JPH07115922A - 容器包装詰粥又は雑炊の製造方法 - Google Patents

容器包装詰粥又は雑炊の製造方法

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JPH07115922A
JPH07115922A JP5287290A JP28729093A JPH07115922A JP H07115922 A JPH07115922 A JP H07115922A JP 5287290 A JP5287290 A JP 5287290A JP 28729093 A JP28729093 A JP 28729093A JP H07115922 A JPH07115922 A JP H07115922A
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功 中島
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光明 高木
Kazuto Asada
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Sumio Akita
澄男 秋田
Kichiya Kawamura
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 水分含量を11〜17重量%に調整し、温度
110〜120℃、相対湿度100%の条件で10〜1
8分間、湿熱処理を施した米粒を、20分以内に40℃
以下に冷却した後、増粘剤を含有する水又は調味液と共
に気密性のある容器包装内に充填し、次いで熱シールに
より密封した後、加圧加熱殺菌を施すことを特徴とする
容器包装詰粥又は雑炊の製造方法。 【効果】 本発明の方法によれば、長期間にわたり、米
粒の形崩れ、糊状化を抑え、食味・食感、外観に優れた
レトルト粥又は雑炊を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレトルト殺菌処理された
容器包装詰粥又は雑炊(以下、単に「レトルト粥又は雑
炊」と称することがある。)の製造方法に関し、詳しく
は長期間にわたり、米粒の形崩れ、糊状化を抑え、食味
・食感、外観に優れたレトルト粥又は雑炊を製造する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
生米を用いて、レトルト殺菌処理された容器包装詰粥を
製造すると、保存中或いは輸送中において形崩れし、粥
が糊状になり、食味・食感、外観が悪くなる、という問
題点がある。
【0003】そこで、形崩れを防止するために、澱粉分
解産物の水溶液を加えたり(特開昭54−59347号
公報)、或いはゼラチンの水溶液を加える方法(特開昭
61−219346号公報)が提案されている。しかし
ながら、形崩れしない程度に澱粉類やゼラチンを加える
と、食味に影響が出るという問題があり、一方、食味に
影響が出ない程度に澱粉類やゼラチンを加えると、形崩
れ防止が充分でないという問題があった。
【0004】また、うるち生米を加圧蒸煮した後、水と
共に炊飯することにより、米粒の割れ現象を生じ難くし
た、かゆの製造方法が提案されている(特開昭58−1
3355号公報)。しかしながら、この方法では、米を
水洗した後に加圧蒸煮するため、米が脆くなり、粥にし
たときに崩れやすくなるという問題点がある。
【0005】本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意
検討を重ねた。その過程で本発明者は、特定の条件で湿
熱処理された短粒精白米粒が、これを炊飯したときに硬
さとガム性が長粒精白米粒のそれに近づき、付着性は長
粒精白米粒のそれと同程度になるという技術(特開平4
−287651号公報)に着目した。この技術は、本出
願人に係るものであるが、本発明者は、このような湿熱
処理米粒をレトルト粥又は雑炊の製造方法に適用してみ
たところ、ある程度の改善は見られたが、長期間保存中
の吸水や、輸送中の米粒の移動による形崩れ、食味・食
感の点から、所望の品質は得られなかった。そこで、本
発明者らは、さらに鋭意研究を続け、本発明を完成する
に至ったのである。
【0006】本発明は、上記従来の問題点を解消し、長
期間にわたり、米粒の形崩れ、糊状化を抑え、食味・食
感、外観に優れたレトルト粥又は雑炊を製造する方法を
提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、水分
含量を11〜17重量%に調整し、温度110〜120
℃、相対湿度100%の条件で10〜18分間、湿熱処
理を施した米粒を、20分以内に40℃以下に冷却した
後、増粘剤を含有する水又は調味液と共に、気密性のあ
る容器包装内に充填し、次いで熱シールにより密封した
後、加圧加熱殺菌を施すことを特徴とする容器包装詰粥
又は雑炊の製造方法を提供するものである。
【0008】本発明の方法において用いる米は、銘柄は
特に限定はないが、好ましくは短粒精白米、いわゆるジ
ャポニカ米の精白米である。具体的には例えばコシヒカ
リやササニシキ等の精白米を用いることができる。精白
の程度は特に限定されないが、一般に食に供される程度
に精白されているものであればよい。
【0009】本発明の方法において用いる米は、水分含
量11〜17重量%のものである。通常、精白米はこの
範囲の水分含量のものであるので、積極的な水分含量の
調整は、通常は行なう必要はなく、必要に応じて風乾等
の手段により水分含量を調整すればよい。なお、生米は
洗浄せずに、湿熱処理を施すことが必要である。洗米に
より、水分含量が上がり、湿熱処理を施したときに、米
を蒸したような状態になってしまうからである。
【0010】湿熱処理は、温度110〜120℃、相対
湿度100%の条件で10〜18分間行なわれる。ここ
で処理温度が110℃未満であると、所望の湿熱処理効
果が充分に得られない。一方、処理温度が120℃を超
えると、着色(黄変)、着香が起こるため好ましくな
い。また、処理時間を上記範囲内とすることにより、米
の風味を損なわずに、所望の湿熱処理効果を得ることが
できる。
【0011】このような湿熱処理は、蒸煮缶或いはオー
トクレーブ等の一般に使用される加圧加熱処理装置を用
い、相対湿度100%の水蒸気中にて行なえばよい。こ
のような湿熱処理時の加熱で、米の結晶が、アニーリン
グにより、僅かに成長する。成長して固まった結晶は、
α化されにくくなる。レトルト殺菌処理を行なっても、
米の表面は糊状にならず、保形性を保っている。
【0012】以上のようにして湿熱処理を施した米粒
を、短時間に、具体的には20分以内に、好ましくは1
0分以内に、40℃以下に冷却する。ここで緩慢な冷却
を行なった場合には、米粒の表面が余分な水分を吸収
し、米粒間の付着が生じ、レトルト粥又は雑炊にした場
合に、米粒の固まりができ、外観上好ましくない。ま
た、高温下に長時間米粒がさらされると、異臭(ムレ
臭,ヌカ臭)が生じてしまう。これに対して、本発明の
方法のように短時間で急速冷却することにより、米粒の
付着がなくなり、またムレ臭等の異臭の発生を防止する
ことが可能となった。なお、この急速冷却は、送風機,
吸引冷却機,真空冷却機等を用いることにより、行なう
ことができる。
【0013】このようにして湿熱処理後、40℃以下に
急速冷却された米粒を、増粘剤を加えて僅かに粘度を持
たせた水又は調味液と共に、気密性のある容器包装内に
充填し、加圧加熱殺菌を施す。すなわち、湿熱処理後、
40℃以下に急速冷却された米粒を、増粘剤を含有する
水又は調味液と共に、気密性のある容器包装内に充填
し、次いで熱シールにより密封した後、加圧加熱殺菌を
施す。水又は調味液の使用量は特に制限はなく、その使
用量に応じて、全粥、七分粥、五分粥、三分粥などとす
ることができる。
【0014】増粘剤としては、ガム類,澱粉類が用いら
れる。このような増粘剤を加えて増粘させ、水又は調味
液に粘度をつける。ここでガム類としては例えば、キサ
ンタンガム,タマリンドガム,ローカストビーンガム,
グアーガム等を挙げることができる。また、澱粉類とし
ては例えば、馬鈴薯澱粉,ワキシーコーンスターチ等を
挙げることができる。これらの中でも特にキサンタンガ
ム,タマリンドガム,ローカストビーンガム,グアーガ
ム,馬鈴薯澱粉,ワキシーコーンスターチが好ましい。
【0015】このような増粘の程度は、通常の生米を使
用したレトルト粥において米粒の形状保持に有効と言わ
れている粘度に比べ、極めて低い粘度で効果がある。具
体的には、加圧加熱殺菌後の水又は調味液の粘度が2.
5〜600センチポイズ(cp)の範囲、好ましくは
2.5〜70cpの範囲となる程度に行なえばよい。こ
こで加圧加熱殺菌後の水又は調味液の粘度が2.5cp
未満であると、長期間保存後の形状保持性や食味,食感
に劣るものとなる。一方、加圧加熱殺菌後の水又は調味
液の粘度が70cpを超えると、粥又は雑炊のさらさら
感が損なわれ始め、粘度が600cpを超えると、明ら
かに粥又は雑炊としての食味,食感にふさわしくなくな
る。なお、増粘の程度は、使用するガム類や澱粉類の種
類によって異なるため、濃度による規定は困難である。
【0016】このように水又は調味液に増粘剤を加えて
増粘させることにより、粥又は雑炊製造後の吸水を防止
すると共に、米粒の移動を極力抑えることができる。一
方、湿熱処理を施した米粒を、粘度をつけない水又は調
味液でレトルト殺菌処理すると、表面が完全な糊状にな
らないため、形は比較的良く保たれるものの、長期保存
のうちに吸水が起こり、形、味、食感を完全に保持する
ことはできない。
【0017】なお、粘度の測定法を以下に述べる。以下
の実施例ではこの方法により粘度を測定した。まず、粥
又は雑炊の液の部分と、固体の部分とを、10番のメッ
シュを用いて篩い分け、メッシュを通過した液部をすぐ
に採取し、その粘度を測定した。粘度測定には、東京計
器製の粘度計を用いた。サンプルが40cp以上の場合
には、BM型粘度計を使用し、40cp未満場合には、
B型粘度計にBLアダプタを接続して測定した。測定値
は、20℃において、測定開始20秒後の、値が安定し
たところで読み取った。
【0018】上記した如き増粘剤を含有する水又は調味
液と共に、前記した如き湿熱処理を施した米粒を、気密
性のある容器包装内に充填し、熱シールにより密封した
後、加圧加熱殺菌を施す。このいわゆるレトルト殺菌処
理(容器包装や殺菌処理条件など)については、常法に
より行なえばよい。すなわち、例えば容器包装として
は、気密性のあるプラスチックパウチや、プラスチック
とアルミ箔等の遮光性材料とのラミネートパウチ等が用
いられる。加圧加熱殺菌処理は、通常のレトルト殺菌装
置を用いて行なわれ、バッチ式であると連続式であると
を問わない。また、バッチ式レトルト殺菌装置の場合、
熱水式であると水蒸気式であるとを問わない。また、加
圧加熱殺菌処理は、通常、120℃,4分間以上の高
温、高圧下で行なわれ、場合によっては、これ以上の高
い殺菌条件下で行なうことができる。なお、容器包装内
への充填時に、必要に応じて肉類,野菜類,魚介類等の
具材を容器包装内へ入れることができる。
【0019】以上の如くして、目的とするレトルト粥又
は雑炊を得ることができる。なお、粥と雑炊との区別は
なかなか困難であるが、本発明の方法では水を用いたも
のを粥と称し、調味液を用いたものを雑炊と称してい
る。いずれにしても本発明の方法によれば、これら粥又
は雑炊を製造することができる。このようにして得られ
るレトルト粥又は雑炊は、100℃程度に加熱された熱
水中に数分間浸漬することにより、食用に供すことがで
きる。
【0020】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらにより限定されるものではない。 実施例1 生米(水分含量16%)を、110℃で10分間、相対
湿度100%の条件下で蒸煮缶にて加熱加圧処理し、湿
熱処理米粒を作った後、直ちにステンレス製のメッシュ
上に厚さ1〜2cm程度になるように薄く広げ、送風機
にて20分以内に40℃以下になるように冷却した。次
に、このようにして湿熱処理され、急速冷却された米1
8gを、水洗し、水切りした後、レトルトパウチに入れ
た。キサンタンガム0.1%添加増粘水溶液を180m
l添加し(レトルト処理後の水の粘度=66cp)、シ
ールした後、120℃で15分間のレトルト処理を行な
った。その後、室温で1年間にわたり保管し、経時的な
米粒の形崩れ、外観の変化を調べた。結果を第1表に示
す。なお、第1表中、○は米粒の長さの平均が4mm以
上であり、形が良く残っているものである。一方、×は
米粒の長さの平均が4mm未満であり、形崩れしている
ものである。
【0021】比較例1 生米18gを水洗し、水切りした後、レトルトパウチに
入れた。水180mlを添加し、シールした後、実施例
1と同様にして120℃で15分間のレトルト処理を行
なった。結果を第1表に示す。
【0022】比較例2 生米18gを水洗し、水切りした後、レトルトパウチに
入れた。キサンタンガム0.1%添加増粘水溶液を18
0ml添加し(レトルト処理後の水の粘度=66c
p)、シールした後、実施例1と同様にして120℃で
15分間のレトルト処理を行なった。結果を第1表に示
す。
【0023】比較例3 生米(水分含量16%)を、110℃で10分間、相対
湿度100%の条件下で加熱加圧し、湿熱処理米粒を作
った。次に、湿熱処理した米18gを、水洗し、水切り
した後、レトルトパウチに入れた。水180mlを添加
し、シールした後、実施例1と同様にして120℃で1
5分間のレトルト処理を行なった。結果を第1表に示
す。
【0024】
【表1】
【0025】第1表に示すように、本発明の方法(実施
例1)により得られたレトルト粥は、米粒の形崩れ防止
効果に優れていることが分かる。
【0026】試験例1 本試験例においては、液部の増粘に使用するガム類,澱
粉類の種類による形崩れ防止効果を調べた。まず生米
(水分含量16%)を、110℃で10分間、相対湿度
100%の条件下で加熱加圧し、湿熱処理米粒を作った
後、直ちにステンレス製のメッシュ上に厚さ1〜2cm
程度になるように薄く広げ、送風機にて20分以内に4
0℃以下になるように冷却した。次に、このようにして
湿熱処理され、急速冷却された米を水洗し、水切りした
後、レトルトパウチに入れた。ガム類の場合には、湿熱
処理米粒に加える液部に0.2重量%の割合でガム類を
添加し、攪拌し、増粘液を得た(レトルト処理後の水の
粘度=100〜400cp)。一方、澱粉類の場合に
は、湿熱処理米粒に加える液部に1.0重量%の割合で
ガム類を添加し、90℃で20分間加熱攪拌し、増粘液
を得た(レトルト処理後の水の粘度=300cp前
後)。湿熱処理米粒に対し、上記増粘液をそれぞれ湿熱
処理米粒の10倍量、各レトルトパウチに入れ、シール
した後、120℃で15分間のレトルト処理を行なっ
た。
【0027】レトルト処理粥は、それぞれ袋を横にした
状態で、振幅10cm、70往復/分の水平振盪を2時
間実施した後、米粒の形状保持、外観の変化を調べた。
結果を第2表に示す。なお、第2表中、形状保持の欄の
○は、米粒の長さの平均が4mm以上であり、形状が良
く保持されているものを示している。一方、同じく×
は、米粒の長さの平均が4mm未満であり、形状保持効
果が認められないものを示している。また、第2表中、
外観の欄の○は、液部の色が透明なものを示している。
一方、同じく×は、液部の色が著しく白濁しているもの
を示している。なお、対照として、増粘液の代わりに水
を用いたこと以外は、同様に行なったものを併せて第2
表に示した。
【0028】
【表2】
【0029】第2表から明らかなように、ガム類におい
ては、キサンタンガム,タマリンドガム,ローカストビ
ーンガム,グアーガムのいずれもが、また、澱粉類にお
いては、馬鈴薯澱粉,ワキシーコーンスターチのいずれ
もが、米粒保持性は良好であり、液部は透明で、濁りが
無かったことから、これらのいずれにも形崩れ防止効果
が認められた。以上の第1表と第2表の結果から、次の
ことが分かる。すなわち、普通の生米と水とで作った粥
又は雑炊は、レトルト処理後、1ヶ月もすると形が崩
れ、液部も白濁してしまうが、本発明のように、湿熱処
理を施した米粒に、ガム類や澱粉類で増粘させた水又は
調味液を加え、レトルト処理した場合には、半年から1
年後まで作りたての形態が保たれる。また、振盪によ
り、故意に形崩れを促進させた場合でも、通常の方法に
より得られた粥又は雑炊に比べて、本発明の方法により
得られた粥又は雑炊は、保形性に優れていた。従って、
輸送の際の形崩れ防止にも効果があると認められる。
【0030】試験例2 本試験例においては、キサンタンガムによるレトルト処
理後の液部の粘度(cp)と、米粒の形状保持効果と食
味、食感への影響について調べた。すなわち、生米(水
分含量16%)を、110℃で10分間、相対湿度10
0%の条件下で加熱加圧し、湿熱処理米粒を作った後、
直ちにステンレス製のメッシュ上に厚さ1〜2cm程度
になるように薄く広げ、送風機にて20分以内に40℃
以下になるように冷却した。次に、このようにして湿熱
処理され、急速冷却された米を水洗し、水切りした後、
レトルトパウチに入れた。一方、水にキサンタンガムを
所定量添加した増粘水溶液〔水に対して、0、0.00
2、0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、
1.5%(w/v)〕をを作り、この増粘水溶液を湿熱
処理米粒の重量の10倍量、レトルトパウチに入れ、シ
ールした後、120℃で15分間のレトルト処理を行な
った。レトルト処理粥製造後、5ヶ月後の形状と食味・
食感とを調べた。結果を第3表に示す。なお、第3表
中、形状保持の欄の○は、米粒の長さの平均が4mm以
上であり、形状が良く保持されているものを示してい
る。一方、同じく×は、米粒の長さの平均が4mm未満
であり、形状保持効果が認められないものを示してい
る。また、第3表中、食味・食感の欄の○は、米粒の食
感が残り、さらっとしているものを示している。また、
同じく△は、米粒の食感は残っているが、ややさらさら
感に欠けるものを示している。さらに、同じく×は、液
部の粘度が付き過ぎ、さらさら感に欠けるものを示して
いる。
【0031】
【表3】
【0032】第3表の結果から、次のことが分かる。す
なわち、レトルト処理後の液部が8.8〜560cpの
粘度範囲において、形状保持、食味・食感ともに適当で
あった。また、キサンタンガムを1.5%(w/v)
(レトルト処理後の粘度=820cp)添加した水溶液
では、形状保持効果は認められるものの、液部に粘度が
付き過ぎ、さらさら感に欠ける。
【0033】試験例3 本試験例においては、ワキシーコーンスターチによるレ
トルト処理後の液部の粘度と、米粒の形状保持効果と食
味、食感への影響について調べた。すなわち、生米(水
分含量16%)を、110℃で10分間、相対湿度10
0%の条件下で加熱加圧し、湿熱処理米粒を作った後、
直ちにステンレス製のメッシュ上に厚さ1〜2cm程度
になるように薄く広げ、送風機にて20分以内に40℃
以下になるように冷却した。次に、このようにして湿熱
処理され、急速冷却された米を水洗し、水切りした後、
レトルトパウチに入れた。一方、水にワキシーコーンス
ターチを所定量添加し〔水に対して、0、0.05、
0.1、0.5、1.0、2.0、3.0%(w/
v)〕、90℃で20分間加熱攪拌して増粘を行ない、
増粘水溶液を得た。この増粘水溶液を湿熱処理米粒の重
量の10倍量、レトルトパウチに加え、シールした後、
120℃で15分間のレトルト処理を行なった。レトル
ト処理粥製造後、5ヶ月後の形状と食味・食感とを、試
験例2と同様にして調べた。結果を第4表に示す。
【0034】
【表4】
【0035】第4表の結果から、次のことが分かる。す
なわち、レトルト処理後の液部が2.5〜482cpの
粘度範囲において、形状保持、食味・食感ともに適当で
あった。また、ワキシーコーンスターチを3.0%(w
/v)(レトルト処理後の粘度=831cp)添加した
水溶液では、形状保持効果は認められるものの、液部に
粘度が付き過ぎ、さらさら感に欠け、また澱粉の味が出
てしまうため、不適当であった。
【0036】試験例4 本試験例においては、湿熱処理後の米粒を、本発明のよ
うに急速冷却した場合と、自然放冷した場合(対照)と
のそれぞれの温度変化について調べると共に、それぞれ
の場合の粥の状態での外観・香味を比較してみた。すな
わち、生米(水分含量16%)を、110℃で10分
間、相対湿度100%の条件下で蒸煮缶にて加熱加圧処
理し、湿熱処理米粒を作った後、直ちにステンレス製の
メッシュ上に厚さ1〜2cm程度になるように薄く広
げ、送風機にて10分以内に40℃以下になるように冷
却した。次に、このようにして湿熱処理され、急速冷却
された米18gを、水洗し、水切りした後、レトルトパ
ウチに入れた。キサンタンガム0.1%添加増粘水溶液
を180ml添加し(レトルト処理後の水の粘度=66
cp)、シールした後、120℃で15分間のレトルト
処理を行なった。対照として、湿熱処理後の米粒を自然
放冷したこと以外は、上記と同様のレトルト処理を行な
った。結果を第5表に示す。なお、第5表中、外観の評
価○は米粒が1粒ずつ分かれている場合を示し、同じく
×は米粒が2〜3粒以上付着した固まりがある場合を示
している。また、香味の評価○は通常の白粥の香味と同
様の場合を示し、同じく×はムレ臭がある場合を示して
いる。
【0037】
【表5】
【0038】以上の第1〜5表の結果から、水分含量を
11〜17重量%に調整し、温度110〜120℃、相
対湿度100%の条件で10〜18分間、湿熱処理を施
した米粒を、10分以内に40℃以下に冷却した後、こ
の米粒に、ガム類,澱粉類により、レトルト処理後の液
部の粘度が、2.5〜600cpの範囲になるように調
整した水又は調味液を加えてレトルト処理したときに、
米粒の形状が長期間にわたり保持され、食味、食感とも
に優れていることが分かった。
【0039】製造例1(五目雑炊) 以下に示す材料を用い、下記の手順に従って、五目雑炊
を製造した。 湿熱処理米粒 80g 大根 100g 人参 1/2本 生椎茸 3枚 だし汁 800cc(グアーガム0.1%
添加) 醤油 小匙1/2 塩 少々
【0040】生米(水分含量16%)を、115℃で1
5分間、相対湿度100%の条件下で加熱加圧し、湿熱
処理米粒を作った後、直ちにステンレス製のメッシュ上
に厚さ1〜2cm程度になるように薄く広げ、送風機に
て20分以内に40℃以下になるように冷却した。次
に、このようにして湿熱処理され、急速冷却された米8
0gを、水洗し、水切りした後、レトルトパウチに入れ
た。また、大根、人参、椎茸をそれぞれ長さ5cmくら
いの千切りにし、レトルトパウチに入れた。さらに、だ
し汁に対して、グアーガムを0.1%添加し(レトルト
処理後の液部の粘度=54cp)、攪拌して増粘させた
後に、醤油、塩を加え、調味液を調製した。この調味液
をレトルトパウチに入れ、シールした後、120℃で1
5分間のレトルト処理を行なって、五目雑炊を得た。3
ヶ月保存後の五目雑炊の形状保持と食味・食感を調べ
た。結果を第6表に示す。なお、第6表中、形状保持の
欄の○は、米粒の長さの平均が4mm以上であり、形状
が良く保持されているものを示している。一方、同じく
×は、米粒の長さの平均が4mm未満であり、形状保持
効果が認められないものを示している。また、食味・食
感は、パネル10名の意見をまとめたものである。な
お、対照として、通常の生米を用い、かつグアーガムに
よる増粘のない水を用いて調製した調味液を用いたこと
以外は、同様に行なったものを併せて第6表に示した。
【0041】
【表6】
【0042】製造例2(鮭雑炊) 以下に示す材料を用い、下記の手順に従って、鮭雑炊を
製造した。 湿熱処理米粒 120g 甘塩鮭 2切れ 生わかめ 20g だし汁 1200cc(タマリンドガム0.
2%添加) 淡口醤油 小匙1.5 塩 小匙1.5
【0043】生米(水分含量16%)を、118℃で1
2分間、相対湿度100%の条件下で加熱加圧し、湿熱
処理米粒を作った後、直ちにステンレス製のメッシュ上
に厚さ1〜2cm程度になるように薄く広げ、送風機に
て20分以内に40℃以下になるように冷却した。次
に、このようにして湿熱処理され、急速冷却された米1
20gを、水洗し、水切りした後、レトルトパウチに入
れた。また、鮭は粗く切り、レトルトパウチに入れた。
生わかめは長さ1cmに刻み、レトルトパウチに入れ
た。さらに、だし汁に対して、タマリンドガムを0.2
%添加し(レトルト処理後の液部の粘度=60cp)、
攪拌して増粘させた後に、淡口醤油、塩を加え、調味液
を調製した。この調味液をレトルトパウチに入れ、シー
ルした後、120℃で15分間のレトルト処理を行なっ
て、鮭雑炊を得た。3ヶ月保存後の鮭雑炊の形状保持と
食味・食感を、製造例1と同様にして調べた。結果を第
7表に示す。なお、第7表中、形状保持の欄の○は、米
粒の長さの平均が4mm以上であり、形状が良く保持さ
れているものを示している。一方、同じく×は、米粒の
長さの平均が4mm未満であり、形状保持効果が認めら
れないものを示している。また、食味・食感は、パネル
10名の意見をまとめた。なお、対照として、通常の生
米を用い、かつタマリンドガムによる増粘のない水を用
いて調製した調味液を用いたこと以外は、同様に行なっ
たものを併せて第7表に示した。
【0044】
【表7】
【0045】
【発明の効果】本発明の方法によれば、長期間にわた
り、米粒の形崩れ、糊状化を抑え、食味・食感、外観に
優れたレトルト粥又は雑炊を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋田 澄男 愛知県名古屋市瑞穂区高田町1−23−3 (72)発明者 川村 吉也 愛知県江南市古知野町古渡132

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水分含量を11〜17重量%に調整し、
    温度110〜120℃、相対湿度100%の条件で10
    〜18分間、湿熱処理を施した米粒を、20分以内に4
    0℃以下に冷却した後、増粘剤を含有する水又は調味液
    と共に、気密性のある容器包装内に充填し、次いで熱シ
    ールにより密封した後、加圧加熱殺菌を施すことを特徴
    とする容器包装詰粥又は雑炊の製造方法。
  2. 【請求項2】 加圧加熱殺菌後の水又は調味液の粘度が
    2.5〜600センチポイズである請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 増粘剤が、キサンタンガム,タマリンド
    ガム,ローカストビーンガム,グアーガム,馬鈴薯澱粉
    及びワキシーコーンスターチのいずれかである請求項1
    記載の方法。
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