JP4631395B2 - Frp成形用強化繊維基材の賦形方法 - Google Patents

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本発明は、効率良く強化繊維基材のプリフォーム体が得られ、優れた取り扱い性を有する賦形方法に関するものである。
炭素繊維を強化繊維とした複合材料は、優れた力学特性、軽量化等の要求特性を満たすことから主に航空、宇宙、スポーツ用途に用いられてきた。これらの代表的な製造方法としては、オートクレーブ成形法が知られている。かかる成形法では、強化繊維にマトリックス樹脂を予め含浸させたプリプレグを、成形型に積み重ねてオートクレーブにて加熱・加圧して複合材料を成形する。ここで用いる基材としてのプリプレグは、それを用いると機械特性の高い複合材料が得られる利点があるが、コシが強すぎて賦形しにくいこと、製造に高いコストがかかること、すなわち生産性が低いことに問題があった。
一方、複合材料の生産性に優れる成形法としては、例えばレジン・トランスファー・モールディング成形法(以降、RTM法と記す)等の注入成形が挙げられる。かかるRTM法では、マトリックス樹脂が予備含浸されていない(ドライな)炭素繊維からなる強化繊維基材を複雑な成形型の中に配置して、液状(低粘度)のマトリックス樹脂を注入することにより強化繊維中にマトリックス樹脂を含浸させて成形をする。
ところがこの注入成形は、複合材料の生産性には優れるが、用いる強化繊維基材(例えばドライな織物等)が目ズレし易い(形態不安定)、強化繊維基材にコシがなさすぎるため容易に折れ曲がる、積層した時に強化繊維基材同士を接着できない(タック性がない)等の強化繊維基材の取り扱い性に関する問題があった。この他にも、マトリックス樹脂が低粘度である必要があるため、例えばプリプレグに用いられる高粘度のものに比べて力学特性が低い等の問題等があり、これらの諸問題により炭素繊維本来の特性を十分発現できずに、複合材料の力学特性を損なう問題を引き起こしていた。
上記問題に対し、例えば特許文献1では、強化繊維布帛に熱可塑ライクな樹脂を布帛に付与し、強化繊維基材としてのドライな織物の取り扱い性の向上、注入成形に用いるプリフォーム形態安定化に関する技術が提案されている。
また、非特許文献1、2では、エポキシ樹脂とエラストマー粒子またはポリアミド6とを配合した樹脂を織物上に付与することにより、注入成形によって得られるCFRPの力学特性(ModeI,IIの層間破壊靭性等)が向上することを報告している。
しかしながら、これらの提案では、強化繊維基材の取り扱い性は向上するものの、結果的に人手作業に頼る賦形が必要であり、量産性においては不十分であった。つまり、例えば量産性を求められる成形品の成形には、織物等に樹脂を付与することでハンドリング性を良好にしただけでは達成できず、プリフォームを短時間で作製するための賦形方法が必要である。
そこで、人手の介在する時間を最小限にし、個体差の少ないプリフォームを短時間で得られる賦形技術が渇望されていた。
米国特許第5,071,711号明細書 ジェームズ・シー・セフェリス(James C. Seferis)著,"ジャーナル・オブ・アドバンスド・マテリアルズ(Journal of Advanced Materials)",(米国),2000年7月,第32巻,第3号,p.27−34 ジェームズ・シー・セフェリス(James C. Seferis)著,"コンポジット・パート・A(Composites part A)" ,(米国),2001年,第32巻,p.721−729
従来の技術では、成形型上に樹脂を含浸させる前の強化繊維基材をのせて積層し、その後、バッグフィルムや成形型で覆い、その中に樹脂を注入し硬化させることで成形品を得たり、予め、樹脂を含浸させた強化繊維基材を賦形型に積層し、予備賦形してプリフォームとすることで、その後、成形型に入れて硬化成形させたりしていた。この時、賦形に関しては、人手により所定形状に基材をレイアップすることが多く、生産性が低いと共にコストが高い要因となっていた。本発明は、かかる問題点の解決を目的とするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、
(1)対向する少なくとも2つ以上の賦形型により挟み加圧するFRP成形用強化繊維基材の賦形方法であって、熱可塑性樹脂を主たる成分とする樹脂を表面に有する強化繊維基材を複数枚積層して用いるとともに、賦形型の少なくとも一方に強化繊維基材を挟む際の該賦形型の移動方向に移動可能な可動部分を有する賦形型を使用することにより、賦形型が強化繊維基材全体を挟むのに先立ち該可動部分が、強化繊維基材の一部を加圧した後、残り部分を賦形型に挟み加圧することで、強化繊維基材を立体形状に賦形させることを特徴とする、FRP成形用強化繊維基材の賦形方法。
(2)賦形時に、前記強化繊維基材を前記樹脂のガラス転移温度以上まで加熱する(1)に記載のFRP成形用強化繊維基材の賦形方法。
(3)賦形後、強化繊維基材を熱可塑性樹脂を主たる成分とする樹脂のガラス転移温度以下まで冷却した後に、賦形型から取り外す(2)に記載のFRP成形用強化繊維基材の賦形方法。
(4)少なくとも、引張弾性率が110〜600GPaである強化繊維を含む強化繊維を用いた強化繊維基材を、1層以上用いる(1)〜(3)のいずれかに記載のFRP成形用強化繊維基材の賦形方法。
本発明のFRP成形用強化繊維基材の賦形方法によれば、従来人手により成されていた作業を大幅に省力化し、安価で良好な賦形をされたプリフォームを提供できる。
本発明を図を参照しながら具体的に説明する。
図1は本発明のFRP成形用強化繊維基材の賦形方法の一例を示す概略図である。
本例の方法では、対向する賦形下型11および賦形上型12の間に強化繊維基材13を配置する。
賦形上型12は強化繊維基材を挟む際の移動方向に移動可能な可動部分14を有している。可動部分14は賦形上型12の内部方向(突出が引っ込む方向)に移動可能な構造である。この例では、賦形下型11、賦形上型12および可動部分14は何れも賦形時の圧力で変形しない剛性材料である。
対向する賦形下型11および賦形上型12を徐々に接近させると、強化繊維基材13はまず賦形下型11と可動部分14により挟まれる。このとき強化繊維基材13は賦下形型賦形下型11と可動部分14により挟まれた部分以外は拘束を受けていないため自由に移動することが可能であり、賦形下型11と可動部分14に挟まれる部分に必要な量の強化繊維基材が周囲から手繰り寄せられ、賦形下型11と可動部分14により加圧、固定され賦形される。次いで賦形下型11に賦形上型12を接近させると突出部分14が賦形上型12の内部方向(突出部分が引っ込む方向)に移動し、周辺部分の強化繊維基材13も賦形下型11および賦形上型12の間に挟まれ、強化繊維基材13全体が賦形下型11、賦形上型12および可動部分14に挟まれ加圧され賦形される。この状態を図2に示す。
本例では可動部分14が賦形上型に1箇所のみの場合を示しているが、可動部分を複数用いることも可能である。可動部分14を支持する方式としては、賦形上型12に例えばスライドガイドおよび油圧シリンダーなどの移動機構を用いて移動可能に支持する方式などが用いられるが、これに限定されるものではない。
また、強化繊維基材の一部を加圧する方法として、図3に示すように賦形型31、32と機械的に接続されていない押し子34を用い、はじめに押し子34と賦形下型31で強化繊維基材33を挟んで加圧し、次いで、賦形下型31と賦形上型32で周辺部分の強化繊維基材33を挟み、加圧、固定して賦形することもできる。
図4はFRP成形用強化繊維基材の賦形方法の参考例を示す概略図である。本例の方法では、対向する賦形下型41および賦形上型42の間に強化繊維基材43を配置する。
賦形下型42は賦形形状に対して突出した弾性体からなる突出部44を有している。この例では、賦形下型41および賦形上型42は何れも賦形時の圧力で変形しない剛性材料である。
賦形下型41および賦形上型42を徐々に接近させると、強化繊維基材43はまず賦形下型41と突出部44により挟まれる。このとき強化繊維基材43は周辺部分では拘束を受けていないため自由に移動することが可能であり、賦形下型41と突出部44に挟まれる部分に必要な量の強化繊維基材が周囲から手繰り寄せられ、賦形下型41と突出部44により加圧され賦形される。さらに賦形下型41および賦形上型42を接近させると、突出部44は賦形下型42と接触する部分に沿った形状に変形しつつ強化繊維基材を周辺部分から手繰り寄せながら賦形していき、さらには周辺部分においても強化繊維基材が賦形下型41および賦形上型42に挟まれ、強化繊維基材全体43全体が賦形下型41、賦形上型42および突出部44に挟まれ加圧され賦形される。この状態を図5に示す。
本発明によるFRP成形用強化繊維基材の賦形方法では、熱可塑性樹脂を主たる成分とする樹脂を表面に有する強化繊維基材を用いることが重要である。賦形時に該樹脂のガラス転移温度以上まで加熱することが好ましい。強化繊維基材を樹脂のガラス転移温度以上まで加熱することで、該樹脂が軟化し、粘着性が生じることから、賦形時の基材の形状の型への追随が容易となり、また、賦形後に強化繊維基材間および/または強化繊維基材を構成する糸条間が結合され賦形形状を保つ効果を得ることができる。また、複数枚の強化繊維基材を用いる場合には、強化繊維基材の層間の剥がれを防ぐ効果も得ることができる。強化繊維基材を加熱する方法としては、加温された賦形型を用い、強化繊維基材を賦形型に挟んで、加圧しながら熱伝導により加熱する方法、賦形型上に配置する前に予め加熱しておくといった方法が好ましく用いられるが、これらの方法に限定されるものではない。また賦形型は常に加温された状態であってもよく、あるいは強化繊維基材を加熱する時のみ加温しても良い。かかる観点から、賦形型は、加熱機能を有することが好ましい。
さらに、本発明によるFRP成形用強化繊維基材の賦形方法では、熱可塑性樹脂を主たる成分とする樹脂を表面に有する強化繊維基材を樹脂のガラス転移温度以上まで加熱した後に賦形型で挟み加圧して賦形した後、ガラス転移温度以下まで冷却し、賦形された強化繊維基材を賦形型から取り外すことも好ましい。加熱により該樹脂が軟化し、粘着性が生じることから、賦形時の基材の形状の型への追随が容易となり、また、賦形後の強化繊維基材間および/または強化繊維基材を構成する糸条間が結合され賦形形状を保つ効果を得ることができ、かつ、冷却により樹脂粘弾性が増加することで賦形形状の保持効果および複数枚の強化繊維基材を用いた場合の強化繊維基材の層間の剥がれを防ぐ効果をより大きく発現させることができる。加えて、冷却することで樹脂の粘着性が低下し、賦形型からの取り外しを容易にする効果を得ることもできる。
強化繊維基材を冷却する方法としては、賦形型を冷却し、冷却された賦形型と強化繊維基材との熱伝導により冷却する方法、あるいは強化繊維基材に冷風を吹き付ける方法などがあるが、これらに限定されるものではない。かかる観点から、賦形型は、温度調節機能を有することが好ましい。
強化繊維基材表面に付与する熱可塑性樹脂を主たる成分とする樹脂の量は、強化繊維基材100重量部に対して、0.1〜20重量部の範囲であることが好ましい。この範囲の樹脂を有することにより、加熱や冷却によって樹脂の粘着性等を変化させることで強化繊維基材を賦形しやすい状態に保つことができる。強化繊維基材へ該樹脂を付与する方法としては、溶媒に分散または溶解したものを基材に塗布する方法、粉末を基材に散布する方法などを用いることができ、特に限定されるものではない。また、強化繊維基材が樹脂を有する面は、片面でも良いし、両面でも良い。あるいは熱等を用いて基材内部にまで含浸させたものであっても良い。
また、本発明によるFRP成形用強化繊維基材の賦形方法では、熱可塑性樹脂を主たる成分とする樹脂を表面に有する強化繊維基材を予め樹脂のガラス転移温度以上まで加熱した後、樹脂のガラス転移温度よりも低い温度に保たれた賦形型で挟んで、加圧、固定し賦形しても良い。この方法においては、賦形型で賦形される強化繊維基材は既に加熱状態にあるため、軟化した樹脂の流動により強化繊維基材の賦形性が向上する。また低い温度に保たれた賦形型により加圧された強化繊維機材は賦形されると同時に冷却されるため、樹脂の硬化が進行し糸条間の結合作用および層間の剥がれ防止作用を短時間で強く発現させることができ、生産性をさらに高めることができる。
本発明で用いる強化繊維としては、炭素繊維やアラミド繊維,ガラス繊維,PBO繊維等が好ましく使用できるが、これらに限定されるものではない。引張弾性率として、110〜600GPaであるものが好ましく、210〜600GPaであれば更に好ましい。引張弾性率が110GPa以上であると、複合材料の力学特性が高くなるため好ましく、本観点からは、弾性率が高ければ高いほど好ましいといえるが、現在入手可能なものを上限とした。ここで、引張弾性率は、JIS R7601に準拠して測定される値を指し、単位はGPaである。
本発明における強化繊維基材としては、強化繊維を用いて製布する布帛であれば、特に限定されないが、例えば二次元の一方向性、二方向性、あるいはそれ以上の方向性を有する織物、三次元の多方向性織物、編物、多軸挿入布帛、一方向に引きそろえられた強化繊維シートをバインダーや融着性不織布、ステッチ糸等で形態安定化したもの(一方向性シート)、一方向性シートを二方向以上積層した多軸シート等が挙げられる。また、該布帛ははステッチ糸や結節糸等により接合され複数が一体化しているものでもよい。
また、布帛として用いられる強化繊維の種類が1種類のみならず、異なる繊維を組み合わせて布帛を構成したり、種類の異なる布帛を重ね合わせて賦形させていても良い。
本発明において賦形型が強化繊維基材全体を挟むのに先立ち加圧される位置は特に限定されるものではないが、例えば賦形する形状が比較的平面に近いなだらかな形状である場合にはその面の中心付近であることが好ましく、賦形する形状が段差を有するような形状である場合には、段差の凹部分であることが好ましい。これらの部分をはじめに加圧することで、中心付近あるいは凹部分を賦形するために必要十分量の強化繊維基材が周辺部分から手繰り寄せられ良好に賦形することができる。一方、周辺部分を先に加圧した場合には、例えば凹形状があった場合には、凹形状に沿うために必要な基材を手繰り寄せることができず所定の賦形形状を得ることができなかったり、あるいは逆に基材が余り賦形された強化繊維基材にシワが生じたりすることがある。また、複数の段差を有する形状を賦形する場合には、隣接する凹部分を順次加圧し、最後に残りの全体を加圧するというように、段階的に賦形していくことが好ましい。
本発明における賦形装置は、対向する少なくとも2つ以上の賦形型の少なくとも一方に、強化繊維基材を挟む際の該賦形型の移動方向に移動可能な可動部分を有することを特徴とする。可動部分は賦形型本体に例えばスライドガイドなどを用いて機械的に接続されていることが好ましい。また、可動部分は強化繊維基材を挟んで加圧するために、対向する賦形型方向に加圧力を発生できる構造であることが好ましい。加圧力は例えば、油圧シリンダー、エアシリンダー、あるいはバネなどを用いて発現させることができる。賦形型および可動部分に用いられる材質は、金属,FRP,木材,ナイロン樹脂,ポリエチレン樹脂,ポリプロピレン樹脂,ABS樹脂など、賦形型に必要な形状となるよう加工できるものであれば限定されるものではないが、樹脂材料が付着した強化繊維基材を扱う場合には、離型性を有する“テフロン”(登録商標)等の素材や、シリコーン離型剤等で処理した上記材質のものが好ましい
形装置の参考形態では、賦形形状に対して突出した弾性体からなる突出部を有する賦形型を少なくとも一方に用いる。弾性体の材質は特に限定されないが、シリコンゴムや天然ゴムなどが好ましく用いられる。
また本発明における賦形措置は、温度調節機構を有していることが好ましい。温度調節の方法は限定されないが、内部に有した配管に熱媒または冷媒を流すことで加熱または冷却する方法、内部にヒータ等の機構を配する方法、あるいは外部から赤外線ヒータなどで加熱する方法・冷風を当てることにより冷却する方法などが採用できる。
以下に、より具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
図1に示すような断面形状を有する賦形下型11および可動部分14を有する賦形上型12を準備し、賦形下型の上に強化繊維基材13を配置した。可動部分はコイルバネを介して賦形上型に接続した。賦形下型、賦形上型、可動部分はいずれもアルミニウム製であり、それぞれ内部に配置された配管に温水を流すことで、賦形面の表面温度が90℃となるように加熱した。強化繊維基材13には、東レ製 炭素繊維織物CO6343B(織組織:平織り,織物目付け:198g/m,強化繊維:T300−3K,弾性率:230GPa,強度:3530MPa,繊度:198tex,フィラメント数:3,000本)の表面に予め融点71℃の樹脂(エポキシ変性熱可塑樹脂)を10±2g/m付着させたものを用い、平織り組織の織り方向が賦形下型側から順に(0/90),(±45),(±45),(0/90)となるよう4枚を積層した。
その後、賦形上型11とそれに接続された可動部分14を上方から徐々に賦形下型12に接近させた。はじめに、可動部分が強化繊維基材に接触し、周囲の強化繊維基材を手繰り寄せながら賦形下型に形成された凹形状に突き当たり、強化繊維基材を加圧した。さらに賦形上型を下降させ強化繊維基材に接近させたが、可動部分は強化繊維基材に圧力を加えながら賦形下型との位置関係を維持し続けた。下降した賦形上型は強化繊維基材に接触し、強化繊維基材は賦形上型と賦形下型の間に挟みこまれた。この状態で、油圧シリンダーを用いて賦形上型を賦形下型方向に押し、挟み込まれた強化繊維基材に平均0.1MPaの圧力を加えた。5分間圧力を保持した後に、賦形上型および可動部分を取り外した。次いで、強化繊維基材の上面から10℃の冷風を5分間あてて冷却した後、強化繊維基材を取り外した。強化繊維基材は凹部分、その周辺部分ともにシワや弛みがない状態で賦形されており、平織り構造の織目にも大きな乱れは見られなかった。また、脱型後に賦形された形状が変形してしまうことはなく、4枚の強化繊維基材の層間は剥がれず、良好なプ
リフォームを得ることができた。
参考例)
図4に示すような断面形状を有する賦形下型41および弾性体44からなる突出部分を有する賦形上型42を準備し、賦形下型の上に強化繊維基材43を配置した。賦形下型および賦形上型はアルミニウム製であり、突出部分はシリコンゴム製のものを用いた。また、賦形下型、賦形上型には、それぞれ内部に配置された配管に温水を流すことで、賦形面の表面温度が90℃となるように加熱した。強化繊維基材および積層構成は実施例1と同じとした。
賦形上型を上方から徐々に賦形下型に接近させた。はじめに、突出部分が強化繊維基材に接触し、周囲の強化繊維基材を手繰り寄せながら賦形下型に形成された凹形状に突き当たり強化繊維基材を加圧した。さらに、賦形上型を下降させ強化繊維基材に接近させると、突出部分は強化繊維基材に圧力を加えながら賦形下型の凹み形状に沿うように変形した。引き続き賦形上型を下降させると賦形上型が強化繊維基材に接触し、強化繊維基材は賦形上型と賦形下型の間に挟みこまれた。この状態で、油圧シリンダーにより賦形上型を賦形下型方向に押し、挟み込まれた強化繊維基材に平均0.1MPaの圧力を加えた。5分間圧力を保持した後に、賦形上型および突出部分を取り外し、強化繊維基材の上面から10℃の冷風を5分間あてて冷却した後、強化繊維基材を取り外した。実施例1と同様に、強化繊維基材は凹部分、その周辺部分ともにシワや弛みがない状態で賦形されており、平織り構造の織目にも大きな乱れは見られなかった。また、脱型後に賦形された形状が変形してしまうことはなく、4枚の強化繊維基材の層間は剥がれず、良好なプリフォームを得ることができた。
(比較例1)
図6に示すような断面形状を有する賦形下型61および賦形上型62を準備し、賦形下型の上に強化繊維基材63を配置した。賦形下型および賦形上型はアルミニウム製であり、それぞれ内部に配置された配管に温水を流すことで、賦形面の表面温度が90℃となるように加熱した。
強化繊維基材および積層構成は、実施例1および参考例と同じとした。
賦形上型を上方から徐々に賦形下型に接近させた。賦形上型はほぼ全面同時に強化繊維基材に接触し、強化繊維基材は賦形上型と賦形下型の間に挟みこまれた。この状態で、油圧シリンダーにより賦形上型を賦形下型方向に押し、挟み込まれた強化繊維基材に平均0.1MPaの圧力を加えた。5分間圧力を保持した後に、賦形上型および突出部分を取り外し、強化繊維基材の上面から10℃の冷風を5分間あてて冷却した後、強化繊維基材を取り外した。強化繊維基材の凹部分では平織り構造の織目に乱れが生じていた。また賦形上型の突起部の周辺部分では強化繊維基材には大小のシワが多数生じており、一部に層間の剥がれも見られ、良好なプリフォームを得ることができなかった。
このような賦形方法は、強化繊維基材を用いる航空機、自動車、船舶等の輸送機器における繊維強化プラスチックスのプリフォームを賦形するのに好適な賦形方法であるが、これに限定されるものではない。
本発明のFRP成形用強化繊維基材の賦形方法の一例を示す概略図 本発明のFRP成形用強化繊維基材の賦形方法による賦形状態を示す概略図 本発明のFRP成形用強化繊維基材の賦形方法の別の一例を示す概略図 RP成形用強化繊維基材の賦形方法の参考例を示す概略図 参考例に係るFRP成形用強化繊維基材の賦形方法による賦形状態を示す概略図 従来のFRP成形用強化繊維基材の賦形方法の一例を示す概略図
符号の説明
11:賦形下型
12:賦形上型
13:強化繊維基材
14:可動部分
31:賦形下型
32:賦形上型
33:強化繊維基材
34:突出部分
41:賦形下型
42:賦形上型
43:強化繊維基材
44:突出部分
61:賦形下型
62:賦形上型
63:強化繊維基材

Claims (4)

  1. 対向する少なくとも2つ以上の賦形型により挟み加圧するFRP成形用強化繊維基材の賦形方法であって、熱可塑性樹脂を主たる成分とする樹脂を表面に有する強化繊維基材を複数枚積層して用いるとともに、賦形型の少なくとも一方に強化繊維基材を挟む際の該賦形型の移動方向に移動可能な可動部分を有する賦形型を使用することにより、賦形型が強化繊維基材全体を挟むのに先立ち該可動部分が、強化繊維基材の一部を加圧した後、残り部分を賦形型に挟み加圧することで、強化繊維基材を立体形状に賦形させることを特徴とする、FRP成形用強化繊維基材の賦形方法。
  2. 形時に、前記強化繊維基材を前記樹脂のガラス転移温度以上まで加熱する請求項1に記載のFRP成形用強化繊維基材の賦形方法。
  3. 賦形後、強化繊維基材を熱可塑性樹脂を主たる成分とする樹脂のガラス転移温度以下まで冷却した後に、賦形型から取り外す請求項に記載のFRP成形用強化繊維基材の賦形方法。
  4. 少なくとも引張弾性率が110〜600GPaである強化繊維を含む強化繊維を用いた強化繊維基材を、1層以上用いる請求項1〜のいずれかに記載のFRP成形用強化繊維基材の賦形方法。
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