発泡小片成形体を用いる場合には、前記発泡小片成形体の空隙率は、3〜30体積%であることが好ましい。上記範囲内であれば、軽量性を有するとともに、硬化した熱硬化性樹脂による強度発現の寄与が大きくなる上記観点から、5〜25体積%であることが好ましい。
前記発泡小片成形体の空隙率は、以下の方法により求めたものである。
温度23℃、相対湿度50%の環境下で24時間以上放置した発泡小片成形体から直方体サンプルを切り出し、該サンプルの外形寸法より嵩体積Va[cm3]を求める。次いで該サンプルを温度23℃のエタノールの入ったメスシリンダー中に金網などの道具を使用して沈め、軽い振動等を加えることにより成形体中の空隙に存在している空気を脱気する。そして、金網などの道具の体積を考慮して水位上昇分より読みとられる該サンプルの真の体積Vb[cm3]を測定する。求められたサンプルの嵩体積Va[cm3]と真の体積Vb[cm3]から、次式により空隙率Y[%]を求める。
空隙率Y[%]=〔(Va−Vb)/Va〕×100・・・(2)
なお、このような空隙率を有する発泡小片成形体は、従来公知の実公昭63−7607号公報、特開平2−299822号公報、特開平5−147120号公報などに記載の方法によって、樹脂発泡小片を型内成形することによって得ることができる。
本発明の複合成形体を構成する熱硬化性樹脂硬化物の熱硬化性樹脂としては、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリコン系樹脂、フェノ−ル系樹脂、メラミン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ユリア系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂およびこれらの変性樹脂等を挙げることができる。
これらのなかでも、原料の取り扱い性や、得られる複合成形体の剛性の観点から、エポキシ樹脂が好適に用いられる。前記エポキシ樹脂としては、1分子に2個以上のエポキシ基を含有するものが好ましく、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD(アセトアルデヒド)型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
このような熱硬化性樹脂に対応して、熱硬化性樹脂と反応して硬化物を生成し得る硬化剤が用いられる。該硬化剤としては、熱硬化性樹脂と反応して硬化物を生成し得るものであれば特に制限されるものではなく、例えばエポキシ樹脂の硬化剤として、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物等の酸無水物、ノボラック型フェノール樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のフェノール樹脂、無水フタル酸誘導体、ジシアンジアミド、イミダゾール化合物、アルミニウムキレート、BF3のようなルイス酸のアミン錯体等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
硬化剤の配合量は、熱硬化性樹脂の種類、硬化剤の種類等によっても異なるものの、例えばエポキシ樹脂については、そのエポキシ当量によっても異なるものの、エポキシ樹脂100質量部に対して、通常2質量部以上150質量部以下とすることが好ましい。
熱硬化性樹脂液体原料の硬化方法に関しては、前述のように、特段に規定されるものではなく、更には1液性ではなく、2液以上の複数液混合から構成されてもよい。硬化手段としては、その目的とする硬化物が得られれば特段に規定されるものではなく、ラジカル反応、重縮合反応、メタセシス反応などの一般的な化学反応を伴う形態で硬化させることができる。
前記熱硬化性樹脂硬化物は、その表面硬度がバーコル硬度で20以上であることが望ましい。なお、バーコル硬度は、JIS K7060に準拠して測定することができる。
前記熱硬化性樹脂は、架橋モノマー、硬化促進剤、添加剤等と混合した液体原料の状態で用いられる。
硬化前の、熱硬化性樹脂液体原料の見かけ粘度は、100〜10000mPa・sであることが好ましい。上記範囲内であれば、樹脂発泡小片間の空隙に容易に含浸させることができる。上記観点から、200〜8000mPa・sであることがより好ましい。なお、本明細書において粘度測定は、JISK6901のブルックフィールド型粘度計法に基づいて行なうこととする。
また、粘度を調整するために揺変性付与剤等の粘度を高くするもの及び粘度低下剤等の粘度を低くするものを必要に応じて添加することもできる。この場合、粘度調整後の液体原料の粘度を測定する。
前記熱硬化性樹脂には、物性向上のための添加剤を配合することができる。なお、無機系添加剤としては、顔料系無機物、ガラス繊維、ガラス粉、タルク、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウムなどケイ酸系無機物、酸化金属系無機物、アルミノケイ酸系無機物、アルミナ系無機物などが挙げられる。
一方、有機系添加剤としては、フェノール系酸化防止剤、HALS、有機系顔料などが一般的に用いられる。有機系添加剤の添加量は、硬化物に影響がない範囲で添加することができる。前記添加剤の添加量は、熱硬化性樹脂液体原料100質量部に対して10質量部以下とすることが好ましい。
なお、前記熱硬化性樹脂液体原料は溶剤を含まない組成であることが望ましい。溶剤は熱硬化性樹脂硬化物の網目構造壁中に気孔を生じさせる原因となる虞があるからである。
次に、本発明の複合成形体の製造方法について説明する。
本発明の複合成形体は、密閉可能な所定形状の内部空間を形成できる型に、複数の樹脂発泡小片を充填、または予め複数の樹脂発泡小片を型内成形して得られた発泡小片成形体を配置する工程(1)、該内部空間を密閉して、該内部空間に熱硬化性樹脂液体原料を導入する工程(2)、該液体原料を該樹脂発泡小片間の該空隙部に含浸させ、かつ該成形体の周囲を覆う工程(3)、及び該液体原料を硬化させる工程(4)を経て製造することができる。
前記製造方法の一例について、図を参照して説明する。図1は本発明の複合成形体の製造方法の各工程を模式的に示す説明図である。なお、図では、複数の樹脂発泡小片として、予め成形された発泡小片成形体を用いた場合を例にしている。
図1(a)は、直方体状の内部空間4を有する型5内に、複数の樹脂発泡小片1が固着一体化された樹脂発泡小片成形体2を収納する工程(1)が終了した状態を模式的に示している。
樹脂発泡小片成形体2は、図外の発泡性樹脂を発泡させて所定形状の該樹脂発泡小片成形体2を得る工程において、樹脂発泡小片1同士間の間隙に空隙部6を有している。得られる複合成形体の機械的物性等を満足させる観点から、該樹脂発泡小片成形体の空隙部の空隙率が3〜30体積%であることが好ましい。
空隙率が上記範囲内であれば、硬化した熱硬化性樹脂による強度発現に優れ、軽量性を有する複合成形体となる。なお、網目構造は型に配置した樹脂発泡小片の個々の形状や、発泡小片成形体の空隙率を変えることにより、網目構造の形状は適宜変更することが可能である。
次いで、該内部空間に熱硬化性樹脂液体原料を導入する工程(2)に移行するが、図1(a)において、図示省略の減圧吸引用のバルブを開いて、真空ポンプ等により内部空間4が減圧されることが好ましい。本発明の複合成形体を得るためには、この減圧工程が熱硬化性樹脂液体原料を添加する前に行われることが好ましい。あらかじめ、型内の内部空間全体が減圧されることにより、型内に導入する熱硬化性樹脂液体原料3'を樹脂発泡小片成形体2の空隙部に均等かつ隈なく充填(含浸)されることがより容易となる。上記観点から、減圧は−0.01〜−0.1MPa(G)(Gはゲージ圧を表す)の範囲とすることが好ましく、−0.02〜−0.08MPa(G)の範囲とすることがさらに好ましい。
減圧された該内部空間に熱硬化性樹脂液体原料を導入する工程は、図1(b)を拡大して図2に模式的に示すように、下型5bと上型5aの間に導入孔7を設け、先ず該導入孔から型外に貯留された(図示省略)熱硬化性樹脂液体原料3'を、型5内の減圧度を減圧吸引パイプ8に接続された減圧装置により制御して、型5内の減圧度を均衡させて型に導入することが望ましい。
さらに、熱硬化性樹脂液体原料の導入は準静的に行われることが好ましい。導入における、準静的な状態とは、レイノルズ数で定義される層流の状態が好ましく、乱流の状態は好ましくない。層流状態での導入により、気孔を巻き込むなどの防止に役立つのみならず、網目構造の欠損を防止することが可能になることから、導入中での層流状態の維持が好ましい。
なお、熱硬化性樹脂原料を導入する際には、導入口で樹脂に圧力をかける方法、または排出口から減圧状態で型内を減圧し樹脂を導入する方法、及び導入口の加圧と排出口からの減圧を併用する方法が選択される。樹脂の加圧は、ピストンプランジャーなどによる機械的な圧縮が一般的に採用されるが、タンクを気体などで加圧する方法であっても構わない。しかしながら、空気または水蒸気成分との接触により、熱硬化性樹脂の変性若しくは失活などの虞がある場合は、プランジャーを用いた導入を採用するのが好ましい。導入する際に加圧する圧力としては、0.0MPa(G)を超え0.5MPa(G)以下であることが好ましい。また排出口から減圧を行う場合は、−0.1MPa(G)以上であり0.0MPa未満であることが好ましい。但し、排出口から減圧環境で型内を減圧にする場合は、硬化前の熱硬化性樹脂の沸点を下げるため、沸騰現象での気泡の混入を起こす虞があることから、これらを考慮した減圧環境の維持及び型内圧力の保持の措置が必要になる。
図1(b)に示すような型内に熱硬化性樹脂液体原料を導入する初期においては、発泡小片成形体2は、浮き上がった状態になり、係る状態で型の底部より樹脂が導入されることから、発泡小片成形体の空隙部及び発泡小片成形体の周囲が熱硬化性樹脂液体原料により覆われた状態となり易くなる。さらに該液体原料を該発泡小片成形体の該空隙部に含浸させる工程(3)を経る。
発泡小片成形体2の空隙部6は、発泡小片成形体中に網目状に形成されている。当該空隙部6に熱硬化性樹脂液体原料が導入され、硬化することにより、熱硬化性樹脂硬化物の三次元網目構造が形成され、複合成形体の強度が飛躍的に向上する。
それ故、熱硬化性樹脂硬化物の網目構造の形成には、熱硬化性樹脂液体原料の粘度、型の減圧状態、含浸速度や、硬化速度が関連する。
かかる観点から、前記発泡小片成形体に導入される熱硬化性樹脂液体原料の粘度は、100〜10000mPa・sであることが望ましく、200〜9000Pa・sであることがさらに望ましい。
なお、前記空隙部6に熱硬化性樹脂原料が含浸される工程おいては、密閉された内部空間の圧力が均一であることを要する。さらに、図1(d)に示す如く、発泡小片成形体の空隙部に熱硬化性樹脂液体原料が充填される。さらに、前記空隙部6に熱硬化性樹脂液体原料が含浸されると共に、発泡小片成形体の周囲が熱硬化性樹脂液体原料により覆われた状態となることが好ましい。この様な状態が形成されるのは、従来と異なり密閉可能な所定形状の内部空間を形成できる型を用いる点にあるとともに、型と発泡小片成形体との間に間隙を残して成形を行うことにより、発泡小片成形体の周囲全体に熱硬化性樹脂原料が回り込み、複合成形体の硬化物層が外周に均一に形成されやすくしているためである。
前記熱硬化性樹脂液体原料を硬化する際には、熱硬化性樹脂液体原料の硬化特性に対応した温度に型を加熱することなどによって、型内部の熱硬化性樹脂液体原料を硬化する。
なお、硬化条件は、特段に規定されるものではなく、熱硬化性樹脂は、1液性ではなく、2液以上の複数液混合から構成されてもよい。硬化手段としては、目的とする硬化物が得られれば特段に規定されるものではなく、ラジカル反応、重縮合反応、メタセシス反応などの一般的な化学反応を伴う形態で硬化させることができる。
硬化完了後に図1(f)に示すように型5を外して(離型)して、複合成形体10を得る。得られた複合成形体10は、発泡小片成形体2の空隙部に熱硬化性樹脂硬化物3が充填され、かつ、発泡小片成形体2の外周が全て熱硬化性樹脂硬化物3によって覆われている。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
(発泡小片成形体の製造)
鞘層がネイチャーワークス社製のポリ乳酸、グレード名:「Ingeo4060D」の無発泡層であり、芯層が同社のグレード名:「Ingeo2003D」からなる鞘芯型ポリ乳酸発泡粒子の樹脂発泡小片として用いた。鞘層と芯層の質量比率は5/95であった。該発泡粒子を型内成形して発泡小片成形体を得た。成形は、開放し、閉鎖し得る金型〔有効寸法:長さ(l)300×幅(w)300×深さ(t)50(mm)〕を使用して、型内を空気で0.1MPa(G)に保持した金型内に発泡粒子を充満した後、金型内の空気圧を0.0MPa(G)に戻し、次いで金型に付属する排気弁を開放した状態で元圧0.3MPa(G)のスチームを5秒間導通した後に、排気弁を閉鎖し、0.02MPa(G)のスチームを型に導入し5秒間保持した後に、直ちに型を開放し、15秒の水冷冷却を行い、型を開放して、型で成形した平板状の発泡小片成形体を取り出した。成形体は、40℃のオーブン中で24時間乾燥した後に、70℃のオーブンに移し、24時間の熱処理が施された。熱処理後の発泡小片成形体の寸法は長さ(l)295×幅(w)295×厚み(t)48(mm)であり、嵩密度84kg/m3を有する、表1に示す空隙率のポリ乳酸製の発泡小片成形体を得た。成形品は、厚さ28mmにカットして平板とした。
(複合成形体の製造)
有効内寸300(l)×300(w)×30(t)(mm)である、熱硬化性樹脂の導入口と排出口を有する樹脂型(FRP型)を上型とし、2mm厚みのSUS板を下型とした、上下一対の、密閉空間を形成できる型の内部に、前記ポリ乳酸製の発泡小片成形体を配置した(配置工程)。次いで、下型との境界部に設けられた液状原料の導入口を閉鎖して型内を密閉した後に、上型の中央頂部に設けた排出口から−0.04MPa(G)で減圧した(減圧工程)。型内が−0.04MPa(G)となったのを確認した後に、予め調合しておいたエポキシ系熱硬化性樹脂液状原料を、導入口を開いて型内へ導入した。エポキシ系樹脂は三菱化学(株)製jER807を100質量部と三菱化学(株)製TETA 11質量部とからなる熱硬化性樹脂液体原料を用いた。なお、この熱硬化性樹脂液体原料の粘度は、表1に示す。
導入口に接続した10mmφのシンプレックスチューブを介して、型の減圧状態を推進力に、混練した熱硬化性樹脂液体原料(以下、「液体樹脂」ということがある。)を吸引し型内へ層流状態を維持しながら且つ気孔の混入に配慮しながら導入した。なお、導入時にわたり−0.04MPa(G)を維持した。導入時の液体樹脂量を30g/分から200g/分の間で制御しながら導入し、最終的に上型の排出口から液状樹脂が排出されるまで継続して行った(導入工程)。液体樹脂の導入に要した時間は10分であった。導入が終了した時点で、導入口を閉鎖し、排出口から減圧を継続しながら24時間の間、型を静置した状態(室内の気温:23℃、湿度:60%RH)で保持した。
24時間経過の後に、型を開放し、複合成形品を取り出した。次いで、80℃に加温してあるオーブン中に3時間放置し、硬化を完結した。
硬化を完結した複合成形品は、300(l)×300(w)×30(t)(mm)の平板状複合成形品を得た。(なお、液体樹脂の安定供給を維持するためのマニホールド部(インジェクション成形のランナーに相当する部位)や、バリ部位は切断除去した)
得られた複合成形品の物性などを表2に示す。
実施例2
(発泡小片成形体の製造)
基材樹脂がポリプロピレン系樹脂とポリ乳酸樹脂の混合樹脂からなる発泡粒子の樹脂発泡小片として用いた。該発泡粒子を型内成形して発泡小片成形体を得た。成形は、開放し、閉鎖し得る金型(有効寸法300(l)×300(w)×50(t)(mm))を使用して、型内を空気で0.1MPa(G)に保持した金型内に発泡ビーズを充満した後、金型内の空気圧を0.0MPa(G)に戻し、次いで金型に付属する排気弁を開放した状態で元圧0.3MPa(G)のスチームを5秒間導通した後に、排気弁を閉鎖し、0.02MPa(G)のスチームを型に導入し5秒間保持した後に、直ちに型を開放し、15秒の水冷冷却を行い、型を開放して、型で成形した平板状の発泡小片成形体を取り出した。成形体は、40℃のオーブン中で24時間乾燥した後に、70℃のオーブンに移し、24時間の熱処理が施された。熱処理後の発泡小片成形体の寸法は295l×295w×48t(mm)であり、表1に示す発泡小片成形体を得た。成形品は、厚さ28mmにカットして平板とした。
(複合成形体の製造)
有効内寸300(l)×300(w)×30(t)(mm)である、熱硬化性樹脂の導入口と排出口を有する樹脂型(FRP型)を上型とし、2mm厚みのSUS板を下型とした、上下一対の型の内部に、前記発泡小片成形体を配置した(配置工程)。次いで、下型との境界部に設けられた液状原料の導入口を閉鎖した後に、上型の中央頂部に設けた排出口から−0.04MPa(G)で減圧した(減圧工程)。型内が−0.04MPa(G)となったのを確認した後に、予め調合しておいた以下のエポキシ系熱硬化性樹脂液状原料を、導入口を開いて型内へ導入した(導入工程)。エポキシ系樹脂は三菱化学(株)製jER807を100質量部と三菱化学製(株)TETA 11質量部とからなる熱硬化性樹脂液体原料を用いた。なお、この熱硬化性樹脂液体原料の粘度は、表1に示す。
導入口に接続した10mmφのシンプレックスチューブを介して、型の減圧状態を推進力に、混練した熱硬化性樹脂液体原料(以下、「液体樹脂」ということがある。)を吸引し型内へ層流状態を維持しながら且つ気孔の混入に配慮しながら導入した。導入時の液体樹脂量を30g/分から200g/分の間で制御しながら導入し、最終的に上型の排出口から液状樹脂が排出されるまで継続して行った。導入時の圧力は−0.04MPa(G)を維持した。液体樹脂の導入に要した時間は10分であった。導入が終了した時点で、導入口を閉鎖し、排出口から減圧を継続しながら24時間の間、型を静置した状態(室内の気温を23℃とし、湿度を60%RHとして)で保持した。
24時間経過の後に、型を開放し、複合成形品を取り出した(含浸・硬化工程)。
硬化を完結した複合成形品に、300(w)×300(l)×30(t)(mm)の平板状複合成形品を得た(液体樹脂の安定供給を維持するためのマニホールド部(インジェクション成形のランナーに相当する部位)や、バリ部位は切断削除した)
得られた複合成形体の物性などを表2に示す。
比較例1
開口部が300(w)×75(t)mmである型枠に、実施例1で得られたポリ乳酸系樹脂発泡小片成形体(寸法は295(w)×295(l)×28(t)(mm)であり、84kg/m3の嵩密度を有する空隙率10%のポリ乳酸製の発泡小片成形体)を挿入した。型枠は下型に密着する構造であり、下型を減圧状態とすることで、発泡小片成形体を介して、発泡小片成形体の上面から下面に向けて差圧を形成させた(上面は開放されている)。エポキシ系樹脂は三菱化学(株)製jER807を100質量部と三菱化学(株)社製TETA 11質量部とからなる熱硬化性樹脂液体原料を用いた。上面から、発泡小片成形体の上面を被覆するように、熱硬化性樹脂液体原料を流し込んだ。なお、導入時の減圧は−0.04MPa(G)とした。液体原料が発泡小片成形体に吸入されるのを確認した後に、脱型し、24時間放置した。次いで、80℃に加温してあるオーブン中に3時間放置し、硬化を完結し、300(w)×300(l)×10(t)(mm)の平板状複合成形品を得た。比較例1の複合成形体の製造工程の条件を表1に、得られた複合成形体の構成及び評価結果について表2に示す。
比較例2
実施例2に記載の発泡粒子(重量81g)を用い、液状不飽和ポリエステル樹脂(日本ユピカ製4007A)100重量部と酸化マグネシウム3重量部、及び硬化剤として(過酸化ベンゾイル)BPO2重量部を硬化剤が実質的に分解する温度未満で予備混合した。続いて、前記予備混合物と前記発泡粒子とを容器内に入れて、該発泡粒子表層部の全面が予備混合物で全面被覆されるように混合操作を行った。次に、内寸法が長さ295mm、幅295mm、深さ45mmの樹脂製型枠を用意し、大判のポリエチレン製シートを型枠内壁面に沿わせ、その上から、前記容器内容物の厚みが約45mmとなるように型枠内に入れ、更にその上からをポリエチレン製シートで覆って、35℃雰囲気下で3日間放置した。型枠から取り出された未硬化状合成樹脂発泡粒状物集合体は、不飽和ポリエステル樹脂が常温において固体状ないし半固体状に増粘された結果、長さ295mm、幅295mm、厚み45mmのサイズのものであった。次に、内部がポリテトラフルオロエチレン樹脂で表面処理された110℃に加熱されたアルミニウム製雌金型内に入れ、この雌金型に一致するプレス機構を有する同材質の110℃に加熱された雄金型にてプレス(プレス圧力は10kgf/cm2 )し、そのままその温度で40分間保持した後、60℃以下に両金型を冷却し、軽量成形体を取り出し、23℃、50%RHの雰囲気下で48時間放置した。その軽量成形体は、長さ295mm、幅295mm、厚み28mmのサイズのものであった。比較例2の複合成形体の製造工程の条件を表1に、得られた複合成形体の構成及び評価結果について表2に示す。
なお、得られた複合成形体について、比曲げ剛性を測定したところ、実施例1では0.0237、実施例2では0.0244であったが、比較例1では0.0164、比較例2では0.018と比曲げ剛性が低下していた。加熱体積変化率を測定したところ、実施例1では−2%、実施例2では−1.5%であったが、比較例1では−27%、比較例2では+3%と変化率が大きな値を示した。また、任意の5箇所から切り出した試験片の熱硬化性樹脂硬化物の内層密度の変動係数を測定したところ、実施例1では5%、実施例2では4%であったが、比較例1では23%、比較例2では7%と実施例より極端に大きな値を示していた。また、比較例1は実施例1に比較して曲げ弾性率が極端に低くなる傾向がある。これは、不均一な樹脂含浸により形成された熱硬化性樹脂の硬化物が厚み方向に不均一に分布していることに由来している。また、比較例1では熱硬化性樹脂液体原料を流し込んだ上面には厚い硬化層が形成されているが、下面側では硬化層がほとんど形成されないため、曲げ弾性率が極端に低くなったものと考えられる。
比較例2は、発泡小片成形体に熱硬化性樹脂を含浸する工程において減圧とすることなく含浸させ、実施例2とは異なる方法で複合成形体(軽量成形体)を得たため、曲げ弾性率が実施例2によるものより低かった。
これは、含浸のばらつきや、熱硬化性樹脂硬化物の気泡壁中にエアーの巻き込みによる気孔が形成されることに起因し、当該気孔が応力点となって、局所的に強度が低下していると考えられる。
本発明の複合成形体は、以下の様にして評価した。
(樹脂発泡小片の嵩密度)
樹脂発泡小片の嵩密度は、樹脂発泡小片を無作為に抜き出し、気温23℃、相対湿度50%の大気圧下において、容積1Lのメスシリンダーの中に、静電気を除去しつつ自然堆積状態となるように多数の発泡小片を1Lの目盛まで収容し、次に、収容された発泡小片の重量を測定することにより求めた。
(複合成形体の密度)
前記複合成形体の密度は、複合成形体の重量を水没法にて求められる複合成形体の体積で除して得られるとして求めた。なお、該密度は、硬化物層を含む、複合成形体の全体の密度を意味する。
(複合成形体の断面における発泡小片部分の平均径、即ち網目の気泡径の測定)
網目の気泡径の測定方法は、以下のようにして行った。得られた複合成形体を厚み方向に2分割し、切断面の拡大写真を撮影し、次に、写真上に複合成形体の表面から中心付近を通り反対側の表面まで達する直線を引き、直線と交わっている樹脂発泡小片の数を数える。
そして、直線の長さ(実際の長さ)を樹脂発泡小片で除して、網目の気泡径を求め、この操作を複合成形体の5箇所について同様に行ない、得られる測定値の平均値とした。
(接着性の評価)
複合成形体を構成する樹脂発泡小片成形体と熱硬化性樹脂の網目構造壁との接着性を確認する方法としては、曲げ破壊にて確認することができる。より具体的には、JIS K7221に準拠して、通常は幅20mm、厚さ10mm、長さ200mmの試験片に切り出した後、支点間(スパン)100mmに設定した3点曲げ試験を、荷重速度5mm/秒で試験片中央部に曲げ荷重を与え、割れ折れるまで試験を行った後、その破断面を検証した。破断面において樹脂発泡小片が材料破壊している数が多いほど、接着性は高いと評価できるが、材料破壊した発泡小片の数(Nb)と材料破壊しなかった発泡小片の数(Nn)を比較し、その比Nb/Nnの値が1以上でなければ、接着性があるとは評価できない。即ち、本発明の複合成形体の接着性確認法において、Nb/Nnの比の値は、1以上であることが好ましい。Nb/Nnの値が1以下の場合は、曲げ、引張、せん断などの力学的強度が十分に発現しない虞があるため、好ましくない。
(曲げ弾性率)
本発明において複合成形体の曲げ弾性率の測定は、JIS K7203(1982)に基づき、試験片として、長さ150mm×横25mm×厚さ30mm(製品厚み)のものを複合成形体から、任意の箇所において10箇所切出して使用した。なお、該試験片には、厚み方向の上下面には硬化物層が存在するサンプルを用い、側面には硬化物層が存在しないものを用いた。測定は、支点先端のR=5mm、圧子先端のR=5mm、支点間距離50mm、曲げ速度10mm/分の条件にて行った。なお、試験片について10個の試験片を測定し平均値を求め、曲げ弾性率とした。
(比曲げ剛性)
本発明における比曲げ剛性は、上述の方法により求められた、前記曲げ弾性率(MPa)の値、前記複合成形体の密度(kg/m3)から式(1)により求めた値である。
(熱伝導率の測定)
JIS A 1412−2 熱流計法(HFM法)に準じて複合成形体の熱伝導率を測定した。複合成形体を200×200×25mmの寸法の試験体に切り出し、測定装置の加熱板と冷却熱板の間に挟み、試験体温度差30℃、試験体平均温度20℃の条件で測定を行った。
(加熱体積変化率)
まず、各実施例、比較例において作製した複合成形体の、試験前の体積Bを測定した。次いで、複合成形体を温度230℃のオーブンにて10分加熱した後、温度23℃、相対湿度50%の条件下に60分保管した。そして、加熱後の複合成形体の体積Cを測定した。
加熱体積変化率をAとすると、式:A=(B−C)/B×100にて寸法変化率を求めた。なお、試験片のサイズは、縦50mm×横50mm×厚み25mmとして行った。なお、試験片には、硬化物層が除かれたサンプルを用いた。その結果を表2に示す。
(複合成形体の相構造)
まず、複合成形体を板厚方向にカッターで切断し、その切断面を観察することにより、熱硬化性樹脂硬化物の充填性、樹脂発泡小片の充填性を評価し、連続相となっているか、分散相の状態となっているかを判断した。
本発明の複合成形体は、自動車、鉄道、船舶、飛行機等の移動媒体の金属外板パネルの代替に使用可能な強度を備えているので、これらの部材の軽量化が達成できる芯材等に適した複合成形体として利用できる。
また、本発明の複合成形体は、厚み方向に有効な形状で厚みを増して断面係数を向上し、投影面あたりの重量の軽量化を達することができるので、金属部品との置き換えを行うと同時に部品軽量化を達することができ、更には、コストを社会的要求レベルに維持することができる。
1. 樹脂発泡小片
2. 発泡小片成形体
3. 熱硬化性樹脂硬化物
3' 熱硬化性樹脂液体原料
4. 内部空間
5. 型
5a. 上型
5b. 下型
6. 空隙部
7. 導入孔
8. 減圧吸引パイプ
10. 複合成形体

Claims (9)

  1. 複数の樹脂発泡小片と、熱硬化性樹脂硬化物とからなる複合成形体であって、
    該樹脂発泡小片間に熱硬化性樹脂硬化物が形成されており、
    前記複合成形体は、該複合成形体の内部に熱硬化性樹脂硬化物で構成される網目構造を有しており、
    前記複合成形体を構成する熱硬化性樹脂硬化物が3〜30体積%であり、
    前記複合成形体の、230℃、10分間加熱後の加熱体積変化率が0%〜−3%であり、
    前記複合成形体の曲げ弾性率E(MPa)と複合成形体の密度ρ(kg/m)が下式(1)を満足することを特徴とする複合成形体。
    1/3/ρ > 0.02[(MPa)1/3(kg/m−1] ・・・ (1)
  2. 前記複合成形体の密度ρが100〜600kg/mであることを特徴とする請求項1に記載の複合成形体。
  3. 前記複合成形体の周囲には、熱硬化性樹脂硬化物からなる硬化物層が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の複合成形体。
  4. 前記熱硬化性樹脂硬化物が、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、およびポリイミド系樹脂から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の複合成形体。
  5. 前記樹脂発泡小片の基材樹脂が、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂およびポリ塩化ビニル系重合体から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の複合成形体。
  6. 前記樹脂発泡小片の基材樹脂が、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の複合成形体。
  7. 前記樹脂発泡小片が相互に融着されており、融着された樹脂発泡小片間の空隙に熱硬化性樹脂硬化物が形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の複合成形体。
  8. 前記複合成形体から無作為に少なくとも5箇所から切り出した試験片の密度の標準偏差を、密度の算術平均で除した値である変動係数(%)が10%以内であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の複合成形体。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の複合成形体の少なくとも一面に、金属板を積層してなる金属複合成形体。
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