JPH07118941A - 紡機用リング - Google Patents
紡機用リングInfo
- Publication number
- JPH07118941A JPH07118941A JP26237093A JP26237093A JPH07118941A JP H07118941 A JPH07118941 A JP H07118941A JP 26237093 A JP26237093 A JP 26237093A JP 26237093 A JP26237093 A JP 26237093A JP H07118941 A JPH07118941 A JP H07118941A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ring
- spinning
- spinning machine
- yarn
- hardness
- Prior art date
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高速精紡や太番手糸の精紡等の過酷な紡出条
件において、耐疲労性に優れ、リングの寿命を延長し、
かつトラベラの馴染み期間を短縮するとともに、糸切
れ、糸毛羽を減少させる。 【構成】 Ｃ：0.６〜1.５％、酸素含有量：３〜６ppm
からなる鋼材より所要のリング形状に形成し、リングフ
ランジ部１の内側面を表面粗さ１μ以下とし、硬度をHv
７００〜８５０とする。
件において、耐疲労性に優れ、リングの寿命を延長し、
かつトラベラの馴染み期間を短縮するとともに、糸切
れ、糸毛羽を減少させる。 【構成】 Ｃ：0.６〜1.５％、酸素含有量：３〜６ppm
からなる鋼材より所要のリング形状に形成し、リングフ
ランジ部１の内側面を表面粗さ１μ以下とし、硬度をHv
７００〜８５０とする。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は高速精紡や太番手糸の精
紡等の過酷な紡出条件において優れた性能を発揮する紡
機用リングに関するものである。
紡等の過酷な紡出条件において優れた性能を発揮する紡
機用リングに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来の紡機用リングは、一般に低炭素鋼
が用いられ、旋削加工により所定のリング形状に形成さ
れた後に、表面硬化処理として浸炭焼入れが行なわれ
て、所定の硬度に仕上げられている。
が用いられ、旋削加工により所定のリング形状に形成さ
れた後に、表面硬化処理として浸炭焼入れが行なわれ
て、所定の硬度に仕上げられている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかし、今日の紡績に
おける苛酷な紡出条件、例えばスピンドル回転数が２0,
０００r.p.m.以上の高速紡出或いは太番手糸の紡出で
は、リングとトラベラ間の摩擦抵抗の増大や、摩擦熱の
急激な上昇により、トラベラが早期に焼き付き易く、リ
ングとトラベラ間の馴染み運転に時間がかかったり、糸
切れや糸毛羽が多くなるという問題点があった。
おける苛酷な紡出条件、例えばスピンドル回転数が２0,
０００r.p.m.以上の高速紡出或いは太番手糸の紡出で
は、リングとトラベラ間の摩擦抵抗の増大や、摩擦熱の
急激な上昇により、トラベラが早期に焼き付き易く、リ
ングとトラベラ間の馴染み運転に時間がかかったり、糸
切れや糸毛羽が多くなるという問題点があった。
【０００４】また、耐摩耗性を向上するために軸受鋼を
用いることも考えられているが、従来の軸受鋼では酸素
含有量が６〜９ppm と多く、酸化物系介在物が多く存在
すると共に、その粒径が大きくなるため、材質疲労に対
して悪影響を及ぼし、特にスピンドル回転数が２0,００
０r.p.m.以上の高速域での紡出において、フランジ部表
面に剥離摩耗が発生し、リングの寿命が短かくなるとい
う問題点があった。
用いることも考えられているが、従来の軸受鋼では酸素
含有量が６〜９ppm と多く、酸化物系介在物が多く存在
すると共に、その粒径が大きくなるため、材質疲労に対
して悪影響を及ぼし、特にスピンドル回転数が２0,００
０r.p.m.以上の高速域での紡出において、フランジ部表
面に剥離摩耗が発生し、リングの寿命が短かくなるとい
う問題点があった。
【０００５】本発明は、上記問題点を除去するためにな
されたものであり、高速精紡や太番手糸の精紡等の過酷
な紡出条件において、耐疲労性に優れ、リングの寿命を
延長し、かつトラベラの馴染み期間を短縮して、糸切
れ、糸毛羽の少ない紡機用リングを提供するものであ
る。
されたものであり、高速精紡や太番手糸の精紡等の過酷
な紡出条件において、耐疲労性に優れ、リングの寿命を
延長し、かつトラベラの馴染み期間を短縮して、糸切
れ、糸毛羽の少ない紡機用リングを提供するものであ
る。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明は、炭素含有量が
0.６〜1.５％で、酸素含有量が３〜６ppm の鋼材より旋
削加工して、所要のリング形状に形成し、少なくともリ
ングフランジ内側面を表面粗さ１μ以下とし、焼入れ、
焼戻し処理を施して少なくともリングフランジ部の硬度
をHv７００〜８５０とした紡機用リングを構成する。
0.６〜1.５％で、酸素含有量が３〜６ppm の鋼材より旋
削加工して、所要のリング形状に形成し、少なくともリ
ングフランジ内側面を表面粗さ１μ以下とし、焼入れ、
焼戻し処理を施して少なくともリングフランジ部の硬度
をHv７００〜８５０とした紡機用リングを構成する。
【０００７】
【作用】本発明の紡機用リングは、鋼中のＣａＯ・ ｎＡ
ｌ2 Ｏ3 を主体とする大型の酸化物系介在物を減少さ
せ、介在物粒径分布のばらつきを小さくしたことによ
り、疲労破壊の基点となる欠陥が減少し、耐疲労性が向
上した。これにより、リングの摩耗が減少し、安定した
紡調を得ることができる。
ｌ2 Ｏ3 を主体とする大型の酸化物系介在物を減少さ
せ、介在物粒径分布のばらつきを小さくしたことによ
り、疲労破壊の基点となる欠陥が減少し、耐疲労性が向
上した。これにより、リングの摩耗が減少し、安定した
紡調を得ることができる。
【０００８】また、素材のＣはマルテンサイトの硬度を
高め、必要な耐摩耗性を得るための元素であるが、炭素
含有量が0.６％未満であると必要な硬度を得にくく、炭
素含有量が1.５％を超えると加工性が悪くなる。
高め、必要な耐摩耗性を得るための元素であるが、炭素
含有量が0.６％未満であると必要な硬度を得にくく、炭
素含有量が1.５％を超えると加工性が悪くなる。
【０００９】さらに、Ｃｒを加えると、焼入れ性が向上
するだけでなく、炭化物形成元素として耐摩耗性を更に
高め、しかもマルテンサイトの靱性を向上させるが、ク
ロム含有量が0.６％未満では耐摩耗性向上の効果が少な
く、クロム含有量が３％を超えると加工性が悪くなり、
生産性が低下すると共に、品質が悪くなる。
するだけでなく、炭化物形成元素として耐摩耗性を更に
高め、しかもマルテンサイトの靱性を向上させるが、ク
ロム含有量が0.６％未満では耐摩耗性向上の効果が少な
く、クロム含有量が３％を超えると加工性が悪くなり、
生産性が低下すると共に、品質が悪くなる。
【００１０】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて
説明する。
説明する。
【００１１】
【実施例】図１に示すように、Ｃ：1.０重量％、Ｃｒ：
1.３重量％、酸素含有量：４〜５ppm の鋼材を用い、旋
削加工により上部にリングフランジ部１を有する所定の
リング形状に形成し、その後、焼入れ、焼戻し処理を施
して少なくともリングフランジ部１の硬度をHv８００と
し、次いで、ブラシ研摩、バフ研摩等の表面処理を施し
て、少なくともリングフランジ部１の表面粗さを１μ以
下に仕上げた紡機用リングを得た。
1.３重量％、酸素含有量：４〜５ppm の鋼材を用い、旋
削加工により上部にリングフランジ部１を有する所定の
リング形状に形成し、その後、焼入れ、焼戻し処理を施
して少なくともリングフランジ部１の硬度をHv８００と
し、次いで、ブラシ研摩、バフ研摩等の表面処理を施し
て、少なくともリングフランジ部１の表面粗さを１μ以
下に仕上げた紡機用リングを得た。
【００１２】なお、上記実施例においてはＣｒを含有し
た鋼材を用いたが、Ｃｒが不純物程度にしか含有されな
い鋼材で、Ｃ：0.８％、酸素含有量：３〜５ppm の鋼材
を用いて、硬度がHv７５０で、表面粗さが１μ以下の紡
機用リングを構成することもできる。
た鋼材を用いたが、Ｃｒが不純物程度にしか含有されな
い鋼材で、Ｃ：0.８％、酸素含有量：３〜５ppm の鋼材
を用いて、硬度がHv７５０で、表面粗さが１μ以下の紡
機用リングを構成することもできる。
【００１３】上記実施例で得られた本発明品Ａの紡機用
リングと、従来例に示される低炭素鋼を用い、浸炭焼入
れが行なわれた従来品Ｂの紡機用リングとの比較紡出テ
ストを行ない、リングの摩耗減量を測定した。
リングと、従来例に示される低炭素鋼を用い、浸炭焼入
れが行なわれた従来品Ｂの紡機用リングとの比較紡出テ
ストを行ない、リングの摩耗減量を測定した。
【００１４】＜紡出条件＞ 紡出糸 ：綿 ２０番手 リング ：3.２Ｆ×φ４５ トラベラ ：ＭＳ／hf No 1（金井重要工業製） スピンドル回転数：１6,０００r.p.m.
【００１５】上記紡出条件によりテストした結果、図２
に示すように本発明品Ａは従来品Ｂに比べ、リングの摩
耗減量が約1/2 と少なく、耐摩耗性において極めて優れ
ている。
に示すように本発明品Ａは従来品Ｂに比べ、リングの摩
耗減量が約1/2 と少なく、耐摩耗性において極めて優れ
ている。
【００１６】
【発明の効果】本発明の紡機用リングは上記のように非
金属介在物である酸化物系介在物が少ないため、非金属
介在物を起点とした剥離摩耗が発生せず、寿命が大幅に
向上した。
金属介在物である酸化物系介在物が少ないため、非金属
介在物を起点とした剥離摩耗が発生せず、寿命が大幅に
向上した。
【００１７】また、スピンドル回転数が２0,０００r.p.
m.以上の高速運転域においても、なじみ層が安定し、耐
疲労性も向上するので、良好な紡出状態が長時間持続で
きる等優れた効果を有する発明である。
m.以上の高速運転域においても、なじみ層が安定し、耐
疲労性も向上するので、良好な紡出状態が長時間持続で
きる等優れた効果を有する発明である。
【図１】本発明の紡機用リングの一実施例を示す要部破
断断面図である。
断断面図である。
【図２】本発明の紡機用リングと従来の紡機用リングの
使用時間に対する摩耗減量を示す曲線図である。
使用時間に対する摩耗減量を示す曲線図である。
１ リングフランジ部 ２ 紡機用リング
Claims (2)
- 【請求項１】 炭素含有量0.６〜1.５％、酸素含有量３
〜６ppm からなる鋼材より所要のリング形状に形成し、
少なくともリングフランジ内側面を表面粗さ１μ以下と
し、焼入れ、焼戻しにより少なくともリングフランジ部
の硬さをHv７００〜８５０にしたことを特徴とする紡機
用リング。 - 【請求項２】 クロム含有量が0.６〜３％であることを
特徴とする請求項１記載の紡機用リング。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26237093A JPH07118941A (ja) | 1993-10-20 | 1993-10-20 | 紡機用リング |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26237093A JPH07118941A (ja) | 1993-10-20 | 1993-10-20 | 紡機用リング |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07118941A true JPH07118941A (ja) | 1995-05-09 |
Family
ID=17374809
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26237093A Pending JPH07118941A (ja) | 1993-10-20 | 1993-10-20 | 紡機用リング |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07118941A (ja) |
-
1993
- 1993-10-20 JP JP26237093A patent/JPH07118941A/ja active Pending
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