JPH11269601A - 高周波焼入れ性に優れた冷間加工用鋼並びに機械構造用部品及びその製造方法 - Google Patents
高周波焼入れ性に優れた冷間加工用鋼並びに機械構造用部品及びその製造方法Info
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Abstract
入れで粗粒化しない鋼と、それを母材鋼とする機械構造
用部品及びその製造方法を提供する。 【解決手段】C:0.40〜0.60%、Si:0〜0.40%、Mn:
0.10〜0.60%、B:0.0005〜0.005%、Nb:0.005〜0.05
%、Al:0.015〜0.10%を含み、更に、Pb:0〜 0.30
%、Bi:0〜0.10%、Te:0〜0.10%を含有し、残部は F
eと不純物からなり、不純物中のP≦0.015%、S≦0.015
%、Cu≦0.10%、Ni≦0.10%、Cr≦0.15%、Mo≦0.10
%、N≦0.005%、O≦0.005% である高周波焼入れ性に
優れた冷間加工用鋼。母材鋼がに記載の化学組成を
有し、球状化された炭化物と外周部に焼入れ硬化層を備
える機械構造用部品とその製造方法。
Description
優れた冷間加工用鋼並びに機械構造用部品及びその製造
方法に関する。より詳しくは、冷間加工時における変形
抵抗が小さく、高周波焼入れ性に優れ、しかも高周波焼
入れで粗粒化することのない低コスト型の冷間加工用鋼
と、その鋼を母材とした機械構造用部品及びその製造方
法に関する。
の足廻り部品である等速ジョイントなどは、熱間鍛造さ
れたJISの機械構造用中炭素鋼鋼材(S45CやS4
8Cなど)を切削して所定の形状に成形加工した後に高
周波焼入れし、更に、必要に応じて焼戻しを行うことに
よって製造されていた。しかし、熱間鍛造の場合は寸法
精度が劣るので、所定の形状に成形するためには重切削
する必要があり、切削加工のコストが嵩み、更に歩留り
が低くなることを避けられなかった。そこで近年、寸法
精度が高く、したがって、切削量を低減することが可能
な冷間鍛造が採用されるようになってきた。
を下げるために被加工材に予め球状化焼鈍が施される。
しかし、前記したJISの機械構造用中炭素鋼鋼材を用
いた場合、球状化焼鈍処理を行っても変形抵抗が高いの
で冷間鍛造の工具寿命が短く、又、変形能が低いので冷
間鍛造された部品に割れが生ずる場合もあった。
確保しつつ、冷間鍛造性を改善させる技術が種々提案さ
れている。
−47536号公報には、冷間鍛造性を向上させるため
にSiとMnの含有量を低く抑え、C、B、Ti、更
に、必要に応じてCrを含有させて高周波焼入れ性を確
保した冷間鍛造用鋼が開示されている。しかし、上記の
各公報で提案された鋼は、その実施例における記載から
も明らかなように、Tiを0.02〜0.04重量%含
むものである。したがって、Ti炭窒化物が析出してそ
の析出硬化のために球状化焼鈍しても充分には軟化せず
変形抵抗が高くなるので冷間鍛造性は必ずしも良いとは
言い難い。
268344号公報、特開平9−272946号公報、
特開平9−287054号公報や特開平9−28705
5号公報にも、冷間鍛造性と高周波焼入れ性とを兼備す
る鋼が開示されている。しかし、上記の各公報で提案さ
れた鋼もNを固定して固溶Bを確保するためにTiを必
須元素として含んでいる。このため、球状化焼鈍しても
充分には軟化せず変形抵抗が高くなって冷間鍛造性に劣
る場合がある。
を含まない「冷間鍛造性及び高周波焼入れ性に優れた機
械構造用炭素鋼」が開示されている。しかし、この公報
で提案された鋼を高周波焼入れすると結晶粒の粗大化が
生じたり、Bを必須元素として含まないので所望の高周
波焼入れ深さが得られなかったりする場合がある。更
に、Bを含まない鋼の場合には同等の焼入れ性を有する
Bを含む鋼と比べて合金元素の含有量が多いため、冷間
鍛造時の変形抵抗が高くなって冷間鍛造性が劣ることが
ある。更に、熱間加工や球状化焼鈍で生成したスケール
が脱スケールの工程で落ちにくく、脱スケールに長時間
要したりその工程が複雑になったりすることを避け難く
なる。
鑑みなされたもので、冷間鍛造を初めとする冷間加工時
における変形抵抗が小さく、高周波焼入れ性に優れ、し
かも高周波焼入れで粗粒化することのない低コスト型の
冷間加工用鋼と、その鋼を母材とした機械構造用部品及
びその製造方法を提供することを目的とする。具体的に
は、同等のC含有量のJIS機械構造用炭素鋼に対し
て、冷間加工時における変形抵抗が10%以上低く、し
かも、変形能としての割れが発生する限界の据え込み率
が75%以上で、高周波焼入れした時にビッカース硬度
(Hv)で400となる硬化深さをt、高周波焼入れ部
の平均半径をrとしてt/rが0.3以上であり、高周
波焼入れ後の硬化部、つまり、後述する焼入れ硬化層の
オーステナイト結晶粒度がJIS粒度番号7以上である
ことを目標とする。なお、高周波焼入れ後の硬化部(焼
入れ硬化層)とはHvで400以上となる部分のことを
指す。
(1)、(2)に示す高周波焼入れ性に優れた冷間加工
用鋼並びに(3)に示す機械構造用部品及び(4)に示
す機械構造用部品の製造方法にある。
%、Si:0〜0.40%、Mn:0.10〜0.60
%、B:0.0005〜0.005%、Nb:0.00
5〜0.05%、Al:0.015〜0.10%を含
み、更に、Pb:0〜0.30%、Bi:0〜0.10
%、Te:0〜0.10%を含有し、残部はFe及び不
可避不純物からなり、不純物中のPは0.015%以
下、Sは0.015%以下、Cuは0.10%以下、N
iは0.10%以下、Crは0.15%以下、Moは
0.10%以下、Nは0.005%以下、Oは0.00
5%以下である高周波焼入れ性に優れた冷間加工用鋼。
%、Si:0〜0.40%、Mn:0.10〜0.60
%、B:0.0005〜0.005%、Nb:0.00
5〜0.03%、Al:0.015〜0.10%を含有
し、残部はFe及び不可避不純物からなり、不純物中の
Pは0.015%以下、Sは0.015%以下、Cuは
0.10%以下、Niは0.10%以下、Crは0.1
5%以下、Moは0.10%以下、Nは0.005%以
下、Oは0.005%以下である高周波焼入れ性に優れ
た冷間加工用鋼。
の化学組成を有し、球状化された炭化物と外周部に焼入
れ硬化層を備える機械構造用部品。
(1)又は(2)に記載の化学組成を有する鋼材を、冷
間加工して所定の形状に成形し、その後高周波焼入れす
ることを特徴とする機械構造用部品の製造方法。
は、既に述べたように焼入れでHv400以上となった
部分のことを指す。
どの冷間加工によって塑性加工し、次いで高周波焼入れ
して製造される機械構造用部品の母材となる鋼の化学組
成について調査・検討を行った。その結果、下記の知見
を得た。
のNb、Al及びBを含んでTiを含有しない鋼は、通
常の球状化焼鈍で充分に軟化する。したがって、同等の
C含有量のJIS機械構造用炭素鋼に比べて冷間加工時
における変形抵抗は低く、しかも、変形能は充分大き
い。
を選択し、不純物元素としてのNの含有量を制限した鋼
は、Tiを含まなくとも良好な高周波焼入れ性を有す
る。しかも、通常の高周波焼入れで結晶粒が粗大化する
ことはなく、JIS粒度番号7以上のオーステナイト結
晶粒度が得られる。
有量を選択し、不純物元素としてのNの含有量を制限し
た鋼は、高周波焼入れで前記したt/rが0.3以上を
容易に満たすことができる。しかも、通常の高周波焼入
れで結晶粒が粗大化することはなく、JIS粒度番号7
以上のオーステナイト結晶粒度が得られる。
その鋼中に粗大なTiNが分散しており、部品の転動寿
命を下げる。
たものである。
しく説明する。なお、化学成分の含有量の「%」は「重
量%」を意味する。
化層の硬さ及び深さを確保して機械構造用部品に所望の
機械的性質を付与するのに有効な元素である。しかし、
その含有量が0.40%未満では添加効果に乏しい。一
方、0.60%を超えて含有させると、球状化焼鈍して
も充分に軟化せずに冷間加工性が劣化したり、靭性の劣
化や焼割れの発生を招くことがある。したがって、Cの
含有量を0.40〜0.60%とした。
定化及び強度を高める効果がある。この効果を確実に得
るには、Siは0.05%以上の含有量とすることが好
ましい。又、Siが添加された鋼は、熱間加工のための
加熱中に低融点酸化物であるファイアライト(Fe2S
iO4)を生成するので、その融点(1173℃)以上
に加熱すれば、脱スケール性が極めて良好になる。この
効果は、特に、Siの含有量が0.15%を超えた場合
に大きい。しかし、その含有量が、0.40%を超える
と冷間加工時の変形抵抗が大きくなって冷間加工性の低
下を招く。したがって、Siの含有量を0〜0.40%
とした。
に強度を確保するために有効な元素で、0.10%以上
含有させることが必要である。一方、Mnの含有量が
0.60%を超えると、変形抵抗が大きくなって冷間加
工性の劣化をきたす。したがって、Mnの含有量を0.
10〜0.60%とした。なお、Mn含有量は0.10
〜0.40%とすることが好ましい。
れ性を確保するのに有効な元素である。しかし、その含
有量が0.0005%未満では添加効果に乏しい。一
方、0.005%を超えて含有させるとその効果が飽和
するばかりか、粒界脆化を招く場合がある。したがっ
て、Bの含有量を0.0005〜0.005%とした。
周波焼入れ性を確保するのに有効な元素である。更に、
高周波焼入れ時の結晶粒の粗大化防止にも有効である。
しかし、その含有量が0.005%未満では所望の効果
が得られない。一方、0.05%を超えると、変形抵抗
を増加させることが避けられず、又、粗大な未固溶炭窒
化物が残留して冷間加工性の劣化を招くことがある。し
たがって、Nbの含有量を0.005〜0.05%とし
た。なお、Nb含有量の上限は0.03%とすることが
好ましく、0.02%とすれば一層好ましい。更に好ま
しいNb含有量の上限は0.015%である。
中のNを固定するので、冷間加工時の加工硬化を抑制す
る作用がある。又、鋼中Nの固定によってBの高周波焼
入れ性向上効果を確保するのにも有効である。しかし、
その含有量が0.015%未満では上記の効果が確実に
は得られない。一方、0.10%を超えて含有させる
と、冷間加工時に鋼の変形能が低下する。したがって、
Alの含有量を0.015〜0.10%とした。なお、
Bの高周波焼入れ性向上効果の確保のために、Al含有
量は0.03%以上とすることが好ましく、0.05%
を超えて含有させれば一層好ましい。
い。
被削性を改善する作用を有する。この効果を確実に得る
には、Pbは0.10%以上の含有量とすることが好ま
しい。しかし、その含有量が0.30%を超えると冷間
加工時の変形能が劣化してしまう。したがって、Pbの
含有量を0〜0.30%とした。
被削性を改善する作用を有する。この効果を確実に得る
には、Biは0.05%以上の含有量とすることが好ま
しい。しかし、その含有量が0.10%を超えると冷間
加工時の変形能が劣化してしまう。したがって、Biの
含有量を0〜0.10%とした。
被削性を改善する作用を有する。この効果を確実に得る
には、Teは0.05%以上の含有量とすることが好ま
しい。しかし、その含有量が0.10%を超えると冷間
加工時の変形能が劣化してしまう。したがって、Teの
含有量を0〜0.10%とした。
P、S、Cu、Ni、Cr、Mo、N及びOを下記のと
おりに制限する。
Pの含有量が0.015%を超えると、冷間加工時の変
形能の低下が著しくなる。したがって、不純物元素とし
てのPの含有量を0.015%以下とした。
の含有量が0.015%を超えると、冷間加工時の変形
能の低下が著しくなる。したがって、不純物元素として
のSの含有量を0.015%以下とした。
う。特に、Cuの含有量が0.10%を超えると、冷間
加工性の劣化が著しくなる。したがって、不純物元素と
してのCuの含有量を0.10%以下とした。なお、C
u含有量は0.05%以下にすることが好ましい。
う。更に、球状化焼鈍後のスケール除去を困難にする。
特に、Niの含有量が0.10%を超えると、冷間加工
性の低下とスケール除去性の低下が著しくなる。したが
って、不純物元素としてのNi含有量を0.10%以下
とした。なお、Ni含有量は0.05%以下にすること
が好ましい。
う。更に、球状化焼鈍後のスケール除去を困難にする。
特に、Crの含有量が0.15%を超えると、冷間加工
性の低下とスケール除去性の低下が著しくなる。したが
って、不純物元素としてのCr含有量を0.15%以下
とした。なお、Cr含有量は0.10%以下にすること
が好ましい。
う。更に、球状化焼鈍後のスケール除去を困難にする。
特に、Moの含有量が0.10%を超えると、冷間加工
性の低下とスケール除去性の低下が著しくなる。したが
って、不純物元素としてのMo含有量を0.10%以下
とした。なお、Mo含有量は0.05%以下にすること
が好ましい。
う。更に、容易にBと結びついてBNを形成するので、
Bの高周波焼入れ性向上効果が確保できなくなる。特
に、Nの含有量が0.005%を超えると、冷間加工性
の低下が著しくなるとともにBの高周波焼入れ性向上効
果が得難くなる。したがって、不純物元素としてのN含
有量を0.005%以下とした。なお、N含有量は0.
004%以下にすることが好ましく、0.003%以下
とすれば一層好ましい。
てしまう。特に、Oの含有量が0.005%を超える
と、冷間加工時の変形能の低下が著しくなる。したがっ
て、不純物元素としてのOの含有量を0.005%以下
とした。
れた後、冷間加工時の変形抵抗を下げるため、球状化焼
鈍を施される。この球状化焼鈍は特に規定されるもので
はなく、通常の方法で行えば良い。
組成を有する鋼材は、冷間鍛造などの冷間加工が施され
て所定の形状の機械構造用部品に成形される。この冷間
加工の方法は特に規定されるものではなく、通常の方法
で行えば良い。
機械構造用部品の高周波焼入れ後の硬化部が安定してJ
IS粒度番号7以上のオーステナイト結晶粒度を確保で
きるようにするために、冷間加工は被加工部品において
最も大きな加工が加わる部分での加工量が下記(a)式
で表される相当歪で2.5以下となるように行うのが良
く、相当歪で2.0以下となるように行えば一層好まし
い。
対数歪である。
化焼鈍され、その後で冷間加工されて所定の形状に成形
された鋼材は、高周波焼入れされて、あるいは、必要に
応じて高周波焼入れ後に焼戻しが施されて、所望の機械
的性質を有する機械構造用部品に仕上げられる。この高
周波焼入れの方法は特に規定されるものではなく、通常
の方法で行えば良い。
の捩り強度は、高周波焼入れ深さとしてのHvで400
以上となる硬化深さに依存し、t/rが0.3未満では
捩り強度が小さいが、前記(A)に記載の化学組成を有
する本発明に係る鋼は、通常の高周波焼入れで0.3以
上のt/rを容易に達成することができる。t/rが
0.6を超えると捩り強度の向上は飽和するか、逆に却
って低下し、更に、焼割れも生じ易くなる。したがっ
て、高周波焼入れは、t/rの値が0.3〜0.6にな
るように行えば良く、このためには、鋼種と高周波焼入
れ条件を変えた予備実験を行い、その結果に基づいて高
周波焼入れすれば良い。
本発明に係る鋼は、通常の高周波焼入れで結晶粒が粗大
化することはなく、JIS粒度番号7以上のオーステナ
イト結晶粒度が得られるように調整されたものである。
このため、結晶粒粗大化による熱処理歪みや硬さのバラ
ツキ、強度低下などを生じることがない。
の方法によって試験炉を用いて溶製した。表1における
鋼A〜Vは化学組成が本発明で規定する範囲内にある本
発明例、表2における鋼a〜tは成分のいずれかが本発
明で規定する含有量の範囲から外れた比較例である。比
較例の鋼のうち鋼r、鋼s及び鋼tはそれぞれJIS規
格のS40C、S50C及びS58Cに相当する鋼であ
る。
鋼片にした後、1200℃に加熱してから、1200〜
950℃の温度で熱間鍛造して、直径30mmの丸棒と
した。この後、C含有量に応じて通常の方法で球状化焼
鈍を行った。
の丸棒から、直径が15mmで長さが22.5mmの冷
間加工用試験片を作製し、500t高速プレス機による
通常の方法で冷間(室温)拘束型据え込み試験を行い、
割れが発生する限界の据え込み率を測定した。なお、据
え込み率が75%まで、各条件ごとに5回の据え込み試
験を行い、5個の試験片のうち3個以上に割れが発生す
る最小の加工率(据え込み率)を限界据え込み率として
評価した。据え込み率75%で3個以上割れを生じない
ものは、そこで試験を終了した。
である60%の据え込み率(最も大きな加工が加わる試
験片中心部における相当歪は1.5)の場合の変形抵抗
を測定した。なお、図1に示すように、変形抵抗をCの
含有量で整理し、JIS規格のS40C、S50C及び
S58Cに相当する鋼r、鋼s及び鋼tの変形抵抗から
求めた直線をJIS機械構造用鋼の変形抵抗とし、鋼A
〜Vの本発明例の鋼及び鋼a〜qの比較例の鋼の変形抵
抗と比較した。
が28mmで長さが40mmの試験片を切り出し、通常
の方法によって冷間で直径が17.7mmまで前方押し
出し加工(減面率60%(最も大きな加工が加わる部分
である試験片側表面部、つまり、試験片最外層部の相当
歪で1.3))を行った。この直径17.7mmに冷間
で押し出し加工したものから長さ50mmの試験片を採
取し、これに周波数20kHzで高周波焼入れを行った
後、通常の方法によって表面硬度とHvで400となる
硬化深さ(つまり、焼入れ硬化層の深さ)tを測定し
た。次いで、電気炉を用いて150℃で30分の焼戻し
を行い、通常の方法によって高周波焼入れ後の硬化部、
つまり、焼入れ硬化層のオーステナイト結晶粒度を測定
した。
す。なお、本実施例におけるrは直径17.7mmの試
験片の半径、つまり8.85mmである。
る範囲内にある本発明例の鋼A〜Vを母材鋼とするもの
は、同等のC含有量のJIS機械構造用炭素鋼に対して
据え込み時の変形抵抗が10%以上低く、変形能として
の割れが発生する限界の据え込み率は75%以上であ
る。しかも、高周波焼入れした時のt/rが0.3以上
であり、高周波焼入れ後の硬化部、つまり、焼入れ硬化
層のオーステナイト結晶粒度もJIS粒度番号7以上
で、目標性能を満足している。
には、(イ)同等のC含有量のJIS機械構造用炭素鋼
に対して変形抵抗の低下代が10%に満たない、(ロ)
限界の据え込み率が75%に満たない、(ハ)高周波焼
入れした時のt/rが0.3未満である、(ニ)高周波
焼入れ後の硬化部、つまり、焼入れ硬化層のオーステナ
イト結晶粒度がJIS粒度番号7未満である、のいずれ
か1つ以上に該当する。このため、冷間加工性と高周波
焼入れ性とが両立しない。
と高周波焼入れ性に優れ、しかも高周波焼入れで粗粒化
することがないので、機械構造用部品、なかでも自動車
の足廻り部品である等速ジョイントなどの母材として利
用することができる。この機械構造用部品は、本発明の
方法によって比較的容易に製造することができる。
る。
Claims (4)
- 【請求項1】重量%で、C:0.40〜0.60%、S
i:0〜0.40%、Mn:0.10〜0.60%、
B:0.0005〜0.005%、Nb:0.005〜
0.05%、Al:0.015〜0.10%を含み、更
に、Pb:0〜0.30%、Bi:0〜0.10%、T
e:0〜0.10%を含有し、残部はFe及び不可避不
純物からなり、不純物中のPは0.015%以下、Sは
0.015%以下、Cuは0.10%以下、Niは0.
10%以下、Crは0.15%以下、Moは0.10%
以下、Nは0.005%以下、Oは0.005%以下で
ある高周波焼入れ性に優れた冷間加工用鋼。 - 【請求項2】重量%で、C:0.40〜0.60%、S
i:0〜0.40%、Mn:0.10〜0.60%、
B:0.0005〜0.005%、Nb:0.005〜
0.03%、Al:0.015〜0.10%を含有し、
残部はFe及び不可避不純物からなり、不純物中のPは
0.015%以下、Sは0.015%以下、Cuは0.
10%以下、Niは0.10%以下、Crは0.15%
以下、Moは0.10%以下、Nは0.005%以下、
Oは0.005%以下である高周波焼入れ性に優れた冷
間加工用鋼。 - 【請求項3】母材が請求項1又は2に記載の化学組成を
有し、球状化された炭化物と外周部に焼入れ硬化層を備
える機械構造用部品。 - 【請求項4】熱間加工後に球状化焼鈍された請求項1又
は2に記載の化学組成を有する鋼材を、冷間加工して所
定の形状に成形し、その後高周波焼入れすることを特徴
とする機械構造用部品の製造方法。
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