JPH0711575A - セルロース系繊維含有繊維製品及びその製造方法 - Google Patents
セルロース系繊維含有繊維製品及びその製造方法Info
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- JPH0711575A JPH0711575A JP4141593A JP4141593A JPH0711575A JP H0711575 A JPH0711575 A JP H0711575A JP 4141593 A JP4141593 A JP 4141593A JP 4141593 A JP4141593 A JP 4141593A JP H0711575 A JPH0711575 A JP H0711575A
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Abstract
返し洗濯後も高いW/W性、パッカリング性、保型性を
保持するセルロース系繊維含有繊維製品を提供する。 【構成】 セルロースIII型の結晶を5重量%以上含有
し、ホルムアルデヒドで架橋され、かつ単繊維の断面積
の水による変化率(S%)が、1.0以下であるセルロ
ース系繊維を含有するセルロース系繊維含有繊維製品及
びその製造方法。
Description
の衣料用及び衣料として、好適なセルロース系繊維含有
繊維製品に関するものであり、さらに詳しくは、製品の
強力低下をおさえ、しかも防縮性、W/W(ウォッシュ
アンドウェア)性、プリーツ性及びパッカリング性、保
型性を向上させたセルロース系繊維含有繊維製品及びそ
の製造方法に関するものである。
縮し易い等の欠点の改善は、永久的課題であり、縫製品
においては、特に従来よりセルロース系繊維含有繊維製
品のくり返し洗濯による生地と縫い糸又は生地部位間の
伸縮性の差により生ずるパッカリング現象(ひきつれ現
象)や製品形状での保型性の改善が強く望まれている。
この問題点を改善しようとして、製品状態でのホルマリ
ンによる気相反応を利用する試みがあるが、セルロース
繊維が著しい強力低下をきたすという、新たな問題がク
ローズアップされ、解決が望まれている。
性のある風合を有し、防しわ性に優れ、かつ繰り返し洗
濯後のパッカリング性、W/W性、防縮性、保型性に優
れ、同時に気相ホルマリン処理による強力低下を極力お
さえたセルロース系繊維含有繊維製品及び工業生産性に
優れた製造方法を提供しようとするものである。
解決のために鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明はセルロースIII型の結晶構造を
5重量%以上含有し、ホルムアルデヒドによって架橋さ
れ、かつ単繊維断面の水による下記変化率S(%)が
1.0以下であるように改質されたセルロース系繊維を
含有することを特徴とするセルロース系繊維含有繊維製
品。
の結晶構造を変化させることができる薬剤で処理して、
前記セルロース系繊維中に、セルロースIII型の結晶を
形成せしめた後、セルロースを架橋させることができる
薬剤の蒸気を前記セルロース系繊維内部に浸透せしめて
セルロースと架橋反応させ、該セルロース系繊維の単繊
維断面の請求項1記載の変化率S(%)を1.0以下に
することを特徴とするセルロース系繊維含有繊維製品の
製造方法。
綿、麻、亜麻、パルプ等の天然セルロース繊維、ビスコ
ース法レーヨン(ポリノジックレーヨンを含む)、銅ア
ンモニア法レーヨン、溶剤紡糸法レーヨン等の再生セル
ロース繊維及びバクテリアセルロース繊維などのセルロ
ース繊維である。これらセルロース系繊維の中で、木
綿、麻、ビスコース法レーヨンが好ましい。さらに、木
綿のうち、膨潤剤で前処理されて膨潤し、単繊維の断面
における短軸/長軸比が0.70〜0.80であるもの
が好ましい。
ス系繊維単独または他のセルロース系繊維と混用された
100%のセルロース系繊維又は前記セルロース系繊維
とポリエステル、ポリアミド、アクリル、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等の合成繊維との混紡、混繊、交撚
等で混用した場合の繊維を意味する。混用品の場合、本
発明の効果をよく発揮されるために、セルロース系繊維
の含有率は20重量%以上が好ましく、30重量%以上
がより好ましい。
セルロース系繊維や混用繊維を用いた織物、編物等の布
帛及びそれを用いて得られたシャツ、スラックス、ブラ
ウス等の縫製品を意味する。
は、X線回析法により求められるものであり、Ranb
y,B.G.:Acta. Chem. Scan
d.,6(1952),p.116および林ら、北海道
大学研究報告,p.83(1974)によって求められ
るものである。
ロースIII型の結晶のセルロース繊維中における含有率
は5重量%以上である。好ましくは20重量%以上、よ
り好ましくは40重量%以上である。5重量%未満であ
ると、ホルムアルデヒドによるセルロースの架橋が不均
一になり、強度低下が大きく好ましくない。
架橋は、通常、ホルムアルデヒド蒸気(ガス)と二酸化
硫黄ガスとを使用するいわゆる気相ホルマリン加工法に
より実施される。セルロース繊維は、セルロースIII型
の結晶構造が5重量%以上形成されていると、ホルムア
ルデヒド蒸気が均一にセルロース繊維内部に浸透し、均
一な架橋を実現できる。
つホルムアルデヒドによって架橋されたセルロース系繊
維は、さらに、水による単繊維の断面積の変化が小さい
ことが必要である。
おいて、室温の水中に2時間浸漬して水により充分膨潤
させた状態の断面積Awと105℃で2時間乾燥した時
の断面積Adから求められた下記の変化率S(%)が
1.0%以下である。 S(%)=(Aw−Ad)/Ad×100
あり、より好ましくは0.4%以下である。変化率が
1.0%を越えると、洗濯による収縮が大きくなり防縮
性が劣る。変化率はできるだけ小さい方が好ましく、小
さければ小さい程、パッカリング性及び保型性に優れ
る。
維製品中に少なくとも20重量%含有することが好まし
く、より好ましくは、30重量%以上である。改質され
たセルロース系繊維の含有率が20重量%未満である場
合は、本発明の効果が発揮されにくい。
は、織物の場合、JIS L−1059法における乾防
しわ度が250°以上であり、湿防しわ度との合計値は
500°以上が好ましく、550°以上がより好まし
い。特に乾防しわ度と湿防しわ度との合計値が高い程、
W/W性が高くなり、パッカリング性及び保型性にも優
れる。これらの防しわ性を達成できるように改質された
セルロース系繊維が含まれる縫製品は、AATCC12
4−1984法におけるW/W性が2.5級以上かJI
S L−0217103法の洗濯5回後のAATCC法
におけるパッカリング性が4級以上の保型性を示す。
晶構造を変化させることができる薬剤とは、セルロース
系繊維中にセルロースIII型の結晶を形成せしめること
ができる薬剤であり、液体アンモニアやメチルアミン、
エチルアミン、ヒドラジン等の第1級アミンを挙げるこ
とができる。
扱い易く、セルロースIIIを最も効率的に形成せしめる
ので、液体アンモニアが好ましい。液体アンモニアによ
り処理の場合、セルロース系繊維含有織編物は、液体ア
ンモニアに2〜20秒間浸漬後、5〜90秒、望ましく
は5〜20秒のタイミングを置いて熱又は蒸気によって
脱アンモニア処理される。
に、セルロースIII型の結晶を5重量%以上形成せしめ
ることが好ましい。セルロースIII型の結晶の含有量
は、好ましくは20重量%以上、より好ましくは40重
量%以上である。
編物中のセルロース系繊維は、液体アンモニア等の処理
前に、セルロースの膨潤剤で前処理しておくことが好ま
しい。
構造を変化させるか、非晶領域を増加させるか、繊維中
の歪を減少させるものであり、水酸化リチウム、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、エチルアミン、液体アン
モニア、ヒドラジン等のアルカリ、硫酸、リン酸、硝酸
等の酸、塩化亜鉛、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、
各種ロダン塩、より化カリウム等の塩類が挙げられる。
セルロース系繊維が木綿の場合、水酸化ナトリウム、液
体アンモニアが好ましく、染色性の向上と洗濯後の風合
の保持性の点で水酸化ナトリウムがより好ましい。
とができる薬剤とは、気体、液体、固体、水溶液のいず
れでもよいが、加熱等で容易に蒸気となって、セルロー
ス繊維内部へ浸透できるものであり、ホルムアルデヒド
が好ましい。
ガス等の触媒を共存せしめることにより、ホルムアルデ
ヒドがセルロース中に存在するOH基と反応し、セルロ
ース分子鎖間の架橋が生成する。ホルムアルデヒド蒸気
の処理条件は、触媒の共存下、通常、80〜140℃で
10〜60分間である。
ルムアルデヒド等の蒸気に接触させる前に、セルロース
の結晶構造を変化させる薬剤やセルロースの膨潤剤が少
なくとも1度、セルロース繊維内部に、しかもできるだ
け均一に浸透させられると、ホルムアルデヒド等の蒸気
は容易にセルロース繊維内部にまで、しかも均一に浸透
させることができる。したがって、セルロース繊維中
に、局部的な架橋を形成せしめたり、歪をもたらすよう
な架橋を避けることができ、セルロース繊維の強力低下
を防止することができる。
みると、外部も内部も特に差がなく、均一に施される。
このため、該セルロース単繊維は、断面方向にその形状
が強く固定される。
なされたセルロース系繊維の断面積は、水による変化が
極めて小さい。即ち、その絶乾状態における(105℃
×2時間の乾燥)断面積Adと水によって充分に膨潤さ
せた状態(室温×2時間の水浸漬)の断面積Awとから
求めた変化率S(%)=(Aw−Ad)/Ad×100
は容易に1.0以下にすることができる。
る断面積の変化を極力抑制することができるため、洗濯
による収縮を小さくすることができ、優れたW/W性、
パッカリング性、保型性を達成することができる。
及び縫製品の状態のいずれでも処理できるが、縫製品に
した後に処理する方が、縫製上の問題発生がなく、縫製
品の形状をも効果的に固定するので、パッカリング性、
保型性が著しく高くなり、好ましい実施態様である。
るが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではな
い。実施例で用いた評価法を以下に示す。 防しわ性;JIS L−1059 B法(モンサント
法)に於ける乾燥時及び湿潤時のしわ回復角度(各々D
CR,WCRで示す)で評価した。 引き裂き強力;JIS L−1096 D法(ペンジュ
ラム法) 屈曲摩耗強力;JIS L−1096 A−2法(屈曲
法) 強力保持率;加工前の強力に対する加工後の強力の比を
百分率で示した。 W/W性;AATCC 124−1984 5段階レプ
リカ法にもとづいて0.5級毎判定を行った。5級(良
好)〜1級(不良)
103法による洗濯を5回くり返した後、AATCC
88−B−1984法の縫い目5段階レプリカにより評
価した。 5級(良好)〜1級(不良)
よる洗濯、タンブル乾燥(I−2条件)を5回くり返し
た後、視覚で5段階に判定した。 5(級):非常に良好 4 〃 :良好 3 〃 :普通 2 〃 :やや不良 1 〃 :非常に不良
105℃×2時間処理後の単繊維の断面積 Adと室温
×2時間の水浸漬処理後の単繊維の断面積Awを顕微鏡
断面写真より求め、S=(Aw−Ad)/Ad×100
を求めた。
ルロース単繊維を織編物から取り出し、X線回析法によ
り測定した。セルロースIIIの含有量は、Randy,
B.G:Acta.Chem.Scand.,6(19
52)p.116及び林ら;北海道大学研究報告、p.
83(1974)の方法によった。
50/144×81,110g/m2)の精練後に水酸化
ナトリウム処理(25%NaOH水溶液で60秒間)し
て得られた綿布(A布)を液体アンモニアに2秒間浸漬
後、70%の絞り率で搾液し、10秒のタイミングをお
いて後、90℃で1分間乾燥した(B布)。このB布を
常法によりシャツに縫製した。このシャツの25Kgを
気相反応処理槽にセットし、37%ホルマリン水溶液2
を蒸気と共に霧状に均一に注入し、次いでSO2 ガス4
00gを圧入した。その後、気相反応槽の温度を125
℃まで昇温し、この温度に20分間保った。しかる後、
少量のアンモニア水と水蒸気により、脱ホルマリン処理
を施した。得られたシャツの評価結果を表1に示した。
施例1と全く同様にホルマリンの気相反応処理を行っ
た。得られたシャツの評価結果を表1に示した。
し、絞り率70%になるように絞り、110℃で3分
間、中間乾燥したのち、150℃で3分間ベーキングし
た。 (I)浴組成: B425(大日本インキ化学工業社製、グリオキザール樹脂) 4部 キャタリストG(大日本インキ化学工業社製、架橋触媒) 0.5部 ファインテックスPEN (大日本インキ化学工業社製、ポリエチレンエマルジョン) 2部 シリコンソフナーEP1010 (日華化学工業社製、シリコンソフナー) 2部 水 91.5部 前記A布の上記加工布(C布)及び前記B布の上記加工
布(D布)を用いて常法によりシャツを縫製をした。得
られたシャツの評価結果を表1に示した。
わ性が高く、引裂強力及び屈曲摩耗強力の低下が小さ
く、W/W性に優れ、著しくパッカリング性、保型性に
優れる。比較例1〜3に示した従来法によるシャツで
は、本発明のシャツのように、上記の全ての特性を満足
させることは困難である。
結晶構造を変化させる薬剤によって、セルロースIII型
の結晶を形成せしめるように、単繊維の断面方向に均一
に膨潤せしめ、その膨潤をホルムアルデヒド蒸気で均一
に架橋せしめて固定し、単繊維の水による断面積の変化
を抑制したセルロース系繊維を含有する繊維製品は、風
合が良好で、強力低下が少なく、防しわ性が高く、繰り
返し洗濯後も優れたW/W性、防縮性、保型性を示す。
Claims (2)
- 【請求項1】 セルロースIII型の結晶構造を5重量%
以上含有し、ホルムアルデヒドによって架橋され、かつ
単繊維断面の水による下記変化率S(%)が1.0以下
であるように改質されたセルロース系繊維を含有するこ
とを特徴とするセルロース系繊維含有繊維製品。 S=(Aw−Ad)/Ad×100 Aw:室温の水中に2時間浸漬後の断面積 Ad:105℃で2時間乾燥後の断面積 - 【請求項2】 セルロース系繊維含有織編物をセルロー
スの結晶構造を変化させることができる薬剤で処理し
て、前記セルロース系繊維中に、セルロースIII型の結
晶を形成せしめた後、セルロースを架橋させることがで
きる薬剤の蒸気を前記セルロース系繊維内部に浸透せし
めてセルロースと架橋反応させ、該セルロース系繊維の
単繊維断面の請求項1記載の変化率S(%)を1.0以
下にすることを特徴とするセルロース系繊維含有繊維製
品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5041415A JP2780745B2 (ja) | 1993-03-02 | 1993-03-02 | セルロース系繊維含有繊維製品及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5041415A JP2780745B2 (ja) | 1993-03-02 | 1993-03-02 | セルロース系繊維含有繊維製品及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0711575A true JPH0711575A (ja) | 1995-01-13 |
JP2780745B2 JP2780745B2 (ja) | 1998-07-30 |
Family
ID=12607731
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5041415A Expired - Lifetime JP2780745B2 (ja) | 1993-03-02 | 1993-03-02 | セルロース系繊維含有繊維製品及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2780745B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07279043A (ja) * | 1994-04-12 | 1995-10-24 | Toyobo Co Ltd | セルロース系繊維含有繊維製品及びその製造方法 |
JPH07279042A (ja) * | 1994-04-12 | 1995-10-24 | Toyobo Co Ltd | セルロース系繊維含有繊維製品の製造方法 |
KR19980032132A (ko) * | 1996-05-23 | 1998-07-25 | 모치즈키아키히로 | 셀룰로스계 섬유함유 구조물의 방축가공방법 |
WO2007108279A1 (ja) | 2006-03-23 | 2007-09-27 | Hamamatsu Photonics K.K. | 放射線検出器及び放射線検出方法 |
-
1993
- 1993-03-02 JP JP5041415A patent/JP2780745B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH07279043A (ja) * | 1994-04-12 | 1995-10-24 | Toyobo Co Ltd | セルロース系繊維含有繊維製品及びその製造方法 |
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KR19980032132A (ko) * | 1996-05-23 | 1998-07-25 | 모치즈키아키히로 | 셀룰로스계 섬유함유 구조물의 방축가공방법 |
WO2007108279A1 (ja) | 2006-03-23 | 2007-09-27 | Hamamatsu Photonics K.K. | 放射線検出器及び放射線検出方法 |
US7663120B2 (en) | 2006-03-23 | 2010-02-16 | Hamamatsu Photonics K.K. | Radiation detector and radiation detecting method |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2780745B2 (ja) | 1998-07-30 |
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