JPH07116402B2 - コイル固着に好適なエポキシ樹脂粉体塗料 - Google Patents

コイル固着に好適なエポキシ樹脂粉体塗料

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JPH07116402B2
JPH07116402B2 JP62026770A JP2677087A JPH07116402B2 JP H07116402 B2 JPH07116402 B2 JP H07116402B2 JP 62026770 A JP62026770 A JP 62026770A JP 2677087 A JP2677087 A JP 2677087A JP H07116402 B2 JPH07116402 B2 JP H07116402B2
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epoxy resin
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resin powder
powder
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勝治 北川
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、モータや発電機における固定子コイル(ステ
ータコイル)や回転子コイル(アーマチュアコイル)の
固着に好適なエポキシ樹脂粉体塗料に関するものであ
る。
〔従来技術〕
従来、エポキシ樹脂に対して硬化剤としてカルボン酸無
水物を配合したエポキシ樹脂粉体塗料は知られている
(例えば、特開昭60-243168号公報、特開昭61-89271号
公報)。このカルボン酸無水物を硬化剤とするエポキシ
樹脂粉体塗料は、本来耐熱性と機械的強度にすぐれた塗
膜を与え、電気・電子部品に対する絶縁塗料として用い
られているが、吸湿性が強いために、空気中の水分を吸
湿し、貯蔵安定性が悪くなると共に、硬化速度が低下す
るという問題がある。
〔目的〕
本発明は、従来のエポキシ樹脂粉体塗料に見られる前記
問題を解決することを目的とする。
〔構成〕
本発明によれば、ビスフェノール型エポキシ樹脂とノボ
ラック型多官能エポキシ樹脂を含む混合エポキシ樹脂
と、ジシアンジアミドとイミダゾール類・トリメリテー
トとからなる硬化剤と、充填剤とからなるコイル固着に
好適なエポキシ樹脂粉体塗料が提供される。
本発明で用いるエポキシ樹脂には、ビスフェノール型エ
ポキシ樹脂とノボラック型多官能エポキシ樹脂が必須樹
脂成分として含まれる。ビスフェノール型エポキシ樹脂
には、ビスフェノールA型及びF型があり、好ましくは
ビスフェノールA型である。ノボラック型多官能エポキ
シ樹脂には、例えば、オルソクレゾールノボラック型、
フェノールノボラック型等のエポキシ樹脂が含まれる。
分子内に3個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ
樹脂の中でもノボラック型エポキシ樹脂は溶融粘度が低
いので充填剤を多く配合しても得られた粉体塗料の溶融
流れ性がよく、粉体の流動性もよいので好ましい。使用
するエポキシ樹脂100重量部のうち、前記ノボラック型
多官能エポキシ樹脂は、35〜85重量部、好ましくは50〜
75重量部の割合で用いられる。また、ビスフェノール型
エポキシ樹脂の平均分子量は、1200〜3000、好ましくは
1300〜2600であり、このような平均分子量を持つビスフ
ェノール型エポキシ樹脂は、平均分子量900〜3000、好
ましくは1300〜1700のものと、平均分子量2000〜4000、
好ましくは2400〜3000のものを混合して調製すればでき
た粉体塗料の流動性がよく、溶融流れ性もよいので好ま
しい。
本発明においては、硬化剤としてジシアンジアミドとイ
ミダゾール類・トリメリテートの組合せを用いる。この
場合、イミダゾール類・トリメリテートは次式で表わさ
れる。
前記式中、R1はアルキル基又はアリール基であるが、貯
蔵安定性の面で特にフェニル基が好ましい。R2はシアノ
エチル基、ビニル基、フェニル基であり、好ましくはシ
アノエチル基である。
本発明で用いる硬化剤は、前記のようにジシアンジアミ
ドとイミダゾール類・トリメリテートとの組合せを用い
ることが重要である。ジシアンジアミドのみの使用では
粉体塗料の硬化速度が遅すぎ、一方、イミダゾール類・
トリメリテートのみの使用では、逆に粉体塗料の硬化速
度が速すぎる。両者の併用により、前記エポキシ樹脂に
対して、好ましい硬化速度を示す硬化剤を得ることがで
きる。また、両者の併用により、接着力の向上した粉体
塗料を得ることができる。ジシアンジアミドとイミダゾ
ール類・トリメリテートとの使用割合は、両者の合計重
量に対してジシアンジアミドが5〜70重量%、好ましく
は10〜60重量%とりわけ好ましくは10〜40重量%であ
る。また、全硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂100重量
部に対し4〜15重量部、好ましくは6〜9重量部の割合
である。
本発明の粉体塗料には、充填剤が配合されるが、この充
填剤としては、慣用のもの、例えば、シリカ、炭酸カル
シウム、ウォラストナイト(針状のケイ酸カルシウ
ム)、アルミナ、クレー、マイカ、タルク、ガラス繊維
粉末、炭素繊維粉末等が用いられる。高温で長時間使用
した時の衝撃強度(高温衝撃強度)の劣化の少ない粉体
塗料を得るには、ウォラストナイトのような針状充填剤
やマイカのようなりん片状充填剤を用いるのが好まし
い。炭酸カルシウムのような粒状充填剤のみの使用で
は、高温衝撃強度の良好な粉体塗料を得ることは困難で
あるが、針状やりん片状の充填剤を併用又は単独で、好
ましくは併用して用いることにより、このような困難な
解消される。充填剤の使用割合は、エポキシ樹脂100重
量部に対し、30〜200重量部、好ましくは40〜150重量部
の割合である。また、針状又はりん片状充填剤の使用割
合は、全充填剤中、20〜100重量%、好ましくは30〜80
重量%である。
本発明の粉体塗料には、前記成分の他、この種粉体塗料
に慣用の補助成分、例えば、アクリル酸エステルオリゴ
マー等のレベリング剤、顔料、各種硬化促進剤等を適量
配合することができる。
本発明のエポキシ樹脂粉体塗料を調製するには、通常の
方法を用いればよく、例えば、配合成分をミキサー等に
よって混合した後、ニーダ等による混合処理を施すか、
エクストルーダ等による溶融混合処理を施した後、混合
物を冷却固化し、微粉砕すればよい。
〔効果〕
本発明のエポキシ樹脂粉体塗料は、電気・電子機器及び
部品の絶縁用粉体塗料、殊に、モータや発電機における
固定子コイルや回転子コイルの固着用粉体塗料として好
適である。回転子コイルは、その回転の際に高温に上昇
すると共に、遠心力や振動を受け、コイルがバラバラに
なって飛び出す傾向があり、耐熱性のよい樹脂によって
コイル全体を強く固着することが必要である。従来のカ
ルボン酸無水物を硬化剤とするエポキシ樹脂粉体塗料で
は、吸湿性が強く、その吸湿により耐熱性及び機械的強
度にすぐれた安定性塗膜を得ることが困難で、コイル固
着用粉体塗料としては不満足のものであったが、本発明
の粉体塗料では吸湿性が少く、耐熱性及び機械的強度に
すぐれた安定性塗膜を得ることができ、コイル固着用粉
体塗料として好適のものである。
〔実施例〕
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例 表−1に示す成分組成(重量部)のエポキシ樹脂粉体塗
料を調製し、その粉体塗料の性能評価を行った。その性
能評価結果を表−1に示す。
なお、表−1に示した配合成分は次の内容を有する。
エピコート1007:油化シェルエポキシ社製、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、分子量2900) エピコート1004:油化シェルエポキシ社製、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、分子量1600) エピコート1002:油化シェルエポキシ社製、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、分子量1260) EPPN 201:日本化薬社製、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂、軟化点65℃) EOCN 104:日本化薬社製、オルトクレゾールノボラック
型エポキシ樹脂、軟化点95℃) レベリング剤:アクリル酸エステルオリゴマー 硬化剤A:ジシアンジアミド 硬化剤B:1−シアノエチル2−フェニルイミダゾール・
トリメリテート (R1:フェニル、R2:シアノエチル) BTDA:ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物また、粉
体塗料の性能評価の方法及び評価基準は以下の通りであ
る。
(1)衝撃強さ 試験塗装物の製作;1辺60mm、厚さ3.2mmの軟鋼板の上を
粉体塗料で塗装し、加熱硬化して膜厚約0.3mmの塗膜を
形成した。
測定;デュポン式衝撃試験機によって次のように測定し
た。上記試験塗装物を先端が曲率半径1/4インチの半球
状の撃心とその撃心に対応した位置に曲率半径約1/4イ
ンチの半球状の穴を有する台との間に装着し、上記撃心
の上に1kgの荷重を落下させて試験塗装物を凹状に変形
させ、変形部分の塗膜が割れて剥れるときの荷重の落下
距離を測定した。この値が240mm以上のものは衝撃強さ
が良と判定した。
(2)耐熱性 10mm直径の軟鋼丸棒に約0.3mmの厚さに粉体塗装し、こ
れに裸銅線をかけ、500gの荷重を吊す。試料と裸銅線間
は100Vの電圧を印加し、かつ、印加電圧を通してブザー
もしくはランプ作動回路を形成する。試料は炉中にて3
℃/分の昇温速度で温度をあげ、塗膜が荷重付の裸銅線
の力によって破断してブザーもしくはランプがついた時
の温度を測定し、その値が420℃以上であれば耐熱性良
と判定した。
(3)ゲルタイム(秒) JIS C-2104により、熱板温度200℃で測定した。
ゲルタイム(a):製造直後の粉体塗料について測定し
たもの。
ゲルタイム(b):製造した粉体塗料を40℃、相対湿度
80%の恒温恒湿室の中に7日間貯蔵したものについて測
定したもの。
(4)流れ性 試験錠剤の製造;粉体塗料0.5gを直径13mmの円筒状の金
型に入れ、20kg/cm2の圧力をかけて直径13mm、厚さTmm
の錠剤を製造した。
測定;この錠剤を45°に傾斜した150℃の鋼板上に乗せ
て溶融させ、傾斜面に沿ってその溶融物を流動させる。
それは短時間のうちにゲル化がはじまり固化するので固
化後(20〜30分後)その固化物の傾斜方向の長さ(Fm
m)を測定し、次式によって流れ性を求めた。
(5)貯蔵安定性 粉体塗料を40℃、相対湿度80%の恒温恒湿室の中に7日
間貯蔵したときに、このゲルタイムを上記と同じ方法で
測定し、その値が貯蔵前の値の60%以上であれば貯蔵安
定性が良と判定した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−166825(JP,A) 特開 昭61−55113(JP,A) 特開 昭58−113267(JP,A) 特開 昭60−202117(JP,A) 垣内弘編著「新エポキシ樹脂」昭晃堂発 行、昭和60年、第221〜223頁

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビスフェノール型エポキシ樹脂とノボラッ
    ク型多官能エポキシ樹脂を含む混合エポキシ樹脂と、ジ
    シアンジアミドとイミダゾール類・トリメリテートとか
    らなる硬化剤と、充填剤とからなるコイル固着に好適な
    エポキシ樹脂粉体塗料。
JP62026770A 1987-02-07 1987-02-07 コイル固着に好適なエポキシ樹脂粉体塗料 Expired - Lifetime JPH07116402B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62026770A JPH07116402B2 (ja) 1987-02-07 1987-02-07 コイル固着に好適なエポキシ樹脂粉体塗料
US07/764,101 US5153239A (en) 1987-02-07 1991-09-05 Epoxy resin powder coating containing imidazole trimellitates

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JP62026770A JPH07116402B2 (ja) 1987-02-07 1987-02-07 コイル固着に好適なエポキシ樹脂粉体塗料

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JPS63193969A JPS63193969A (ja) 1988-08-11
JPH07116402B2 true JPH07116402B2 (ja) 1995-12-13

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垣内弘編著「新エポキシ樹脂」昭晃堂発行、昭和60年、第221〜223頁

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