JPH08137045A - 熱現像性感光体及び同感光体を用いた画像形成法 - Google Patents

熱現像性感光体及び同感光体を用いた画像形成法

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JPH08137045A
JPH08137045A JP27737794A JP27737794A JPH08137045A JP H08137045 A JPH08137045 A JP H08137045A JP 27737794 A JP27737794 A JP 27737794A JP 27737794 A JP27737794 A JP 27737794A JP H08137045 A JPH08137045 A JP H08137045A
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heat
water
photosensitive
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developable
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Takehiko Oi
毅彦 大井
Tetsuro Fukui
哲朗 福井
Kazunori Ueno
和則 上野
Motokazu Kobayashi
本和 小林
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期間保存中にも感度低下やカブリ濃度の増
加がなく、ブリーフィングのない熱現像性感光体及び画
像形成方法を提供する。 【構成】 支持体上に、少なくとも(a)有機銀塩、
(b)還元剤、(c)感光性ハロゲン化銀及び/又は感
光性ハロゲン化銀形成成分を含む感光層と、少なくとも
親水性高分子又は水性エマルジョンを含む耐水化保護層
とを含有することを特徴とする熱現像性感光体及び同感
光体を像状に露光する工程と加熱する工程とを有するこ
とを特徴とする画像形成法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乾式処理で画像を形成
することのできる熱現像性感光体及びこの熱現像性感光
体を用いた画像形成法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀を用いた銀塩写真法は感度
や階調性などに優れ、従来から幅広く使われている記録
技術である。しかし、像露光後、現像−停止−定着等を
湿式で処理するため、作業性、簡便性、安全性に劣り、
問題とされてきた。これに対してこれらの湿式処理をな
くした乾式材料の研究がなされ、特公昭43−4921
号及び特公昭43−4924号公報等で開示されている
光り書き込み、熱現像性の画像形成媒体が知られてい
る。これらは、感光性ハロゲン化銀を触媒量用いると共
に画像形成材として非感光性の有機銀塩を用いるもので
ある。またこれに類するものとして特公昭44−265
82号公報、及び特開昭46−6074号公報に記載が
ある。特開昭48−97523号公報には、長鎖脂肪酸
の銀塩、有機還元剤及び有機カルボン酸より成るハロゲ
ン化銀を含有しない熱現像性感光材料に加熱処理を施し
て活性化せしめることにより画像形成能を与えて、画像
を形成する方法の記載がある。一方、上記のような乾式
材料に用いる保護層は、例えば、特公昭59−1372
8号公報に開示されている。この公報には、対衝撃強度
を改良したアクリル系樹脂組成物等が記載されている。
又、特公平2−4889号公報にも、上塗りポリマー層
としてポリビニルブチラール、ポリスチレン、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリウレタンゴム等の材料が記載さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
熱現像性感光体に用いられる保護層では、長期保存時に
発生する感度の低下やカブリ濃度の上昇を抑えることが
出来なかった。又、従来の熱現像性感光体に用いられる
保護層では、保護層表面に感光層の成分が析出する所謂
“ブリーフィング”が生じる等の問題があった。
【0004】従って本発明の目的は、長期保存中の感度
低下、カブリ濃度の上昇を抑制し、ブリーフィングの発
生を防止することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、耐水化された保
護層を有する事により、長期保存中の感度低下、カブリ
濃度の上昇を抑制し、ブリーフィングの発生を防止し、
生保存性に優れた熱現像性感光体を得ることができるこ
とを見いだした。
【0006】すなわち本発明は、支持体上に、少なくと
も有機銀塩、還元剤、感光性ハロゲン化銀及び/又は感
光性ハロゲン化銀形成成分からなる感光層を有する熱現
像性感光体において、少なくとも耐水化された保護層を
含有することを特徴とする熱現像性感光体及び熱現像性
感光体を用いた画像形成方法を提供する。
【0007】以下に、本発明の熱現像性感光体について
詳細に説明する。
【0008】本発明の熱現像性感光体は、少なくとも
(a)有機銀塩、(b)還元剤、(c)感光性ハロゲン
化銀及び/又は感光性ハロゲン化銀形成成分、更に必要
によって後述する各種成分を含む感光層と、少なくとも
親水性高分子又は水性エマルジョンを含む耐水化保護層
とを含有するものである。また、本発明の熱現像性感光
体の感光層は各成分毎に、或いは適宜各成分を組み合わ
せて複数の要素層を形成し、これら要素層を積層した多
層から成るものであってもよい。
【0009】本発明で言うところの耐水化保護層とは、
形成された保護層が80℃の熱水中に2時間浸漬したと
きの溶出率が10%以下であるか、及び/又は、水滴を
落とした場合の接触角が75度以上であるものを指す。
溶出率が10%より大きい値を示すか、水滴を落とした
場合の接触角が75度より小さい値を示す保護層では、
感光層中への水分の浸入やブリーフィングの発生を抑制
できず、感度低下、カブリ濃度の上昇をまねく。
【0010】本発明で言うところの親水性高分子とは、
水100gに対して1g以上の溶解性を有し、かつ、耐
水性の置換基を側鎖に有するか、又は、水酸基以外の反
応性基を有するものを指す。主鎖を構成する幹高分子と
しては、例えばポリビニルアルコール、ポリエチレンオ
キシド、カゼイン、澱粉類、セルロース類、ゼラチン
類、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、アクリル酸
(又はメタクリル酸)エステル共重合体のアルカリ塩、
スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、アク
リルアミドの共重合体等が挙げられるが、これらに限定
されるものではない。
【0011】本発明で言うところの水性エマルジョンと
は、非水溶性樹脂のまわりに安定な親水層が形成された
ものの水中分散物を指す。
【0012】本発明の耐水化保護層を得るための方法と
しては以下に挙げられるようなものがある。
【0013】1)ポリオレフィン及び塩素化ポリオレフ
ィン、不飽和カルボン酸及び/又は酸無水物で変性され
たポリオレフィン等の変性ポリオレフィンに反応性界面
活性剤、塩基性物質、反応性モノマー、非反応性界面活
性剤を添加した後、それを水中に分散させ、反応開始剤
を添加した後重合を行うことにより、分散させた樹脂の
まわりに安定な親水層が形成されエマルジョンとなり、
このエマルジョンを塗布、乾燥することで耐水化保護層
が形成される。
【0014】2)ビニルエステルとエポキシ基を側鎖に
有する不飽和化合物とをラジカル重合開始剤の存在下共
重合させた後、アルコール中アルカリ触媒によりケン化
させて樹脂を得、水中で、この樹脂と、エポキシ基と反
応可能な化合物とを混合し、塗布、乾燥することで耐水
化保護層が形成される。
【0015】3)ビニルエステルと含フッ素基を側鎖に
有する不飽和化合物とをラジカル重合開始剤の存在下共
重合させた後、アルコール中アルカリ触媒によりケン化
させて樹脂を得、この樹脂の水溶液を塗布、乾燥するこ
とで耐水化保護層が形成される。
【0016】4)水溶性多糖系高分子化合物の水溶液を
調整、塗布し、半凝固状態において、水溶性金属塩溶液
と接触させてイオン交換することで耐水化保護層が形成
される。
【0017】以上4つの耐水化保護層形成の例を挙げた
が、これらに限定されるものではない。
【0018】耐水化保護層に用いられる親水性高分子の
保護層中での含有量は、保護層全体に対して20〜10
0重量%が好ましい。保護層中に含有できる他の化合物
としては、水酸基と反応可能なアルデヒド類、エステル
類、イソシアネート類及び無機系化合物や、エポキシ基
と反応可能なアルコール類、フェノール類、メルカプタ
ン類、カルバゾール類、ピラゾール類、シアノ基、イソ
シアネート基、ケトン基、シアヌル酸、ホスゲン、アル
キルアミン、アルキルアミン塩酸塩、スルホン酸塩及び
有機酸や、顔料のカオリン、クレー、タルク、炭酸カル
シウム、焼成クレー、酸化チタン、ケイソウ土、シリ
カ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及び酸化
アルミニウムや、紫外線吸収剤を含有することができ
る。
【0019】耐水化保護層の厚みは、好ましくは0.1
μm〜20μm、更に好ましくは0.3μm〜10μm
である。
【0020】上記有機銀塩(a)としては、銀イオンの
還元可能源を含む全ての材料が挙げられる。例えば、
「写真工学の基礎」(日本写真学会編、(株)コロナ
社、東京、第1版、1982年発行)非銀塩編 p24
7や、特開昭59−55429号公報等に記載された有
機銀塩やトリアゾール系銀塩等を用いることが可能であ
り、感光性の低い銀塩を用いるのが好ましい。例を挙げ
れば、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、チオー
ル、α−水素を有するチオカルボニル化合物、及びイミ
ノ基含有化合物等の銀塩である。脂肪族カルボン酸とし
ては、酢酸、酪酸、コハク酸、セバシン酸、アジピン
酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、酒石酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などがあるが、一
般的には炭素数が少ないほど銀塩としては不安定である
ので、適度な炭素数(例えば、炭素数が15〜28の範
囲)を有するものが好ましい。
【0021】芳香族カルボン酸としては、安息香酸誘導
体、キノリン酸誘導体、ナフタレンカルボン酸誘導体、
サリチル酸誘導体、没食子酸、タンニン酸、フタル酸、
フェニル酢酸誘導体、ピロメリット酸などがある。
【0022】チオールまたはα−水素を有するチオカル
ボニル化合物としては、3−メルカプト−4−フェニル
−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプトベンゾイ
ミダゾール、2−メルカプト−5−アミノチアジアゾー
ル、2−メルカプトベンゾチアゾール、S−アルキルチ
オグリコール酸(アルキル基の炭素数が12〜23)、
ジチオ酢酸などのジチオカルボン酸類、チオステアロア
ミドなどのチオアミド類、5−カルボキシ−1−メチル
−2−フェニル−4−チオピリドン、メルカプトトリア
ジン、2−メルカプトベンゾオキサゾール、メルカプト
オキサチアゾール又は3−アミノ−5−ベンジルチオ−
1,2,4−トリアゾールなど、米国特許第4,12
3,274号記載のメルカプト化合物を挙げることがで
きる。
【0023】イミノ基を含有する化合物としては、特公
昭44−30270号公報又は特公昭45−18416
号公報記載のベンゾトリアゾール若しくはその誘導体、
例えばベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール
などアルキル置換ベンゾトリアゾール類、5−クロロベ
ンゾトリアゾールなどのハロゲン置換ベンゾトリアゾー
ル類、ブチルカルボイミドベンゾトリアゾールなどのカ
ルボイミドベンゾトリアゾール類、特開昭58−118
639号公報記載のニトロベンゾトリアゾール類、特開
昭58−115638号公報記載のスルホベンゾトリア
ゾール、カルボキシベンゾトリアゾール若しくはその
塩、またはヒドロキシベンゾトリアゾールなど、米国特
許第4,220,709号記載の1,2,4−トリアゾ
ールや1H−テトラゾール、カルバゾール、サッカリ
ン、イミダゾール及びその誘導体等を代表例として挙げ
ることができる。
【0024】還元剤(b)としては、銀イオンを金属銀
に還元し得るすべての材料(好ましくは有機材料)が使
用可能である。
【0025】そのような還元剤としては、モノフェノー
ル類、ビスフェノール類、トリスフェノール類、テトラ
キスフェノール類、モノナフトール類、ビスナフトール
類、ヒドロキシナフタレン類、スルホンアミドフェノー
ル類、ビフェノール類、トリヒドロキシナフタレン類、
ジヒドロキシベンゼン類、トリヒドロキシベンゼン類、
テトラヒドロキシベンゼン類、ヒドロキシアルキルモノ
エーテル類、アスコルビン酸類、3−ピラゾリドン類、
ピラゾロン類、ピラゾリン類、糖類、フェニレンジアミ
ン類、ヒドロキシアミン類、レダクトン類、ヒドロオキ
サミン酸類、ヒドラジン類、ヒドラジド類、アミドオキ
シム類、N−ヒドロキシ尿素類等を挙げることができ
る。この中では特に、p−ビスフェノール類、p−ビス
フェノール類、o−ビスフェノール類、ビスナフトール
類、4−置換ナフトール類等が好ましい。また、特開平
3−135564号公報記載の還元剤も好ましく用いら
れる。
【0026】感光性ハロゲン化銀(c)としては、塩化
銀、臭化銀、塩臭化銀、ヨウ臭化銀、塩ヨウ臭化銀等を
挙げることができる。
【0027】これらのハロゲン化銀を調製する方法とし
ては、銀酸化化合物の一部を感光性ハロゲン化銀形成成
分、例えば臭化アンモニウム、臭化リチウム、塩化ナト
リウム、N−ブロムコハク酸イミド等によりハロゲン化
し、ハロゲン化銀を調製する方法や、いわゆる系外ハロ
ゲン化銀を含有させる方法などが挙げられる。
【0028】これらのハロゲン化銀の結晶の形状として
は、立方体状、八面体状、平板状などのものを挙げるこ
とができるが、立方体状、平板状のハロゲン化銀が特に
好ましい。立方体状のハロゲン化銀の結晶の一辺の長さ
としては、好ましくは0.01〜2μm、より好ましく
は0.02〜1.3μmである。
【0029】平板状のハロゲン化銀の平均アスペクト比
は、好ましくは100:1〜3:1、より好ましくは5
0:1〜5:1であり、その粒子直径は、好ましくは
0.01〜2.0μm、より好ましくは0.02〜1.
3μmである。
【0030】これらハロゲン化銀は通常の写真乳剤に対
して行われるような化学増感が施されていてもよい。即
ち、硫黄増感、貴金属増感、還元増感などを用いること
ができる。
【0031】本発明で使用するハロゲン化銀は、粒子内
のハロゲン組成が均一或いは異なった多重構造を取って
もよく、又ハロゲン組成、粒子サイズ、粒子サイズ分布
などが異なった2種類以上のハロゲン化銀を併用しても
よい。
【0032】又、これらハロゲン化銀はIrイオンを含
有していてもよい。この場合のハロゲン化銀の結晶形状
は、[1、0、0]面の正方晶形が好ましい。この場合
のハロゲン化銀粒子の一辺は、0.001〜1.0μm
が好ましく、更に好ましくは0.01〜0.2μm、特
に好ましくは0.03〜0.1μmである。Irイオン
を含有するのはハロゲン化銀結晶の表面層が好ましく、
その厚さは、結晶の一辺の長さの10%以下、更に好ま
しくは5%以下である。又、Irイオンを含有するのは
結晶表面層は、結晶の一辺の長さの少なくとも0.5%
以上であることが望ましい。Irイオンを含有するハロ
ゲン化銀を調製するには、比還元性の有機銀塩とハロゲ
ン化銀形成成分からハロゲン化銀を生成する際に、Ir
イオン供給体を投入すればよい。Irイオン供給体とし
ては、例えば、四塩化イリジウム、六塩化イリジウムカ
リウム、六塩化イリジウムナトリウム等が好ましい。
例えば、ハロゲン化銀の結晶表面層にIrイオンを含有
させるには、ハロゲン化銀の生成の開始後暫く経過して
からIrイオン供給体を投入すればよい。例えば、ハロ
ゲン化銀が所定量の90重量%生成したところでIrイ
オン供給体を投入し始めればよい。
【0033】本発明で使用するハロゲン化銀の全てがI
rイオンを含有するものでもよいが、Irイオンを含有
するハロゲン化銀とIrイオンを含有しないハロゲン化
銀とを混合したものでもよい。
【0034】その含有量は感光層に含有する全ハロゲン
銀1モル当たり1×10-8〜1×10-2モルが好まし
く、更に好ましくは5×10-5〜5×10-3モルとす
る。
【0035】本発明の感光体の感光層中には、従来ハロ
ゲン化銀に対して用いられている増感色素が更に感光性
を与えるために有利に用いられる。例えば、上記増感色
素を有機溶媒に溶かした溶液又は分散液の形で感光層に
加えることによって増感される。使用しうる増感色素に
は、シアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン
系色素等が挙げられる。
【0036】また、本発明の感光体の感光層中には、下
記一般式(1)及び(2)のチオール化合物が添加され
てもよい。
【0037】
【化1】 上記両式中、R1 〜R10は水素原子、置換又は無置換の
アルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、カルボキ
シル基、置換又は無置換のアリール基、スルホン酸基、
置換又は無置換のアミノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、
アミド基、アルケニル基又はアルキニル基を表わし、R
1 とR2 、R2 とR3 、R3 とR4 は、それぞれ縮合環
を形成していてもよい。Xは−O−、−N(R11)−又
は−S−を表わすが、好ましくは−O−である。なお、
11は水素原子、アルキル基又はアリール基である。
【0038】以下に一般式(1)又は(2)で示される
チオール化合物の好ましい構造を示すが、これらに限定
されるものではない。
【0039】
【化2】
【0040】
【化3】
【0041】
【化4】
【0042】
【化5】
【0043】
【化6】 感光層には、これの被膜性、分散性を改善する目的で適
宜バインダーを含有させることが好ましい。バインダー
の例としては、ニトロセルロース、リン酸セルロース、
硫酸セルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロ
ース、酪酸セルロース、ミリスチン酸セルロース、パル
ミチン酸セルロース、酢酸・プロピオン酸セルロース、
酢酸・酪酸セルロース等のセルロースのエステル類;メ
チルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロー
ス、ブチルセルロース、等のセルロースのエーテル類;
ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ
ビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニル
アルコール、ポリビニルピロリドン,等のビニル重合物
類;スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アク
リロニトリルコポリマー、スチレン−ブタジエン−アク
リロニトリルコポリマー、塩化ビニル−酢酸ビニルコポ
リマー、等の共重合物類;ポリメチルメタクリレート、
ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポ
リアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミ
ド、ポリアクリロニトリル等のアクリル重合物類;ポリ
エチレンテレフタレート等のポリエステル類;ポリ
(4,4−イソプロピリデン−ジフェニレン−コ−1,
4−シクロヘキシレンジメチレンカーボネート)、ポリ
(エチレンジオキシ−3,3’−フェニレンチオカーボ
ネート)、ポリ(4,4’−イソプロピリデン−ジフェ
ニレンカーボネート−コ−テレフタレート)、ポリ
(4,4’−イソプロピリデン−ジフェニレンカーボネ
ート)、ポリ(4,4’−sec −ブチリデンフェニレン
カーボネート)、ポリ(4,4’−イソプロピリデン−
ジフェニレンカーボネート−ブロック−オキシエチレ
ン)等のポリアクリレート重合物類;ポリアミド類;ポ
リイミド類;エポキシ重合物類;フェノール重合物類;
ポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン等
のポリオレフィン類;及びゼラチン等の天然高分子など
周知の全ての天然及び合成樹脂を挙げることができる。
【0044】特に、ポリビニルブチラール及びポリビニ
ルホルマール等のようなポリビニルアセタール、並びに
塩化ビニル酢酸ビニルコポリマーのようなビニルコポリ
マーが好ましい。
【0045】本発明の感光層は、画像の色調性、画像形
成後の安定性を改善するために有機酸を用いることが好
ましく、特に長鎖脂肪酸銀塩と同一か又は近傍の脂肪酸
を単独或いは組み合わせて含有させるのが好ましい。
【0046】本発明の感光層は、必要に応じて色調剤を
含有することができる。色調剤としては、米国特許第3
080254号明細書に記載のフタラジノン又はその誘
導体、特開昭46−6074号公報に記載の環式イミド
類、特開昭50−32927号公報に記載のフタラジノ
ン化合物等を挙げることができる。色調剤を使用する場
合は、単独或いは他の化合物と組み合わせてもよい。
【0047】本発明の感光層における、各成分の好まし
い配合比は以下のとおりである。
【0048】使用される有機銀塩の量は、感光層それぞ
れに関し0.3g/m2 〜30g/m2 、特に0.7g
/m2 〜15g/m2 、更には1.2g/m2 〜8g/
2が好ましい。
【0049】還元剤の含有量は、有機銀塩1モルに対し
て0.05〜3モル、更には0.2〜2モルが好まし
い。
【0050】感光性ハロゲン化銀の含有量は、有機銀塩
1モルに対して0.001〜2モル、より好ましくは
0.05〜1モルである。又、本発明において感光性ハ
ロゲン化銀のかわりにハロゲン化銀形成剤(例えば、テ
トラブチルアンモニウムブロマイド、N−ブロモスクシ
ンイミド、臭素、ヨウ素等のハロゲン化合物)を用いて
もよく、この場合ハロゲン化銀形成剤の含有量は、感光
性ハロゲン化銀の場合と同様に考えることができる。
【0051】必要に応じて使用する増感色素の含有量
は、有機銀塩1モルに対して1×10 -5〜1×10-2
ル、より好ましくは1×10-4〜1×10-3モルであ
る。
【0052】必要に応じて使用するチオール化合物の含
有量は、上記増感色素1モルに対して0.1〜200モ
ル、より好ましくは0.5〜100モル、特に好ましく
は1〜80モルである。
【0053】増感色素及びチオール化合物の添加方法や
添加時期は特に限定されず、例えば、(1)増感色素及
びチオール化合物を適当な溶媒中に、別々に又は混合し
た状態で溶解し、この溶液を成分(a)、(b)及びそ
の他の任意成分を溶解した溶液中に直接添加する方法、
(2)支持体上に、成分(a)、(b)及びその他の成
分を溶解した溶液を塗布乾燥し、その後、塗布乾燥面
を、増感色素及びチオール化合物を溶解した溶液中で浸
漬処理する方法、(3)成分(a)、(b)及びその他
の任意成分を含む層に有効に隣接するように、増感色素
及びチオール化合物を含む層を設ける方法等を採用する
ことができる。
【0054】必要に応じて使用するバインダーの含有量
は、有機銀塩1gに対して0.5〜10g、より好まし
くは0.5〜5gである。
【0055】必要に応じて使用する有機酸の含有量は、
有機銀塩1モルに対して0.25〜2.0モル、より好
ましくは0.30〜1.2モルである。
【0056】必要に応じて使用する色調剤の含有量は、
有機銀塩1モルに対して0.01〜5モル、より好まし
くは0.05〜2モル、特に好ましくは0.08〜1モ
ルである。
【0057】更に、本発明の感光層中には、必要に応じ
て適当なカブリ防止剤を包含することができる。カブリ
防止剤としては、例えば特公昭47−11113号公報
記載の水銀化合物、特公昭55−42375号公報記載
の1,2,4−トリアゾール化合物、特開昭57−30
828号公報記載のテトラゾール化合物、特開昭57−
138630号公報記載の安息香酸類、特開昭57−1
47627号公報記載のスルホニルチオ基を有する化合
物及び特開昭58−107534号公報記載の二塩基酸
類などを挙げることができる。
【0058】本発明の感光体には、画像形成後の光など
による非画像部の着色を防止するために、必要に応じて
着色防止剤を含有することができる。この着色防止剤と
しては、例えば特開昭61−129642号公報に記載
されている化合物が好ましい。
【0059】本発明の感光体には必要に応じて現像促進
剤を含有することができる。好ましい現像促進剤として
は、例えば、特公昭64−8809号公報に記載の脂肪
酸のアルカリ金属塩化合物を挙げることができる。
【0060】本発明の感光体には、必要に応じて帯電防
止剤を含むことができる。帯電防止剤としては、含フッ
素系界面活性剤を用いることができ、あるいは特開昭6
4−24245号公報に記載された含フッ素系界面活性
剤とノニオン界面活性剤とを併用して含有することもで
きる。
【0061】本発明の感光体には、必要に応じて周知の
紫外線吸収剤、イラジエーション防止染料、マット剤、
蛍光増白剤等を含有することもできる。
【0062】本発明の熱現像性感光体の感光層は、適当
な支持体上に上記各種成分を含む単層又は多層を被覆形
成するなどの方法によって得ることができる。感光層を
多層構成する場合、有機銀塩と、感光性ハロゲン化銀を
含有する層と、還元剤を含有する層との多層とするのが
よい。必要に応じて含有する増感色素、チオール化合物
は、有機銀塩と、感光性ハロゲン化銀を含有する層に含
むのが望ましい。
【0063】支持体としては、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネー
ト、酢酸セルロース等の合成樹脂フィルム、合成紙、ポ
リエチレン等の合成樹脂フィルムで被覆された紙、アー
ト紙、写真用バライタ紙等の紙類、又はアルミニウム等
の金属板(箔)、通常の方法により金属蒸着膜を有する
合成樹脂フィルム更にはガラス板などを挙げることがで
きる。
【0064】本発明の熱現像性感光体において、感光
層、保護層に加えて、アンチハレーション層、導電層等
の機能を有する各層を各々別個に形成する場合には、こ
れらの各層は、各種の塗布方法で塗布することができ、
その方法には浸漬法、エアーナイフ法、カーテン塗布
法、グラビア塗布法、ドクター塗布法及び米国特許2,
681,294号に記載のごときホッパーを用いる押し
出し塗布法などがある。所望により2層又はそれ以上の
層を同時に塗布することもできる。
【0065】本発明の熱現像性感光体は、像露光及び加
熱現像により、像露光された部分で有機銀塩と還元剤と
が酸化還元反応し、その反応によって生成される金属銀
のよる黒化像を形成するものである。
【0066】又、本発明の熱現像性感光体は、上記の酸
化還元反応によって生成される酸化体(還元剤の酸化さ
れたもの)の光吸収性を利用して、光吸収性の違いによ
るパターンを形成することもできる。
【0067】即ち、酸化体の生成した部分(像露光部
分)では、特定波長の光が吸収され、酸化体の生成され
なかった部分(像未露光部分)では光の吸収が少ないと
いう光吸収性の違いによるパターンを形成することがで
きる。上記の光吸収性の違いを利用して、本発明の熱現
像性感光体により、重合部分と未重合部分で構成される
パターン(以下重合・未重合パターンという)を形成す
ることもできる。即ち、本発明の感光層中に重合性ポリ
マー前駆体及び光重合開始剤を含有し、像露光、24熱
現像及び重合露光により重合・未重合パターンを形成す
ることができる。このように、重合未重合パターンが形
成されるのは、像露光部分では銀又は熱現像時に酸化還
元反応によって形成される酸化体による光吸収により、
重合が進行せず、像未露光部分では重合が進行するため
である。
【0068】重合性ポリマー前駆体及び光重合開始剤
は、感光層中に含有してもよいが、感光層とは別に、重
合性ポリマー前駆体及び光重合開始剤を含有する重合層
を設けてもよい。
【0069】感光層と重合層とは支持体側から重合層、
感光層の順、あるいは支持体側から感光層、重合層の順
に積層しても良いし、支持体を間に挟んで支持体の片面
に感光層を設け、他面に重合層を設けるようにしてもよ
い。
【0070】耐水化保護層は、支持体上の感光層のある
側で支持体より最も遠い層を形成する。又、感光層と重
合層が支持体を挟んで支持体の片面に感光層、他面に重
合層を設けた場合は、重合層のある側で支持体より最も
遠い層にも形成されていてもよい。
【0071】本発明において、感光層の厚みは0.1μ
m〜50μm、更に好ましくは1μm〜30μm、特に
好ましくは2μm〜20μmである。感光層を多層構成
とする場合、感光層を構成する各層は互いにほぼ等しく
するとよい。
【0072】次に、本発明の感光体を用いて画像を形成
する方法について説明する。
【0073】本発明の感光体は、良好な感光性と熱現像
性を示す。従って、本発明の感光体に対して、適当な光
源によって所望の像に応じた露光を施すと、銀核が発生
してまず潜像が形成できる。更に、これに適当な加熱を
施せば、酸化還元反応によって像露光に応じた画像が現
像できる。適当な光源としては、半導体レーザーまたは
LED光を用いることもできる。露光スピードとして
は、1×10-3sec/dot〜1×10-7sec/d
otまでの露光時間でも相反則不軌が生じずに実用的な
光学濃度を得ることができるが、必要に応じて前副露光
或いは後副露光を行っても良い。
【0074】更に、重合性ポリマー前駆体及び光重合開
始剤を含有する本発明の熱現像性感光体では、上記の像
露光及び熱現像後、熱現像性感光体の全面に感光層側か
ら重合露光を施すことにより重合・未重合パターンを形
成することができる。
【0075】重合露光過程において用いる光源として
は、例えば太陽光、タングステンランプ、水銀灯、ハロ
ゲンランプ、キセノンランプ、蛍光灯、LED、レーザ
ー光線等を使用することができる。
【0076】重合露光の光の波長は、像露光の光の波長
と同じであって異なっていてもよい。尚、同一波長の光
を用いても、通常、感光性ハロゲン化銀は光重合開始剤
よりも十分に高い感光感度を有するので、上記像露光過
程において光重合が起きない程度の強度の光で十分な潜
像書込が行える。例えば、像露光過程では、感光体の面
上で概ね100μJ/cm2 、好ましくは30μJ/c
2 、より好ましくは15μJ/cm2 までの光で露光
を行い、重合露光過程では、感光体の面上で概ね500
mJ/cm2 までの光で露光を行うとよい。重合露光を
行わない場合も像露光過程は上記条件で行う。
【0077】本発明の感光体を加熱現像する手段として
は各種あり、例えば感光体を簡単な加熱プレートなどと
接触せしめてもよいし、加熱したドラムに接触せしめて
もよく、場合によっては加熱された空間内を通過させて
もよい。また、高周波加熱やレーザービームにより加熱
してもよい。加熱温度は70〜160℃、さらには90
〜150℃が適当であり、より好ましくは100〜14
0℃である。加熱時間を延長或いは短縮することによ
り、上述の範囲内でより高い或いはより低い温度で用い
ることができる。現像時間は通常1〜60秒、好ましく
は3〜20秒である。
【0078】以下に実施例を用いて本発明を更に詳細に
説明するが、勿論これらに限定されるものではない。
【0079】
【実施例】
[実施例1]下記の組成よりなる感光性組成物を安全光
下調整した。
【0080】 組成 使用量 ポリビニルブチラール 5.0g ベヘン酸銀 2.5g ベヘン酸 2.0g 臭化銀 0.2g 2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル −4−メチルフェノール) 1.0g フタラジノン 1.0g キシレン 30ml n−ブタノール 30ml 上記臭化銀は、結晶の面指数[100]の立方晶であっ
て、1辺の長さの平均が0.07μmの結晶であった。
【0081】下記の式で示されるメロシアニン色素5m
gをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)5mlに
溶解し、この溶液を上記感光性組成物に添加したもの
を、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム支
持体上に乾燥膜厚10μmとなるように塗布して感光層
とした。
【0082】
【化7】 更に、下記方法で合成された水性ポリオレフィン樹脂の
分散液を、上記感光層の上に耐水化保護層として乾燥膜
厚3μmとなるように塗布して本発明の熱現像性感光体
を得た。 (水性化ポリオレフィンの合成法)無水マレイン酸グラ
フト共重合体100gを加熱溶融し、モルホリン9.6
gを添加後、アルキルプロペニルフェノールエチレンオ
キシド30モル付加体40gを添加し、90℃の水を徐
々に添加し、続いて過硫酸カリ10gを添加し、80℃
で重合反応を行った。反応後、トリアチルアミン4gを
加えたものを、分画分子量5000の限外ろ過膜で処理
した後濃縮して固形分45%の水性化ポリオレフィン樹
脂を得た。
【0083】こうして得た熱現像性感光体について、感
光体作成直後の感度及びカブリ濃度と、未使用状態で長
時間保存した後の感度及びカブリ濃度を測定した。保存
の条件は50℃、80%RHの環境下で72時間とし
た。
【0084】感度及びカブリ濃度は、熱現像性感光体に
画像を形成し、形成された画像の透過光学濃度(O.
D.)を測定することにより求めた。
【0085】即ち本発明においては、像露光エネルギー
が0.1μJ/cm2 のときの透過光学濃度をカブリ濃
度とした。又、カブリ濃度に1.0を加えた透過光学濃
度にするのに必要な像露光エネルギー値を感度とした。
【0086】従って、感度は像露光エネルギーに対する
透過光学濃度の特性曲線と、カブリ濃度から求める。
【0087】透過光学濃度の測定には、透過反射兼用色
濃度計NLM−STD−Tr(ナルミ商会製)を用い
た。
【0088】画像形成は、熱現像性感光体を、波長67
0nmの半導体レーザーで像露光し、その後に115℃
に設定した熱現像機内で10秒間熱現像して行った。半
導体レーザーのスポット径は、20μm×40μmで、
露光スピードは1.67×10-7sec/dotとし
た。
【0089】像露光エネルギーに対する透過光学濃度の
特性曲線は、像露光エネルギーを変えて画像形成を行
い、得られた画像の透過光学濃度を測定することにより
作成した。
【0090】こうして求めた感度及びカブリ濃度を表1
に示した。
【0091】又、上記のようにして作成した熱現像性感
光体について、10cm×10cmにカットした作成直
後の感光体の重量と、10cm×10cmにカットした
感光体を80℃の温水中に2時間浸漬した後の感光体の
重量及び感光体作成に用いた支持体の10cm×10c
mにカットした重量を測定し、以下の式に従って溶出率
を算出し耐水性を評価した。
【0092】こうして求めた溶出率を数1に示した。
【0093】
【数1】 更に、上記のようにして作成した熱現像性感光体につい
て、感光体の保護層表面に水滴を落とし接触角を測定
し、耐水性を評価した。
【0094】こうして求めた接触角を表1に示した。 [実施例2]耐水化保護層形成するのに、下記方法で合
成したエポキシ基含有変性ポリビニルアルコール重合体
14gとテトラメチレンジアミン32gを水300gに
溶解した溶液を用いた以外は実施例1と同様にして熱現
像性感光体を得た。作成した感光体を実施例1と同様に
評価し、結果を表1に示した。 (エポキシ基含有変性ポリビニルアルコール重合体の合
成法)メタノール中で、アリルグリシジルエーテル1g
と酢酸ビニル200gとを、重合開始剤2,2’−アゾ
ビスイソブチロニトリル0.06gを用いて60℃で共
重合させた後、未反応のモノマーを除去した。得られた
共重合体を25%のメタノール溶液にし、これに水酸化
ナトリウムのメタノール溶液を[NaOH]/[Vac
=0.02(モル比)となるように添加すると、エポキ
シ基含有変性ポリビニルアルコール重合体が得られた。 [実施例3]耐水化保護層形成するのに、下記方法で合
成した含フッ素基含有変性ポリビニルアルコール重合体
10%水溶液を用いた以外は実施例1と同様にして熱現
像性感光体を得た。作成した感光体を実施例1と同様に
評価し、結果を表1に示した。 (含フッ素基含有変性ポリビニルアルコール重合体の合
成法)メタノール中で、含フッ素単量体[CH2 =C
(CN)−C715]3gと酢酸ビニル(Vac)240
gとを、重合開始剤2,2’−アゾビスイソブチロニト
リル0.04gを用いて60℃で共重合させた後、未反
応のモノマーを除去した。得られた共重合体を25%の
メタノール溶液にし、これに水酸化ナトリウムのメタノ
ール溶液を[NaOH]/[Vac]=0.02(モル
比)となるように添加すると、含フッ素基含有変性ポリ
ビニルアルコール重合体が得られた。 [実施例4]耐水化保護層形成するのに、カルボキシメ
チルセルロースの10%水溶液と塩化カルシウムの2%
水溶液とを用いた以外は実施例1と同様にして熱現像性
感光体を得た。作成した感光体を実施例1と同様に評価
し、結果を表1に示した。 (耐水化保護層の形成方法)カルボキシメチルセルロー
スの10%水溶液を感光層上に塗布し、オーブン中、6
0℃で3分間乾燥させて半凝固状態にし、これを塩化カ
ルシウムの2%水溶液中に10分間浸漬した後、実施例
1に記載のとおり乾燥させ膜厚を3μmとした。 [比較例1]保護層を形成するのに、ポリビニルアルコ
ール重合体10%水溶液を用いた以外は実施例1と同様
にして熱現像性感光体を得た。作成した感光体を実施例
1と同様に評価し、結果を表1に示した。
【0095】
【表1】 注)高温高湿下保存とは、50℃,80%×72時間保
存をさす。 [実施例5]実施例1の感光性組成物に、メロシアニン
色素(Dye−1)のDMF溶液を添加する際に、チオ
ール化合物(S−1)60mgを1.0mlのDMFに
溶かした溶液を同時に添加する以外は実施例1と同様に
して熱現像性感光体を得た。作成した感光体を実施例1
と同様に評価し結果を表2に示した。 [実施例6]実施例2の感光性組成物に、メロシアニン
色素(Dye−1)のDMF溶液を添加する際に、チオ
ール化合物(S−1)60mgを1.0mlのDMFに
溶かした溶液を同時に添加する以外は実施例2と同様に
して熱現像性感光体を得た。作成した感光体を実施例1
と同様に評価し、結果を表2に示した。 [実施例7]実施例3の感光性組成物に、メロシアニン
色素(Dye−1)のDMF溶液を添加する際に、チオ
ール化合物(S−1)60mgを1.0mlのDMFに
溶かした溶液を同時に添加する以外は実施例3と同様に
して熱現像性感光体を得た。作成した感光体を実施例1
と同様に評価し、結果を表2に示した。 [実施例8]実施例4の感光性組成物に、メロシアニン
色素(Dye−1)のDMF溶液を添加する際に、チオ
ール化合物(S−1)60mgを1.0mlのDMFに
溶かした溶液を同時に添加する以外は実施例4と同様に
して熱現像性感光体を得た。作成した感光体を実施例1
と同様に評価し、結果を表2に示す。 [比較例2]比較例1の感光性組成物に、メロシアニン
色素(Dye−1)のDMF溶液を添加する際に、チオ
ール化合物(S−1)60mgを1.0mlのDMFに
溶かした溶液を同時に添加する以外は比較例1と同様に
して熱現像性感光体を得た。作成した感光体を実施例1
と同様に評価し、結果を表2に示す。
【0096】
【表2】 注)高温高湿下保存とは、50℃,80%×72時間保
存をさす。 [実施例9]実施例1で使用した還元剤2,2’−メチ
レンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)を
4,4’−メチレンビス(6−t−ブチル−2−メチル
フェノール)にかえた以外は実施例1と同様にして熱現
像性感光体を得た。
【0097】この感光体を、波長670nmの半導体レ
ーザーで、1.50×10-5sec/dotのスピー
ド、像面エネルギー30μJ/cm2 で像露光し、その
後に120℃に設定した熱現像機内で10秒間熱現像し
て行ったところ、410nmに吸収ピークを有する良好
な画像が得られた。溶出率と接触角には実施例1と差異
は見られなかった。 [実施例10]下記の組成よりなる感光性組成物を安全
光下調整した。
【0098】 組成 使用量 ポリビニルホルマール 5.0g ベンゾトリアゾール銀 3.0g ホモフタル酸 0.5g 臭化銀(ヘキサクロロイリジウム (IV)酸ナトリウム 添加物;1×10-6mol%/AgBr) 0.2g 4,4’−メチレンビス(6−t−ブチル −2−メチルフェノール) 1.0g フタラジノン 1.0g キシレン 35ml n−ブタノール 25ml 上記臭化銀は、結晶の面指数[100]の立方晶であっ
て、1辺の長さの平均が0.06μmの結晶であった。
【0099】下記の式で示されるメロシアニン色素5m
gをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)5mlに
溶解し、この溶液を上記感光性組成物に添加し、又同時
にチオール化合物(S−1)60mgを1.0mlのD
MFに溶かした溶液を添加した。
【0100】この組成物をポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルム支持体上に乾燥膜厚10μmとなる
ように塗布して感光層とし、更に、耐水化保護層とし
て、実施例3と同様に含フッ素基含有変性ポリビニルア
ルコ−ル重合体を用いて熱現像性感光体を得た。
【0101】この感光体を、波長670nmの半導体レ
ーザーで、1.50×10-5sec/dotのスピー
ド、像面エネルギー30μJ/cm2 で像露光し、その
後に120℃に設定した熱現像機内で10秒間熱現像し
て行ったところ、410nmに吸収ピークを有する良好
な画像が得られた。溶出率と接触角には実施例3と差異
は見られなかった。
【0102】
【化8】 [実施例11]支持体のPETフィルムと感光層の間
に、下記組成の重合層を乾燥膜厚1μmで設けた以外は
実施例10と同様にして熱現像性感光体を得た。 (重合層組成) アロニクスM6300 1.75g ポリエステル樹脂 2.25g 塩化ゴム 0.20g 2,4−ジエチルチオキサントン 0.37g p−ジエチルアミノ安息香酸エチルエステル 0.37g この感光体を、波長670nmの半導体レーザーで、
1.67×10-7sec/dotのスピード、像面エネ
ルギー30μJ/cm2 で像露光し、その後に120℃
に設定した熱現像機内で10秒間熱現像して行った。次
いで、感光体の感光層側から超高圧水銀灯(牛尾電気社
製、USH−500D)を用いて一様に2秒間重合露光
した。重合露光は超高圧水銀灯を感光体から80cm離
して行った。最後に感光体のPETフィルムと感光層を
分離すると、重合層の重合した部分(以下重合部)が感
光層側に残り、重合層の重合しなかった部分(以下未重
合部)がPETフィルム上に残った。重合部は、像露光
の際に光の照射されなかった部分に対応し、未重合部
は、像露光の際に光の照射された部分に対応するもので
あった。
【0103】なお、未使用の感光体の溶出率と接触角に
は実施例3と差異は見られなかった。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により、長
期保存中にも感度低下やカブリ濃度の増加がなく、ブリ
ーフィングの発生もみられない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 本和 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、少なくとも(a)有機銀
    塩、(b)還元剤、(c)感光性ハロゲン化銀及び/又
    は感光性ハロゲン化銀形成成分を含む感光層と、少なく
    とも親水性高分子又は水性エマルジョンを含む耐水化保
    護層とを含有することを特徴とする熱現像性感光体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の耐水化保護層に、水性化
    ポリオレフィン系重合体を含む熱現像性感光体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の耐水化保護層に、エポキ
    シ基を側鎖にもつ変性ポリビニルアルコール系重合体を
    含む熱現像性感光体。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の耐水化保護層に、含フッ
    素基を側鎖にもつ変性ポリビニルアルコール系重合体を
    含む熱現像性感光体。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の耐水化保護層に、水溶性
    多糖系高分子を含み、かつ、該高分子が水溶性金属塩溶
    液でイオン交換されている熱現像性感光体。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の熱現像性感光体に対し
    て、該熱現像性感光体を像状に露光する工程と、加熱す
    る工程とを有する事を特徴とする画像形成法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6140038A (en) * 1998-07-09 2000-10-31 Fuji Photo Film Co., Ltd Heat-developable image-recording material
US6261754B1 (en) 1999-01-13 2001-07-17 Fuji Photo Film Co., Ltd. Heat developable image recording material

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US6140038A (en) * 1998-07-09 2000-10-31 Fuji Photo Film Co., Ltd Heat-developable image-recording material
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