JPH09287054A - 冷間鍛造−高周波焼入れ用鋼 - Google Patents
冷間鍛造−高周波焼入れ用鋼Info
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- JPH09287054A JPH09287054A JP9841196A JP9841196A JPH09287054A JP H09287054 A JPH09287054 A JP H09287054A JP 9841196 A JP9841196 A JP 9841196A JP 9841196 A JP9841196 A JP 9841196A JP H09287054 A JPH09287054 A JP H09287054A
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Abstract
工程で製造可能であり、且つ軸部品および軸受部品にお
いて優れた転動疲労特性を得ることができる高周波焼入
れ用鋼を提供する。 【解決手段】 重量比で、C:0.45〜0.65%、
Si:0.30超〜1.20%、Mn:0.2〜0.6
%、S:0.001〜0.03%、Ti:0.005〜
0.020%未満、Al:0.010〜0.06%、
B:0.0005〜0.005%、N:0.0015〜
0.005%未満を含有し、必要によりNi:0.05
〜3.00%、Cr:0.03〜0.70%、Mo:
0.01〜0.70%の1種または2種以上、V:0.
03〜0.3%、Nb:0.005〜0.1%の1種ま
たは2種を含有し、P,Cu,T.O量を特定量以下に
制限し、残部が鉄および不可避的不純物からなることを
特徴とする冷間鍛造−高周波焼入れ用鋼。
Description
入れ用鋼にかかわり、さらに詳しくは、図1に示す外筒
部4付きシャフト1〜3のような転動面を有する軸部品
および軸受部品の中で、冷間鍛造による部品の成形と高
周波焼入れを含む工程により製造される部品用として好
適な鋼に関するものである。
境規制対応にともない、軸部品、軸受部品においても高
強度化、転動疲労寿命向上の指向が強い。一方、これら
の部品は通常熱間鍛造により所定の部品形状に成形加工
されているが、生産性向上の視点から、冷間鍛造への切
り替えが強く指向されている。そのため、高強度化を図
るために高合金化すると、高周波焼入れ前の段階で硬く
て冷間鍛造が困難になることから、冷間加工性と高周波
焼入れ後の高強度化、高寿命化の両立が求められてい
る。
にはC:0.35超〜0.65%、Si:0.15%以
下、Mn:0.6%以下、B:0.0005〜0.00
5%、Ti:0.05%以下、Al:0.015〜0.
05%、N:0.010%以下からなる冷間鍛造用鋼を
素材として冷間鍛造後高周波焼入れをして機械構造用部
品を製造することを特徴とする機械構造用部品の製造方
法が示されている。この発明では、Si:0.15%以
下が特徴の一つである。また、同公報の第3〜4頁の第
1表から、Tiの添加量は0.02〜0.04%であ
る。この鋼の冷間鍛造性は必ずしも十分ではなく、また
軸部品、軸受部品として十分な強度が実現できていな
い。特に、外輪のような部品における転動疲労特性が不
十分である。
C:0.38〜0.45%、Si:0.35%以下、M
n:1.0超〜1.5%、B:0.0005〜0.00
35%、Ti:0.01〜0.05%、Al:0.01
〜0.06%、N:0.010%以下でフェライト結晶
粒度番号6以上の細粒組織を有する直接切削−高周波焼
入れ用鋼材が示されている。この発明材の特徴の一つは
Mn:1.0超〜1.5%であり、軸部品において、高
周波焼入れ後の静的捩り強度は十分な特性が得られる
が、冷間鍛造が困難である。また外輪のような部品にお
ける転動疲労特性については全く配慮されていない。
品および軸受部品が冷間鍛造工程で製造可能であり、且
つ軸部品および軸受部品において優れた強度特性、特に
転動疲労特性を得ることができる高周波焼入れ用鋼を提
供しようとするものである。
性に優れ、且つ軸部品および軸受部品において優れた強
度特性、特に転動疲労特性を得ることができる高周波焼
入れ用鋼を実現するために、鋭意検討を行ない次の知見
を得た。 (1)素材の段階での冷間鍛造性を確保するには、固溶
体硬化元素であるMn,Pを低減することが有効であ
る。Mn低減により劣化した焼入れ性は、B添加により
補う。 (2)さらに、冷間鍛造性を確保するには、Ti,N量
の適正化が必須である。上記のBの焼入れ性向上効果を
引き出すためには、Tiを添加し固溶Nを低減する必要
がある。しかしながら、特公平1−38847公報の第
3〜4頁の第1表に開示されているようなTiの多量添
加(Ti:0.02〜0.04%)は次のような弊害を
引き起こす。
化焼鈍の冷却過程においてTiN又はTiCが析出し、
Ti多量添加鋼では、これによる析出硬化により、冷間
変形抵抗の増加を引き起こす。 (ii) 高Ti鋼では、TiN,TiCの多量析出は冷間
鍛造時の割れの原因になり、冷間鍛造性を著しく悪化さ
せる。
造性が必ずしも十分ではないのは、このような冷間鍛造
性に対するTi多量添加の弊害によると考えられる。冷
間鍛造性に対するTiの弊害を抑制して、なお且つBの
焼入れ性向上効果を引き出すためには、Ti:0.00
5〜0.020%未満に制限することが必要であり、さ
らにまた、N:0.0015〜0.005%未満の範囲
で制御することが必要である。 (3)次に、高周波焼入れ材の転動疲労試験を行った場
合、転動疲労過程において、白色組織・炭化物組織が生
成し、硬さの低下を伴う材質劣化が起こり、こうした局
所的な材質劣化部を起点として破壊が起きる。これらの
転動疲労過程での材質劣化を抑制して寿命を向上させる
ためには、Siの添加、増量が有効である。 (4)さらに、従来のTi:0.020%以上、N:
0.005%以上を含有するボロン鋼では、TiNを起
点として転動疲労破壊が起こる。特公平1−38847
公報の技術が転動疲労特性が不十分であり、普及してい
ない原因の一つは、これが原因と考えられる。そのた
め、転動疲労寿命向上の視点からも、Ti,N量をT
i:0.005〜0.020%未満、N:0.0015
〜0.005%未満の範囲に規制することが必須であ
る。 (5)上記に加えて、さらにNi,Cr,Moを適正量
添加することにより、転動疲労過程での材質劣化抑制、
硬さ低下防止の効果はさらに大きくなる。 (6)軸部で静的捩り破壊、捩り疲労破壊を起こす場合
においては、Siの添加、増量が高強度化に有効であ
る。また、Nb,V添加による細粒化も高強度化に有効
である。これは、Siの添加や細粒化によって粒界強度
が向上し、粒界割れが抑制されるためである。
なされたものであって、その要旨とするところは以下の
通りである(以下%は重量%)。C:0.45〜0.6
5%、Si:0.30超〜1.20%、Mn:0.2〜
0.6%、S:0.001〜0.03%、Ti:0.0
05〜0.020%未満、Al:0.010〜0.06
%、B:0.0005〜0.005%、N:0.001
5〜0.005%未満を含有し、必要によりNi:0.
05〜3.00%、Cr:0.03〜0.70%、M
o:0.01〜0.70%、の1種または2種以上、
V:0.03〜0.3%、Nb:0.005〜0.1%
の1種または2種を含有し、P:0.025%以下、C
u:0.05%以下、T.O:0.0020%以下に制
限し、残部が鉄および不可避的不純物からなる冷間鍛造
−高周波焼入れ用鋼である。
る。本発明の鋼材の成分含有範囲を上記の如く限定した
理由について説明する。 C:0.45〜0.65% Cは最終製品の部品として必要な転動疲労強度、捩り疲
労強度を得るために有効な元素であるが、高周波焼入れ
材の場合、0.45%未満ではその効果が不十分であ
り、また0.65%を超えると粒界強度が劣化しかえっ
て強度の劣化を招くので、含有量を0.45〜0.65
%とした。
・炭化物組織生成抑制、材質劣化抑制により最終製品の
寿命を増加させることを目的として添加するが、0.3
0%以下ではその効果は不十分である。一方、Siは固
溶体硬化元素であり、1.20%を超える量を添加する
と、冷間鍛造前の素材の硬さが著しく増加し、冷間鍛造
性が劣化する。以上の理由から、Siの含有量を0.3
0超〜1.20%とした。
成することによる(ii)高周波焼入れ加熱時のオーステ
ナイト粒の微細化と(iii) 被削性の向上を目的として添
加する。しかしながら、0.2%未満ではこの効果は不
十分であり、一方、0.60%を超えると冷間鍛造前の
素材の硬さが増加し、冷間鍛造性が劣化する。以上の理
由から、Mnの含有量を0.2〜0.60%とした。
織の微細化に寄与するが、0.001%未満ではその効
果は不十分である。一方、0.03%を超えるとその効
果は飽和し、むしろ転動疲労特性の劣化を招く。以上の
理由から、Sの含有量を0.001〜0.03%とし
た。
全固定によるBN析出の防止、つまり固溶Bの確保を目
的として添加する。しかしながら、0.005未満では
その効果は不十分であり、一方、0.020%以上の過
剰添加では、多量のTiN,TiCによる冷間変形抵抗
の増大、冷間鍛造割れおよび最終製品での転動寿命の劣
化を引き起こすので、その含有量を0.005〜0.0
20%未満とした。
が、0.010%未満ではその効果は不十分であり、一
方、0.06%を超えるとその効果は飽和し、むしろ靱
性を劣化させるので、その含有量を0.010〜0.0
6%とした。 B:0.0005〜0.005% Bは固溶状態でオーステナイト粒界に粒界偏析し、焼入
れ性を増加させることを狙いとして添加する。同時に、
P,Cu等の粒界不純物を粒界から追い出すことにより
粒界強度を増加させる作用も存在する。粒界強度により
軸部の捩り強度、捩り疲労強度が増加する。しかしなが
ら、0.0005%未満ではその効果は不十分であり、
一方、0.005%を超える過剰添加は、むしろ粒界脆
化を招くので、その含有量を0.0005〜0.005
%とした。
ステナイト粒の微細化を目的として添加するが、0.0
015%未満ではその効果は不十分である。一方、0.
005%以上では、BNを析出して固溶Bの低減を引き
起こすとともに、多量のTiN析出による冷間変形抵抗
の増大、冷間鍛造割れおよび最終製品での寿命劣化を引
き起こすので、その含有量を0.0015〜0.005
%未満とした。
前の段階で冷間鍛造性を劣化させる。さらにオーステナ
イト粒界に粒界偏析を起こし、粒界強度を低下させて捩
り応力下での脆性破壊を起こし易くし、そのため強度を
低下させる。特にPが0.025%を超えると強度低下
が顕著となるため、0.025%を上限とした。なお、
より粒界強度を図る場合には、0.020%以下が望ま
しい。
し、強度低下の原因となる。特にCuが0.05%を超
えると強度低下が顕著となるため、0.05%を上限と
した。 T.O:0.0020%以下 本発明においてT.O含有量とは、鋼中の溶存酸素含有
量と酸化物(主にアルミナ)を形成している酸素含有量
の和であるが、T.O含有量は酸化物を形成している酸
素含有量にほぼ一致する。従って、T.O含有量が高い
ほど酸化物系介在物が多いことになる。酸化物系介在物
は転動疲労過程で、白色組織・炭化物組織生成、材質劣
化の引き金となり、転動疲労寿命劣化の原因となる。特
にOが0.0020%を超えるとこの現象が顕著になる
ため、0.0020%を上限とした。なお、非金属介在
物を微細化して、より一層高寿命化を図るためには、特
開平7−54103号公報にて本出願人が提案したMg
の適正量添加が有効である。本発明では、請求項1〜4
について、さらにT.Mg:0.0005〜0.030
0%を含有し、鋼中に含有される酸化物が、個数比とし
て次式を満足する鋼材としても良い。
/全酸化物系介在物個数≧0.80 次に、請求項2,4の発明の鋼材では、高周波焼入れ性
の向上および転動疲労過程での材質劣化抑制、白色組織
・炭化物組織生成抑制を目的としてNi,Cr,Moの
1種または2種以上を含有させることが出来る。 Ni:0.05〜3.00%、 Cr:0.03〜0.70%、 Mo:0.01〜0.70% これらの元素はいずれも焼入れ性を向上し、転動過程で
の転位密度の低下を抑制することにより、または繰り返
し過程でセメンタイトの生成を抑制することにより、繰
り返し軟化防止に有効である。特に、Moの添加は効果
が大きい。この効果はNi:0.05%未満、Cr:
0.03%未満、Mo:0.01%未満では不十分であ
り、一方Ni:3.00%、Cr:0.70%、Mo:
0.70%を超えるとこの効果は飽和し、むしろ冷間鍛
造性の劣化、高周波焼入れ時の炭化物の溶解不良による
最終製品の強度劣化等の弊害を招くので、その含有量を
上記の範囲に限定した。
ーステナイト粒を微細化し、粒界破壊抑制による高強度
化を図った鋼である。 V:0.03〜0.3%、Nb:0.005〜0.1% V,Nbは鋼中で炭窒化物を形成し、高周波加熱時のオ
ーステナイト粒を微細化させる効果を有する。しかしな
がら、V含有量が0.03%未満、Nb含有量が0.0
05%未満ではその効果は不十分であり、一方、V:
0.3%超、Nb:0.1%超では、その効果は飽和
し、むしろ冷間鍛造性の劣化、最終製品での強度劣化を
招くので、これらの含有量をV:0.03〜0.3%、
Nb:0.005〜0.1%とした。
労過程での局所的な材質劣化部生成の原因の一つは、硬
化層の硬さムラである。本願発明の対象部品は、通常、
圧延後、球状化焼鈍、冷間鍛造、A3 点以下の温度での
簡易焼鈍を1〜数回経た後に高周波焼入れされるが、高
周波焼入れ直前の組織は、圧延材の組織に大きく影響さ
れる。つまり、圧延材のフェライト粒径が粗大である
と、高周波焼入れ直前の球状化組織におけるフェライト
粒径も粗大となり、高周波焼入れ後に硬さムラを生じや
すくなる。特に、圧延材組織のフェライト粒径が30μ
mを超えると硬化層で顕著な硬さのムラを生じ、転動疲
労破壊を起こしやすくなる。そのため、圧延材組織のフ
ェライト粒径を30μm以下とするのが望ましい。但
し、本発明では、本組織因子を特に限定するものではな
い。
造条件は特に限定せず、本発明の要件を満足すればいず
れの条件でも良い。例えば、冷間鍛造性を一層改善し、
また高周波焼入れ性を向上させるためには、鋼材素材の
熱間圧延による製造を仕上げ温度;750〜900℃、
仕上げ圧延後700〜500℃の温度範囲の平均冷却速
度;0.1〜1.7℃/秒の条件で行う方法が上げられ
るが、本発明では特に限定するものではない。また、本
発明鋼を用いた部品の製造に際しては、球状化焼鈍、簡
易焼鈍、通常焼鈍、焼準等の熱処理を冷間鍛造の前に必
要に応じて行うことができる。
らに具体的に示す。
に圧延した。この棒鋼から、光学顕微鏡観察試験片を採
取し、5%ナイタール液で腐食して200倍、400倍
で観察しフェライト粒径を求めた。表1にフェライト粒
径を併せて示す。
後、硬さを測定した。また、直径14mm、高さ21mmの
試験片を採取し、冷間鍛造性の指標として、冷間変形抵
抗と限界圧縮率を測定した。結果を表2に示す。
平行部直径20mmの捩り疲労試験片を採取した。捩り疲
労試験片について周波数8.5kHz で高周波焼入れを行
い、その後170℃で焼戻しを行った。いずれも、有効
硬化層深さは約5mmである。その後、捩り疲労試験を行
った。捩り疲労特性は1×104 サイクルでの時間強度
で評価した。表2に各供試材の捩り疲労強度を示す。
動疲労試験片を採取・作成し、周波数100kHz 、硬化
層深さ2〜3mmの条件で高周波焼入れを行い、160℃
で焼戻し処理を行った。転動疲労寿命の評価は、円筒型
転動疲労試験片による点接触型転動疲労試験機(ヘルツ
最大接触応力600 kgf/mm2 )を用いた。疲労寿命の
尺度として、通常、「試験結果をワイブル確率紙にプロ
ットして得られる累積破損確率10%における疲労破壊
までの応力繰り返し数」がL10寿命として用いられる。
表2に比較鋼29(JIS規格のS53C鋼にTi,B
を添加した鋼)のL10寿命を1とした時の各鋼材のL10
寿命の相対値を示した。また、108 回転動疲労後の試
験片について、白色帯組織および炭化物組織の有無を調
べ、その結果を表2に併せて示した。さらに、転動疲労
過程での材質劣化挙動を評価するために、108 回転動
疲労後の試験片の転動面から深さ0.2mmの位置で、フ
ェライト(211)面のX線回折ピークの半価幅の減少
量を評価した。X線発生源としては、Cr管球を使用し
た。また、同位置での転動疲労試験に伴う硬さの低下量
も評価した。
発明鋼では、比較鋼29と比較して、硬さは軟らかく、
変形抵抗も小さく、また限界圧縮率は大きく、冷間鍛造
性は優れている。また、本発明鋼の捩り疲労強度は、比
較鋼29と比較して、同等以上である。さらに、本発明
鋼ではいずれも白色帯組織・炭化物組織の生成が抑制さ
れ、また転動疲労過程での半価幅の減少量、硬さの低下
量も小さい。これにより、本発明鋼は、比較鋼29に比
べて約7〜12倍と極めて良好な転動疲労特性が得られ
た。
の範囲を上回った場合であり、比較鋼材33はNの含有
量が本発明の範囲を上回った場合であり、いずれも、本
発明鋼1に比べて変形抵抗は大きく、限界圧縮率は小さ
く、つまり冷間鍛造性は良くない。また、転動疲労特性
も劣っている。比較鋼34はSiの含有量が本発明の範
囲を下回った場合であり、本発明鋼1に比べて、捩り疲
労特性、転動疲労特性が劣っている。比較鋼34は転動
疲労後組織変化が認められ、また「転動疲労後の半価幅
の減少量」、「転動疲労後の硬さ低下量」は、本発明鋼
1に比較して、相対的に大きい。つまり、比較鋼34が
本願発明に比較して転動疲労寿命が不足するのは、Si
が低いために転動疲労過程での材質劣化が抑制されなか
ったためである。また、捩り疲労強度が不足するのは、
Siが低いため、粒界強度が不十分なためである。
の範囲を下回り、さらにMnの含有量が本発明の範囲を
上回った場合であり、本発明鋼1に比べて変形抵抗は大
きく、限界圧縮率は小さく、つまり冷間鍛造性は顕著に
良くない。捩り疲労特性も劣っている。また、転動疲労
特性も劣っている。比較鋼31は転動疲労後組織変化が
認められ、また「転動疲労後の半価幅の減少量」、「転
動疲労後の硬さ低下量」は、本発明鋼1に比較して、相
対的に大きい。比較鋼31が本願発明に比較して転動疲
労寿命が不足するのは、このことが原因である。
の範囲を下回り、TiとNの含有量が本発明の範囲を上
回った場合であり、比較鋼29はJIS規格のS53C
鋼にTi,Bを添加した鋼であり、Si,Mn,Ti,
Nの含有量が本願発明の範囲と異なった場合である。い
ずれも、本発明鋼1に比べて変形抵抗は大きく、限界圧
縮率は小さく、つまり冷間鍛造性は顕著に良くない。捩
り疲労特性も劣っており、また転動疲労過程で組織変化
が認められ、転動疲労特性も劣っている。
高周波焼入れ用鋼を用いることにより、軸部品および軸
受部品が冷間鍛造工程で製造可能であり、且つ軸部品お
よび軸受部品において優れた強度特性、特に転動疲労特
性を得ることが可能となり、産業上の効果は極めて顕著
なるものがある。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量比として、C:0.45〜0.65
%、Si:0.30超〜1.20%、Mn:0.2〜
0.6%、S:0.001〜0.03%、Ti:0.0
05〜0.020%未満、Al:0.010〜0.06
%、B:0.0005〜0.005%、N:0.001
5〜0.005%未満を含有し、P:0.025%以
下、Cu:0.05%以下、T.O:0.0020%以
下に制限し、残部が鉄および不可避的不純物からなるこ
とを特徴とする冷間鍛造−高周波焼入れ用鋼。 - 【請求項2】 重量比として、C:0.45〜0.65
%、Si:0.30超〜1.20%、Mn:0.2〜
0.6%、S:0.001〜0.03%、Ti:0.0
05〜0.020%未満、Al:0.010〜0.06
%、B:0.0005〜0.005%、N:0.001
5〜0.005%未満を含有し、さらに、Ni:0.0
5〜3.00%、Cr:0.03〜0.70%、Mo:
0.01〜0.70%の1種または2種以上を含有し、
P:0.025%以下、Cu:0.05%以下、T.
O:0.0020%以下に制限し、残部が鉄および不可
避的不純物からなることを特徴とする冷間鍛造−高周波
焼入れ用鋼。 - 【請求項3】 重量比として、C:0.45〜0.65
%、Si:0.30超〜1.20%、Mn:0.2〜
0.6%、S:0.001〜0.03%、Ti:0.0
05〜0.020%未満、Al:0.010〜0.06
%、B:0.0005〜0.005%、N:0.001
5〜0.005%未満を含有し、さらに、V:0.03
〜0.3%、Nb:0.005〜0.1%の1種または
2種を含有し、P:0.025%以下、Cu:0.05
%以下、T.O:0.0020%以下に制限し、残部が
鉄および不可避的不純物からなることを特徴とする冷間
鍛造−高周波焼入れ用鋼。 - 【請求項4】 重量比として、C:0.45〜0.65
%、Si:0.30超〜1.20%、Mn:0.2〜
0.6%、S:0.001〜0.03%、Ti:0.0
05〜0.020%未満、Al:0.010〜0.06
%、B:0.0005〜0.005%、N:0.001
5〜0.005%未満を含有し、さらに、Ni:0.0
5〜3.00%、Cr:0.03〜0.70%、Mo:
0.01〜0.70%の1種または2種以上を含有し、
さらに、V:0.03〜0.3%、Nb:0.005〜
0.1%の1種または2種を含有し、P:0.025%
以下、Cu:0.05%以下、T.O:0.0020%
以下に制限し、残部が鉄および不可避的不純物からなる
ことを特徴とする冷間鍛造−高周波焼入れ用鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09841196A JP3533034B2 (ja) | 1996-04-19 | 1996-04-19 | 冷間鍛造−高周波焼入れ用鋼 |
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---|---|---|---|
JP09841196A JP3533034B2 (ja) | 1996-04-19 | 1996-04-19 | 冷間鍛造−高周波焼入れ用鋼 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09287054A true JPH09287054A (ja) | 1997-11-04 |
JP3533034B2 JP3533034B2 (ja) | 2004-05-31 |
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ID=14219092
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JP (1) | JP3533034B2 (ja) |
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