JPH07120898A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法

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JPH07120898A
JPH07120898A JP26920893A JP26920893A JPH07120898A JP H07120898 A JPH07120898 A JP H07120898A JP 26920893 A JP26920893 A JP 26920893A JP 26920893 A JP26920893 A JP 26920893A JP H07120898 A JPH07120898 A JP H07120898A
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silver halide
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JP26920893A
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English (en)
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Takatoshi Ishikawa
隆利 石川
Kazuaki Yoshida
和昭 吉田
Hiroyuki Seki
裕之 関
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】生分解性に優れた漂白剤を用いて、閑散処理時
にも処理後のステイン及び画像保存性を改良した処理方
法を提供すること。 【構成】露光されたカラー写真感光材料を一般式(I)
のアミノポリカルボン酸鉄錯塩漂白剤で処理した後、一
般式(II)又は(III) の化合物を含有した水洗水または安
定液で処理する方法。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀カラー写
真感光材料(以下、単に感光材料と記すこともある)の
処理方法に関し、特に、生分解性に優れた漂白剤を提供
すると共に、閑散(小量)処理時においても、処理後や
経時ステインの発生が改良され更に、画像保存性が改良
された処理方法を提供することにある。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀カラー写真感光材料の脱銀
処理工程において、従来から一般的に、コストや安全性
の観点でアミノポリカルボン酸鉄(III) 錯体が用いられ
ており、とりわけ、エチレンジアミン四酢酸鉄(III) 錯
体や1,3−プロパンジアミン四酢酸鉄(III) 錯体が常
用されてきた。しかしながら、昨今の地球規模での環境
問題の見直しにあたり、これらの化合物は自然界に排出
されても殆ど生分解を受けず、その結果河川や海洋に蓄
積し、汚染の危険性があることが指摘されており、一部
地域では、その使用量を規制する動きが始まっている。
こういった、生分解がしづらいアミノポリカルボン酸鉄
(III) 錯体に対して、一般式(I)のアミノポリカルボ
ン酸は生分解しやすい化合物として、特開昭63−19
9295号に記載されている。
【0003】他方、昨今のカラー現像ラボにおいては、
フィルムを集配して集中処理する大型ラボシステムか
ら、ミニラボやマイクロラボによる店頭ラボシステムに
その処理の主体が移行しつつある。ところで、特にこれ
らの店頭ラボシステムにおいては、フィルム受付本数が
曜日、天候、季節等の諸要因で大きく変動し、特に受付
本数の少ない閑散処理時期においては、その性能が充分
に維持できないという問題を生じる場合がある。とりわ
け、一般式(I)で表される化合物のFe(III) 錯体を
漂白剤として使用した場合には、特に少量処理におい
て、処理直後のイエローステインが悪化し、同時に感光
材料を経時した場合に生じる経時ステインや画像退色が
悪化するという問題が判明した。これは脱銀工程に続く
水洗又は安定化浴のタンク液の平均滞留時間が1週間以
上、特に2週間以上であるような閑散処理に著しく生じ
ることが判明した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、生分解性に優れた漂白剤を用いた処理方法を提供す
ることにあり、特に、閑散処理(少量処理)において
も、処理後のステインや経時ステイン或いは画像保存性
が改良された処理方法を開発することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題点は、以下の処
理方法を実施することにより、改良されることを見いだ
した、即ち、 (1) 像様露光されたハロゲン化銀カラー写真感光材料
を、発色現像後、脱銀処理し、その後、水洗及び/また
は安定化処理する方法に於いて、該脱銀工程の漂白剤と
して、下記一般式(I)で表わされる化合物のFe(II
I) 錯体を使用し、且つ、水洗及び/または安定化液に
下記一般式(II)及び一般式(III) で表わされる化合物の
少なくとも一種を含有することを特徴とするハロゲン化
銀カラー写真感光材料の処理方法。一般式(I)
【0006】
【化4】
【0007】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5
びR6 は同一でも異なってもよくそれぞれ水素原子、脂
肪族基、芳香族基又はヒドロキシを表わす。Wは炭素原
子を含む二価の連結基を表す。M1 、M2 、M3 及びM
4 は同一でも異なってもよくそれぞれ水素原子又はカチ
オンを表す。)一般式(II)
【0008】
【化5】
【0009】(式中、R7 は水素原子、アルキル基、ア
ミド基、またはアルカリ金属原子を表し、R8 及びR9
は同一でも異なってもよく各々水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、
カルボン酸又はスルホン酸を表す。)一般式(III)
【0010】
【化6】
【0011】(式中、R10は水素原子、アルキル基、ア
ミド基、またはアルカリ金属原子を表し、R11、R12
13及びR14はそれぞれ同じでも異なっても良く、水素
原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アミ
ノ基、ニトロ基、カルボン酸またはスルホン酸を表
す。) (2) 一般式(I)の化合物の光学異性体のなかで、
〔S,S〕体を選択的に用いることを特徴とする(1) 記
載の処理方法。 (3) 水洗及び/又は安定化液に於いて、その補充量が前
浴からの持ち込みの1倍〜30倍であることを特徴とす
る(1) 記載の処理方法。 (4) 水洗及び/又は安定化処理のタンク液の平均滞留時
間が1週間〜2ケ月であることを特徴とする(3) 記載の
処理方法。 (5) ハロゲン化銀カラー写真感光材料の膜膨潤率が1.
5倍〜4倍であることを特徴とする(1) 記載の処理方
法。 (6) ハロゲン化銀カラー写真感光材料の支持体を除いた
乾燥膜厚が11μm以下であることを特徴とする(1) 記
載の処理方法。
【0012】本発明においては、一般式(I)の化合物
中、〔S,S〕体を選択的に使用することによりイエロ
ーステインや画像保存性がより一層改善されたことは、
特筆に値する。また本発明は、水洗及び/又は安定化液
の補充量が低減されたり、或いは、水洗及び/又は安定
化処理のタンク液の平均滞留時間が1週間〜2ケ月とい
う閑散処理時において、その効果を顕著に得ることがで
きる。
【0013】また、処理される感光材料においては、膜
膨潤率が1.5倍〜4倍であるような、比較的軟膜の感
光材料や、膜厚が11μm以下といった、薄膜の感光材
料において、本発明の効果をより顕著に得ることができ
る。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。まず、本
発明の脱銀工程においては、漂白と定着を別々の工程で
行なってもよいし、漂白工程という形で同時に行なって
も良く、これらの工程を複数組み合わせても良い。具体
的な工程を以下に示すが、これらに限定されるものでは
ない。 (工程1) 漂白−定着 (工程2) 漂白定着 (工程3) 漂白−漂白定着 (工程4) 漂白−漂白定着−定着 (工程5) 定着−漂白定着 また、これらの漂白、漂白定着、定着工程の個々の工程
は、必要により複数浴に仕切られて、カスケード方式を
採用されてもよい。
【0015】また、漂白剤としては、前述の一般式
(I)の化合物の鉄(III) 錯体が用いられるが、一般式
(I)の化合物について以下に詳細を説明する。
【0016】R1 、R2 、R3 、R4 、R5 及びR6
表される脂肪族基としては、直鎖、分岐または環状のア
ルキル基、アルケニル基またはアルキニル基であり、炭
素数1ないし10のものが好ましい。好ましくはアルキ
ル基であり、炭素数1ないし4のアルキル基がより好ま
しく、特にメチル基、エチル基が好ましい。R1 、R
2 、R3 、R4 、R5 及びR6 で表される芳香族基とし
ては、単環または2環のアリール基であり、例えばフェ
ニル基、ナフチル基が挙げられ、フェニル基がより好ま
しい。R1 、R2 、R3 、R4 、R5 及びR6 で表され
る脂肪族基、芳香族基としては、置換基を有していても
よく、例えばアルキル基(例えばメチル、エチル)、ア
ラルキル基(例えばフェニルメチル)、アルケニル基
(例えばアリル)、アルキニル基、アルコキシ基(例え
ばメトキシ、エトキシ)、アリール基(例えばフェニ
ル、p−メチルフェニル)、アミノ基(例えばジメチル
アミノ)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ)、
スルホニルアミノ基(例えばメタンスルホニルアミ
ノ)、ウレイド基、ウレタン基、アリールオキシ基(例
えばフェニルオキシ)、スルファモイル(例えばメチル
スルファモイル)、カルバモイル基(例えばカルバモイ
ル、メチルカルバモイル)、アルキルチオ基(メチルチ
オ)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ)、スルホ
ニル基(例えばメタンスルホニル)、スルフィニル基
(例えばメタンスルフィニル)、ヒドロキシ基、ハロゲ
ン原子(例えば塩素原子、臭素原子、フッ素原子)、シ
アノ基、スルホ基、カルボキシ基、ホスホノ基、アリー
ルオキシカルボニル基(例えばフェニルオキシカルボニ
ル)、アシル基(例えばアセチル、ベンゾイル)、アル
コキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル)、ア
シルオキシ基(例えばアセトキシ)、カルボンアミド
基、スルホンアミド基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基な
どが挙げられ、可能な場合にはその解離体又は塩であっ
てもよい。上記置換基で炭素原子を有する場合、好まし
くは炭素数1ないし4のものである。R1 、R2 、R
3 、R4 、R5 及びR6 として、好ましくは水素原子又
はヒドロキシ基であり、水素原子がより好ましい。Wで
表される二価の連結基としては、好ましくは下記一般式
(W)で表すことができる。 一般式(W) −(W1 −D)m −(W2n − 式中、W1 及びW2 は同じであっても異なっていてもよ
く、炭素数2から8の直鎖又は分岐のアルキレン基(例
えばエチレン、プロピレン)、炭素数5から10のシク
ロアルキレン基(例えば1,2-シクロヘキシル)、炭素数
6から10のアリーレン基(例えばo-フェニレン)、炭
素数7から10のアラルキレン基(例えばo-キシレニ
ル)、二価の含窒素ヘテロ環基又はカルボニル基を表
す。Dは−O−、−S−、−N(RW )−または二価の
含窒素ヘテロ環基を表す。RW は水素原子又は−COO
a 、−PO3b c 、−OHもしくは−SO3d
で置換されてもよい炭素数1から8のアルキル基(例え
ばメチル)もしくは炭素数6から10のアリール基(例
えばフェニル)を表す。Ma 、Mb 、Mc 及びMd はそ
れぞれ水素原子又はカチオンを表す。カチオンとして
は、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カ
リウム)、アンモニウム(例えば、アンモニウム、テト
ラエチルアンモニウム)やピリジニウムなどを挙げるこ
とができる。Wで表される連結基は置換基を有していて
もよく、置換基としては例えばR1 からR6の置換基と
して挙げたものが適用できる。二価の含窒素ヘテロ環基
としてはヘテロ原子が窒素である5又は6員環のものが
好ましく、イミダゾリル基の如きとなりあった炭素原子
にてW1 及びW2 と連結しているものが更に好ましい。
1 及びW2 としては炭素数2から4のアルキレン基が
好ましい。mは0または1から3の整数を表し、mが2
又は3の時にはW1 −Dは同じであっても異なっていて
もよい。mは0、1または2が好ましく、0又は1が更
に好ましく、0が特に好ましい。nは1から3の整数を
表し、nが2又は3のときにはW2 は同じでも異なって
もよい。nは好ましくは1又は2である。Wの具体例と
しては例えば以下のものが挙げられる。
【0017】
【化7】
【0018】
【化8】
【0019】M1 、M2 、M3 及びM4 で表されるカチ
オンとしては、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナト
リウム、カリウム)アンモニウム(例えば、アンモニウ
ム、テトラエチルアンモニウム)やピリジニウムなどを
挙げることができる。
【0020】本発明において、上述した一般式(I)で
表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。
【0021】
【化9】
【0022】
【化10】
【0023】
【化11】
【0024】
【化12】
【0025】
【化13】
【0026】
【化14】
【0027】一般式(I)で表わされる化合物は、いか
なる光学異性体であってもよい。〔S,S〕体、〔S,
R〕体、〔R,S〕体、〔R,R〕体であってもよい
し、これらの異性体の混合物であってもよい。例えば、
例示化合物(I−1)の異性体は、下記の文献にも記載
の如き、〔S,S〕体でも、〔S,R〕体でも〔R,
R〕体でも、更にはこれらの異性体の混合物であっても
よい。また、本発明の目的である画像保存性の改良やイ
エローステインの低減のためには、光学異性体のなかで
も〔S,S〕体を選択的に用いるのが好ましく、例示化
合物(I−1)のように、L体のアミノ酸を原料として
合成される化合物が好ましい。また、〔S,S〕体は、
生分解がし易いという点でも好ましい。ここで、“選択
的”という意味は、光学異性体の混合物のうちの70%
以上が〔S,S〕体であることであり、更に好ましく
は、90%以上が〔S,S〕体で占める。本発明の一般
式(I)で表される化合物は、特開昭63−19929
5号公報、特開平3−173857号公報等の記載に準
じて合成することが出来る。これらの文献は、本発明の
一般式(I)で表される化合物をキレート剤として用い
た洗剤組成物に関するものであって、そのFe(III)錯塩
がハロゲン化銀カラー写真感光材料用の漂白剤等として
有効であることは何ら記述されていない。また、〔S,
S〕体の選択合成方法は、UMEZAWA らにより THE JOURN
AL OF ANTIBIOTICS ,Vol, XXXVII, No.4, pp426(APR.
1984) 等に記載の方法にて容易に合成することができ
る。次に、本発明に用いられるFe(III)錯塩の具体例を
以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0028】
【化15】
【0029】
【化16】
【0030】本発明に用いられる漂白処理組成物や漂白
定着処理組成物は、キットの如き粉体であってもよい
し、処理で使用されるような処理液や補充液等の水溶液
であってもよい。本発明で使用される第二鉄錯塩は、予
め錯形成された鉄錯塩として添加して溶解してもよく、
また、錯形成化合物と第二鉄塩(例えば、硫酸第二鉄、
塩化第二鉄、臭化第二鉄、硝酸鉄(III)、硫酸鉄(III)
アンモニウムなど)とを共存させて漂白能を有する液中
で錯塩を形成させてもよい。錯形成化合物は、第二鉄イ
オンとの錯形成に必要とする量よりもやや過剰にしても
よく、過剰に添加するときには通常0.01〜10%の
範囲で過剰にすることが好ましい。
【0031】本発明の漂白能を有する液(例、漂白液、
漂白定着液)中の第二鉄錯塩を形成する化合物として
は、好ましくはその50モル%以上が前記した一般式
(I)で表される化合物であり、より好ましくは、80
モル%以上を占めると良い。なお、本発明において、漂
白能を有する液中の第二鉄錯塩を形成する化合物として
は、上述した一般式(I)で表される化合物を、単独で
使用しても、二種類以上併用してもよい。また、本発明
の範囲内であれば、漂白能を有する液中の第二鉄錯塩を
形成する化合物としては、前記した一般式(I)で表さ
れる化合物以外の化合物を併用しても構わない。このよ
うな化合物としては、EDTA、1,3−PDTA、ジ
エチレントリアミン五酢酸、1,2−シクロヘキサンジ
アミン四酢酸、イミノ二酢酸、メチルイミノ二酢酸、N
−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸、ニトリロ三酢
酸、N−(2−カルボキシエチル)イミノ二酢酸、N−
(2−カルボキシメチル)イミノジプロピオン酸等が挙
げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0032】本発明において、漂白能を有する液の漂白
剤としては、本発明の目的をそこなわない限りにおいて
上述した第二鉄錯塩に加え、無機酸化剤を漂白剤として
併用してもよい。このような無機酸化剤としては過酸化
水素や過硫酸塩、臭素酸塩などが挙げられるが、特にこ
れらに限定されるものではない。本発明の漂白定着液に
おける第二鉄錯塩の濃度としては、0.005〜0.5
モル/リットルの範囲が適当であり、0.01〜0.2
5モル/リットルの範囲が好ましく、より好ましくは、
0.02〜0.20モル/リットルの範囲である。また
補充液中の第2鉄錯塩の濃度としては、好ましくは、
0.005〜2モル/リットル、より好ましくは0.0
1〜1.0モル/リットルである。
【0033】漂白液、漂白定着液及び/またはこれらの
前浴には、漂白促進剤として種々の化合物を用いること
ができる。例えば、米国特許第3,893,858 号明細書、ド
イツ特許第1,290,812 号明細書、特開昭53-95630号公
報、リサーチディスクロージャー第17129 号( 1978年7
月号)に記載のメルカプト基またはジスルフィド結合を
有する化合物や、特公昭45−8506号、特開昭52-20832
号、同53-32735号、米国特許3,706,561 号等に記載のチ
オ尿素系化合物、あるいは沃素、臭素イオン等のハロゲ
ン化物が漂白力に優れる点で好ましい。
【0034】その他、本発明に適用されうる漂白液又は
漂白定着液には、臭化物(例えば、臭化カリウム、臭化
ナトリウム、臭化アンモニウム)または塩化物(例え
ば、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウ
ム)または沃化物(例えば、沃化アンモニウム)等の再
ハロゲン化剤を含むことができる。必要に応じ硼砂、メ
タ硼酸ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、亜燐酸、燐酸、燐酸ナトリウム、
クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸などのpH緩衝能
を有する1種類以上の無機酸、有機酸およびこれらのア
ルカリ金属またはアンモニウム塩または、硝酸アンモニ
ウム、グアニジンなどの腐蝕防止剤などを添加すること
ができる。また漂白液や漂白定着液には、その他各種の
蛍光増白剤や消泡剤あるいは界面活性剤、ポリビニルピ
ロリドン、メタノール等の有機溶媒を含有させることが
できる。
【0035】漂白定着液又は定着液に使用される定着剤
は、公知の定着剤、即ちチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸
アンモニウムなどのチオ硫酸塩;チオシアン酸ナトリウ
ム、チオシアン酸アンモニウムなどのチオシアン酸塩;
エチレンビスチオグリコール酸、3,6−ジチア−1,
8−オクタンジオールなどのチオエーテル化合物および
チオ尿素類などの水溶性のハロゲン化銀溶解剤であり、
これらを1種あるいは2種以上混合して使用することが
できる。また、特開昭55−155354号に記載された定着剤
と多量の沃化カリウムの如きハロゲン化物などの組み合
わせからなる特殊な漂白定着液等も用いることができ
る。本発明においては、チオ硫酸塩特にチオ硫酸アンモ
ニウム塩の使用が好ましい。1リットルあたりの定着剤
の量は、 0.3〜2モルが好ましく、更に好ましくは 0.5
〜1.0 モルの範囲である。
【0036】漂白定着液や定着液は、保恒剤として亜硫
酸塩(例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜
硫酸アンモニウム)、重亜硫酸塩(例えば、重亜硫酸ア
ンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウ
ム)、メタ重亜硫酸塩(例えば、メタ重亜硫酸カリウ
ム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸アンモニウ
ム)等の亜硫酸イオン放出化合物を含有するのが好まし
い。これらの化合物は亜硫酸イオンに換算して約0.02〜
0.05モル/リットル含有させることが好ましく、更に好
ましくは0.04〜0.40モル/リットルである。
【0037】漂白定着液や定着液には保恒剤としては、
亜硫酸塩の添加が一般的であるが、その他、アスコルビ
ン酸やカルボニル重亜硫酸付加物、或いはカルボニル化
合物等を添加しても良く、またベンゼンスルフィン酸類
も有効である。更には漂白定着液や定着液には緩衝剤、
蛍光増白剤、キレート剤、消泡剤、防カビ剤等を必要に
応じて添加しても良い。
【0038】本発明に用いられる漂白液や漂白定着液に
おいて、好ましいpH領域は、3〜10であり、更には
4〜9が好ましい。中でも、感光材料に高塩化銀乳剤が
用いられる場合、漂白定着液のpHは、7.0〜4.0
が好ましく、6.5〜4.0が特に好ましい。本発明に
用いられる漂白液、漂白定着浴、定着浴への補充量は感
光材料1m2当たり、20〜300ミリリットルである。
特に好ましくは25〜200ミリリットルであり、更に
好ましくは30〜150ミリリットルである。本発明に
適用されうる漂白定着液の処理温度は20〜50℃であ
り、好ましくは30〜40℃である。処理時間は10秒
〜5分、好ましくは20秒〜2分である。
【0039】本発明においては、定着又は漂白定着等の
脱銀処理後、水洗及び/又は安定化処理を行なう。水洗
工程及び/又は安定化工程においては、前記一般式(II)
及び(III) で選ばれる化合物の少なくとも一種を含有す
る。ここで、一般式(II)及び(III) の化合物の詳細を説
明する。式中、R7 は水素原子、アルキル基(メチル、
エチル、プロピル、ブチル基等)、アミド基(ジメチル
アミド基、ジエチルアミド基、ジプロピルアミド基
等)、及びアルカリ金属原子(ナトリウム、カリウム、
リチウム等)を表すが、特に水素原子、メチル基、エチ
ル基の場合が好ましい。
【0040】R8 、R9 は同じでも異なっても良く、水
素原子、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、フッ素原
子等)、メチル基、エチル基等のアルキル基、ヒドロキ
シ基、アミノ基、ニトロ基、カルボン酸、スルホン酸を
表す。特に、水素原子、ハロゲン原子の場合が好まし
い。R10はR7 と同様の基を表す。なかでも、水素原
子、メチル基、エチル基が好ましい。R11、R12及びR
13はR8 、R9 と同様の基を表す。なかでも、水素原
子、ハロゲン原子の場合が好ましい。以下に、一般式(I
I)及び(III) で表される化合物の具体例を示すが、これ
らに限定されるものではない。
【0041】
【化17】
【0042】
【化18】
【0043】
【化19】
【0044】
【化20】
【0045】これらの化合物は、米国特許287001
5号、及び英国特許848130号明細書に記載の方法
にて合成することができる。又、市販品にて入手可能な
ものもあり、例えば、パーマケムアジア(株)のトップ
サイド、或いは、I.C.I.(株)の Proxel GXL と
して入手できる。これらの化合物の添加量は、水洗又は
安定液1リットルあたり1mg〜1g好ましくは5mg〜5
00mg程度である。水洗の後に安定浴にて処理する場合
には、水洗浴か安定浴に添加すれば良く、必要ならその
双方に添加することもできるが、最終浴に添加する場合
が最も好ましい。
【0046】これらの化合物が溶解しにくい場合には、
各種補助溶剤を加えることができる。具体例としては、
メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、モノエタノール、アミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチ
レンジアミン等をあげることができる。
【0047】水洗及び安定化工程の補充量は任意に選択
することができ、感光材料1m2あたり50ml〜5リット
ル程度であるが、本発明の効果を顕著に得るという目的
においては、前浴からの持ち込み量の1倍〜30倍程度
の低補充が好ましい。ここで前浴からの持ち込み量は、
感光材料1m2あたり一般に50ml程度であることから、
実際の補充量は50ml〜1500ml程度ということにな
る。より好ましくは1倍〜10倍程度である。最も好ま
しくは1〜5倍である。
【0048】また、本発明の水洗又は安定化浴のタンク
液の平均滞留時間が1週間〜2ヶ月において、本発明の
効果をより一層顕著に得ることができる。平均滞留時間
とは、タンク液が平均的に経時される期間を意味する。
平均滞留時間はタンクの液量と等量を補充するのに要し
た日数に該当する。総合的な写真特性劣化の観点から
は、平均滞留時間が長すぎるのも好ましくない。例えば
2ヶ月をこえた場合など。本発明においては、一般式(I
I)及び(III) を含有する水洗及び/又は安定化浴のタン
ク液量分を各々補充するのに要した日数を意味する。本
発明においては、特に、平均滞留時間が10日〜1ヶ月
の間が顕著な効果を得ることができる。
【0049】補充は連続的に行っても間欠的に行っても
よい。水洗及び/又は安定化工程に用いた液は、更に、
前工程に用いることもできる。この例として多段向流方
式によって削減して水洗水又は安定液のオーバーフロー
を、その前浴の漂白定着浴に流入させ、漂白定着浴には
濃縮液を補充して、廃液量を減らすことがあげられる。
水洗工程での水洗水量または、安定工程の安定液量は、
感光材料の特性(例えばカプラー等使用素材による)や
用途、液温、タンクの数(段数)、向流、順流等の補充
方式、その他種々の条件によって種種の範囲に設定し得
る。通常多段向流方式における段数は2〜6が好まし
く、特に2〜4が好ましい。
【0050】多段向流方式によれば、液量を大巾に減少
でき、例えば感光材料1m2当たり 0.5リットル〜1リッ
トル以下が可能であるが、タンク内での水の滞留時間増
加により、バクテリアが繁殖し、生成した浮遊物が感光
材料に付着する等の問題が生じる。この様な問題の解決
策として、特開昭62−288838号に記載のカルシウム、マ
グネシウムを低減させる方法を、極めて有効に用いるこ
とができる。更に、水洗水には、水切り剤として界面活
性剤や、硬水軟化剤としてEDTAに代表されるキレー
ト剤を用いることができる。
【0051】以上の水洗工程に続くか、又は水洗工程を
経ずに直接安定液で処理することも出来る。安定液に
は、画像安定化機能を有する化合物が添加され、例えば
ホルマリンに代表されるアルデヒド化合物や、色素安定
化に適した膜pHに調製するための緩衝剤や、アンモニウ
ム化合物があげられる。又、液中でのバクテリアの繁殖
防止や処理後の感光材料に防黴性を付与するため、前記
した各種殺菌剤や防黴剤を用いることができる。
【0052】更に、界面活性剤、蛍光増白剤、硬膜剤を
加えることもできる。本発明の感光材料の処理におい
て、安定化が水洗工程を経ることなく直接行われる場
合、特開昭57−8543号、同58-14834号、同60−220345号
等に記載の公知の方法を、すべて用いることができる。
その他、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホ
ン酸、エチレンジアミン四メチレンホスホン酸等のキレ
ート剤、マグネシウムやビスマス化合物を用いることも
好ましい態様である。
【0053】水洗工程又は安定化工程の好ましいpHは4
〜10であり、更に好ましくは5〜8である。温度は感光
材料の用途・特性等で種々設定し得るが、一般には15〜
45℃好ましくは20〜40℃である。時間は任意に設定でき
るが短かい方が本発明の効果が大きく望ましい。好まし
くは15秒〜1分45秒更に好ましくは15秒〜1分である。
【0054】次に、本発明において使用されるカラー現
像液について説明する。本発明に使用されるカラー現像
液中には、公知の芳香族第一級アミンカラー現像主薬を
含有する。好ましい例はp−フェニレンジアミン誘導体
であり、代表例としては、N,N−ジエチル−p−フェ
ニレンジアミン、2−アミノ−5−ジエチルアミノトル
エン、2−アミノ−5−(N−エチル−N−ラウリルア
ミノ)トルエン、4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロ
キシエチル)アミノ〕アニリン、4−〔N−エチル−N
−(δ−ヒドロキシブチル)アミノ〕アニリン、2−メ
チル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチ
ル)アミノ〕アニリン、4−アミノ−3−メチル−N−
エチル−N−〔β−(メタンスルホンアミド)エチル〕
−アニリン、N−(2−アミノ−5−ジエチルアミノフ
ェニルエチル)メタンスルホンアミド、N,N−ジメチ
ル−p−フェニレンジアミン、4−アミノ−3−メチル
−N−エチル−N−メトキシエチルアニリン、4−アミ
ノ−3−メチル−N−エチル−N−β−エトキシエチル
アニリン、4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−
β−ブトキシエチルアニリン等を挙げることができる。
特に好ましくは4−アミノ−3−メチル−N−エチル−
N−〔β−(メタンスルホンアミド)エチル〕−アニリ
ンである。また、これらのp−フェニレンジアミン誘導
体は硫酸塩、塩酸塩、亜硫酸塩、p−トルエンスルホン
酸塩などの塩であってもよい。該芳香族第一級アミン現
像主薬の使用量はカラー現像液1リットル当り約 4ミリ
モル〜50ミリモル使用するのが一般的であるが、カラー
現像補充液の使用量としては補充液1リットル当り好ま
しくは約 21 ミリモル〜45ミリモル、より好ましくは約
23 ミリモル〜40ミリモルの濃度である。本発明の方法
は、特に濃縮されたカラー現像補充液の場合に有効であ
る。
【0055】本発明の実施にあたっては、作業環境上、
実質的にベンジルアルコールを含有しないカラー現像液
を使用することが好ましい。ここで実質的に含有しない
とは、好ましくは2ml/リットル以下、更に好ましくは
0.5ml/リットル以下のベンジルアルコール濃度であ
り、最も好ましくは、ベンジルアルコールを全く含有し
ないことである。
【0056】本発明に用いられるカラー現像液は、連続
処理に伴う写真特性の変動を抑えるために、亜硫酸イオ
ンを実質的に含有しないこと(ここで実質的に含有しな
いとは、亜硫酸イオン濃度 3.0×10-3モル/リットル以
下である。)がより好ましい。最も好ましくは亜硫酸イ
オンを全く含有しないことである。ここで但し、本発明
においては、使用液に調液する前に現像主薬が濃縮され
ている処理剤キットの酸化防止に用いられるごく少量の
亜硫酸イオンは除外される。
【0057】本発明に用いられるカラー現像液は、亜硫
酸イオンを実質的に含有しないことが好ましいが、ヒド
ロキシルアミンの濃度変動に伴う写真特性の変動を抑え
るために、さらにヒドロキシルアミンを実質的に含有し
ないこと(ここで実質的に含有しないとは、ヒドロキシ
ルアミン濃度 5.0×10-3モル/リットル以下である。)
がより好ましい。最も好ましくはヒドロキシルアミンを
全く含有しないことである。
【0058】本発明に用いられるカラー現像液は、前記
ヒドロキシルアミンや亜硫酸イオンに替えて有機保恒剤
を含有することがより好ましい。ここで有機保恒剤と
は、カラー写真感光材料の処理液へ添加することで、芳
香族第一級アミンカラー現像主薬の劣化速度を減じる有
機化合物全般を指す。即ち、カラー現像主薬の空気など
による酸化を防止する機能を有する有機化合物類である
が、中でもヒドロキシルアミン誘導体(ヒドロキシルア
ミンを除く。) 、ヒドロキサム酸類、ヒドラジン類、ヒ
ドラジド類、フェノール類、α−ヒドロキシケトン類、
α−アミノケトン類、糖類、モノアミン類、ジアミン
類、ポリアミン類、四級アンモニウム塩類、ニトロキシ
ラジカル類、アルコール類、オキシム類、ジアミド化合
物類、縮環式アミン類などが特に有効な有機保恒剤であ
る。これらは、特公昭48-30496号、特開昭52−143020
号、同63−4235号、同63-30845号、同63-21647号、同63
-44655号、同63-53551号、同63-43140号、同63-56654
号、同63-58346号、同63-43138号、同63−146041号、同
63-44657号、同63-44656号、米国特許第3,615,503 号、
同2,494,903 号、特開平1-97953 号、同1-186939号、同
1-186940号、同1-187557号、同2-306244号などに開示さ
れている。その他保恒剤として、特開昭57-44148号及び
同57-53749号に記載の各種金属類、特開昭59-180588 号
記載のサリチル酸類、特開昭63−239447号、特開昭63−
128340号、特開平1-186939号や同1-187557号に記載され
たようなアミン類、特開昭54-3532 号記載のアルカノー
ルアミン類、特開昭56-94349号記載のポリエチレンイミ
ン類、米国特許第3,746,544 号等記載の芳香族ポリヒド
ロキシ化合物等を必要に応じて用いても良い。特にトリ
エタノールアミンのようなアルカノールアミン類、N,N-
ジエチルヒドロキシルアミンやN,N-ジ(スルホエチル)
ヒドロキシルアミンのようなジアルキルヒドロキシルア
ミン、N,N-ビス(カルボキシメチル)ヒドラジンのよう
なヒドラジン誘導体(ヒドラジンを除く。)あるいはカ
テコール−3,5−ジスルホン酸ソーダのような芳香族
ポリヒドロキシ化合物の添加が好ましい。
【0059】特に、ジアルキルヒドロキシルアミン及び
/又はヒドラジン誘導体とアルカノールアミン類を併用
して使用することが、カラー現像液の安定性の向上、し
いては連続処理時の安定性向上の点でより好ましい。
【0060】本発明においてカラー現像液中に塩素イオ
ンを3.0 ×10-2〜1.5 ×10-1モル/リットル含有するこ
とが好ましい。特に好ましくは、3.5 ×10-2〜1×10-1
モル/リットルである。塩素イオン濃度が 1.5×10-1
10-1モル/リットルより多いと、現像を遅らせるという
欠点を有し好ましくない。また、 3.0×10-2モル/リッ
トル未満では、カブリを防止する上で好ましくない。本
発明において、カラー現像液中に臭素イオンを 3.0×10
-5モル/リットル〜1.0×10-3モル/リットル含有する
ことが好ましい。より好ましくは、 5.0×10 -5〜5×10
-4モル/リットルである。臭素イオン濃度が1×10-3
ル/リットルより多い場合、現像を遅らせ、最大濃度及
び感度が低下し、 3.0×10-5モル/リットル未満である
場合、カブリを十分に防止することができない。
【0061】ここで塩素イオン及び臭素イオンはカラー
現像液中に直接添加されてもよく、現像処理中に感光材
料からカラー現像液に溶出してもよい。カラー現像液に
直接添加される場合、塩素イオン供給物質として、塩化
ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化リ
チウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウムが挙げられ
る。また、カラー現像液中に添加されている蛍光増白剤
から供給されてもよい。臭素イオンの供給物質として、
臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化アンモニウム、臭
化リチウム、臭化カルシウム、臭化マグネシウムが挙げ
られる。現像処理中に感光材料から溶出する場合、塩素
イオンや臭素イオンは共に乳剤から供給されてもよく、
乳剤以外から供給されても良い。
【0062】本発明に使用されるカラー現像液は、好ま
しくはpH9〜12、より好ましくは9〜11.0であり、その
カラー現像液には、その他に既知の現像液成分の化合物
を含ませることができる。上記pHを保持するためには、
各種緩衝剤を用いるのが好ましい。緩衝剤としては、炭
酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安
息香酸塩、グリシル塩、N,N−ジメチルグリシン塩、
ロイシン塩、ノルロイシン塩、グアニン塩、3,4−ジ
ヒドロキシフェニルアラニン塩、アラニン塩、アミノ酪
酸塩、2−アミノ−2−メチル−1, 3−プロパンジオ
ール塩、バリン塩、プロリン塩、トリスヒドロキシアミ
ノメタン塩、リシン塩などを用いることができる。特に
炭酸塩、リン酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩
は、溶解性、pH 9.0以上の高pH領域での緩衝能に優れ、
カラー現像液に添加しても写真性能面への悪影響(カブ
リなど)がなく、安価であるといった利点を有し、これ
らの緩衝剤を用いることが特に好ましい。
【0063】これらの緩衝剤の具体例としては、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カ
リウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン
酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、ホウ酸ナトリウ
ム、ホウ酸カリウム、四ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)、
四ホウ酸カリウム、o−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム
(サリチル酸ナトリウム)、o−ヒドロキシ安息香酸カ
リウム、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸ナトリウ
ム(5−スルホサリチル酸ナトリウム)、5−スルホ−
2−ヒドロキシ安息香酸カリウム(5−スルホサリチル
酸カリウム)などを挙げることができる。該緩衝剤のカ
ラー現像液への添加量は、 0.1モル/リットル以上であ
ることが好ましく、特に 0.1モル/リットル〜 0.4モル
/リットルであることが特に好ましい。
【0064】その他、カラー現像液中にはカルシウムや
マグネシウムの沈澱防止剤として、あるいはカラー現像
液の安定性向上のために、各種キレート剤を用いること
ができる。例えば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリア
ミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N−ト
リメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,
N′,N′−テトラメチレンホスホン酸、トランスシロ
ヘキサンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四
酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジ
アミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、2−ホスホノブ
タン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエ
チリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N′−ビス(2
−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N′−
ジ酢酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸等が挙げられ
る。これらのキレート剤は必要に応じて2種以上併用し
ても良い。これらのキレート剤の添加量はカラー現像液
中の金属イオンを封鎖するのに充分な量であれば良い。
例えば1リットル当り 0.1g〜10g程度である。
【0065】カラー現像液には、必要により任意の現像
促進剤を添加できる。現像促進剤としては、特公昭37-1
6088号、同37−5987号、同38−7826号、同44-12380号、
同45−9019号及び米国特許第3,813,247 号等に表わされ
るチオエーテル系化合物、特開昭52-49829号及び同50-1
5554号に表わされるp−フェニレンジアミン系化合物、
特開昭50−137726号、特公昭44-30074号、特開昭56−15
6826号及び同52-43429号等に表わされる4級アンモニウ
ム塩類、米国特許第2,494,903号、同3,128,182 号、同
4,230,796 号、同3,253,919 号、特公昭41-11431号、米
国特許第2,482,546 号、同2,596,926 号及び同3,582,34
6 号等に記載のアミン系化合物、特公昭37-16088号、同
42-25201号、米国特許第3,128,183 号、特公昭41-11431
号、同42-23883号及び米国特許第3,532,501 号等に表わ
されるポリアルキレンオキサイド、その他1−フェニル
−3−ピラゾリドン類、イミダゾール類、等を必要に応
じて添加することができる。ベンジルアルコールについ
ては前述したとうりである。
【0066】本発明においては、必要に応じて、任意の
カブリ防止剤を添加できる。カブリ防止剤としては、塩
化ナトリウム、臭化カリウム、沃化カリウムの如きアル
カリ金属ハロゲン化物及び有機カブリ防止剤が使用でき
る。有機カブリ防止剤としては、例えばベンゾトリアゾ
ール、6−ニトロベンズイミダゾール、5−ニトロイソ
インダゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、5−ニ
トロベンゾトリアゾール、5−クロロ−ベンゾトリアゾ
ール、2−チアゾリル−ベンズイミダゾール、2−チア
ゾリルメチル−ベンズイミダゾール、インダゾール、ヒ
ドロキシアザインドリジン、アデニンの如き含窒素ヘテ
ロ環化合物を代表例としてあげることができる。本発明
に適用されうるカラー現像液には、蛍光増白剤を含有す
るのが好ましい。蛍光増白剤としては、4,4′−ジア
ミノ−2,2′−ジスルホスチルベン系化合物が好まし
い。添加量は0〜5g/リットル好ましくは 0.1g〜4
/リットルである。又、必要に応じてアルキルスルホン
酸、アリールスルホン酸、脂肪族カルボン酸、芳香族カ
ルボン酸、ポリアルキレンイミン等の各種界面活性剤を
添加しても良い。
【0067】本発明に適用しうる処理剤は、単一または
複数のパート構成の濃縮液として供給しても良く、粉剤
として供給しても良い。また、使用液状態で供給しても
よく、濃縮液、粉剤、使用液の組み合せであっても良
い。
【0068】本発明に使用される処理液を充填する補充
カートリッジの材質は、紙、プラスチック、金属等いか
なる材質でも用いることができるが、特に酸素透過係数
が50ミリリットル/(m2・atm ・day)以下のプラスチ
ック材料が好ましい。尚、酸素透過係数は「O2 パーミ
エイション オブ プラスチック コンテイナー、モダ
ーン パッキング」(O2 permeation of plastic conta
iner, Modern Packing; N.J.Calyan, 1968)の12
月号第143〜145頁に記載の方法により測定するこ
とができる。好ましいプラスチック材料としては、具体
的には塩化ビニリデン(PVDC)、ナイロン(N
Y)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(P
P)、ポリエステル(PES)、エチレン−酢酸ビニル
共重合体(EVA)、エチレン−ビニルアルコール共重
合体(EVAL)、ポリアクリロニトリル(PAN)、
ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンテレフ
タレート(PET)等を挙げることができる。これらの
材料は単一で使用し、成形して使用されても良いし、フ
ィルム状にし、複数種貼り合せて使用する方法(いわゆ
る複合フィルム)を用いても良い。また、容器の形状と
しては、瓶タイプ、キュービックタイプ、ピロータイプ
等の各種形状を使用することができるが、本発明はフレ
キシブルで取扱性が容易で使用後減容化が可能なキュー
ビックタイプ及びこれに類する構造が特に好ましい。ま
た、複合フィルムとして使用する場合は下記に示す構造
が特に好ましいが、これらに限定されるものではない。
PE/EVAL/PE、PE/アルミニウム箔/PE、
NY/PE/NY、NY/PE/EVAL、PE/NY
//PE/EVAL/PE、PE/NY/PE/PE/
PE/NY/PE、PE/SiO2 膜/PE、PE/P
VDC/PE、PE/NY/アルミニウム箔/PE、P
E/PP/アルミニウム箔/PE、NY/PE/PVD
C/NY、NY/EVAL/PE/EVAL/NY、N
Y/PE/EVAL/NY、NY/PE/PVDC/N
Y/EVAL/PE、PP/EVAL/PE、PP/E
VAL/PP、NY/EVAL/PE、NY/アルミニ
ウム箔/PE、紙/アルミニウム箔/PE、紙/PE/
アルミニウム箔/PE、PE/PVDC/NY/PE、
NY/PE/アルミニウム箔/PE、PET/EVAL
/PE、PET/アルミニウム箔/PE、PET/アル
ミニウム箔/PET/PE上記複合フィルムの厚みは5
〜1500ミクロン程度であり、好ましくは10〜10
00ミクロン程度である。また、完成容器の内容量は1
00ミリリットル〜20リットル、好ましくは500ミ
リリットル〜10リットル程度である。上記容器(カー
トリッジ)は、ダンボールやプラスチックの外箱を有し
てもよく、外箱と一体成形にて作成されていても良い。
本発明に用いうるカートリッジには各種処理液を充填す
ることができる。例えば、カラー現像液、黒白現像液、
漂白液、調整液、反転液、定着液、漂白定着液、安定液
等を挙げることができるが特に酸素透過係数の低いカー
トリッジにはカラー現像液、黒白現像液、定着液及び漂
白定着液を使用するのが好ましい。
【0069】次に本発明に用いうる感光材料について説
明する本発明は如何なる感光材料にも適用することがで
きる。本発明において適用されるハロゲン化銀乳剤やそ
の他の素材(添加剤など)および写真構成層(層配置な
ど)、並びにこの感材を処理するために適用される処理
法や処理用添加剤としては、下記の特許公報、特に欧州
特許EP0,355,660A2号(特願平1−107
011号)に記載されているものが好ましく用いられ
る。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
【表4】
【0074】
【表5】
【0075】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
90モル%以上が塩化銀からなるハロゲン化銀粒子を含
有する乳剤層を少なくとも一層有することが好ましい。
好ましくは95〜99.9モル%以上、更に好ましくは
98〜99.9モル%以上が塩化銀からなる乳剤であ
り、全層が98〜99.9モル%以上の塩化銀からなる
塩臭化銀乳剤であることが特に好ましい。また、塗布銀
量としては、特に制限はないが0.4〜0.7g/m2
度が好ましい。また、シアンカプラーとして、特開平2-
33144 号に記載のジフェニルイミダゾール系シアンカプ
ラーの他に、欧州特許EP0,333,185A2 号に記載の3−ヒ
ドロキシピリジン系シアンカプラー(なかでも具体例と
して列挙されたカプラー(42)の4当量カプラーに塩素
離脱基をもたせて2当量化したものや、カプラー(6)
や(9)が特に好ましい)や特開昭64-32260号に記載さ
れた環状活性メチレン系シアンカプラー(なかでも具体
例として列挙されたカプラー例3、8、34が特に好ま
しい)の使用も好ましい。
【0076】また、本発明に係わる感光材料には、画像
のシャープネス等を向上させる目的で親水性コロイド層
に、欧州特許EP0,337,490A2 号の第27〜76頁に記載
の、処理により脱色可能な染料(なかでもオキソノール
系染料)を感光材料の680nmに於ける光学反射濃度
が0.70以上になるように添加したり、支持体の耐水
性樹脂層中に2〜4価のアルコール類(例えばトリメチ
ロールエタン)等で表面処理された酸化チタンを12重
量%以上(より好ましくは14重量%以上)含有させる
のが好ましい。また、本発明に係わる感光材料には、カ
プラーと共に欧州特許EP0,277,589A2号に記載のような
色像保存性改良化合物を使用するのが好ましい。特にピ
ラゾロアゾールカプラーとの併用が好ましい。
【0077】即ち、発色現像処理後に残存する芳香族ア
ミン系現像主薬と化学結合して、化学的に不活性でかつ
実質的に無色の化合物を生成する化合物(F)および/
または発色現像処理後に残存する芳香族アミン系発色現
像主薬の酸化体と化学結合して、化学的に不活性でかつ
実質的に無色の化合物を生成する化合物(G)を同時ま
たは単独に用いることが、例えば処理後の保存における
膜中残存発色現像主薬ないしその酸化体とカプラーの反
応による発色色素生成によるステイン発生その他の副作
用を防止する上で好ましい。また、本発明に係わる感光
材料には、親水性コロイド層中に繁殖して画像を劣化さ
せる各種の黴や細菌を防ぐために、特開昭63-271247 号
に記載のような防黴剤を添加するのが好ましい。
【0078】本発明において、ハロゲン化銀カラー写真
感光材料の支持体を除いた乾燥膜厚が11μm以下であ
る場合に、本発明の効果を特に顕著に得ることができ
る。よってより好ましい膜厚は5μm〜10μmであ
り、特に好ましくは6μm〜9μmである。これらの膜
厚の低減はゼラチン量、銀量、オイル量、カプラー量等
を減少させることで達成できるが、ゼラチン量の低減し
て達成するのが最も好ましい。ここで、膜厚は、試料を
25℃60RH%2週間放置後、常法により測定するこ
とができる。
【0079】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
においては、写真層の膜膨潤度が、1.5〜4.0であ
ることが、ステインの改良や画像保存性の改良の点で好
ましい。特に、1.5〜3.0において、より一層の効
果を得ることができる。本発明の膨潤度とは、カラー感
光材料を33℃の蒸留水に2分間浸漬した後の写真層の
膜厚を乾いた写真層の膜厚で割った値を言う。
【0080】また、ここで写真層とは、少なくとも1層
の感光性ハロゲン化銀乳剤層を含み、この層と相互に水
浸透性の関係にある積層された親水性コロイド群層をい
う。支持体を隔てて写真感光層と反対側に設けられたバ
ック層は含まない。写真層は写真画像形成に関与する通
常は複数の層から形成され、ハロゲン化銀乳剤層の外に
中間層、フィルター層、ハレーション防止層、保護層な
どが含まれる。
【0081】上記の膨潤度に調整するためにはいかなる
方法を用いても良いが、例えば写真膜に使用するゼラチ
ンの量及び種類、硬膜剤の量及び種類、または写真層塗
布後の乾燥条件や経時条件を変えることにより調節する
ことができる。写真層にはゼラチンを用いるのが有利で
あるが、それ以外の親水性コロイドも用いることができ
る。たとえばゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子と
のグラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等の蛋白
質、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、セルローズ硫酸エステル類等の如きセルロー
ス誘導体、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体等の糖誘導
体;ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分
アセタール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリ
ル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビ
ニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等の単一ある
いは共重合体の如き多種の合成親水性高分子物質を用い
ることができる。ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンの
ほか、酸処理ゼラチンを用いてもよく、ゼラチン加水分
解物、ゼラチン酵素分解物も用いることができる。ゼラ
チン誘導体としては、ゼラチンにたとえば酸ハライド、
酸無水物、イソシアナート類、ブロモ酢酸、アルカンサ
ルトン類、ビニルスルホンアミド類、マレインイミド化
合物類、ポリアルキレンオキシド類、エポキシ化合物類
等種々の化合物を反応させて得られるものが用いられ
る。
【0082】前記ゼラチン・グラフトポリマーとして
は、ゼラチンにアクリル酸、メタアクリク酸、それらの
エステル、アミドなどの誘導体、アクリロニトリル、ス
チレンなどの如き、ビニル系モノマーの単一(ホモ)ま
たは共重合体をグラフトさせたものを用いることができ
る。ことに、ゼラチンとある程度相溶性のあるポリマー
たとえばアクリル酸、メタアクリル酸、アクリルアミ
ド、メタアクリルアミド、ヒドロキシアクキルメタアク
リレート等の重合体とのグラフトポリマーが好ましい。
これらの例は米国特許2,763,625号、同2,8
31,767号、同2,956,884号などに記載が
ある。代表的な合成親水性高分子物質はたとえば西独特
許出願(OLS)2,312,708号、米国特許3,
620,751号、同3,879,205号、特公昭4
3−7561号に記載されている。
【0083】硬膜剤としては、例えばクロム塩(クロム
明ばん、酢酸クロムなど)、アルデヒド類(ホルムアル
デヒド、グリオキサール、グリタールアルデヒドな
ど)、N−メチロール化合物(ジメチロール尿素、メチ
ロールジメチルヒダントインなど)、ジオキサン誘導体
(2,3−ジヒドロキシジオキサンなど)、活性ビニル
化合物(1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ
−s−トリアジン、ビス(ビニルスルホニル)メチルエ
ーテル、N,N′−メチレンビス−〔β−(ビニルスル
ホニル)プロピオンアミド〕など)、活性ハロゲン化合
物(2,4−ジクロル−6−ヒドロキシ−s−トリアジ
ンなど)、ムコハロゲン酸類(ムコクロル酸、ムコフェ
ノキシクロル酸など)、イソオキサゾール類、ジアルデ
ヒドでん粉、2−クロル−6−ヒドロキシトリアジニル
化ゼラチンなどを、単独または組合わせて用いることが
できる。特に好ましい硬膜剤としては、アルデヒド類、
活性ビニル化合物及び活性ハロゲン化合物である。
【0084】本発明に用いられるカラー感光材料として
はカラーペーパー、カラー反転ペーパー、直接ポジカラ
ー感光材料、カラーネガフィルム、カラー反転フィルム
などを挙げることができる。好ましくは、カラーペーパ
ーなどのプリント用カラー感材である。また、本発明に
係わる感光材料に用いられる支持体としては、ディスプ
レイ用に白色ポリエステル系支持体または白色顔料を含
む層がハロゲン化銀乳剤層を有する側の支持体上に設け
られた支持体を用いてもよい。更に鮮鋭性を改良するた
めに、アンチハレーション層を支持体のハロゲン化銀乳
剤層塗布側または裏面に塗設するのが好ましい。特に反
射光でも透過光でもディスプレイが観賞できるように、
支持体の透過濃度を0.35〜0.8の範囲に設定する
のが好ましい。
【0085】本発明に係わる感光材料は可視光で露光さ
れても赤外光で露光されてもよい。露光方法としては低
照度露光でも高照度短時間露光でもよく、特に後者の場
合には一画素当りの露光時間が10-4秒より短いレーザ
ー走査露光方式が好ましい。また、露光に際して、米国
特許第4,880,726 号に記載のバンド・ストップフイルタ
ーを用いるのが好ましい。これによって光混色が取り除
かれ、色再現性が著しく向上する。
【0086】
【実施例】次に実施例にて本発明を具体的に説明する。 実施例1 ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体表面にコロ
ナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウムを含むゼラチン下塗層を設け、さらに種々の写
真構成層を塗布して以下に示す層構成の多層カラー印画
紙を作製した。塗布液は下記の様にして調製した。
【0087】第一層塗布液調製 イエローカプラー(ExY)19.1gおよび色像安定
剤(Cpd−1)4.4g及び色像安定剤(Cpd−
7)0.7gに酢酸エチル27.2ccおよび溶媒(So
lv−3)および(Solv−7)それぞれ4.1gを
加え溶解し、この溶液を10%ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム8ccを含む10%ゼラチン水溶液185
ccに乳化分散させて乳化分散物Aを調製した。一方、塩
臭化銀乳剤A(立方体、平均粒子サイズ0.88μmの
大サイズ乳剤と0.70μmの小サイズ乳剤との3:7
混合物(銀モル比)。粒子サイズ分布の変動係数はそれ
ぞれ0.08と0.10、各サイズ乳剤とも臭化銀0.
3モル%を粒子表面の一部に局在含有)が調製された。
この乳剤には下記に示す青感性増感色素A、Bが銀1モ
ル当たり大サイズ乳剤Aに対しては、それぞれ2.0×
10-4モル、また小サイズ乳剤Aに対しては、それぞれ
2.5×10-4モル添加されている。また、この乳剤の
化学熟成は硫黄増感剤と金増感剤が添加して行われた。
前記の乳化分散物Aとこの塩臭化銀乳剤Aとを混合溶解
し、以下に示す組成となるように第一層塗布液を調製し
た。
【0088】第二層から第七層用の塗布液も第一層塗布
液と同様の方法で調製した。各層のゼラチン硬化剤とし
ては、1−オキシ−3,5−ジクロロ−s−トリアジン
ナトリウム塩を用いた。
【0089】また、各層にCpd−10とCpd−11
をそれぞれ全量が25.0mg/m2と50.0mg/m2とな
るように添加した。
【0090】各感光性乳剤層の塩臭化銀乳剤には下記の
分光増感色素をそれぞれ用いた。
【0091】
【化21】
【0092】(ハロゲン化銀1モル当たり、大サイズ乳
剤Aに対しては各々2.0×10-4モル、また小サイズ
乳剤Aに対しては各々2.5×10-4モル)
【0093】
【化22】
【0094】(ハロゲン化銀1モル当たり、大サイズ乳
剤Bに対しては4.0×10-4モル、小サイズ乳剤Bに
対しては5.6×10-4モル)および、
【0095】
【化23】
【0096】(ハロゲン化銀1モル当たり、大サイズ乳
剤Bに対しては7.0×10-5モル、また小サイズ乳剤
Bに対しては1.0×10-5モル)
【0097】
【化24】
【0098】(ハロゲン化銀1モル当たり、大サイズ乳
剤Cに対しては0.9×10-4モル、また小サイズ乳剤
Cに対しては1.1×10-4モル)
【0099】赤感性乳剤層に対しては、下記の化合物を
ハロゲン化銀1モル当たり2.6×10-3モル添加し
た。
【0100】
【化25】
【0101】また青感性乳剤層、緑感性乳剤層、赤感性
乳剤層に対し、1−(5−メチルウレイドフェニル)−
5−メルカプトテトラゾールをそれぞれハロゲン化銀1
モル当たり8.5×10-5モル、7.7×10-4モル、
2.5×10-4モル添加した。
【0102】また、青感性乳剤層と緑感性乳剤層に対
し、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−
テトラザインデンをそれぞれハロゲン化銀1モル当た
り、1×10-4モルと2×10-4モル添加した。
【0103】また、イラジエーション防止のために乳剤
層に下記の染料(カッコ内は塗布量を表す)を添加し
た。
【0104】
【化26】
【0105】(層構成)以下に各層の組成を示す。数字
は塗布量(g/m2)を表す。ハロゲン化銀乳剤は銀換算
塗布量を表す。
【0106】支持体 ポリエチレンラミネート紙 〔第一層側のポリエチレンに白色顔料(TiO2)と青味染料
(群青)を含む〕
【0107】 第一層(青感性乳剤層) 前記の塩臭化銀乳剤A 0.30 ゼラチン 1.22 イエローカプラー(ExY) 0.82 色像安定剤(Cpd−1) 0.19 溶媒(Solv−3) 0.18 溶媒(Solv−7) 0.18 色像安定剤(Cpd−7) 0.06
【0108】 第二層(混色防止層) ゼラチン 0.64 混色防止剤(Cpd−5) 0.10 溶媒(Solv−1) 0.16 溶媒(Solv−4) 0.08
【0109】 第三層(緑感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤(立方体、平均粒子サイズ0.55μmの大サイズ乳剤と、0. 39μmの小サイズ乳剤との1:3混合物(Agモル比)。粒子サイズ分布 の変動係数はそれぞれ0.10と0.08、各サイズ乳剤ともAgBr0. 8モル%を粒子表面の一部に局在含有させた) 0.12 ゼラチン 1.28 マゼンタカプラー(ExM) 0.23 色像安定剤(Cpd−2) 0.03 色像安定剤(Cpd−3) 0.16 色像安定剤(Cpd−4) 0.02 色像安定剤(Cpd−9) 0.02 溶媒(Solv−2) 0.40
【0110】 第四層(紫外線吸収層) ゼラチン 1.41 紫外線吸収剤(UV−1) 0.47 混色防止剤(Cpd−5) 0.05 溶媒(Solv−5) 0.24
【0111】 第五層(赤感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤(立方体、平均粒子サイズ0.58μmの大サイズ乳剤と、0. 45μmの小サイズ乳剤との1:4混合物(Agモル比)。粒子サイズ分布 の変動係数は0.09と0.11、各サイズ乳剤ともAgBr0.6モル% を粒子表面の一部に局在含有させた) 0.23 ゼラチン 1.04 シアンカプラー(ExC) 0.32 色像安定剤(Cpd−2) 0.03 色像安定剤(Cpd−4) 0.02 色像安定剤(Cpd−6) 0.18 色像安定剤(Cpd−7) 0.40 色像安定剤(Cpd−8) 0.05 溶媒(Solv−6) 0.14
【0112】 第六層(紫外線吸収層) ゼラチン 0.48 紫外線吸収剤(UV−1) 0.16 混色防止剤(Cpd−5) 0.02 溶媒(Solv−5) 0.08
【0113】 第七層(保護層) ゼラチン 1.10 ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体(変性度17%) 0.17 流動パラフィン 0.03
【0114】
【化27】
【0115】
【化28】
【0116】
【化29】
【0117】
【化30】
【0118】
【化31】
【0119】
【化32】
【0120】上記感光材料を像様露光後、ペーパー処理
機を用いて、下記処理工程にて、連続処理(ランニング
テスト)を行った。なお、処理量は、1日当たり各々5
m2とし、4週間ランニングテストを行った。なお、漂白
定着液及び水洗の処方は第6表に示したように、その各
々についてランニングテストを行なった。(第6表参
照) 処理工程 温 度 時 間 補充量* タンク容量 カラー現像 40.0℃ 30秒 73ミリリットル 5リットル 漂白定着 35.0℃ 30秒 60ミリリットル 5リットル 水 洗(1) 35.0℃ 15秒 − 3リットル 水 洗(2) 35.0℃ 15秒 − 3リットル 水 洗(3) 35.0℃ 15秒 − 3リットル 水 洗(4) 35.0℃ 15秒 200ミリリットル 3リットル *感光材料1m2当たりの補充量 (水洗は(4) から(1) への4タンク向流方式とした。) (水洗の平均滞留時間は(3×4)÷(0.2×5)=
12日となる)
【0121】各処理液の組成は以下の通りである。 〔カラー現像液〕 〔タンク液〕 〔補充液〕 水 800ミリリットル 800ミリリットル エチレンジアミン四酢酸 3.0g 3.0g 4,5−ジヒドロキシベンゼン−1,3−ジスルホン酸2ナトリウム塩 0.5g 0.5g トリエタノールアミン 12.0g 12.0g 塩化カリウム 6.5g − 臭化カリウム 0.03g − 炭酸カリウム 27.0g 27.0g 蛍光増白剤(WHITEX 4住友化学製) 1.0g 3.0g 亜硫酸ナトリウム 0.1g 0.1g ジナトリウム−N,N−ビス(スルホナートエチル)ヒドロキシル アミン 5.0g 10.0g トリイソプロピルナフタレン(β)スルホン酸ナトリウム 0.1g 0.1g N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)−3−メチ ル−4−アミノアニリン・3/2硫酸・1水塩 4.5g 11.0g 水を加えて 1000ミリリットル 1000ミリリットル pH(25℃/水酸化カリウム及び硫酸にて) 10.00 11.30
【0122】 〔漂白定着液〕 〔タンク液〕 〔補充液〕 チオ硫酸アンモニウム(75%w/v) 120ミリリットル 240ミリリットル 亜硫酸アンモニウム 20g 40g キレート剤(第6表参照) 0.10モル 0.20モル 硝酸第2鉄・9水和物 0.09モル 0.18モル 硝酸(67%) 30g 45g 水を加えて 1000ミリリットル 1000ミリリットル pH 6.0 5.0
【0123】 〔水洗〕 (タンク液と補充液は同じ) 脱イオン水(導伝率5μs/cm以下) 1000ミリリットル 塩素化イソシアヌール酸ナトリウム 0.02 g 一般式(II)又は(III) の化合物(第6表参照) 0.0005モル 前記塗布試料に感光計(富士写真フイルム株式会社製、
FWH型、光源の色温度3200°K)を使用し、階段
ウエッジ露光を与えた。この時の露光は、0.1秒の露
光時間で250CMSの露光量となるように行った。
【0124】上記試料を前記ランニングテスト終了後
に、同自動現像機にて処理を行い、イエローステイン及
び画像保存性を評価した。 処理後ステイン(DBmin) 試料の未露光部においてイエロー濃度をマクベス濃度計
を用いて測定した。 経時ステイン(△DBmin) 処理済試料を80℃/70%RHに20日間経時し、未
露光部のイエロー濃度の上昇量をマクベス濃度計にて測
定し、求めた。 画像保存性(△DB1.5) 処理済試料を80℃/70%RHに20日間経時し、イ
エロー濃度1.5の点の低下量を求めた。以上の結果を
まとめて表6に示す。
【0125】
【表6】
【0126】表6に示すように、従来から漂白剤として
汎用されているエチレンジアミン四酢酸においては、一
般式(II)及び(III) の化合物を添加しても効果無いが、
本発明のキレート剤を使用した場合には、一般式(II)及
び(III) の化合物との併用下において、イエローステイ
ンや退色が良化し(No. 7、8、9、10、12、1
3、14、15、17、18、19、20)、特に
〔S,S〕体のキレート剤を用いた場合には、その効果
は顕著である。
【0127】実施例2 実施例1の実験No. 1、4、6、9と同じ処理条件にお
いて、但し、一日あたりの感光材料の処理量を下記のよ
うに変更して、その各々のランニングテストを行い、実
施例1と同様に、評価した結果を第7表に示す。
【0128】
【表7】
【0129】第7表において、従来、平均滞留時間が長
くなるにつれて、イエローステインや画像保存性が悪化
する傾向にあるのに対し、本発明においては、平均滞留
時間が10日を越える条件において(No. 35、3
6)、より一層、顕著な効果を得ることができた。
【0130】実施例3 実施例1の感光材料を基本に、ゼラチン量を調整して、
膜厚を変更し、また、硬膜剤量を調整して、膜膨潤率を
変更した試料A〜Lを作成した。(詳細は第8表参
照)、各試料は、実施例1No. 11及び14のランニン
グ液にて処理し、実施例1と同様にDBmin、△DBmin
び△DB1.5を評価した。結果を第8表に示す。
【0131】
【表8】
【0132】第8表の本発明において、処理される感光
材料の膜厚が10μm以下である場合には、本発明の効
果がより顕著であり、また、膜膨潤率が好ましい領域に
あるNo. 3−14、15、18、19においては、より
一層、優れた性能を得ることができた。
【0133】実施例4 ポリエチレンで両面ラミネートし、表面をコロナ放電処
理した紙支持体の上に以下に示す層構成の多層カラー印
画紙を作製した。塗布液は下記のようにして調製した。
【0134】第一層塗布液調製 イエローカプラー(ExY)60.0gおよび褪色防止
剤(Cpd−1)28.0gに酢酸エチル150ccおよ
び溶媒(Solv−3)1.0ccと溶媒(Solv−
4)3.0ccを加え溶解し、この溶液をドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウムを含む10%ゼラチン水溶液4
50ccに添加した後、超音波ホモジナイザーにて分散
し、得られた分散液を、下記青感性増感色素を含有する
塩臭化銀乳剤(臭化銀0.7モル%)420gに混合溶
解して第一層塗布液を調製した。
【0135】第二層から第七層用の塗布液も第一層塗布
液と同様の方法で調製した。各層のゼラチン硬化剤とし
ては1,2−ビス(ビニルスルホニル)エタンを用い
た。
【0136】また各層の分光増感色素としては下記のも
のを用いた。 青感性乳剤層:アンヒドロ−5,5′−ジクロロ−3,
3′−ジスルホエチルチアシアニンヒドロオキシド 緑感性乳剤層:アンヒドロ−9−エチル−5,5′−ジ
フェニル−3,3′−ジスルホエチルオキサカルボシア
ニンヒドロオキシド 赤感性乳剤層:3,3′−ジエチル−5−メトキシ−
9,11−ネオペンチルチアジカルボシアニンヨージド
【0137】また各乳剤層の安定剤として下記の物を用
いた。 1−(2−アセトアミノ−フェニル)−5−メルカプト
テトラゾール 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 1−(p−メトキシフェニル)−5−メルカプトテトラ
ゾールの7:2:1の混合物(モル比)
【0138】またイラジエーション防止染料として下記
の物を用いた。 〔3−カルボキシ−5−ヒドロキシ−4−(3−(3−
カルボキシ−5−オキソ−1−(2,5−ビスルホナト
フェニル)−2−ピラゾリン−4−イリデン)−1−プ
ロペニル)−1−ピラゾリル〕ベンゼン−2,5−ジス
ルホナート−ジナトリウム塩 N,N′−(4,8−ジヒドロキシ−9,10−ジオキ
ソ−3,7−ジスルホナートアンスラセン−1,5−ジ
イル)ビス(アミノメタンスルホナト)−テトラナトリ
ウム塩 〔3−シアノ−5−ヒドロキシ−4−(3−(3−シア
ノ−5−オキソ−1−(4−スルホナートフェニル)−
2−ピラゾリン−4−イリデン)−1−ペンタニル)−
1−ピラゾリル〕ベンゼン−4−スルホナート−ナトリ
ウム塩
【0139】(層構成)以下に各層の組成を示す。数字
は塗布量(g/m2)を表す。ハロゲン化銀乳剤は銀換算
塗布量を表す。
【0140】支持体 ポリエチレンで両面ラミネートし、表面をコロナ放電処
理した紙支持体
【0141】 第一層(青感層) 前述の塩臭化銀乳剤 (AgBr 0.7モル%、立方体、平均粒子サイズ 0.9μm) 0.29 ゼラチン 1.80 イエローカプラー(ExY) 0.60 褪色防止剤(Cpd−1) 0.28 溶媒(Solv−3) 0.01 溶媒(Solv−4) 0.03
【0142】 第二層(混色防止層) ゼラチン 0.80 混色防止剤(Cpd−2) 0.055 溶媒(Solv−1) 0.03 溶媒(Solv−2) 0.15
【0143】 第三層(緑感層) 前述の塩臭化銀乳剤 (AgBr 0.7モル%、立方体、平均粒子サイズ 0.45 μm) 0.18 ゼラチン 1.86 マゼンタカプラー(ExM) 0.27 褪色防止剤(Cpd−3) 0.17 褪色防止剤(Cpd−4) 0.10 溶媒(Solv−1) 0.2 溶媒(Solv−2) 0.03
【0144】第四層(混色防止層) ゼラチン 1.70 混色防止剤(Cpd−2) 0.065 紫外線吸収剤(UV−1) 0.45 紫外線吸収剤(UV−2) 0.23 溶媒(Solv−1) 0.05 溶媒(Solv−2) 0.05
【0145】 第五層(赤感層) 前述の塩臭化銀乳剤 (AgBr 4モル%、立方体、平均粒子サイズ 0.5μm) 0.21 ゼラチン 1.80 シアンカプラー(ExC−1) 0.26 シアンカプラー(ExC−2) 0.12 褪色防止剤(Cpd−1) 0.20 溶媒(Solv−1) 0.16 溶媒(Solv−2) 0.09 発色促進剤(Cpd−5) 0.15
【0146】 第六層(紫外線吸収層) ゼラチン 0.70 紫外線吸収剤(UV−1) 0.26 紫外線吸収剤(UV−2) 0.07 溶媒(Solv−1) 0.30 溶媒(Solv−2) 0.09
【0147】 第七層(保護層) ゼラチン 1.07
【0148】(ExY)イエローカプラー α−ピバリル−α−(3−ベンジル−1−ヒダントイニ
ル)−2−クロロ−5−〔β−(ドデシルスルホニル)
ブチルアミド〕アセトアニリド (ExM)マゼンタカプラー 7−クロロ−6−イソプロピル−3−{3−〔(2−ブ
トキシ−5−tert−オクチル)ベンゼンスルホニル〕プ
ロピル}−1H−ピラゾロ〔5,1−c〕−1,2,4
−トリアゾール (ExC−1)シアンカプラー 2−ペンタフルオロベンズアミド−4−クロロ−5〔2
−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)−3−メチ
ルブチルアミドフェノール (ExC−2)シアンカプラー 2,4−ジクロロ−3−メチル−6−〔α−(2,4−
ジ−tert−アミルフェノキシ)ブチルアミド〕フェノー
【0149】(Cpd−1)褪色防止剤
【0150】
【化33】
【0151】(Cpd−2)混色防止剤 2,5−ジ−tert−オクチルハイドロキノン (Cpd−3)褪色防止剤 7,7′−ジヒドロキシ−4,4,4′,4′−テトラ
メチル−2,2′−スピロクロマン (Cpd−4)褪色防止剤 N−(4−ドデシルオキシフェニル)−モルホリン (Cpd−5)発色促進剤 p−(p−トルエンスルンアミド)フェニル−ドデカン
【0152】(Solv−1)溶媒 ジ(2−エチルヘキシル)フタレート (Solv−2)溶媒 ジブチルフタレート (Solv−3)溶媒 ジ(i−ノニル)フタレート (Solv−4)溶媒 N,N−ジエチルカルボンアミド−メトキシ−2,4−
ジ−t−アミルベンゼン
【0153】(UV−1)紫外線吸収剤 2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール (UV−2)紫外線吸収剤 2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール
【0154】これらの試料に実施例1に記載した方法で
露光を与え、別途上記感光材料に像様露光を与えた試料
をペーパー処理機を使用して、下記処理工程で漂白定着
液のタンク容量の2倍補充するまで連続処理(ランニン
グテスト)を行ってから、処理して色像を得た。また、
安定液の組成及び補充量は第9表に示したように変更し
てその各々について、ランニングテストを行なった。
【0155】 処理工程 温 度 時 間 補充量* タンク容量 カラー現像 40℃ 45秒 35ミリリットル 10リットル 漂白定着 30〜36℃ 45秒 60ミリリットル 10リットル 安定 1 30〜37℃ 20秒 − 3リットル 安定 2 30〜37℃ 20秒 − 3リットル 安定 3 30〜37℃ 20秒 − 3リットル 安定 4 30〜37℃ 30秒 第9表参照 3リットル 乾 燥 70〜85℃ 60秒 *感光材料1m2あたりの補充量 (安定4→1への4タンク向流方式とした。また平均滞
留時間は14日となるように処理した。)また感光材料
1m2当たりの持ち込み量は50ml/m2であった。
【0156】各処理液の組成は以下の通りである。 〔カラー現像液〕 〔タンク液〕 〔補充液〕 水 800ミリリットル 800ミリリットル エチレンジアミン四酢酸 2.0g 4.0g 5,6−ジヒドロキシベンゼン−1,2,4−トリスルホン酸 0.3g 0.5g トリエタノールアミン 8.0g 8.0g 塩化ナトリウム 10.0g − 炭酸カリウム 25 g 25 g N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)−3− メチル−4−アミノアニリン硫酸塩 5.0g 25.0g ジエチルヒドロキシルアミン 4.2g 20.0g 蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベン系) 2.0g 6.0g 水を加えて 1000ミリリットル 1000ミリリットル pH(25℃) 10.05 12.50
【0157】 〔漂白定着液〕 タンク液 補充液 水 700ミリリットル 400ミリリットル チオ硫酸アンモニウム(70%) 100ミリリットル 200ミリリットル 亜硫酸アンモニウム 30g 50g 化合物(I−1)の〔S,S〕体 0.12モル 0.24モル 硝酸第2鉄9水和物 0.10モル 0.20モル 硝酸(67%) 30g 50g 水を加えて 1000ミリリットル 1000ミリリットル pH(25℃) 5.0 4.0
【0158】 〔安定液〕 (タンク液と補充液は同じ) ホルマリン(37%) 0.1g ホルマリン−亜硫酸付加物 0.7g 一般式(II)又は(III) の化合物 0.0005 モル 硫酸銅 0.005g 水を加えて 1000ミリリットル pH(25℃) 4.0 各々、得られたランニング液に対して実施例1と同様に
して、DBmin、△DBm in、△DB1.5を評価した結果を第
9表に示す。
【0159】
【表9】
【0160】本発明によれば(No. 4−5〜4−1
2)、イエローステインや画像保存性が良化するが、と
りわけ、安定液の補充量が持ち込み量の10倍以下であ
るNo. 4−7、8、11、12においては、その効果は
顕著である。
【0161】実施例5 実施例4において、化合物(I−1)の代わりに等モル
の(I−5)、(I−9)または(I−12)を用いて
も、同時に良好な結果が得られた。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像様露光されたハロゲン化銀カラー写真
    感光材料を、発色現像後、脱銀処理し、その後、水洗及
    び/または安定化処理する方法に於いて、該脱銀工程の
    漂白剤として、下記一般式(I)で表わされる化合物の
    Fe(III) 錯体を使用し、且つ、水洗及び/または安定
    化液に下記一般式(II)及び一般式(III) で表わされる化
    合物の少なくとも一種を含有することを特徴とするハロ
    ゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。一般式(I) 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 及びR6 は同一
    でも異なってもよくそれぞれ水素原子、脂肪族基、芳香
    族基又はヒドロキシを表わす。Wは炭素原子を含む二価
    の連結基を表す。M1 、M2 、M3 及びM4 は同一でも
    異なってもよくそれぞれ水素原子又はカチオンを表
    す。)一般式(II) 【化2】 (式中、R7 は水素原子、アルキル基、アミド基、また
    はアルカリ金属原子を表し、R8 及びR9 は同一でも異
    なってもよく各々水素原子、ハロゲン原子、アルキル
    基、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、カルボン酸又
    はスルホン酸を表す。)一般式(III) 【化3】 (式中、R10は水素原子、アルキル基、アミド基、また
    はアルカリ金属原子を表し、R11、R12、R13及びR14
    はそれぞれ同じでも異なっても良く、水素原子、ハロゲ
    ン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ
    基、カルボン酸またはスルホン酸を表す。)
  2. 【請求項2】 一般式(I)の化合物の光学異性体のな
    かで、〔S,S〕体を選択的に用いることを特徴とする
    請求項1記載の処理方法。
  3. 【請求項3】 水洗及び/又は安定化処理のタンク液の
    平均滞留時間が1週間〜2ケ月であることを特徴とする
    請求項2記載の処理方法。
  4. 【請求項4】 ハロゲン化銀カラー写真感光材料の膜膨
    潤率が1.5倍〜4倍であることを特徴とする請求項1
    記載の処理方法。
  5. 【請求項5】 ハロゲン化銀カラー写真感光材料の支持
    体を除いた乾燥膜厚が11μm以下であることを特徴と
    する請求項4記載の処理方法。
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