JPH07116282B2 - 繊維用改質ポリエステル - Google Patents
繊維用改質ポリエステルInfo
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- JPH07116282B2 JPH07116282B2 JP61193381A JP19338186A JPH07116282B2 JP H07116282 B2 JPH07116282 B2 JP H07116282B2 JP 61193381 A JP61193381 A JP 61193381A JP 19338186 A JP19338186 A JP 19338186A JP H07116282 B2 JPH07116282 B2 JP H07116282B2
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- JP
- Japan
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- polyester
- sodium sulfoisophthalic
- sulfoisophthalic acid
- chlorophenol
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- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は塩基性染料可染型の改良されたポリエステルに
関する。更に詳しくは高強度で耐アルカリ性に優れ、染
色性が良好で製糸工程通過性に優れ、仮ヨリ加工時の毛
羽発生の少ない塩基性染料可染型の改質ポリエステル繊
維を提供できる改質ポリエステルに関するものである。
関する。更に詳しくは高強度で耐アルカリ性に優れ、染
色性が良好で製糸工程通過性に優れ、仮ヨリ加工時の毛
羽発生の少ない塩基性染料可染型の改質ポリエステル繊
維を提供できる改質ポリエステルに関するものである。
[従来の技術] 従来から、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を共重合
した塩基性染料可染型ポリエステルは知られている(例
えば特公昭34−10497号公報)。しかしながら、この方
法で得られたポリエステルはエステル交換反応および重
縮合反応工程で生成するジエチレングリコールを多量に
含有しており、そのためこのポリエステルは機械的特
性、耐熱安定性などが著しく低下する。この耐熱安定性
を改善するために、特開昭53−74595号公報においては
アルカリ金属のカルボン酸塩を添加することが提案され
ている。しかしながら、本発明者らの検討によればアル
カリ金属のカルボン酸塩を添加した得られるポリエステ
ルのジエチレングリコール含有量は減少し、耐熱安定性
は改善されるものの、エステル交換反応および重縮合反
応工程で該金属と5−ナトリウムスルホイソフタル酸と
が反応したo−クロルフェノールに不溶性の粒子を多量
に含有しており、そのため製糸工程において紡糸時のパ
ック内圧上昇が大きく、紡糸、延伸時の糸切れの多発、
仮ヨリ加工時の毛羽発生が多く実用上問題が多い。従
来、このような不溶性の粒子の生成は共重合する5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸成分とアルカリまたはアル
カリ土類金属のカルボン酸塩の添加量が多い程発生しや
すいと考えられてきた。そこで、ポリエステルの染色性
を向上させるために5−ナトリウムスルホイソフタル酸
成分を3.5モル%以上と多量に共重合した際の製糸工程
における紡糸時のパック内圧上昇、紡糸、延伸時の糸切
れ、仮ヨリ加工時の毛羽発生を改善するため、特開昭58
−138731においては5−ナトリウムスルホイソフタル酸
に対してアルカリ金属化合物とリン化合物の添加比率を
規定すること、特開昭59−98130号公報においては異な
った5−金属スルホイソフタル酸の混合物を用いること
が提案されている。しかしながら、本発明者らの検討に
よれば5−ナトリウムスルホイソフタル酸の共重合量が
2.0モル%以下の場合でもo−クロルフェノールに不溶
性の粒子が多量に発生し、この場合の不溶性粒子は上記
の特開昭58−138731号公報や特開昭59−98130号公報の
方法では解消できないことがわかった。この場合の不溶
性粒子の生成原因について鋭意検討した結果、共重合し
たポリマ鎖中の5−ナトリウムスルホイソフタル酸共重
合成分が少なくなると、アルカリ金属化合物と反応した
5−ナトリウムスルホイソフタル酸のモノまたはジカル
ボン酸金属塩からなる構成成分は5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸成分との親和性が小さくなり、アルカリ金
属と反応した5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分の
共重合ポリエステル中への溶解度が低下し、その結果o
−クロルフェノールに不溶性の5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸成分が含有された粒子が多量に生成し、更に
はエステル交換反応開始時のジメチルテレフタレートと
5−ナトリウムスルホイソフタル酸に対するエチレング
リコールを主成分とするグリコールのモル比が低いた
め、アルカリ金属化合物と反応し析出して得られるo−
クロルフェノールに不溶性の5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸成分を含有する粒子が粗くなり前記欠点は改善
されないことがわかった。
した塩基性染料可染型ポリエステルは知られている(例
えば特公昭34−10497号公報)。しかしながら、この方
法で得られたポリエステルはエステル交換反応および重
縮合反応工程で生成するジエチレングリコールを多量に
含有しており、そのためこのポリエステルは機械的特
性、耐熱安定性などが著しく低下する。この耐熱安定性
を改善するために、特開昭53−74595号公報においては
アルカリ金属のカルボン酸塩を添加することが提案され
ている。しかしながら、本発明者らの検討によればアル
カリ金属のカルボン酸塩を添加した得られるポリエステ
ルのジエチレングリコール含有量は減少し、耐熱安定性
は改善されるものの、エステル交換反応および重縮合反
応工程で該金属と5−ナトリウムスルホイソフタル酸と
が反応したo−クロルフェノールに不溶性の粒子を多量
に含有しており、そのため製糸工程において紡糸時のパ
ック内圧上昇が大きく、紡糸、延伸時の糸切れの多発、
仮ヨリ加工時の毛羽発生が多く実用上問題が多い。従
来、このような不溶性の粒子の生成は共重合する5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸成分とアルカリまたはアル
カリ土類金属のカルボン酸塩の添加量が多い程発生しや
すいと考えられてきた。そこで、ポリエステルの染色性
を向上させるために5−ナトリウムスルホイソフタル酸
成分を3.5モル%以上と多量に共重合した際の製糸工程
における紡糸時のパック内圧上昇、紡糸、延伸時の糸切
れ、仮ヨリ加工時の毛羽発生を改善するため、特開昭58
−138731においては5−ナトリウムスルホイソフタル酸
に対してアルカリ金属化合物とリン化合物の添加比率を
規定すること、特開昭59−98130号公報においては異な
った5−金属スルホイソフタル酸の混合物を用いること
が提案されている。しかしながら、本発明者らの検討に
よれば5−ナトリウムスルホイソフタル酸の共重合量が
2.0モル%以下の場合でもo−クロルフェノールに不溶
性の粒子が多量に発生し、この場合の不溶性粒子は上記
の特開昭58−138731号公報や特開昭59−98130号公報の
方法では解消できないことがわかった。この場合の不溶
性粒子の生成原因について鋭意検討した結果、共重合し
たポリマ鎖中の5−ナトリウムスルホイソフタル酸共重
合成分が少なくなると、アルカリ金属化合物と反応した
5−ナトリウムスルホイソフタル酸のモノまたはジカル
ボン酸金属塩からなる構成成分は5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸成分との親和性が小さくなり、アルカリ金
属と反応した5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分の
共重合ポリエステル中への溶解度が低下し、その結果o
−クロルフェノールに不溶性の5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸成分が含有された粒子が多量に生成し、更に
はエステル交換反応開始時のジメチルテレフタレートと
5−ナトリウムスルホイソフタル酸に対するエチレング
リコールを主成分とするグリコールのモル比が低いた
め、アルカリ金属化合物と反応し析出して得られるo−
クロルフェノールに不溶性の5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸成分を含有する粒子が粗くなり前記欠点は改善
されないことがわかった。
以上述べた如く工業的に優れた製糸性を有する5−ナト
リウムスルホイソフタル酸成分を1.3〜2.0モル%共重合
したポリエステルはいまだ得られていないのが実状であ
る。
リウムスルホイソフタル酸成分を1.3〜2.0モル%共重合
したポリエステルはいまだ得られていないのが実状であ
る。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、前記問題点の解
決、すなわちパック内圧の上昇が小さく、紡糸、延伸時
の糸切れが少なく、さらに仮撚加工時の毛羽発生が少な
く糸強度の高く耐アルカリ性に優れた繊維を得ることの
できる改質ポリエステルの発明に到達したものである。
決、すなわちパック内圧の上昇が小さく、紡糸、延伸時
の糸切れが少なく、さらに仮撚加工時の毛羽発生が少な
く糸強度の高く耐アルカリ性に優れた繊維を得ることの
できる改質ポリエステルの発明に到達したものである。
すなわち、本発明の目的はアルカリ金属又はアルカリ土
類金属の酢酸塩や炭酸塩と5ナトリウムホイソフタル酸
が反応して生成するo−クロルフェノール不溶性成分中
の5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分が少なく、ま
た際粒化された粒子を含む改質ポリエステルの提供であ
る。
類金属の酢酸塩や炭酸塩と5ナトリウムホイソフタル酸
が反応して生成するo−クロルフェノール不溶性成分中
の5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分が少なく、ま
た際粒化された粒子を含む改質ポリエステルの提供であ
る。
[発明の構成] 本発明の前記目的は ジカルボン酸成分として5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸を1.3〜2.0モル%共重合し、グリコール成分として
分子量600〜4000のポリアルキレングリコールを0.5〜2.
0重量%共重合した、エチレンテレフタレートを主たる
繰り返し単位とするポリエステルであって、該ポリエス
テルがリチウム元素又はアルカリ土類金属を金属元素と
して0.01〜0.025重量%含有し、かつ該ポリエステルを1
30℃のo−クロルフェノールに溶解した際の不溶性粒子
中に5−ナトリウムスルホイソフタル酸を5−ナトリウ
ムイソフタル酸として10〜500ppm(対ポリマ)含有した
粒径1μm以下の不溶性粒子を含むことを特徴とする繊
維用改質ポリエステルによって達成できる。
ル酸を1.3〜2.0モル%共重合し、グリコール成分として
分子量600〜4000のポリアルキレングリコールを0.5〜2.
0重量%共重合した、エチレンテレフタレートを主たる
繰り返し単位とするポリエステルであって、該ポリエス
テルがリチウム元素又はアルカリ土類金属を金属元素と
して0.01〜0.025重量%含有し、かつ該ポリエステルを1
30℃のo−クロルフェノールに溶解した際の不溶性粒子
中に5−ナトリウムスルホイソフタル酸を5−ナトリウ
ムイソフタル酸として10〜500ppm(対ポリマ)含有した
粒径1μm以下の不溶性粒子を含むことを特徴とする繊
維用改質ポリエステルによって達成できる。
5−ナトリウムスルホイフタル酸の共重合量はポリエス
テルに対して1.3〜2.0モル%であり、更には1.5〜1.8モ
ル%の共重合量が好ましい。5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸が1.3モル%より少ないと繊維として染色する
際に染色温度をあげても満足できる染色性が得られな
い。
テルに対して1.3〜2.0モル%であり、更には1.5〜1.8モ
ル%の共重合量が好ましい。5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸が1.3モル%より少ないと繊維として染色する
際に染色温度をあげても満足できる染色性が得られな
い。
一方、5−ナトリウムスルホイソフタル酸が2.0モル%
より多くなると5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分
が増粘作用を示し、このため高強力糸を得る場合、紡糸
時に溶融ポリマが高粘性化するので通常の溶融紡糸が困
難になる。
より多くなると5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分
が増粘作用を示し、このため高強力糸を得る場合、紡糸
時に溶融ポリマが高粘性化するので通常の溶融紡糸が困
難になる。
また、本発明の改質ポリエステルはポリアルキレングリ
コール、特に好ましくはポリエチレングリコールが共重
合されている必要がある。ポリアルキレングリコールを
共重合することによりポリエステルの溶融時に減粘効果
を発揮するため、高重合度のポリマが得られ、そのため
高強力糸が得られる。ポリアルキレングリコールの分子
量は600〜4000であることが必要である。分子量が600未
満では十分な減粘効果を発揮させるためには多量の使用
が必要になるので得られるポリエステルの耐熱性が低下
する傾向にあり、分子量が4000を越える他ポリエステル
に共重合され難くなるので減粘効果がなくなる傾向にあ
る。また共重合量はポリエステルに対し0.5〜2.0重量%
が必要である。0.5重量%未満では減粘効果が十分でな
くなり、2.0重量%を越えるとポリエステルの耐熱性が
低下する傾向にある。
コール、特に好ましくはポリエチレングリコールが共重
合されている必要がある。ポリアルキレングリコールを
共重合することによりポリエステルの溶融時に減粘効果
を発揮するため、高重合度のポリマが得られ、そのため
高強力糸が得られる。ポリアルキレングリコールの分子
量は600〜4000であることが必要である。分子量が600未
満では十分な減粘効果を発揮させるためには多量の使用
が必要になるので得られるポリエステルの耐熱性が低下
する傾向にあり、分子量が4000を越える他ポリエステル
に共重合され難くなるので減粘効果がなくなる傾向にあ
る。また共重合量はポリエステルに対し0.5〜2.0重量%
が必要である。0.5重量%未満では減粘効果が十分でな
くなり、2.0重量%を越えるとポリエステルの耐熱性が
低下する傾向にある。
また、本発明の改質ポリエステルはエチレンテレフタレ
ートを主たる構成成分であり、金属スルホネート基を有
するエチレンイソフタレート以外の構成単位を含んでい
てもよく、具体的にはイソフタル酸、ナフタレン−2,6
−ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン
酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、p−オキシ
安息香酸、p−β−オキシエトキシ安息香酸などのオキ
シカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環
式ジカルボン酸、1,4−ブタンジオール、ネオペンチル
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、テトラエチレングリコールなどの脂肪族ジオー
ル、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式ジオール
など共重合成分を用いることができる。
ートを主たる構成成分であり、金属スルホネート基を有
するエチレンイソフタレート以外の構成単位を含んでい
てもよく、具体的にはイソフタル酸、ナフタレン−2,6
−ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン
酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、p−オキシ
安息香酸、p−β−オキシエトキシ安息香酸などのオキ
シカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環
式ジカルボン酸、1,4−ブタンジオール、ネオペンチル
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、テトラエチレングリコールなどの脂肪族ジオー
ル、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式ジオール
など共重合成分を用いることができる。
本発明の改質ポリエステルはアルカリ金属又はアルカリ
土類金属の酢酸塩や炭酸塩と5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸が反応して生成したo−クロルフェノールに不
溶性の粒子を含有している必要がある。該不溶性粒子は
5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分を5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸として10〜500ppm(対ポリマ)含
有している必要がある。更には100〜3500ppmであること
が好ましい。o−クロルフェノールに不溶性の有機塩系
不溶性粒子中の5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分
が500ppmより多くなると、例えば製糸工程に於いてパッ
ク内圧上昇が大きくなり、更には紡糸時の糸切れの多
発、仮撚加工時の毛羽発生が多くなり好ましくない。o
−クロルフェノールに不溶性物質中の5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸成分が10ppmより少ないと製糸性が悪
くなり好ましくない。o−クロルフェノールに不溶性の
5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分の粒径はパック
内圧上昇、紡糸、延伸時の糸切れ、仮撚加工時の毛羽発
生面から1.0μ以下が好ましい。1.0μより大きくなると
パック内圧上昇、紡糸、延伸時の糸切れ発生、仮撚加工
時の毛羽が多発して好ましくない。
土類金属の酢酸塩や炭酸塩と5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸が反応して生成したo−クロルフェノールに不
溶性の粒子を含有している必要がある。該不溶性粒子は
5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分を5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸として10〜500ppm(対ポリマ)含
有している必要がある。更には100〜3500ppmであること
が好ましい。o−クロルフェノールに不溶性の有機塩系
不溶性粒子中の5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分
が500ppmより多くなると、例えば製糸工程に於いてパッ
ク内圧上昇が大きくなり、更には紡糸時の糸切れの多
発、仮撚加工時の毛羽発生が多くなり好ましくない。o
−クロルフェノールに不溶性物質中の5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸成分が10ppmより少ないと製糸性が悪
くなり好ましくない。o−クロルフェノールに不溶性の
5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分の粒径はパック
内圧上昇、紡糸、延伸時の糸切れ、仮撚加工時の毛羽発
生面から1.0μ以下が好ましい。1.0μより大きくなると
パック内圧上昇、紡糸、延伸時の糸切れ発生、仮撚加工
時の毛羽が多発して好ましくない。
本発明の改質ポリエステルは具体的には例えば以下に示
す方法によって製造できる。
す方法によって製造できる。
ジメチルテレフタレートおよびエチレングリコールを主
原料として、5−ナトリウムスルホイソフタル酸および
ポリアルキレングリコールを共重合したポリエステルを
製造するに際して、ジメチルテレフタレートと5−ナト
リウムスルホイソフタル酸に対してポリアルキレングリ
コール成分を除くエチレングリコールを主成分とするグ
リコールを2.4倍モル以上添加し、更に通常用いられる
エステル交換反応触媒であるアルカリ金属およびアルカ
リ土類金属のカルボン酸塩を加え常法に従ってエステル
交換反応を行なう。
原料として、5−ナトリウムスルホイソフタル酸および
ポリアルキレングリコールを共重合したポリエステルを
製造するに際して、ジメチルテレフタレートと5−ナト
リウムスルホイソフタル酸に対してポリアルキレングリ
コール成分を除くエチレングリコールを主成分とするグ
リコールを2.4倍モル以上添加し、更に通常用いられる
エステル交換反応触媒であるアルカリ金属およびアルカ
リ土類金属のカルボン酸塩を加え常法に従ってエステル
交換反応を行なう。
前記のグリコールモル比が2.4未満であると5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸とエチレングリコールの反応性
が低下し、o−クロルフェノールに不溶性物質中の5−
ナトリウムスルホイソフタル酸成分が500ppmを越え、ま
た不溶性物質の粒径が大きくなりそのため紡糸時のパッ
ク内圧が上昇、紡糸、延伸時の糸切れ発生、仮撚加工時
の毛羽の発生が多発する。また前記モル比が3.8モルよ
り大きくなるとポリエステルの製造工程においてジエチ
レングリコールの副生量が多くなり、得られた改質ポリ
エステルの機械的特性、耐熱安定性などが低下するので
好ましくない。
ウムスルホイソフタル酸とエチレングリコールの反応性
が低下し、o−クロルフェノールに不溶性物質中の5−
ナトリウムスルホイソフタル酸成分が500ppmを越え、ま
た不溶性物質の粒径が大きくなりそのため紡糸時のパッ
ク内圧が上昇、紡糸、延伸時の糸切れ発生、仮撚加工時
の毛羽の発生が多発する。また前記モル比が3.8モルよ
り大きくなるとポリエステルの製造工程においてジエチ
レングリコールの副生量が多くなり、得られた改質ポリ
エステルの機械的特性、耐熱安定性などが低下するので
好ましくない。
この際、ポリアルキレングリコールはエステル交換反応
前またはエステル化反応開始前から重縮合完結までの任
意の間に添加することができるが、エステル交換反応終
了後、重縮合反応開始前が好ましい。エステル交換反応
終了後、重縮合触媒として三酸化アンチモン、安定剤と
してリン化合物および必要に応じて艶消剤を添加後重合
缶に移行する。次いで常法に従って重縮合し、ポリエス
テルのチップを得る。更に得られたポリマをプレフィル
ターを通して過してもよい。
前またはエステル化反応開始前から重縮合完結までの任
意の間に添加することができるが、エステル交換反応終
了後、重縮合反応開始前が好ましい。エステル交換反応
終了後、重縮合触媒として三酸化アンチモン、安定剤と
してリン化合物および必要に応じて艶消剤を添加後重合
缶に移行する。次いで常法に従って重縮合し、ポリエス
テルのチップを得る。更に得られたポリマをプレフィル
ターを通して過してもよい。
また本発明においてその他通常の重合触媒、着色防止
剤、酸化分解防止剤など含有してもよい。
剤、酸化分解防止剤など含有してもよい。
[実施例] 以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
なお得られたポリエステル各特性値の測定は次の方法に
従って行なった。
従って行なった。
(極限粘度[η]の測定法) ポリマをo−クロルフェノールに溶解し25℃で測定し
た。
た。
(ポリマ中の粘度ランク) ポリマ20mgを二枚のカバーグラス間にはさみ280℃で溶
融プレス、冷却後顕微鏡観察し、平均粒子径から次のよ
うにランク付けをする。
融プレス、冷却後顕微鏡観察し、平均粒子径から次のよ
うにランク付けをする。
A:粒径 <1.0μ B:粒径 ≧1.0μ、<3.0μ C:粒径 ≧3.0μ、<5.0μ D:粒径 ≧5.0μ (o−クロルフェノールに不溶性の粒子および粒子の5
−ナトリウムスルホイソフタル酸成分の定量) (A)ポリマ100gを130℃のo−クロルフェノール1
に溶解し、延伸分離器(国産電機(株)製H−200)を
用い14000rpmで60分遠心分離する。
−ナトリウムスルホイソフタル酸成分の定量) (A)ポリマ100gを130℃のo−クロルフェノール1
に溶解し、延伸分離器(国産電機(株)製H−200)を
用い14000rpmで60分遠心分離する。
(B)(A)で得られたo−クロルフェノールに不溶性
の粒子10mgをKOHメタノール溶液で分解後塩酸で酸析しU
Vスペクトルで5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分
を定量する。
の粒子10mgをKOHメタノール溶液で分解後塩酸で酸析しU
Vスペクトルで5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分
を定量する。
(染色性) 延伸糸を常法で精錬し、次いでマラカイトグリーン(関
東化学製)5%owf、酢酸0.5g/l、酢酸ソーダ0.2g/l、
浴比1/100、温度120℃染色時間1時間、溶媒水なる条件
の下での染色による染色吸尽率(以後MG吸尽率と略す)
によって求めた。
東化学製)5%owf、酢酸0.5g/l、酢酸ソーダ0.2g/l、
浴比1/100、温度120℃染色時間1時間、溶媒水なる条件
の下での染色による染色吸尽率(以後MG吸尽率と略す)
によって求めた。
実施例1 ジメチルテレフタレート150kg、5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸ジメチル17重量%含有エチレングリコール
溶液23kg、エチレングリコール98kg(ジメチルテレフタ
レートと5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分に対し
2.4倍モル)、酢酸リチウム2水塩240g、三酸化アンチ
モン60gを添加後窒素気流下140℃から235℃まで攪拌し
ながら4時間かけて昇温し、エステル交換反応を終了し
た。次いでトリメチルフォスフェート64.5g、ポリエチ
レングリコール(分子量1000)1.7kg、抗酸化剤、(“I
R−1010"チバガイギー社製)150gを添加した後、系内を
500mgHgに減圧し23kgのエチレングリコールを留去し
た。該反応混合物を重合缶に移行し、缶内を232℃から
徐々に昇温し2時間で280℃まで昇温せしめ、かつその
間1時間かけて760mmHgから1mmHg以下の減圧にし、280
℃で更に1.5時間合計3時間30分間重縮合反応させた。
イソフタル酸ジメチル17重量%含有エチレングリコール
溶液23kg、エチレングリコール98kg(ジメチルテレフタ
レートと5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分に対し
2.4倍モル)、酢酸リチウム2水塩240g、三酸化アンチ
モン60gを添加後窒素気流下140℃から235℃まで攪拌し
ながら4時間かけて昇温し、エステル交換反応を終了し
た。次いでトリメチルフォスフェート64.5g、ポリエチ
レングリコール(分子量1000)1.7kg、抗酸化剤、(“I
R−1010"チバガイギー社製)150gを添加した後、系内を
500mgHgに減圧し23kgのエチレングリコールを留去し
た。該反応混合物を重合缶に移行し、缶内を232℃から
徐々に昇温し2時間で280℃まで昇温せしめ、かつその
間1時間かけて760mmHgから1mmHg以下の減圧にし、280
℃で更に1.5時間合計3時間30分間重縮合反応させた。
得られたポリマの極限粘度[η]は0.59、ジエチレング
リコール含有量は1.35重量%であり粘度ランクはAであ
った。該ポリマをo−クロルフェノールに溶解して得ら
れたo−クロルフェノールに不溶性物質中の5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸成分は230ppm(対ポリマ)であ
った。
リコール含有量は1.35重量%であり粘度ランクはAであ
った。該ポリマをo−クロルフェノールに溶解して得ら
れたo−クロルフェノールに不溶性物質中の5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸成分は230ppm(対ポリマ)であ
った。
次いで前記ポリマを真空乾燥後60メッシュ、80メッシュ
モランダムのサンド200gを用いたろ過面積44cm2のパッ
クおよび0.25mmφの丸孔口金を用いて吐出量31g/分、紡
糸温度300℃で溶融紡糸した。そのときの紡糸パック内
圧上昇と糸切れ状況をまとめ第1表に示した。更に得ら
れた前記未延伸を残留伸度が35%になるように設定し、
ホットロール延伸を行ない75デニール36フィラメントの
延伸を得た。延伸時の糸切れはなかった。
モランダムのサンド200gを用いたろ過面積44cm2のパッ
クおよび0.25mmφの丸孔口金を用いて吐出量31g/分、紡
糸温度300℃で溶融紡糸した。そのときの紡糸パック内
圧上昇と糸切れ状況をまとめ第1表に示した。更に得ら
れた前記未延伸を残留伸度が35%になるように設定し、
ホットロール延伸を行ない75デニール36フィラメントの
延伸を得た。延伸時の糸切れはなかった。
前記未延伸糸を加工温度210℃、仮ヨリ数3400T/mで加工
した。毛羽発生数は0.5コ/2000mであった。
した。毛羽発生数は0.5コ/2000mであった。
実施例2、比較実施例1 ジメチルテレフタレートと5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸ジメチルに対するエチレングリコールのモル比を
第1表の如く変更した以外は実施例1と同様にエステル
交換反応、重縮合反応、紡糸、延伸、染色、仮ヨリ加工
した。結果を第1,2表に示す。
タル酸ジメチルに対するエチレングリコールのモル比を
第1表の如く変更した以外は実施例1と同様にエステル
交換反応、重縮合反応、紡糸、延伸、染色、仮ヨリ加工
した。結果を第1,2表に示す。
第1、2表から明らかな如く、比較実施例1においては
エチレングリコール/ジメチルテレフタレートと5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸のモル比が低いため、o−
クロルフェノール不溶性物質中の5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸成分が多くなり紡糸時のパック内圧上昇が
大きく、さらには紡糸時の糸切れ多発、仮ヨリ加工時の
毛羽の発生が多くなる。また、実施例2おいては前記の
モル比が高いのでジエチレングリコールの副生が多く仮
ヨリ加工時の温度が高くとれず風合が粗硬になる傾向で
あったが、紡糸時のパック内圧上昇や糸切れもなく、仮
より時の毛羽発生も少なかった。
エチレングリコール/ジメチルテレフタレートと5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸のモル比が低いため、o−
クロルフェノール不溶性物質中の5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸成分が多くなり紡糸時のパック内圧上昇が
大きく、さらには紡糸時の糸切れ多発、仮ヨリ加工時の
毛羽の発生が多くなる。また、実施例2おいては前記の
モル比が高いのでジエチレングリコールの副生が多く仮
ヨリ加工時の温度が高くとれず風合が粗硬になる傾向で
あったが、紡糸時のパック内圧上昇や糸切れもなく、仮
より時の毛羽発生も少なかった。
[発明の効果] (1)本発明のポリエステルは均一、微細なo−クロル
フェノール不溶性の5−ナトリウムスルホイソフタル酸
成分が含有しており、製糸工程でのトラブルなく、高強
度で耐アルカリ性の優れたポリエステル繊維を得ること
ができる。このためポリエステルの溶剤である苛性ソー
ダ水溶液で表面を溶出侵触処理することが可能であり、
均一、微細粒子が選択的に溶出又は脱落されるため、繊
維表面に微細に凹凸を付与できる。さらに得られた微細
凹凸も均一であり、光の反射状態が安定し発色性が極め
て良好になる。
フェノール不溶性の5−ナトリウムスルホイソフタル酸
成分が含有しており、製糸工程でのトラブルなく、高強
度で耐アルカリ性の優れたポリエステル繊維を得ること
ができる。このためポリエステルの溶剤である苛性ソー
ダ水溶液で表面を溶出侵触処理することが可能であり、
均一、微細粒子が選択的に溶出又は脱落されるため、繊
維表面に微細に凹凸を付与できる。さらに得られた微細
凹凸も均一であり、光の反射状態が安定し発色性が極め
て良好になる。
(2)本発明のポリエステルは製糸工程においてパック
内圧の上昇、糸切れが改善されるとともに紡糸した繊維
は滑り性が向上し、特に摩擦劣化が原因で生じる仮ヨリ
加工時の毛羽発生、糸切れも改善される。
内圧の上昇、糸切れが改善されるとともに紡糸した繊維
は滑り性が向上し、特に摩擦劣化が原因で生じる仮ヨリ
加工時の毛羽発生、糸切れも改善される。
(3)本発明のポリエステルから得られた繊維は結晶化
特性が向上し仮ヨリ加工時の温度が高くとれ、このため
仮ヨリ加工時の風合が向上する。
特性が向上し仮ヨリ加工時の温度が高くとれ、このため
仮ヨリ加工時の風合が向上する。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭48−101488(JP,A) 特開 昭60−104124(JP,A) 特開 昭61−174223(JP,A) 特開 昭58−138731(JP,A) 特開 昭59−98130(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】ジカルボン酸成分として5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸を1.3〜2.0モル%共重合し、グリコー
ル成分として分子量600〜4000のポリアルキレングリコ
ールを0.5〜2.0重量%共重合した、エチレンテレフタレ
ートを主たる繰り返し単位とするポリエステルであっ
て、該ポリエステルがリチウム元素又はアルカリ土類金
属を金属元素として0.01〜0.025重量%含有し、かつ該
ポリエステルを130℃のo−クロルフェノールに溶解し
た際の不溶性粒子中に5−ナトリウムスルホイソフタル
酸を5−ナトリウムイソフタル酸として10〜500ppm(対
ポリマ)含有した粒径1μm以下の不溶性粒子を含むこ
とを特徴とする繊維用改質ポリエステル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61193381A JPH07116282B2 (ja) | 1986-08-19 | 1986-08-19 | 繊維用改質ポリエステル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61193381A JPH07116282B2 (ja) | 1986-08-19 | 1986-08-19 | 繊維用改質ポリエステル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6348353A JPS6348353A (ja) | 1988-03-01 |
JPH07116282B2 true JPH07116282B2 (ja) | 1995-12-13 |
Family
ID=16306977
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61193381A Expired - Lifetime JPH07116282B2 (ja) | 1986-08-19 | 1986-08-19 | 繊維用改質ポリエステル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07116282B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TW550274B (en) * | 2000-03-24 | 2003-09-01 | Kanebo Ltd | Modified polyester and continuous process for manufacturing the same |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS48101488A (ja) * | 1972-04-04 | 1973-12-20 | ||
DE3338623A1 (de) * | 1983-10-25 | 1985-05-02 | Bayer Ag, 5090 Leverkusen | Thermotrope aromatische polyester hoher steifigkeit, verfahren zu ihrer herstellung und ihre verwendung zur herstellung von formkoerpern, filamenten, fasern und folien |
JPS61174223A (ja) * | 1985-01-28 | 1986-08-05 | Teijin Ltd | ポリエステル及びその製造法 |
-
1986
- 1986-08-19 JP JP61193381A patent/JPH07116282B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6348353A (ja) | 1988-03-01 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |