JP2728137B2 - 高炭素クロム系軸受鋼 - Google Patents
高炭素クロム系軸受鋼Info
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この発明は、転がり疲労寿命に著しく優れた軸受の素
材として利用される高炭素クロム系軸受鋼に関する。
材として利用される高炭素クロム系軸受鋼に関する。
<従来の技術> 転がり軸受の転がり疲労寿命は一般に、転動部材から
転がり接触を受ける軌道面のはくりで終るが、このはく
りの形態は、使用中に表面に生じた疵等を起点とする表
面起点はくりと上記軌道面の表面下最大せん断応力位置
付近に存在する非金属介在物を起点とするあるいは組織
変化に起因する内部起点はくりの2種類がある。転がり
疲労寿命(以下単に寿命という)を長くするためには、
上記表面起点はくりに対しては、硬さは硬して表面に疵
が付きにくくし、内部起点はくりに対しては、非金属介
在物の含有量の低減をはかると共に、マトリックス(母
相)の強化をはかって組織変化を防いで、き裂発生源を
少くすることが有効である。また、不可避不純物である
PおよびSにおいて、S+P含有量を0.010重量%以下
とした例(特開昭61−272349号公報)、あるいはSi含有
量0.15〜1.6重量%添加により寿命向上を図った例(特
開昭60−194047号公報)もある。
転がり接触を受ける軌道面のはくりで終るが、このはく
りの形態は、使用中に表面に生じた疵等を起点とする表
面起点はくりと上記軌道面の表面下最大せん断応力位置
付近に存在する非金属介在物を起点とするあるいは組織
変化に起因する内部起点はくりの2種類がある。転がり
疲労寿命(以下単に寿命という)を長くするためには、
上記表面起点はくりに対しては、硬さは硬して表面に疵
が付きにくくし、内部起点はくりに対しては、非金属介
在物の含有量の低減をはかると共に、マトリックス(母
相)の強化をはかって組織変化を防いで、き裂発生源を
少くすることが有効である。また、不可避不純物である
PおよびSにおいて、S+P含有量を0.010重量%以下
とした例(特開昭61−272349号公報)、あるいはSi含有
量0.15〜1.6重量%添加により寿命向上を図った例(特
開昭60−194047号公報)もある。
従来、上記の点に着目した転がり軸受に使用される高
炭素クロム系軸受鋼としては、JIS G 4805に規定された
高炭素クロム軸受鋼(SUJ1〜5)が知られている。なか
でもSUJ2が一般的である。このSUJ2は、1%C,1.5%Cr
を特徴とする材料で、焼入焼戻し熱処理により組織をマ
ルテンサイト化し、通常、約10%の残留オーステナイト
と約7%の未溶解炭化物を含む状態で使用される。また
一部には硬質コーティングを施す場合もある。
炭素クロム系軸受鋼としては、JIS G 4805に規定された
高炭素クロム軸受鋼(SUJ1〜5)が知られている。なか
でもSUJ2が一般的である。このSUJ2は、1%C,1.5%Cr
を特徴とする材料で、焼入焼戻し熱処理により組織をマ
ルテンサイト化し、通常、約10%の残留オーステナイト
と約7%の未溶解炭化物を含む状態で使用される。また
一部には硬質コーティングを施す場合もある。
<発明が解決しようとする課題> しかしながら、上記SUJ2を用いる限りは、上記表面起
点のはくりに関係する硬さには限界があり、それ以上硬
くすることができないという問題がある。また、表面に
硬質コーティング等を施す場合はコーティング層と母相
との界面強度が弱いという問題がある。また、上記内部
起点はくりに関係する非金属介在物の含有量の低減も、
現在の製鋼法のもとではほぼ限界に近づきつつあり、こ
れ以上の大幅な非金属介在物の含有量の低減が望めない
という問題もある。
点のはくりに関係する硬さには限界があり、それ以上硬
くすることができないという問題がある。また、表面に
硬質コーティング等を施す場合はコーティング層と母相
との界面強度が弱いという問題がある。また、上記内部
起点はくりに関係する非金属介在物の含有量の低減も、
現在の製鋼法のもとではほぼ限界に近づきつつあり、こ
れ以上の大幅な非金属介在物の含有量の低減が望めない
という問題もある。
そこで、この発明の目的は、起点より微小き裂が発生
進展してはくりに至るプロセスに着目し、材料面よりマ
トリックス(母相)の強靭化をはかることにより、上記
微小き裂の発生・進展を抑制することができ、したがっ
て、寿命を長寿命化できる高炭素クロム系軸受鋼を提供
することにある。
進展してはくりに至るプロセスに着目し、材料面よりマ
トリックス(母相)の強靭化をはかることにより、上記
微小き裂の発生・進展を抑制することができ、したがっ
て、寿命を長寿命化できる高炭素クロム系軸受鋼を提供
することにある。
<課題を解決するための手段> 上記目的を達成するため、この発明は、炭素含有量が
0.8〜1.2重量%、Cr含有量が1.0〜2.0重量%、Mn含有量
が0.2〜1.0重量%である高炭素クロム系軸受鋼におい
て、 Ni含有量が1.0重量%を越え、2.0重量%以下,Si含有
量が1.0重量%を越え、2.0重量%以下,S+P含有量が0.
015〜0.040重量%であることを特徴としている。
0.8〜1.2重量%、Cr含有量が1.0〜2.0重量%、Mn含有量
が0.2〜1.0重量%である高炭素クロム系軸受鋼におい
て、 Ni含有量が1.0重量%を越え、2.0重量%以下,Si含有
量が1.0重量%を越え、2.0重量%以下,S+P含有量が0.
015〜0.040重量%であることを特徴としている。
この発明の高炭素クロム系軸受鋼において、Niの含有
量を1.0重量%よりも大で2.0重量%以下(以下単に%と
言う)に限定した理由は以下の通りである。すなわち、
前述のように、転がり接触下での転がり軸受の寿命は、
通常は、高面圧下でのせん断圧力繰り返しによるき裂発
生とその発生したき裂の進展により生ずる軌道面のはく
りが生じると尽きる。したがって、寿命向上には、上記
き裂発生とそれに続くき裂の進展を抑制する必要があ
る。このため、高炭素クロム系軸受鋼のマトリックスの
靭性を向上させることは、それを用いた転がり軸受の寿
命向上にとって非常に有効な手段である。上記Niは、こ
のマトリックスの靭性向上に対して有効な元素である。
上記マトリックスの靭性の向上を評価するものとして、
破壊靭性値と繰り返し圧縮試験におえるき裂発生サイク
ル数とを選び、これにより以下の説明をする。Niの含有
量は1.0%よりも大とした理由は、Ni含有量1.0%以下で
は、マトリックスの靭性を向上つまり、破壊靭性値およ
びき裂発生サイクル数の値の向上に大きな効果が認めら
れないからである。また、Ni含有量を2.0%以下とした
理由は、Ni含有量を2.0%以上にしても、き裂発生サイ
クルおよび破壊靭性値は共に向上するが、残留オーステ
ナイト量が増大し、これにより、前述のように寿命の低
下につながる硬さの低下が認められるからである。すな
わち、Ni含有量が2.0%を超えると、残留オーステナイ
ト量の増大による硬さの低下が問題となるほど大きくな
り、それにつれて、寿命も短かくなってしまうからであ
る。
量を1.0重量%よりも大で2.0重量%以下(以下単に%と
言う)に限定した理由は以下の通りである。すなわち、
前述のように、転がり接触下での転がり軸受の寿命は、
通常は、高面圧下でのせん断圧力繰り返しによるき裂発
生とその発生したき裂の進展により生ずる軌道面のはく
りが生じると尽きる。したがって、寿命向上には、上記
き裂発生とそれに続くき裂の進展を抑制する必要があ
る。このため、高炭素クロム系軸受鋼のマトリックスの
靭性を向上させることは、それを用いた転がり軸受の寿
命向上にとって非常に有効な手段である。上記Niは、こ
のマトリックスの靭性向上に対して有効な元素である。
上記マトリックスの靭性の向上を評価するものとして、
破壊靭性値と繰り返し圧縮試験におえるき裂発生サイク
ル数とを選び、これにより以下の説明をする。Niの含有
量は1.0%よりも大とした理由は、Ni含有量1.0%以下で
は、マトリックスの靭性を向上つまり、破壊靭性値およ
びき裂発生サイクル数の値の向上に大きな効果が認めら
れないからである。また、Ni含有量を2.0%以下とした
理由は、Ni含有量を2.0%以上にしても、き裂発生サイ
クルおよび破壊靭性値は共に向上するが、残留オーステ
ナイト量が増大し、これにより、前述のように寿命の低
下につながる硬さの低下が認められるからである。すな
わち、Ni含有量が2.0%を超えると、残留オーステナイ
ト量の増大による硬さの低下が問題となるほど大きくな
り、それにつれて、寿命も短かくなってしまうからであ
る。
Siを1.0%よりも大で2.0%以下に限定した理由は、以
下の通りである。すなわち、Siはマトリックス強化元素
であり、かつ焼戻し軟化抵抗性を増大させる元素である
ため、寿命向上には有効な元素である。このために必要
なSi量は最低1.0%程度であり、一方では、2.0%を超え
ると球上化焼なましや焼入時の加熱による脱炭が著しく
なり、寿命向上の利点を失う。また、冷間加工性も悪く
なる。よって、下限を1.0%とし上限を2.0%とする。
下の通りである。すなわち、Siはマトリックス強化元素
であり、かつ焼戻し軟化抵抗性を増大させる元素である
ため、寿命向上には有効な元素である。このために必要
なSi量は最低1.0%程度であり、一方では、2.0%を超え
ると球上化焼なましや焼入時の加熱による脱炭が著しく
なり、寿命向上の利点を失う。また、冷間加工性も悪く
なる。よって、下限を1.0%とし上限を2.0%とする。
S+Pを0.015〜0.040%に限定した理由は、以下の通
りである。すなわち、一般に、マトリックスの靭性が向
上した場合被削性の低下という不利な一面がでてくる。
通常、S+Pは鋼中の不可避不純物であり、寿命向上に
とっては、極力少なくする必要があるとされているが、
本発明者らは、マトリックスの靭性の向上にともなう上
述の被削性の低下を補う目的で、S+P含有量と被削性
との関係を検討した。その結果、S+P含有量が0.015
%以下になると、通常の軸受鋼に比べて、被削性が低下
してしまい、また、S+Pが0.040%以上では、S+P
の粒界への偏析等に起因して寿命が著しく低下すること
が分かった。したがって、S+Pを0.015%〜0.040%に
限定したのである。
りである。すなわち、一般に、マトリックスの靭性が向
上した場合被削性の低下という不利な一面がでてくる。
通常、S+Pは鋼中の不可避不純物であり、寿命向上に
とっては、極力少なくする必要があるとされているが、
本発明者らは、マトリックスの靭性の向上にともなう上
述の被削性の低下を補う目的で、S+P含有量と被削性
との関係を検討した。その結果、S+P含有量が0.015
%以下になると、通常の軸受鋼に比べて、被削性が低下
してしまい、また、S+Pが0.040%以上では、S+P
の粒界への偏析等に起因して寿命が著しく低下すること
が分かった。したがって、S+Pを0.015%〜0.040%に
限定したのである。
<実施例> 以下、この発明を図示の実施例により詳細に説明す
る。
る。
第1表において、最上段の標準高炭素クロム軸受鋼
(SUJ2)、サンプル1,サンプル2は夫々比較例,サンプ
ル3,サンプル4およびサンプル5は夫々この発明の各実
施例を示す。熱処理条件は全て高温保持835℃,40分、油
焼入れ、焼戻し180℃,2時間、空冷で、同一である。こ
の第1表により、本実施例は標準高炭素クロム軸受鋼,
比較例に比べてき裂発生サイクル数,破壊靭性値がとも
に優れ、また、硬度は標準高炭素クロム軸受鋼と同等で
あることが分かる。
(SUJ2)、サンプル1,サンプル2は夫々比較例,サンプ
ル3,サンプル4およびサンプル5は夫々この発明の各実
施例を示す。熱処理条件は全て高温保持835℃,40分、油
焼入れ、焼戻し180℃,2時間、空冷で、同一である。こ
の第1表により、本実施例は標準高炭素クロム軸受鋼,
比較例に比べてき裂発生サイクル数,破壊靭性値がとも
に優れ、また、硬度は標準高炭素クロム軸受鋼と同等で
あることが分かる。
第1表における本実施例を示すサンプル3,サンプル4
およびサンプル5は、C含有量が0.8〜1.2%,Si含有量
が1.0〜2.0%、Cr含有量1.0〜2.0%、Mn含有量が0.2〜
1.0%,Ni含有量が1.0〜2.0%およびS+P含有量が0.01
5〜0.040%で、残りFeの高炭素クロム軸受鋼である。
およびサンプル5は、C含有量が0.8〜1.2%,Si含有量
が1.0〜2.0%、Cr含有量1.0〜2.0%、Mn含有量が0.2〜
1.0%,Ni含有量が1.0〜2.0%およびS+P含有量が0.01
5〜0.040%で、残りFeの高炭素クロム軸受鋼である。
転がり軸受用鋼において、高い接触面圧により塑性変
形を抑えるために、通常必要な硬さはHRC58〜64程度と
いわれており、マトリックス中のC%は0.5〜0.6%,未
溶解炭化物量は6〜8%が寿命の点で最適とされる。こ
れらのため、本実施例では0.8〜1.2%のC含有量で、こ
のC含有量は表1の標準高炭素クロム軸受鋼と同等であ
る。C含有量の下限を0.8%、また上限を1.2%としたの
は、C含有量が0.8%未満になると、炭化物の球状化か
いくぶん困難となり、また1.2%をこえると上述のCr量
の範囲では巨大炭化物が生成しやすくなり寿命の点で好
ましくないからである。この点では、標準鋼,比較例と
も同じである。
形を抑えるために、通常必要な硬さはHRC58〜64程度と
いわれており、マトリックス中のC%は0.5〜0.6%,未
溶解炭化物量は6〜8%が寿命の点で最適とされる。こ
れらのため、本実施例では0.8〜1.2%のC含有量で、こ
のC含有量は表1の標準高炭素クロム軸受鋼と同等であ
る。C含有量の下限を0.8%、また上限を1.2%としたの
は、C含有量が0.8%未満になると、炭化物の球状化か
いくぶん困難となり、また1.2%をこえると上述のCr量
の範囲では巨大炭化物が生成しやすくなり寿命の点で好
ましくないからである。この点では、標準鋼,比較例と
も同じである。
Siの含有量について検討する。転がり接触面下、最大
せん断応力が作用する深さの領域においては、繰り返し
せん断応力に基づく発熱作用のため、マトリックスの硬
さの低下およびこれによる塑性変形抵抗の低下、つまり
焼戻し軟化抵抗の低下を招く、ここで言及するSiは、マ
トリックス強化元素であり、また焼戻し軟化抵抗性を増
大させる元素であるため、寿命向上には有効な元素であ
る。このために必要なSi量は最低1.0%程度であり、Si
量が増すほど寿命は向上するが、一方では2.0%を超え
ると球状化焼なましや焼入時の加熱による脱炭が著しく
なり寿命向上の利点を失う。また、冷間加工性も悪くな
る。よって下限を1.0%とし上限を2.0%とする。
せん断応力が作用する深さの領域においては、繰り返し
せん断応力に基づく発熱作用のため、マトリックスの硬
さの低下およびこれによる塑性変形抵抗の低下、つまり
焼戻し軟化抵抗の低下を招く、ここで言及するSiは、マ
トリックス強化元素であり、また焼戻し軟化抵抗性を増
大させる元素であるため、寿命向上には有効な元素であ
る。このために必要なSi量は最低1.0%程度であり、Si
量が増すほど寿命は向上するが、一方では2.0%を超え
ると球状化焼なましや焼入時の加熱による脱炭が著しく
なり寿命向上の利点を失う。また、冷間加工性も悪くな
る。よって下限を1.0%とし上限を2.0%とする。
Crは炭化物形成元素であり、また焼入向上元素でもあ
り、前述のSi後述のMnと共に焼入性を調整して軸受とし
て必要な硬さを保持すると共に、鋼中の炭化物の微細球
状化のため有効である。このためには、Crは少なくとも
1.0%を必要とする。よって、Crの下限を1.0%とする。
一方、Crが2.0%をこえると巨大炭化物が生じ寿命をか
えって低下させる可能性があるので、Crの上限を2.0%
とする。
り、前述のSi後述のMnと共に焼入性を調整して軸受とし
て必要な硬さを保持すると共に、鋼中の炭化物の微細球
状化のため有効である。このためには、Crは少なくとも
1.0%を必要とする。よって、Crの下限を1.0%とする。
一方、Crが2.0%をこえると巨大炭化物が生じ寿命をか
えって低下させる可能性があるので、Crの上限を2.0%
とする。
Mn含有量は0.2〜1.0%とした理由は以下に述べると、
下限を0.2%以上としたのは、現状のSUJ2並の焼入性お
よび残留オーステナイトを得るためであり、一方、上限
を1.0%としたのは、Mnを多く添加すると残留オーステ
ナイト量が増加し被削性を著しく阻害するためである。
下限を0.2%以上としたのは、現状のSUJ2並の焼入性お
よび残留オーステナイトを得るためであり、一方、上限
を1.0%としたのは、Mnを多く添加すると残留オーステ
ナイト量が増加し被削性を著しく阻害するためである。
Ni含有量について検討する。前述のように、き裂の発
生および進展を抑制するための靭性向上は、寿命の長寿
命化にとって非常に有効な手段であり、ここで言及する
Niは、このマトリックスの靭性向上に対して有効な元素
である。第1表において、本発明材であるサンプル3,4,
5は夫々Ni含有量が1.03%,1.47%,1.95%である。この
サンプル3,4,5の破壊靭性値およびき裂発生サイクル
数、つまり、繰り返し圧縮試験におけるき裂発生開始の
サイクル数は、標準高炭素クロム軸受鋼の夫々の値を1
として比の値で示すと、破壊靭性値が夫々1.3,1.3,1.
3、また、き裂発生サイクル数が夫々1.5,1.5,1.5と上記
サンプル3,4,5のすべてのサンプルで、Niを全く含有し
ていない上記標準高炭素クロム軸受鋼の値に比べて、破
壊靭性値が30%、または裂発生サイクル数が50%と明ら
かに向上している。このことは後述のように寿命にも好
結果をもたらす。一方、Ni含有量が本発明のNi含有量1.
0〜2.0%の下限1%よりも少ない0.51%であるサンプル
1の破壊靭性値は1.1、また、き裂発生サイクル数は1.1
と、上記サンプル3,4,5の夫々の値に比べて低く、Niを
1.0%以下の量添加しても、Ni添加によるマトリックス
の靭性の向上に大きな効果が認められない。それゆえ、
Ni含有量の下限を1.0%とする。また、Ni含有量が本発
明のNi含有量の上限の2.0%よりも多い2.41%のサンプ
ル2の破壊靭性値および裂発生サイクル数は夫々1.2お
よび1.3と、上記標準高炭素クロム鋼の1つ比して改善
されてはいるが、残留オーステナイト量もNi含有量の増
加につれて増加してしまい、その結果として、マトリッ
クス靭性の向上と共に寿命に直接影響する要素である硬
さ(HRC)が57と、標準高炭素クロム鋼の硬さ(HRC)62
あるいは本発明のサンプル3,4,5の硬さ(HRC)62,62,61
に比して著しく低下してしまう。このように、Ni含有量
が2.0%を超えると、寿命の長寿化に貢献する破壊靭性
値および繰り返しサイクル数はある程度向上するもの
の、その一方で同じく寿命の長寿命化に貢献する硬さ
(HRC)が低下してしまい、全体として寿命が短くなっ
てしまう。したがってNi含有量を1.0〜2.0%とした。
生および進展を抑制するための靭性向上は、寿命の長寿
命化にとって非常に有効な手段であり、ここで言及する
Niは、このマトリックスの靭性向上に対して有効な元素
である。第1表において、本発明材であるサンプル3,4,
5は夫々Ni含有量が1.03%,1.47%,1.95%である。この
サンプル3,4,5の破壊靭性値およびき裂発生サイクル
数、つまり、繰り返し圧縮試験におけるき裂発生開始の
サイクル数は、標準高炭素クロム軸受鋼の夫々の値を1
として比の値で示すと、破壊靭性値が夫々1.3,1.3,1.
3、また、き裂発生サイクル数が夫々1.5,1.5,1.5と上記
サンプル3,4,5のすべてのサンプルで、Niを全く含有し
ていない上記標準高炭素クロム軸受鋼の値に比べて、破
壊靭性値が30%、または裂発生サイクル数が50%と明ら
かに向上している。このことは後述のように寿命にも好
結果をもたらす。一方、Ni含有量が本発明のNi含有量1.
0〜2.0%の下限1%よりも少ない0.51%であるサンプル
1の破壊靭性値は1.1、また、き裂発生サイクル数は1.1
と、上記サンプル3,4,5の夫々の値に比べて低く、Niを
1.0%以下の量添加しても、Ni添加によるマトリックス
の靭性の向上に大きな効果が認められない。それゆえ、
Ni含有量の下限を1.0%とする。また、Ni含有量が本発
明のNi含有量の上限の2.0%よりも多い2.41%のサンプ
ル2の破壊靭性値および裂発生サイクル数は夫々1.2お
よび1.3と、上記標準高炭素クロム鋼の1つ比して改善
されてはいるが、残留オーステナイト量もNi含有量の増
加につれて増加してしまい、その結果として、マトリッ
クス靭性の向上と共に寿命に直接影響する要素である硬
さ(HRC)が57と、標準高炭素クロム鋼の硬さ(HRC)62
あるいは本発明のサンプル3,4,5の硬さ(HRC)62,62,61
に比して著しく低下してしまう。このように、Ni含有量
が2.0%を超えると、寿命の長寿化に貢献する破壊靭性
値および繰り返しサイクル数はある程度向上するもの
の、その一方で同じく寿命の長寿命化に貢献する硬さ
(HRC)が低下してしまい、全体として寿命が短くなっ
てしまう。したがってNi含有量を1.0〜2.0%とした。
次に、S+P含有量について検討する。前述のよう
に、一般に、マトリックスの靭性が向上すると、寿命の
長寿命化には大きく効果が表われるが、被削性の低下と
いう不利な一面がでてくる。通常、S+Pは鋼中の不可
避不純物であり、寿命向上にとっては、極力少なくする
必要があるとされているが、本発明者らは、上記被削性
の低下を補う目的で、S+P含有量と被削性との関係を
検討した。試料を、同一切削条件の下で、同一条件の工
具でもって切削を行い、その工具寿命長さでもってその
試料の被削性を評価した結果、S+P含有量が0.015%
以下では、被削性が通常の軸受鋼(標準高炭素クロム軸
受鋼)に比べて10%も低下した。このことは軸受の生産
性に大きく影響し、生産性を低下させてしまう。一方、
S+P含有量が0.040%以上では、炭化物の粗大化やS
+Pの粒界への偏析等に起因して寿命が著しく短かくな
ることを確認している。したがってP+S含有量を0.01
5〜0.040%とした。
に、一般に、マトリックスの靭性が向上すると、寿命の
長寿命化には大きく効果が表われるが、被削性の低下と
いう不利な一面がでてくる。通常、S+Pは鋼中の不可
避不純物であり、寿命向上にとっては、極力少なくする
必要があるとされているが、本発明者らは、上記被削性
の低下を補う目的で、S+P含有量と被削性との関係を
検討した。試料を、同一切削条件の下で、同一条件の工
具でもって切削を行い、その工具寿命長さでもってその
試料の被削性を評価した結果、S+P含有量が0.015%
以下では、被削性が通常の軸受鋼(標準高炭素クロム軸
受鋼)に比べて10%も低下した。このことは軸受の生産
性に大きく影響し、生産性を低下させてしまう。一方、
S+P含有量が0.040%以上では、炭化物の粗大化やS
+Pの粒界への偏析等に起因して寿命が著しく短かくな
ることを確認している。したがってP+S含有量を0.01
5〜0.040%とした。
第3図は、発明鋼であるサンプル3と標準高炭素クロ
ム軸受鋼(図中現用鋼)における焼戻し温度℃と硬さHR
Cの関係を示した図であり、上述の熱処理条件において
焼戻し温度をパラメータとして変化させた結果である。
第3図より明らかなように、発明鋼は現用鋼に比べて耐
焼戻し性に優れ、特に、250℃以上の焼戻し温度の範囲
において、現用鋼に比べて硬度HRCの低下が少ない、つ
まり、高い耐焼戻し性を有する。なお、試料は直径が20
mm、長さが10mmのものを用いた。
ム軸受鋼(図中現用鋼)における焼戻し温度℃と硬さHR
Cの関係を示した図であり、上述の熱処理条件において
焼戻し温度をパラメータとして変化させた結果である。
第3図より明らかなように、発明鋼は現用鋼に比べて耐
焼戻し性に優れ、特に、250℃以上の焼戻し温度の範囲
において、現用鋼に比べて硬度HRCの低下が少ない、つ
まり、高い耐焼戻し性を有する。なお、試料は直径が20
mm、長さが10mmのものを用いた。
第4図は、上記サンプル3と現用鋼SUJ2に回転曲げ疲
労試験を行った結果を示した図であり、縦軸は繰り返し
応力(kgf/mm2)、横軸は破断に至った応力の繰り返し
数(サイクル)である。試料の形状,寸法は図中記載の
とおりである。第4図より明らかなように、サンプル3
は現用鋼SUJ2に比べて、同一繰り返し応力下での破断に
至るまでの繰り返し数が著しく多くなった。つまり、サ
ンプル3においては、現用鋼SUJ2に比べてはるかに高い
回転曲げ疲労強度が得られた。そして、図示はしない
が、107サイクルにおける疲労限がサンプル3は105kgf/
mm2と、現用鋼の93kgf/mm2に比べて10%以上も高まるこ
とを確認した。これらは、次に述べる転がり疲労寿命の
長寿命化にも大きく貢献する。
労試験を行った結果を示した図であり、縦軸は繰り返し
応力(kgf/mm2)、横軸は破断に至った応力の繰り返し
数(サイクル)である。試料の形状,寸法は図中記載の
とおりである。第4図より明らかなように、サンプル3
は現用鋼SUJ2に比べて、同一繰り返し応力下での破断に
至るまでの繰り返し数が著しく多くなった。つまり、サ
ンプル3においては、現用鋼SUJ2に比べてはるかに高い
回転曲げ疲労強度が得られた。そして、図示はしない
が、107サイクルにおける疲労限がサンプル3は105kgf/
mm2と、現用鋼の93kgf/mm2に比べて10%以上も高まるこ
とを確認した。これらは、次に述べる転がり疲労寿命の
長寿命化にも大きく貢献する。
第1図は、第1表のサンプル3の高炭素クロム軸受鋼
および標準高炭素クロム軸受鋼で作った所定の数の直径
が20mm,長さが20mmの円筒コロの試験片を用いて転がり
疲労寿命試験を行った結果をワイブル確率紙上にプロッ
トした図である。試験条件は、最大接触面圧Pmaxが440k
gf/mm2,応力繰り返し数が3×104cpmである。横軸は応
力繰り返しサイクル数、縦軸は累積破損確率である。こ
の第1図から明らかなように、本発明品であるNi含有量
が1.03%のサンプル3の高炭素クロム軸受鋼(図中発明
鋼)の試料の寿命は、Niの添加されていない標準高炭素
クロム軸受鋼(図中現用鋼)の試料の寿命に比べて、B
10寿命(サイクル)で12.9倍、B50寿命(サイクル)で1
2.6倍と飛躍的に長寿命化している。
および標準高炭素クロム軸受鋼で作った所定の数の直径
が20mm,長さが20mmの円筒コロの試験片を用いて転がり
疲労寿命試験を行った結果をワイブル確率紙上にプロッ
トした図である。試験条件は、最大接触面圧Pmaxが440k
gf/mm2,応力繰り返し数が3×104cpmである。横軸は応
力繰り返しサイクル数、縦軸は累積破損確率である。こ
の第1図から明らかなように、本発明品であるNi含有量
が1.03%のサンプル3の高炭素クロム軸受鋼(図中発明
鋼)の試料の寿命は、Niの添加されていない標準高炭素
クロム軸受鋼(図中現用鋼)の試料の寿命に比べて、B
10寿命(サイクル)で12.9倍、B50寿命(サイクル)で1
2.6倍と飛躍的に長寿命化している。
第5図は、上記転がり疲労寿命試験において、応力繰
り返し数が9.5×107サイクルではくりした現用鋼の転動
面下最大せん断応力深さ付近に認められた組織変化を概
略的に示したものであり、図示の如く、線状の組織変化
が表れている。この組織変化した部分が起点となって、
この現用鋼ははくりに至った。本発明鋼であるサンプル
3においては、上記現用鋼にはくりが生じ9.5×107サイ
クルよりもはるかに多い1.0×109サイクルもの応力繰り
返し数を与えた後においても、第5図に示すような組織
変化に認められず、もちろん、何等はくり等は生じなか
った。
り返し数が9.5×107サイクルではくりした現用鋼の転動
面下最大せん断応力深さ付近に認められた組織変化を概
略的に示したものであり、図示の如く、線状の組織変化
が表れている。この組織変化した部分が起点となって、
この現用鋼ははくりに至った。本発明鋼であるサンプル
3においては、上記現用鋼にはくりが生じ9.5×107サイ
クルよりもはるかに多い1.0×109サイクルもの応力繰り
返し数を与えた後においても、第5図に示すような組織
変化に認められず、もちろん、何等はくり等は生じなか
った。
第2図は、上記サンプル3の被削性を調べた結果の図
である。上記サンプル3は、Niを1.03%加えて、マトリ
ックスの靭性を標準高炭素クロム鋼(SUJ2)に比べては
るかに高めて飛躍的な長寿命化を実現したものである。
しかし、前述のように、被削性の面では不利な面が生じ
るので、S+P含有量は、前述の理由により、上記標準
高炭素クロム鋼(SUJ12)の0.014%よりも高めて0.018
%として、従来のSUJ2並みの被削性を確保している。試
験条件は、工具超硬合金P20(JIS B4104),送り0.3mm
/reu,切込量1.0mm,切削速度150〜250m/min,切削油無
し、工具寿命基準VB(前逃げ面平均摩耗幅)0.3mmであ
る。第2図の横軸は工具寿命(min)を、縦軸は切削速
度(m/min)を示している。この図から明らかなよう
に、S+P含有量が0.018%に高められたサンプル3
(図中発明鋼)を切削した工具の寿命は、実験を行なっ
た切削速度範囲のすべてに渡って標準高炭素クロム軸受
鋼(図中現用鋼)を切削した工具の寿命とほとんど差は
ない。つまりサンプル3の被削性は、上記標準高炭素ク
ロム軸受鋼と同等である。
である。上記サンプル3は、Niを1.03%加えて、マトリ
ックスの靭性を標準高炭素クロム鋼(SUJ2)に比べては
るかに高めて飛躍的な長寿命化を実現したものである。
しかし、前述のように、被削性の面では不利な面が生じ
るので、S+P含有量は、前述の理由により、上記標準
高炭素クロム鋼(SUJ12)の0.014%よりも高めて0.018
%として、従来のSUJ2並みの被削性を確保している。試
験条件は、工具超硬合金P20(JIS B4104),送り0.3mm
/reu,切込量1.0mm,切削速度150〜250m/min,切削油無
し、工具寿命基準VB(前逃げ面平均摩耗幅)0.3mmであ
る。第2図の横軸は工具寿命(min)を、縦軸は切削速
度(m/min)を示している。この図から明らかなよう
に、S+P含有量が0.018%に高められたサンプル3
(図中発明鋼)を切削した工具の寿命は、実験を行なっ
た切削速度範囲のすべてに渡って標準高炭素クロム軸受
鋼(図中現用鋼)を切削した工具の寿命とほとんど差は
ない。つまりサンプル3の被削性は、上記標準高炭素ク
ロム軸受鋼と同等である。
<発明の効果> 以上より明らかなように、この発明の高炭素クロム系
軸受鋼は、0.8〜1.2重量%のC、1.02〜2.0重量%のC
r、0.2〜1.0重量%のMn、1.0重量%よりも大で2.0重量
%以下のNi、1.0重量%よりも大で2.0重量%以下のSiお
よび0.015〜0.040%のS+Pを含有しているので、マト
リックス靭性を向上させて、き裂の発生,進展を抑え
て、転がり疲労寿命を従来に比べ10倍以上に、また曲げ
疲労寿命を10倍以上に飛躍的に長くすることができると
共に、従来、転がり疲労寿命の長寿命化にとってその存
在がデメリットと言われており、その低減のために特別
な技術・コストを必要としてきたS+P元素を、逆に積
極的に利用して、被削性を、従来の高炭素クロム軸受鋼
SUJ2と同等にすることができる。つまり、SUJ2の焼入焼
戻し硬化処理に大きな変更を加えずに熱処理を行って、
切削性を低下させることなく転がり疲労寿命を長寿命化
することができ、かつ回転曲げ疲労眼を向上させること
ができる。さらに、従来の高炭素クロム軸受鋼SUJ2と同
等あるいはそれ以上の硬度を確保しつつ、耐焼戻し性を
従来に比べて向上させることができ、特に、焼戻し温度
が250℃以上の範囲において優れた耐焼戻し得ることが
できる。
軸受鋼は、0.8〜1.2重量%のC、1.02〜2.0重量%のC
r、0.2〜1.0重量%のMn、1.0重量%よりも大で2.0重量
%以下のNi、1.0重量%よりも大で2.0重量%以下のSiお
よび0.015〜0.040%のS+Pを含有しているので、マト
リックス靭性を向上させて、き裂の発生,進展を抑え
て、転がり疲労寿命を従来に比べ10倍以上に、また曲げ
疲労寿命を10倍以上に飛躍的に長くすることができると
共に、従来、転がり疲労寿命の長寿命化にとってその存
在がデメリットと言われており、その低減のために特別
な技術・コストを必要としてきたS+P元素を、逆に積
極的に利用して、被削性を、従来の高炭素クロム軸受鋼
SUJ2と同等にすることができる。つまり、SUJ2の焼入焼
戻し硬化処理に大きな変更を加えずに熱処理を行って、
切削性を低下させることなく転がり疲労寿命を長寿命化
することができ、かつ回転曲げ疲労眼を向上させること
ができる。さらに、従来の高炭素クロム軸受鋼SUJ2と同
等あるいはそれ以上の硬度を確保しつつ、耐焼戻し性を
従来に比べて向上させることができ、特に、焼戻し温度
が250℃以上の範囲において優れた耐焼戻し得ることが
できる。
第1図はこの発明の高炭素クロム系軸受鋼の実施例およ
びその比較材の各成分の含有量および諸測定値を示す第
1表のサンプル3の転がり疲労試験結果を従来品の結果
と共に、ワイブル確率紙にプロットした図、第2図は第
1表のサンプル3の被削性を調べた結果を、従来品の結
果と共に示した図、第3図はこの発明の高炭素クロム系
軸受鋼の実施例と現用鋼の焼戻し温度(℃)と硬さ(HR
C)との関係を示した図、第4図はこの発明の高炭素ク
ロム系軸受鋼の実施例と現用鋼の回転曲げ疲労試験結果
を示した図、第5図は転がり疲労寿命に至った従来品の
転動面下最大せん断応力深さ付近に生じた組織変化の概
略の説明図である。
びその比較材の各成分の含有量および諸測定値を示す第
1表のサンプル3の転がり疲労試験結果を従来品の結果
と共に、ワイブル確率紙にプロットした図、第2図は第
1表のサンプル3の被削性を調べた結果を、従来品の結
果と共に示した図、第3図はこの発明の高炭素クロム系
軸受鋼の実施例と現用鋼の焼戻し温度(℃)と硬さ(HR
C)との関係を示した図、第4図はこの発明の高炭素ク
ロム系軸受鋼の実施例と現用鋼の回転曲げ疲労試験結果
を示した図、第5図は転がり疲労寿命に至った従来品の
転動面下最大せん断応力深さ付近に生じた組織変化の概
略の説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮川 利宏 東京都千代田区大手町1丁目7番2号 日本高周波鋼業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−272349(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】炭素含有量が0.8〜1.2重量%、Cr含有量が
1.0〜2.0重量%、Mn含有量が0.2〜1.0重量%である高炭
素クロム系軸受鋼において、 Ni含有量が1.0重量%を越え、2.0重量%以下、Si含有量
が1.0重量%を越え、2.0重量%以下,S+P含有量が0.01
5〜0.040重量%であることを特徴とする高炭素クロム系
軸受鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1069790A JP2728137B2 (ja) | 1988-04-04 | 1989-03-22 | 高炭素クロム系軸受鋼 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8392088 | 1988-04-04 | ||
JP63-83920 | 1988-04-04 | ||
JP1069790A JP2728137B2 (ja) | 1988-04-04 | 1989-03-22 | 高炭素クロム系軸受鋼 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0230733A JPH0230733A (ja) | 1990-02-01 |
JP2728137B2 true JP2728137B2 (ja) | 1998-03-18 |
Family
ID=26410957
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1069790A Expired - Fee Related JP2728137B2 (ja) | 1988-04-04 | 1989-03-22 | 高炭素クロム系軸受鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2728137B2 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58224152A (ja) * | 1982-06-23 | 1983-12-26 | Daido Steel Co Ltd | 大型軸受用鋼 |
JPS60208452A (ja) * | 1984-03-30 | 1985-10-21 | Sanyo Tokushu Seikou Kk | 長寿命軸受用鋼 |
JPS61272349A (ja) * | 1985-05-29 | 1986-12-02 | Daido Steel Co Ltd | 軸受鋼 |
JPS61217559A (ja) * | 1986-03-20 | 1986-09-27 | Daido Steel Co Ltd | 快削軸受鋼 |
-
1989
- 1989-03-22 JP JP1069790A patent/JP2728137B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0230733A (ja) | 1990-02-01 |
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