JP2002244242A - 熱現像用ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents
熱現像用ハロゲン化銀写真感光材料Info
- Publication number
- JP2002244242A JP2002244242A JP2001043135A JP2001043135A JP2002244242A JP 2002244242 A JP2002244242 A JP 2002244242A JP 2001043135 A JP2001043135 A JP 2001043135A JP 2001043135 A JP2001043135 A JP 2001043135A JP 2002244242 A JP2002244242 A JP 2002244242A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- modified polyvinyl
- mol
- silver halide
- group
- solution
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 熱現像時の自動現像機の汚れ及び熱現像後の
感光層と支持体の接着強度劣化が改良され、保存性が改
良された熱現像用ハロゲン化銀写真感光材料を提供する
こと。 【解決手段】 一般式(1)で表されるビニルモノマー
単位を、6モル〜20モル%の範囲で有する変性ポリビ
ニルアルコールとアルデヒドとのアセタール化反応によ
り合成される変性ポリビニルアセタールをバインダーに
用いたことを特徴とする熱現像用ハロゲン化銀写真感光
材料。 【化1】
感光層と支持体の接着強度劣化が改良され、保存性が改
良された熱現像用ハロゲン化銀写真感光材料を提供する
こと。 【解決手段】 一般式(1)で表されるビニルモノマー
単位を、6モル〜20モル%の範囲で有する変性ポリビ
ニルアルコールとアルデヒドとのアセタール化反応によ
り合成される変性ポリビニルアセタールをバインダーに
用いたことを特徴とする熱現像用ハロゲン化銀写真感光
材料。 【化1】
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機銀塩を含有す
る熱現像用ハロゲン化銀写真感光材料に用いられる変性
ポリビニルアセタール樹脂並びに熱現像用ハロゲン化銀
写真感光材料に関する。
る熱現像用ハロゲン化銀写真感光材料に用いられる変性
ポリビニルアセタール樹脂並びに熱現像用ハロゲン化銀
写真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から広範囲に用いられているハロゲ
ン化銀感光材料は、その優れた写真特性により、より広
範囲かつ高品質な素材として画像形成分野に利用されて
いるが、画像を形成するために現像、定着、水洗、乾燥
というプロセスが必要であり、しかも処理工程が湿式で
あるため、作業が煩雑であるという欠点があった。その
為、現像工程を熱処理で行う熱現像用ハロゲン化銀写真
感光材料が開発、実用化され、近年医用業界を中心に急
速に普及してきている。
ン化銀感光材料は、その優れた写真特性により、より広
範囲かつ高品質な素材として画像形成分野に利用されて
いるが、画像を形成するために現像、定着、水洗、乾燥
というプロセスが必要であり、しかも処理工程が湿式で
あるため、作業が煩雑であるという欠点があった。その
為、現像工程を熱処理で行う熱現像用ハロゲン化銀写真
感光材料が開発、実用化され、近年医用業界を中心に急
速に普及してきている。
【0003】かかる技術として、例えば、米国特許第
3,152,904号、同3,487,075号、及び
D.モーガン(Morgan)による「ドライシルバー
写真材料(Dry Silver Photograp
hic Materials)」(Handbook
of Imaging Materials,Marc
el Dekker,Inc.第48頁,1991)等
に記載されているように、支持体上に有機銀塩、感光性
ハロゲン化銀粒子及び還元剤を有する銀塩光熱写真ドラ
イイメージング材料知られている。この銀塩光熱写真ド
ライイメージング材料(熱現像用ハロゲン化銀写真感光
材料)では溶液系処理薬品を一切使用しないため、より
簡便なシステムをユーザーに提供することができる。
3,152,904号、同3,487,075号、及び
D.モーガン(Morgan)による「ドライシルバー
写真材料(Dry Silver Photograp
hic Materials)」(Handbook
of Imaging Materials,Marc
el Dekker,Inc.第48頁,1991)等
に記載されているように、支持体上に有機銀塩、感光性
ハロゲン化銀粒子及び還元剤を有する銀塩光熱写真ドラ
イイメージング材料知られている。この銀塩光熱写真ド
ライイメージング材料(熱現像用ハロゲン化銀写真感光
材料)では溶液系処理薬品を一切使用しないため、より
簡便なシステムをユーザーに提供することができる。
【0004】ところが、このような熱現像用ハロゲン化
銀写真感光材料は、100℃から150℃にフィルムを
加熱し現像処理を行うため、加熱時の性能安定性が新た
な課題となった。例えば、125℃で30秒フィルムを
加熱することにより現像を行う熱現像用ハロゲン化銀写
真感光材料では、感光材料に用いられるプラスチックフ
ィルムと感光層、下引き層との熱膨張の違いにより、熱
現像後感光層がひび割れたり、感光層と支持体との接着
強度が低下するという問題が発生した。又、現像時加え
られる熱のため、現像反応で発生する有機酸がバインダ
ー中を拡散し、感光材料の表面にオイル状に析出し、自
動現像機を汚すという課題が発生した。
銀写真感光材料は、100℃から150℃にフィルムを
加熱し現像処理を行うため、加熱時の性能安定性が新た
な課題となった。例えば、125℃で30秒フィルムを
加熱することにより現像を行う熱現像用ハロゲン化銀写
真感光材料では、感光材料に用いられるプラスチックフ
ィルムと感光層、下引き層との熱膨張の違いにより、熱
現像後感光層がひび割れたり、感光層と支持体との接着
強度が低下するという問題が発生した。又、現像時加え
られる熱のため、現像反応で発生する有機酸がバインダ
ー中を拡散し、感光材料の表面にオイル状に析出し、自
動現像機を汚すという課題が発生した。
【0005】更に又、熱現像用ハロゲン化銀写真感光材
料は、感光層中に現像主薬を同時に含有するため、生保
存性及び画像形成後の保存性が劣化する。
料は、感光層中に現像主薬を同時に含有するため、生保
存性及び画像形成後の保存性が劣化する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記課題を鑑
みなされたものであり、その目的は、熱現像時の自動現
像機の汚れ及び熱現像後の感光層と支持体の接着強度劣
化が改良され、保存性が改良された熱現像用ハロゲン化
銀写真感光材料(熱現像感光材料ともいう)を提供する
ことにある。
みなされたものであり、その目的は、熱現像時の自動現
像機の汚れ及び熱現像後の感光層と支持体の接着強度劣
化が改良され、保存性が改良された熱現像用ハロゲン化
銀写真感光材料(熱現像感光材料ともいう)を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、前
記一般式(1)〜(6)から選ばれる少なくとも一つの
式により表されるビニルモノマー単位を6モル〜20モ
ル%の範囲で有する変性ポリビニルアルコールとアルデ
ヒドとのアセタール化反応により合成される変性ポリビ
ニルアセタールをバインダーとして用いたことを特徴と
する熱現像用ハロゲン化銀写真感光材料により達成され
た。
記一般式(1)〜(6)から選ばれる少なくとも一つの
式により表されるビニルモノマー単位を6モル〜20モ
ル%の範囲で有する変性ポリビニルアルコールとアルデ
ヒドとのアセタール化反応により合成される変性ポリビ
ニルアセタールをバインダーとして用いたことを特徴と
する熱現像用ハロゲン化銀写真感光材料により達成され
た。
【0008】本発明において用いられる、変性ポリビニ
ルアセタール樹脂とは、前記一般式(1)〜(6)で表
される、変性基を有する(ビニル)モノマー単位を、6
〜20モル%の範囲で有する変性ポリビニルアセタール
である。
ルアセタール樹脂とは、前記一般式(1)〜(6)で表
される、変性基を有する(ビニル)モノマー単位を、6
〜20モル%の範囲で有する変性ポリビニルアセタール
である。
【0009】変性基を有するモノマー単位を6〜20モ
ル%の範囲で有する変性ポリビニルアルコールとは、モ
ノマー単位(ポリビニルアルコールはポリ酢酸ビニルの
加水分解により製造されるために、ビニルアルコール単
位と同時に、少量の酢酸ビニルモノマー単位を含有する
ので、ビニルアルコール、酢酸ビニルモノマーおよび該
変性基を有するビニルモノマー単位を合わせた合計のモ
ノマー単位)に対して6〜20モル%の範囲で、該変性
基を有するビニルモノマー単位を含有するという意味で
ある。
ル%の範囲で有する変性ポリビニルアルコールとは、モ
ノマー単位(ポリビニルアルコールはポリ酢酸ビニルの
加水分解により製造されるために、ビニルアルコール単
位と同時に、少量の酢酸ビニルモノマー単位を含有する
ので、ビニルアルコール、酢酸ビニルモノマーおよび該
変性基を有するビニルモノマー単位を合わせた合計のモ
ノマー単位)に対して6〜20モル%の範囲で、該変性
基を有するビニルモノマー単位を含有するという意味で
ある。
【0010】本発明に使用される前記変性基としては、
カチオン性の基であり、カチオン性の基とは、一般的に
は、一級アミン、二級アミン、三級アミン、四級アンモ
ニウム塩、ピリジン、ピリジニウム、イミダゾール、イ
ミダゾリウム、スルホニウム、ホスホニウムなど水溶液
中で解離して正電荷に帯電する化学構造単位を意味して
いる。本発明の変性ポリビニルアセタールの原料となる
カチオン性の基を有する変性ポリビニルアルコールは、
上記の一般式(1)、(2)、(3)或いは(4)で示
される一級アミン、二級アミン、三級アミン、四級アン
モニウム塩、ピリジン、ピリジニウム、イミダゾール、
イミダゾリウム基を含有する(共重合)ビニルモノマー
単位を含む変性ポリビニルアルコールである。
カチオン性の基であり、カチオン性の基とは、一般的に
は、一級アミン、二級アミン、三級アミン、四級アンモ
ニウム塩、ピリジン、ピリジニウム、イミダゾール、イ
ミダゾリウム、スルホニウム、ホスホニウムなど水溶液
中で解離して正電荷に帯電する化学構造単位を意味して
いる。本発明の変性ポリビニルアセタールの原料となる
カチオン性の基を有する変性ポリビニルアルコールは、
上記の一般式(1)、(2)、(3)或いは(4)で示
される一級アミン、二級アミン、三級アミン、四級アン
モニウム塩、ピリジン、ピリジニウム、イミダゾール、
イミダゾリウム基を含有する(共重合)ビニルモノマー
単位を含む変性ポリビニルアルコールである。
【0011】上記一般式(1)〜(4)で示された共重
合ビニルモノマー単位を含む変性ポリビニルアルコール
の製造はビニルエステルとりわけ酢酸ビニルと次式
(イ)〜(ニ)(ここで、各基の意味は前記と同一であ
る)で示される重合性ビニルモノマーとをラジカル重合
開始剤の存在下に共重合させ、しかる後に該共重合体の
アルコール溶液にアルカリ或いは酸触媒を作用させて、
共重合体中のビニルエステル単位を目的に応じて部分的
に或いは高度にケン化せしめてビニルアルコール単位と
することにより有効且つ簡便に製造される。
合ビニルモノマー単位を含む変性ポリビニルアルコール
の製造はビニルエステルとりわけ酢酸ビニルと次式
(イ)〜(ニ)(ここで、各基の意味は前記と同一であ
る)で示される重合性ビニルモノマーとをラジカル重合
開始剤の存在下に共重合させ、しかる後に該共重合体の
アルコール溶液にアルカリ或いは酸触媒を作用させて、
共重合体中のビニルエステル単位を目的に応じて部分的
に或いは高度にケン化せしめてビニルアルコール単位と
することにより有効且つ簡便に製造される。
【0012】
【化5】
【0013】ここで、R1、R2、R6〜R9、X-、A、
B、Dは前記と同一である。上記一般式(イ)で示され
る単量体においてR1は水素原子又は低級アルキル基で
あるが、通常水素原子又はメチル基が好ましく、更に酢
酸ビニルとの共重合反応における重合速度が大である点
で水素原子であることが好ましい。R2も又水素原子又
はメチル基が好ましい。Bはアミノ基−NR3(R4)又
は4級アンモニウム塩−N+(R3)(R4)(R5)・X
-であり、R3、R4、R5は水素原子又は置換基を含んで
もよい低級アルキル基を、X-はアニオンを示してい
る。R3、R4、R5は通常の目的では全てメチル基が好
ましいが、特殊な目的にはエチル基、プロピル基等の低
級アルキル基或いは反応性を付与する目的でメチロール
基、或いはカチオン性基の密度を向上させる目的でアミ
ノアルキル基など置換基を含有した低級アルキル基も用
いられる。
B、Dは前記と同一である。上記一般式(イ)で示され
る単量体においてR1は水素原子又は低級アルキル基で
あるが、通常水素原子又はメチル基が好ましく、更に酢
酸ビニルとの共重合反応における重合速度が大である点
で水素原子であることが好ましい。R2も又水素原子又
はメチル基が好ましい。Bはアミノ基−NR3(R4)又
は4級アンモニウム塩−N+(R3)(R4)(R5)・X
-であり、R3、R4、R5は水素原子又は置換基を含んで
もよい低級アルキル基を、X-はアニオンを示してい
る。R3、R4、R5は通常の目的では全てメチル基が好
ましいが、特殊な目的にはエチル基、プロピル基等の低
級アルキル基或いは反応性を付与する目的でメチロール
基、或いはカチオン性基の密度を向上させる目的でアミ
ノアルキル基など置換基を含有した低級アルキル基も用
いられる。
【0014】X-としては塩素、臭素、沃素などのハロ
ゲン原子又はCH3OSO3 -或いはCH3C6H4SO3 -が
好ましいが、とりわけ塩素原子が、経済上、安全上、或
いは変性ポリビニルアルコールの物性上好ましい。Bで
表される基が四級アンモニウム塩の形である場合、変性
ポリビニルアルコールの製造の取り扱い易さにおいて好
ましいが、一級から三級アミンでも本発明の効果を発現
させうる。Bで表される基中の窒素原子とアミド基の窒
素原子とを連結する基であるAは安定な結合を含む基で
あればいずれも用いられるが、通常直鎖状若しくは分岐
した脂肪族の基が用いられる。
ゲン原子又はCH3OSO3 -或いはCH3C6H4SO3 -が
好ましいが、とりわけ塩素原子が、経済上、安全上、或
いは変性ポリビニルアルコールの物性上好ましい。Bで
表される基が四級アンモニウム塩の形である場合、変性
ポリビニルアルコールの製造の取り扱い易さにおいて好
ましいが、一級から三級アミンでも本発明の効果を発現
させうる。Bで表される基中の窒素原子とアミド基の窒
素原子とを連結する基であるAは安定な結合を含む基で
あればいずれも用いられるが、通常直鎖状若しくは分岐
した脂肪族の基が用いられる。
【0015】上記一般式(イ)で示される単量体のうち
三級アミンの形のものの具体例として次のものがあげら
れる。N−(2−ジメチルアミノエチル)アクリルアミ
ド、N−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリルアミ
ド、N−(3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミ
ド、N−(3−ジエチルアミノプロピル)アクリルアミ
ド、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルア
ミド、N−(3−ジエチルアミノプロピル)メタクリル
アミド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノ
プロピル)アクリルアミド、N−(1,1−ジメチル−
3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、N−
(1,1−ジエチル−3−ジメチルアミノブチル)アク
リルアミド、N−(1−メチル−1,3−ジフェニル−
3−ジエチルアミノプロピル)メタクリルアミド、N−
(3−ジメチルアミノヘキシル)アクリルアミド、N−
(3−メチルエチルアミノプロピル)メタクリルアミ
ド、N−メチル−N−(3−ジメチルアミノプロピル)
アクリルアミド。
三級アミンの形のものの具体例として次のものがあげら
れる。N−(2−ジメチルアミノエチル)アクリルアミ
ド、N−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリルアミ
ド、N−(3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミ
ド、N−(3−ジエチルアミノプロピル)アクリルアミ
ド、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルア
ミド、N−(3−ジエチルアミノプロピル)メタクリル
アミド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノ
プロピル)アクリルアミド、N−(1,1−ジメチル−
3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、N−
(1,1−ジエチル−3−ジメチルアミノブチル)アク
リルアミド、N−(1−メチル−1,3−ジフェニル−
3−ジエチルアミノプロピル)メタクリルアミド、N−
(3−ジメチルアミノヘキシル)アクリルアミド、N−
(3−メチルエチルアミノプロピル)メタクリルアミ
ド、N−メチル−N−(3−ジメチルアミノプロピル)
アクリルアミド。
【0016】上記一般式(イ)で表される単量体のうち
四級アンモニウム塩の形のものは上述した三級アミン型
モノマーを次のような四級化剤で四級化することにより
容易に得ることが出来る。例えばジメチル硫酸、ジエチ
ル硫酸、ジプロピル硫酸等のジアルキル硫酸、例えばメ
タンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸又はトルエンスル
ホン酸等のメチル−、エチル−、プロピル−又はブチル
エステル等のようなアルキル又はアリールスルホン酸の
C1〜C4のアルキルエステル、例えば塩化ベンジル又
は臭化ベンジル等のハロゲン化ベンジル、例えば塩化メ
チル、臭化メチル、ヨウ化メチル、塩化エチル、臭化エ
チル又はヨウ化エチル等のハロゲン化アルキルなどであ
る。
四級アンモニウム塩の形のものは上述した三級アミン型
モノマーを次のような四級化剤で四級化することにより
容易に得ることが出来る。例えばジメチル硫酸、ジエチ
ル硫酸、ジプロピル硫酸等のジアルキル硫酸、例えばメ
タンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸又はトルエンスル
ホン酸等のメチル−、エチル−、プロピル−又はブチル
エステル等のようなアルキル又はアリールスルホン酸の
C1〜C4のアルキルエステル、例えば塩化ベンジル又
は臭化ベンジル等のハロゲン化ベンジル、例えば塩化メ
チル、臭化メチル、ヨウ化メチル、塩化エチル、臭化エ
チル又はヨウ化エチル等のハロゲン化アルキルなどであ
る。
【0017】上記一般式(イ)で表される単量体として
上述した各種の例のうち次の四種類の単量体、N−
(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)ア
クリルアミド、N−トリメチル−(3−アクリルアミド
−3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロリド、N−
(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ト
リメチル−(3−メタクリルアミド−プロピル)アンモ
ニウムクロリドが本発明の変性ポリビニルアルコールを
製造する上で、重合速度、アミド基の安定性、単量体製
造時の経済性の観点から優れている。
上述した各種の例のうち次の四種類の単量体、N−
(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)ア
クリルアミド、N−トリメチル−(3−アクリルアミド
−3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロリド、N−
(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ト
リメチル−(3−メタクリルアミド−プロピル)アンモ
ニウムクロリドが本発明の変性ポリビニルアルコールを
製造する上で、重合速度、アミド基の安定性、単量体製
造時の経済性の観点から優れている。
【0018】上記(ロ)で示される単量体としては例え
ば次のものがあげられる。1−ビニルイミダゾール、1
−ビニル−2−メチルイミダゾール、1−ビニル−2−
エチルイミダゾール、1−ビニル−2−フェニルイミダ
ゾール、1−ビニル−2,4,5−トリメチルイミダゾ
ール。
ば次のものがあげられる。1−ビニルイミダゾール、1
−ビニル−2−メチルイミダゾール、1−ビニル−2−
エチルイミダゾール、1−ビニル−2−フェニルイミダ
ゾール、1−ビニル−2,4,5−トリメチルイミダゾ
ール。
【0019】上記一般式(ハ)で示される単量体は上記
一般式(ロ)で示される単量体に、前述した四級化剤で
四級化することにより容易に得ることが出来る。
一般式(ロ)で示される単量体に、前述した四級化剤で
四級化することにより容易に得ることが出来る。
【0020】又、上記一般式(ニ)で示される単量体と
しては、例えばジメチルアミノエチルビニルエーテル、
ジメチルアミノプロピルビニルエーテル或いはこれらの
四級化物或いはビニロキシエチルアミン等があげられ
る。
しては、例えばジメチルアミノエチルビニルエーテル、
ジメチルアミノプロピルビニルエーテル或いはこれらの
四級化物或いはビニロキシエチルアミン等があげられ
る。
【0021】前記一般式(5)或いは(6)で示された
共重合ビニルモノマー単位を含む変性ポリビニルアセタ
ールも本発明にとって有効であり、これらの変性ポリビ
ニルアセタールも一般式(5)或いは(6)で示された
共重合ビニルモノマー単位を含有せしめた変性ポリビニ
ルアルコールから製造される。
共重合ビニルモノマー単位を含む変性ポリビニルアセタ
ールも本発明にとって有効であり、これらの変性ポリビ
ニルアセタールも一般式(5)或いは(6)で示された
共重合ビニルモノマー単位を含有せしめた変性ポリビニ
ルアルコールから製造される。
【0022】この様なビニルモノマー単位を含有せしめ
た変性ポリビニルアルコールの合成法は、例えば、特開
昭57−77051号に示されている。
た変性ポリビニルアルコールの合成法は、例えば、特開
昭57−77051号に示されている。
【0023】それによれば、ビニルエステル、特に酢酸
ビニルとN−ビニルアルキルアミド特にN−ビニルアセ
トアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド或いは
N−ビニル−N−メチルホルムアミドなどとをラジカル
重合開始剤の存在下に共重合させた後に該共重合体を加
水分解することにより、N−ビニルアルキルアミド単位
中のアミド基を全て加水分解しビニルアミン単位とす
る。
ビニルとN−ビニルアルキルアミド特にN−ビニルアセ
トアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド或いは
N−ビニル−N−メチルホルムアミドなどとをラジカル
重合開始剤の存在下に共重合させた後に該共重合体を加
水分解することにより、N−ビニルアルキルアミド単位
中のアミド基を全て加水分解しビニルアミン単位とす
る。
【0024】酢酸ビニルとN−ビニルアルキルアミドの
共重合体の加水分解において、酢酸ビニル中のエステル
基に比較しN−ビニルアルキルアミド単位中のアミド基
の加水分解速度は遅いため、通常は2段階で加水分解反
応を実施することが望ましい。即ち、酢酸ビニルとN−
ビニルアルキルアミドの共重合体のアルコール溶液にア
ルカリ或いは酸触媒を作用させて共重合体中の酢酸ビニ
ル単位をケン化せしめて、N−ビニルアルキルアミド単
位を含む変性ポリビニルアルコールを合成した後、これ
を加熱下に水に溶解して水溶液とし、アルカリ或いは酸
を加えて90℃〜100℃で加水分解反応を実施する方
法が一例としてあげられる。この場合アルカリは水酸化
ナトリウム、水酸化カリウムなどであり、酸としては硫
酸、塩酸などが使用される。酸を使用してN−ビニルア
ルキルアミドの加水分解を実施した場合、ビニルアミン
単位が使用した酸の塩の形である変性ポリビニルアルコ
ールが得られる。又、こうしてアミド基を分解して得た
変性ポリビニルアルコールの水溶液に前述した四級化剤
を作用させて上記一般式(6)で示されるような四級ア
ンモニウム塩の形にすることもできる。
共重合体の加水分解において、酢酸ビニル中のエステル
基に比較しN−ビニルアルキルアミド単位中のアミド基
の加水分解速度は遅いため、通常は2段階で加水分解反
応を実施することが望ましい。即ち、酢酸ビニルとN−
ビニルアルキルアミドの共重合体のアルコール溶液にア
ルカリ或いは酸触媒を作用させて共重合体中の酢酸ビニ
ル単位をケン化せしめて、N−ビニルアルキルアミド単
位を含む変性ポリビニルアルコールを合成した後、これ
を加熱下に水に溶解して水溶液とし、アルカリ或いは酸
を加えて90℃〜100℃で加水分解反応を実施する方
法が一例としてあげられる。この場合アルカリは水酸化
ナトリウム、水酸化カリウムなどであり、酸としては硫
酸、塩酸などが使用される。酸を使用してN−ビニルア
ルキルアミドの加水分解を実施した場合、ビニルアミン
単位が使用した酸の塩の形である変性ポリビニルアルコ
ールが得られる。又、こうしてアミド基を分解して得た
変性ポリビニルアルコールの水溶液に前述した四級化剤
を作用させて上記一般式(6)で示されるような四級ア
ンモニウム塩の形にすることもできる。
【0025】本発明の変性ポリビニルアセタール樹脂中
の原料となるカチオン変性ポリビニルアルコール中のカ
チオン変性基を有するモノマー単位は、これから製造さ
れるポリビニルアセタール樹脂中の該変性基を有するモ
ノマー単位を6〜20モル%の範囲とするには、全ビニ
ルモノマー単位に対して、6〜20モル%の範囲で有す
ることが必要である。ケン化度は高い方が好ましく(全
酢酸ビニルモノマー単位に対して)75〜100モル
%、又、重合度は200〜3000の範囲から選ばれ
る。
の原料となるカチオン変性ポリビニルアルコール中のカ
チオン変性基を有するモノマー単位は、これから製造さ
れるポリビニルアセタール樹脂中の該変性基を有するモ
ノマー単位を6〜20モル%の範囲とするには、全ビニ
ルモノマー単位に対して、6〜20モル%の範囲で有す
ることが必要である。ケン化度は高い方が好ましく(全
酢酸ビニルモノマー単位に対して)75〜100モル
%、又、重合度は200〜3000の範囲から選ばれ
る。
【0026】この様な変性ポリビニルアルコールから製
造される、本発明に用いられる変性ポリビニルアセター
ル樹脂としては、重合度200〜3000のものが使用
されるが、熱現像用ハロゲン化銀写真感光材料に用いら
れる銀塩の分散性、接着強度、自動現像機の汚れ、保存
性等の点から、重合度400〜2000のものが好適に
用いられる。
造される、本発明に用いられる変性ポリビニルアセター
ル樹脂としては、重合度200〜3000のものが使用
されるが、熱現像用ハロゲン化銀写真感光材料に用いら
れる銀塩の分散性、接着強度、自動現像機の汚れ、保存
性等の点から、重合度400〜2000のものが好適に
用いられる。
【0027】また、上記変性ポリビニルアセタール樹脂
の残存アセチル基の量は、0〜25モル%のものが使用
される。残存アセチル基の量が25モル%より多い場合
は、得られる感光性フイルム同士のブロッキングが生
じ、また画像が鮮明でなくなる。より好ましくは、0〜
15モル%である。
の残存アセチル基の量は、0〜25モル%のものが使用
される。残存アセチル基の量が25モル%より多い場合
は、得られる感光性フイルム同士のブロッキングが生
じ、また画像が鮮明でなくなる。より好ましくは、0〜
15モル%である。
【0028】更に、上記変性ポリビニルアセタール樹脂
の残存水酸基量は、17〜35モル%とされ、好ましく
は19〜30モル%である。残存水酸基量が35モル%
より多い場合は、熱現像感光材料に用いる銀塩の分散性
が悪く、銀塩が凝集しやすい。又、塗布液の安定性が劣
化し、塗布液調製後の時間の経過と共に、フィルムの感
度が低下するという現象が発生する。残存水酸基量が1
7モル%より少ない場合にも、銀塩の分散性が低下す
る。
の残存水酸基量は、17〜35モル%とされ、好ましく
は19〜30モル%である。残存水酸基量が35モル%
より多い場合は、熱現像感光材料に用いる銀塩の分散性
が悪く、銀塩が凝集しやすい。又、塗布液の安定性が劣
化し、塗布液調製後の時間の経過と共に、フィルムの感
度が低下するという現象が発生する。残存水酸基量が1
7モル%より少ない場合にも、銀塩の分散性が低下す
る。
【0029】本発明に用いられる変性ポリビニルアセタ
ール樹脂は、変性ポリビニルアルコールと各種アルデヒ
ドとのアセタール化反応により合成されるが、ブチルア
ルデヒド及び/又はアセトアルデヒドでアセタール化さ
れたものが好ましい。特に、ポリビニルアセタール樹脂
のアセタール化された部分のうちアセトアルデヒドによ
りアセタール化された部分の割合が、全アセタール化部
分に対して30〜100%の範囲にあることが好まし
く、より好ましくは50〜100%である。
ール樹脂は、変性ポリビニルアルコールと各種アルデヒ
ドとのアセタール化反応により合成されるが、ブチルア
ルデヒド及び/又はアセトアルデヒドでアセタール化さ
れたものが好ましい。特に、ポリビニルアセタール樹脂
のアセタール化された部分のうちアセトアルデヒドによ
りアセタール化された部分の割合が、全アセタール化部
分に対して30〜100%の範囲にあることが好まし
く、より好ましくは50〜100%である。
【0030】本発明に用いられる変性ポリビニルアセタ
ール樹脂は、一般に、水溶液中、アルコール溶液中、水
/アルコール混合溶液中、ジメチルスルホキシド(DM
SO)溶液中等で、変性ポリビニルアルコールと各種ア
ルデヒドとを酸触媒を用いて反応させることにより合成
されるが、変性ポリ酢酸ビニルのアルコール溶液に酸触
媒とアルデヒドとを添加することによっても合成され得
る。
ール樹脂は、一般に、水溶液中、アルコール溶液中、水
/アルコール混合溶液中、ジメチルスルホキシド(DM
SO)溶液中等で、変性ポリビニルアルコールと各種ア
ルデヒドとを酸触媒を用いて反応させることにより合成
されるが、変性ポリ酢酸ビニルのアルコール溶液に酸触
媒とアルデヒドとを添加することによっても合成され得
る。
【0031】ここで、アルデヒドとしては、ホルムアル
デヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、プロピ
ルアルデヒドなどアセタール化できるアルデヒドであれ
ばどのようなアルデヒドを用いてもよい。特に、ブチル
アルデヒドとアセトアルデヒドとをそれぞれ単独で用い
るか、或いはブチルアルデヒドとアセトアルデヒドとを
併用するのが好ましい。
デヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、プロピ
ルアルデヒドなどアセタール化できるアルデヒドであれ
ばどのようなアルデヒドを用いてもよい。特に、ブチル
アルデヒドとアセトアルデヒドとをそれぞれ単独で用い
るか、或いはブチルアルデヒドとアセトアルデヒドとを
併用するのが好ましい。
【0032】上記酸触媒としては、特に限定されず、有
機酸、無機酸のどちらでも使用可能であり、例えば、酢
酸、パラトルエンスルホン酸、硝酸、硫酸、塩酸等が挙
げられる。また、上記合成反応を停止するために、通常
アルカリ中和を行うが、その際使用されるアルカリとし
ては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ア
ンモニア、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素
ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等が挙げ
られる。
機酸、無機酸のどちらでも使用可能であり、例えば、酢
酸、パラトルエンスルホン酸、硝酸、硫酸、塩酸等が挙
げられる。また、上記合成反応を停止するために、通常
アルカリ中和を行うが、その際使用されるアルカリとし
ては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ア
ンモニア、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素
ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等が挙げ
られる。
【0033】変成ポリビニルアセタール樹脂を得る方法
としては、前述のように、特開昭57−77051号に
記載された製造方法により有利に製造できる。又、特開
平2−220221号公報に開示されているように、主
鎖の形成後にアルコール型ユニットの水酸基を利用して
親水性基団を導入する方法等を用いてもよい。
としては、前述のように、特開昭57−77051号に
記載された製造方法により有利に製造できる。又、特開
平2−220221号公報に開示されているように、主
鎖の形成後にアルコール型ユニットの水酸基を利用して
親水性基団を導入する方法等を用いてもよい。
【0034】変性ポリビニルアセタール樹脂中の変性基
を有するモノマー単位の割合は、前述したように6〜2
0モル%である。この変性基の割合が6モル%未満で
は、変性基となる親水性基団を導入した効果が得られな
い。逆に、この変性基の割合が20モル%を超えると、
本発明の効果が飽和するだけでなく、アセタール化後の
溶剤に対する溶解性が低下する。
を有するモノマー単位の割合は、前述したように6〜2
0モル%である。この変性基の割合が6モル%未満で
は、変性基となる親水性基団を導入した効果が得られな
い。逆に、この変性基の割合が20モル%を超えると、
本発明の効果が飽和するだけでなく、アセタール化後の
溶剤に対する溶解性が低下する。
【0035】こうして、本発明の熱現像用ハロゲン化銀
写真感光材料(熱現像感光材料)用変性ポリビニルアセ
タール樹脂が得られる。このような変性ポリビニルアセ
タール樹脂を用いて熱現像性感光材料を製造することに
より、熱現像前後の熱現像感光層と支持体との接着強度
が低下するというような欠点が改良され、又、現像反応
で発生する有機酸等が感光材料の表面にオイル状に析出
し、自動現像機を汚すという様な欠点も改良される。更
に、熱現像感光材料の保存性も改良される。
写真感光材料(熱現像感光材料)用変性ポリビニルアセ
タール樹脂が得られる。このような変性ポリビニルアセ
タール樹脂を用いて熱現像性感光材料を製造することに
より、熱現像前後の熱現像感光層と支持体との接着強度
が低下するというような欠点が改良され、又、現像反応
で発生する有機酸等が感光材料の表面にオイル状に析出
し、自動現像機を汚すという様な欠点も改良される。更
に、熱現像感光材料の保存性も改良される。
【0036】熱現像感光材料に用いられるバインダー以
外の他の成分は、公知の技術で製造されるものを使用で
きる。
外の他の成分は、公知の技術で製造されるものを使用で
きる。
【0037】以下に、熱現像感光材料の構成について説
明する。本発明の熱現像感光材料は、通常は支持体上に
少なくとも1層の感光層及び該感光層に隣接する層を設
けた少なくとも2層から構成されて、また感光層の反対
側には必要に応じて適宜バックコート層(BC層)、保
護層等が設けられている。上記熱現像感光材料の感光層
中には、分光増感色素で増感されてもよい感光性ハロゲ
ン化銀粒子が含まれ、さらに感光層またはその隣接層に
は銀源となる有機銀塩、銀塩を現像して銀画像を形成す
るための還元剤が含有される。熱現像感光材料の感光層
やその隣接層には、熱現像の場を提供する高分子結合
剤、親水性結合剤や疎水性結合剤、或いはラテックスが
含有される。上記の熱現像感光材料において、必要によ
りイラジエーション防止またはハレーション防止のため
の染料を含有するAI層またはBC層が設けられる。ま
た、上記の熱現像材料の感光層には、必要により銀画像
の色調を整える色調剤を含有させることができる。
明する。本発明の熱現像感光材料は、通常は支持体上に
少なくとも1層の感光層及び該感光層に隣接する層を設
けた少なくとも2層から構成されて、また感光層の反対
側には必要に応じて適宜バックコート層(BC層)、保
護層等が設けられている。上記熱現像感光材料の感光層
中には、分光増感色素で増感されてもよい感光性ハロゲ
ン化銀粒子が含まれ、さらに感光層またはその隣接層に
は銀源となる有機銀塩、銀塩を現像して銀画像を形成す
るための還元剤が含有される。熱現像感光材料の感光層
やその隣接層には、熱現像の場を提供する高分子結合
剤、親水性結合剤や疎水性結合剤、或いはラテックスが
含有される。上記の熱現像感光材料において、必要によ
りイラジエーション防止またはハレーション防止のため
の染料を含有するAI層またはBC層が設けられる。ま
た、上記の熱現像材料の感光層には、必要により銀画像
の色調を整える色調剤を含有させることができる。
【0038】本発明において、有機銀塩は還元可能な銀
源であり、有機酸及びヘテロ有機酸の銀塩、特にこの中
でも長鎖の(炭素数10〜30、好ましくは15〜2
5)脂肪族カルボン酸及び含窒素複素環化合物の銀塩が
好ましい。配位子が銀イオンに対する総安定度常数とし
て4.0〜10.0の値をもつようなリサーチ・ディス
クロージャー(以降、単にRDと略す)第17029及
び29963に記載された有機又は無機の錯体も好まし
い。これら好適な銀塩の例としては以下のものが挙げら
れる。
源であり、有機酸及びヘテロ有機酸の銀塩、特にこの中
でも長鎖の(炭素数10〜30、好ましくは15〜2
5)脂肪族カルボン酸及び含窒素複素環化合物の銀塩が
好ましい。配位子が銀イオンに対する総安定度常数とし
て4.0〜10.0の値をもつようなリサーチ・ディス
クロージャー(以降、単にRDと略す)第17029及
び29963に記載された有機又は無機の錯体も好まし
い。これら好適な銀塩の例としては以下のものが挙げら
れる。
【0039】有機酸の銀塩、例えば、没食子酸、蓚酸、
ベヘン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、パルミチン
酸、ラウリン酸等の銀塩。銀のカルボキシアルキルチオ
尿素塩、例えば、1−(3−カルボキシプロピル)チオ
尿素、1−(3−カルボキシプロピル)−3,3−ジメ
チルチオ尿素等の銀塩、アルデヒドとヒドロキシ置換芳
香族カルボン酸とのポリマー反応生成物の銀塩乃至錯
体、例えば、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、アセト
アルデヒド、ブチルアルデヒド等)とヒドロキシ置換酸
類(例えば、サリチル酸、安息香酸、3,5−ジヒドロ
キシ安息香酸)の反応生成物の銀塩乃至錯体、チオン類
の銀塩又は錯体、例えば、3−(2−カルボキシエチ
ル)−4−ヒドロキシメチル−4−チアゾリン−2−チ
オン、及び3−カルボキシメチル−4−チアゾリン−2
−チオン等の銀塩乃至錯体、イミダゾール、ピラゾー
ル、ウラゾール、1,2,4−チアゾール及び1H−テ
トラゾール、3−アミノ−5−ベンジルチオ−1,2,
4−トリアゾール及びベンズトリアゾールから選択され
る窒素酸と銀との錯体または塩、サッカリン、5−クロ
ロサリチルアルドキシム等の銀塩、及びメルカプチド類
の銀塩。これらの中、好ましい銀塩としてはベヘン酸
銀、アラキジン酸銀及びステアリン酸銀があげられる。
ベヘン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、パルミチン
酸、ラウリン酸等の銀塩。銀のカルボキシアルキルチオ
尿素塩、例えば、1−(3−カルボキシプロピル)チオ
尿素、1−(3−カルボキシプロピル)−3,3−ジメ
チルチオ尿素等の銀塩、アルデヒドとヒドロキシ置換芳
香族カルボン酸とのポリマー反応生成物の銀塩乃至錯
体、例えば、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、アセト
アルデヒド、ブチルアルデヒド等)とヒドロキシ置換酸
類(例えば、サリチル酸、安息香酸、3,5−ジヒドロ
キシ安息香酸)の反応生成物の銀塩乃至錯体、チオン類
の銀塩又は錯体、例えば、3−(2−カルボキシエチ
ル)−4−ヒドロキシメチル−4−チアゾリン−2−チ
オン、及び3−カルボキシメチル−4−チアゾリン−2
−チオン等の銀塩乃至錯体、イミダゾール、ピラゾー
ル、ウラゾール、1,2,4−チアゾール及び1H−テ
トラゾール、3−アミノ−5−ベンジルチオ−1,2,
4−トリアゾール及びベンズトリアゾールから選択され
る窒素酸と銀との錯体または塩、サッカリン、5−クロ
ロサリチルアルドキシム等の銀塩、及びメルカプチド類
の銀塩。これらの中、好ましい銀塩としてはベヘン酸
銀、アラキジン酸銀及びステアリン酸銀があげられる。
【0040】本発明において用いることのできる感光性
ハロゲン化銀粒子について説明する。なお、本発明にお
ける感光性ハロゲン化銀粒子とは、ハロゲン化銀結晶の
固有の性質として本来的に、又は、人為的に物理化学的
な方法により、可視光ないし赤外光を吸収し得て、かつ
可視光ないし赤外光を吸収したときに当該ハロゲン化銀
結晶内及び/又は結晶表面において物理化学的変化が起
こり得るように処理製造されたハロゲン化銀結晶粒子を
いう。
ハロゲン化銀粒子について説明する。なお、本発明にお
ける感光性ハロゲン化銀粒子とは、ハロゲン化銀結晶の
固有の性質として本来的に、又は、人為的に物理化学的
な方法により、可視光ないし赤外光を吸収し得て、かつ
可視光ないし赤外光を吸収したときに当該ハロゲン化銀
結晶内及び/又は結晶表面において物理化学的変化が起
こり得るように処理製造されたハロゲン化銀結晶粒子を
いう。
【0041】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子自体
は、P.Glafkides著Chimie et P
hysique Photographique(Pa
ulMontel社刊、1967年)、G.F.Duf
fin著 Photographic Emulsio
n Chemistry(The Focal Pre
ss刊、1966年)、V.L.Zelikman e
t al著Making and Coating P
hotographic Emulsion(The
Focal Press刊、1964年)等に記載され
た方法を用いてハロゲン化銀粒子乳剤として調製するこ
とができる。即ち、酸性法、中性法、アンモニア法等の
いずれでもよく、又可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反
応させる形成としては、片側混合法、同時混合法、それ
らの組合せ等のいずれを用いてもよいが、上記方法の中
でも形成条件をコントロールしつつハロゲン化銀粒子を
調製する所謂コントロールドダブルジェット法が好まし
い。ハロゲン組成としては特に制限はなく、塩化銀、塩
臭化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、沃臭化銀、沃化銀のいず
れであってもよい。
は、P.Glafkides著Chimie et P
hysique Photographique(Pa
ulMontel社刊、1967年)、G.F.Duf
fin著 Photographic Emulsio
n Chemistry(The Focal Pre
ss刊、1966年)、V.L.Zelikman e
t al著Making and Coating P
hotographic Emulsion(The
Focal Press刊、1964年)等に記載され
た方法を用いてハロゲン化銀粒子乳剤として調製するこ
とができる。即ち、酸性法、中性法、アンモニア法等の
いずれでもよく、又可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反
応させる形成としては、片側混合法、同時混合法、それ
らの組合せ等のいずれを用いてもよいが、上記方法の中
でも形成条件をコントロールしつつハロゲン化銀粒子を
調製する所謂コントロールドダブルジェット法が好まし
い。ハロゲン組成としては特に制限はなく、塩化銀、塩
臭化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、沃臭化銀、沃化銀のいず
れであってもよい。
【0042】本発明で用いることのできるハロゲン化銀
は、画像形成後の白濁を低く抑えるため、及び良好な画
質を得るために平均粒子サイズが小さい方が好ましく、
平均粒子サイズが0.2μm以下、より好ましくは0.
01μm〜0.17μm、特に0.02μm〜0.14
μmが好ましい。ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン
化銀粒子が立方体或いは八面体のいわゆる正常晶である
場合には、ハロゲン化銀粒子の稜の長さをいう。また、
ハロゲン化銀粒子が平板状粒子である場合には主表面の
投影面積と同面積の円像に換算したときの直径をいう。
は、画像形成後の白濁を低く抑えるため、及び良好な画
質を得るために平均粒子サイズが小さい方が好ましく、
平均粒子サイズが0.2μm以下、より好ましくは0.
01μm〜0.17μm、特に0.02μm〜0.14
μmが好ましい。ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン
化銀粒子が立方体或いは八面体のいわゆる正常晶である
場合には、ハロゲン化銀粒子の稜の長さをいう。また、
ハロゲン化銀粒子が平板状粒子である場合には主表面の
投影面積と同面積の円像に換算したときの直径をいう。
【0043】ハロゲン化銀粒子の形状としては立方体、
八面体、14面体粒子、平板状粒子、球状粒子、棒状粒
子、ジャガイモ状粒子などを挙げることができるが、こ
れらの中、特に、立方体、八面体、14面体、平板状ハ
ロゲン化銀粒子が好ましい。
八面体、14面体粒子、平板状粒子、球状粒子、棒状粒
子、ジャガイモ状粒子などを挙げることができるが、こ
れらの中、特に、立方体、八面体、14面体、平板状ハ
ロゲン化銀粒子が好ましい。
【0044】平板状ハロゲン化銀粒子を用いる場合の平
均アスペクト比は好ましくは1.5以上100以下、よ
り好ましくは2以上50以下がよい。これらは米国特許
第5,264,337号、同第5,314,798号、
同第5,320,958号等に記載されており、容易に
目的の平板状粒子を得ることができる。更に、ハロゲン
化銀粒子のコーナーが丸まった粒子も好ましく用いるこ
とができる。
均アスペクト比は好ましくは1.5以上100以下、よ
り好ましくは2以上50以下がよい。これらは米国特許
第5,264,337号、同第5,314,798号、
同第5,320,958号等に記載されており、容易に
目的の平板状粒子を得ることができる。更に、ハロゲン
化銀粒子のコーナーが丸まった粒子も好ましく用いるこ
とができる。
【0045】本発明で用いることのできるカブリ防止及
び画像安定化剤について説明する。本発明の支持体を用
いた熱現像感光材料に内蔵させるに好適な還元剤の例
は、米国特許第3,770,448号、同第3,77
3,512号、同第3,593,863号、及びRD第
17029及び第29963に記載されており、公知の
還元剤の中から適宜選択して使用することが出来るが、
有機銀塩に脂肪族カルボン酸銀塩を使用する場合には、
2個以上のフェノール基がアルキレン基又は硫黄によっ
て連結されたポリフェノール類、特にフェノール基のヒ
ドロキシ置換位置に隣接した位置の少なくとも一つにア
ルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、t
−ブチル基、シクロヘキシル基等)又はアシル基(例え
ばアセチル基、プロピオニル基等)が置換したフェノー
ル基の2個以上がアルキレン基又は硫黄によって連結さ
れたビスフェノール類が好ましい。
び画像安定化剤について説明する。本発明の支持体を用
いた熱現像感光材料に内蔵させるに好適な還元剤の例
は、米国特許第3,770,448号、同第3,77
3,512号、同第3,593,863号、及びRD第
17029及び第29963に記載されており、公知の
還元剤の中から適宜選択して使用することが出来るが、
有機銀塩に脂肪族カルボン酸銀塩を使用する場合には、
2個以上のフェノール基がアルキレン基又は硫黄によっ
て連結されたポリフェノール類、特にフェノール基のヒ
ドロキシ置換位置に隣接した位置の少なくとも一つにア
ルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、t
−ブチル基、シクロヘキシル基等)又はアシル基(例え
ばアセチル基、プロピオニル基等)が置換したフェノー
ル基の2個以上がアルキレン基又は硫黄によって連結さ
れたビスフェノール類が好ましい。
【0046】還元剤としては、上述のように、主に、ビ
スフェノール類やスルホンアミドフェノール類のような
プロトンをもった還元剤が用いられているので、これら
の水素を引き抜くことができる活性種を発生することに
より還元剤を不活性化できる化合物が含有されているこ
とが好ましい。好適には、無色の光酸化性物質として、
露光時にフリーラジカルを反応活性種として生成可能な
化合物が好ましい。
スフェノール類やスルホンアミドフェノール類のような
プロトンをもった還元剤が用いられているので、これら
の水素を引き抜くことができる活性種を発生することに
より還元剤を不活性化できる化合物が含有されているこ
とが好ましい。好適には、無色の光酸化性物質として、
露光時にフリーラジカルを反応活性種として生成可能な
化合物が好ましい。
【0047】従ってこれらの機能を有する化合物であれ
ばいかなる化合物でもよいが、複数の原子からなる有機
フリーラジカルが好ましい。かかる機能を有しかつ熱現
像感光材料に格別の弊害を生じることのない化合物であ
ればいかなる構造をもった化合物でもよい。
ばいかなる化合物でもよいが、複数の原子からなる有機
フリーラジカルが好ましい。かかる機能を有しかつ熱現
像感光材料に格別の弊害を生じることのない化合物であ
ればいかなる構造をもった化合物でもよい。
【0048】又、これらのフリーラジカルを発生する化
合物としては発生するフリーラジカルに、これが還元剤
と反応し不活性化するに充分な時間接触できる位の安定
性をもたせるために炭素環式、又は複素環式の芳香族基
を有するものが好ましい。
合物としては発生するフリーラジカルに、これが還元剤
と反応し不活性化するに充分な時間接触できる位の安定
性をもたせるために炭素環式、又は複素環式の芳香族基
を有するものが好ましい。
【0049】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子に
は、化学増感を施すことができる。例えば、特願平12
−057004号明細書及び特願平12−061942
号明細書に開示されている方法等により、硫黄などのカ
ルコゲンを放出する化合物や金イオンなどの貴金属イオ
ンを放出する貴金属化合物で化学増感中心(化学増感
核)を形成付与できる。本発明においては、カルコゲン
原子を含有する有機増感剤により化学増感されているの
が好ましい。これらカルコゲン原子を含有する有機増感
剤はハロゲン化銀へ吸着可能な基と不安定カルコゲン原
子部位を有する化合物であることが好ましい。
は、化学増感を施すことができる。例えば、特願平12
−057004号明細書及び特願平12−061942
号明細書に開示されている方法等により、硫黄などのカ
ルコゲンを放出する化合物や金イオンなどの貴金属イオ
ンを放出する貴金属化合物で化学増感中心(化学増感
核)を形成付与できる。本発明においては、カルコゲン
原子を含有する有機増感剤により化学増感されているの
が好ましい。これらカルコゲン原子を含有する有機増感
剤はハロゲン化銀へ吸着可能な基と不安定カルコゲン原
子部位を有する化合物であることが好ましい。
【0050】これらの有機増感剤としては、特開昭60
−150046号、特開平4−109240号、特開平
11−218874号等の明細書に開示されている種々
の構造を有する有機増感剤を用いることができるが、そ
れらのうちカルコゲン原子が炭素原子又はリン原子と二
重結合で結ばれている構造を有する化合物の少なくとも
1種であることが好ましい。
−150046号、特開平4−109240号、特開平
11−218874号等の明細書に開示されている種々
の構造を有する有機増感剤を用いることができるが、そ
れらのうちカルコゲン原子が炭素原子又はリン原子と二
重結合で結ばれている構造を有する化合物の少なくとも
1種であることが好ましい。
【0051】又、上記の増感法の他、還元増感法等も用
いることが出来、還元増感の貝体的な化合物としてはア
スコルビン酸、2酸化チオ尿素、塩化第1スズ、ヒドラ
ジン誘導体、ボラン化合物、シラン化合物、ポリアミン
化合物等を用いることができる。また、乳剤のpHを7
以上またはpAgを8.3以下に保持して熟成すること
により還元増感することができる。
いることが出来、還元増感の貝体的な化合物としてはア
スコルビン酸、2酸化チオ尿素、塩化第1スズ、ヒドラ
ジン誘導体、ボラン化合物、シラン化合物、ポリアミン
化合物等を用いることができる。また、乳剤のpHを7
以上またはpAgを8.3以下に保持して熟成すること
により還元増感することができる。
【0052】本発明で用いることのできる感光性ハロゲ
ン化銀粒子には、分光増感色素を吸着させ分光増感を施
すことが好ましい。分光増感色素としてシアニン色素、
メロシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コン
プレックスメロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色
素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、オキソノール色
素、ヘミオキソノール色素等を用いることができる。例
えば特開昭63−159841号、同60−14033
5号、同63−231437号、同63−259651
号、同63−304242号、同63−15245号、
米国特許第4,639,414号、同第4,740,4
55号、同第4,741,966号、同第4,751,
175号、同第4,835,096号に記載された増感
色素が使用できる。本発明に使用される有用な増感色素
は例えばRD第17643 IV−A項(1978年12
月p.23)、同18431 X項(1978年8月
p.437)に記載もしくは引用された文献に記載され
ている。特に各種レーザーイメージャーやスキャナーの
光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を用
いるのが好ましく、例えば、特開平9−34078号、
同9−54409号、同9−80679号記載の化合物
が好ましく用いられる。
ン化銀粒子には、分光増感色素を吸着させ分光増感を施
すことが好ましい。分光増感色素としてシアニン色素、
メロシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コン
プレックスメロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色
素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、オキソノール色
素、ヘミオキソノール色素等を用いることができる。例
えば特開昭63−159841号、同60−14033
5号、同63−231437号、同63−259651
号、同63−304242号、同63−15245号、
米国特許第4,639,414号、同第4,740,4
55号、同第4,741,966号、同第4,751,
175号、同第4,835,096号に記載された増感
色素が使用できる。本発明に使用される有用な増感色素
は例えばRD第17643 IV−A項(1978年12
月p.23)、同18431 X項(1978年8月
p.437)に記載もしくは引用された文献に記載され
ている。特に各種レーザーイメージャーやスキャナーの
光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を用
いるのが好ましく、例えば、特開平9−34078号、
同9−54409号、同9−80679号記載の化合物
が好ましく用いられる。
【0053】本発明の熱現像感光材料に用いられるハロ
ゲン化銀粒子、あるいは有機銀塩粒子を含有する乳剤
は、増感色素とともに、それ自身分光増感作用をもたな
い色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物質であっ
て、強色増感効果を発現する物質を乳剤中に含ませ、こ
れによりハロゲン化銀粒子が強色増感されていてもよ
い。有用な増感色素、強色増感を示す色素の組合せおよ
び強色増感を示す物質はRD第17643(1978年
12月発行)第23頁 IVのJ項、あるいは特公平9−
25500号、同43−4933号、特開昭59−19
032号、同59−192242号、特開平5−341
432号等に記載されているものを用いることができ
る。本発明においては、上記の強色増感剤の他に、特願
平12−070296号明細書に開示されている一般式
(1)で表される化合物と大環状化合物を強色増感剤と
して使用できる。
ゲン化銀粒子、あるいは有機銀塩粒子を含有する乳剤
は、増感色素とともに、それ自身分光増感作用をもたな
い色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物質であっ
て、強色増感効果を発現する物質を乳剤中に含ませ、こ
れによりハロゲン化銀粒子が強色増感されていてもよ
い。有用な増感色素、強色増感を示す色素の組合せおよ
び強色増感を示す物質はRD第17643(1978年
12月発行)第23頁 IVのJ項、あるいは特公平9−
25500号、同43−4933号、特開昭59−19
032号、同59−192242号、特開平5−341
432号等に記載されているものを用いることができ
る。本発明においては、上記の強色増感剤の他に、特願
平12−070296号明細書に開示されている一般式
(1)で表される化合物と大環状化合物を強色増感剤と
して使用できる。
【0054】本発明においては省銀化剤を用いる事が出
来る。ここでいう省銀化剤とは、一定の銀画像濃度を得
るために必要な銀量を低減化し得る化合物をいう。この
低減化する機能の作用機構は種々考えられるが、現像銀
の被覆力を向上させる機能を有する化合物が好ましい。
ここで、現像銀の被覆力とは、銀の単位量当たりの光学
濃度をいう。省銀化剤としては、ヒドラジン誘導体化合
物、ビニル化合物、4級オニウム化合物等が好ましい例
として挙げられる。
来る。ここでいう省銀化剤とは、一定の銀画像濃度を得
るために必要な銀量を低減化し得る化合物をいう。この
低減化する機能の作用機構は種々考えられるが、現像銀
の被覆力を向上させる機能を有する化合物が好ましい。
ここで、現像銀の被覆力とは、銀の単位量当たりの光学
濃度をいう。省銀化剤としては、ヒドラジン誘導体化合
物、ビニル化合物、4級オニウム化合物等が好ましい例
として挙げられる。
【0055】本発明においては、又、膜付きや、現像ム
ラのみならず、保存時のカブリ抑制や、現像後のプリン
トアウト銀の生成を抑制する効果のために、架橋剤を用
いることがある。本発明で用いられる架橋剤としては、
従来写真感光材料用として使用されている種々の架橋
剤、例えば、特開昭50−96216号に記載されてい
るアルデヒド系、エポキシ系、エチレンイミン系、ビニ
ルスルホン系、スルホン酸エステル系、アクリロイル
系、カルボジイミド系、シラン化合物系架橋剤を用いう
るが、好ましいのはイソシアネート系化合物、シラン化
合物、エポキシ化合物又は酸無水物である。
ラのみならず、保存時のカブリ抑制や、現像後のプリン
トアウト銀の生成を抑制する効果のために、架橋剤を用
いることがある。本発明で用いられる架橋剤としては、
従来写真感光材料用として使用されている種々の架橋
剤、例えば、特開昭50−96216号に記載されてい
るアルデヒド系、エポキシ系、エチレンイミン系、ビニ
ルスルホン系、スルホン酸エステル系、アクリロイル
系、カルボジイミド系、シラン化合物系架橋剤を用いう
るが、好ましいのはイソシアネート系化合物、シラン化
合物、エポキシ化合物又は酸無水物である。
【0056】本発明に用いられる好適な色調剤の例は、
RD第17029号、米国特許第4,123,282
号、同第3,994,732号、同第3,846,13
6号および同第4,021,249号明細書に開示され
ており、例えば、次のものがある。イミド類(例えば、
スクシンイミド、フタルイミド、ナフタルイミド、N−
ヒドロキシ−1,8−ナフタルイミド);メルカプタン
類(例えば、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾー
ル);フタラジノン誘導体又はこれらの誘導体の金属塩
(例えば、フタラジノン、4−(1−ナフチル)フタラ
ジノン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメチルオ
キシフタラジノン、及び2,3−ジヒドロ−1,4−フ
タラジンジオン);フタラジンとフタル酸類(例えば、
フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸及
びテトラクロロフタル酸)の組み合わせ;フタラジンと
マレイン酸無水物、及びフタル酸、2,3−ナフタレン
ジカルボン酸又はo−フェニレン酸誘導体及びその無水
物(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニト
ロフタル酸及びテトラクロロフタル酸無水物)から選択
される少なくとも1つの化合物との組み合わせ等が挙げ
られる。特に好ましい色調剤としてはフタラジノン又は
フタラジンとフタル酸類、フタル酸無水物類の組み合わ
せである。
RD第17029号、米国特許第4,123,282
号、同第3,994,732号、同第3,846,13
6号および同第4,021,249号明細書に開示され
ており、例えば、次のものがある。イミド類(例えば、
スクシンイミド、フタルイミド、ナフタルイミド、N−
ヒドロキシ−1,8−ナフタルイミド);メルカプタン
類(例えば、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾー
ル);フタラジノン誘導体又はこれらの誘導体の金属塩
(例えば、フタラジノン、4−(1−ナフチル)フタラ
ジノン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメチルオ
キシフタラジノン、及び2,3−ジヒドロ−1,4−フ
タラジンジオン);フタラジンとフタル酸類(例えば、
フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸及
びテトラクロロフタル酸)の組み合わせ;フタラジンと
マレイン酸無水物、及びフタル酸、2,3−ナフタレン
ジカルボン酸又はo−フェニレン酸誘導体及びその無水
物(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニト
ロフタル酸及びテトラクロロフタル酸無水物)から選択
される少なくとも1つの化合物との組み合わせ等が挙げ
られる。特に好ましい色調剤としてはフタラジノン又は
フタラジンとフタル酸類、フタル酸無水物類の組み合わ
せである。
【0057】本発明においては、感光材料の表面層(感
光層側、又支持体をはさみ感光層の反対側に非感光層を
設けた場合にも)に、現像前の取り扱いや熱現像後の画
像の傷つき防止のためマット剤を含有することが好まし
く、バインダーに対し、質量比で0.1〜30%含有す
ることが好ましい。本発明において用いられるマット剤
の材質は、有機物及び無機物のいずれでもよい。例え
ば、無機物としては、スイス特許第330,158号等
に記載のシリカ、仏国特許第1,296,995号等に
記載のガラス粉、英国特許第1,173,181号等に
記載のアルカリ土類金属又はカドミウム、亜鉛等の炭酸
塩等をマット剤として用いることができる。有機物とし
ては、米国特許第2,322,037号等に記載の澱
粉、ベルギー特許第625,451号や英国特許第98
1,198号等に記載された澱粉誘導体、特公昭44−
3643号等に記載のポリビニルアルコール、スイス特
許第330,158号等に記載のポリスチレン或いはポ
リメタアクリレート、米国特許第3,079,257号
等に記載のポリアクリロニトリル、米国特許第3,02
2,169号等に記載されたポリカーボネートの様な有
機マット剤を用いることができる。
光層側、又支持体をはさみ感光層の反対側に非感光層を
設けた場合にも)に、現像前の取り扱いや熱現像後の画
像の傷つき防止のためマット剤を含有することが好まし
く、バインダーに対し、質量比で0.1〜30%含有す
ることが好ましい。本発明において用いられるマット剤
の材質は、有機物及び無機物のいずれでもよい。例え
ば、無機物としては、スイス特許第330,158号等
に記載のシリカ、仏国特許第1,296,995号等に
記載のガラス粉、英国特許第1,173,181号等に
記載のアルカリ土類金属又はカドミウム、亜鉛等の炭酸
塩等をマット剤として用いることができる。有機物とし
ては、米国特許第2,322,037号等に記載の澱
粉、ベルギー特許第625,451号や英国特許第98
1,198号等に記載された澱粉誘導体、特公昭44−
3643号等に記載のポリビニルアルコール、スイス特
許第330,158号等に記載のポリスチレン或いはポ
リメタアクリレート、米国特許第3,079,257号
等に記載のポリアクリロニトリル、米国特許第3,02
2,169号等に記載されたポリカーボネートの様な有
機マット剤を用いることができる。
【0058】本発明においては帯電性を改良するため
に、金属酸化物および/または導電性ポリマーなどの導
電性化合物を構成層中に含ませることができる。これら
はいずれの層に含有させてもよいが、好ましくは下引
層,バッキング層、感光性層と下引の間の層などに含ま
れる。本発明においては米国特許第5,244,773
号カラム14〜20に記載された導電性化合物が好まし
く用いられる。
に、金属酸化物および/または導電性ポリマーなどの導
電性化合物を構成層中に含ませることができる。これら
はいずれの層に含有させてもよいが、好ましくは下引
層,バッキング層、感光性層と下引の間の層などに含ま
れる。本発明においては米国特許第5,244,773
号カラム14〜20に記載された導電性化合物が好まし
く用いられる。
【0059】本発明の熱現像感光材料は、支持体上に少
なくとも1層の感光層を有している。支持体の上に感光
層のみを形成してもよいが、感光層の上に少なくとも一
層の非感光層を形成するのが好ましい。例えば感光層の
上には保護層が、感光層を保護する目的で、又支持体の
反対の面には感光材料間の、或いは感光材料ロールにお
いてくっつきを防止する為に、バックコート層が設けら
れるのが好ましい。
なくとも1層の感光層を有している。支持体の上に感光
層のみを形成してもよいが、感光層の上に少なくとも一
層の非感光層を形成するのが好ましい。例えば感光層の
上には保護層が、感光層を保護する目的で、又支持体の
反対の面には感光材料間の、或いは感光材料ロールにお
いてくっつきを防止する為に、バックコート層が設けら
れるのが好ましい。
【0060】本発明の熱現像感光材料においては、感光
層を透過する光の量または波長分布を制御するために感
光層と同じ側または反対の側にフィルター層を形成する
か、感光層に染料又は顔料を含有させることが好まし
い。
層を透過する光の量または波長分布を制御するために感
光層と同じ側または反対の側にフィルター層を形成する
か、感光層に染料又は顔料を含有させることが好まし
い。
【0061】本発明の熱現像感光材料に用いられる支持
体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リカーボネート、ポリエチレン、ポリビニルアセター
ル、セルロースエステル、セルローストリアセテート、
ニトロセルロース、ポリエチレンナフタレート等のプラ
スチックフイルム、ガラス、紙、アルミニウム板等の金
属板などが用いられる。
体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リカーボネート、ポリエチレン、ポリビニルアセター
ル、セルロースエステル、セルローストリアセテート、
ニトロセルロース、ポリエチレンナフタレート等のプラ
スチックフイルム、ガラス、紙、アルミニウム板等の金
属板などが用いられる。
【0062】本発明においては、感光材料の感色性に応
じて種々の波長領域の光を吸収する公知の化合物が使用
できる。例えば、本発明に係る光熱写真材料を赤外光に
よる画像記録材料とする場合には、特願平11−255
557号明細書に開示されているようなチオピリリウム
核を有するスクアリリウム染料(チオピリリウムスクア
リリウム染料)及びピリリウム核を有するスクアリリウ
ム染料(ピリリウムスクアリリウム染料)、又スクアリ
リウム染料に類似したチオピリリウムクロコニウム染
料、又はピリリウムクロコニウム染料を使用することが
好ましい。
じて種々の波長領域の光を吸収する公知の化合物が使用
できる。例えば、本発明に係る光熱写真材料を赤外光に
よる画像記録材料とする場合には、特願平11−255
557号明細書に開示されているようなチオピリリウム
核を有するスクアリリウム染料(チオピリリウムスクア
リリウム染料)及びピリリウム核を有するスクアリリウ
ム染料(ピリリウムスクアリリウム染料)、又スクアリ
リウム染料に類似したチオピリリウムクロコニウム染
料、又はピリリウムクロコニウム染料を使用することが
好ましい。
【0063】本発明の熱現像感光材料は、上述した各構
成層の素材を溶媒に溶解又は分散させた塗布液を作り、
それら塗布液を複数同時に重層塗布した後、乾燥処理を
行って形成されることが好ましい。ここで「複数同時に
重層塗布」とは、各構成層(例えば感光層、保護層)の
塗布液を作製し、これを支持体へ塗布する際に各層個別
に塗布、乾燥の繰り返しをするのではなく、同時に重層
塗布を行い、乾燥する工程も同時に行える状態で各構成
層を形成しうることを意味する。即ち、下層中の全溶剤
の残存量が70質量%以下となる前に、上層を設けるこ
とである。各構成層を複数同時に重層塗布する方法には
特に制限はなく、例えばバーコーター法、カーテンコー
ト法、浸漬法、エアーナイフ法、ホッパー塗布法、エク
ストリュージョン塗布法などの公知の方法を用いること
ができる。これらのうちより好ましくはエクストリュー
ジョン塗布法と呼ばれる前計量タイプの塗布方式であ
る。該エクストリュージョン塗布法はスライド塗布方式
のようにスライド面での揮発がないため、精密塗布、有
機溶剤塗布に適している。この塗布方法は感光層を有す
る側について述べたが、バックコート層を設ける際、下
引きとともに塗布する場合についても同様である。
成層の素材を溶媒に溶解又は分散させた塗布液を作り、
それら塗布液を複数同時に重層塗布した後、乾燥処理を
行って形成されることが好ましい。ここで「複数同時に
重層塗布」とは、各構成層(例えば感光層、保護層)の
塗布液を作製し、これを支持体へ塗布する際に各層個別
に塗布、乾燥の繰り返しをするのではなく、同時に重層
塗布を行い、乾燥する工程も同時に行える状態で各構成
層を形成しうることを意味する。即ち、下層中の全溶剤
の残存量が70質量%以下となる前に、上層を設けるこ
とである。各構成層を複数同時に重層塗布する方法には
特に制限はなく、例えばバーコーター法、カーテンコー
ト法、浸漬法、エアーナイフ法、ホッパー塗布法、エク
ストリュージョン塗布法などの公知の方法を用いること
ができる。これらのうちより好ましくはエクストリュー
ジョン塗布法と呼ばれる前計量タイプの塗布方式であ
る。該エクストリュージョン塗布法はスライド塗布方式
のようにスライド面での揮発がないため、精密塗布、有
機溶剤塗布に適している。この塗布方法は感光層を有す
る側について述べたが、バックコート層を設ける際、下
引きとともに塗布する場合についても同様である。
【0064】本発明において、現像条件は使用する機
器、装置、或いは手段に依存して変化するが、高温に於
いて像様に露光した情報記録用フィルムを加熱現像する
ことにより、情報定着せしめることが特徴である。露光
後に得られた潜像は、中程度の高温(例えば、約80〜
200℃、好ましくは約100〜200℃)で十分な時
間(一般には約1秒〜約2分間)、熱現像感光材料を加
熱することにより現像することができる。加熱温度が8
0℃以下では短時間に十分な画像濃度が得られず、又2
00℃以上ではバインダーが溶融し、ローラーへの転写
など、画像そのものだけでなく搬送性や、現像機等へも
悪影響を及ぼす。加熱することで有機銀塩(酸化剤とし
て機能する)と還元剤との間の酸化還元反応により銀画
像を生成する。この反応過程は、外部からの水等の処理
液の一切の供給なしに進行する。
器、装置、或いは手段に依存して変化するが、高温に於
いて像様に露光した情報記録用フィルムを加熱現像する
ことにより、情報定着せしめることが特徴である。露光
後に得られた潜像は、中程度の高温(例えば、約80〜
200℃、好ましくは約100〜200℃)で十分な時
間(一般には約1秒〜約2分間)、熱現像感光材料を加
熱することにより現像することができる。加熱温度が8
0℃以下では短時間に十分な画像濃度が得られず、又2
00℃以上ではバインダーが溶融し、ローラーへの転写
など、画像そのものだけでなく搬送性や、現像機等へも
悪影響を及ぼす。加熱することで有機銀塩(酸化剤とし
て機能する)と還元剤との間の酸化還元反応により銀画
像を生成する。この反応過程は、外部からの水等の処理
液の一切の供給なしに進行する。
【0065】本発明の支持体を用いた熱現像感光材料の
露光は、該感光材料に付与した感色性に対し適切な光源
を用いることが望ましい。例えば、該感光材料を赤外光
に感じ得るものとした場合は、赤外光域ならば如何なる
光源にも適用可能であるが、レーザーパワーがハイパワ
ーである事や、感光材料を透明にできる等の点から、赤
外半導体レーザー(780nm、820nm)がより好
ましく用いられる。
露光は、該感光材料に付与した感色性に対し適切な光源
を用いることが望ましい。例えば、該感光材料を赤外光
に感じ得るものとした場合は、赤外光域ならば如何なる
光源にも適用可能であるが、レーザーパワーがハイパワ
ーである事や、感光材料を透明にできる等の点から、赤
外半導体レーザー(780nm、820nm)がより好
ましく用いられる。
【0066】本発明において、露光はレーザー走査露光
により行うことが好ましいが、その露光方法には種々の
方法が採用できる。例えば、第1の好ましい方法とし
て、感光材料の露光面と走査レーザー光のなす角が実質
的に垂直になることがないレーザー走査露光機を用いる
方法が挙げられる。
により行うことが好ましいが、その露光方法には種々の
方法が採用できる。例えば、第1の好ましい方法とし
て、感光材料の露光面と走査レーザー光のなす角が実質
的に垂直になることがないレーザー走査露光機を用いる
方法が挙げられる。
【0067】ここで、「実質的に垂直になることがな
い」とはレーザー走査中に最も垂直に近い角度として好
ましくは55度以上88度以下、より好ましくは60度
以上86度以下、更に好ましくは65度以上84度以
下、最も好ましくは70度以上82度以下であることを
いう。
い」とはレーザー走査中に最も垂直に近い角度として好
ましくは55度以上88度以下、より好ましくは60度
以上86度以下、更に好ましくは65度以上84度以
下、最も好ましくは70度以上82度以下であることを
いう。
【0068】また、第2の方法として、本発明における
露光は縦マルチである走査レーザー光を発するレーザー
走査露光機を用いて行うことも好ましい。縦単一モード
の走査レーザー光に比べて干渉縞様のムラの発生等の画
質劣化が減少する。
露光は縦マルチである走査レーザー光を発するレーザー
走査露光機を用いて行うことも好ましい。縦単一モード
の走査レーザー光に比べて干渉縞様のムラの発生等の画
質劣化が減少する。
【0069】更に、第3の態様としては、2本以上のレ
ーザを用いて、走査露光により画像を形成することも好
ましい。
ーザを用いて、走査露光により画像を形成することも好
ましい。
【0070】このような複数本のレーザを利用した画像
記録方法としては、高解像度化、高速化の要求から1回
の走査で複数ラインずつ画像を書き込むレーザプリンタ
やデジタル複写機の画像書込み手段で使用されている技
術であり、例えば特開昭60−166916号公報等に
より知られている。これは、光源ユニットから放射され
たレーザ光をポリゴンミラーで偏向走査し、fθレンズ
等を介して感光体上に結像する方法であり、これはレー
ザイメージャなどと原理的に同じレーザ走査光学装置で
ある。なお、上述した各画像記録方法において、走査露
光に用いるレーザとしては、一般によく知られている、
ルビーレーザ、YAGレーザ、ガラスレーザ等の固体レ
ーザ;He−Neレーザ、Arイオンレーザ、Krイオ
ンレーザ、CO2レーザ、COレーザ、He−Cdレー
ザ、N2レーザ、エキシマーレーザ等の気体レーザ;I
nGaPレーザ、AlGaAsレーザ、GaAsPレー
ザ、InGaAsレーザ、InAsPレーザ、CdSn
P2レーザ、GaSbレーザ等の半導体レーザ;化学レ
ーザ、色素レーザ等を用途に併せて適時選択して使用で
きるが、これらの中でもメンテナンスや光源の大きさの
問題から、波長が600〜1200nmの半導体レーザ
を用いるのが好ましい。なお、レーザ・イメージャやレ
ーザ・イメージセッタで使用されるレーザにおいて、熱
現像感光材料を走査するときの該材料露光面でのビーム
スポット径は、一般に短軸径として5〜75μm、長軸
径として5〜100μmの範囲であり、レーザ光走査速
度は熱現像感光材料固有のレーザ発振波長における感度
とレーザパワーによって、感光材料毎に最適な値に設定
することができる。
記録方法としては、高解像度化、高速化の要求から1回
の走査で複数ラインずつ画像を書き込むレーザプリンタ
やデジタル複写機の画像書込み手段で使用されている技
術であり、例えば特開昭60−166916号公報等に
より知られている。これは、光源ユニットから放射され
たレーザ光をポリゴンミラーで偏向走査し、fθレンズ
等を介して感光体上に結像する方法であり、これはレー
ザイメージャなどと原理的に同じレーザ走査光学装置で
ある。なお、上述した各画像記録方法において、走査露
光に用いるレーザとしては、一般によく知られている、
ルビーレーザ、YAGレーザ、ガラスレーザ等の固体レ
ーザ;He−Neレーザ、Arイオンレーザ、Krイオ
ンレーザ、CO2レーザ、COレーザ、He−Cdレー
ザ、N2レーザ、エキシマーレーザ等の気体レーザ;I
nGaPレーザ、AlGaAsレーザ、GaAsPレー
ザ、InGaAsレーザ、InAsPレーザ、CdSn
P2レーザ、GaSbレーザ等の半導体レーザ;化学レ
ーザ、色素レーザ等を用途に併せて適時選択して使用で
きるが、これらの中でもメンテナンスや光源の大きさの
問題から、波長が600〜1200nmの半導体レーザ
を用いるのが好ましい。なお、レーザ・イメージャやレ
ーザ・イメージセッタで使用されるレーザにおいて、熱
現像感光材料を走査するときの該材料露光面でのビーム
スポット径は、一般に短軸径として5〜75μm、長軸
径として5〜100μmの範囲であり、レーザ光走査速
度は熱現像感光材料固有のレーザ発振波長における感度
とレーザパワーによって、感光材料毎に最適な値に設定
することができる。
【0071】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明は、下記実施例のみに限定されるも
のではない。
説明するが、本発明は、下記実施例のみに限定されるも
のではない。
【0072】実施例 以下の製造例1〜12に従ってバインダー樹脂を調製し
た。
た。
【0073】製造例1〈変性ポリビニルアセタール樹脂
B−1〉 トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチル
プロピル)アンモニウムクロライドと酢酸ビニルの共重
合体をケン化して、トリメチル−(3−アクリルアミド
−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド
単位を10モル%含有し、酢酸ビニル単位のケン化度が
99.8モル%、4%水溶液の20℃における粘度(ブ
ルックフィールド型粘度計による。以下同様)が20c
pの変性ポリビニルアルコール(PVA)を得た。この
変性PVAの重合度は約700であった。
B−1〉 トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチル
プロピル)アンモニウムクロライドと酢酸ビニルの共重
合体をケン化して、トリメチル−(3−アクリルアミド
−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド
単位を10モル%含有し、酢酸ビニル単位のケン化度が
99.8モル%、4%水溶液の20℃における粘度(ブ
ルックフィールド型粘度計による。以下同様)が20c
pの変性ポリビニルアルコール(PVA)を得た。この
変性PVAの重合度は約700であった。
【0074】上記変性PVA100gを700gの蒸留
水に加温溶解した後、20℃に保ち、これに35%塩酸
29gを加え、更にブチルアルデヒド14gを添加し
た。次に、12℃まで冷却し、ブチルアルデヒド64g
を加えた。樹脂が析出した後、30分間保持し、その
後、塩酸108gを加え30℃に昇温して10時間保っ
た。反応終了後、蒸留水にて洗浄し、水洗後のポリビニ
ルブチラール樹脂分散溶液に水酸化ナトリウムを添加し
溶液のpHを7に調整した。溶液を50℃で10時間保
持した後冷却した。このとき溶液のpHは6.7であっ
た。
水に加温溶解した後、20℃に保ち、これに35%塩酸
29gを加え、更にブチルアルデヒド14gを添加し
た。次に、12℃まで冷却し、ブチルアルデヒド64g
を加えた。樹脂が析出した後、30分間保持し、その
後、塩酸108gを加え30℃に昇温して10時間保っ
た。反応終了後、蒸留水にて洗浄し、水洗後のポリビニ
ルブチラール樹脂分散溶液に水酸化ナトリウムを添加し
溶液のpHを7に調整した。溶液を50℃で10時間保
持した後冷却した。このとき溶液のpHは6.7であっ
た。
【0075】次に、固形分に対し100倍量の蒸留水に
より樹脂溶液を水洗した後、更に、樹脂溶液を50℃で
5時間保持した後10倍量の蒸留水で水洗し、脱水した
後に乾燥した。このようにして得られた変性ポリビニル
ブチラール樹脂の残存水酸基量は21モル%、残存アセ
チル基量は1.7モル%であった。また、残存塩素化物
量は50ppm、残存アルカリ性物質量は0.002質
量%であった。この樹脂をB−1とする。
より樹脂溶液を水洗した後、更に、樹脂溶液を50℃で
5時間保持した後10倍量の蒸留水で水洗し、脱水した
後に乾燥した。このようにして得られた変性ポリビニル
ブチラール樹脂の残存水酸基量は21モル%、残存アセ
チル基量は1.7モル%であった。また、残存塩素化物
量は50ppm、残存アルカリ性物質量は0.002質
量%であった。この樹脂をB−1とする。
【0076】上記塩素化物の残存量の測定は、下記の方
法により行った。前処理(パイロハイドロリシス法):
ポリビニルブチラール樹脂試料約0.3gを磁性ボート
に秤り取り、1250℃に加熱した管状電気炉内の石英
管に徐々に挿入し、水蒸気を通過した酸素ガス(0.5
L/分)を挿入して加熱した。発生したガスを吸収液
(2.25mM Na2CO3/2.8mM NaHCO
3)に吸収させる(約30分)。吸収液を100mlの
定溶とし、イオンクロマトグラフ(DONEX社製DX
−500)で測定した。空試験は、磁性ボートのみを用
いて同様に操作した。
法により行った。前処理(パイロハイドロリシス法):
ポリビニルブチラール樹脂試料約0.3gを磁性ボート
に秤り取り、1250℃に加熱した管状電気炉内の石英
管に徐々に挿入し、水蒸気を通過した酸素ガス(0.5
L/分)を挿入して加熱した。発生したガスを吸収液
(2.25mM Na2CO3/2.8mM NaHCO
3)に吸収させる(約30分)。吸収液を100mlの
定溶とし、イオンクロマトグラフ(DONEX社製DX
−500)で測定した。空試験は、磁性ボートのみを用
いて同様に操作した。
【0077】上記残存アルカリ性物質量の測定は、中和
滴定法により行った。試料として、ポリビニルブチラー
ル樹脂1gを、共通すり合わせ三角フラスコに1mgの
桁まで正確に秤り取り、エタノール30mlを加えて溶
解した。溶解後の溶液にフェノールフタレイン溶液3滴
を加え、溶液に0.02モル/Lの塩酸溶液で微紅色が
消失するまで滴定した。試料に加えた塩酸の量と等量と
なる水酸化カリウムの量を樹脂質量に対して算出し、残
存アルカリ性物質量とした。
滴定法により行った。試料として、ポリビニルブチラー
ル樹脂1gを、共通すり合わせ三角フラスコに1mgの
桁まで正確に秤り取り、エタノール30mlを加えて溶
解した。溶解後の溶液にフェノールフタレイン溶液3滴
を加え、溶液に0.02モル/Lの塩酸溶液で微紅色が
消失するまで滴定した。試料に加えた塩酸の量と等量と
なる水酸化カリウムの量を樹脂質量に対して算出し、残
存アルカリ性物質量とした。
【0078】製造例2〈変性ポリビニルアセタール樹脂
B−2〉 樹脂B−1で用いた変性PVAに代えて、N−(1,1
−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルア
ミド単位を10モル%含有し、ケン化度が99.6モル
%、粘度が18cpの変性PVAを用いる以外は実施例
1と同様にして変性ポリビニルブチラール樹脂B−2を
得た。
B−2〉 樹脂B−1で用いた変性PVAに代えて、N−(1,1
−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルア
ミド単位を10モル%含有し、ケン化度が99.6モル
%、粘度が18cpの変性PVAを用いる以外は実施例
1と同様にして変性ポリビニルブチラール樹脂B−2を
得た。
【0079】製造例3〈変性ポリビニルアセタール樹脂
B−3〉 トリメチル−(3−メタクリルアミドプロピル)アンモ
ニウムクロライド単位を10モル%含有し、ケン化度が
99.8モル%、粘度が19cpの変性PVAを用いる
以外は樹脂B−1と同様にして得られた変性ポリビニル
ブチラール樹脂をB−3とする。
B−3〉 トリメチル−(3−メタクリルアミドプロピル)アンモ
ニウムクロライド単位を10モル%含有し、ケン化度が
99.8モル%、粘度が19cpの変性PVAを用いる
以外は樹脂B−1と同様にして得られた変性ポリビニル
ブチラール樹脂をB−3とする。
【0080】製造例4〈変性ポリビニルアセタール樹脂
B−4〉 1−ビニル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムクロラ
イド単位を10モル%含有し、ケン化度が99.8モル
%、粘度が20cPの変性PVAを用いる以外は樹脂B
−1と同様にして変性ポリビニルブチラール樹脂をB−
4を得た。
B−4〉 1−ビニル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムクロラ
イド単位を10モル%含有し、ケン化度が99.8モル
%、粘度が20cPの変性PVAを用いる以外は樹脂B
−1と同様にして変性ポリビニルブチラール樹脂をB−
4を得た。
【0081】製造例5〈変性ポリビニルアセタール樹脂
B−5〉 1−ビニル−2−メチルイミダゾール単位を10モル%
含有し、ケン化度が99.6モル%、粘度が17cpの
変性PVAを用いる以外は樹脂B−1と同様にして得ら
れた変性ポリビニルブチラール樹脂をB−5とする。
B−5〉 1−ビニル−2−メチルイミダゾール単位を10モル%
含有し、ケン化度が99.6モル%、粘度が17cpの
変性PVAを用いる以外は樹脂B−1と同様にして得ら
れた変性ポリビニルブチラール樹脂をB−5とする。
【0082】製造例6〈変性ポリビニルアセタール樹脂
B−6〉 トリメチル−(ビニロキシルエチル)アンモニウムクロ
ライド単位を10モル%含有し、ケン化度が99.6モ
ル%、粘度が18cpの変性PVAを用いる以外は樹脂
B−1と同様にして得られた変性ポリビニルブチラール
樹脂をB−6とする。
B−6〉 トリメチル−(ビニロキシルエチル)アンモニウムクロ
ライド単位を10モル%含有し、ケン化度が99.6モ
ル%、粘度が18cpの変性PVAを用いる以外は樹脂
B−1と同様にして得られた変性ポリビニルブチラール
樹脂をB−6とする。
【0083】製造例7〈変性ポリビニルアセタール樹脂
B−7〉 N−ビニルアセトアミドと酢酸ビニルの共重合体をケン
化し、更に苛性ソーダでアミド基を分解して得たビニル
アミン単位を10モル%含有し、ケン化度が99.8モ
ル%、粘度が20cpの変性PVAを用いる以外は樹脂
B−1と同様にして変性ポリビニルブチラール樹脂B−
7を得た。
B−7〉 N−ビニルアセトアミドと酢酸ビニルの共重合体をケン
化し、更に苛性ソーダでアミド基を分解して得たビニル
アミン単位を10モル%含有し、ケン化度が99.8モ
ル%、粘度が20cpの変性PVAを用いる以外は樹脂
B−1と同様にして変性ポリビニルブチラール樹脂B−
7を得た。
【0084】製造例8〈変性ポリビニルアセタール樹脂
B−8〉 N−ビニル−N−メチルホルムアミドと酢酸ビニルの共
重合体をケン化し、更に苛性ソーダでアミド基を分解し
て得たN−メチルビニルアミン単位を10モル%含有
し、ケン化度が99.8モル%、粘度が20cPの変性
PVAを用いて樹脂B−1と同様にして得られた変性ポ
リビニルブチラール樹脂をB−8とする。
B−8〉 N−ビニル−N−メチルホルムアミドと酢酸ビニルの共
重合体をケン化し、更に苛性ソーダでアミド基を分解し
て得たN−メチルビニルアミン単位を10モル%含有
し、ケン化度が99.8モル%、粘度が20cPの変性
PVAを用いて樹脂B−1と同様にして得られた変性ポ
リビニルブチラール樹脂をB−8とする。
【0085】製造例9〈変性ポリビニルアセタール樹脂
B−9〉 トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチル
プロピル)アンモニウムクロライド単位を7モル%含有
し、ケン化度が99.8モル%、粘度が18cpの変性
PVAを用いる以外は樹脂B−1と同様にして変性ポリ
ビニルブチラール樹脂B−9を得た。
B−9〉 トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチル
プロピル)アンモニウムクロライド単位を7モル%含有
し、ケン化度が99.8モル%、粘度が18cpの変性
PVAを用いる以外は樹脂B−1と同様にして変性ポリ
ビニルブチラール樹脂B−9を得た。
【0086】製造例10〈変性ポリビニルアセタール樹
脂B−10〉 トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチル
プロピル)アンモニウムクロライド単位を18モル%含
有し、ケン化度が99.8モル%、粘度が21cpの変
性PVAを用いる以外は樹脂B−1と同様にして変性ポ
リビニルブチラール樹脂B−10を得た。
脂B−10〉 トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチル
プロピル)アンモニウムクロライド単位を18モル%含
有し、ケン化度が99.8モル%、粘度が21cpの変
性PVAを用いる以外は樹脂B−1と同様にして変性ポ
リビニルブチラール樹脂B−10を得た。
【0087】製造例11〈比較ポリビニルアセタール樹
脂PVB1〉 樹脂B−1で使用した変性PVAに代えて、ケン化度9
9.6モル%、粘度18cpのPVAを用いる以外樹脂
B−1と同様にしてポリビニルブチラール樹脂を得た。
得られたポリビニルブチラール樹脂をPVB1とする。
脂PVB1〉 樹脂B−1で使用した変性PVAに代えて、ケン化度9
9.6モル%、粘度18cpのPVAを用いる以外樹脂
B−1と同様にしてポリビニルブチラール樹脂を得た。
得られたポリビニルブチラール樹脂をPVB1とする。
【0088】製造例12〈比較ポリビニルアセタール樹
脂PVB2〉 樹脂B−1で使用した変性PVAに代えて、トリメチル
−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)
アンモニウムクロライド単位を25モル%含有し、ケン
化度が99.8モル%、粘度が18cpの変性PVAを
用いる以外、樹脂B−1と同様にして変性ポリビニルブ
チラール樹脂を得た。得られた変性ポリビニルブチラー
ル樹脂をPVB2とする。
脂PVB2〉 樹脂B−1で使用した変性PVAに代えて、トリメチル
−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)
アンモニウムクロライド単位を25モル%含有し、ケン
化度が99.8モル%、粘度が18cpの変性PVAを
用いる以外、樹脂B−1と同様にして変性ポリビニルブ
チラール樹脂を得た。得られた変性ポリビニルブチラー
ル樹脂をPVB2とする。
【0089】〈熱現像用ハロゲン化銀写真感光材料の作
製〉厚さ175μmで青色濃度0.175に着色され
た、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム上に
12W/m2・分の出力となるようにコロナ放電を施し
た後、下記下引塗布液1を乾燥膜厚が9μmとなるよう
に塗布した後、140℃(露点温度:12℃)の乾燥風
で10秒間かけて乾燥させ、下引層1を形成した。
製〉厚さ175μmで青色濃度0.175に着色され
た、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム上に
12W/m2・分の出力となるようにコロナ放電を施し
た後、下記下引塗布液1を乾燥膜厚が9μmとなるよう
に塗布した後、140℃(露点温度:12℃)の乾燥風
で10秒間かけて乾燥させ、下引層1を形成した。
【0090】 (下引塗布液1) 純水 911ml 化合物−1の30%水溶液 73.0ml トラックスH−45 5.78ml (日本油脂(株)製アニオン界面活性剤:固形分2%に調整) アンモニア水(有効成分0.5%) 9.9ml 硬膜剤(C−6:有効成分20%) 2.02ml 次いで、上記下引層1に7W/m2・分の出力となるよ
うにコロナ放電を施した後、その上に下記下引塗布液2
を、乾燥膜厚が9μmとなるよう塗布した後、140℃
(露点温度:12℃)の乾燥風で10秒間掛けて乾燥さ
せて下引層2を形成し、次いで、123℃の乾燥ゾーン
を2分間かけて搬送して、絶縁体粒子を含有する下引層
2を設けた。
うにコロナ放電を施した後、その上に下記下引塗布液2
を、乾燥膜厚が9μmとなるよう塗布した後、140℃
(露点温度:12℃)の乾燥風で10秒間掛けて乾燥さ
せて下引層2を形成し、次いで、123℃の乾燥ゾーン
を2分間かけて搬送して、絶縁体粒子を含有する下引層
2を設けた。
【0091】
【化6】
【0092】 (下引塗布液2) 純水 905ml 化合物−2の30%水溶液 59.29ml トラックスH−45 5.78ml (日本油脂(株)製アニオン界面活性剤:固形分2%に調整) 絶縁体粒子:サイリシア350(富士シリシア化学製)を超音波分散した溶液 (固形分濃度1%) 33.56ml
【0093】
【化7】
【0094】上記下引塗布液2は、下記の条件にて超音
波分散を行った後、塗布に使用した。
波分散を行った後、塗布に使用した。
【0095】分散条件:周波数=25kHz、出力=1
00W、振動子外形寸法=64φ×300mm、分散時
間=20分 次いで、上記下引層2とは、プラスチックフィルムを挟
んで反対側に、バック層面側の下引加工を、上記と同様
の方法で行った。
00W、振動子外形寸法=64φ×300mm、分散時
間=20分 次いで、上記下引層2とは、プラスチックフィルムを挟
んで反対側に、バック層面側の下引加工を、上記と同様
の方法で行った。
【0096】《熱現像感光材料の作製》上記作製したプ
ラスチックフィルムの試料を用いて、以下に示す方法で
調製した各構成層を順次塗布した。
ラスチックフィルムの試料を用いて、以下に示す方法で
調製した各構成層を順次塗布した。
【0097】(バック面側の塗布)メチルエチルケトン
(MEK)830gを攪拌しながら、セルロースアセテ
ートブチレート(EastmanChemical社、
CAB381−20)84.2gおよびポリエステル樹
脂(Bostic社、VitelPE2200B)4.
5gを添加し溶解した。次に、溶解した液に0.30g
の赤外染料−1を添加し、さらにメタノール43.2g
に溶解したF系活性剤(旭硝子社、サーフロンKH4
0)4.5gとF系活性剤(大日本インク社、メガファ
ッグF120K)2.3gを添加して溶解するまで十分
に攪拌を行った。最後に、メチルエチルケトンに1質量
%の濃度でディゾルバ型ホモジナイザにて分散したシリ
カ(W.R.Grace社、シロイド64X6000)
を75g添加し攪拌してバック面側の塗布液を調製し
た。
(MEK)830gを攪拌しながら、セルロースアセテ
ートブチレート(EastmanChemical社、
CAB381−20)84.2gおよびポリエステル樹
脂(Bostic社、VitelPE2200B)4.
5gを添加し溶解した。次に、溶解した液に0.30g
の赤外染料−1を添加し、さらにメタノール43.2g
に溶解したF系活性剤(旭硝子社、サーフロンKH4
0)4.5gとF系活性剤(大日本インク社、メガファ
ッグF120K)2.3gを添加して溶解するまで十分
に攪拌を行った。最後に、メチルエチルケトンに1質量
%の濃度でディゾルバ型ホモジナイザにて分散したシリ
カ(W.R.Grace社、シロイド64X6000)
を75g添加し攪拌してバック面側の塗布液を調製し
た。
【0098】
【化8】
【0099】このように調製したバック面塗布液を、前
記作製した各プラスチックフィルムの下引層2上に、乾
燥膜厚が3.5μmになるように押し出しコーターにて
塗布、乾燥を行った。乾燥温度100℃、露点温度10
℃の乾燥風を用いて5分間かけて乾燥した。
記作製した各プラスチックフィルムの下引層2上に、乾
燥膜厚が3.5μmになるように押し出しコーターにて
塗布、乾燥を行った。乾燥温度100℃、露点温度10
℃の乾燥風を用いて5分間かけて乾燥した。
【0100】 (感光層面側の塗布) 〔感光性ハロゲン化銀乳剤Aの調製〕 〈溶液A1〉 フェニルカルバモイル化ゼラチン 88.3g 化合物(A)(10%メタノール水溶液) 10ml 臭化カリウム 0.32g 水で5429mlに仕上げる 〈溶液B1〉 0.67mol/L硝酸銀水溶液 2635ml 〈溶液C1〉 臭化カリウム 51.55g 沃化カリウム 1.47g 水で660mlに仕上げる 〈溶液D1〉 臭化カリウム 154.9g 沃化カリウム 4.41g 塩化イリジウム(1%溶液) 0.93ml 水で1982mlに仕上げる 〈溶液E1〉 0.4mol/L臭化カリウム水溶液 下記銀電位制御量 〈溶液F1〉 水酸化カリウム 0.71g 水で20mlに仕上げる 〈溶液G1〉 56%酢酸水溶液 18.0ml 〈溶液H1〉 無水炭酸ナトリウム 1.72g 水で151mlに仕上げる 化合物(A): HO(CH2CH2O)n−(CH(CH3)CH2O)17−(CH2CH2O)mH (m+n=5〜7) 特公昭58−58288号に示される混合攪拌機を用い
て溶液A1に溶液B1の1/4量及び溶液C1の全量を
温度45℃、pAg8.09に制御しながら、同時混合
法により4分45秒を要して添加し、核形成を行った。
1分後、溶液F1の全量を添加した。この間pAgの調
整を溶液E1を用いて適宜行った。6分間経過後、溶液
B1の3/4量及び溶液D1の全量を、温度45℃、p
Ag8.09に制御しながら、同時混合法により14分
15秒かけて添加した。5分間攪拌した後、40℃に降
温し、溶液G1を全量添加し、ハロゲン化銀乳剤を沈降
させた。沈降部分2000mlを残して上澄み液を取り
除き、水を10リットル加え、攪拌後、再度ハロゲン化
銀乳剤を沈降させた。沈降部分1500mlを残し、上
澄み液を取り除き、更に水を10リットル加え、攪拌
後、ハロゲン化銀乳剤を沈降させた。沈降部分1500
mlを残し、上澄み液を取り除いた後、溶液H1を加
え、60℃に昇温し、更に120分攪拌した。最後にp
Hが5.8になるように調整し、銀量1モル当たり11
61gになるように水を添加し、感光性ハロゲン化銀乳
剤Aを得た。
て溶液A1に溶液B1の1/4量及び溶液C1の全量を
温度45℃、pAg8.09に制御しながら、同時混合
法により4分45秒を要して添加し、核形成を行った。
1分後、溶液F1の全量を添加した。この間pAgの調
整を溶液E1を用いて適宜行った。6分間経過後、溶液
B1の3/4量及び溶液D1の全量を、温度45℃、p
Ag8.09に制御しながら、同時混合法により14分
15秒かけて添加した。5分間攪拌した後、40℃に降
温し、溶液G1を全量添加し、ハロゲン化銀乳剤を沈降
させた。沈降部分2000mlを残して上澄み液を取り
除き、水を10リットル加え、攪拌後、再度ハロゲン化
銀乳剤を沈降させた。沈降部分1500mlを残し、上
澄み液を取り除き、更に水を10リットル加え、攪拌
後、ハロゲン化銀乳剤を沈降させた。沈降部分1500
mlを残し、上澄み液を取り除いた後、溶液H1を加
え、60℃に昇温し、更に120分攪拌した。最後にp
Hが5.8になるように調整し、銀量1モル当たり11
61gになるように水を添加し、感光性ハロゲン化銀乳
剤Aを得た。
【0101】この乳剤は、平均粒子サイズ0.058μ
m、粒子サイズの変動係数12%、〔100〕面比率9
2%の単分散立方体沃臭化銀粒子であった。
m、粒子サイズの変動係数12%、〔100〕面比率9
2%の単分散立方体沃臭化銀粒子であった。
【0102】〔粉末有機銀塩Aの調製〕4720mlの
純水にベヘン酸130.8g、アラキジン酸67.7
g、ステアリン酸43.6g、パルミチン酸2.3gを
80℃で溶解した。次に1.5モル/Lの水酸化ナトリ
ウム水溶液540.2mlを添加し濃硝酸6.9mlを
加えた後、55℃に冷却して脂肪酸ナトリウム溶液を得
た。上記の脂肪酸ナトリウム溶液の温度を55℃に保っ
たまま、45.3gの上記の感光性ハロゲン化銀乳剤A
と純水450mlを添加し5分間攪拌した。
純水にベヘン酸130.8g、アラキジン酸67.7
g、ステアリン酸43.6g、パルミチン酸2.3gを
80℃で溶解した。次に1.5モル/Lの水酸化ナトリ
ウム水溶液540.2mlを添加し濃硝酸6.9mlを
加えた後、55℃に冷却して脂肪酸ナトリウム溶液を得
た。上記の脂肪酸ナトリウム溶液の温度を55℃に保っ
たまま、45.3gの上記の感光性ハロゲン化銀乳剤A
と純水450mlを添加し5分間攪拌した。
【0103】次に1モル/Lの硝酸銀溶液702.6m
lを2分間かけて添加し、10分間攪拌し有機銀塩分散
物を得た。その後、得られた有機銀塩分散物を水洗容器
に移し、脱イオン水を加えて攪拌後、静置させて有機銀
塩分散物を浮上分離させ、下方の水溶性塩類を除去し
た。その後、排水の電導度が2μS/cmになるまで脱
イオン水による水洗、排水を繰り返し、遠心脱水を実施
した後、得られたケーキ状の有機銀塩を、気流式乾燥機
フラッシュジェットドライヤー(株式会社セイシン企業
製)を用いて、窒素ガス雰囲気及び乾燥機入り口熱風温
度の運転条件により含水率が0.1%になるまで乾燥し
て有機銀塩の乾燥済み粉末有機銀塩Aを得た。なお、有
機銀塩組成物の含水率測定には赤外線水分計を使用し
た。
lを2分間かけて添加し、10分間攪拌し有機銀塩分散
物を得た。その後、得られた有機銀塩分散物を水洗容器
に移し、脱イオン水を加えて攪拌後、静置させて有機銀
塩分散物を浮上分離させ、下方の水溶性塩類を除去し
た。その後、排水の電導度が2μS/cmになるまで脱
イオン水による水洗、排水を繰り返し、遠心脱水を実施
した後、得られたケーキ状の有機銀塩を、気流式乾燥機
フラッシュジェットドライヤー(株式会社セイシン企業
製)を用いて、窒素ガス雰囲気及び乾燥機入り口熱風温
度の運転条件により含水率が0.1%になるまで乾燥し
て有機銀塩の乾燥済み粉末有機銀塩Aを得た。なお、有
機銀塩組成物の含水率測定には赤外線水分計を使用し
た。
【0104】〔予備分散液Aの調製〕表1記載に記載し
た前記樹脂14.57gをメチルエチルケトン1457
gに溶解し、VMA−GETZMANN社製ディゾルバ
DISPERMAT CA−40M型にて攪拌しながら
粉末有機銀塩A500gを徐々に添加して十分に混合す
ることにより予備分散液Aを調製した。
た前記樹脂14.57gをメチルエチルケトン1457
gに溶解し、VMA−GETZMANN社製ディゾルバ
DISPERMAT CA−40M型にて攪拌しながら
粉末有機銀塩A500gを徐々に添加して十分に混合す
ることにより予備分散液Aを調製した。
【0105】〔感光性乳剤分散液1の調製〕予備分散液
Aをポンプを用いてミル内滞留時間が1.5分間となる
ように、0.5mm径のジルコニアビーズ(東レ(株)
製トレセラム)を内容積の80%充填したメディア型分
散機DISPERMAT SL−C12EX型(VMA
−GETZMANN社製)に供給し、ミル周速8m/s
にて分散を行なうことにより感光性乳剤分散液1を調製
した。
Aをポンプを用いてミル内滞留時間が1.5分間となる
ように、0.5mm径のジルコニアビーズ(東レ(株)
製トレセラム)を内容積の80%充填したメディア型分
散機DISPERMAT SL−C12EX型(VMA
−GETZMANN社製)に供給し、ミル周速8m/s
にて分散を行なうことにより感光性乳剤分散液1を調製
した。
【0106】〔安定剤液の調製〕1.0gの安定剤−
1、0.31gの酢酸カリウムをメタノール4.97g
に溶解し安定剤液を調製した。
1、0.31gの酢酸カリウムをメタノール4.97g
に溶解し安定剤液を調製した。
【0107】〔赤外増感色素液Aの調製〕19.2mg
の赤外増感色素1、1.488gの2−クロロ−安息香
酸、2.779gの安定剤−2および365mgの5−
メチル−2−メルカプトベンズイミダゾールを31.3
mlのMEKに暗所にて溶解し赤外増感色素液Aを調製
した。
の赤外増感色素1、1.488gの2−クロロ−安息香
酸、2.779gの安定剤−2および365mgの5−
メチル−2−メルカプトベンズイミダゾールを31.3
mlのMEKに暗所にて溶解し赤外増感色素液Aを調製
した。
【0108】
【化9】
【0109】〔添加液aの調製〕現像剤としての1,1
−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)
−2−メチルプロパンを27.98gと1.54gの4
−メチルフタル酸、0.48gの前記赤外染料−1をM
EK110gに溶解し添加液aとした。
−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)
−2−メチルプロパンを27.98gと1.54gの4
−メチルフタル酸、0.48gの前記赤外染料−1をM
EK110gに溶解し添加液aとした。
【0110】〔添加液bの調製〕3.56gのカブリ防
止剤−2、3.43gのフタラジンをMEK40.9g
に溶解し添加液bとした。
止剤−2、3.43gのフタラジンをMEK40.9g
に溶解し添加液bとした。
【0111】
【化10】
【0112】〔感光層塗布液の調製〕不活性気体雰囲気
下(窒素97%)において、前記感光性乳剤分散液1
(50g)およびMEK15.11gを攪拌しながら2
1℃に保温し、化学増感剤S−5(0.5%メタノール
溶液)1000μlを加え、2分後にカブリ防止剤−1
(10%メタノール溶液)390μlを加え、1時間攪
拌した。さらに臭化カルシウム(10%メタノール溶
液)494μlを添加して10分撹拌した後に上記の化
学増感剤S−5の1/20モル相当の金増感剤Au−5
を添加し、更に20分攪拌した。続いて、安定剤液16
7mlを添加して10分間攪拌した後、1.32gの前
記赤外増感色素液Aを添加して1時間攪拌した。その
後、温度を13℃まで降温してさらに30分攪拌した。
13℃に保温したまま、表1記載の前記予備分散液Aの
調製に用いた樹脂13.31gを添加して30分攪拌し
た後、テトラクロロフタル酸(9.4質量%MEK溶
液)1.084gを添加して15分間攪拌した。さらに
攪拌を続けながら、12.43gの添加液a、1.6m
lのDesmodurN3300/モーベイ社社製の脂
肪族イソシアネート(10%MEK溶液)、4.27g
の添加液bを順次添加し攪拌することにより感光層塗布
液を得た。
下(窒素97%)において、前記感光性乳剤分散液1
(50g)およびMEK15.11gを攪拌しながら2
1℃に保温し、化学増感剤S−5(0.5%メタノール
溶液)1000μlを加え、2分後にカブリ防止剤−1
(10%メタノール溶液)390μlを加え、1時間攪
拌した。さらに臭化カルシウム(10%メタノール溶
液)494μlを添加して10分撹拌した後に上記の化
学増感剤S−5の1/20モル相当の金増感剤Au−5
を添加し、更に20分攪拌した。続いて、安定剤液16
7mlを添加して10分間攪拌した後、1.32gの前
記赤外増感色素液Aを添加して1時間攪拌した。その
後、温度を13℃まで降温してさらに30分攪拌した。
13℃に保温したまま、表1記載の前記予備分散液Aの
調製に用いた樹脂13.31gを添加して30分攪拌し
た後、テトラクロロフタル酸(9.4質量%MEK溶
液)1.084gを添加して15分間攪拌した。さらに
攪拌を続けながら、12.43gの添加液a、1.6m
lのDesmodurN3300/モーベイ社社製の脂
肪族イソシアネート(10%MEK溶液)、4.27g
の添加液bを順次添加し攪拌することにより感光層塗布
液を得た。
【0113】
【化11】
【0114】〔マット剤分散液の調製〕セルロースアセ
テートブチレート(Eastman Chemical
社、7.5gのCAB171−15)をMEK(メチル
エチルケトン)42.5gに溶解し、その中に、炭酸カ
ルシウム(Speciality Minerals
社、Super−Pflex200)5gを添加し、デ
ィゾルバ型ホモジナイザにて8000rpmで30mi
n分散しマット剤分散液を調製した。
テートブチレート(Eastman Chemical
社、7.5gのCAB171−15)をMEK(メチル
エチルケトン)42.5gに溶解し、その中に、炭酸カ
ルシウム(Speciality Minerals
社、Super−Pflex200)5gを添加し、デ
ィゾルバ型ホモジナイザにて8000rpmで30mi
n分散しマット剤分散液を調製した。
【0115】〔表面保護層塗布液の調製〕MEK(メチ
ルエチルケトン)865gを攪拌しながら、セルロース
アセテートブチレート(Eastman Chemic
al社、CAB171−15)を96g、ポリメチルメ
タクリル酸(ローム&ハース社、パラロイドA−21)
を4.5g、ビニルスルホン化合物(VSC)を1.5
g、ベンズトリアゾールを1.0g、F系活性剤(旭硝
子社、サーフロンKH40)を1.0g、添加し溶解し
た。次に上記マット剤分散液30gを添加して攪拌し、
表面保護層塗布液を調製した。
ルエチルケトン)865gを攪拌しながら、セルロース
アセテートブチレート(Eastman Chemic
al社、CAB171−15)を96g、ポリメチルメ
タクリル酸(ローム&ハース社、パラロイドA−21)
を4.5g、ビニルスルホン化合物(VSC)を1.5
g、ベンズトリアゾールを1.0g、F系活性剤(旭硝
子社、サーフロンKH40)を1.0g、添加し溶解し
た。次に上記マット剤分散液30gを添加して攪拌し、
表面保護層塗布液を調製した。
【0116】〔感光層面側塗布〕前記感光層塗布液と表
面保護層塗布液をエクストルージョン型押し出しコータ
ーを用いて、前記作製した各プラスチックフィルムの下
引層2の上に、同時に重層塗布することにより感光材料
を作製した。塗布は、感光層は塗布銀量1.9g/
m2、表面保護層は乾燥膜厚で2.5μmになる様にし
て行った。その後、乾燥温度75℃、露点温度10℃の
乾燥風を用いて、10分間乾燥を行い、熱現像感光材料
を作製した。表1に示す様に各樹脂を変化させ熱現像感
光材料試料1〜12とした。
面保護層塗布液をエクストルージョン型押し出しコータ
ーを用いて、前記作製した各プラスチックフィルムの下
引層2の上に、同時に重層塗布することにより感光材料
を作製した。塗布は、感光層は塗布銀量1.9g/
m2、表面保護層は乾燥膜厚で2.5μmになる様にし
て行った。その後、乾燥温度75℃、露点温度10℃の
乾燥風を用いて、10分間乾燥を行い、熱現像感光材料
を作製した。表1に示す様に各樹脂を変化させ熱現像感
光材料試料1〜12とした。
【0117】《熱現像感光材料試料の評価》以上のよう
にして作製した試料を下記に示す様に評価した。
にして作製した試料を下記に示す様に評価した。
【0118】(露光及び熱現像処理)上記作製した各試
料を、23℃、50%RHの環境下で3日間保存した
後、感光層面側から、高周波重畳にて波長800nm〜
820nmの縦マルチモード化された半導体レーザを露
光源とした露光機によりレーザ走査により濃度1.0に
なるように露光を与えた。この際に、各試料の露光面と
露光レーザ光の角度を75度として画像を形成した。
料を、23℃、50%RHの環境下で3日間保存した
後、感光層面側から、高周波重畳にて波長800nm〜
820nmの縦マルチモード化された半導体レーザを露
光源とした露光機によりレーザ走査により濃度1.0に
なるように露光を与えた。この際に、各試料の露光面と
露光レーザ光の角度を75度として画像を形成した。
【0119】その後、ヒートドラムを有する自動現像機
を用いて感光材料の保護層とドラム表面が接触するよう
にして、110℃で15秒熱現像処理した。その際、露
光及び現像は23℃、50%RHに調湿した部屋で行っ
た。
を用いて感光材料の保護層とドラム表面が接触するよう
にして、110℃で15秒熱現像処理した。その際、露
光及び現像は23℃、50%RHに調湿した部屋で行っ
た。
【0120】(膜付きの評価)上記の様に露光、現像し
た各試料を、23℃、50%RHの環境下で3日間放置
した後、試料の感光層面側に、かみそりの刃で、支持体
に対して45度の角度で支持体にまで到達するまでのキ
ズを格子状に付け、その上に粘着テープ(セロハン粘着
テープ)を圧着した後、該テープを支持体に対して45
度の角度で急速に剥離した。この時、貼り付けたテープ
面積に対し、テープと一緒に剥離せずに残った感光層の
面積比率を測定し、下記に示す基準に則り膜付きの評価
を行った。
た各試料を、23℃、50%RHの環境下で3日間放置
した後、試料の感光層面側に、かみそりの刃で、支持体
に対して45度の角度で支持体にまで到達するまでのキ
ズを格子状に付け、その上に粘着テープ(セロハン粘着
テープ)を圧着した後、該テープを支持体に対して45
度の角度で急速に剥離した。この時、貼り付けたテープ
面積に対し、テープと一緒に剥離せずに残った感光層の
面積比率を測定し、下記に示す基準に則り膜付きの評価
を行った。
【0121】 ランク5:100%の部分が剥離せず残っている ランク4:90%以上〜100%未満の部分が剥離せず
残っている ランク3:80%以上〜90%未満の部分が剥離せず残
っている ランク2:50%以上〜80%未満の部分が剥離せず残
っている ランク1:50%未満の部分しか残っていない。
残っている ランク3:80%以上〜90%未満の部分が剥離せず残
っている ランク2:50%以上〜80%未満の部分が剥離せず残
っている ランク1:50%未満の部分しか残っていない。
【0122】(自動現像機の汚れの評価)上記の様に露
光した各試料(半切サイズ)を上記の自動現像機を用い
て、1000枚連続処理を行い、ローラーに付着したオ
イル状の汚れを観察し、次の通り評価した。
光した各試料(半切サイズ)を上記の自動現像機を用い
て、1000枚連続処理を行い、ローラーに付着したオ
イル状の汚れを観察し、次の通り評価した。
【0123】 ランク5:ローラーに汚れは付着していない ランク4:ローラーにかすかに汚れが付着しているが、
付着している面積はローラーの1/100未満であり、
フィルムに汚れは転写していない ランク3:ローラーに汚れがかすかに付着し、付着して
いる面積はローラーの1/100以上、1/50未満で
あり、フィルムに汚れは転写していない ランク2:ローラーに汚れが付着し、付着している面積
はローラーの1/50以上、1/10未満であり、フィ
ルムに汚れが転写している ランク1:ローラーに汚れが付着し、付着している面積
はローラーの1/10以上であり、フィルムに汚れが転
写している。
付着している面積はローラーの1/100未満であり、
フィルムに汚れは転写していない ランク3:ローラーに汚れがかすかに付着し、付着して
いる面積はローラーの1/100以上、1/50未満で
あり、フィルムに汚れは転写していない ランク2:ローラーに汚れが付着し、付着している面積
はローラーの1/50以上、1/10未満であり、フィ
ルムに汚れが転写している ランク1:ローラーに汚れが付着し、付着している面積
はローラーの1/10以上であり、フィルムに汚れが転
写している。
【0124】(生保存性の評価)得られた感光材料を、
23℃、50%RHの環境下で30日間保存した後、感
光層面側から、高周波重畳にて波長800nm〜820
nmの縦マルチモード化された半導体レーザを露光源と
した露光機によりレーザ走査により濃度1.0になるよ
うに露光を与えた。3日保存試料に対する30日保存試
料の濃度1.0を与えるレーザー露光のエネルギー量の
逆数の対数差を求め、生保存性の尺度とした。すなわち
この感度差が小さい試料ほど、生保存性が優れている。
結果を表1に示す。
23℃、50%RHの環境下で30日間保存した後、感
光層面側から、高周波重畳にて波長800nm〜820
nmの縦マルチモード化された半導体レーザを露光源と
した露光機によりレーザ走査により濃度1.0になるよ
うに露光を与えた。3日保存試料に対する30日保存試
料の濃度1.0を与えるレーザー露光のエネルギー量の
逆数の対数差を求め、生保存性の尺度とした。すなわち
この感度差が小さい試料ほど、生保存性が優れている。
結果を表1に示す。
【0125】(画像保存性の評価)写真性能の評価と同
様に23℃、50%RHの環境下で3日間保存した後同
様に露光・現像処理をした感光材料を更に25℃55%
で7日間蛍光灯下に放置し、色調を観察し下記基準に基
づき評価した。これも表1に示した。
様に23℃、50%RHの環境下で3日間保存した後同
様に露光・現像処理をした感光材料を更に25℃55%
で7日間蛍光灯下に放置し、色調を観察し下記基準に基
づき評価した。これも表1に示した。
【0126】 ランク 評価基準 5 全く問題ない色調 4 実技上問題の無い色調 3 僅かに黄色味を帯びているが、問題ない色調 2 不快な色調であり、問題となる可能性がある色調 1 明らかに顕著な変化が認められ、実技上問題となる色調
【0127】
【表1】
【0128】
【発明の効果】熱現像時の自動現像機の汚れがなく、熱
現像後でも感光層と支持体の接着強度劣化がなく、保存
性の改良された熱現像用ハロゲン化銀写真感光材料が得
られた。
現像後でも感光層と支持体の接着強度劣化がなく、保存
性の改良された熱現像用ハロゲン化銀写真感光材料が得
られた。
Claims (4)
- 【請求項1】 一般式(1)で表されるビニルモノマー
単位を、6モル〜20モル%の範囲で有する変性ポリビ
ニルアルコールとアルデヒドとのアセタール化反応によ
り合成される変性ポリビニルアセタールをバインダーに
用いたことを特徴とする熱現像用ハロゲン化銀写真感光
材料。 【化1】 (ここで、R1、R2は水素原子又は低級アルキル基、B
は−NR3(R4)、又は−N+(R3)(R4)(R5)・
X-を表し、R3、R4、R5は水素原子又は低級アルキル
基(置換基を含んでもよい)、X-はアニオン、AはB
中の窒素原子とアミド基の窒素原子を連結する基をそれ
ぞれ表している。) - 【請求項2】 一般式(2)又は(3)で表されるビニ
ルモノマー単位を、6モル〜20モル%の範囲で有する
変性ポリビニルアルコールとアルデヒドとのアセタール
化反応により合成される変性ポリビニルアセタールをバ
インダーに用いたことを特徴とする熱現像用ハロゲン化
銀写真感光材料。 【化2】 (ここで、R6、R7、R8は水素原子、低級アルキル基
又はフェニル基、R9は低級アルキル基、X-はアニオン
をそれぞれ表している。) - 【請求項3】 一般式(4)で表されるビニルモノマー
単位を、6モル〜20モル%の範囲で有する変性ポリビ
ニルアルコールとアルデヒドとのアセタール化反応によ
り合成される変性ポリビニルアセタールをバインダーに
用いたことを特徴とする熱現像用ハロゲン化銀写真感光
材料。 【化3】 (ここで、Bは−NR3(R4)、又は−N+(R3)(R
4)(R5)・X-を表し、R3、R4、R5は水素原子又は
低級アルキル基(置換基を含んでもよい)、X-はアニ
オン、DはB中の窒素原子とエーテル基の酸素原子を連
結するアルキレン基をそれぞれ表している。) - 【請求項4】 一般式(5)又は(6)で表されるビニ
ルモノマー単位を6モル〜20モル%の範囲で有する変
性ポリビニルアルコールとアルデヒドとのアセタール化
反応により合成される変性ポリビニルアセタールをバイ
ンダーに用いたことを特徴とする熱現像用ハロゲン化銀
写真感光材料。 【化4】 (ここで、R10、R11は水素原子又は低級アルキル基、
R12は低級アルキル基,X-はアニオンをそれぞれ表し
ている。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001043135A JP2002244242A (ja) | 2001-02-20 | 2001-02-20 | 熱現像用ハロゲン化銀写真感光材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001043135A JP2002244242A (ja) | 2001-02-20 | 2001-02-20 | 熱現像用ハロゲン化銀写真感光材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002244242A true JP2002244242A (ja) | 2002-08-30 |
Family
ID=18905350
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001043135A Pending JP2002244242A (ja) | 2001-02-20 | 2001-02-20 | 熱現像用ハロゲン化銀写真感光材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002244242A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011087029A1 (ja) * | 2010-01-15 | 2011-07-21 | 株式会社クラレ | 高分子電解質ゲル組成物 |
WO2012133351A1 (ja) * | 2011-03-28 | 2012-10-04 | 株式会社クラレ | アルキル変性ビニルアセタール系重合体及び組成物 |
WO2018225717A1 (ja) * | 2017-06-05 | 2018-12-13 | 株式会社クラレ | 側鎖アミノ基含有ビニルアルコール系重合体 |
JP7000614B1 (ja) | 2020-07-14 | 2022-01-19 | 積水化学工業株式会社 | 変性ポリビニルアセタール樹脂、蓄電池電極用組成物、顔料組成物、及び、変性ポリビニルアルコール樹脂 |
CN115279801B (zh) * | 2020-07-14 | 2024-05-07 | 积水化学工业株式会社 | 改性聚乙烯醇缩醛树脂、蓄电池电极用组合物、颜料组合物 |
-
2001
- 2001-02-20 JP JP2001043135A patent/JP2002244242A/ja active Pending
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9356318B2 (en) | 2010-01-15 | 2016-05-31 | Kuraray Co., Ltd. | Gel polymer electrolyte composition |
WO2011087029A1 (ja) * | 2010-01-15 | 2011-07-21 | 株式会社クラレ | 高分子電解質ゲル組成物 |
CN102791747A (zh) * | 2010-01-15 | 2012-11-21 | 可乐丽股份有限公司 | 高分子电解质凝胶组合物 |
JP5718227B2 (ja) * | 2010-01-15 | 2015-05-13 | 株式会社クラレ | 高分子電解質ゲル組成物 |
TWI498376B (zh) * | 2010-01-15 | 2015-09-01 | Kuraray Co | 高分子電解質凝膠組成物 |
US9416054B2 (en) | 2011-03-28 | 2016-08-16 | Kuraray Co., Ltd. | Alkyl-modified vinyl acetal polymer, and composition |
WO2012133351A1 (ja) * | 2011-03-28 | 2012-10-04 | 株式会社クラレ | アルキル変性ビニルアセタール系重合体及び組成物 |
WO2018225717A1 (ja) * | 2017-06-05 | 2018-12-13 | 株式会社クラレ | 側鎖アミノ基含有ビニルアルコール系重合体 |
JPWO2018225717A1 (ja) * | 2017-06-05 | 2020-04-02 | 株式会社クラレ | 側鎖アミノ基含有ビニルアルコール系重合体 |
JP7042817B2 (ja) | 2017-06-05 | 2022-03-28 | 株式会社クラレ | 側鎖アミノ基含有ビニルアルコール系重合体 |
JP7000614B1 (ja) | 2020-07-14 | 2022-01-19 | 積水化学工業株式会社 | 変性ポリビニルアセタール樹脂、蓄電池電極用組成物、顔料組成物、及び、変性ポリビニルアルコール樹脂 |
JP2022018069A (ja) * | 2020-07-14 | 2022-01-26 | 積水化学工業株式会社 | 変性ポリビニルアセタール樹脂、蓄電池電極用組成物、顔料組成物、及び、変性ポリビニルアルコール樹脂 |
CN115279801B (zh) * | 2020-07-14 | 2024-05-07 | 积水化学工业株式会社 | 改性聚乙烯醇缩醛树脂、蓄电池电极用组合物、颜料组合物 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4238491B2 (ja) | 銀塩光熱写真ドライイメージング材料及びそれを用いる画像記録方法 | |
JP2002244242A (ja) | 熱現像用ハロゲン化銀写真感光材料 | |
JPH11133539A (ja) | 熱現像感光材料 | |
JP2000347341A (ja) | 熱消色性着色層を有する記録材料及び熱現像感光材料 | |
JP4120222B2 (ja) | 熱現像用ハロゲン化銀写真感光材料 | |
JP2003107620A (ja) | 熱現像用ハロゲン化銀写真感光材料 | |
JP3915461B2 (ja) | 熱現像用ハロゲン化銀写真感光材料 | |
JP2002341481A (ja) | 熱現像用ハロゲン化銀写真感光材料 | |
JP2002268173A (ja) | 熱現像用ハロゲン化銀写真感光材料 | |
JP2002023301A (ja) | 感光性乳剤、熱現像感光材料、それを用いる画像記録方法及び画像形成方法 | |
US6638708B1 (en) | Silver (carboxylate-n-alkyl thiolate) particles for photothermographic of thermographic imaging | |
JP2003156814A (ja) | 熱現像感光材料 | |
JP2003015249A (ja) | 熱現像用ハロゲン化銀写真感光材料 | |
JP2003114491A (ja) | 熱現像用ハロゲン化銀写真感光材料 | |
JPH10207001A (ja) | 熱現像材料 | |
JP2000284403A (ja) | 光消色性着色層を有する記録材料及び熱現像感光材料 | |
JP4200711B2 (ja) | 熱現像用ハロゲン化銀写真感光材料 | |
JP2003186145A (ja) | 熱現像感光材料およびその処理方法 | |
JP2003156813A (ja) | 熱現像感光材料 | |
JP2000029168A (ja) | 光消色性着色層を有する記録材料および熱現像感光材料 | |
JPH1158970A (ja) | 記録材料 | |
JP2003098620A (ja) | 銀塩光熱写真ドライイメージング材料、及び画像記録方法 | |
EP1385048A1 (en) | Silver-(carboxylate-azine toner) particles for photothermographic and thermographic imaging | |
JP2004157440A (ja) | 銀塩光熱写真ドライイメージング材料、画像記録方法、画像形成方法、及び銀塩光熱写真ドライイメージング材料の製造方法 | |
JPH08137044A (ja) | 画像形成媒体の製造方法、画像形成媒体および画像形成方法 |