JPH06208191A - 乾式銀塩感光体及びこの乾式銀塩感光体を用いた画像形成方法 - Google Patents

乾式銀塩感光体及びこの乾式銀塩感光体を用いた画像形成方法

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JPH06208191A
JPH06208191A JP28797193A JP28797193A JPH06208191A JP H06208191 A JPH06208191 A JP H06208191A JP 28797193 A JP28797193 A JP 28797193A JP 28797193 A JP28797193 A JP 28797193A JP H06208191 A JPH06208191 A JP H06208191A
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silver salt
dry silver
photosensitive layer
photosensitive
photoreceptor according
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JP28797193A
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English (en)
Inventor
Tetsuro Fukui
哲朗 福井
Takehiko Oi
毅彦 大井
Kazunori Ueno
和則 上野
Motokazu Kobayashi
本和 小林
Masao Suzuki
雅雄 鈴木
Katsuya Nishino
勝也 西野
Kenji Kagami
憲二 加々美
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Canon Inc
Oriental Photo Industrial Co Ltd
Original Assignee
Canon Inc
Oriental Photo Industrial Co Ltd
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Publication date
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 生保存性に優れ、かつ現像温度に広いラチチ
ュードを有する乾式銀塩感光体を提供する。 【構成】 支持体上の感光層に、少なくとも有機銀塩
と、還元剤と、感光性ハロゲン化銀又は感光性ハロゲン
化銀形成成分とを含有する乾式銀塩感光体において、前
記感光層に下記の化合物(i)、(ii)及び(iii)のう
ちから選ばれたものを含有する。 (i)〔T+ - 〕Z2 (上記式中、T+ は有機色素カチオン残基、X- はカウ
ンターアニオン、Zはハロゲン原子を表わす。) (ii)オキサジンジオン誘導体の窒素置換ハロゲン化合
物 (iii)芳香族酸イミド誘導体の窒素置換ハロゲン化合物

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乾式銀塩感光体及びこ
の乾式銀塩感光体を用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から知られている感光性ハロゲン化
銀を用いた銀塩写真法は、感光性及び諧調性に優れ、最
も広く実用化されてきた記録技術である。しかしなが
ら、この方法においては現像、定着、および水洗いなど
処理工程に湿式処理法を用いるために、処理に時間と手
間がかかり、また処理薬品による人体への影響が懸念さ
れるなど作業性、安全性において多くの問題点がある。
【0003】これに対して、湿式処理をなくした乾式処
理写真法が多くの研究がなされており、特公昭43−4
921号公報、及び特公昭43−4924号公報などに
開示されている。これらは感光性ハロゲン化銀を触媒程
度の量用いて、画像形成材として非感光性の有機銀塩を
用いることを内容とするものである。有機銀塩が画像形
成材として働くのは以下の機構によるとされている。即
ち、(1)像露光により感光性ハロゲン化銀から銀核が
生成し、これが潜像を形成する。(2)銀核が触媒とな
り、加熱されることにより有機銀塩と還元剤とが酸化還
元反応を起こし、有機銀塩が銀に還元され、これが像と
なるものである。
【0004】このような乾式銀塩感光体の利用方法の1
例として、特開昭55−50246号公報に開示されて
いるマスクとしての使用方法がある。この方法は銀像を
マスクとして用いるものである。銀像のマスクを利用す
る場合よりも更にコントラストの良い重合画像が得られ
る感光体として、本出願人の提案した特開平3−135
564号公報には、還元剤が酸化されてできた光吸収性
有機化合物の光吸収性を利用してコントラストの良い画
像を形成する感光体が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】乾式銀塩感光体は、湿
式処理が不要である点で湿式銀塩感光体よりも優れたも
のであるため、感光感度及び生保存性(生保存性とは感
光体の写真特性が製造直後の状態のまま保存される性質
をいう)が湿式銀塩感光体並みあるいはそれ以上に改善
されることが従来から望まれていた。
【0006】また、乾式銀塩感光体は現像を加熱により
行うため、現像温度に広いラチチュードのあることが望
まれていた。
【0007】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
で、生保存性に優れ、かつ現像温度に広いラチチュード
を有する乾式銀塩感光体、及びこの乾式銀塩感光体を用
いた画像形成方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の乾式銀塩感光体
は、支持体上の感光層に、少なくとも有機銀塩と、還元
剤と、感光性ハロゲン化銀又は感光性ハロゲン化銀形成
成分とを含有するもので、前記感光層に下記の化合物
(i),(ii)及び(iii)のうちから選ばれたものを含
有するものである。 (i)〔T+ - 〕Z2 (上記式中、T+ は有機色素カチオン残基、X- はカウ
ンターアニオン、Zはハロゲン原子を表わす。) (ii)オキサジンジオン誘導体の窒素置換ハロゲン化合
物 (iii)芳香族酸イミド誘導体の窒素置換ハロゲン化合物 また、本発明の画像形成方法は、上記の乾式銀塩感光体
に、像露光及び加熱を行なって画像を形成するものであ
る。
【0009】本発明の乾式銀塩感光体は、支持体上の感
光層に、有機銀塩と、還元剤と、感光性ハロゲン化銀又
は感光性ハロゲン化銀形成成分とを少なくとも含有す
る。感光層には、更に下記の化合物(i),(ii)及び
(iii)のうちから選ばれたものを含有する。 (i)〔T+ - 〕Z2 (上記式中、T+ は有機色素カチオン残基、X- はカウ
ンターアニオン、Zはハロゲン原子を表わす。) (ii)オキサジンジオン誘導体の窒素置換ハロゲン化合
物 (iii)芳香族酸イミド誘導体の窒素置換ハロゲン化合物 上記化合物(i)の有機色素カチオン残基T+ として
は、例えばシアニン色素残基、スチリル色素残基、アミ
ノビニール色素残基、アニリン系色素残基、キサンテン
系色素残基、フェノオキサジウム色素残基等を挙げるこ
とができる。これらの代表的な構造を、下記構造式
(1)〜(16)に示すが、これらは本発明を限定する
ものではない。
【0010】
【化3】
【0011】
【化4】
【0012】
【化5】
【0013】
【化6】
【0014】
【化7】
【0015】
【化8】
【0016】
【化9】
【0017】
【化10】
【0018】
【化11】
【0019】
【化12】
【0020】
【化13】
【0021】
【化14】
【0022】
【化15】
【0023】
【化16】
【0024】
【化17】
【0025】
【化18】 構造式(1)〜(16)中、a1 ,a2 ,a3 ,a
4 は、同一であっても異なっていてもよく、各々、水素
原子、アリール基、アルキル基又はアラルキル基を表わ
し、a1 とa2 、a3 とa4 は互いに結合して置換もし
くは無置換の芳香族環を形成していてもよい。
【0026】上記式中、b1 ,b2 ,b3 ,b4
5 ,b6 ,b7 は、同一であっても異なっていてもよ
く、各々、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリ
ール基、置換もしくは無置換のスチリル基または複素環
基を表し、任意に結合して環化合物を形成していてもよ
い。
【0027】上記式中、a5 ,a6 ,a7 ,a8
9 ,a10,a11,a12は、同一であっても異なってい
てもよく、各々、水素原子又はアルキル基を表す。
【0028】上記式中、D1 ,D2 は、各々、酸素原
子、硫黄原子、セレン原子、C(CH 3)2 又はN−E3
を表し、E3 は、水素原子、アルキル基、アルコキシア
ルキル基、アシル基又はアラルキル基を表す。
【0029】上記式中、E1 ,E2 はアルキル基、アル
コキシアルキル基、アラルキル基、カルボキシアルキル
基、スルホキシアルキル基又はアルケニル基を表す。
【0030】r4 ,r5 ,r6 ,r7 ,r8 ,r9 は、
同一であっても異なっていてもよく、各々、水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルコキシ
ル基、アリール基又はアルコキシアルキル基を表し、r
4 とr5 、r6 とr7 、r8とr9 は各々結合して置換
又無置換の芳香族環を形成していてもよい。
【0031】上記式中、E4 ,E5 ,E6 ,E7 はアル
キル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルコキシ
アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を表し、E
4 とE5 、E6 とE7 は各々結合して環化合物を形成し
ていてもよい。
【0032】上記式中、A1 ,A2 はアルキル基又はア
リール基を表す。
【0033】上記式中、A3 ,A4 は水素原子、ハロゲ
ン原子、アルキル基又はアリール基を表し、前記b1
2 のいずれかと結合して環化合物を形成していてもよ
い。
【0034】上記式中、r10,r11,r12,r13は水素
原子、アルキル基、ニトロ基又はアミノ基を表す。
【0035】上記式中、Qは酸素原子、硫黄原子又はN
−E3 を表す。
【0036】上記式中、m,n,lは0、1、2又は3
を表す。
【0037】上記(i)のカウンターアニオンX- とし
ては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、
過塩素酸塩イオン、ベンゼンスルホン酸塩イオン、P−
トルエンスルホン酸塩イオン、メチル硫酸塩イオン、エ
チル硫酸塩イオン、プロピル硫酸塩イオン、テトラフル
オロホウ酸塩イオン、テトラフェニルホウ酸塩イオン、
ヘキサフルオロリン酸塩イオン、ベンゼンスリフィン酸
塩イオン、酢酸塩イオン、トリフルオロ酢酸塩イオン、
プロピオニル酢酸塩イオン、安息香酸塩イオン、シュウ
酸塩イオン、コハク酸塩イオン、マロン酸塩イオン、オ
レイン酸塩イオン、ステアリン酸塩イオン、クエン酸塩
イオン、一水素二リン酸塩イオン、二水素一リン酸塩イ
オン、ペンタクロロスズ酸塩イオン、クロロスルホン酸
塩イオン、フルオロスルホン酸塩イオン、トリフルオロ
メタンスルホン酸塩イオン、ヘキサフルオロアンチモン
酸塩イオン、モリブデン酸塩イオン、タングステン酸塩
イオン、チタン酸塩イオン、ジルコン酸塩イオン等の陰
イオンを挙げることができ、中でもハロゲンアニオン、
とりわけ、臭化物イオン、ヨウ化物イオンが好ましい。
【0038】ハロゲン原子Zとしては、例えばBr,I
あるいはClが好ましい。
【0039】化合物(i)の好ましいものを以下に示
す。
【0040】
【化19】
【0041】
【化20】
【0042】
【化21】
【0043】
【化22】
【0044】
【化23】
【0045】
【化24】
【0046】
【化25】
【0047】
【化26】
【0048】
【化27】
【0049】
【化28】
【0050】
【化29】
【0051】
【化30】
【0052】
【化31】
【0053】
【化32】
【0054】
【化33】
【0055】
【化34】
【0056】
【化35】
【0057】
【化36】
【0058】
【化37】
【0059】
【化38】
【0060】
【化39】
【0061】
【化40】
【0062】
【化41】
【0063】
【化42】
【0064】
【化43】
【0065】
【化44】
【0066】
【化45】
【0067】
【化46】
【0068】
【化47】
【0069】
【化48】
【0070】
【化49】
【0071】
【化50】
【0072】
【化51】
【0073】
【化52】
【0074】
【化53】 前記化合物(ii)としては、例えば下記一般式(I)の
ものが好ましい。
【0075】
【化54】 上記一般式(I)中r1 ,r2 ,r3 は同一であっても
異なっていてもよく、各々、水素原子、アルキル基、ア
ルコキシル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アリー
ル基、アラルキル基、アルコキシアルコキシル基又はア
ミノ基を表し、r1 ,r2 ,r3 のいずれか2つが結合
して縮合環を形成しても良い。Lはハロゲン原子を表わ
す。ハロゲン原子Lとしては、例えばBr,Iあるいは
Clが好ましい。
【0076】前記化合物(ii)の好ましいものを以下に
示す。
【0077】
【化55】
【0078】
【化56】
【0079】
【化57】
【0080】
【化58】
【0081】
【化59】
【0082】
【化60】
【0083】
【化61】
【0084】
【化62】
【0085】
【化63】 前記化合物(iii)としては、下記一般式(II)のものが
好ましい。
【0086】
【化64】 上記一般式(II)中、Rは置換又は無置換の芳香族環を
形成する有機残基を表わし、Mはハロゲン原子を表わ
す。ハロゲン原子Mとしては、例えばBr,Iあるいは
Clが好ましい。
【0087】上記一般式(II)の中でも、フタルイミド
誘導体の窒素置換ハロゲン化合物あるいはナフタルイミ
ド誘導体の窒素置換ハロゲン化合物が好ましい。
【0088】前記化合物(iii)の好ましいものを以下に
示す。
【0089】
【化65】
【0090】
【化66】
【0091】
【化67】
【0092】
【化68】
【0093】
【化69】
【0094】
【化70】
【0095】
【化71】
【0096】
【化72】 有機銀塩としては、炭素数12〜24個のものが好まし
い。炭素数12〜24個の有機銀塩は室内光下で着色等
の不都合な変化を受け難い。好ましい有機銀塩として
は、例えばベンゾトリアゾール銀、ベヘン酸銀、ステア
リン酸銀、パルミチン酸銀、ミリスチン酸銀、ラウリン
酸銀、オレイン酸銀、またはヒドロキシステアリン酸銀
等を挙げることができる。そのうち特にベヘン酸銀が有
効である。
【0097】還元剤は、乾式銀塩感光体が像露光及び熱
現像されたときに、上記有機銀塩を還元して銀を生成し
うるものである。還元剤としてはハイドロキノン、メチ
ルハイドロキノン、クロロハイドロキノン、メチルヒド
ロキシナフタレン、N,N’−ジエチル−p−フェニレ
ンジアミン、アミノフェノール、アスコルビン酸、1−
フェニル−3−ピラゾリドン等を挙げることができ、ま
た、これらの他に、2,2’−メチレンビス(6−ター
シャリーブチル−4−メチルフェノール)、4,4’−
ブチリデンビス(6−ターシャリーブチル−3−メチル
フェノール)、4,4’−チオビス(6−ターシャリー
ブチル−3−メチルフェノール)等、更には特開昭46
−6074号公報に記載のビスナフトール系還元性化合
物、あるいは特公昭53−9735号公報に記載の4−
ベンゼンスルホンアミドフェノール系化合物、あるいは
特開平2−210352号、特開平3−135564号
に記載の化合物等が好ましい。
【0098】感光性ハロゲン化銀としては、例えば塩化
銀、臭化銀、沃化銀、沃臭化銀、沃塩化銀、沃塩臭化銀
を挙げることができる。感光性ハロゲン化銀は、特に微
細な粒子状のものが有効である。微細な粒子状のハロゲ
ン化銀を調製する方法として有機銀塩をハロゲン化銀形
成成分、例えば臭化アンモニウム、臭化リチウム、塩化
ナトリウム、N−ブロムコハク酸イミド等によりハロゲ
ン化する方法などを挙げることができる。
【0099】感光層には必要に応じバインダーを含有す
る。バインダーとしては、疎水性もしくは親水性のポリ
マーが好ましく、透明もしくは半透明であることができ
る。具体的には、ポリビニルブチラール、セルロースア
セテートブチレート、ポリメチルメタアクリレート、ポ
リビニルピロリドン、エチルセルロース、酢酸セルロー
ス、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ゼラチン
等を挙げることができる。
【0100】感光層は単一層で構成してもよいが、有機
銀塩、還元剤及び感光性ハロゲン化銀(あるいは感光性
ハロゲン化銀形成成分)を含有する第1感光層と、前記
の化合物(i),(ii)及び(iii)のうちから選ばれた
ものを含有する第2感光層とを積層した多層構成として
もよい。
【0101】感光層を多層構成とした場合、支持体側か
ら第1感光層及び第2感光層の順で積層してもよいし、
その逆でもよい。ただし、像露光工程において光の照射
される側から第1感光層及び第2感光層の順に積層する
とよい。
【0102】前記化合物(i)の含有量は、感光層が一
層構成の場合、有機銀塩1モルに対して1×10-4モル
〜5×10-1モル、更には5×10-4モル〜1×10-1
モル、特に1×10-4モル〜1×10-2モルが好まし
い。前記化合物(ii)及び(iii)の含有量は、感光層が
一層構成の場合、有機銀塩1モルに対し1×10-4モル
〜5×10-1モル、更には5×10-4モル〜5×10-1
モル、特に1×10-3モル〜1×10-1モルが好まし
い。
【0103】感光層が多層構成の場合、前記化合物
(i),(ii)及び(iii)の含有量は、一律に、有機銀
塩1モルに対し5×10-4モル〜10モル、更には5×
10-3モル〜0.5モル、特に5×10-2モル〜0.5
モルが好ましい。
【0104】有機銀塩、還元剤及び感光性ハロゲン化銀
の含有量は、感光層の層構成にかかわりなく、以下の通
りである。
【0105】有機銀塩の含有量は、0.3g/m2 〜3
0g/m2 、特に0.7g/m2 〜15g/m2 、更に
は1.2g/m2 〜8g/m2 が好ましい。
【0106】感光性ハロゲン化銀の含有量は、有機銀塩
1モルに対し0.001モル〜0.50モル、更には
0.01モル〜0.30モルが好ましい。感光性ハロゲ
ン化銀形成成分の含有量も、感光性ハロゲン化銀と同様
である。
【0107】還元剤の含有量は、有機銀塩1モルに対し
て0.05モル〜3モル、更には0.2モル〜1.3モ
ルが好ましい。
【0108】感光層が一層構成の場合、必要に応じて含
有するバインダーの量は、有機銀塩1重量部に対し0.
1重量部〜10重量部、更には0.5重量部〜4重量部
が好ましい。
【0109】感光層が多層構成の場合、第1感光層に必
要に応じて含有するバインダーの量は、感光層が一層構
成の場合と同様である。また、第2感光層には、前記
(i),(ii)又は(iii)の化合物1重量部に対して
0.1重量部〜100重量部、更には0.5重量部〜5
0重量部のバインダーを含有する。第1感光層又は第2
感光層に含有するバインダーも、前述したバインダーと
同様である。
【0110】感光層の厚みは0.1μm〜50μm、更
には1μm〜30μm、特に2μm〜20μmが好まし
い。感光層を多層構成とする場合も、感光層全体の厚み
を上記範囲とするのがよい。多層構成の感光層におい
て、前記の化合物(i),(ii)または(iii)を含有す
る第2感光層の厚みは、0.01μm〜30μm、更に
は0.1μm〜10μmが好ましい。
【0111】本発明の感光層は、構成成分の溶解した塗
布液を、支持体上に塗布乾燥して形成される。前記の化
合物(i),(ii)または(iii)は、有機銀塩やハロゲ
ン化銀を合成する際に添加してもよいし、有機銀塩、還
元剤及び感光性ハロゲン化銀を分散する際に添加しても
よい。
【0112】また、有機銀塩、還元剤及び感光性ハロゲ
ン化銀の溶解した塗布液を、支持体上に塗布乾燥して塗
膜を形成し、その後この塗膜の形成された支持体を、前
記の化合物(i),(ii)または(iii)の溶解した溶液
中に浸漬することにより、感光層を形成することもでき
る。
【0113】支持体としては、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネー
ト、酢酸セルロース、合成紙、ポリエチレン等の合成樹
脂フィルムが被覆された紙、アート紙、写真用バライタ
紙、アルミニウム、ガラス板、または金属蒸着膜を有す
る合成樹脂フィルム等を挙げることができる。
【0114】本発明においては、感光層あるいは第1感
光層に、画像の色調性、画像形成後の安定性を改善する
ために、有機酸、色調剤、カブリ防止剤、着色防止剤、
現像促進剤、帯電防止剤、増感色素、紫外線吸収剤、イ
ラジエーション防止染料蛍光増白剤あるいはフィルター
染料等を含有させてもよい。
【0115】有機酸としては、特に有機銀塩と同一もし
くは類似の脂肪酸が好ましく、単独もしくは組み合わせ
て含有させるのが好ましい。それらの脂肪酸の使用量
は、有機銀塩に対して25モル%〜200モル%であ
り、特に好ましくは30モル%〜120モル%である。
【0116】色調剤としては米国特許第3080254
号公報に記載のフタラジノンもしくはその誘導体、特開
昭46−6074号公報に記載の乾式イミド類又は特開
昭50−32927号公報に記載のフタラジンジオン化
合物等を使用することができる。
【0117】カブリ防止剤としては、特公昭47−11
113号公報に記載の水銀化合物、特公昭55−423
75号公報に記載の1,2,4−トリアゾール化合物、
特開昭57−30828号公報に記載のテトラゾール化
合物、特開昭57−138630号公報に記載の安息香
酸類及び特開昭57−147627号公報に記載のスル
ホニルチオ基を有する化合物、特開昭58−10753
4号公報に記載の二塩基酸類を挙げることができる。特
に、本発明に用いられるカブリ防止剤としては、特開昭
58−107534号公報に記載されている二塩基酸類
が好ましい。
【0118】帯電防止剤としては、例えば含フッ素系界
面活性剤が好ましい。
【0119】増感色素としては、例えばシアニン色素、
メロシアニン色素などを挙げることができる。
【0120】本発明の乾式銀塩感光体は、像露光及び加
熱(熱現像)により、像露光された部分で有機銀塩と還
元剤とが酸化還元反応し、その反応によって生成される
金属銀による黒化像を形成するものである。
【0121】また、本発明の乾式銀塩感光体は、上記の
酸化還元反応によって生成される酸化体(還元剤の酸化
されたもの)の光吸収性を利用して、重合部分と未重合
部分とで構成されるパターン(以下、重合・未重合パタ
ーンという)を形成することができる。即ち、本発明に
よる感光層(感光層が多層構成の場合は、第1感光層)
に重合性ポリマー前駆体及び光重合開始剤を含有し、像
露光、加熱(熱現像)及び重合露光により重合・未重合
パターンを形成することができる。このように重合・未
重合パターンが形成されるのは、酸化体の生成した部分
では酸化体による光吸収により重合が進行せず、酸化体
の生成されなかった部分では重合が進行するためであ
る。
【0122】また、上記の酸化体が化学的重合禁止能を
有する場合にも、酸化体が光吸収性を有する場合と同様
にして重合・未重合パターンを形成することができる。
酸化体が化学的重合禁止能を有する場合には、重合開始
剤として光重合開始剤以外に熱重合開始剤を用いてもよ
い。重合開始剤として熱重合開始剤を用いた場合には、
像露光及び加熱(熱現像)により、像露光しなかった部
分の重合が進行して重合・未重合パターンが形成され
る。
【0123】更に、本発明の乾式銀塩感光体は、酸化還
元反応によって生成したラジカルを利用して、重合・未
重合パターンを形成することができる。即ち、本発明に
よる感光層(感光層が多層構成の場合は、第1感光層)
に重合ポリマー前駆体を含有し、酸化還元反応によって
発生したラジカルにより、像露光した部分の重合が進行
して重合・未重合パターンが形成される。
【0124】酸化還元反応により、光吸収性の酸化体を
生成するか、化学的重合禁止能の酸化体を生成するか、
あるいはラジカルを発生するかは使用する還元剤の種類
による。
【0125】重合性ポリマー前駆体及び重合開始剤は、
感光層中に含有してもよいが、感光層とは別に重合性ポ
リマー前駆体及び重合開始剤を含有する重合層を設けて
もよい。感光層と重合層とは、支持体側から重合層、感
光層の順、あるいは支持体側から感光層、重合層の順に
積層してもよいし、または支持体を間に挟んで支持体の
片面の感光層を設け、他面に重合層を設けるようにして
もよい。
【0126】重合性ポリマー前駆体としては、一分子中
に反応性ビニル基を少なくとも1個もつ化合物が利用で
き、例えば、反応性ビニル基含有単量体、反応性ビニル
基含有オリゴマー及び反応性ビニル基含有ポリマーから
なる群より選択した1種以上を用いることができる。
【0127】これら化合物の反応性ビニル基としては、
スチレン系ビニル基、アクリル酸系ビニル基、メタクリ
ル酸ビニル基、アリル系ビニル基、ビニルエーテル等の
他に酢酸ビニル等のエステル系ビニル基等重合反応性を
有する置換もしくは非置換ビニル基を挙げることができ
る。
【0128】かかる条件を満たす重合性ポリマー前駆体
の具体例としては、例えばスチレン、メトキシスチレ
ン、ジメチルアミノスチレン、ヒドロキシスチレン、ア
ミノスチレン、カルボキシスチレン、アクリル酸、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸シクロヘ
キシル、アクリルアミド、メタクリル酸、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、ペンタエリスリトールト
リアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレ
ート、シアヌル酸トリアクリレート、シアヌル酸トリメ
タクリレート、1,1,1−トリメチロールプロパント
リアクリレート、1,1,1−トリメチロールプロパン
トリメタクリレート、シアヌル酸トリ(エチルアクリレ
ート)、1,1,1−トリメチロールプロパントリ(エ
チルアクリレート)、シアヌル酸トリ(エチルビニルエ
ーテル)、1,1,1−トリメチロールプロパンと3倍
モルのトルエンジイソシアネートとの反応物とヒドロキ
シエチルアクリレートとの縮合物、エチレンテトラアク
リルアミド、プロピレンテトラアクリルアミド等を挙げ
ることができる。これらの重合性ポリマー前駆体は単独
にもしくは複数種組み合わせて使用する。
【0129】光重合開始剤としては、例えばカルボニル
化合物、イオウ化合物、ハロゲン化合物、レドックス系
重合開始剤等を挙げることができる。
【0130】カルボニル化合物としては、例えばベンジ
ル、4,4’−ジメトキシベンジル、ジアセチル、カン
ファーキノン等のジケトン類;例えば4,4’−ジエチ
ルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾ
フェノン等のベンゾフェノン類;例えばアセトフェノ
ン、4−メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン
類;例えばベンゾイルアルキルエーテル類;例えば2−
シクロロチオキサントン、2,5−ジエチルチオキサン
トン、チオキサントン−3−カルボン酸−β−メトキシ
エチルエステル類のチオキサントン類;ジアルキルアミ
ノ基を有するカルコン類及びスチリルケトン類;3,
3’−カルボニルビス(7−メトキシクマリン)、3,
3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)
等のクマリン類等を挙げることができる。
【0131】イオウ化合物としては、ジベンゾチアゾリ
ルスルフィド、デシルフェニルスリフィド等のジスルフ
ィド類等を挙げることができる。
【0132】ハロゲン化合物としては、例えば四臭化水
素、キノリンスルホニルクロライド、トリハロメチル基
を含有するS−トリアジン類等を挙げることができる。
【0133】また以上に述べた光重合開始剤において、
2種以上を組合せてより効率のよい光重合反応を得るこ
とができる。このような光重合開始剤の組合せとして
は、ジアルキルアミノ基を有するカルコンとスチリルス
チリルケトン類との組み合せ、クマリン類とトリハロメ
チル基を有するS−トリアジン類もしくはカンファーキ
ノンとの組合せ等を挙げることができる。これらの重合
開始剤もその2種以上を併用したり、上述の化合物と組
合せて用いてもよい。
【0134】熱重合開始剤としては、アゾビスイソブチ
ロニトリル等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキサイド
等の過酸化物等を挙げることができる。
【0135】また、本発明の乾式銀塩感光体に、重合性
ポリマー前駆体と共に熱拡散性色素を含有して、重合・
未重合パターンを形成した後、本発明の乾式銀塩感光体
と記録紙とを重ねて加熱することにより、未重合部分か
ら熱拡散性色素を拡散させて記録紙に画像を形成するこ
ともできる。
【0136】熱拡散性色素としては、例えば特開平3−
163454号公報に記載の化合物等を使用することが
できる。
【0137】更に、重合・未重合パターンを形成した
後、重合部と未重合部とをピールアパートにより分離し
てもよいし、あるいはエッチングにより未重合部を除去
してもよい。
【0138】重合性ポリマー前駆体及び重合開始剤を本
発明の乾式銀塩感光体に含有する場合、重合開始剤は還
元剤1モルに対して0.01モル〜10モル、更には
0.5モルから3.0モル含有するのが好ましい。ま
た、重合開始剤は重合性ポリマー前駆体100重量部に
対して0.1重量部〜30重量部、更には0.5重量部
〜10重量部とするのがよい。
【0139】感光層とは別に重合層を設ける場合、重合
層の厚みは0.1μm〜50μm、更には1μm〜30
μm、特に2μm〜20μmが好ましい。
【0140】像露光工程で用いる光源としては、例えば
LED、ガスレーザ、半導体レーザー、Xeランプ、W
ランプ、太陽光等が好ましい。像露光の光は、波長40
0nm〜900nmの光を含むものが好ましい。
【0141】熱現像工程で用いる加熱手段としては、例
えばホットプレイト、ヒートロールあるいはサーマルヘ
ッド等を使用することができる。熱現像工程での加熱条
件は、加熱温度80℃〜160℃で加熱時間1秒〜3分
間、更には加熱温度90℃〜140℃で加熱時間3秒〜
90秒とすることが好ましい。
【0142】重合露光により、本発明の乾式銀塩感光体
に重合・未重合パターンを形成する場合、重合露光に用
いる光源としては、例えばハロゲンランプ、キセノンラ
ンプ、ダクグステンランプ、水銀灯、蛍光灯、レーザー
等が好ましい。重合露光の光は300nm〜600nm
の光を含むものが好ましい。
【0143】像露光工程及び重合露光工程で用いる光の
波長は同じであっても異なっていても良い。尚、同一波
長の光を用いても、通常感光性ハロゲン化銀は光重合開
始剤よりも十分に高い感光感度を有するので、上記露光
工程において光重合が起きない程度の強度の光で十分な
潜像書き込みが行なえる。例えば、像露光工程では、感
光体の面上で概ね1mJ/cm2 までの光で露光を行な
い、重合露光工程では感光体の面上で概ね500mJ/
cm2 までの光で露光を行なうとよい。
【0144】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。尚、以下に示す配合割合は、重量基準である。
【0145】<実施例1〜5、比較例1>測定A 下記の組成によりなる分散液(a)をホモミキサーを用
いて安全光下で調製した。
【0146】 ポリビニルブチラール 4.0部 ベヘン酸銀 2.5部 ベヘン酸 1.5部 ホモフタル酸 0.6部 臭化銀 0.6部 フタラジノン 0.5部 2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール) 2.4部 キシレン 30部 n−ブタノール 30部 上記の臭化銀結晶は、面指数{100}の立方晶であっ
て、その結晶の1辺の長さが0.07μmであった。
【0147】この分散液(a)に、下記構造式の色素
0.03部をジメチルホルムアミド(DMF)5.0部
に溶かしたものを添加して分散液(b)を得た。
【0148】
【化73】 こうして得た分散液(b)15.2部に、前記の化合物
(i−3)を0.008部添加して分散液(c)を作成
し、この分散液(c)をポリエチレンテレフタレートフ
ィルム(PETフィルム)上に乾燥厚みが10μmとな
るように塗布して感光層を形成した。更に、この感光層
上に厚み2μmのポリビニルアルコールの保護層を形成
して本発明の乾式銀塩感光体を作成した(実施例1)。
【0149】化合物(i−3)0.008部にかえて、
前記の化合物(i−19),(i−34),(ii−3)
及び(iii−2)を、それぞれ表1に示す添加量で添加
し、その他は実施例1と同様にして実施例2〜5の乾式
銀塩感光体を作成した。
【0150】
【表1】 こうして得た実施例1〜5の各乾式銀塩感光体に対し
て、25℃、60%RHの環境下で像露光及び熱現像を
行い、露光部と未露光部の光学濃度を測定した。このと
き、同じ組成の感光体を複数用意して、各感光体に対し
て熱現像温度を変えて熱現像を行った。結果を表2に示
した。
【0151】像露光は、波長680nmの半導体レーザ
ーを有するポリゴンスキャン型露光機を用いて行った。
半導体レーザーのエネルギーは感光体面上で30μJ/
cm 2 であった。また、半導体レーザーの走査スピード
は1.67×10-7sec./dotであった。
【0152】熱現像は、表2に示すように、115℃、
120℃、125℃、130℃及び135℃の各温度で
行った。熱現像時間は、いずれの場合も10秒間とし
た。
【0153】光学濃度の測定は、ナルミ製の光学濃度計
STD−TRを用いて行った。
【0154】また比較のために、前記の化合物(i),
(ii)及び(iii)のいずれも添加せず、その他は実施例
1〜5と同様にして乾式銀塩感光体を作成し、この乾式
銀塩感光体についても実施例1〜5と同様に評価した
(比較例1)。
【0155】
【表2】 表2中の数値、例えば1.82/0.16は左上の数値
1.82が露光部の光学濃度を示し、右下の数値0.1
6が未露光部の光学濃度(かぶり濃度)を示す。
【0156】表2からわかるように、熱現像温度が12
0℃以下の場合には、比較例1の感光体と実施例1〜5
の感光体とでは光学濃度に差がない。しかし、熱現像温
度が125℃以上になると、比較例1の感光体ではかぶ
り濃度が高くなるのに対し、実施例1〜5の感光体では
光学濃度にあまり変化がなく熱現像ラチチュードが広い
ことがわかる。
【0157】測定(B) 次に、実施例1〜5及び比較例1のそれぞれの乾式銀塩
感光体を新たに作成し、これらの感光体を50℃、60
%RHの恒温恒湿槽に48時間放置した後、測定(A)
の場合と同様に像露光及び熱現像を行い、同様の評価を
行った。評価結果を表3に示した。
【0158】
【表3】 表3からわかるように、実施例1〜5の感光体は、高温
高湿下で長時間保存した後も、光学濃度にあまり変化が
なく生保存性に優れると共に、広い熱現像ラチチュード
を有する。
【0159】<実施例6>実施例1で用いた還元剤2,
2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)2.4部の代わりに、4,4’−メチレンビス
(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)2.4部を
用い、その他は実施例1と同様にして、本発明の乾式銀
塩感光体を得た。
【0160】こうして得た乾式銀塩感光体に対して、実
施例1の測定(B)と同様に高温高湿下に置いた後、像
露光を行い、その後130℃で10秒間熱現像を行った
ところ、像露光部の光吸収ピーク波長が410nmの良
好な画像が形成された。
【0161】次に、ピールアパートフィルム(日東電工
製、商品名ネオトロック)を用意し、このピールアパー
トフィルムの一方の支持体を銅板とし、他方の支持体
(剥離シート)上に、前述したように画像の形成された
本実施例の感光体を重ねた。こうして、銅板、レジスト
層、剥離シート及び感光体の順に積層された積層体に、
感光体側から超高圧水銀灯で5秒間一様に光照射を行っ
た。その後、銅板と剥離シートを分離したところ、レジ
スト層の重合した部分のみが銅板に残った。レジスト層
の重合した部分は、半導体レーザーにより像露光されな
かった部分に対応するものであった。銅板上に残った重
合部分による画像は鮮明で、解像性に優れたものであっ
た。
【0162】<実施例7>実施例1で調製した分散液
(c)のうち、2,2’−メチレンビス(4−メチル−
6−t−ブチルフェノール)2.4部の代わりに、2.
6−ジクロロ−4−アミノフェノール1.0部とジペン
タエリスリトールヘキサアクリレート5.0部とを加
え、その他は実施例1と同様にして分散液(d)を調製
した。
【0163】この分散液(d)を用いてPETフィルム
上に乾燥膜厚5μmになるように感光層を塗布し、更に
感光層上に厚み2μmのポリビニルアルコールの保護層
を設け本発明の乾式銀塩感光体を得た。
【0164】この感光体に対して、実施例1の測定
(B)と同様に高温高湿下に置いた後、像露光を行い、
更に100℃で30秒間熱現像を行った。その後、この
感光体を、保護層を水洗除去してエタノール浴に浸漬し
た。その結果、感光層の像露光されなかった部分が除去
され、像露光部が重合像としてPETフィルム上に残っ
た。
【0165】<実施例8>実施例7と同じ乾式銀塩感光
体を用い、熱現像温度を105℃とし、その他は実施例
7と同様にして像露光、熱現像及びエッチングを行った
ところ、実施例7と同様にPETフィルム上に重合像が
形成された。
【0166】<実施例9>実施例7と同じ乾式銀塩感光
体を用い、熱現像温度を110℃とし、その他は実施例
7と同様にして像露光、熱現像及びエッチングを行った
ところ、実施例7と同様にPETフィルム上に重合像が
形成された。
【0167】<比較例2>前記の化合物(i−3)を添
加せず、その他は実施例7と同様にして乾式銀塩感光体
を作成した。この感光体を複数用意して、各感光体に対
して、熱現像温度を100℃、105℃、110℃と変
えて熱現像を行った。像露光及びエッチングは実施例7
と同様にした。その結果、熱現像温度が100℃のとき
は、重合像が形成されたが、105℃及び110℃のと
きは重合像が形成されなかった。
【0168】<実施例10〜12、比較例3>メチルエ
チルケトン100部に、ポリビニルブチラール10部を
溶解し、更に前記の化合物(ii−3)を4.0部分散し
て分散液(e)を作成した。この分散液(e)をPET
フィルム上に乾燥厚みが3μmとなるように塗布して第
2感光層を形成した。更に、この第2感光層上に、実施
例1で用いた分散液(b)を、乾燥厚みが10μmとな
るように塗布して第1感光層を形成した。最後に、第1
感光層上に厚み2μmのポリビニルアルコールの保護層
を形成して本発明の乾式銀塩感光体を作成した(実施例
10)。
【0169】化合物(ii−3)4.0部にかえて、前記
の化合物(iii−4)及び(iii−7)を、それぞれ表4に
示す添加量で添加し、その他は実施例10と同様にして
実施例11及び12の乾式銀塩感光体を作成した。
【0170】
【表4】 こうして得た実施例10〜12の各乾式銀塩感光体に対
して、半導体レーザーのエネルギーを感光体面で20μ
J/cm2 とした以外は、実施例1の測定(A)と同様
にして像露光及び熱現像を行ない、実施例1と同様の評
価を行った。結果を表5に示した。
【0171】また、比較のために、比較例1で用いた感
光体についても実施例10〜12と同様に像露光及び熱
現像を行い、評価した(比較例3)。
【0172】
【表5】 表5からわかるように、実施例10〜12の感光体は熱
現像温度を変えても光学濃度にあまり変化がなく広い熱
現像ラチチュードを有する。
フロントページの続き (72)発明者 上野 和則 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小林 本和 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 鈴木 雅雄 神奈川県平塚市南原1丁目24番40号 オリ エンタル写真工業株式会社内 (72)発明者 西野 勝也 神奈川県平塚市南原1丁目24番40号 オリ エンタル写真工業株式会社内 (72)発明者 加々美 憲二 神奈川県平塚市南原1丁目24番40号 オリ エンタル写真工業株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上の感光層に、少なくとも有機銀
    塩と、還元剤と、感光性ハロゲン化銀又は感光性ハロゲ
    ン化銀形成成分とを含有する乾式銀塩感光体において、
    前記感光層に下記の化合物(i)、(ii)及び(iii)の
    うちから選ばれたものを含有することを特徴とする乾式
    銀塩感光体。 (i)〔T+ - 〕Z2 (上記式中、T+ は有機色素カチオン残基、X- はカウ
    ンターアニオン、Zはハロゲン原子を表わす。) (ii)オキサジンジオン誘導体の窒素置換ハロゲン化合
    物 (iii)芳香族酸イミド誘導体の窒素置換ハロゲン化合物
  2. 【請求項2】 前記有機色素カチオン残基T+ が、シア
    ニン色素残基、スチリル色素残基、アミノビニール色素
    残基、アニリン系色素残基、キサンテン系色素残基及び
    フェノオキサジウム色素残基のうちから選ばれたもので
    ある請求項1記載の乾式銀塩感光体。
  3. 【請求項3】 前記カウンターアニオンX- が、ハロゲ
    ンアニオンである請求項1記載の乾式銀塩感光体。
  4. 【請求項4】 前記ハロゲン原子Zが、Br,Iあるい
    はClである請求項1記載の乾式銀塩感光体。
  5. 【請求項5】 前記化合物(ii)が、下記一般式(I)
    である請求項1記載の乾式銀塩感光体。 【化1】 〔上記一般式(I)中r1 ,r2 ,r3 は同一であって
    も異なっていてもよく、各々、水素原子、アルキル基、
    アルコキシル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アリ
    ール基、アラルキル基、アルコキシアルコキシル基又は
    アミノ基を表し、r1 ,r2 ,r3 のいずれか2つが結
    合して縮合環を形成しても良い。Lはハロゲン原子を表
    わす〕
  6. 【請求項6】 前記ハロゲン原子Lが、Br,Iあるい
    はClである請求項5記載の乾式銀塩感光体。
  7. 【請求項7】 前記化合物(iii)が、下記一般式(II)
    である請求項1記載の乾式銀塩感光体。 【化2】 〔上記一般式(II)中、Rは置換又は無置換の芳香族環
    を形成する有機残基を表わし、Mはハロゲン原子を表わ
    す〕
  8. 【請求項8】 前記一般式(II)が、フタルイミド誘導
    体の窒素置換ハロゲン化合物あるいはナフタルイミド誘
    導体の窒素置換ハロゲン化合物である請求項7記載の乾
    式銀塩感光体。
  9. 【請求項9】 前記ハロゲン原子MがBr,Iあるいは
    Clである請求項7記載の乾式銀塩感光体。
  10. 【請求項10】 前記感光層が、(a)前記有機銀塩、
    (b)還元剤及び(c)感光性ハロゲン化銀又は感光性
    ハロゲン化銀形成成分を含有する第1感光層と、(e)
    前記化合物(i),(ii)及び(iii)のうちから選ばれ
    たものを含有する第2感光層とを積層したものである請
    求項1記載の乾式銀塩感光体。
  11. 【請求項11】 前記感光層が単一層である請求項1記
    載の乾式銀塩感光体。
  12. 【請求項12】 前記感光層に、重合性ポリマー前駆体
    及び重合開始剤を含有する請求項1記載の乾式銀塩感光
    体。
  13. 【請求項13】 前記感光層と、重合性ポリマー前駆体
    及び重合開始剤を含有する重合層とを有する請求項1記
    載の乾式銀塩感光体。
  14. 【請求項14】 請求項1記載の乾式銀塩感光体に、像
    露光及び加熱を行うことを特徴とする画像形成方法。
  15. 【請求項15】 請求項12又は13記載の乾式銀塩感
    光体に、像露光及び加熱を行うことを特徴とする画像形
    成方法。
  16. 【請求項16】 前記加熱後、更に重合露光を行う請求
    項15記載の画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015134797A (ja) * 2008-12-10 2015-07-27 ウィスタ ラボラトリーズ リミテッド 3,6−二置換キサンチリウム塩
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