JPH07117853B2 - 搬送車制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、同一通信ステーションから搬送指令を受信
し走行する複数台の搬送車を制御する搬送車制御装置、
特に作業中の搬送車の作業が、通信ステーションで搬送
指令待ちしている搬送車によって中断される時間を短か
くすることができる搬送車制御装置の改良に関するもの
である。

〔従来の技術〕

第６図は従来の搬送車制御装置を示すシステム構成図で
あり、図中、（１）は搬送指令を作成するコントロー
ラ、（２）は複数台の搬送車（3a），（3b）に搬送指令
を与える通信ステーション、（４）は上記各搬送車（3
a），（3b）が走行する経路、（5a），（5b），（5
c），（5d），（5e），（5f）は各搬送車（3a），（3
b）が荷を積み降ろしするステーションである。

第７図は上記コントローラ（１）と各搬送車（3a），
（3b）とが通信ステーション（２）を介して通信を行な
う手順を示すもので、以下第７図を参照して従来の搬送
車制御装置の動作を説明する。

搬送車（3a），（3b）は、通信ステーション（２）に到
着すると、指令要求のリクエスト（６）をコントローラ
（１）に対して送信する。このリクエスト（６）を受信
したコントローラ（１）は、搬送作業有無の判断ステッ
プ（７）を実行し、作業があれば、経路データ（８）を
搬送車（3a），（3b）に対して送信する。搬送車（3
a），（3b）は、受信データ判断ステップ（９）を実行
し、受信データが経路データ（８）であれば走行処理ス
テップ（10）を実行し、経路データ（８）に従って作業
を行なう。

一方、上記判断ステップ（７）にて作業がないと判断さ
れた場合には、待ちコード（11）が搬送車（3a），（3
b）に対して送信される。搬送車（3a），（3b）は、受
信データ判断ステップ（９）を実行し、受信データが待
ちコード（11）であれば、再びリクエスト（６）を送信
し、以降経路データ（８）を受信するまで同じ処理を繰
返す。すなわち、経路データ（８）を受信するまで、搬
送車（3a），（3b）は通信ステーション（２）に停車し
つづけることになる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記のような従来の搬送車制御装置では、第１の搬送車
（3a）が経路データ（８）待ちで通信ステーション
（２）に停車している際に、第２の搬送車（3b）が、第
６のステーション（5f）から通信ステーション（２）を
通過して第１のステーション（5a）に搬送する作業を行
なっている場合、第１の搬送車（3a）が経路データ
（８）を受信して走行を開始するまで、第２の搬送車
（3b）が第１の搬送車（3a）の後方で待たされ、搬送効
率が悪いという問題がある。

この発明は、かかる問題点を解決するためになされたも
ので、作業中の搬送車が、通信ステーションで作業待ち
している搬送車によって作業が中断される時間を極力短
かくして搬送効率を向上させることができる搬送車制御
装置を得ることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明に係る搬送車制御装置は、複数の搬送車が走行
するループ状の経路と、上記経路に沿って設けられ上記
複数の搬送車のいずれかである到着した第１搬送車から
のリクエストの受信が可能であるとともにこの到着した
上記第１搬送車に搬送経路を示す経路データの送信が可
能な通信ステーションと、上記通信ステーションに到着
した上記第１搬送車の識別符号を読み取る第１の号車読
取り装置と、上記第１搬送車に後続する第２搬送車であ
って上記複数の搬送車のいずれかである第２搬送車の識
別符号を読み取る第２の号車読取り装置と、上記経路に
沿って設けられた複数の積み降ろしステーションと、上
記第１、第２搬送車の識別符号に対応させて上記経路デ
ータを記憶する記憶手段を有し上記通信ステーションに
到着した上記第１搬送車から上記通信ステーションに送
信されたリクエストにもとづき上記第１の号車読取り装
置から上記第１搬送車の識別符号を取り込みこの第１搬
送車の搬送作業があるか否かを判定し、搬送作業があれ
ば上記第１搬送車の経路データを上記記憶手段に記憶す
るとともに上記通信ステーションを介して上記第１搬送
車に送信し上記第１搬送車をこの経路データにより指定
された積み降ろしステーションに走行させ、搬送作業が
なければ上記第２搬送車の識別符号を上記第２の号車読
取り装置から取り込むとともにこの取り込まれた識別符
号に対応する経路データが上記記憶手段に書き込まれて
いるか否かを判定し、書き込まれていなければ上記第２
搬送車は搬送中でないものとして上記通信ステーション
を介して上記第１搬送車に待ちコードを送りそのまま待
たせ、書き込まれていれば上記第２搬送車は搬送中であ
るものとして上記第１搬送車を上記経路上の上記第２搬
送車の邪魔にならない位置に移動させるようにして空走
行させる指令を上記通信ステーションを介して上記第１
搬送車に送信するコントローラと、を備えるようにした
ものである。

〔作用〕

この発明における搬送車制御装置は、通信ステーション
に到着している第１搬送車の搬送作業があるか否かを判
定し、搬送作業がなければ後続する第２搬送車の識別符
号を第２の号車読取り装置により読み取るとともにこの
読み取られた識別符号に対応する経路データが記憶手段
に書き込まれているか否かを判定し、書き込まれていな
ければ第２搬送車は搬送中でないものとして通信ステー
ションを介して第１搬送車に待ちコードを送りそのまま
待たせ、書き込まれていれば第２搬送車は搬送中である
ものとして第１搬送車をループ状の経路上の第２搬送車
の邪魔にならない位置に移動するように空走行させる指
令が第１搬送車に送信される。

〔実施例〕

第１図は、この発明に係る搬送車制御装置の一実施例を
示す全体構成図である。この実施例は第１図からも明ら
かなように、複数台の各搬送車の識別符号およびこれに
対応する各搬送データをそれぞれ記憶する記憶手段（2
1）、および通信ステーション（２）にて搬送指令待ち
状態で停車している停車搬送車の識別符号および後続車
の識別符号をそれぞれ読取る符号読取り手段（22）を設
け、これら両手段（21），（22）からの信号を入力とす
る判別手段（23）により、上記後続車が搬送作業中であ
るか否かを判断し、後続車が搬送作業中である場合に
は、制御手段により上記停車搬送車に対し後続車に経路
を譲る指令を与えるように構成されている。

第２図は、この発明に係る搬送車制御装置を示すシステ
ム構成図であり、図中、第６図および第７図と同一符号
は同一又は相当部分を示す。

（12a），（12b），（12c），（12d），（12e），（12
f），（12g），（12h）は各搬送車（3a），（3b）の識
別符号としての号車ナンバーをそれぞれ読取る号車読取
り装置で、第３図に示すように投光部と受光部とからな
る光センサ（13a），（13b），（13c）を備え、搬送車
（3a），（3b）の側面に取付けられた反射板（14）に投
光した光を受光して号車ナンバーを読取るようになって
いる。

第４図は、第１図に示す記憶手段（21）の構成を示すも
ので、各搬送車（3a），（3b）の識別符号としての号車
ナンバーを記憶する号車ナンバー欄（15）と、これに対
応する各搬送データとしての搬送先ステーションナンバ
ーを記憶する搬送先ステーション欄（16）とからなる搬
送先テーブルで構成されている。

第５図は、コントローラ（１）と各搬送車（3a），（3
b）とが通信ステーション（２）を介して通信を行なう
手順を示す説明図であり、以下これを参照して動作を説
明する。

第２図に示すように、一方の搬送車（3a）が通信ステー
ション（２）に到着すると、この搬送車（3a）からコン
トローラ（１）に対してリクエスト（６）が送信され
る。リクエスト（６）を受信したコントローラ（１）
は、号車読取りステップ（17）を実行し、第２図に示す
号車読取り装置（12h）から号車ナンバーを入力する。

次いで、搬送作業有無の判断ステップ（18）を実行し、
搬送車（3a）の搬送作業の有無を確認する。そして作業
があれば、経路データ（８）を搬送車（3a）に対し送信
するとともに、記憶手段（21）にこの経路データ（８）
を記憶する。具体的には、第４図に示す搬送先テーブル
の搬送車（3a）に関する搬送先ステーション欄（16）に
ステーションナンバーを書込む。

上記判断ステップ（18）で作業がないと判断された場合
には、後続車（3b）の号車読取りステップ（19）を実行
し、第２図に示す号車読取り装置（12g）から号車ナン
バーを入力する。

次いで、後続車（3b）の作業中の判断ステップ（20）を
実行し、後続車（3b）が搬送作業中であるか否かを判断
する。具体的には、第４図に示す搬送先テーブルの後続
車（3b）に関する搬送先ステーション欄（16）にステー
ションナンバーが書込まれているか否かを判断する。そ
して書込まれている場合には、搬送車（3a）に対し搬送
作業の伴なわない走行だけの経路データ（８′）を送信
し、後続車（3b）の走行の邪魔にならないようにすると
ともに、搬送先ステーション欄（16）にステーションナ
ンバーが書込まれていない場合には、搬送車（3a）に対
し待ちコード（11）を送信する。

一方、搬送車（3a）は、受信データ判断ステップ（９）
を実行し、受信データが経路データ（８），（８′）で
あれば、走行処理ステップ（10）を実行し、経路データ
（８），（８′）に従って作業を行なう。また受信デー
タが待ちコード（11）である場合には、再びリクエスト
（６）を送信し、以降経路データ（８）を受信するまで
同じ処理を繰返す。

しかして、後続車（3b）が搬送作業中である場合に、搬
送車（3a）を空走行させるようにしているので、後続車
（3b）が搬送車（3a）によって作業が中断される時間が
短かくなり、搬送効率のよい搬送車制御装置が得られ
る。

〔発明の効果〕

この発明は以上に説明したように、通信ステーションに
到着している第１搬送車の搬送作業があるか否かを判定
し、搬送作業がなければ後続する第２搬送車の識別符号
を第２の号車読取り装置により読み取るとともにこの読
み取られた識別符号に対応する経路データが記憶手段に
書き込まれているか否かを判定し、書き込まれていなけ
れば第２搬送車は搬送中でないものとして通信ステーシ
ョンを介して第１搬送車に待ちコードを送りそのまま待
たせ、書き込まれていれば第２搬送車は搬送中であるも
のとして第１搬送車をループ状の経路上の第２搬送車の
邪魔にならない位置に移動するように空走行させる指令
が第１搬送車に送信されるので、先行する搬送車が通信
ステーションで搬送指令待ちになっているために生じる
搬送中断時間を短縮でき搬送効率を向上できる効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す搬送車制御装置の全
体構成図、第２図は同様のシステム構成図、第３図は号
車読取り装置の構成図、第４図は搬送先テーブルの構成
図、第５図はこの発明の通信手順を示す説明図、第６図
は従来の搬送車制御装置を示す第２図相当図、第７図は
同様の第５図相当図である。 （１）……コントローラ、（２）……通信ステーショ
ン、（3a），（3b）……搬送車、（21）……記憶手段、
（22）……符号読取り手段、（23）……判別手段、（2
4）……制御手段。 なお各図中、同一符号は同一又は相当部分を示すものと
する。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の搬送車が走行するループ状の経路
   と、上記経路に沿って設けられ上記複数の搬送車のいず
   れかである到着した第１搬送車からのリクエストの受信
   が可能であるとともにこの到着した上記第１搬送車に搬
   送経路を示す経路データの送信が可能な通信ステーショ
   ンと、上記通信ステーションに到着した上記第１搬送車
   の識別符号を読み取る第１の号車読取り装置と、上記第
   １搬送車に後続する第２搬送車であって上記複数の搬送
   車のいずれかである第２搬送車の識別符号を読み取る第
   ２の号車読取り装置と、上記経路に沿って設けられた複
   数の積み降ろしステーションと、上記第１、第２搬送車
   の識別符号に対応させて上記経路データを記憶する記憶
   手段を有し上記通信ステーションに到着した上記第１搬
   送車から上記通信ステーションに送信されたリクエスト
   にもとづき上記第１の号車読取り装置から上記第１搬送
   車の識別符号を取り込みこの第１搬送車の搬送作業があ
   るか否かを判定し、搬送作業があれば上記第１搬送車の
   経路データを上記記憶手段に記憶するとともに上記通信
   ステーションを介して上記第１搬送車に送信し上記第１
   搬送車をこの経路データにより指定された積み降ろしス
   テーションに走行させ、搬送作業がなければ上記第２搬
   送車の識別符号を上記第２の号車読取り装置から取り込
   むとともにこの取り込まれた識別符号に対応する経路デ
   ータが上記記憶手段に書き込まれているか否かを判定
   し、書き込まれていなければ上記第２搬送車は搬送中で
   ないものとして上記通信ステーションを介して上記第１
   搬送車に待ちコードを送りそのまま待たせ、書き込まれ
   ていれば上記第２搬送車は搬送中であるものとして上記
   第１搬送車を上記経路上の上記第２搬送車の邪魔になら
   ない位置に移動させるようにして空走行させる指令を上
   記通信ステーションを介して上記第１搬送車に送信する
   コントローラと、を備えた搬送車制御装置。