JP2002180185A - 被削性に優れた機械構造用鋼およびその製造方法 - Google Patents
被削性に優れた機械構造用鋼およびその製造方法Info
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Abstract
を図る場合に、熱間加工後、従来不可欠とされた再加熱
による黒鉛析出処理を必要とすることなしに鋼中に黒鉛
を析出させることができ、またかかる黒鉛化処理によっ
ても強度が劣化することのない被削性に優れた機械構造
用鋼を提供する。 【解決手段】 質量%で、C:0.1 %以上、0.8 %未
満、Si:0.5 〜2.0 %、Mn:0.02〜0.5 %、B:0.0003
〜0.015 %、Al:0.005 〜0.1 %、N:0.0015〜0.015
%を含有し、かつ不純物としてのCrおよびOをそれぞれ
Cr:0.05%以下、O:0.0020%以下に抑制し、残部はFe
および不可避的不純物の組成とし、さらに鋼中における
黒鉛の析出量を体積率で0.03〜0.60%とし、かつかかる
析出黒鉛粒子のうち粒径が3μm 以下の微細粒の割合を
全体の60%以上とする。
Description
機械構造用鋼およびその製造方法に関し、特に機械構造
用鋼としての強度の劣化を招くことなしに、被削性の有
利な向上を図ろうとするものである。
を素材とし、熱間鍛造をはじめとする熱間加工の後に切
削によって所定の形状に加工し、その後、焼入れ焼戻し
処理を施して機械部品としての要求特性を確保する、と
いう方法によって製造されるものが多い。
の被削性を改善する手段としては、鋼中にPb,S,Biお
よびP等の快削性元素を単独または複合して添加する方
法が一般的である。特にPbは、被削性を改善する作用が
極めて強いために多用されている。しかしながら、一方
でPbは、人体に有害な元素であるため、鋼材の製造工程
や機械部品の加工工程において大がかり排気設備を必要
とすることの他、鋼材のリサイクルの点からも大きな問
題があった。また、鋼材の熱間鍛造性の改善のために
は、Pb,S,Te,BiおよびP等の元素は逆に低減するこ
とが望ましい。
るために、従来、例えば特開昭51−57621 号公報に開示
の技術に代表されるように、鋼中炭素を黒鉛化すること
からなる被削性の改善方法が提案された。しかしなが
ら、これまでの技術は、黒鉛を析出させるために、熱間
加工後、再加熱による黒鉛化処理が不可欠であるため、
製造プロセスの煩雑化を招いていた。
強度が必要とされ、所望強度に応じた成分設計がなされ
ているが、かかる機械構造用鋼に上記の黒鉛化技術を適
用して被削性の改善を図った場合に、必ずしも所望強度
が得られるとは限らないところに問題を残していた。
記したような従来技術が抱えている諸問題を有利に解決
することにある。すなわち、熱間鍛造をはじめとする熱
間加工により成形される機械部品において、黒鉛化技術
によってその被削性の向上を図る場合に、熱間加工後、
従来不可欠とされた再加熱による黒鉛析出処理の必要な
しに鋼中に黒鉛を析出させることができ、またかかる黒
鉛化処理によっても強度が劣化することのない被削性に
優れた機械構造用鋼を、その有利な製造方法と共に提案
することを目的とする。
加工後に再加熱処理を施すことなく、鋼中に黒鉛を析出
させて被削性の向上を図り、しかもかかる黒鉛化処理に
よっても強度の低下を招くことのない製造技術を開発す
べく、鋭意研究を重ねた結果、(1) ミクロ組織中に体積
率で0.03〜0.60%の黒鉛が存在すれば、Pbを添加した構
造用鋼と同等以上の被削性が得られる、(2) しかも、上
記した析出黒鉛のうち粒径が3μm 以下の微細粒の割合
を全体の60%以上とすれば、鋼材の強度劣化が回避でき
る、(3) また、原料中の炭素を効果的に黒鉛として析出
させるには、鋼中に不可避に混入するCr量を0.05質量%
以下に抑制する必要がある、(4) さらに、CやCrを含
め、鋼材の成分組成を適正化した上で、熱間加工後の冷
却工程に工夫を加えることによって、鋼材の被削性向上
に必要な量でしかも微細な黒鉛粒が、熱間加工後の再加
熱を必要とすることなしに得られることの知見を得た。
この発明は、上記の知見に立脚するものである。
りである。 1.質量%で C:0.1 %以上、0.8 %未満、 Si:0.5 〜2.0 %、 Mn:0.02〜0.5 %、 B:0.0003〜0.015 %、 Al:0.005 〜0.1 %、 N:0.0015〜0.015 % を含有し、かつ不純物としてのCrおよびOをそれぞれ Cr:0.05%以下、 O:0.0020%以下 に抑制し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成にな
り、さらに鋼中における黒鉛の析出量が体積率で0.03〜
0.60%でかつ、かかる析出黒鉛粒子のうち粒径が3μm
以下の微細粒の割合が全体の60%以上であることを特徴
とする被削性に優れた機械構造用鋼。
らに下記のI〜V群のうちから選んだ1種または2種以
上を含有する組成になることを特徴とする被削性に優れ
た機械構造用鋼。 記 I群 Ni:0.05〜3.0 %、Cu:0.1 〜3.0 %、Co:0.
10〜3.0 %のうちから選んだ少なくとも1種。 II群 Mo:0.05〜1.0 %。 III 群 V:0.05〜0.5 %および/またはNb:0.005 〜
0.05%。 IV群 Ti:0.005 〜0.05%および/またはZr:0.005
〜0.2 %。 V群 REM :0.0005〜0.2 %。
%で、さらに P:0.10%以下、 S:0.001 〜0.50%、 Ca:0.0005〜0.010 %、 Te:0.005 〜0.05%、 Pb:0.30%以下 のうちから選んだ1種または2種以上を含有する組成に
なることを特徴とする被削性に優れた機械構造用鋼。
却過程において、 800〜500 ℃の温度域を 1.0℃/s未満
の速度で冷却することによって、鋼中に体積率で0.03〜
0.60%でかつ、粒径が3μm 以下の微細粒の割合が全体
の60%以上となる黒鉛を析出させることを特徴とする被
削性に優れた機械構造用鋼の製造方法。
る。まず、この発明において、鋼の成分組成を上記の範
囲に限定した理由について説明する。なお、以下に示す
成分組成の%表示は「質量%」である。 C:0.1 %以上、0.8 %未満 Cは、黒鉛相の形成および焼入れ焼戻し後の強度を得る
ために必須の成分であり、含有量が 0.1%未満では被削
性を確保する上で必要な黒鉛相を確保することが難しい
ので、0.1 %以上添加するものとした。しかしながら、
0.8 %以上添加すると、熱間加工性が低下するだけでな
く、後述する適切な製造条件に従った場合でも、所望の
粒径分布の黒鉛粒子が得難くなるので、Cは 0.1%以
上、 0.8%未満の範囲に限定した。より好ましくは 0.3
〜0.7 %の範囲である。
定化することによって黒鉛析出を促進する元素であるの
で、積極的に添加するが、含有量が 0.5%に満たないと
熱間加工中における冷却時の黒鉛の析出が極めて困難と
なり、一方 2.0%を超えると、熱間加工時の変形能が低
下するだけでなく、加工後の硬さが上昇して被削性を劣
化させるので、Siは 0.5〜2.0 %の範囲に限定した。
有効に寄与するが、一方でセメンタイト中に固溶し、黒
鉛の析出を阻害する元素でもある。ここに、含有量が0.
02%未満では、脱酸および焼入性の改善効果が乏しく、
一方 0.5%を超えると黒鉛析出が阻害され、熱間加工後
の冷却中における黒鉛の析出が不可能となるので、Mnは
0.02〜0.5 %の範囲に限定した。
結晶化の核として作用し、黒鉛の析出を促進すると共
に、黒鉛粒を微細化する。また、鋼の焼入性を高め、焼
入れ後の強度を確保する上でも有用な元素である。しか
しながら、含有量が0.0003%未満では黒鉛析出および焼
入性向上への効果が小さく、一方 0.015%を超えるとB
がセメンタイト中に固溶しセメンタイトを安定化させる
ことにより、逆に黒鉛析出が阻害されるので、Bは0.00
03〜0.015 %の範囲に限定した。
核形成サイトとして作用することによって黒鉛の析出を
促進するので、積極的に添加するが、含有量が0.005 %
に満たないとその添加効果に乏しく、一方 0.1%を超え
ると鋳造工程においてAl系酸化物が多数形成され、この
酸化物は単独でも疲労破壊の起点となるだけでなく、こ
の酸化物を核として黒鉛粒の著しい粗大化を招く。ま
た、Al系酸化物は硬質なため、切削時に工具を摩耗させ
ることによって被削性を低下させる弊害もある。これら
の理由により、Alは 0.005〜0.1 %の範囲で含有させる
ものとした。
BN,AlNが黒鉛の結晶化の核となることによって黒鉛
粒を著しく微細化すると共に、黒鉛析出を促進するの
で、この発明において必須の元素であるが、含有量が0.
0015%に満たないとBNやAlNが十分に形成されず、一
方 0.015%を超えると連続鋳造時に鋳片の割れを促進す
るので、Nは0.0015〜0.015 %の範囲に限定した。
析出を著しく阻害する有害元素である。従って、熱間加
工後の冷却中における黒鉛析出を意図したこの発明で
は、その混入を極力抑制する必要があるが、0.05%以下
であれば許容される。
削性を共に低下させるので極力低減する必要があるが、
0.0020%以下であれば許容される。
明したが、この発明では、その他にも、黒鉛析出の促進
および焼入れ焼戻し後の強度上昇を目的として、以下の
元素を必要に応じて適宜添加することができる。 Ni:0.05〜3.0 %、Cu:0.1 〜3.0 %、Co:0.10〜3.0
% Ni,CuおよびCoはいずれも、黒鉛析出を促進するだけで
なく、焼入性を向上させる作用を併せ持つので、黒鉛析
出を阻害せずに、焼入性を向上させるのに有用な元素で
ある。しかしながら、含有量はそれぞれ下限に満たない
とその添加効果に乏しく、一方いずれも 3.0%を超える
とその効果は飽和に達するので、それぞれ上記の範囲で
添加するものとした。
素に比較してセメンタイトへの分配が小さいという特長
がある。このために、黒鉛析出を著しく阻害することな
しに鋼材の焼入性を高めることができる。また、Moを添
加した鋼材は、焼戻し軟化抵抗が大きいので、同一焼戻
し温度では硬さを向上させることが可能となり、その結
果、疲労強度を向上させることができる。また、焼入性
が高いために、熱間圧延ままの状態においては、微細な
黒鉛を形成するベイナイト組織とすることが容易であ
り、この結果、焼入時の黒鉛の溶解を短時間で完了させ
ることができる。このため、Moは、疲労強度を一層向上
させる必要がある場合に用いるが、0.05%未満ではその
添加効果が小さく、一方 1.0%を超えるとMoでも黒鉛析
出を阻害し、熱間加工後の冷却中における黒鉛の析出を
困難とし、被削性を低下させるので、Moは0.05〜1.0 %
の範囲で含有させる必要がある。
中にはほとんど固溶しないので、黒鉛析出をさほど阻害
しない。また、炭窒化物を形成し、この析出強化作用に
より強度を上昇させると共に、焼入性を向上させる元素
でもあるので疲労強度を向上させる必要のある場合にと
りわけ有用である。Vの場合、含有量が0.05%未満では
これらの効果が小さく、一方 0.5%を超えると効果が飽
和するので、Vは0.05〜0.5 %の範囲に限定した。ま
た、Nbの場合、含有量が 0.005%未満では上述の効果が
小さく、一方 0.005%を超えると効果が飽和するので、
Nbは0.005〜0.05%の範囲に限定した。
化の核として作用することにより黒鉛粒を微細化するの
で、黒鉛粒をより微細化する必要がある場合に用いて有
用な元素である。また、炭窒化物を形成することにより
焼入れ時にBを焼入性に有効に作用させることが可能で
ある。このような効果を発揮させるためには、Ti,Zrと
もに 0.005%以上添加する必要があるが、Ti, Zrがそれ
ぞれ0.05%および 0.2%を超えるとBNを形成するため
のNが不足し、その結果、黒鉛粒が粗大化すると共に黒
鉛析出時間が極めて長くなるので、それぞれTi:0.005
〜0.05%、Zr:0.005 〜0.2 %の範囲で含有させるもの
とした。
る。これは、黒鉛析出の核となり、黒鉛析出を促進する
と共に黒鉛粒を微細化するので、黒鉛粒の微細化および
黒鉛の析出を促進する上で有用な元素である。しかしな
がら、含有量が0.0005%未満ではその添加効果に乏し
く、一方 0.2%を超えて添加しても効果が飽和するの
で、 REMは0.0005〜0.2 %の範囲に限定した。
上を目的として以下の元素を適宜含有させることもでき
る。 P:0.10%以下 切削性の向上を目的としてPを添加することも可能であ
る。ただし、過剰な添加は靱性や耐疲労性に悪影響を及
ぼすので、添加するにしても0.10%以下の範囲とする必
要がある。好ましくは0.07%以下である。
以上添加する必要があるが、過剰に添加すると清浄性が
劣化し、靱性の低下を招くので、Sは 0.001〜0.50%の
範囲とする必要がある。
その効果を発揮させるためには0.0005%以上含有させる
必要があるが、0.010 %を超えるとその効果は飽和に達
するので、Caは0.0005〜0.010 %の範囲に限定した。
有量が 0.005%未満ではその効果が小さく、一方0.05%
を超えるとその効果は飽和し、むしろ耐疲労性の低下を
招くので、Teは 0.005〜0.05%の範囲に限定した。
が、これは技術的に添加することができないという意味
ではない。すなわち、単に切削性の面だけ考慮すれば良
いのであれば、その添加を妨げるものではない。しかし
ながら、この場合であっても、環境衛生の面から添加量
は0.30%以下に抑制することが好ましい。
説明したが、この発明では鋼材の成分組成を上記のよう
に限定するだけでは不十分で、所望の効果を得るために
は、黒鉛の析出量およびその粒径分布が重要である。す
なわち、この発明では、黒鉛の析出量は体積率で0.03〜
0.60%の範囲に制限する必要がある。というのは、黒鉛
析出量が0.03%に満たないと十分満足いくほどの被削性
が得られず、一方0.60%を超えると、析出数はあまり増
加しないので個々の黒鉛の粒径が粗大化し、粗粒の割合
が多くなりすぎて強度の低下を余儀なくされるからであ
る。また、黒鉛粒のうち粒径が3μm 以下の微細粒の割
合を全体の60%以上とする必要がある。というのは3μ
m 以下の微細粒の割合が全体の60%に満たない、すなわ
ち粗粒の割合が多くなると、それに伴って強度の低下を
余儀なくされるからである。
る。まず、素材の製造については、従来公知の転炉また
は電気炉等で溶製した後、連続鋳造法または造塊−分塊
法によってスラブまたはブルームとする。ついで、熱間
加工を行うが、この熱間加工後の冷却工程において、少
なくとも 800〜500℃の黒鉛の析出温度域については、
冷却速度を 1.0℃/s未満の徐冷とする必要がある。とい
うのは、この発明では、従来のように、熱間加工後に再
加熱による黒鉛化処理を行わず、この冷却過程において
黒鉛を析出させるわけであるが、この際、冷却速度が
1.0℃/s以上では、冷却中における黒鉛の析出が困難と
なり、この発明で所望する体積率で0.03〜0.60%の黒鉛
の析出が望めなくなるからである。
り所定の形状に成形したのち、焼入れ焼戻し等の処理を
施して、製品とされる。
00℃に加熱し、熱間加工を行ったのち、種々の冷却速度
で冷却した。上記の冷却工程における 800〜500 ℃の温
度域における冷却速度および黒鉛粒の微細化処理の有無
を表2,3に示す。また、このようにして得られた鋼材
の黒鉛析出量、粒径が3μm 以下の微細粒の割合、硬
さ、被削性および焼入れ焼戻し後の機械的特性について
調べた結果を表2,3に併記する。
である。 (1) 黒鉛析出量、黒鉛粒の粒径 鋼材より採取した光学顕微鏡用試片につき、研磨後腐食
せず、画像解析装置により断面5箇所、各箇所について
400倍の倍率で10視野にわたって黒鉛の面積率を測定
し、その平均値をもって黒鉛析出量とした。また、黒鉛
粒の粒径については、30〜500 個の黒鉛粒についてその
粒径を測定した。ここに、この発明の黒鉛析出量の範囲
では、上記の方法で測定した面積率で得た値と体積率と
はほぼ等しい。
ース硬さを測定した。測定加重は 98 N(10 kgf)と
し、10点を測定した値の平均値を硬さとして用いた。
を切削速度 80m/min、無潤滑の条件により外周旋削を行
い、工具が切削不能となるまでの時間を工具寿命として
評価した。
の試片を作成し、900℃、30min 加熱後、水溶性焼入れ
液中に焼入れ、ついで 500℃、1h保持後、水冷の焼戻
し処理を施した。処理後の試片の硬さを測定すると共
に、当該試片より平行部8mmφ×36mml の引張試験片を
作成し、引張試験を実施した。
成分組成がこの発明の適正範囲を満足する鋼、鋼PはMn
が、鋼QはCrが、鋼RはAlが、鋼SはSiが、それぞれこ
の発明の適正範囲外である比較鋼、鋼TはJIS 規格のS4
8Cに相当する鋼にPbを添加したもの、鋼Uは JIS規格の
SCM435に相当する鋼である。
鋼材はいずれも、Pb添加S48Cに相当する鋼T (No.30)と
比較して同等以上の優れた被削性を有している。これに
対し、成分組成がこの発明の範囲外(No.26〜29) あるい
は化学組成がこの発明内にあっても熱間加工後の冷却速
度がこの発明の条件を満たさない場合 (No.1, 4) には
いずれも、熱間加工後の冷却中に黒鉛の析出が認められ
なかった。そのため、その被削性もこの発明と比較する
と著しく劣っていた。また、焼入れ焼戻し後の疲労強度
も、この発明範囲の鋼はNo.30 よりも優れた値を示し
た。特に、Mo, V等の効果も利用した焼入れ焼戻し後の
強化を図った鋼(No.12〜15、17〜21)はいずれも、SCM4
35 (No.31)よりも優れた値を示した。なお、No.11 は、
黒鉛の析出量が多すぎたため、疲労強度に劣っていた。
後に再加熱による黒鉛析出処理の必要なしに適正量の黒
鉛を析出させることができ、またかかる黒鉛化処理によ
っても強度が劣化することのない被削性に優れた機械構
造用鋼を安定して得ることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 質量%で C:0.1 %以上、0.8 %未満、 Si:0.5 〜2.0 %、 Mn:0.02〜0.5 %、 B:0.0003〜0.015 %、 Al:0.005 〜0.1 %、 N:0.0015〜0.015 % を含有し、かつ不純物としてのCrおよびOをそれぞれ Cr:0.05%以下、 O:0.0020%以下 に抑制し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成にな
り、さらに鋼中における黒鉛の析出量が体積率で0.03〜
0.60%でかつ、かかる析出黒鉛粒子のうち粒径が3μm
以下の微細粒の割合が全体の60%以上であることを特徴
とする被削性に優れた機械構造用鋼。 - 【請求項2】 請求項1において、鋼が、質量%で、さ
らに下記のI〜V群のうちから選んだ1種または2種以
上を含有する組成になることを特徴とする被削性に優れ
た機械構造用鋼。 記 I群 Ni:0.05〜3.0 %、Cu:0.1 〜3.0 %、Co:0.
10〜3.0 %のうちから選んだ少なくとも1種。 II群 Mo:0.05〜1.0 %。 III 群 V:0.05〜0.5 %および/またはNb:0.005 〜
0.05%。 IV群 Ti:0.005 〜0.05%および/またはZr:0.005
〜0.2 %。 V群 REM :0.0005〜0.2 %。 - 【請求項3】 請求項1または2において、鋼が、質量
%で、さらに P:0.10%以下、 S:0.001 〜0.50%、 Ca:0.0005〜0.010 %、 Te:0.005 〜0.05%、 Pb:0.30%以下 のうちから選んだ1種または2種以上を含有する組成に
なることを特徴とする被削性に優れた機械構造用鋼。 - 【請求項4】 質量%で C:0.1 %以上、0.8 %未満、 Si:0.5 〜2.0 %、 Mn:0.02〜0.5 %、 B:0.0003〜0.015 %、 Al:0.005 〜0.1 %、 N:0.0015〜0.015 % を含有し、かつ不純物としてのCrおよびOをそれぞれ Cr:0.05%以下、 O:0.0020%以下 に抑制した組成になる鋼片を、熱間加工し、その後の冷
却過程において、 800〜500 ℃の温度域を 1.0℃/s未満
の速度で冷却することによって、鋼中に体積率で0.03〜
0.60%でかつ、粒径が3μm 以下の微細粒の割合が全体
の60%以上となる黒鉛を析出させることを特徴とする被
削性に優れた機械構造用鋼の製造方法。
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