JPH07119267B2 - ノボラック型フェノール樹脂の製造方法 - Google Patents

ノボラック型フェノール樹脂の製造方法

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JPH07119267B2
JPH07119267B2 JP2275802A JP27580290A JPH07119267B2 JP H07119267 B2 JPH07119267 B2 JP H07119267B2 JP 2275802 A JP2275802 A JP 2275802A JP 27580290 A JP27580290 A JP 27580290A JP H07119267 B2 JPH07119267 B2 JP H07119267B2
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resin
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晴昭 陶
憲 七海
拓二 伊藤
健 斑目
郁夫 星
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は耐熱用、電気絶縁用の成形材料用樹脂、シェル
モールド用樹脂等に利用できるノボラック型フェノール
樹脂の製造方法に関する。
[従来の技術] フェノール樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂とレゾ
ール型フェノール樹脂に大別され、その何れもが有機ま
た無機基材結合材として優れた性能を有している。ノボ
ラック型フェノール樹脂は、特殊な例を除いてはその分
子量は低いか又は分子量分布の狭いものしか得られなか
った 通常のノボラック型フェノール樹脂は3官能フェノール
を主体とするフェノール類(以下、Pと略称する)とホ
ルムアルデヒド(以下、Fと略称する)との酸性下の反
応による縮合物であり、F/P=0.67とすると、反応率約6
7%でゲル化して三次元網目構造を有する巨大分子とな
り、不溶不融化することが知られている。そこでゲル化
を起こしにくいよう配合比を特に選んで反応させるのが
普通である。したがって得られるノボラック型フェノー
ル樹脂の数平均分子量(以下、Mnと略称する)としては
500〜800程度のものであり、Mnとして1000以上のものを
得ることは極めて困難である。また従来のフェノール系
樹脂の用途に対しては、この程度の低い分子量のもので
十分実用性があった。ノボラック型フェノール樹脂の高
分子化をはかる試みとして2官能性フェノール類(o−
クレゾール、p−クレゾールなど)を用いて反応するこ
とが提案されている(特開昭57-80417号公報)が、3官
能以上のものについては常にゲル化の問題があり、報告
は見当らない。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は分子量分布を制御することができ、滑高分子量
のノボラック型フェノール樹脂を高収率で得ることがで
きるノボラック型フェノール樹脂の製造方法を提供する
ことを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは前記従来技術の欠点を解決するために、鋭
意検討した結果、本発明を完成した。
すなわち本発明は、フェノール類1モルに対しホルムア
ルデヒド0.5〜1.5モルを、遷移金属、IIIA族元素、IVA
族元素、VA族元素及びVIA族元素の中から選ばれた少な
くとも1種類の元素の存在下で反応させることを特徴と
するノボラック型フェノール樹脂の製造方法を提供する
ものである。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明におけるフェノール類(P)と、ホルムアルデヒ
ド(F)との反応モル比(F/P)は、0.5〜1.5とする必
要があり、好ましくは0.8〜1.2である。
F/P比を0.5〜1.5の範囲にするのに使用されるホルマリ
ン等のホルムアルデヒドの濃度は特に限定されない。ま
た、ホルムアルデヒド源としてパラホルムアルデヒド等
を用いることができる。
本発明において用いられるフェノール類は特に限定され
るものではなく、フェノール、クレゾール、ノニルフェ
ノール、tert−ブチルフェノール、キシレノールなど通
常のフェノール樹脂合成に用いられるものであれば使用
できる。
次に、本発明のフェノール樹脂の製造方法において、触
媒として使用される元素としては、チタン、バナジウ
ム、クロム、ニッケル、コバルト、亜鉛、鉄、銅、イッ
トリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ロジウ
ム、パラジウム、銀、カドミウム、タングステンなどの
遷移金属、アルミニウム、ガリウム、インジウムなどの
IIIA族元素、珪素、ゲルマニウム、錫、鉛などのIVA族
元素、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマスなどのVA族元
素、硫黄、セレン、テルルなどのVIA族元素などが挙げ
られる。これらの元素は、これに限定されるものではな
く、また反応系において単独又は任意の2種類以上の混
合物として使用できる。上記触媒の使用量については特
に限定しない。一般にはフェノール類1モルに対して、
0.0001〜0.05モル、好ましくは0.0005〜0.002モルの量
で使用される。通常、上記元素は粉末として用いられ
る。
本発明におけるノボラック型フェノール樹脂の反応条件
については特に限定しないが、一般には100〜110℃の温
度で還流下に実施するのが好ましい。還流下の反応時間
は使用した触媒の種類や量により異なるが通常は1〜50
時間である。還流反応終了後、反応生成物を180℃以下
の温度で減圧脱水し、適当な軟化点になったときに生成
樹脂を反応釜から取り出して冷却することによって、所
望のノボラック型フェノール樹脂を得ることができる。
以上のようにして得られたノボラック型フェノール樹脂
は、成形材料、エポキシ樹脂硬化剤、鋳物用樹脂、摩擦
材料など、種々の用途に応用できる。
[実施例] 以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが本発
明はこれに限定されるものではない。
実施例1 撹拌機、冷却器、温度計を備えた2lのフラスコにフェノ
ール940g、37%ホルムアルデヒド1054g、チタン粉末0.3
gを投入し加熱する。還流が始まりその後1時間でパラ
ホルムアルデヒドが溶解し均一となる。40時間還流反応
させた後、160℃まで昇温しながら、700mmHgで減圧脱水
し、900gの固形の樹脂を得た。この樹脂の軟化点は105
℃であった。本発明で、分子量及び分子量分布測定に用
いたGPC装置は日立製高速液体クロマトグラフィL6000及
び島津製作所製データ解析装置C-R4Aを使用した。GPCカ
ラムとしては東ソー製GMMXL2本を使用した。これらの分
析装置によりMn=1900、Mw/Mn=4.5となった。(以下、
重量平均分子量をMwと略称する) 実施例2 撹拌機、冷却器、温度計を備えた2lのフラスコにフェノ
ール940g、37%ホルムアルデヒド1054g、銅粉末0.3gを
投入し加熱する。48時間還流反応させた後、160℃まで
昇温しながら700mmHgで減圧脱水し、980gの固形の樹脂
を得た。この樹脂の軟化点は103℃であった。Mn=194
3、Mw/Mn=4.6となった。
実施例3 撹拌機、冷却器、温度計を備えた2lのフラスコにフェノ
ール940g、37%ホルムアルデヒド1054g、亜鉛粉末0.3g
を投入し加熱する。48時間還流反応させた後、160℃ま
で昇温しながら、700mmHgで減圧脱水し、950gの固形の
樹脂を得た。この樹脂の軟化点は96℃であった。Mn=17
40、Mw/Mn=2.4となった。
実施例4 撹拌機、冷却器、温度計を備えた2lのフラスコにフェノ
ール940g、37%ホルムアルデヒド1054g、アルミニウム
粉末0.3gを投入し加熱する。48時間還流反応させた後、
160℃まで昇温しながら700mmHgで減圧脱水し、1050gの
固形の樹脂を得た。この樹脂の軟化点は103℃であっ
た。Mn=2100、Mw/Mn=4.6となった。
実施例5 撹拌機、冷却器、温度計を備えた2lのフラスコにフェノ
ール940g、37%ホルムアルデヒド730g、固型ガリウム0.
5gを投入し加熱する。10時間還流反応させた後、160℃
まで昇温しながら、700mmHgで減圧脱水し、950gの固形
の樹脂を得た。この樹脂の軟化点は108℃であった。Mn
=1740、Mw/Mn=2.4となった。
実施例6 撹拌機、冷却器、温度計を備えた2lのフラスコにフェノ
ール940g、37%ホルムアルデヒド162g、86%パラホルム
アルデヒド280g、固型ガリウム0.5gを投入し加熱する。
パラホルムアルデヒドは徐々に溶解し100℃付近で完全
に溶解する。10時間還流反応させた後、160℃まで昇温
しながら、700mmHgで減圧脱水し、965gの固形の樹脂を
得た。この樹脂の軟化点は105℃であった。Mn=1900、M
w/Mn=4.0となった。
実施例7 撹拌機、冷却器、温度計を備えた2lのフラスコにフェノ
ール940g、37%ホルムアルデヒド1054g、珪素粉末0.3g
を投入し加熱する。48時間還流反応させた後、160℃ま
で昇温しながら700mmHgで減圧脱水し、980gの固形の樹
脂を得た。この樹脂の軟化点は103℃であった。Mn=194
3、Mw/Mn=4.6となった。
実施例8 撹拌機、冷却器、温度計を備えた2lのフラスコにフェノ
ール940g、37%ホルムアルデヒド1054g、ゲルマニウム
粉末0.3gを投入し加熱する。48時間還流反応させた後、
160℃まで昇温しながら、700mmHgで減圧脱水し、900gの
固形の樹脂を得た。この樹脂の軟化点は96℃であった。
Mn=1640、Mw/Mn=2.8となった。
実施例9 撹拌機、冷却器、温度計を備えた2lのフラスコにフェノ
ール940g、37%ホルムアルデヒド162g、86%パラホルム
アルデヒド280g、錫粉末0.5gを投入し加熱する。パラホ
ルムアルデヒドは徐々に溶解し100℃付近で完全に溶解
する。30時間還流反応させた後、160℃まで昇温しなが
ら、700mmHgで減圧脱水し、960gの固形の樹脂を得た。
この樹脂の軟化点は98℃であった。Mn=1800、Mw/Mn=
4.0となった。
実施例10 撹拌機、冷却器、温度計を備えたlのフラスコにフェ
ノール470g、37%ホルムアルデヒド365g、硫黄粉末0.15
gを投入し加熱する。48時間還流反応させた後、160℃ま
で昇温しながら700mmHgで減圧脱水し、400gの固形の樹
脂を得た。この樹脂の軟化点は95℃であった。Mn=180
3、Mw/Mn=3.3となった。
実施例11 撹拌機、冷却器、温度計を備えた1のフラスコにフェ
ノール470g、37%ホルムアルデヒド121.6g、86%パラホ
ルムアルデヒド120g、セレン0.14gを投入し加熱する。
パラホルムアルデヒドは徐々に溶解し100℃付近で完全
に溶解する。35時間還流反応させた後、160℃まで昇温
しながら、700mmHgで減圧脱水し、400gの固形の樹脂を
得た。この樹脂の軟化点は97℃であった。Mn=1719、Mw
/Mn=3.5となった。
比較例1 撹拌機、冷却器、温度計を備えた2lのフラスコにフェノ
ール940g、37%ホルムアルデヒド162g、86%パラホルム
アルデヒド349g、酸2.54gを投入し加熱する。パラホ
ルムアルデヒドは徐々に溶解し100℃付近で完全に溶解
する。1時間還流反応させた後、130℃まで昇温しなが
ら、700mmHgで減圧脱水したがゲル化した。
[発明の効果] 本発明によれば特定な元素を触媒として用いることによ
りノボラック型フェノール樹脂の化学構造、分子量分布
を制御し、有用な樹脂の製造が可能となった。このノボ
ラック型フェノール樹脂は分子量、分子量分布の面で従
来のノボラック型フェノール樹脂の製造技術では到底到
達し得ないものであり、このような構造上の特性に基づ
いて、物理的並びに化学的性質において従来品にない優
れた特徴を有しており、工業的に極めて価値の高いもの
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斑目 健 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内 (72)発明者 星 郁夫 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−57624(JP,A) 特開 平2−247213(JP,A) 特開 昭55−144016(JP,A) 特開 昭54−48892(JP,A) 特開 昭53−82895(JP,A)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フェノール類1モルに対しホルムアルデヒ
    ド0.5〜1.5モルを、遷移金属、IIIA族元素、IVA族元
    素、VA族元素及びVIA族元素の中から選ばれた少なくと
    も1種類の元素の存在下で反応させることを特徴とする
    ノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】遷移金属元素がチタン、バナジウム、クロ
    ム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、イットリウ
    ム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ロジウム、パ
    ラジウム、銀、カドミウム又はタングステンである請求
    項1記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】IIIA族元素がアルミニウム、ガリウム又は
    インジウムである請求項1記載のノボラック型フェノー
    ル樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】IVA族元素が珪素、ゲルマニウム、錫又は
    鉛である請求項1記載のノボラック型フェノール樹脂の
    製造方法。
  5. 【請求項5】VA族元素がリン、ヒ素、アンチモン又はビ
    スマスである請求項1記載のノボラック型フェノール樹
    脂の製造方法。
  6. 【請求項6】VIA元素が硫黄、セレン又はテルルである
    請求項1記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方
    法。
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JPS5382895A (en) * 1976-12-29 1978-07-21 Matsushita Electric Works Ltd Preparation of phenolic resin
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