JPH07110541A - 熱現像性感光体 - Google Patents

熱現像性感光体

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JPH07110541A
JPH07110541A JP25410693A JP25410693A JPH07110541A JP H07110541 A JPH07110541 A JP H07110541A JP 25410693 A JP25410693 A JP 25410693A JP 25410693 A JP25410693 A JP 25410693A JP H07110541 A JPH07110541 A JP H07110541A
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JP
Japan
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group
heat
photoreceptor
silver halide
silver
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JP25410693A
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English (en)
Inventor
Tetsuro Fukui
哲朗 福井
Takehiko Oi
毅彦 大井
Kazunori Ueno
和則 上野
Motokazu Kobayashi
本和 小林
Takeshi Santo
剛 三東
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Canon Inc
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 有機銀塩、還元剤および感光性ハロゲン化銀
を含有する熱現像性感光体において、カブリ防止剤とし
て2−メルカプトキナゾリノン類を含有することを特徴
とする熱現像性感光体。 【効果】 光学濃度の低下や画像の光変色を起こすこと
なく、熱カブリを抑え、コントラストの良い画像を形成
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機銀塩を用いた熱現像
性感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀を用いた銀塩写真法は感度
や諧調性などに優れ、幅広く使用されている記録技術で
ある。しかし、像露光後に現像、停止、定着などの処理
を湿式で行うために、作業性、簡便性、安全性に劣り、
今まで問題とされてきた。そこで、これらの湿式処理を
なくした乾式材料の研究がなされ、特公昭43−492
1号公報および特公昭43−4924号公報などで開示
されている。これらは感光性ハロゲン化銀を触媒量用い
ると共に画像形成剤として非感光性の有機銀塩を用いる
ものである。有機銀塩が画像形成剤として働くのは以下
の機構によると推定されている。即ち(1)像露光によ
り触媒量の感光性ハロゲン化銀上に潜像が形成される。
(2)上記潜像が触媒となり、加熱されることにより有
機銀塩と還元剤が酸化還元反応を起こして有機銀塩が銀
に還元され、これが像となるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この様な乾式銀塩感光
体(熱現像性感光体)は湿式銀塩感光体と異なり、還元
剤が銀塩と同一層あるいは隣接した層中に存在するの
で、生保存性に劣るという問題があった。また、現像を
加熱により行うので、加熱温度が最適現像温度より高く
なると意図しないカブリ(熱カブリ)が生じるという問
題があった。また、旧来のカブリ防止剤のうち最も効果
的なものは水銀化合物であったが、これは環境上問題と
なるので、代替物を得べく種々の検討がなされてきた。
例えば特開昭51−3223号公報記載の2−チオウラ
シル類、特開昭50−123331号公報記載のスルフ
ィン酸類又はその塩類等がある。しかし、これらのカブ
リ防止剤は、露光部の光学濃度をも下げること及び画像
形成後の光変色を起こすことなどの問題があった。
【0004】本発明は、この様な課題を解決するために
なされたものであり、光学濃度の低下や画像の光変色を
起こすことなく熱カブリを良好に防止し、これによりコ
ントラストの良い画像を形成できる熱現像性感光体を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも有
機銀塩、還元剤および感光性ハロゲン化銀を含有する熱
現像性感光体において、2−メルカプトキナゾリノン類
を含有することを特徴とする熱現像性感光体である。
【0006】
【作用】本発明の熱現像性感光体においては、2−メル
カプトキナゾリノン類が、この種の感光体の画像形成過
程に特に良好に作用し、光学濃度の低下や光変色等の問
題を生じることなく熱カブリを防止するので、本発明の
上記目的が達成できることとなる。
【0007】以下、本発明の熱現像性感光体に関して詳
細に説明する。尚、以下の説明中、「%」および「部」
は、特記の無い限りそれぞれ「重量%」および「重量
部」を示す。
【0008】本発明の熱現像性感光体が含有する2−メ
ルカプトキナゾリノン類は、代表的には下記一般式
(I)によって表わされる。
【0009】
【化2】 一般式(I)中、R1 、R2 、R3 およびR4 は各々独
立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアル
キル基、アリール基、アラルキル基、カルボキシル基、
アルコキシカルボニル基またはシアノ基を表わし、また
1 、R2 、R 3 およびR4 のうちの二以上が互いに結
合して環を形成してもよい。R5 は水素原子またはアル
キル基を表わす。
【0010】R1 からR4 で表わされるハロゲン原子と
しては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素があり、アルキル
基としては、メチル、エチル、プロピル、i−プロピ
ル、ブチル、t−ブチル、アミル、i−アミル、ヘキシ
ル等があり、シクロアルキル基としては、シクロペンチ
ル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等があり、アラル
キル基としては、ベンジル、トリルメチル、アニシルメ
チル、フェナチル等があり、アルコキシカルボニル基と
しては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プ
ロポキシカルボニル等があり、アリール基としては、フ
ェニル、ナフチル、トリル、アニシル等がある。またR
5 で表わされるアルキル基としては、メチル、エチル、
プロピル、i−プロピル、ブチル、t−ブチル、アミ
ル、i−アミル、ヘキシル等がある。
【0011】一般式(I)で表わされる2−メルカプト
キナゾリノン類の具体例としては、下記式(1)〜(1
6)で表わされる化合物等がある。
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】
【化5】
【0015】
【化6】 本発明の感光体は、この2−メルカプトキナゾリノン類
の他に、少なくとも(a)有機銀塩、(b)還元剤およ
び(c)感光性ハロゲン化銀を含有し、更に所望により
(d)バインダーも含む。
【0016】(a)有機銀塩としては、室内光下で着色
化等の不都合な変化を受け難いものが好ましい。具体的
には、ベンゾトリアゾール銀、ベヘン酸銀、ステアリン
酸銀、パルミチン酸銀、ミリスチン酸銀、ラウリン酸
銀、オレイン酸銀、またはヒドロキシステアリン酸銀等
を挙げることができる。そのうち特にベヘン酸銀が有効
である。
【0017】(b)還元剤は、感光性ハロゲン化銀が露
光されることにより生成した銀核の存在下で加熱された
時に、有機銀塩を還元して銀を生成し得るものを用い
る。一般的には、通常のハロゲン化銀感光材料に用いら
れる現像薬、具体的にはハイドロキノン、メチルハイド
ロキノン、クロロハイドロキノン、メチルヒドロキシナ
フタレン、N,N′−ジエチル−p−フェニレンジアミ
ン、アミノフェノール、ジクロロアミノフェノール、ア
スコルビン酸、1−フェニル−3−ピラゾリドン等を挙
げることができ、また、これらの他に、2,2′−メチ
レンビス(6−ターシャリーブチル−4−メチルフェノ
ール)、4,4′−ブチリデンビス(6−ターシャリー
ブチル−3−メチルフェノール)、4,4′−チオビス
(6−ターシャリーブチル−3−メチルフェノール)
等、更には特開昭46−6074号公報に記載のビスナ
フトール系還元性化合物、あるいはベルギー特許第80
2519号明細書に記載の4−ベンゼンスルホンアミド
フェノール系化合物、あるいは特開平2−210352
号、特開平3−135564号に記載の化合物等を挙げ
ることができる。
【0018】(c)感光性ハロゲン化銀としては、例え
ば塩化銀、臭化銀、沃化銀、沃臭化銀、沃塩化銀、沃塩
臭化銀を挙げることができる。このハロゲン化銀は、特
に微細な粒子状のものが有効であり、これらを調製する
方法として非感光性有機銀塩の一部をハロゲン化銀形成
成分、例えば臭化アンモニウム、臭化リチウム、塩化ナ
トリウム、N−ブロムコハク酸イミド等によりハロゲン
化し、微細なハロゲン化銀を調製する方法などを挙げる
ことができる。また、いわゆる系外ハロゲン化銀を含有
させる方法も用いることができる。
【0019】この系外ハロゲン化銀を含有する熱現像性
感光要素は、例えば、ベルギー特許第774436号公
報に記載されている。即ち熱現像性感光要素とは別のと
ころで、換言すると、有機銀塩、還元剤の存在しない所
で感光性ハロゲン化銀を調製し、次いで、そのハロゲン
化銀を上記画像形成成分に添加して混合することによっ
て調製される。この場合のハロゲン化銀(又は、ハロゲ
ン化銀形成成分)の好ましい含有量は、有機銀塩1モル
当り0.001モル〜0.50モル、特に好ましくは
0.01モル〜0.30モルの範囲である。
【0020】又、上記ハロゲン化銀は、結晶表面層にイ
リジウムイオンを含有していてもよい。結晶表面層とは
ハロゲン化銀の結晶表面から所定の深さのところまでの
層をいう。ハロゲン化銀の結晶形状は、(1,0,0)
面の正方晶形が好ましい。ハロゲン化銀粒子の一辺は
0.001μm〜1.0μmが好ましく、更には0.0
1μm〜0.2μmが好ましく、特に0.03μm〜
0.1μmが好ましい。イリジウムイオンを含有する結
晶表面層の厚さは、結晶の一辺の長さの10%以下、さ
らには5%以下が好ましい。また、イリジウムイオンを
含有する結晶表面層は結晶の一辺の長さの少なくとも
0.5%以上であることが望ましい。
【0021】ハロゲン化銀の結晶表面層にイリジウムイ
オンを含有させるには、有機銀塩とハロゲン化銀形成成
分からハロゲン化銀を生成する際に、銀の生成を開始し
て暫く経過してからイリジウムイオン供給体を投入すれ
ばよい。イリジウムイオン供給体としては、例えば四塩
化イリジウム、六塩化イリジウム(IV)カリウム、六塩
化イリジウム(IV)ナトリウム等が好ましい。例えば、
ハロゲン化銀が所定量の90重量%生成したところで前
記イリジウムイオン供給体を投入し始めればよい。イリ
ジウムイオンの含有量は、熱現像性感光要素に含有する
全ハロゲン化銀1モル当たり、1×10-5モル〜1×1
-2モル、さらには5×10-5〜5×10-3モルの割合
が好ましい。
【0022】(d)バインダーとしては、疎水性もしく
は親水性のポリマーが好ましく、透明もしくは半透明で
あることが望ましい。具体的には、ポリビニルブチラー
ル、セルロースアセテートブチレート、ポリメチルメタ
アクリレート、ポリビニルピロリドン、エチルセルロー
ス、酢酸セルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアル
コール、ゼラチン、カナダ特許第774054号公報に
記載のスルホベタイン繰返し単位を有するもの等を挙げ
ることができる。バインダーの使用量は有機銀塩に対
し、重量比で10:1乃至1:10が好ましい、更に好
ましくは4:1乃至1:2の範囲である。バインダーは
単一層に含有させることができるが、長鎖脂肪酸銀塩と
還元剤とを別個の層にして多層とするか、もしくは上記
成分を含有した単一層の上面もしくは下面に更に長鎖脂
肪酸銀塩もしくは還元剤を含有する層を設けた多層とす
ることもできる。
【0023】本発明の熱現像性感光体は、以上列挙した
化合物に加えて、さらに重合性化合物、光重合開始剤も
しくは熱重合開始剤、熱拡散性色素を熱現像性感光要素
として含有していてもよい。
【0024】重合性化合物としては、一分子中に反応性
ビニル基を少なくとも1個もつ化合物が利用でき、例え
ば、反応性ビニル基含有単量体、反応性ビニル基含有オ
リゴマー及び反応性ビニル基含有ポリマーからなる群よ
り選択した1種以上を用いることができる。
【0025】これら化合物の反応性ビニル基としては、
スチレン系ビニル基、アクリル酸系ビニル基、メタクリ
ル酸ビニル基、アリル系ビニル基、ビニルエーテル等の
他に酢酸ビニル等のエステル系ビニル基等重合反応性を
有する置換もしくは非置換ビニル基を挙げることができ
る。
【0026】本発明の感光体における各成分の好ましい
配合比はつぎの通りである。
【0027】カブリ防止剤として添加する2−メルカプ
トキナゾリノン類の好適な添加量は、有機銀塩1モル当
り、10-5モルから0.1モル、より好ましくは2×1
-5モルから0.04モルである。この2−メルカプト
キナゾリノン類の添加方法および添加時期は特に限定さ
れず、例えば適当に溶媒に溶解した状態で熱現像性感光
要素からなる塗布液中に直接添加する方法、また例えば
熱現像性感光要素からなる塗布液を支持体上に塗布乾燥
した後にこの表面を2−メルカプトキナゾリノン類を含
有する溶液で浸漬処理する方法、また例えば熱現像性感
光要素(有機銀塩、ハロゲン化銀等)の合成時に添加す
る方法等を採用することができる。
【0028】使用される有機銀塩の量は、0.3g/m
2 〜30g/m2 、特に0.7g/m2 〜15g/
2 、更には1.2g/m2 〜8g/m2 が好ましい。
また、有機銀塩1モルに対して、感光性ハロゲン化銀は
好ましくは0.001モル〜2モル、より好ましくは
0.05モル〜0.4モル含有させる。また、有機銀塩
1モルに対して還元剤は好ましくは0.05モル〜3モ
ル、より好ましくは0.2モル〜1.3モル含有させ
る。
【0029】本発明の熱現像性感光体は、上記の他に増
感色素、イラジエーション防止色素、現像促進剤、他の
カブリ防止剤等を添加することができる。
【0030】増感色素としては、シアニン色素、メロシ
アニン色素、三核色素などが好ましく用いられ、例え
ば、3,3′−ジカルボキシエチル−2,2′−チオカ
ルボアニンアイオダイド、3,3′−ジエチル−2,
2′−チアカルボシアニンアイオダイド、3,3′−ジ
スルホエチル−2,2′−チアジカルボシアニンブロマ
イド、3,3′−ジエチル−2,2′−チアトリカルボ
シアニンアイオダイド、更には下記式(II)の色素が好
ましく用いられる。
【0031】
【化7】 増感色素の添加量はハロゲン化銀1モルに対して10-4
モルから2×10-2モルで、好ましくは10-3モルから
10-2モルである。
【0032】イラジエーション防止色素としてはスチリ
ル系色素、オキサゾール系色素、ローダミン系色素等が
使われる。
【0033】現像促進剤としては、アルカリ発生剤、色
調剤などが用いられる。アルカリ発生剤としては、有機
酸のアルカリ金属塩、有機塩基の酸塩などが用いられ
る。色調剤としては、「写真工学の基礎、非銀塩編」2
52頁記載の化合物が用いられる。
【0034】本発明の熱現像性感光体は、上述の各種化
合物を単層もしくは多層に設けた層の上に保護層を設け
てもよい。保護層としては、各種ポリマーが用いられ、
トリアセテートセルロース、ジアセテートセルロース、
ポリビニルアルコール、ゼラチン等が用いられる。
【0035】また、本発明の熱現像性感光体において、
銀塩、還元剤等を含む熱現像性感光要素は、一般には適
当な支持体上に形成される。支持体としては、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、
ポリカーボネート、酢酸セルロース等の合成樹脂フィル
ム、合成紙、ポリエチレン等の合成樹脂フィルムで被覆
された紙、アート紙、写真用バライタ紙等の紙類、又は
アルミニウム等の金属板(箔)、通常の方法により金属
蒸着膜を有する合成樹脂フィルム又はガラス板等を挙げ
ることができる。
【0036】上記の如く構成した本発明の熱現像性感光
体を用いて画像を形成する方法としては、LED、ガス
レーザ、半導体レーザー、Xeランプ、Wランプ、太陽
光等の波長400nm〜900nmの光を含む光で像露
光し、露光時または露光後に加熱現像する方法等が挙げ
られる。加熱条件は、加熱温度80℃〜160℃且つ加
熱時間1秒〜3分間、好ましくは加熱温度90℃〜14
0℃、加熱時間3秒以上90秒以内とすることが好まし
い。加熱手段としては、ホットプレート、ヒートロー
ル、サーマルヘッド等を使用することができる。さらに
支持体上に発熱素子をつけ、通電により加熱してもよ
い。
【0037】本発明の感光体が重合性化合物を含有する
場合には、前記現像工程の後に全面露光により重合潜像
を形成してもよい。全面露光光源としては、ハロゲンラ
ンプ、キセノンランプ、ダクグステンランプ、水銀灯、
蛍光灯、レーザー等の300nm〜600nmの波長光
を用いる。この場合、形成された重合画像を重合部と未
重合部に分離する方法としては、感光体をエッチング処
理する方法、あるいは剥離により重合部と未重合部を分
離する方法、あるいはマイクロカプセルを使用した場合
等によく適用される加圧による受像体への転写方法など
がある。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて説明する。
【0039】<実施例1、2、比較例1>安全光下のも
と下記組成からなる分散液をホモミキサーを用いて調製
した。
【0040】 ベヘン酸銀 3.0 部 ベヘン酸 1.5 部 臭化銀 0.3 部 アゼライン酸 0.2 部 ポリビニルブチラール 3.0 部 フタラジノン 0.3 部 2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチル
フェノール)1.1 部 プロピオン酸ナトリウム 0.05部 キシレン 20 部 n−ブタノール 15 部 そしてこの分散液に、先に示した式(II)で表わされる
増感色素0.002部と、2−メルカプトベンゾオキサ
ゾール0.01部をN,N−ジメチルホルムアミド0.
5部に溶解させ添加した。
【0041】この分散液14.5部に表1に示す様にカ
ブリ防止剤を所定量添加し、その後100μmのポリエ
チレンテレフタレート(PET)フィルムに乾燥膜厚1
1〜12μmで塗布して感光層を形成し、この感光層の
上にさらに保護層としてポリビニルアルコールを乾燥膜
厚2〜3μmで塗布し、感光体を完成した。
【0042】
【表1】 この3種類の感光体に680nmの半導体レーザーを用
いて30μJ/cm2の露光量で像露光したのち、10
秒間で種々の温度で熱現像を行った。その結果を図1に
示す。即ち図1は、各現像温度における露光部および未
露光部の光学濃度を示すグラフである。白抜きの印は未
露光部の光学濃度を示し、これが低く維持されているも
のがカブリの少ないことを表わす。黒印は露光部の光学
濃度を示し、これの高いものがコントラストが高いこと
を表わす。図1から判るように、比較例1と比べて実施
例1、2の感光体は露光部の濃度が高く、かつ現像ラチ
チュードが広いことが判る。
【0043】<比較例2>実施例1で調製したものと同
じ分散液14.5部にカブリ防止剤として2−チオウラ
シルを0.01部加えた以外は実施例1と同じ方法で感
光体を得た。
【0044】この感光体を用いて実施例1と同様に画像
形成したところ、比較例1の感光体と比べてカブリ濃度
は低かったが、実施例1、2の感光体よりは現像ラチチ
ュードは狭いものであった。又、画像形成後明室下で放
置すると未露光部が赤く変色し、画像形成後の安定性に
欠けるものであった。この比較例2の感光体の現像特性
も図1に示す。図に示す結果から、この感光体は実施例
のものと比べて130℃以上の温度ではかぶり濃度が高
くなることがわかる。
【0045】<実施例3、比較例3>安全光下のもと下
記組成物の分散液をホモミキサーを用いて調製した。
【0046】 ベヘン酸銀 3.0 部 ベヘン酸 1.5 部 臭化銀 0.2 部 グルタル酸 0.2 部 ホモフタル酸 0.05部 ポリビニルブチラール 3.5 部 N−ヨードスクシンイミド 0.05部 6−ピリダゾン 0.15部 2,6−ジクロロ−4−ベンゼンスルホニルフェノール
0.3 部 トルエン 20 部 i−プロパノール 22 部 この分散液に前記式(3)の化合物を0.018部添加
し、乾燥膜厚10μmでPETフィルムに塗布して感光
層を形成し、この感光層の上にさらにポリビニルアルコ
ールとコロイダルシリカからなる保護層を設け感光体を
完成した(実施例3)。また前記式(3)の化合物を添
加せず、それ以外は同様にして感光体を完成した(比較
例3)。
【0047】これら感光体を9000 lux・sec
で露光し、15秒間で種々の温度で熱現像を行った。そ
の結果を図2に示す。図2から判るように実施例3の感
光体は、比較例3の感光体に比べて高温側でも十分コン
トラストが取れていることが判る。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように本発明の熱現像性感
光体は、光学濃度の低下や画像の光変色を起こすことな
く、熱カブリを抑えたものであり、コントラストの良い
画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、2および比較例1の感光体の各現像
温度における露光部および未露光部の光学濃度を示すグ
ラフである。
【図2】実施例3および比較例3の感光体の各現像温度
における露光部および未露光部の光学濃度を示すグラフ
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 本和 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 三東 剛 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも有機銀塩、還元剤および感光
    性ハロゲン化銀を含有する熱現像性感光体において、2
    −メルカプトキナゾリノン類を含有することを特徴とす
    る熱現像性感光体。
  2. 【請求項2】 2−メルカプトキナゾリノン類は、下記
    一般式(I)によって表わされる化合物である請求項1
    記載の熱現像性感光体。 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は各々独立に水素
    原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、
    アリール基、アラルキル基、カルボキシル基、アルコキ
    シカルボニル基またはシアノ基を表わし、またR1 、R
    2 、R3 およびR4 のうちの二以上が互いに結合して環
    を形成してもよい。R5 は水素原子またはアルキル基を
    表わす。)
JP25410693A 1993-10-12 1993-10-12 熱現像性感光体 Pending JPH07110541A (ja)

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