JPH0711474B2 - 建物側壁の環境試験装置における反力フレームと圧力チャンバーとの連結装置 - Google Patents

建物側壁の環境試験装置における反力フレームと圧力チャンバーとの連結装置

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JPH0711474B2
JPH0711474B2 JP4227693A JP4227693A JPH0711474B2 JP H0711474 B2 JPH0711474 B2 JP H0711474B2 JP 4227693 A JP4227693 A JP 4227693A JP 4227693 A JP4227693 A JP 4227693A JP H0711474 B2 JPH0711474 B2 JP H0711474B2
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英行 本田
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本田工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建物側壁の耐震、風
圧、降水等の各種環境試験を行うことが可能な建物側壁
の環境試験装置における反力フレームと圧力チャンバー
との連結装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、反力フレームとそれに対して振動
可能に設置した疑似建物を有するとともに、反力フレー
ムに密封連結して疑似建物の側壁に圧力及び散水を付与
してなる圧力チャンバーからなる建物側壁の耐震、風
圧、降水等の各種環境試験を行う環境試験装置は公知で
ある。
【0003】そして、このような環境試験装置における
反力フレームと圧力チャンバーとの連結装置としては、
反力フレームと圧力チャンバーとに互いに対向するよう
に設けた両周枠体を油圧クランプで引き付けて連結する
ものが一般的に提供されている。更に詳しくは、この油
圧クランプは、一方の前記周枠体に固定するシリンダー
と、該シリンダーから出没可能且つシリンダーに対して
90°回転可能なピストンロッドと、該ピストンロッド
の先端に直角に偏心固定した係止体とよりなり、ピスト
ンロッドを突出させた後、90°回転させて係止体を他
方の周枠体に係止した状態で、該ピストンロッドを引き
込んで前記係止体で他方の周枠体を引き付けるものであ
る。
【0004】しかし、油圧クランプは高価であり、大型
の建物側壁の環境試験装置のように反力フレームと圧力
チャンバーの周枠体の全長が長い場合には、多数個必要
とするのでコスト高になるとともに、ピストンロッドの
引き込み長さの調節が難しく、特に両周枠体の間に空気
圧パッキンを設けて互いに密封連結する場合には問題で
ある。尚、両周枠体の多数個所に単に連結孔を貫設して
ボルト、ナットで締付けることも考慮されるが、連結作
業に手間がかかり過ぎて実用的でないのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が前述の状況に
鑑み、解決しようとするところは、反力フレームと圧力
チャンバーの互いの周枠体をその間隔を設定して短時間
で簡単に連結できるとともに、その連結強度が高く、し
かも安価である建物側壁の環境試験装置における反力フ
レームと圧力チャンバーとの連結装置を提供する点にあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題解
決のために、反力フレームとそれに対して振動可能に設
置した疑似建物を有するとともに、反力フレームに対し
て接近、離間可能であり且つ該反力フレームに連結して
疑似建物の側壁に圧力及び散水を付与してなる圧力チャ
ンバーからなる建物側壁の耐震、風圧、降水等の各種環
境試験を行う環境試験装置であって、反力フレームと圧
力チャンバーとに互いに対向する周枠体をそれぞれ設け
るとともに、一方の周枠体の適所複数個所に略長方形状
の開口を形成し、他方の周枠体の前記開口と対応する位
置に該開口を利用して締付け得る連結具を突設してな
り、該連結具は周枠体に水平に突設した螺軸と、前記螺
軸の基端部に基端側へ後退不能となして取付け且つ前記
開口の外側縁に係止し得る固定板と、前記螺軸の先端部
に遊挿して取付け且つ前記開口内を通過し得るとともに
90°回転変位させて該開口の内側縁に係止し得る略長
方形状の可動板と、前記螺軸の可動板より先端側に螺合
した締付ナットとよりなる建物側壁の環境試験装置にお
ける反力フレームと圧力チャンバーとの連結装置を構成
した。
【0007】また、前記連結具として、前記螺軸には互
いに90°回転変位した上面と一側面の長手方向に沿っ
て二条の凹溝を形成し、前記可動板の中央部には短径が
前記螺軸の直径よりも若干大きい長円孔を、その長径を
前記開口内を通過し得る状態における該可動板の上下方
向に設定して開設するとともに、該長円孔内上端に前記
凹溝に係合する爪部を突設し且つ該爪部の先端と対向す
る長円孔下端の間隔を前記螺軸の直径よりも若干大きく
設定した連結具を用いてなることが好ましい実施例であ
る。
【0008】更に、前記周枠体の垂直端面板に対して所
定間隔を置いて補強板を固定するとともに、該端面板と
補強板とに貫通するように前記開口を形成し、前記連結
具の螺軸であって前記固定板と可動板との間に支持環体
を固定するとともに、該支持環体と可動板の間に圧縮コ
イルばねを介装してなることが好ましい。
【0009】そして、前記固定板の中央部に前記螺軸を
挿通し得る円孔を形成し且つ該円孔内に該螺軸の長手方
向に沿って形成した凹溝に係合する爪部を突設するとと
もに、該固定板より基端側の螺軸に固定ナットを螺合し
て該固定板を基端側へ後退不能となして取付け、更に前
記固定板と可動板との間に第二支持環体を固定するとと
もに、該第二支持環体と固定板との間に圧縮コイルばね
を介装してなることが好ましい。
【0010】それから、一方の前記周枠体の垂直端面板
の全周に、封入した空気圧によって膨張し、他方の周枠
体の垂直端面板に密着するパッキンを設けてなる。
【0011】
【作用】以上の如き内容からなる本発明の建物側壁の環
境試験装置における反力フレームと圧力チャンバーとの
連結装置は、反力フレームと圧力チャンバーとに設けた
一方の周枠体に形成した略長方形状の開口に、他方の周
枠体に突設した連結具の略長方形状の可動板が挿入可能
な回転状態に設定した後、反力フレームに対して圧力チ
ャンバーを接近させて、該可動板を開口内を通過させる
とともに、固定板を他方の周枠体の開口外側縁に当接さ
せた状態で、前記可動板を90°回転させた後、締付ナ
ットを回転させて該可動板を開口内側縁に係止し、もっ
て固定板と可動板とで開口の内外側縁を締付けて連結す
るものである。この際、連結具の螺軸に対する固定板の
位置を決めることにより、連結時における両周枠体の間
隔が設定されるのである。
【0012】また、前記連結具として、前記螺軸には互
いに90°回転変位した上面と一側面の長手方向に沿っ
て二条の凹溝を形成し、前記可動板の中央部には短径が
前記螺軸の直径よりも若干大きい長円孔を、その長径を
前記開口内を通過し得る状態における該可動板の上下方
向に設定して開設するとともに、該長円孔内上端に前記
凹溝に係合する爪部を突設し且つ該爪部の先端と対向す
る長円孔下端の間隔を前記螺軸の直径よりも若干大きく
設定した連結具を用いることにより、可動板を長径に沿
って螺軸に対して変位させて、螺軸を長円孔の爪部を設
けていない端部に位置させると、螺軸に対して可動板を
自由に回転させることが可能となり、また螺軸に形成し
た二条の凹溝のうち一方を選択して爪部を対応させ、こ
の状態で可動板を長径に沿って変位させて爪部を凹溝に
係合させると、該可動板の回転は不能となるのである。
即ち、可動板の爪部を螺軸の上面に形成した凹溝に係合
させた重力的に安定な状態では、自動的に可動板の向き
が前記開口内を通過し得る状態に設定され、そして該可
動板を前述の如く90°回転させて爪部を螺軸の一側面
に形成した凹溝に係合させた状態では、自動的に可動板
の向きが開口内側縁に係止する状態に設定されるのであ
る。
【0013】更に、前記周枠体の垂直端面板に対して所
定間隔を置いて補強板を固定するとともに、該端面板と
補強板とに貫通するように前記開口を形成し、前記連結
具の螺軸であって前記固定板と可動板との間に支持環体
を固定するとともに、該支持環体と可動板の間に圧縮コ
イルばねを介装してなることにより、常に可動板が締付
ナットに接触し、固定板と可動板の間隔が最大となった
状態、即ち締付ナットを緩めた状態では固定板と可動板
との間隔が開口の奥行寸法よりも大きくなり、該可動板
を開口内を通過させた後、そのまま90°回転操作する
ことが可能となる。また、前記可動板は支持環体との間
に介装した圧縮コイルばねによって締付ナットに押圧さ
れているので、該可動板が開口内を通過するように設定
した状態を維持することが可能である。
【0014】また、前記固定板の中央部に前記螺軸を挿
通し得る円孔を形成し且つ該円孔内に該螺軸の長手方向
に沿って形成した凹溝に係合する爪部を突設するととも
に、該固定板より基端側の螺軸に固定ナットを螺合して
該固定板を基端側へ後退不能となして取付け、更に前記
固定板と可動板との間に第二支持環体を固定するととも
に、該第二支持環体と固定板との間に圧縮コイルばねを
介装してなることにより、固定ナットを回転させて固定
板の位置を変更し、連結状態における両周枠体の間隔を
調節でき、この調節において凹溝と爪部が係合している
ので固定板が回転することがないのである。この際、前
記固定板は第二支持環体との間に介装した圧縮コイルば
ねによって固定ナットに押圧されているので、該固定板
は設定位置から不意に変位することがないのである。
【0015】そして、一方の前記周枠体の垂直端面板の
全周に、封入した空気圧によって膨張し、他方の周枠体
の垂直端面板に密着するパッキンを設けてなることによ
り、反力フレームと圧力チャンバーの両周枠体を連結し
た後、パッキン内に圧縮空気を導入することで両周枠体
間を密封することができるのである。
【0016】
【実施例】次に添付図面に示した実施例に基づき更に本
発明の詳細を説明する。図1〜図4は本発明の連結装置
を適用する環境試験装置の実施例を示し、図中Aは反力
フレーム、Bは疑似建物、Cは圧力チャンバーをそれぞ
れ示している。
【0017】本実施例に係る環境試験装置は、反力フレ
ームAに対して間隔を置いて設置した疑似建物Bの上部
を支承部材で連結するとともに、下部をXY方向テーブ
ルで支持し、該疑似建物Bの下部にX又はY方向の静的
変位若しくは振動を与えて面内試験及び面外試験を行
い、またXとY方向に共に静的変位若しくは振動を与え
て捩じり試験を行えるものであり、更に反力フレームA
に圧力チャンバーCを密封連結して、風圧、降水試験や
前述の各耐震試験と併用した複合試験を行えるようにな
したものである。
【0018】そして、前記疑似建物Bは、高層ビルディ
ングの連続した複数階にそれぞれ対応する複数の仮想ス
ラブ1,…をスラブ縦柱2,…で支持し、各仮想スラブ
1,1間に側壁3を通常の施工方法と同じ方法で取付け
て構成したものである。ここで、本発明で言う「側壁」
とは、カーテンウォールや窓枠体、その他の建物の外面
を形成する全ての構造体を含む広い概念として捕らえら
れる。また、前記圧力チャンバーCの圧力室4の内壁5
には、疑似建物Bの側壁3に対面して上下及び横方向に
所定間隔毎に多数のノズル6,…を設けて、該側壁3に
略直角且つ一様に水を吹き付け、水の滲み込みや流れを
試験することができるようになしている。
【0019】尚、本実施例の環境試験装置は、前記反力
フレームA及び疑似建物Bと同一構成のものを間隔を隔
てて設置し、その中間に本体の両側に圧力室4,4を設
けた圧力チャンバーCを配し、該圧力チャンバーCをレ
ール7,7に沿って自走可能となし、該圧力チャンバー
Cを一側の反力フレームAに連結して各種試験を行って
いる間に、他側の疑似建物Bに試験体となる側壁3を取
付けることで環境試験の効率化を図っている。即ち、仮
想スラブ1に側壁3を実際の施工方法にて取付ける場
合、目地材の乾燥等に1〜2ヵ月を要し、その間は実質
的に試験が行えないので、その間に他側の疑似建物Bの
側壁3の環境試験を行うのである。
【0020】前記反力フレームAの連結側端部には、前
記側壁3を取り囲むように周枠体8を形成するととも
に、前記圧力チャンバーCの連結側端部にも略同一形状
の周枠体9を形成し、本発明は両周枠体8,9を互いに
連結するものである。
【0021】図5〜図10は本発明に係る反力フレーム
Aと圧力チャンバーCとの連結装置の実施例を示し、本
実施例では反力フレームAの周枠体8の適所複数個所に
略長方形状の開口10,…を形成するとともに、圧力チ
ャンバーCの周枠体9の前記開口10,…とそれぞれ対
応する位置に連結具11,…を突設している。しかし、
前記開口10又は連結具11を周枠体8,9の何れに設
けるかは任意である。また、前記開口10の長辺の向き
は周枠体8の長手方向に沿うように設定している。即
ち、周枠体8の縦部分には開口10の長辺を上下方向に
向け、周枠体8の横部分には開口10の長辺を横方向に
向けて形成している。
【0022】更に本発明の詳細を図7〜図10に基づい
て説明する。前記周枠体8を構成する部材は、本実施例
では基板の両側に折曲板を延設した断面略コ字形のみぞ
形鋼を用い、その基板を垂直に配して枠体を構成し、該
基板を垂直端面板12となしている。また、同様に前記
周枠体9も垂直端面板13を連結側に位置させて構成さ
れている。そして、前記開口10は、前記垂直端面板1
2と該垂直端面板12に対して所定間隔を置いて固定し
た補強板14とに貫通するように形成し、所定の深さを
有している。実際には、前記補強板14は、周枠体8を
構成するみぞ形鋼の両折曲板間にまたがるように溶接固
定している。
【0023】前記連結具11は、図7に示すように圧力
チャンバーCの周枠体9であってその垂直端面板13の
幅方向外側寄りに水平に突設した螺軸15と、前記螺軸
15の基端部に基端側へ後退不能となして取付け且つ前
記開口10の外側縁に係止し得る固定板16と、前記螺
軸15の先端部に遊挿して取付け且つ前記開口10内を
通過し得るとともに90°回転変位させて該開口10の
内側縁に係止し得る略長方形状の可動板17と、前記螺
軸15の可動板17より先端側に螺合した締付ナット1
8とより基本的に構成されている。また、前記螺軸15
の固定板16より基端側に固定ナット19を螺合してい
る。
【0024】前記螺軸15は、略全長にわたってネジ部
20が形成されるとともに、長手方向に沿った上面に凹
溝21を形成し且つ一側面に凹溝22を形成し、この二
条の凹溝21,22は互いに90°回転変位した位置に
設定されている。また、本実施例における螺軸15の固
定構造として図示したものは、前記周枠体9の垂直端面
板13の内側面にベース板23を溶接固定するととも
に、前記垂直端面板13と該ベース板23に螺軸15を
遊挿する貫通孔24を形成し、前記螺軸15の基端に固
着したフランジ25を前記ベース板23にボルト26,
…にて固定している。また、前記螺軸15の先端面に
は、その直径よりも外径が大きい規制板27を着脱可能
に取付けて、前記固定板16や可動板17等を螺軸15
に装着した後に各部材が脱落することがないようにして
いる。
【0025】前記固定板16は、前記開口10の外側縁
に係止し得る形状及び大きさ寸法を有する略長方形状の
部材であり、本実施例では図7及び図8に示すように該
固定板16の短辺は開口10の短辺よりも小さいが、固
定板16の長辺は開口10の長辺よりも長く設定し、そ
して中央部に前記螺軸15を挿通し得る円孔28を形成
し、該固定板16の長辺が開口10の長辺に沿った方向
に設定した状態で、前記円孔28内に前記螺軸15の一
方の凹溝、本実施例では凹溝22に係合する爪部29を
突設したものである。従って、該固定板16を前記螺軸
15に挿通した際には、該螺軸15の長手方向にはスラ
イド変位可能であるが、回転変位はしないのである。
【0026】前記可動板17は、前記開口10の長辺及
び短辺よりそれぞれ寸法の小さい長辺及び短辺を有し且
つ該可動板17の長辺を開口10の短辺よりも大きく設
定した略長方形状の部材であり、その中央部には短径が
前記螺軸15の直径よりも若干大きい長円孔30を、そ
の長径を前記開口10内を通過し得る状態における該可
動板17の上下方向に設定して開設するとともに、該長
円孔30内上端に前記凹溝21又は22に係合する爪部
31を突設し且つ該爪部31の先端と対向する長円孔3
0下端の間隔を前記螺軸15の直径よりも若干大きく設
定したものである。即ち、周枠体9の縦部分において
は、周枠体8の対応する開口10が上下方向にその長辺
が向いていることから、可動板17の長辺に沿った方向
に長円孔30の長径が設定され、一方、周枠体9の横部
分においては可動板17の短辺に沿った方向に長円孔3
0の長径が設定されるのである。そして、前記可動板1
7の爪部31が前記螺軸15の上面に形成した凹溝21
に係合した状態では、該可動板17の自重が係合する方
向に作用してその状態を安定に維持するとともに、その
安定な係合状態が前記開口10を通過する状態となる。
【0027】前記締付ナット18及び固定ナット19
は、同一構造のものであり、本実施例では偏平円柱体の
中心に前記螺軸15に螺合する雌ネジ部が形成され、周
囲には図示しない回転工具の突起を装着するための係合
穴32,…を等間隔に形成している。
【0028】そして、前記周枠体9の垂直端面板13に
突設した前記螺軸15に、その先端側から前記固定ナッ
ト19、固定板16、可動板17及び締付ナット18を
順次装着し、最後に前記規制板27を先端面に固定する
のである。
【0029】以上の連結具11の基本構成によって、固
定ナット19を所定位置に設定し、可動板17を開口1
0内を通過させた後、90°回転変位させて締付ナット
18を回転させて該固定板16と可動板17とで前記開
口10の外側縁と内側縁を挾持して連結固定できるが、
以下の構成を付加することによって更に連結作業が簡単
になる。
【0030】即ち、前記連結具11の螺軸15であって
前記固定板16と可動板17との中間に支持環体33を
固定するとともに、該支持環体33と可動板17の間に
圧縮コイルばね34を介装し、該圧縮コイルばね34の
押圧力によって前記可動板17を常に締付ナット18に
接触させるのである。この際、前記圧縮コイルばね34
は平ワッシャ35を介して可動板17に押圧力を付与す
ることが好ましい。また、前記固定板16と可動板17
の間であって支持環体33よりも固定板16寄り位置に
第二支持環体36を固定するとともに、該第二支持環体
36と固定板16との間に圧縮コイルばね37を介装
し、該圧縮コイルばね37の押圧力によって常に固定板
16を固定ナット19に接触させるのである。尚、支持
環体33及び第二支持環体36の螺軸15への固定は、
単に支持環体33又は第二支持環体36を該螺軸15に
螺合するだけでも良いが、更に支持環体33又は第二支
持環体36の側面から嵌挿したピン38を前記凹溝21
又は22に係合させて回転を規制することが好ましい。
ここで、前記支持環体33、圧縮コイルばね34及び平
ワッシャ35、そして第二支持環体36及び圧縮コイル
ばね37の各部材は、連結状態においては前記開口10
の奥行寸法内に位置する。
【0031】更に、本発明に係る環境試験装置は、前記
疑似建物Bの側壁3の外面に静風圧を付与することもあ
り、そのため前記反力フレームAと圧力チャンバーCと
は密封連結する必要があるが、図7に示すように本実施
例では圧力チャンバーCの周枠体9の内周縁に沿った全
周にエヤータイトシールやインフレートシール等のパッ
キン39を保持枠40を利用して取付け、該パッキン3
9内に図示しないコンプレッサーにより圧縮空気を供給
することによって膨張し、他方の周枠体8の垂直端面板
12に密着するようにしている。尚、前記固定ナット1
9を回転させて、固定板16の外側面の位置調節を行
い、反力フレームAと圧力チャンバーCとの連結状態に
おいて両周枠体8,9の間隔を前記パッキン39が有効
に作用するように設定するのである。
【0032】しかして、前記連結具11を用いた本発明
の連結装置によって反力フレームAと圧力チャンバーC
とを連結するには、先ず互いに十分に離れた状態におい
て、連結具11の締付ナット18を緩めて固定板16と
可動板17との間隔を、前記開口10の奥行寸法より若
干大きくなるようにした後、該可動板17の爪部31を
螺軸15の上面に形成した凹溝21に係合させる。この
図8に示した状態では、可動板17の向きは前記開口1
0を通過し得る状態に自動的に設定される。それから、
圧力チャンバーCをレール7,7に沿って前進させて反
力フレームAに接近させ、該可動板17を開口10内を
通過させるとともに、固定板16を周枠体8の開口10
外側縁に当接させた状態で、前記可動板17を図9に示
すように上方に持ち上げて爪部31と凹溝21との係合
関係を解除し、それから想像線で示すように90°回転
させた後、更に可動板17を横方向へ変位させて爪部3
1を螺軸15の一側面に形成した凹溝22に係合させ
る。この状態では、爪部31が凹溝22に係合している
ことと、圧縮コイルばね34によって可動板17が締付
ナット18に押圧されていることによって、該可動板1
7は不意に回転変位することがないのである。最後に、
前記締付ナット18を回転させて、図7及び図10に示
すように該可動板17を開口10内側縁に係止し、もっ
て固定板16と可動板17とで開口10の内外側縁を締
付けて連結するのである。
【0033】
【発明の効果】以上にしてなる本発明の建物側壁の環境
試験装置における反力フレームと圧力チャンバーとの連
結装置によれば、以下の効果を有する。
【0034】請求項1によれば、反力フレームと圧力チ
ャンバーとに設けた一方の周枠体に形成した略長方形状
の開口に、他方の周枠体に突設した連結具の略長方形状
の可動板が挿入可能な回転状態に設定した後、反力フレ
ームに対して圧力チャンバーを接近させて、該可動板を
開口内を通過させるとともに、固定板を他方の周枠体の
開口外側縁に当接させた状態で、前記可動板を90°回
転させた後、締付ナットを回転させて該可動板を開口内
側縁に係止するといった簡単な作業によって、固定板と
可動板とで開口の内外側縁を締付けて強固に連結するこ
とができる。また、螺軸に対する固定板の位置を決める
ことにより、連結時における両周枠体の間隔を適宜設定
することができる。
【0035】請求項2によれば、可動板を螺軸に対して
90°回転変位させることができ、該可動板の爪部を螺
軸の上面に形成した凹溝に係合させた重力的に安定な状
態では、可動板の向きを前記開口内を通過し得る状態に
自動的に設定することができるとともに、該可動板を9
0°回転させてその爪部を螺軸の一側面に形成した凹溝
に係合させた状態では、可動板の向きを開口内側縁に係
止する状態に自動的に設定することができ、しかも両方
の状態を維持することができるので、多数の連結具を用
いた連結作業が非常に簡単になる。
【0036】請求項3によれば、常に可動板が締付ナッ
トに接触するので、締付ナットを緩めて固定板と可動板
との間隔を開口の奥行寸法よりも大きく設定した状態
で、連結具を開口内に挿入して固定板を開口外側縁に係
止すると、該可動板が開口内を通過して突出するので、
そのまま該可動板を90°回転操作することが可能とな
って連結作業時間の短縮化が図れるとともに、可動板は
支持環体との間に介装した圧縮コイルばねによって締付
ナットに押圧されているので、該可動板の不意の回転変
位を防止して該可動板が開口内を通過するように設定し
た状態を維持することができる。
【0037】請求項4によれば、固定ナットを回転させ
て固定板の位置を変更することで、連結状態における両
周枠体の間隔を調節することができ、しかもこの調節に
おいて凹溝と爪部が係合しているので固定板が回転する
ことがないのである。更に、固定板は第二支持環体との
間に介装した圧縮コイルばねによって固定ナットに押圧
されているので、該固定板が設定位置から不意に変位す
ることがない。
【0038】請求項5によれば、反力フレームと圧力チ
ャンバーの両周枠体を連結した後、パッキン内に圧縮空
気を導入することで両周枠体間を密封することができ、
もって疑似建物の側壁の外側から静風圧を付与すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る環境試験装置の全体簡略平面図で
ある。
【図2】同じく一部断面で示した全体側面図である。
【図3】環境試験装置における反力フレームと疑似建物
との配置を示す簡略斜視図である。
【図4】環境試験装置における圧力チャンバーの簡略斜
視図である。
【図5】反力フレームを連結側から見た簡略正面図であ
る。
【図6】圧力チャンバーを連結側から見た簡略正面図で
ある。
【図7】本発明の要部を示す拡大横断面図である。
【図8】可動板を開口を通過し得る状態に設定した要部
縦断面図である。
【図9】図8の状態から可動板を90°回転変位させる
手順を示した説明用縦断面図である。
【図10】連結状態における周枠体の要部背面図である。
【符号の説明】
A 反力フレーム B 疑似建物 C 圧力チャンバー R 局部雨水試験装
置 1 仮想スラブ 2 スラブ縦柱 3 側壁 4 圧力室 5 内壁 6 ノズル 7 レール 8 周枠体 9 周枠体 10 開口 11 連結具 12 垂直端面板 13 垂直端面板 14 補強板 15 螺軸 16 固定板 17 可動板 18 締付ナット 19 固定ナット 20 ネジ部 21 凹溝 22 凹溝 23 ベース板 24 貫通孔 25 フランジ 26 ボルト 27 規制板 28 円孔 29 爪部 30 長円孔 31 爪部 32 係合穴 33 支持環体 34 圧縮コイルば
ね 35 平ワッシャ 36 第二支持環体 37 圧縮コイルばね 38 ピン 39 パッキン 40 保持枠

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反力フレームとそれに対して振動可能に
    設置した疑似建物を有するとともに、反力フレームに対
    して接近、離間可能であり且つ該反力フレームに連結し
    て疑似建物の側壁に圧力及び散水を付与してなる圧力チ
    ャンバーからなる建物側壁の耐震、風圧、降水等の各種
    環境試験を行う環境試験装置であって、反力フレームと
    圧力チャンバーとに互いに対向する周枠体をそれぞれ設
    けるとともに、一方の周枠体の適所複数個所に略長方形
    状の開口を形成し、他方の周枠体の前記開口と対応する
    位置に該開口を利用して締付け得る連結具を突設してな
    り、該連結具は周枠体に水平に突設した螺軸と、前記螺
    軸の基端部に基端側へ後退不能となして取付け且つ前記
    開口の外側縁に係止し得る固定板と、前記螺軸の先端部
    に遊挿して取付け且つ前記開口内を通過し得るとともに
    90°回転変位させて該開口の内側縁に係止し得る略長
    方形状の可動板と、前記螺軸の可動板より先端側に螺合
    した締付ナットとよりなることを特徴とする建物側壁の
    環境試験装置における反力フレームと圧力チャンバーと
    の連結装置。
  2. 【請求項2】 前記連結具として、前記螺軸には互いに
    90°回転変位した上面と一側面の長手方向に沿って二
    条の凹溝を形成し、前記可動板の中央部には短径が前記
    螺軸の直径よりも若干大きい長円孔を、その長径を前記
    開口内を通過し得る状態における該可動板の上下方向に
    設定して開設するとともに、該長円孔内上端に前記凹溝
    に係合する爪部を突設し且つ該爪部の先端と対向する長
    円孔下端の間隔を前記螺軸の直径よりも若干大きく設定
    した連結具を用いてなる請求項1記載の建物側壁の環境
    試験装置における反力フレームと圧力チャンバーとの連
    結装置。
  3. 【請求項3】 前記周枠体の垂直端面板に対して所定間
    隔を置いて補強板を固定するとともに、該端面板と補強
    板とに貫通するように前記開口を形成し、前記連結具の
    螺軸であって前記固定板と可動板との間に支持環体を固
    定するとともに、該支持環体と可動板の間に圧縮コイル
    ばねを介装してなる請求項1又は2記載の建物側壁の環
    境試験装置における反力フレームと圧力チャンバーとの
    連結装置。
  4. 【請求項4】 前記固定板の中央部に前記螺軸を挿通し
    得る円孔を形成し且つ該円孔内に該螺軸の長手方向に沿
    って形成した凹溝に係合する爪部を突設するとともに、
    該固定板より基端側の螺軸に固定ナットを螺合して該固
    定板を基端側へ後退不能となして取付け、更に前記固定
    板と可動板との間に第二支持環体を固定するとともに、
    該第二支持環体と固定板との間に圧縮コイルばねを介装
    してなる請求項1又は2又は3記載の建物側壁の環境試
    験装置における反力フレームと圧力チャンバーとの連結
    装置。
  5. 【請求項5】 一方の前記周枠体の垂直端面板の全周
    に、封入した空気圧によって膨張し、他方の周枠体の垂
    直端面板に密着するパッキンを設けてなる請求項1又は
    2又は3又は4記載の建物側壁の環境試験装置における
    反力フレームと圧力チャンバーとの連結装置。
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