JP4839523B2 - 繊維強化樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維強化樹脂の製造方法に関し、特に樹脂の含浸性に優れ、かつ軽量であることから航空機や自動車、船舶などの構造体およびそれらの部品の製造に適した製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
繊維強化樹脂(以下、FRPと記す)は、軽量、高剛性などの優れた機械的特性を有することから航空機や自動車、船舶などさまざまな構造体やその部品に使用されている。
【0003】
これらのFRP成形品は、強化繊維と樹脂から構成されるが、強化繊維の持つ高強度、高弾性率の特性を有効に発揮させつつ軽量なFRPにするためには、樹脂による複合効果が損なわれない範囲で可能な限り繊維の体積割合(以下、Vfと記す)を高くすることが好ましい。
【0004】
ここで、これらのFRP構造体を製造する代表的な成形方法として、真空バッグ成形法、RTM(Resin Transfer Molding)成形法などがある。真空バッグ成形法は、成形型表面に強化繊維基材を積層し、バッグフィルムで覆ってから型内を真空減圧し、樹脂注入を行う方法であり、真空で樹脂注入することからボイドの少ないFRPが得られるという特徴がある。
【0005】
しかし、この成形方法は、樹脂注入口付近の強化繊維基材から順次樹脂を含浸させながら強化繊維基材全体に樹脂を含浸することから樹脂含浸に時間がかかり、作業性がよくないという問題がある。また、得られるFRP成形品は、真空減圧による加圧のみであることから繊維基材内に存在する樹脂の量が多くなるのでVfが小さく、重いFRPになってしまうことや成形品のVfをコントロールできないという問題もある。
【0006】
一方、RTM成形法は、金型内にあらかじめドライの繊維基材を配置し、雄雌型を一体に閉じてクランプし、次いで注入機によって型の注入口から樹脂を加圧しながら強化繊維基材に含浸させる方法であり、金型のクリアランスを調整することで、高Vfでかつ所望のVfの成形品が得られるという特徴がある。
【0007】
しかし、この成形方法は樹脂を加圧しながら注入するために前記真空バッグ成形法に比べれば比較的短時間に樹脂含浸が可能となるが、樹脂注入口付近の強化繊維基材から順次樹脂が含浸することから高Vfの成形品を得ようとする場合においては低Vfの場合に比べ強化繊維基材内における樹脂流動抵抗が大きくなり、樹脂含浸に時間がかかるとともに樹脂の未含浸部が発生しやすくなる。
【0008】
なお、含浸速度を向上させるために注入圧力を高くすることもできるが、そうすると樹脂注入により強化繊維基材の繊維蛇行が発生し、FRPにした場合に機械的特性が低下してしまうという問題がある。
【0009】
さらに、前記真空バッグ成形やRTM成形は、織物とマットなど強化繊維基材内の樹脂の流通抵抗が異なる材料を併用した場合には、マット層内を樹脂が先行して流れ、織物においては樹脂の未含浸部が発生しやすくなるなど使用する繊維基材により樹脂の含浸性状態が安定しないという問題もある。
【0010】
また、特表平10−504501号公報には、樹脂の含浸速度を高める方法として、真空バッグ成形法において、繊維基材表面とバッグフィルム間に樹脂拡散媒体を挿入する方法が提案されている。この方法は、樹脂の流通抵抗が強化繊維基材より小さい樹脂拡散媒体を用いていることから、樹脂の流通抵抗の小さい注入した樹脂がまず樹脂含浸媒体を介して基材表面に拡散した後に強化繊維基材の厚み方向に含浸することになり短時間に樹脂含浸することは可能となる。
【0011】
しかし、この成形方法においても得られるFRP成形品は真空減圧による加圧のみであることから、繊維基材内に存在する樹脂の量が多くなるのでVfが小さく、重いFRP成形品になってしまうことや成形品のVfをコントロールできないという問題がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決すること、すなわち、FRP成形品の成形において、強化繊維基材への樹脂含浸が短時間で可能にせしめることにより成形作業性に優れ、かつ、高Vfであるにもかかわらず容易に樹脂含浸でき、さらに成形品のVfをコントロール可能とし、強化繊維の持つ高強度・高弾性率の特性を十分に発揮できる軽量なFRPの製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した問題点を解決するために鋭意検討を行い、以下の2つの本発明の繊維強化樹脂の製造方法によれば、FRP成形において短時間に樹脂含浸ができるとともに、強化繊維の持つ高強度・高弾性率の特性を十分に発揮でき、また、作業性にも優れるFRPの製造を可能にできるとの知見を見出すに至った。
【0014】
すなわち、第一の本発明の繊維強化樹脂の製造方法は、成形型の表面に、強化繊維基材層を配置し、次いで、ピールプライ、樹脂拡散媒体の順で積層し、この積層体をバッグフィルムで覆い、次にバッグフィルムで覆われた内部を真空減圧しつつ、樹脂拡散媒体を介して強化繊維基材に樹脂を含浸させた後、バッグフィルム面の外部から大気圧より大きな圧力をかけ、加圧しつつ樹脂を硬化させる、繊維強化樹脂の製造方法であって、前記加圧により生じた余剰な樹脂を排出させることを特徴とする繊維強化樹脂の製造方法である。
【0015】
また、第二の本発明の繊維強化樹脂の製造方法は、成形型の表面に、強化繊維基材層を配置し、次いで、ピールプライ、樹脂拡散媒体の順で積層し、この積層体をバッグフィルムで覆い、次にバッグフィルムで覆われた内部を真空減圧するとともにバッグフィルム面の外部から大気圧より大きな圧力で加圧しながら樹脂拡散媒体を介して強化繊維基材に樹脂を含浸し硬化させる、繊維強化樹脂の製造方法であって、前記加圧により生じた余剰な樹脂を排出させることを特徴とする繊維強化樹脂の製造方法である。
【0016】
また、本発明にかかる上述2つの製造方法において、好ましくは、前記バッグフィルム面の加圧手段が、流体を用いた加圧または型を用いた機械的な加圧であるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のFRPの製造方法の望ましい実施の一形態例を図を用いて工程順に説明する。
【0018】
なお、上述した本発明の方法において、「成形型の表面に、強化繊維基材層を配置し、次いで、ピールプライ、樹脂拡散媒体の順で積層し」と記載しているが、「順」とは厳密なプロセス工程の順番を表しているものではなく、積層構造の配置の順番を表しているものである。従って、本発明方法では、例えば、ピールプライと樹脂拡散媒体とが既に別途積層されているものを、強化繊維基材層に積層するようにしても構わないものである。
【0019】
図1は、本発明の製造方法の実施に用いる製造装置の一態様例を示した概略断面図である。
【0020】
同図においては、成形型1の表面に強化繊維基材2を所定枚数積層した強化繊維基材層3からなる本発明の製造方法による成形対象の成形品Sを成形するものであるが、ピールプライ4、樹脂含浸媒体5、バッグフィルム6、エッジ・ブリーザー7、シール材8から構成される。また、9、10、11は、いずれも成形品Sへの樹脂供給手段であり、それぞれ真空吸引口、樹脂吐出口、バルブである。
【0021】
本発明の製造方法は、例えば、かかる製造装置を用いて以下に述べる手順にて行われる。
【0022】
まず、成形型1の表面に、強化繊維基材2を所定枚数積層した強化繊維基材層3を配置する。ここで、成形型1は、金属、FRPなどからなり、後述する流体などを用いた加圧手段において変形しにくい高剛性の材料から構成されたものを用いるのが好ましい。
【0023】
次に、強化繊維基材層3の表面に樹脂が硬化した後に引き剥がして、不要樹脂および樹脂拡散媒体を除去するためのシート、いわゆるピールプライ4を積層し、さらにその上に樹脂を強化繊維基材上面全体に拡散させるための樹脂拡散媒体5を置く。
【0024】
次に、強化繊維基材層3が成形型1と接した周囲には、真空バッグ内の空気を連続してバッグ外部に逃がす通気材料となるエッジ・ブリーザー7として織物や不織布などの多孔性の材料を複数枚積層して張り巡らす。ここで、樹脂拡散媒体5は真空吸引口やエッジ・ブリーザーに接しているかもしくは近すぎると、樹脂拡散媒体5に流れ込んだ樹脂が強化繊維層3に含浸するよりも先に真空吸引口およびエッジ・ブリーザーの方に流れてしまうことから、真空吸引口9やエッジ・ブリーザー7から最も近い樹脂拡散媒体5までの距離が10mm以上は離れるように樹脂拡散媒体5の平面視の最大外形が樹脂拡散媒体面の強化繊維基材層3の平面視の最大外形よりも10〜50mm程度小さくなるように配置するとよい。
【0025】
次いで、全体をバッグフィルム6で覆い、空気が漏れないようにバッグフィルムと成形型1の周囲を、ブチルゴム系やシリコーンゴム系のシール材8で型に接着させ、次いでバッグフィルムの上部に図示しない樹脂タンクから注入される樹脂の吐出口10とバルブ11を図示の如く樹脂拡散媒体5に接するように取り付ける。一方、図示しない真空ポンプの空気吸引口を真空吸引口9に接続する。なお、真空吸引口9は樹脂の吐出口10から遠いエッジ・ブリーザー上に取り付け、吐出口および吸引口の取り付け部から空気が漏れないようにシール材で接着させる。そして、樹脂タンクには、硬化剤を所定量入れたシロップ状の常温もしくは加熱硬化型のマトリックス樹脂を入れておく。
【0026】
次いで、真空ポンプでバッグフィルムで覆われたサンドイッチ状成形品Sを真空圧力が90〜101kPa程度の真空状態になるように真空吸引口9から吸引した後、バルブ11を解放して樹脂拡散媒体5から樹脂を注入する。注入された樹脂は、バッグフィルムで覆われた中が真空状態であることから、樹脂拡散媒体5の内部を面内方向に拡散しつつピールプライ6を通過した後、ピールプライ6と接する強化繊維基材層3の厚み方向に含浸が進行するので短時間に樹脂含浸が完了する。ついで、バッグフィルムの外部から大気圧より大きな圧力をかけ、加熱加圧しながら余剰な樹脂をフローさせつつ樹脂を硬化させる。
【0027】
なお、加圧の際の圧力を大きくすれば樹脂のフローが多くなり、より高Vfの成形品が得ることが可能となるが、任意のVfの成形品を得たい場合には圧力を調整することで樹脂のフロー量を規制でき、所望のVfを得ることができる。
【0028】
ここで、バッグフィルム面の外部からの加圧手段は、図1に示すオートクレーブなどの耐圧容器12内で流体を用いて加圧する方法や、あるいは図2に示すように上下の型13、14を用いて、プレスや万力、ボルト締めなどによる機械的な加圧によるものなどのいずれでもよいものである。
【0029】
なお、ここでいう流体とは、空気や窒素などの気体や水などの液体であり、成形品がいかなる形状であっても強化繊維基材を均一に加圧することが可能である。
【0030】
一方、型を用いてプレスや万力、ボルト締めにより機械的に加圧する場合においては、所定の形状を有した押さえ型を用いて強化繊維基材を加圧することから、寸法精度が高いFRP成形品を得ることができる。
【0031】
真空ポンプは少なくとも強化繊維基材への樹脂含浸が完了するまで運転し、バッグフィルムの中を真空状態に保つことが好ましい。また、樹脂の含浸完了後もバルブ11は解放状態にし、加圧により生じた余剰な樹脂を樹脂タンクに逆流できるようにしておく。
【0032】
そして、いったん強化繊維基材層に含浸した後、バッグフィルム面の外部から加圧されることから、たとえ強化繊維基材層内部に未含浸部分があってもこの部分への樹脂含浸を促進させることができ、さらに余剰な樹脂は空気の吸引口9から流出するないし樹脂の吐出口10から逆流して排出される。
【0033】
樹脂の硬化後は、バッグフィルムを除去し、さらに、成形型1より脱型した後、ピールプライおよび樹脂含浸媒体を除去すれば、FRP成形品Sを得ることができる。
【0034】
本発明に用いられる強化繊維基材2を構成する強化繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維やポリアミド繊維からなる織物やチョップド・ストランド・マット、コンティニュアンス・ストランド・マットである。また、これら強化繊維糸を並行に配列したシートを0°(繊維基材の長さ方向)、90°(繊維基材の幅方向)や±α°(繊維基材の任意の斜め方向)に積層され、これをガラス繊維、ポリエステル繊維やポリアミド繊維などのステッチ糸で縫合した多軸ステッチ布帛であってもよい。中でも、織物や多軸ステッチ基材は補強効果が大きく、また、繊維密度が大きいことからVfを高くすることができ好ましい。
なお、ここでいう繊維密度とは、織物目付を織物厚みで割った値であり、数値が大きいほど強化繊維基材内部の空隙割合が小さくなり、FRPにおいてVfを高くすることができる。なお、「多軸ステッチ基材」とは、多数本の強化繊維糸条が並行にシート状に配列して層構成をなし、この層が少なくとも2層以上交差積層されて積層体を形成するとともに、実質的に、ステッチ糸等により一体化されている構造のものをいう。
【0035】
本発明に用いられるマトリックス樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、変性エポキシ樹脂などの常温もしくは加熱により硬化する熱硬化性樹脂である。中でも加熱硬化型の樹脂は、短時間に樹脂を硬化させることができ、成形サイクルを短くできるので好ましい。
【0036】
本発明の成形に用いられるピールプライ4は、合成樹脂を通過させることができることが必要であり、例えばナイロン繊維織物、ポリエステル繊維織物やガラス繊維織物などである。なお、「ピールプライ」とは、樹脂が硬化した後成形品表面に固着し、成形品表面から引き剥がすことにより、実質的に余剰樹脂や樹脂拡散媒体を一緒に除去できる材料のことを言う。
【0037】
なお、ナイロン繊維織物やポリエステル繊維織物は安価であるため、ピールプライとして好ましく用いられるが、これら織物を製造する際に用いられている油剤やサイジング剤がFRPの樹脂に混入するのを防ぐため、精錬を行い、また、成形で用いる樹脂の硬化発熱などの熱による収縮を防ぐため、熱セットされた織物を使用することが好ましい。
【0038】
本発明の方法に用いることのできる樹脂拡散媒体5の一実施態様例を図3に示した。樹脂拡散媒体は、バッグ内の真空圧力を繊維基材に伝え、かつ注入される樹脂を樹脂拡散媒体の隙間を通して、媒体側の繊維基材上面に樹脂を行きわたらせるものである。
【0039】
すなわち、バッグフィルムとピールプライ間に配置する樹脂拡散媒体に樹脂が注入されると、図3において、注入された樹脂はバッグフィルムに接するA群のバー15の隙間を流れて、バー15の方向とB群のバー16の隙間を流れるから全面に樹脂が均一に拡散することになる。また、バー15にかかる力をバー16に伝えることができる。バーの太さは特に限定されるものではないが、0.2〜2mmが好ましい。また、隙間の幅は0.2〜2mmが好ましい。樹脂拡散媒体の具体的なものとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルや金属などからなるメッシュ状のシートで、たとえば、メッシュ状樹脂フィルム、織物、網状物や編物などであり、必要に応じてこれらを数枚重ねて使用することができる。
【0040】
本発明に用いられるバッグフィルム6は、気密性であることが必要であり、例えばナイロンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、PVC(塩化ビニル)フィルム、ポリプロピレンフィルムやポリイミドフィルムなどが用いられ得るものである。
【0041】
また、本発明に用いられるエッジ・ブリーザー7は、空気および樹脂を通過させることができることが必要であり、例えばナイロン繊維織物、ポリエステル繊維織物、ガラス繊維織物やナイロン繊維、ポリエステル繊維からなる不織布を使用することができる。
【0042】
また、第二の本発明に係る繊維強化樹脂の製造方法は、強化繊維基材層の表面にピールプライ、樹脂拡散媒体の順で積層し、この積層体をバッグフィルムで覆い、次にバッグフィルムで覆われた内部を真空減圧するとともにバッグフィルム面の外部から大気圧より大きな圧力をかけながら強化繊維基材に樹脂を含浸させ加熱硬化することを特徴とするものである。
【0043】
この製造方法においては、強化繊維基材を加圧し、強化繊維基材の繊維密度を大きくした状態で樹脂の注入を行うことになることから強化繊維基材内の樹脂の流通抵抗は大きくなり、前述した強化繊維基材層に樹脂含浸を行ってから加圧する方法に比べ樹脂の含浸速度が遅くなるが、樹脂拡散媒体を介して加圧していることから、バッグ内に注入された樹脂は樹脂拡散媒体内の面内方向に拡散しつつ強化繊維基材層の厚み方向に含浸することから、RTM成形に比べ短時間に樹脂注入が可能となる。さらに、樹脂注入により繊維の蛇行が発生することもなく、織物とマットなど樹脂の流通抵抗が異なる材料を併用した場合においても、マット層内を樹脂が先行して流れることや織物において樹脂の未含浸部分が発生するといったことがないことから安定して樹脂含浸を行うことができるのである。
【0044】
また、第一、第二のいずれの本発明の繊維強化樹脂の製造方法で得られるFRP成形品は、強化繊維基材層が発泡体の表面に強化繊維基材を配置したサンドイッチ状構成であってもよい。そうすることにより、スキンが高VfのFRPからなる高剛性、高強度で軽量なサンドイッチ成形品が得られる。
【0045】
なお、前記発泡体を用いたサンドイッチ構成のFRPを製造する場合においては、成形型と接している強化繊維基材側の発泡体に樹脂の流路となる連続した溝を設けてもよい。すなわち、バッグフィルム面側の強化繊維基材は樹脂拡散媒体を介して樹脂含浸を行い、成形型面の強化繊維基材は発泡体の溝を介して強化繊維基材に樹脂含浸をさせることで、それぞれの強化繊維基材に短時間に樹脂含浸が可能となる。
【0046】
ここで、本発明に用いる芯材は、有機系の発泡樹脂などの発泡体であると、得られる成形体が軽量となるので好ましいが、発泡していない樹脂板や無機系の板、または木材であってもよい。有機系あるいは無機系の発泡体としては、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、PVC(塩化ビニル)、シリコーン、イソシアヌレート、フェノール、アクリル樹脂のフォームや軽量気泡コンクリート、珪酸カルシウムフォームや炭酸カルシウムフォームなどを用いることができる。
【0047】
また、バッグフィルムと樹脂拡散媒体間には押さえ板を介在させることが好ましい。すなわち、流体を介して加圧した場合においては、強化繊維基材のラップ部分など厚みが大きい箇所があるとこの部分の厚みが大きくなってしまうが、押さえ板を挿入することで厚みの大きい部分のみを強制的に加圧することができ、厚みが均一なFRPを得ることができる。なお、押さえ板は、加圧の際に変形すると所定の寸法に成形できなくなることから高剛性であることが必要であり、鉄板やアルミニウム板などの金属板やFRP板などからなるのが実際的である。
【0048】
また、積層体の層間にシート状繊維材料層を有することが好ましい。ここで言うシート状繊維材料とは、ナイロン、ポリエステル、ビニロン、ポリエチレンなどのポリマー繊維からなる不織布や編物である。
【0049】
そうすることにより、強化繊維層に樹脂含浸を行う際にシート状繊維材料層が樹脂パスとなり、強化繊維基材層への樹脂含浸速度を向上させることができる。また、シート状繊維材料を強化繊維基材の層間に配置させることによりFRPにおいて衝撃が作用したときに積層体の層間に発生したクラックをポリマー繊維の損傷によりエネルギー吸収させることでその進展を押さえることができ衝撃性能に優れたFRPが得られる。
【0050】
また、繊維目付は5〜30g/m2 の範囲が好ましい。5g/m2 未満であれば、樹脂パスとしての効果が小さく、また、30g/m2 を越えると樹脂パスとしての効果は大きくなるもののFRPにおけるシート状繊維材料の割合が大きくなり強化繊維による補強効果が低減してしまう。このため、5〜30g/m2 の範囲がよい。
【0051】
【実施例】
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。
実施例
図4に例示した幅が1.2m、長さが4m、厚みが5mmのボート17の船殻の製造を行うために、以下に示す条件で構造体Sを製作した。
【0052】
強化繊維基材としては、炭素繊維を二方向に配向してなる300g/m2 の炭素繊維クロス、さらに800g/m2 のガラスロービングクロス、および繊維が面内でランダムに配向した300g/m2 のガラスチョップドストランドマットの3種を用いた。また、マトリックス樹脂として、ビニルエステル樹脂、その硬化剤として過酸化ベンゾイル(BPO)用いた。
【0053】
成形型1としては、厚みが20mmの金属からなる金型を用いた。
【0054】
そして、成形型表面に離型剤を塗布し、次いで強化繊維基材層3として、ガラスチョップドストランドマット、炭素繊維クロス、炭素繊維クロス、ガラスロービングクロス、炭素繊維クロス、炭素繊維クロスの順で配置し、その上にナイロン繊維織物からなるピールプライ4を配置した。
【0055】
さらにその上に樹脂拡散媒体5としてポリエチレンからなる厚みが1.0mm、メッシュの開口寸法が2.6×2.6mm、メッシュの開口率(全体面積;100に対するメッシュの開口部面積の比率)が62%のメッシュシートを強化繊維基材の上面全体よりそれぞれ周囲25mm小さくしたものを配置した。
【0056】
ここで、ガラスロービングクロス、炭素繊維クロス、ガラスチョップドストランドマット、ピールプライ、樹脂拡散媒体は製品幅が100cmであったため、幅方向にラップさせながら2枚並べて使用した。
【0057】
さらに積層した樹脂が未含浸であるサンドイッチ成形品の周囲に、ポリエステル不織布からなるエッジ・ブリーザー7を張り巡らした。
【0058】
そして、積層体全体を全体をポリプロピレンフィルムからなるバッグフィルム6で覆い、空気が漏れないようにバッグフィルムの周囲をシール材で接着させた。
【0059】
さらに、バッグフィルム上部に樹脂タンクから注入される樹脂の吐出口を成形型の溝および樹脂拡散媒体と接するように取り付け、また、真空ポンプの吸引口を樹脂の吐出口から一番遠いエッジ・ブリーザー上に取り付けた。そして、吐出口および吸引口の取り付け部から空気が漏れないようにシール材8で密着させた。次に、真空ポンプでバッグフィルムに覆われた内部を100kPaの真空状態にした後、樹脂吐出口10のバルブ11を解放して樹脂粘度が4ポイズのビニルエステル樹脂を注入し、樹脂拡散媒体から強化繊維基材に樹脂を含浸させた。そして、強化繊維基材層に樹脂が含浸したことを確認した後、オートクレーブ内で空気を加圧媒体として300kPaで加圧し余剰な樹脂をフローさせるとともに80℃に加熱し樹脂を硬化させた。なお、真空ポンプは樹脂が硬化するまで運転した。樹脂硬化後にバッグフィルムを除去し、成形型から脱型してFRP成形品Aを得た。
比較例1
比較例1として、樹脂拡散媒体を用いないことと、樹脂注入後流体を用いて加圧しなかった他は実施例と同じようにしてFRP成形品Bを得た。
比較例2
比較例2として、樹脂注入後、流体を用いて加圧しなかった他は実施例と同じようにしてFRP成形品Cを得た。
【0060】
これら樹脂含浸時間、強化繊維基材への樹脂含浸状態などの成形性をまとめたのが次の表1である。ここで、成形品のVfは、得られたFRPから5cm×5cmの板を切り出し、それぞれの強化繊維重量から求めた。
【0061】
以上の各実施例、比較例により得られた成形品を得ることができた。
【0062】
【表1】
【0063】
表1に示すように、実施例のものは、強化繊維基材への樹脂含浸を樹脂含浸媒体を用いて行うとともに樹脂含浸後バッグフィルム面から加圧することで、未含浸部への樹脂含浸性が促進されるとともに余剰な樹脂を除去できることから、短時間に確実に樹脂を繊維基材層に均一に含浸させることができるとともに、目標Vfの50%とほぼ同じであるVf49%のFRP成形品を得ることができる。
【0064】
一方、比較例1のものにおいては、樹脂拡散媒体を用いていないことから樹脂の含浸速度が遅く、成形品の半分程度までしか樹脂が含浸しなかった。また、樹脂含浸した部分のVfも38%と低Vfであった。
【0065】
また、比較例2においては、樹脂拡散媒体を用いたことから樹脂の含浸速度は速かったが、バッグフィルム面の加圧が真空減圧のみであることから成形品において部分的な樹脂含浸不良部が観察されるとともにVfが小さく40%であった。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のFRP成形品の製造方法によれば、FRP成形品を製造するにあたり樹脂拡散媒体を用いて強化繊維基材層に樹脂含浸を行うとともに樹脂含浸後ないし樹脂含浸前にバッグフィルム面の外部から加圧するため短時間で樹脂含浸が可能であるとともに高Vfでかつ所望のVfのFRP成形品を得ることができ、強化繊維の持つ優れた機械的特性を有効に発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るFRP成形品の製造方法の実施に用いる製造装置の一実施例の断面図である。
【図2】本発明に係る他のFRP成形品の製造方法の実施に用いる製造装置の一実施例の断面図である。
【図3】本発明の製造方法に用いられる樹脂拡散媒体の斜視図である。
【図4】本発明に係る一実施例で得られたFRP成形品の斜視図である。
【符号の説明】
1:成形型
2:強化繊維基材
3:強化繊維基材層
4:ピールプライ
5:樹脂拡散媒体
6:バッグフィルム
7:エッジ・ブリーザー
8:シール材
9:真空吸引口
10:樹脂吐出口
11:バルブ
12:圧力容器
13:成形型(下型)
14:押さえ型(上型)
15:A群のバー
16:B群のバー
17:ボート
Claims (6)
- 成形型の表面に、強化繊維基材層を配置し、次いで、ピールプライ、樹脂拡散媒体の順で積層し、この積層体をバッグフィルムで覆い、次にバッグフィルムで覆われた内部を真空減圧しつつ、樹脂拡散媒体を介して強化繊維基材に樹脂を含浸させた後、バッグフィルム面の外部から大気圧より大きな圧力をかけ、加圧しつつ樹脂を硬化させる、繊維強化樹脂の製造方法であって、前記加圧により生じた余剰な樹脂を排出させることを特徴とする繊維強化樹脂の製造方法。
- 成形型の表面に、強化繊維基材層を配置し、次いで、ピールプライ、樹脂拡散媒体の順で積層し、この積層体をバッグフィルムで覆い、次にバッグフィルムで覆われた内部を真空減圧するとともにバッグフィルム面の外部から大気圧より大きな圧力で加圧しながら樹脂拡散媒体を介して強化繊維基材に樹脂を含浸し硬化させる、繊維強化樹脂の製造方法であって、前記加圧により生じた余剰な樹脂を排出させることを特徴とする繊維強化樹脂の製造方法。
- 前記バッグフィルムと樹脂拡散媒体間に押さえ板を介在させる、請求項1または2に記載の繊維強化樹脂の製造方法。
- 前記バッグフィルム面の加圧手段が、流体を用いた加圧、または型を用いた機械的な加圧である、請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化樹脂の製造方法。
- 前記強化繊維基材層が、織物または多軸ステッチ基材から構成される、請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化樹脂の製造方法。
- 前記強化繊維基材層が、強化繊維基材の層間にシート状繊維材料を配置した構成である、請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化樹脂の製造方法。
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