JP2002023301A - 感光性乳剤、熱現像感光材料、それを用いる画像記録方法及び画像形成方法 - Google Patents

感光性乳剤、熱現像感光材料、それを用いる画像記録方法及び画像形成方法

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JP2002023301A
JP2002023301A JP2000211275A JP2000211275A JP2002023301A JP 2002023301 A JP2002023301 A JP 2002023301A JP 2000211275 A JP2000211275 A JP 2000211275A JP 2000211275 A JP2000211275 A JP 2000211275A JP 2002023301 A JP2002023301 A JP 2002023301A
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photosensitive
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JP2000211275A
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Keiko Maeda
景子 前田
Tetsuo Shima
徹男 嶋
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度、高カバリングパワーでありながら、
熱現像後における銀画像の安定性に優れた熱現像感光材
料、画像記録方法及び画像形成方法を提供することであ
る。 【解決手段】 有機銀塩粒子、感光性ハロゲン化銀粒子
及び有機溶媒を含有する感光性乳剤において、該有機銀
塩粒子の平均厚さが0.005〜0.05μmであり、
かつ平均粒径が0.05〜0.5μmであることを特徴
とする感光性乳剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性乳剤、熱現
像感光材料、それを用いる画像記録方法及び画像形成方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、医療や印刷製版の分野では、画像
形成材料の湿式処理に伴う廃液が、作業性の上で問題と
なっており、近年では、環境保全、省スペースの観点か
らも処理廃液の減量が強く望まれている。
【0003】そこで、レーザ・イメージャーやレーザ・
イメージセッターにより効率的な露光が可能で、高解像
度で鮮明な黒色画像形成することができる写真技術用途
の光熱写真材料に関する技術が必要とされている。
【0004】かかる技術として、例えば、米国特許第
3,152,904号、同3,487,075号、及び
D.モーガン(Morgan)による「ドライシルバー
写真材料(Dry Silver Photograp
hic Materials)」(Handbook
of Imaging Materials,Marc
el Dekker,Inc.第48頁,1991)等
に記載されているように、支持体上に有機銀塩、感光性
ハロゲン化銀粒子、及び還元剤を含有する熱現像感光材
料が知られている。この熱現像感光材料では溶液系処理
薬品を一切使用しないため、より簡便で環境を損なわな
いシステムをユーザーに提供することができる。
【0005】ところでこれらの熱現像感光材料は感光層
中設置された感光性ハロゲン化銀粒子を光センサーと
し、有機銀塩を銀イオンの供給源とし、内蔵された還元
剤によって通常80〜140℃で熱現像することで画像
を形成させ、定着を行わないことが特徴である。そのた
め、ハロゲン化銀へのスムーズな銀イオン供給と光散乱
による透明感の低下防止を両立させるべく、感光層内で
適切に配置しやすく光散乱に悪影響の少ない有機銀粒子
形状の改良に多くの努力が払われてきた。
【0006】しかしながら、上記の目的に対し、分散機
等を用いて高いエネルギーで分散及び/または粉砕する
等して単純に微粒化しようという試みに対しては、ハロ
ゲン化銀粒子や有機銀塩粒子の損傷によってカブリが上
昇し、感度が低下するほか、画質が劣化する等という問
題が発生するため、銀量を増加させることなく高い光感
度、画像濃度が得られ、かつカブリも低下させる技術が
求められていた。
【0007】一方、熱現像感光材料においては、有機銀
塩、感光性ハロゲン化銀粒子、及び還元剤を含有するた
め、熱現像前の保存期間及び熱現像時にカブリが生じ易
いばかりでなく、熱現像処理後の保存期間にもカブリま
たは光分解銀(プリントアウト銀)が生じやすい問題が
ある。特に、該感光材料では、露光後、通常、80〜2
50℃で熱現像するだけで定着を行わないため、未露光
部に残ったハロゲン化銀、有機銀塩及び還元剤が併存す
る条件下での長期間保存において、熱や光により銀画像
が変色することが問題であった。
【0008】すなわち、感光材料中に還元剤が存在する
ために有機銀塩との反応によって熱カブリが生成し易く
なっていることと、現像後において、画像記録のための
光とは異なる波長領域の光が照射されたときにも還元剤
が銀イオンを還元するという本来の機能の他にホールト
ラップとして機能する等のために、ハロゲン化銀ないし
有機銀塩からのプリントアウト銀がどうしても大きくな
ってしまうというのがその原因の一部として考えられ
る。
【0009】また、上記の原因の他には、当該感光材料
の製造工程においてカブリの発生の原因となるカブリ核
が形成されてしまうこと等が考えられる。
【0010】これらの問題を解決するための技術が特開
平6−208192号、特開平8−267934号、米
国特許5,714,311号及びこれらの特許文献に引
用されている文献等において開示されているが、これら
の開示技術はある程度の効果を有するものの、市場にお
いて要求されるレベルを満たすための技術としてはまだ
充分なものではない。
【0011】また一方で、熱現像感光材料の高感度化が
要望されているが、当該感光材料系では、従来公知の硫
黄増感、セレン増感等の化学増感技術をそのまま応用し
ても殆ど有効でないことが知られている。このような状
況を踏まえて、米国特許明細書第5,891,615号
に開示されているような増感技術が提案されているが、
幾らかの効果はあるものの、現在の要望レベルに対して
は未だ十分ではない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のことに
鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、高感度、
高カバリングパワーでありながら、熱現像後における銀
画像の安定性に優れた熱現像感光材料、画像記録方法及
び画像形成方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は以下
の手段により達成される。
【0014】1.有機銀塩粒子、感光性ハロゲン化銀粒
子及び有機溶媒を含有する感光性乳剤において、該有機
銀塩粒子の平均厚さが0.005〜0.05μmであ
り、かつ平均粒径が0.05〜0.5μmであることを
特徴とする感光性乳剤。
【0015】2.平均厚さが0.005〜0.05μm
であり、かつ平均粒径が0.05〜0.5μmである有
機銀塩粒子、感光性ハロゲン化銀粒子及び該有機銀塩の
銀イオンを銀に還元し得る還元剤を含有する感光性層を
有し、かつ感光性層中の総銀量が1.7g/m2以下で
あることを特徴とする熱現像感光材料。
【0016】3.紫外光または可視光に露光すること
で、銀を酸化し得る反応活性種を発生する、または還元
剤を不活性化し有機銀塩の銀イオンを銀に還元できない
ようにすることができる反応活性種を発生する化合物を
少なくとも2種含有することを特徴とする前記2に記載
の熱現像感光材料。
【0017】4.感光性ハロゲン化銀粒子がカルコゲン
原子を含有する有機増感剤を用いてカルコゲン増感を施
されたことを特徴とする前記2または3に記載の熱現像
感光材料。
【0018】5.カルコゲン原子を含有する有機増感剤
がハロゲン化銀粒子へ吸着可能な基とカルコゲン原子部
位を有する化合物であることを特徴とする前記4に記載
の熱現像感光材料。
【0019】6.有機増感剤のカルコゲン原子が炭素原
子またはリン原子と二重結合で結合している構造を有す
る化合物であることを特徴とする前記4または5に記載
の熱現像感光材料。
【0020】7.有機銀塩が少なくとも2種類の有機酸
の銀塩の混合物であることを特徴とする前記2〜6のい
ずれか1項に記載の熱現像感光材料。
【0021】8.反応活性種がハロゲン原子または複数
の原子からなる有機フリーラジカルであることを特徴と
する前記3〜7のいずれか1項に記載の熱現像感光材
料。
【0022】9.ハロゲン原子以外の反応活性種を発生
する化合物が炭素環式または複素環式の芳香族基を有す
ることを特徴とする前記3〜8のいずれか1項に記載の
熱現像感光材料。
【0023】10.平均厚さが0.005〜0.05μ
mであり、かつ平均粒径が0.05〜0.5μmである
有機銀塩粒子、感光性ハロゲン化銀粒子、有機溶媒を含
有する感光性乳剤及び該有機銀塩の銀イオンを銀に還元
し得る還元剤、及び省銀化剤(銀被覆力向上剤)を含有
することを特徴とする熱現像感光材料。
【0024】11.省銀化剤(銀被覆力向上剤)を含有
することを特徴とする前記2〜9のいずれか1項に記載
の熱現像感光材料。
【0025】12.前記2〜11のいずれか1項に記載
の熱現像感光材料に、該熱現像感光材料と走査レーザ光
のなす角度が実質的に垂直になることがないレーザ露光
装置を用いて露光することを特徴とする画像記録方法。
【0026】13.前記2〜11のいずれか1項に記載
の熱現像感光材料に画像を記録する際、走査レーザ光が
縦マルチである走査レーザ露光装置を用いて露光を行う
ことを特徴とする画像記録方法。
【0027】14.前記2〜11のいずれか1項に記載
の熱現像感光材料が有機溶媒を熱現像感光材料1m2
たり5〜1000mg含有している状態において熱現像
することを特徴とする画像形成方法。
【0028】15.前記2〜11のいずれか1項に記載
の熱現像感光材料が保護層を有し、保護層を有する面と
加熱されたドラムを接触させることにより熱現像を行う
ことを特徴とする画像形成方法。
【0029】以下、本発明を詳述する。本発明における
感光性ハロゲン化銀粒子について説明する。
【0030】本発明に用いられる写真乳剤は、P.Gl
afkides著Chimie et Physiqu
e Photographique(Paul Mon
tel社刊、1967年)、G.F.Duffin著
PhotographicEmulsion Chem
istry(The Focal Press刊、19
66年)、V.L.Zelikman et al著M
aking andCoating Photogra
phic Emulsion(The Focal P
ress刊、1964年)等に記載された方法を用いて
調製することができる。即ち、酸性法、中性法、アンモ
ニア法等のいずれでもよく、又可溶性銀塩と可溶性ハロ
ゲン塩を反応させる形成としては、片側混合法、同時混
合法、それらの組合せ等のいずれを用いてもよが、上記
方法の中でも形成条件をコントロールしつつハロゲン化
銀粒子を調製する所謂コントロールドダブルジェット法
が好ましい。ハロゲン組成としては特に制限はなく、塩
化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、沃臭化銀、沃化
銀のいずれであってもよい。
【0031】粒子形成は通常、ハロゲン化銀種粒子
(核)生成と粒子成長の2段階に分けられ、一度にこれ
らを連続的に行う方法でもよく、又核(種粒子)形成と
粒子成長を分離して行う方法でもよい。粒子形成条件あ
るpAg、pH等をコントロールして粒子形成を行うコ
ントロールドダブルジェット法が粒子形状やサイズのコ
ントロールができるので好ましい。例えば、核生成と粒
子成長を分離して行う方法を行う場合には、先ず可溶性
銀塩と可溶性ハロゲン塩をゼラチン水溶液中で均一、急
速に混合させ核(種粒子)生成(核生成工程)した後、
コントロールされたpAg、pH等のもとで可溶性銀塩
と可溶性ハロゲン塩を供給しつつ粒子成長させる粒子成
長工程によりハロゲン化銀粒子を調製する。粒子形成
後、脱塩工程により不要な塩類等をヌードル法、フロキ
ュレーション法、限外濾過法、電気透析法等の公知の脱
塩法により除くことで所望のハロゲン化銀乳剤を得るこ
とができる。
【0032】本発明のハロゲン化銀は、画像形成後の白
濁を低く抑えるため、及び良好な画質を得るために平均
粒子サイズが小さい方が好ましく、平均粒子サイズが
0.2μm以下、より好ましくは0.01μm〜0.1
7μm、特に0.02μm〜0.14μmが好ましい。
ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子が立方体
或いは八面体のいわゆる正常晶である場合には、ハロゲ
ン化銀粒子の稜の長さをいう。また、ハロゲン化銀粒子
が平板状粒子である場合には主表面の投影面積と同面積
の円像に換算したときの直径をいう。
【0033】本発明において、ハロゲン化銀粒子の粒子
サイズは単分散であることが好ましい。ここでいう単分
散とは、下記式で求められる粒子サイズの変動係数が7
%以下をいう。好ましくは5%以下であり、更に好まし
くは3%以下であり、特に好ましくは1%以下となる粒
子である。
【0034】粒子サイズの変動係数%=粒径の標準偏差
/粒径の平均値×100ハロゲン化銀粒子の形状として
は立方体、八面体、14面体粒子、平板状粒子、球状粒
子、棒状粒子、ジャガイモ状粒子等を挙げることができ
るが、これらの中、本発明に係わる貴金属増感剤或いは
カルコゲン原子を含有する有機増感剤を用いて化学増感
を施した場合に、有効な化学増感核が形成され易いとい
う点から、立方体状ハロゲン化銀粒子が好ましい。
【0035】平板状ハロゲン化銀粒子を用いる場合の平
均アスペクト比は好ましくは2以上100以下、より好
ましくは3以上50以下がよい。これらは米国特許第
5,264,337号、同第5,314,798号、同
第5,320,958号等に記載されており、容易に目
的の平板状粒子を得ることができる。更に、ハロゲン化
銀粒子のコーナーが丸まった粒子も好ましく用いること
ができる。
【0036】ハロゲン化銀粒子外表面としては特に制限
はないが、ミラー指数〔100〕面の占める割合が高い
ことが好ましく、この割合が50%以上、更には70%
以上、特に80%以上であることが好ましい。ミラー指
数〔100〕面の比率は増感色素の吸着における〔11
1〕面と〔100〕面との吸着依存性を利用したT.T
ani,J.Imaging Sci.,29,165
(1985年)により求めることができる。
【0037】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は、
該粒子形成時に平均分子量5万以下の低分子量ゼラチン
を用いて調製することが好ましいが、特にハロゲン化銀
粒子の核形成時に用いることが好ましい。
【0038】本発明において低分子量ゼラチンは、平均
分子量5万以下のものであり、好ましくは2000〜4
0000、更には5000〜25000である。ゼラチ
ンの平均分子量はゲル濾過クロマトグラフィーで測定す
ることができる。
【0039】低分子量ゼラチンは、通常用いられる平均
分子量10万程度のゼラチン水溶液にゼラチン分解酵素
を加えて酵素分解したり、酸またはアルカリを加えて加
熱し加水分解したり、大気圧下または加圧下での加熱に
より熱分解したり、超音波照射して分解したり、それら
の方法を併用したりして得ることができる。
【0040】核形成時の分散媒の濃度は5質量%以下が
好ましく、0.05〜3.0質量%の低濃度で行うのが
有効である。
【0041】本発明に係る感光性ハロゲン化銀粒子は、
ハロゲン化銀粒子上のカルコゲン化銀または銀核を消滅
またはそれらの大きさを減少させ得る化合物の存在下で
カルコゲン原子を含有する有機増感剤を用いて化学増感
を施されたことを特徴とする。カルコゲン原子を含有す
る有機増感剤は、好ましくは不安定カルコゲン原子部位
を有する化合物である。
【0042】ここで、カルコゲンとは、周期表16族
(酸素族)に属する元素、即ち、酸素、硫黄、セレン、
テルル及びポロニウムの総称である。
【0043】カルコゲン化銀とは、上記の元素と銀の化
合物をいうが、例えば、硫化銀、セレン化銀、テルル化
銀等が挙げられる。
【0044】本発明において、銀核とは、銀原子ないし
銀原子の2個以上の集合体をいう。ハロゲン化銀粒子上
のカルコゲン化銀または銀核を酸化させるとは、ハロゲ
ン化銀粒子上の当該化合物等を他の化学組成の化合物に
変化させることによりハロゲン化銀粒子上より除去する
ことをいう。
【0045】このような機能を有する化合物としては、
米国特許第5,028,523号、ヨーロッパ特許第4
60,826号、特開平4−232939号等に記載さ
れている窒素含有ヘテロ環化合物の臭化水素酸塩、例え
ば、ピリジウム・パーブロミド・ヒドロブロミド(pi
ridinium perbromide hydro
bromide)、特開昭50−120328号、特開
平6−208193号、特開平6−208193号等に
記載されているハロゲン化化合物、例えば、2−(トリ
ブロモメチルスルフォニル)キノリン(2−(trib
romomethylsulfonyl)quinol
ine)等、又例えばN−クロロ琥珀酸イミド、N−ブ
ロム琥珀酸イミド、N−ブロムフタルイミド、N−ブロ
ムアセトアミド、N−ヨード琥珀酸イミド、N−ブロム
フタラジノン、N−ブロムオキサゾリノン、N−クロロ
フタラジノン、N−ブロモアセトアニリド、N,N−ジ
ブロモベンゼンスルホンアミド、N−ブロモ−N−メチ
ルベンゼンスルホンアミド、1,3−ジブロモ−4,4
−ジメチルヒダントイン、N−ブロモウラゾール等のN
−ハロゲン化合物の様な銀核を酸化しうる化合物が挙げ
られる。
【0046】また、本発明においては以下に示すカルコ
ゲン原子を含有する有機増感剤により化学増感されてい
るのが好ましい。
【0047】これらカルコゲン原子を含有する有機増感
剤はハロゲン化銀へ吸着可能な基と不安定カルコゲン原
子部位を有する化合物であることが好ましい。
【0048】これらの有機増感剤としては、特開昭60
−150046号、特開平4−109240号、特開平
11−218874号等の明細書に開示されている種々
の構造を有する有機増感剤を用いることができるが、そ
れらのうちカルコゲン原子が炭素原子またはリン原子と
二重結合で結ばれている構造を有する下記一般式(S)
で示される化合物の少なくとも1種であることが好まし
い。
【0049】
【化1】
【0050】式中、A1はハロゲン化銀に吸着可能な基
を含む原子群を表し、L1は2価の連結基を表し、Z1
不安定カルコゲン原子部位を含む原子群を表し、W1
2及びW3はカルボン酸基、スルホン酸基、スルフィン
酸基、リン酸基、亜リン酸基及びホウ酸基を表す。m1
は0または1を表し、n1は1〜3の整数を表し、l
1、l2及びl3は各々0〜2の整数を表す。又、l
1、l2、l3は同時に0であっても良い、すなわち、
水溶性基を一つも有しなくても良い。
【0051】一般式(S)においてA1で表されるハロ
ゲン化銀に吸着可能な基を含む原子群としては、メルカ
プト基を有する原子群(例えば、メルカプトオキサジア
ゾール、メルカプトテトラゾール、メルカプトトリアゾ
ール、メルカプトジアゾール、メルカプトチアゾール、
メルカプトチアジアゾール、メルカプトオキサゾール、
メルカプトイミダゾール、メルカプトベンズチアゾー
ル、メルカプトベンズオキサゾール、メルカプトベンズ
イミダゾール、メルカプトテトラザインデン、メルカプ
トピリジル、メルカプトキノリル、2−メルカプトピリ
ジル、メルカプトフェニル、メルカプトナフチル等の各
基)、チオン基を有する原子群(例えば、チアゾリン−
2−チオン、オキサゾリン−2−チオン、イミダゾリン
−2−チオン、ベンズチアゾリン−2−チオン、ベンズ
イミダゾリン−2−チオン、チアゾリジン−2−チオン
等)、イミノ銀を形成する原子群(例えば、トリアゾー
ル、テトラゾール、ベンズトリアゾール、ヒドロキシア
ザインデン、ベンズイミダゾール、インダゾール等)、
エテニル基を有する原子群(例えば、2−[N−(2−
プロピニル)アミノ]ベンズチアゾール、N−(2−プ
ロピニル)カルバゾール等)等が挙げられる。
【0052】一般式(S)においてZ1で表される不安
定カルコゲン原子部位を有する原子群とは、硝酸銀の存
在下でカルコゲン銀を形成する化合物群をいう。これら
の不安定カルコゲン原子部位を有する原子群においては
カルコゲン原子が、炭素原子またはリン原子と2重結合
で結ばれた構造単位を有すること好ましく、また、カル
コゲン原子とは硫黄原子、セレン原子、テルル原子を意
味する。
【0053】不安定硫黄部位を含む原子群の具体例とし
ては、チオ尿素基を有する原子群(例えば、N,N′−
ジエチルチオ尿素、N−エチル−N′−(2−チアゾリ
ル)チオ尿素、N,N−ジメチルチオ尿素、N−フェニ
ルチオ尿素等)、チオアミド基を有する原子群(例え
ば、チオベンズアミド、チオアセトアミド等)、ポリス
ルフィド、フォスフィンスルフィド基を有する原子群
(例えば、ビス(ペンタフルオロフェニル)フェニルフ
ォスフィンスルフィド、ジエチルフォスフィンスルフィ
ド、ジメチルフェニルフォスフィンスルフィド等)、チ
オキソアゾリジノン基を有する原子群(例えば、エチル
ローダニン、5−ベンジリデン−3−エチルローダニ
ン、1,3−ジフェニル−2−チオヒダントイン、3−
エチル−4−オキソオキサゾリジン−2−チオン等)等
の各原子群が挙げられる。
【0054】不安定セレン部位を含む原子群の具体例と
しては、セレノ尿素基を有する原子群(例えば、N,N
−ジメチルセレノ尿素、セレノ尿素、N−アセチル−
N,N′−ジエチルセレノ尿素、N−トリフルオロアセ
チル−N′,N′−ジメチルセレノ尿素、N−エチル−
N′−(2−チアゾリル)セレノ尿素、N,N′−ジフ
ェニルセレノ尿素等)、セレノアミド基を有する原子群
(例えば、N−メチル−セレノベンズアミド、N−フェ
ニル−セレノベンズアミド、N−エチル−セレノベンズ
アミド等)、フォスフィンセレニド基を有する原子群
(例えば、トリフェニルフォスフィンセレニド、ジフェ
ニル−(ペンタフルオロフェニル)フォスフィンセレニ
ド、トリス(m−クロロフェニル)フォスフィンセレニ
ド等)、セレノフォスフェート基を有する原子群(例え
ば、トリス(p−トリル)セレノフォスフェート等)、
セレノエステル基を有する原子群(例えば、p−メトキ
シセレノベンゾイックアシド=O−イソプロピルエステ
ル、セレノベンゾイックアシド=Se−(3′−オキソ
ブチル)エステル、p−メトキシセレノベンゾイックア
シド=Se−(3′−オキソシクロヘキシル)エステル
等の各基)、セレニド基を有する原子群(例えば、ビス
(2,6−ジメトキシベンゾイル)セレニド、ビス(n
−ブトキシカルボニル)セレニド、ビス(ベンジルオキ
シカルボニル)セレニド、ビス(N,N−ジメチルカル
バモイル)セレニド等の各基)、トリセレナン基を有す
る原子群(例えば、2,4,6−トリス(p−メトキシ
フェニル)トリセレナン等)、セレノケトン基を有する
原子群(例えば、4−メトキシセレノアセトフェノン、
4,4−メトキシセレノベンゾフェノン等)等の原子群
が挙げられる。
【0055】不安定テルル部位を含む原子群の具体例と
しては、フォスフィンテルリド基を有する原子群(例え
ば、ブチル−ジ−イソプロピルフォスフィンテルリド、
トリスシクロヘキシルフォスフィンテルリド等)、テル
ロ尿素基を有する原子群(例えば、N,N′−ジエチル
−N,N′−ジエチレンテルロ尿素、N,N′−ジメチ
レン−N,N′−ジメチルテルロ尿素等)、テルロアミ
ド基を有する原子群(例えば、N,N−ジメチル−テル
ロベンズアミド、N,N−テトラメチレン−(p−トリ
ル)テルロベンズアミド等)、テルロフォスフェート基
を有する原子群(例えば、トリス(p−トリル)テルロ
フォスフェート、トリスブチルテルロフォスフェート
等)、テルロフォスフォリックアミド基を有する原子群
(例えば、ヘキサメチルテルロフォスフォリックアミド
等)等の原子群が挙げられる。
【0056】不安定セレン及びテルル部位を有する原子
群としては、その他に、特開平4−25832号、同4
−109240号、同4−147250号、同4−33
043号、同5−40324号、同5−24332号、
同5−24333号、同5−303157号、同5−3
06268号、同5−306269号、同6−2757
3号、同6−43576号、同6−75328号、同6
−17528号、同6−180478号、同6−175
29号、同6−208184号、同6−208186
号、同6−317867号、同7−92599号、同7
−98483号、同7−104415号、同7−140
579号、同7−301880号等に開示された化合物
群から選択することができる。
【0057】本発明の化合物は水溶性基を有していても
よい。水溶性基としては、例えば、カルボン酸基、スル
ホン酸基、スルフィン酸基、リン酸基、亜リン酸基及び
ホウ酸基等が挙げられる。
【0058】本発明の化合物は、ハロゲン化銀への吸着
可能な基と不安定カルコゲン原子部位とをそれぞれ少な
くとも1つ有するものであり、ハロゲン化銀への吸着可
能な基と不安定カルコゲン原子部位は、直接結合してい
ても連結基を介して結合していても良い。また水溶性基
を有する場合水溶性基とハロゲン化銀への吸着可能な基
と不安定カルコゲン原子部位は、直接結合していても連
結基を介して結合していても良い。
【0059】L1で表される2価の連結基は、炭素原
子、水素原子、酸素原子、窒素原子または硫黄原子等か
ら構成される基であり、具体的には、炭素数1〜20の
アルキレン基(例えば、メチレン、エチレン、プロピレ
ン、ヘキシレン等の各基)、アリーレン基(例えば、フ
ェニレン、ナフチレン等の各基)、−CONR1−、−
SO2NR2−、−O−、−S−、−NR3−、−NR4
O−、−NR5SO2−、−NR6CONR7−、−CO−
O−、−O−CO−、−CO−等及びこれらの複数個連
結した基が挙げられる。
【0060】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7は各
々水素原子、脂肪族基、脂環式基、芳香族基または複素
環基を表す。R1〜R7で表される脂肪族基としては炭素
数1〜20の直鎖または分岐のアルキル基(例えば、メ
チル、エチル、イソプロピル、2−エチル−ヘキシル等
の各基)、アルケニル基(例えば、プロペニル、3−ペ
ンテニル、2−ブテニル、シクロヘキセニル等の各
基)、アルキニル基(例えば、プロパルギル、3−ペン
チニル等の各基)、アラルキル基(例えば、ベンジル、
フェネチル等の各基)が挙げられる。脂環式基として
は、炭素数5〜8の脂環式基(例えば、シクロペンチ
ル、シクロヘキシル等の各基)、芳香族基としては、炭
素数6〜10の単環または縮合環の基であり、具体的に
は、フェニル基またはナフチル基が挙げられ、複素環基
としては酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含む5員
〜7員の単環またはさらに他の環が縮合した縮合環の基
であり、具体的には、フリル、チエニル、ベンズフリ
ル、ピロリル、インドリル、チアゾリル、イミダゾリ
ル、モルホリル、ピペラジル、ピラジル等の各基が挙げ
られる。R1〜R7で表される各基は任意の位置に任意の
原子、基が置換でき、置換原子、置換基の例としては、
例えば、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素
原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、シアノ基、ア
ミノ基(例えば、メチルアミノ、アニリノ、ジエチルア
ミノ、2−ヒドロキシエチルアミノ等の各基)、アシル
基(例えば、アセチル、ベンゾイル、プロパノイル等の
各基)、カルバモイル基(例えば、カルバモイル、N−
メチルカルバモイル、N,N−テトラメチレンカルバモ
イル、N−メタンスルホニルカルバモイル、N−アセチ
ルカルバモイル等の各基)、アルコキシ基(例えば、メ
トキシ、エトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、2−メト
キエトキシ等の各基)、アルコキシカルボニル(例え
ば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2−メ
トキシエトキシカルボニル等の各基)、スルホニル基
(例えば、メタンスルホニル、トリフルオロメタンスル
ホニル、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニル
等の各基)、スルファモイル基(例えば、スルファモイ
ル、N,N−ジメチルスルファモイル、モルホリノスル
ホニル、N−エチルスルファモイル等の各基)、アシル
アミノ基(例えば、アセトアミド、トリフルオロアセト
アミド、ベンズアミド、チエノカルボニルアミノ、ベン
ゼンスルフォンアミド等の各基)、アルコキシカルボニ
ルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ、N−
メチル−エトキシカルボニルアミノ等の各基)等の基が
挙げられる。
【0061】W1、W2、W3で表されるカルボン酸基、
スルホン酸基、スルフィン酸基、リン酸基、亜リン酸基
及びホウ酸基はフリーの形態でもアルカリ金属、アルカ
リ土類金属、アンモニウム、有機アミンと対塩を形成し
ていても良い。
【0062】以下に本発明の一般式(S)で示される化
合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではな
い。
【0063】
【化2】
【0064】
【化3】
【0065】
【化4】
【0066】
【化5】
【0067】
【化6】
【0068】
【化7】
【0069】
【化8】
【0070】
【化9】
【0071】本発明のカルコゲン化合物の使用量は、使
用するカルコゲン化合物、ハロゲン化銀粒子、化学増感
環境等により変わるが、ハロゲン化銀1モル当たり、1
-8〜10-2モルが好ましく、より好ましくは10-7
10-3モルを用いる。本発明における化学増感環境とし
ては特に制限はないが、感光性ハロゲン化銀粒子上のカ
ルコゲン化銀または銀核を消滅或いはそれらの大きさを
減少させ得る化合物の存在下において、又特に銀核を酸
化しうる酸化剤の共存下においてカルコゲン原子を含有
する有機増感剤を用いてカルコゲン増感を施すことが好
ましく、該増感条件として、pAgとしては6〜11が
好ましく、より好ましくは7〜10であり、pHは4〜
10が好ましく、より好ましくは5〜8、又、温度とし
ては30℃以下で増感を施すことが好ましい。温度が高
すぎると、化学増感反応の副反応が大きく、カブリの増
大や、感光材料の安定性が損なわれる。
【0072】従って、本発明の熱現像感光材料において
は、前記感光性ハロゲン化銀が、該粒子上の銀核を酸化
しうる酸化剤の共存下においてカルコゲン原子を含有す
る有機増感剤を用いて温度30℃以下において化学増感
を施され、かつ、有機銀塩と混合して分散され脱水及び
乾燥された感光性乳剤を用いることが好ましい。
【0073】又、上記の増感法の他、還元増感法等も用
いることが出来、還元増感の貝体的な化合物としてはア
スコルビン酸、2酸化チオ尿素、塩化第1スズ、ヒドラ
ジン誘導体、ボラン化合物、シラン化合物、ポリアミン
化合物等を用いることができる。また、乳剤のpHを7
以上またはpAgを8.3以下に保持して熟成すること
により還元増感することができる。
【0074】また、これらの有機増感剤を用いた化学増
感は分光増感色素またはハロゲン化銀粒子に対して吸着
性を有するヘテロ原子含有化合物の存在下で行われるこ
とが好ましい。ハロゲン化銀に吸着性を有する化合物の
存在下化学増感を行うことで、化学増感中心核の分散化
を防ぐことができ高感度、低カブリを達成できる。
【0075】本発明に係る化学増感を施されるハロゲン
化銀は、有機銀塩の存在下で形成されたのでも、有機銀
塩の存在しない条件下で形成されたものでも、また、両
者が混合されたものでもよい。
【0076】本発明において有機銀塩は還元可能な銀源
であり、有機酸及びヘテロ有機酸の銀塩、特にこの中で
も長鎖の(炭素数10〜30、好ましくは15〜25)
脂肪族カルボン酸及び含窒素複素環化合物の銀塩が好ま
しい。配位子が銀イオンに対する総安定度常数として
4.0〜10.0の値をもつようなRD17029及び
29963に記載された有機または無機の錯体も好まし
い。これら好適な銀塩の例としては以下のものが挙げら
れる。
【0077】有機酸の銀塩、例えば、没食子酸、蓚酸、
ベヘン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、パルミチン
酸、ラウリン酸等の銀塩。銀のカルボキシアルキルチオ
尿素塩、例えば、1−(3−カルボキシプロピル)チオ
尿素、1−(3−カルボキシプロピル)−3,3−ジメ
チルチオ尿素等の銀塩、アルデヒドとヒドロキシ置換芳
香族カルボン酸とのポリマー反応生成物の銀塩乃至錯
体、例えば、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、アセト
アルデヒド、ブチルアルデヒド等)とヒドロキシ置換酸
類(例えば、サリチル酸、安息香酸、3,5−ジヒドロ
キシ安息香酸)の反応生成物の銀塩乃至錯体、チオン類
の銀塩または錯体、例えば、3−(2−カルボキシエチ
ル)−4−ヒドロキシメチル−4−チアゾリン−2−チ
オン、及び3−カルボキシメチル−4−チアゾリン−2
−チオン等の銀塩乃至錯体、イミダゾール、ピラゾー
ル、ウラゾール、1,2,4−チアゾール及び1H−テ
トラゾール、3−アミノ−5−ベンジルチオ−1,2,
4−トリアゾール及びベンズトリアゾールから選択され
る窒素酸と銀との錯体または塩、サッカリン、5−クロ
ロサリチルアルドキシム等の銀塩、及びメルカプチド類
の銀塩。これらの中、好ましい銀塩としてはベヘン酸
銀、アラキジン酸銀及びステアリン酸銀が挙げられる。
又、本発明においては有機銀塩が2種以上混合されてい
ることが現像性を上げ高濃度、高コントラストの銀画像
を形成する上で好ましく、例えば2種以上の有機酸混合
物に銀イオン溶液を混合して調製することが好ましい。
【0078】有機銀塩化合物は、水溶性銀化合物と銀と
錯形成する化合物を混合することにより得られるが、正
混合法、逆混合法、同時混合法、特開平9−12764
3号に記載されている様なコントロールドダブルジェッ
ト法等が好ましく用いられる。例えば、有機酸にアルカ
リ金属塩(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
等)を加えて有機酸アルカリ金属塩ソープ(例えば、ベ
ヘン酸ナトリウム、アラキジン酸ナトリウム等)を作製
した後に、コントロールドダブルジェット法により、前
記ソープと硝酸銀等を混合して有機銀塩の結晶を作製す
る。その際にハロゲン化銀粒子を混在させてもよい。
【0079】本発明に係る有機銀塩においては、平均厚
さが0.005〜0.05μmであり、平均粒径が0.
05〜0.5μmであることが好ましく、特に好ましく
は平均厚さ0.005〜0.03μmである。
【0080】平均厚さが0.005μm未満では、表面
積が大きく現像時の銀イオン供給が急激に行われ、特に
低濃度部では銀画像に使われずに、膜中に残存する銀イ
オンが多量に存在する結果、画像保存性が著しく劣化す
る。また、厚さが0.005μm未満の有機銀塩を作製
するためには仕込み途中の硝酸量を増量し有機銀に対す
る有機酸の割合を増やす、或いは硝酸添加後の温度降下
を迅速に行う等が必要で、厚さのばらつきがでやすくな
る。
【0081】平均厚さが0.05μmを越えると、表面
積が小さくなり、画像安定性は向上するが、現像時の銀
供給が遅く、特に高濃度部での現像銀形状の不均一を招
き、その結果CPが低くなりやすい。
【0082】平均粒径が0.05μm未満では失透性に
は優れるが、画像保存性が悪く、平均粒径が0.5μm
を越えると失透性に欠ける。
【0083】上記記載の平均粒径を求めるには、分散後
の有機銀塩を希釈してカーボン支持膜付きグリッド上に
分散し、透過型電子顕微鏡(日本電子製、2000FX
型)、直接倍率5000倍にて撮影を行う。スキャナー
にてネガをデジタル画像として取り込み、画像処理ソフ
トを用いて粒径(円相当径)を300個以上測定し、平
均粒径を算出する。
【0084】上記記載の平均厚さを求めるには、下記に
示すようなTEM(透過型電子顕微鏡)を用いた方法に
より算出する。
【0085】まず、支持体上に塗布された感光性層を接
着剤により適当なホルダーに貼り付け、支持体面と垂直
な方向にダイヤモンドナイフを用いて厚さ0.1〜0.
2μmの超薄切片を作製する。作製された超薄切片を、
銅メッシュに支持させ、グロー放電により親水化された
カーボン膜上に移し液体窒素により−130℃以下に冷
却しながら透過型電子顕微鏡(以下TEMと称す)を用
いて、倍率5,000〜40,000にて明視野像を観
察し、画像はフィルム、イメージングプレート、CCD
カメラ等に素早く記録する。この際、観察される視野と
しては切片に破れや弛みがない部分を適宜選択すること
が好ましい。
【0086】カーボン膜としては極薄いコロジオン、ホ
ルムバール等有機膜に支持されたものを使用することが
好ましく、更に好ましくは、岩塩基板上に形成し基板を
溶解除去して得るか、または、上記有機膜を有機溶媒、
イオンエッチングにより除去して得られたカーボン単独
の膜である。TEMの加速電圧としては80〜400k
Vが好ましく、特に好ましくは80〜200kVであ
る。
【0087】その他、電子顕微鏡観察技法、及び試料作
製技法の詳細については「日本電子顕微鏡学会関東支部
編/医学・生物学電子顕微鏡観察法」(丸善)、「日本
電子顕微鏡学会関東支部編/電子顕微鏡生物試料作製
法」(丸善)をそれぞれ参考にすることができる。
【0088】適当な媒体に記録されたTEM画像は、画
像1枚を少なくとも1024画素×1024画素、好ま
しくは2048画素×2048画素以上に分解しコンピ
ュータによる画像処理をおこなうことが好ましい。画像
処理をおこなうためには、フィルムに記録されたアナロ
グ画像はスキャナー等でデジタル画像に変換し、シェー
ディング補正、コントラスト・エッジ強調等を必要に応
じ施すことが好ましい。その後、ヒストグラムを作成し
2値化処理によって有機銀に相当する箇所を抽出する。
【0089】上記抽出した有機銀塩粒子の厚さを300
個以上画像処理ソフトを用いて測定し、平均値を求め
る。
【0090】前記記記載の形状を有する有機銀塩粒子を
得る方法としては、特に限定されないが、有機酸アルカ
リ金属塩ソープ形成時の混合状態及び/または前記ソー
プに硝酸銀を添加する際の混合状態等を良好に保つこと
や、ソープと反応する硝酸銀の割合を最適にすること等
が有効である。
【0091】本発明に係る平板状有機銀塩粒子は必要に
応じバインダーや界面活性剤等と共に予備分散した後、
メディア分散機または高圧ホモジナイザー等で分散粉砕
することが好ましい。上記予備分散にはアンカー型、プ
ロペラ型等の一般的攪拌機や高速回転遠心放射型攪拌機
(ディゾルバー)、高速回転剪断型撹拌機(ホモミキ
サ)を使用することができる。
【0092】また、上記メディア分散機としては、ボー
ルミル、遊星ボールミル、振動ボールミル等の転動ミル
や、媒体攪拌ミルであるビーズミル、アトライター、そ
の他バスケットミル等を用いることが可能であり、高圧
ホモジナイザーとしては壁、プラグ等に衝突するタイ
プ、液を複数に分けてから高速で液同士を衝突させるタ
イプ、細いオリフィスを通過させるタイプ等様々なタイ
プを用いることができる。
【0093】メディア分散時に使用されるセラミックス
ビーズに用いられるセラミックスとしては、例えば、A
23、BaTiO3、SrTiO3、MgO、ZrO、
BeO、Cr23、SiO2、SiO2−Al23、Cr
23−MgO、MgO−CaO、MgO−C、MgO−
Al23(スピネル)、SiC、TiO2、K2O、Na
2O、BaO、PbO、B23、SrTiO3(チタン酸
ストロンチウム)、BeAl24、Y3Al512、Zr
2−Y23(立方晶ジルコニア)、3BeO−Al2
3−6SiO2(合成エメラルド)、C(合成ダイヤモン
ド)、Si2O−nH2O、チッカ珪素、イットリウム安
定化ジルコニア、ジルコニア強化アルミナ等が好まし
い。分散時におけるビーズや分散機との摩擦による不純
物生成が少ない等の理由から、イットリウム安定化ジル
コニア、ジルコニア強化アルミナ(これらジルコニアを
含有するセラミックスを以下においてジルコニアと略
す)が特に好ましく用いられる。
【0094】本発明に係る平板状有機銀塩粒子を分散す
る際に用いられる装置類において、該有機銀塩粒子が接
触する部材の材質としてジルコニア、アルミナ、窒化珪
素、窒化ホウ素等のセラミックス類またはダイヤモンド
を用いることが好ましく、中でも、ジルコニアを用いる
ことが好ましい。
【0095】上記分散をおこなう際、バインダー濃度は
有機銀質量の0.1〜10%添加することが好ましく、
予備分散から本分散を通して液温が45℃を上回らない
ことが好ましい。また、本分散の好ましい運転条件とし
ては、例えば高圧ホモジナイザーを分散手段として用い
る場合には、29.42MPa〜98.06MPa、運
転回数は2回以上が好ましい運転条件として挙げられ
る。又、メディア分散機を分散手段として用いる場合に
は、周速が6m/秒から13m/秒が好ましい条件とし
て挙げられる。
【0096】本発明に係る有機銀塩粒子は、単分散粒子
であることが好ましく、好ましい単分散度としては1〜
30%であり、この範囲の単分散粒子にすることによ
り、濃度の高い画像が得られる。ここでいう単分散度と
は、下記式で定義される。
【0097】単分散度=(粒径の標準偏差)/(粒径の
平均値)×100 上記記載の有機銀塩の平均粒径は0.01〜0.2μm
が好ましく、更に好ましくは、0.02〜0.15μm
であり、平均粒径(円相当径)とは、電子顕微鏡で観察
される個々の粒子像と等しい面積を有する円の直径を表
す。
【0098】本発明においては感光材料の失透を防ぐた
めには、ハロゲン化銀及び有機銀塩の総量は、銀量に換
算して1m2当たり0.5g以上2.2g以下であるこ
とが好ましい。この範囲にすることで硬調な画像が得ら
れる。
【0099】本発明の熱現像感光材料に用いられる還元
剤としては、後述するように、ビスフェノール類やスル
ホンアミドフェノール類のようなプロトンをもった還元
剤が用いられているので、これらの水素を引き抜くこと
ができる活性種を発生することにより還元剤を不活性化
できる化合物が含有されていることが好ましい。好適に
は、無色の光酸化性物質として、露光時にフリーラジカ
ルを反応活性種として生成可能な化合物(以下画像安定
剤ともいう)が好ましい。
【0100】従ってこれらの機能を有する化合物であれ
ばいかなる化合物でもよいが、ハロゲンラジカルはハロ
ゲン化銀の生成につながるので好ましくなく、複数の原
子からなる有機フリーラジカルが好ましい。かかる機能
を有しかつ熱現像感光材料に格別の弊害を生じることの
ない化合物であればいかなる構造をもった化合物でもよ
い。
【0101】又、これらのフリーラジカルを発生する化
合物としては発生するフリーラジカルに、これが還元剤
と反応し不活性化するに充分な時間接触できる位の安定
性をもたせるために炭素環式、または複素環式の芳香族
基を有するものが好ましい。
【0102】これらの化合物の代表的なものとして以下
にあげるビイミダゾリル化合物、ヨードニウム化合物を
あげることができる。
【0103】ビイミダゾリル化合物は紫外光、可視光で
光照射されたときに発生するフリーラジカルである2個
のイミダゾリルラジカルが熱による像形成後に残存する
還元剤を酸化する能力を有しており、それによりそれら
を銀塩のそれ以上の還元に関して不活性化する。そのよ
うなビイミダゾリル化合物が光による活性化で、実質的
に非感光性の有機銀塩の熱により活性化される還元にお
いて有効な還元剤を酸化しうるということは驚ろくべき
ことである。
【0104】ビイミダゾリル化合物としては以下の一般
式〔1〕により表されるものが挙げられる。
【0105】
【化10】
【0106】式中、R1、R2及びR3(同一または相異
なる)の各々はアルキル基(例えば、メチル、エチル、
ヘキシル)、アルケニル基(例えば、ビニル、アリ
ル)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、オ
クチルオキシ)、アリール基(例えば、フェニル、ナフ
チル、トリル)、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アリー
ルオキシ基(例えば、フェノキシ)、アルキルチオ基
(例えば、メチルチオ、ブチルチオ)、アリールチオ基
(例えば、フェニルチオ)、アシル基(例えば、アセチ
ル、プロピオニル、ブチリル、バレリル)、スルフォニ
ル基(例えば、メチルスルフォニル、フェニルスルフォ
ニル)、アシルアミノ基、スルフォニルアミノ基、アシ
ルオキシ基(例えば、アセトキシ、ベンゾキシ)、カル
ボキシル基、シアノ基、スルフォ基及びアミノ基を示
す。これらのうちより好適な置換基はアリール基、アル
ケニル基及びシアノ基である。
【0107】上記のビイミダゾリル化合物は米国特許第
3,734,733号及び英国特許第1,271,17
7号に記載されている製造方法及びそれに準じた方法に
より製造することができる。好ましい具体例を以下に挙
げる。
【0108】
【化11】
【0109】
【化12】
【0110】又、同様に好適な化合物として以下の一般
式〔2〕で示されるヨードニウム化合物をあげることが
できる。
【0111】
【化13】
【0112】式中、Qは、5、6または7員環を完成す
るに必要な原子を包含し、かつ、該必要な原子は炭素原
子、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる。R
1、R2及びR3(同一または相異なる)の各々は水素原
子、アルキル基(例えば、メチル、エチル、ヘキシ
ル)、アルケニル基(例えば、ビニル、アリル)、アル
コキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、オクチルオキ
シ)、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル、トリ
ル)、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アリールオキシ基
(例えば、フェノキシ)、アルキルチオ基(例えば、メ
チルチオ、ブチルチオ)、アリールチオ基(例えば、フ
ェニルチオ)、アシル基(例えば、アセチル、プロピオ
ニル、ブチリル、バレリル)、スルフォニル基(例え
ば、メチルスルフォニル、フェニルスルフォニル)、ア
シルアミノ基、スルフォニルアミノ基、アシルオキシ基
(例えば、アセトキシ、ベンゾキシ)、カルボキシル
基、シアノ基、スルフォ基及びアミノ基を示す。これら
のうちより好適な置換基はアリール基、アルケニル基及
びシアノ基である。
【0113】R4はアセテート、ベンゾエート、トリフ
ルオロアセテートのようなカルボキシレート基及びO-
を示す。Wは0または1を表す。
【0114】X-はアニオン性対イオンであり、好適な
例としては、CH3CO2 -、CH3SO3 -及びPF6 -であ
る。
【0115】R3がスルフォ基またはカルボキシル基の
ときは、Wは0で、かつR4はO-である。
【0116】なお、R1、R2及びR3の何れかは互いに
結合して環を形成してもよい。これらのうち特に好まし
い化合物は以下の一般式〔3〕で表される。
【0117】
【化14】
【0118】ここにおいて、R1、R2、R3、R4、X-
及びW等は前記一般式〔2〕とおなじものを表し、Yは
炭素原子(−CH=;ベンゼン環)を表すか、または窒
素原子(−N=;ピリジン環)を表す。
【0119】上記のヨードニウム化合物はOrg.Sy
n.,1961及び”Fieser著Advanced
Organic Chemistry”(Reinh
old,N.Y.,1961)に記載されている製造方
法及びそれに準じた方法によって合成できる。
【0120】好適な化合物は下記の一般式で表される。
【0121】
【化15】
【0122】
【化16】
【0123】本発明に係る上記の一般式〔1〕及び
〔2〕で表される化合物の添加量は0.001〜0.1
モル/m2、好ましくは、0.005〜0.05モル/
2の範囲である。なお、当該化合物は、本発明の感光
材料において、いかなる構成層中にも含有させることが
できるが、還元剤の近傍に含有させることが好ましい。
【0124】又、本発明においては、還元剤を不活性化
し還元剤が有機銀塩を銀に還元できないようにする化合
物(以下画像安定剤ともいう)として、反応活性種がハ
ロゲン原子でないものが好ましいが、ハロゲン原子を活
性種として放出する化合物も、本発明のハロゲン原子で
ない活性種を放出する化合物と併用することにより、使
用することができる。ハロゲン原子を活性種として放出
できる化合物も多くのものが知られており、併用により
欠点が軽減される。
【0125】これらの活性ハロゲン原子を生成する化合
物の具体例としては、以下にあげる一般式〔4〕の化合
物がある。
【0126】
【化17】
【0127】一般式〔4〕中、Qはアリール基またはヘ
テロ環基を表す。X1、X2及びX3は水素原子、ハロゲ
ン原子、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリール
オキシカルボニル基、スルフォニル基、アリール基を表
すが、少なくとも一つはハロゲン原子である。Yは−C
(=O)−、−SO−または−SO2−を表す。
【0128】Qで表されるアリール基は、単環または縮
環していてもよく、好ましくは炭素数6〜30の単環ま
たは二環のアリール基(例えばフェニル、ナフチル等)
であり、より好ましくはフェニル基、ナフチル基であ
り、更に好ましくはフェニル基である。
【0129】Qで表されるヘテロ環基は、N、Oまたは
Sの少なくとも一つの原子を含む3ないし10員の飽和
もしくは不飽和のヘテロ環基であり、これらは単環であ
っても良いし、更に他の環と縮合環を形成してもよい。
【0130】ヘテロ環基として好ましくは、縮合環を有
していてもよい5ないし6員の不飽和ヘテロ環基であ
り、より好ましくは縮合環を有していてもよい5ないし
6員の芳香族ヘテロ環基である。更に好ましくは窒素原
子を含む縮合環を有していてもよい5ないし6員の芳香
族ヘテロ環基であり、特に好ましくは窒素原子を1ない
し4原子含む縮合環を有していてもよい5ないし6員の
芳香族ヘテロ環基である。このようなヘテロ環基におけ
るヘテロ環として好ましくは、イミダゾール、ピラゾー
ル、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、ト
リアゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、
プリン、チアジアゾール、オキサジアゾール、キノリ
ン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾ
リン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、フェナン
トロリン、フェナジン、テトラゾール、チアゾール、オ
キサゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾー
ル、ベンズチアゾール、インドレニン、テトラザインデ
ンであり、より好ましくはイミダゾール、ピリジン、ピ
リミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリ
アジン、チアジアゾール、オキサジアゾール、キノリ
ン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾ
リン、シンノリン、テトラゾール、チアゾール、オキサ
ゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベ
ンズチアゾール、テトラザインデンであり、更に好まし
くはイミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、
ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、チアジアゾー
ル、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリ
ン、キナゾリン、シンノリン、テトラゾール、チアゾー
ル、ベンズイミダゾール、ベンズチアゾールであり、特
に好ましくはピリジン、チアジアゾール、キノリン、ベ
ンズチアゾールである。
【0131】Qで表されるアリール基及びヘテロ環基は
−Y−C(X1)(X2)(X3)の他に置換基を有して
いても良く、置換基として好ましくはアルキル基、アル
ケニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アシルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、ア
シルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリー
ルオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、ス
ルファモイル基、カルバモイル基、スルホニル基、ウレ
イド基、リン酸アミド基、ハロゲン原子、シアノ基、ス
ルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヘテロ環基であ
り、より好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキ
シ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルアミノ基、
アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボ
ニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル
基、カルバモイル基、ウレイド基、リン酸アミド基、ハ
ロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヘテロ環基であり、
更に好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アシル基、アシルアミノ基、ス
ルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル
基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヘテロ環基で
あり、特に好ましくはアルキル基、アリール基、ハロゲ
ン原子である。
【0132】X1、X2及びX3は好ましくはハロゲン原
子、ハロアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、ス
ルファモイル基、スルホニル基、ヘテロ環基であり、よ
り好ましくはハロゲン原子、ハロアルキル基、アシル
基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、スルホニル基であり、更に好ましくはハロゲン原
子、トリハロメチル基であり、特に好ましくはハロゲン
原子である。ハロゲン原子の中でも好ましくは塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子であり、更に好ましくは塩素
原子、臭素原子であり、特に好ましくは臭素原子であ
る。
【0133】Yは−C(=O)−、−SO−、−SO2
−を表し、好ましくは−SO2−である。
【0134】これらの化合物の具体例を以下にあげる。
【0135】
【化18】
【0136】
【化19】
【0137】
【化20】
【0138】
【化21】
【0139】
【化22】
【0140】
【化23】
【0141】
【化24】
【0142】
【化25】
【0143】これらの化合物の添加量は、実質的にハロ
ゲン化銀の生成によるプリントアウト銀の増加が問題に
ならない範囲が好ましく、前記活性ハロゲンラジカルを
生成しない化合物に対する比率で、最大150%以下、
更に好ましくは100%以下である。
【0144】活性ラジカルを生成する化合物は前述した
ように熱現像感光層中の還元剤を不活性化し感光材料の
保存性を大幅に向上させるが、上記の活性ラジカルによ
り失活せしめられる熱現像感光材料に用いる還元剤につ
いて以下に詳述する。
【0145】本発明の熱現像感光材料には内蔵させる好
適な還元剤の例は、米国特許第3,770,448号、
同第3,773,512号、同第3,593,863
号、及びResearch Disclosure(以
後RDと略す場合がある)17029及び29963に
記載されており、公知の還元剤の中から適宜選択して使
用することができるが、有機銀塩に脂肪族カルボン酸銀
塩を使用する場合には、2個以上のフェノール基がアル
キレン基または硫黄によって連結されたポリフェノール
類、特にフェノール基のヒドロキシ置換位置に隣接した
位置の少なくとも一つにアルキル基(例えばメチル基、
エチル基、プロピル基、t−ブチル基、シクロヘキシル
基等)またはアシル基(例えばアセチル基、プロピオニ
ル基等)が置換したフェノール基の2個以上がアルキレ
ン基または硫黄によって連結されたビスフェノール類、
例えば下記の一般式で示される化合物が好ましい。
【0146】
【化26】
【0147】式中、Rは水素原子、または炭素原子数1
〜10のアルキル基(例えば、イソプロピル、ブチル、
2,4,4−トリメチルペンチル)を表し、R′及び
R″は炭素原子数1〜5のアルキル基(例えば、メチ
ル、エチル、t−ブチル)を表す。
【0148】一般式(A)で表される化合物の具体例を
以下に示す。ただし、以下の化合物に限定されるもので
はない。
【0149】
【化27】
【0150】
【化28】
【0151】その他、米国特許第3,589,903
号、同第4,021,249号若しくは英国特許第1,
486,148号各明細書及び特開昭51−51933
号、同50−36110号、同50−116023号、
同52−84727号若しくは特公昭51−35727
号公報に記載されたポリフェノール化合物、例えば、
2,2′−ジヒドロキシ−1,1′−ビナフチル、6,
6′−ジブロモ−2,2′−ジヒドロキシ−1,1′−
ビナフチル等の米国特許第3,672,904号明細書
に記載されたビスナフトール類、更に、例えば、4−ベ
ンゼンスルホンアミドフェノール、2−ベンゼンスルホ
ンアミドフェノール、2,6−ジクロロ−4−ベンゼン
スルホンアミドフェノール、4−ベンゼンスルホンアミ
ドナフトール等の米国特許第3,801,321号明細
書に記載されているようなスルホンアミドフェノールま
たはスルホンアミドナフトール類も挙げることができ
る。
【0152】前記一般式(A)で表される化合物を始め
とする還元剤の使用量は好ましくは銀1モル当り1×1
-2〜10モル、特に1×10-2〜1.5モルである。
【0153】本発明の熱現像感光材料は感光性ハロゲン
化銀、有機銀塩を含んでいる。本発明の熱現像感光材料
に使用される還元剤の量は、有機銀塩や還元剤の種類、
その他の添加剤によって変化するが、一般的には有機銀
塩1モル当たり0.05モル乃至10モル好ましくは
0.1モル乃至3モルが適当である。又この量の範囲内
において、上述した還元剤は2種以上併用されてもよ
い。本発明においては、前記還元剤を塗布直前に感光性
ハロゲン化銀及び有機銀塩粒子及び溶媒からなる感光乳
剤溶液に添加混合して塗布した方が、停滞時間による写
真性能変動が小さく好ましい場合がある。
【0154】本発明における感光性ハロゲン化銀には分
光増感色素を吸着させ分光増感を施すことが好ましい。
分光増感色素としてシアニン色素、メロシアニン色素、
コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシア
ニン色素、ホロポーラーシアニン色素、スチリル色素、
ヘミシアニン色素、オキソノール色素、ヘミオキソノー
ル色素等を用いることができる。例えば特開昭63−1
59841号、同60−140335号、同63−23
1437号、同63−259651号、同63−304
242号、同63−15245号、米国特許第4,63
9,414号、同第4,740,455号、同第4,7
41,966号、同第4,751,175号、同第4,
835,096号に記載された増感色素が使用できる。
本発明に使用される有用な増感色素は例えばRD176
43 IV−A項(1978年12月p.23)、同18
431X項(1978年8月p.437)に記載もしく
は引用された文献に記載されている。特に各種レーザイ
メージャーやスキャナーの光源の分光特性に適した分光
感度を有する増感色素を用いるのが好ましい。例えば特
開平9−34078号、同9−54409号、同9−8
0679号記載の化合物が好ましく用いられる。
【0155】有用なシアニン色素は、例えば、チアゾリ
ン核、オキサゾリン核、ピロリン核、ピリジン核、オキ
サゾール核、チアゾール核、セレナゾール核及びイミダ
ゾール核等の塩基性核を有するシアニン色素である。有
用なメロシアニン染料で好ましいものは、上記の塩基性
核に加えて、チオヒダントイン核、ローダニン核、オキ
サゾリジンジオン核、チアゾリンジオン核、バルビツー
ル酸核、チアゾリノン核、マロノニトリル核及びピラゾ
ロン核等の酸性核も含む。
【0156】本発明においては、特に赤外に分光感度を
有する増感色素を用いることが好ましい。本発明におい
て、好ましく用いられる赤外分光増感色素としては、例
えば、米国特許第4,536,473号、同第4,51
5,888号、同第4,959,294号等に開示され
ている赤外分光増感色素が挙げられる。
【0157】本発明において使用される省銀化剤とは、
一定の銀画像濃度を得るために必要な銀量を低減化し得
る化合物をいう。この低減化の作用機構は種々考えられ
るが、現像銀の被覆力を向上させる機能を有する化合物
が好ましい。ここで、現像銀の被覆力とは、銀の単位量
当たりの光学濃度をいう。
【0158】省銀化剤としては、下記一般式〔H〕で表
されるヒドラジン誘導体化合物、下記一般式(G)で表
せるビニル化合物、下記一般式(P)で表される4級オ
ニウム化合物等が好ましい例として挙げられる。
【0159】
【化29】
【0160】
【化30】
【0161】一般式〔H〕において、式中、A0はそれ
ぞれ置換基を有してもよい脂肪族基、芳香族基、複素環
基または−G0−D0基を、B0はブロッキング基を表
し、A1、A2はともに水素原子、または一方が水素原子
で他方はアシル基、スルホニル基またはオキザリル基を
表す。ここで、G0は−CO−基、−COCO−基、−
CS−基、−C(=NG11)−基、−SO−基、−S
2−基または−P(O)(G11)−基を表し、G1
単なる結合手、−O−基、−S−基または−N(D1
−基を表し、D1は脂肪族基、芳香族基、複素環基また
は水素原子を表し、分子内に複数のD1が存在する場
合、それらは同じであっても異なってもよい。D0は水
素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アミノ基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリ
ールチオ基を表す。好ましいD0としては、水素原子、
アルキル基、アルコキシ基、アミノ基等が挙げられる。
【0162】一般式〔H〕において、A0で表される脂
肪族基は、好ましくは炭素数1〜30のものであり、特
に炭素数1〜20の直鎖、分岐または環状のアルキル基
が好ましく、例えばメチル基、エチル基、t−ブチル
基、オクチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基が挙げ
られ、これらは更に適当な置換基(例えば、アリール
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、スルホキシ基、スルホンアミド
基、スルファモイル基、アシルアミノ基、ウレイド基
等)で置換されていてもよい。
【0163】一般式〔H〕において、A0で表される芳
香族基は、単環または縮合環のアリール基が好ましく、
例えばベンゼン環またはナフタレン環が挙げられ、A0
で表される複素環基としては、単環または縮合環で窒
素、硫黄、酸素原子から選ばれる少なくとも一つのヘテ
ロ原子を含む複素環が好ましく、例えばピロリジン環、
イミダゾール環、テトラヒドロフラン環、モルホリン
環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、チアゾー
ル環、ベンゾチアゾール環、チオフェン環、フラン環が
挙げられる。A0の芳香族基、複素環基及び−G0−D0
基は置換基を有していてもよい。A0として、特に好ま
しいものはアリール基及び−G0−D0基である。
【0164】又、一般式〔H〕において、A0は耐拡散
基またはハロゲン化銀吸着基を、少なくとも一つ含むこ
とが好ましい。耐拡散基としては、カプラー等の不動性
写真用添加剤にて常用されるバラスト基が好ましく、バ
ラスト基としては、写真的に不活性であるアルキル基、
アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、フェニル
基、フェノキシ基、アルキルフェノキシ基等が挙げら
れ、置換基部分の炭素数の合計は8以上であることが好
ましい。
【0165】一般式〔H〕において、ハロゲン化銀吸着
促進基としては、チオ尿素、チオウレタン基、メルカプ
ト基、チオエーテル基、チオン基、複素環基、チオアミ
ド複素環基、メルカプト複素環基或いは特開昭64−9
0439号に記載の吸着基等が挙げられる。
【0166】一般式〔H〕において、B0はブロッキン
グ基を表し、好ましくは−G0−D0基であり、G0は−
CO−基、−COCO−基、−CS−基、−C(=NG
11)−基、−SO−基、−SO2−基または−P
(O)(G11)−基を表す。好ましいG0としては−
CO−基、−COCO−基が挙げられ、G1は単なる結
合手、−O−基、−S−基または−N(D1)−基を表
し、D1は脂肪族基、芳香族基、複素環基または水素原
子を表し、分子内に複数のD1が存在する場合、それら
は同じであっても異なってもよい。D0は水素原子、脂
肪族基、芳香族基、複素環基、アミノ基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ
基を表し、好ましいD0としては水素原子、アルキル
基、アルコキシ基、アミノ基等が挙げられる。A1、A2
はともに水素原子、または一方が水素原子で他方はアシ
ル基(アセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイ
ル基等)、スルホニル基(メタンスルホニル基、トルエ
ンスルホニル基等)、またはオキザリル基(エトキザリ
ル基等)を表す。
【0167】更に好ましいヒドラジン誘導体は、下記一
般式(H−1)、(H−2)、(H−3)、(H−4)
で表される。
【0168】
【化31】
【0169】一般式(H−1)において、R11、R12
びR13はそれぞれ独立に置換もしくは無置換のアリール
基またはヘテロアリール基を表すが、アリール基として
具体的には、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナ
フチル等が挙げられる。ヘテロアリール基として、具体
的にはトリアゾール残基、イミダゾール残基、ピリジン
残基、フラン残基、チオフェン残基等が挙げられる。ま
た、R11、R12及びR 13はそれぞれ任意の連結基を介し
て結合してもよい。R11、R12及びR13が置換基を有す
る場合、その置換基としては例えばアルキル基、アルケ
ニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、4級化
された窒素原子を含むヘテロ環基、ヒドロキシル基、ア
ルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキ
シ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ
基、アシルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、ウ
レタン基、カルボキシル基、イミド基、アミノ基、カル
ボンアミド基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウ
レイド基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド
基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、4級のアン
モニウム基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)
チオ基、メルカプト基、(アルキルまたはアリール)ス
ルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル
基、スルホ基、スルファモイル基、アシルスルファモイ
ル基、(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイ
ド基、(アルキルもしくはアリール)スルホニルカルバ
モイル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、リン酸
アミド基等が挙げられる。R11、R 12及びR13として、
好ましくはいずれもが置換もしくは無置換のフェニル基
であり、より好ましくはR11、R12及びR13のいずれも
が無置換のフェニル基である。
【0170】R14はヘテロアリールオキシ基、ヘテロア
リールチオ基を表すが、ヘテロアリールオキシ基とし
て、具体的にはピリジルオキシ基、ピリミジルオキシ
基、インドリルオキシ基、ベンゾチアゾリルオキシ基、
ベンズイミダゾリルオキシ基、フリルオキシ基、チエニ
ルオキシ基、ピラゾリルオキシ基、イミダゾリルオキシ
基等が挙げられる。ヘテロアリールチオ基として、具体
的にはピリジルチオ基、ピリミジルチオ基、インドリル
チオ基、ベンゾチアゾリルチオ基、ベンズイミダゾリル
チオ基、フリルチオ基、チエニルチオ基、ピラゾリルチ
オ基、イミダゾリルチオ基等が挙げられる。R14とし
て、好ましくはピリジルオキシ基、チエニルオキシ基で
ある。
【0171】A1、A2はともに水素原子、または一方が
水素原子で他方はアシル基(アセチル、トリフルオロア
セチル、ベンゾイル等)、スルホニル基(メタンスルホ
ニル、トルエンスルホニル等)またはオキザリル基(エ
トキザリル等)を表す。好ましくはA1、A2ともに水素
原子の場合である。
【0172】一般式(H−2)において、R21は置換も
しくは無置換のアルキル基、アリール基またはヘテロア
リール基を表すが、アルキル基として、具体的にはメチ
ル基、エチル基、t−ブチル基、2−オクチル基、シク
ロヘキシル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基等が挙
げられる。アリール基及びヘテロアリール基として、具
体的にはR11、R12及びR13と同様のものが挙げられ
る。また、R21が置換基を有する場合の置換基の具体的
な例としては、R11、R12及びR13の置換基と同様のも
のが挙げられる。R21として好ましくはアリール基また
はヘテロアリール基であり、特に好ましくは置換もしく
は無置換のフェニル基である。
【0173】R22は水素、アルキルアミノ基、アリール
アミノ基、ヘテロアリールアミノ基を表すが、アルキル
アミノ基として、具体的にはメチルアミノ基、エチルア
ミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ジメチル
アミノ基、ジエチルアミノ基、エチルメチルアミノ基等
が挙げられる。アリールアミノ基としてはアニリノ基、
ヘテロアリール基としてはチアゾリルアミノ基、ベンズ
イミダゾリルアミノ基、ベンズチアゾリルアミノ基等が
挙げられる。R22として、好ましくはジメチルアミノ基
またはジエチルアミノ基である。A1、A2は一般式(H
−1)で記載したA1、A2と同様である。
【0174】一般式(H−3)において、R31、R32
一価の置換基を表すが、一価の置換基としては、R11
12及びR13の置換基として挙げられた、基が挙げられ
るが、好ましくは、アルキル基、アリール基、ヘテロア
リール基、アルコキシ基、アミノ基が挙げられる。更に
好ましくはアリール基またはアルコキシ基である。特に
好ましいのは、R31とR32の少なくとも一つがtert
−ブトキシ基であるものであり、別の好ましい構造は、
31がフェニル基のとき、R32がtert−ブトキシ基
である。
【0175】G31、G32は−CO−基、−COCO−
基、−C(=S)−、スルホニル基、スルホキシ基、−
P(=O)R33−基またはイミノメチレン基を表し、R
33はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリー
ル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニル
オキシ基、アリールオキシ基、アミノ基を表す。但し、
31がスルホニル基のとき、G32はカルボニル基ではな
い。G31、G32として、好ましくは−CO−基、−CO
CO−基、スルホニル基または−CS−であり、より好
ましくは互いに−CO−基または互いにスルホニル基で
ある。A1、A2は一般式(H−1)で記載したA1、A2
と同様である。
【0176】一般式(H−4)において、R41、R42
びR43は、一般式(H−1)におけるR11、R12及びR
13と同義である。R41、R42及びR43として好ましくは
いずれもが置換もしくは無置換のフェニル基であり、よ
り好ましくはR41、R42及びR43のいずれもが無置換の
フェニル基である。R44、R45は無置換または置換アル
キル基を表すが、具体的な例としてはメチル基、エチル
基、t−ブチル基、2−オクチル基、シクロヘキシル
基、ベンジル基、ジフェニルメチル基等が挙げられる。
44、R45として好ましくは互いにエチル基である。A
1、A2は一般式(H−1)で記載したA1、A2と同様で
ある。
【0177】以下に、本発明の一般式(H−1)〜(H
−4)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明は
これらに限定されるものではない。
【0178】
【化32】
【0179】
【化33】
【0180】
【化34】
【0181】
【化35】
【0182】
【化36】
【0183】
【化37】
【0184】
【化38】
【0185】これら本発明の一般式(H−1)〜(H−
4)で表される化合物は、公知の方法により容易に合成
することができる。例えば、米国特許第5,464,7
38号、同5,496,695号を参考にして合成する
ことができる。
【0186】その他に好ましく用いることのできるヒド
ラジン誘導体は、米国特許第5,545,505号カラ
ム11〜20に記載の化合物H−1〜H−29、米国特
許第5,464,738号カラム9〜11に記載の化合
物1〜12である。これらのヒドラジン誘導体は公知の
方法で合成することができる。
【0187】一般式(G)において、Xは電子吸引性基
を表し、Wは水素原子、アルキル基、アルケニル基、ア
ルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、
アシル基、チオアシル基、オキサリル基、オキシオキサ
リル基、チオオキサリル基、オキサモイル基、オキシカ
ルボニル基、チオカルボニル基、カルバモイル基、チオ
カルバモイル基、スルホニル基、スルフィニル基、オキ
シスルホニル基、チオスルホニル基、スルファモイル
基、オキシスルフィニル基、チオスルフィニル基、スル
フィナモイル基、ホスホリル基、ニトロ基、イミノ基、
N−カルボニルイミノ基、N−スルホニルイミノ基、ジ
シアノエチレン基、アンモニウム基、スルホニウム基、
ホスホニウム基、ピリリウム基、インモニウム基を表
す。
【0188】Rはハロゲン原子、ヒドロキシル基、アル
コキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アル
ケニルオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニ
ルオキシ基、アミノカルボニルオキシ基、メルカプト
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ
基、アルケニルチオ基、アシルチオ基、アルコキシカル
ボニルチオ基、アミノカルボニルチオ基、ヒドロキシル
基またはメルカプト基の有機または無機の塩(例えば、
ナトリウム塩、カリウム塩、銀塩等)、アミノ基、アル
キルアミノ基、環状アミノ基(例えば、ピロリジノ
基)、アシルアミノ基、オキシカルボニルアミノ基、ヘ
テロ環基(5〜6員の含窒素ヘテロ環、例えばベンツト
リアゾリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、テト
ラゾリル基等)、ウレイド基、スルホンアミド基を表
す。XとW、XとRは、それぞれ互いに結合して環状構
造を形成してもよい。XとWが形成する環としては、例
えばピラゾロン、ピラゾリジノン、シクロペンタンジオ
ン、β−ケトラクトン、β−ケトラクタム等が挙げられ
る。
【0189】一般式(G)について更に説明すると、X
の表す電子吸引性基とは、置換基定数σpが正の値をと
りうる置換基のことである。具体的には、置換アルキル
基(ハロゲン置換アルキル等)、置換アルケニル基(シ
アノビニル等)、置換・未置換のアルキニル基(トリフ
ルオロメチルアセチレニル、シアノアセチレニル等)、
置換アリール基(シアノフェニル等)、置換・未置換の
ヘテロ環基(ピリジル、トリアジニル、ベンゾオキサゾ
リル等)、ハロゲン原子、シアノ基、アシル基(アセチ
ル、トリフルオロアセチル、ホルミル等)、チオアセチ
ル基(チオアセチル、チオホルミル等)、オキサリル基
(メチルオキサリル等)、オキシオキサリル基(エトキ
サリル等)、チオオキサリル基(エチルチオオキサリル
等)、オキサモイル基(メチルオキサモイル等)、オキ
シカルボニル基(エトキシカルボニル等)、カルボキシ
ル基、チオカルボニル基(エチルチオカルボニル等)、
カルバモイル基、チオカルバモイル基、スルホニル基、
スルフィニル基、オキシスルホニル基(エトキシスルホ
ニル等)、チオスルホニル基(エチルチオスルホニル
等)、スルファモイル基、オキシスルフィニル基(メト
キシスルフィニル等)、チオスルフィニル基(メチルチ
オスルフィニル等)、スルフィナモイル基、ホスホリル
基、ニトロ基、イミノ基、N−カルボニルイミノ基(N
−アセチルイミノ等)、N−スルホニルイミノ基(N−
メタンスルホニルイミノ等)、ジシアノエチレン基、ア
ンモニウム基、スルホニウム基、ホスホニウム基、ピリ
リウム基、インモニウム基が挙げられるが、アンモニウ
ム基、スルホニウム基、ホスホニウム基、インモニウム
基等が環を形成したヘテロ環状のものも含まれる。σp
値として0.30以上の置換基が特に好ましい。
【0190】Wとして表されるアルキル基としては、メ
チル、エチル、トリフルオロメチル等が、アルケニル基
としてはビニル、ハロゲン置換ビニル、シアノビニル等
が、アルキニル基としてはアセチレニル、シアノアセチ
レニル等が、アリール基としてはニトロフェニル、シア
ノフェニル、ペンタフルオロフェニル等が、ヘテロ環基
としてはピリジル、ピリミジル、トリアジニル、スクシ
ンイミド、テトラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリ
ル、ベンゾオキサゾリル等が挙げられる。Wとしてはσ
p値が正の電子吸引性基が好ましく、更にはその値が
0.30以上のものが好ましい。
【0191】上記Rの置換基の内、好ましくはヒドロキ
シル基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルチオ
基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基またはメルカプト基
の有機または無機の塩、ヘテロ環基が挙げられ、更に好
ましくはヒドロキシル基、アルコキシ基、ヒドロキシル
基またはメルカプト基の有機または無機の塩、ヘテロ環
基が挙げられ、特に好ましくはヒドロキシル基、ヒドロ
キシル基またはメルカプト基の有機または無機の塩が挙
げられる。
【0192】また上記X及びWの置換基の内、置換基中
にチオエーテル結合を有するものが好ましい。
【0193】次に一般式(G)で表される化合物の具体
例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
【0194】
【化39】
【0195】
【化40】
【0196】
【化41】
【0197】
【化42】
【0198】
【化43】
【0199】
【化44】
【0200】
【化45】
【0201】
【化46】
【0202】
【化47】
【0203】
【化48】
【0204】
【化49】
【0205】
【化50】
【0206】
【化51】
【0207】
【化52】
【0208】
【化53】
【0209】
【化54】
【0210】
【化55】
【0211】
【化56】
【0212】
【化57】
【0213】
【化58】
【0214】
【化59】
【0215】
【化60】
【0216】
【化61】
【0217】
【化62】
【0218】一般式(P)において、Qは窒素原子また
は燐原子を表し、R1、R2、R3及びR4は、各々水素原
子または置換基を表し、X-はアニオンを表す。尚、R1
〜R4は互いに連結して環を形成してもよい。
【0219】R1〜R4で表される置換基としては、アル
キル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
ヘキシル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(ア
リル基、ブテニル基等)、アルキニル基(プロパルギル
基、ブチニル基等)、アリール基(フェニル基、ナフチ
ル基等)、複素環基(ピペリジニル基、ピペラジニル
基、モルホリニル基、ピリジル基、フリル基、チエニル
基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、
スルホラニル基等)、アミノ基等が挙げられる。
【0220】R1〜R4が互いに連結して形成しうる環と
しては、ピペリジン環、モルホリン環、ピペラジン環、
キヌクリジン環、ピリジン環、ピロール環、イミダゾー
ル環、トリアゾール環、テトラゾール環等が挙げられ
る。
【0221】R1〜R4で表される基はヒドロキシル基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル基、ス
ルホ基、アルキル基、アリール基等の置換基を有しても
よい。R1、R2、R3及びR4としては、水素原子及びア
ルキル基が好ましい。
【0222】X-が表すアニオンとしては、ハロゲンイ
オン、硫酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオン、p−トル
エンスルホン酸イオン等の無機及び有機のアニオンが挙
げられる。
【0223】本発明の熱現像感光材料に好適なバインダ
ーは透明または半透明で、一般に無色であり、天然ポリ
マー合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィル
ムを形成する媒体、例えば:ゼラチン、アラビアゴム、
ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロー
ス、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチ
レート、ポリ(ビニルピロリドン)、カゼイン、デンプ
ン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル
酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コ
ポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン
−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエ
ン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビ
ニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポ
リ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹
脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、
ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、
セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。親水
性でも非親水性でもよい。熱現像感光層として好ましい
バインダーは中でもポリビニルアセタール類であり、特
に好ましいバインダーはポリビニルブチラールである。
又、上塗り層や下塗り層、特に保護層やバックコート層
等の非感光層に対しては、より軟化温度の高いポリマー
であるセルロースエステル類、特にトリアセチルセルロ
ース、セルロースアセテートブチレート等のポリマーが
好ましい。
【0224】なお、必要に応じて、上記のバインダーは
2種以上を組み合わせて用いうる。このようなバインダ
ーは、バインダーとして機能するのに効果的な範囲で用
いられる。効果的な範囲は当業者が容易に決定しうる。
少なくとも有機銀塩を保持する場合の指標としては、バ
インダーと有機銀塩との割合は15:1〜1:2、特に
8:1〜1:1の範囲が好ましい。即ち、感光層のバイ
ンダー量が1.5〜6g/m2であることが好ましい。
更に好ましくは1.7〜5g/m2である。1.5g/
m2未満では未露光部の濃度が大幅に上昇し、使用に耐
えない場合がある。
【0225】本発明の熱現像感光材料中にはカブリ防止
剤が含まれて良い。有効なカブリ防止剤として例えば米
国特許第3,589,903号等で知られている水銀化
合物は環境的に好ましくない。そのためそれに代わるカ
ブリ防止剤の検討が古くから行われ、例えば米国特許第
4,546,075号及び同第4,452,885号及
び特開昭59−57234号に開示されている様なカブ
リ防止剤が好ましい。特に好ましいカブリ防止剤は、米
国特許第3,874,946号及び同第4,756,9
99号に開示されているような化合物、−C(X1
(X2)(X3)(ここでX1及びX2はハロゲンでX3
水素またはハロゲン)で表される1以上の置換基を備え
たヘテロ環状化合物である。これら好適なカブリ防止剤
の例としては、特開平9−288328号段落番号〔0
030〕〜〔0036〕、特開平9−90550号段落
番号〔0062〕〜〔0063〕に記載されている化合
物が挙げられる。さらに、その他の好適なカブリ防止剤
は米国特許第5,028,523号及び欧州特許第60
0,587号、同第605,981号、同第631,1
76号に開示されている。
【0226】本発明においては、感光材料の表面層に
(感光層側、又支持体をはさみ感光層の反対側に非感光
層を設けた場合にも)、現像前の取り扱いや熱現像後の
画像の傷つき防止のためマット剤を含有することが好ま
しく、バインダーに対し、質量比で0.1〜30%含有
することが好ましい。
【0227】本発明において用いられるマット剤の材質
は、有機物及び無機物のいずれでもよい。例えば、無機
物としては、スイス特許第330,158号等に記載の
シリカ、仏国特許第1,296,995号等に記載のガ
ラス粉、英国特許第1,173,181号等に記載のア
ルカリ土類金属またはカドミウム、亜鉛等の炭酸塩等を
マット剤として用いることができる。有機物としては、
米国特許第2,322,037号等に記載の澱粉、ベル
ギー特許第625,451号や英国特許第981,19
8号等に記載された澱粉誘導体、特公昭44−3643
号等に記載のポリビニルアルコール、スイス特許第33
0,158号等に記載のポリスチレン或いはポリメタア
クリレート、米国特許第3,079,257号等に記載
のポリアクリロニトリル、米国特許第3,022,16
9号等に記載されたポリカーボネートの様な有機マット
剤を用いることができる。
【0228】本発明に用いられるマット剤は、平均粒径
が0.5〜10μmであることが好ましく、更に好まし
くは1.0〜8.0μmである。又、粒子サイズ分布の
変動係数としては、50%以下であることが好ましく、
更に、好ましくは40%以下であり、特に好ましくは3
0%以下となるマット剤である。
【0229】ここで、粒子サイズ分布の変動係数は、下
記の式で表される値である。 (粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100 本発明に係るマット剤の添加方法は、予め塗布液中に分
散させて塗布する方法であってもよいし、塗布液を塗布
した後、乾燥が終了する以前にマット剤を噴霧する方法
を用いてもよい。また複数の種類のマット剤を添加する
場合は、両方の方法を併用してもよい。
【0230】熱現像感光材料に用いる支持体の素材とし
ては各種高分子材料、ガラス、ウール布、コットン布、
紙、金属(例えばアルミニウム)等が挙げられるが、情
報記録材料としての取り扱い上は可撓性のあるシートま
たはロールに加工できるものが好適である。従って本発
明の熱現像感光材料における支持体としては、プラスチ
ックフィルム(例えばセルロースアセテートフィルム、
ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフ
ィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアミ
ドフィルム、ポリイミドフィルム、セルローストリアセ
テートフィルムまたはポリカーボネートフィルム等)が
好ましく、本発明においては2軸延伸したポリエチレン
テレフタレートフィルムが特に好ましい。支持体の厚み
としては50〜300μm程度、好ましくは70〜18
0μmである。
【0231】本発明においては帯電性を改良するために
金属酸化物及び/または導電性ポリマー等の導電性化合
物を構成層中に含ませることができる。これらはいずれ
の層に含有させてもよいが、好ましくは下引層、バッキ
ング層、感光性層と下引の間の層等に含まれる。本発明
においては米国特許第5,244,773号カラム14
〜20に記載された導電性化合物が好ましく用いられ
る。
【0232】本発明の熱現像感光材料は支持体上に少な
くとも1層の感光層を有している。支持体の上に感光層
のみを形成してもよいが、感光層の上に少なくとも一層
の非感光層を形成するのが好ましい。例えば感光層の上
には保護層が、熱現像感光層を保護する目的で、又支持
体の反対の面には感光材料間の、或いは感光材料ロール
においてくっつきを防止するために、バックコート層が
設けられるのが好ましい。これらの保護層やバックコー
ト層に用いるバインダーとしては熱現像層よりもガラス
転位点が高く、擦り傷や変形の生じ難いポリマー、例え
ばセルロースアセテート、セルロースアセテートブチレ
ート等のポリマーが前記のバインダーの中から選ばれ
る。
【0233】本発明において、現像条件は使用する機
器、装置、或いは手段に依存して変化するが、典型的に
は適した高温に於いて像様に露光した熱現像感光材料を
加熱することを伴う。露光後に得られた潜像は、中程度
の高温(例えば、約80〜200℃、好ましくは約10
0〜200℃)で十分な時間(一般には約1秒〜約2分
間)、熱現像感光材料を加熱することにより現像するこ
とができる。
【0234】加熱温度が80℃以下では短時間に十分な
画像濃度が得られず、又200℃以上ではバインダーが
溶融し、ローラーへの転写等、画像そのものだけでなく
搬送性や、現像機等へも悪影響を及ぼす。加熱すること
で有機銀塩(酸化剤として機能する)と還元剤との間の
酸化還元反応により銀画像を生成する。この反応過程
は、外部からの水等の処理液の一切の供給なしに進行す
る。
【0235】加熱する機器、装置、或いは手段はホット
プレート、アイロン、ホットローラー、炭素または白色
チタン等を用いた熱発生器として典型的な加熱手段で行
ってよい。より好ましくは本発明に係わる保護層の設け
られた熱現像感光材料は、保護層を有する側の面を加熱
手段と接触させ加熱処理するのが、均一な加熱を行う上
で、又熱効率、作業性の点等から好ましく、該面をヒー
トローラに接触させながら搬送し加熱処理して現像する
ことが好ましい。
【0236】本発明の熱現像感光材料の露光は、赤外光
域ならば如何なる光源にも適用可能であるが、レーザパ
ワーがハイパワーであることや、感光材料を透明にでき
る等の点から、赤外半導体レーザ(780nm、820
nm)がより好ましく用いられる。
【0237】本発明において、露光はレーザ走査露光に
より行うことが好ましいが、感光材料の露光面と走査レ
ーザ光のなす角が実質的に垂直になることがないレーザ
走査露光機を用いることが好ましい。
【0238】ここで、「実質的に垂直になることがな
い」とはレーザ走査中に最も垂直に近い角度として好ま
しくは55〜88度、より好ましくは60〜86度、更
に好ましくは65〜84度、最も好ましくは70〜82
度であることをいう。
【0239】レーザ光が、感光材料に走査されるときの
感光材料露光面でのビームスポット直径は、好ましくは
200μm以下、より好ましくは100μm以下であ
る。これは、スポット径が小さい方がレーザ入射角度の
垂直からのずらし角度を減らせる点で好ましい。なお、
ビームスポット直径の下限は10μmである。このよう
なレーザ走査露光を行うことにより干渉縞様のムラの発
生等のような反射光に係る画質劣化を減じることができ
る。
【0240】また、本発明における露光は縦マルチであ
る走査レーザ光を発するレーザ走査露光機を用いて行う
ことも好ましい。縦単一モードの走査レーザ光に比べて
干渉縞様のムラの発生等の画質劣化が減少する。
【0241】縦マルチ化するには、合波による、戻り光
を利用する、高周波重畳をかける、等の方法がよい。な
お、縦マルチとは、露光波長が単一でないことを意味
し、通常露光波長の分布が5nm以上、好ましくは10
nm以上になるとよい。露光波長の分布の上限には特に
制限はないが、通常60nm程度である。
【0242】又、本発明においては熱現像感光材料が、
現像時において、溶剤を5〜1000mg/m2の範囲
で含有していることが好ましい。好ましくは、100〜
500mg/m2であるように調整することが必要であ
る。それにより高感度、低カブリ、最高濃度の高い感光
材料となる。
【0243】本発明において溶剤としては、例えば、ア
セトン、メチルエチルケトン、イソフォロン等のケトン
類、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコー
ル等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ヘキシレングリコール等のグリコール類、エチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル等のエーテルアルコール類、イ
ソプロピルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸
ブチル等のエステル類、塩化メチレン、ジクロルベンゼ
ン等の塩化物類、炭化水素類等が挙げられる。その他
水、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、トルイジ
ン、テトラヒドロフラン、酢酸等が挙げられる。但しこ
れらに限定されるものではない。又、これらの溶剤は、
単独、または、数種類組み合わせることができる。
【0244】尚、感光材料中の上記溶剤の含有量は塗布
工程後の乾燥工程等における温度条件等の条件変化によ
って調整できる。又、当該溶剤の含有量は含有させた溶
剤を検出するために適した条件下におけるガスクロマト
グラフィーで測定できる。
【0245】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されない。
【0246】実施例1 〔下引済み写真用支持体の作製〕市販の2軸延伸熱固定
済みの厚さ175μmの、光学濃度で0.170(コニ
カ株式会社製デンシトメータPDA−65にて測定)に
青色着色したPETフィルムの両面に8W/m2・分の
コロナ放電処理を施し、一方の面に下記下引塗布液a−
1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥させて
下引層A−1とし、また反対側の面に下記下引塗布液b
−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥させ
て下引層B−1とした。
【0247】 《下引塗布液a−1》 ブチルアクリレート(30質量%) t−ブチルアクリレート(20質量%) スチレン(25質量%) 2−ヒドロキシエチルアクリレート(25質量%) の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g C−1 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g 水で1Lに仕上げる 《下引塗布液b−1》 ブチルアクリレート(40質量%) スチレン(20質量%) グリシジルアクリレート(40質量%) の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g C−1 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g 水で1Lに仕上げる 引き続き、下引層A−1及び下引層B−1の上表面に、
8W/m2・分のコロナ放電を施し、下引層A−1の上
には、下記下引上層塗布液a−2を乾燥膜厚0.1μm
になる様に下引上層A−2として、下引層B−1の上に
は下記下引上層塗布液b−2を乾燥膜厚0.8μmにな
る様に帯電防止機能をもつ下引上層B−2として塗設し
た。
【0248】 《下引上層塗布液a−2》 ゼラチン 0.4g/m2になる質量 C−1 0.2g C−2 0.2g C−3 0.1g シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.1g 水で1Lに仕上げる 《下引上層塗布液b−2》 C−4 60g C−5を成分とするラテックス液(固形分20%) 80g 硫酸アンモニウム 0.5g C−6 12g ポリエチレングリコール(質量平均分子量600) 6g 水で1Lに仕上げる
【0249】
【化63】
【0250】
【化64】
【0251】《バック面側塗布》メチルエチルケトン
(MEK)830gを攪拌しながら、セルロースアセテ
ートブチレート(EastmanChemical社、
CAB381−20)84.2g及びポリエステル樹脂
(Bostic社、VitelPE2200B)4.5
gを添加し、溶解した。次に、溶解した液に、0.30
gの赤外染料1を添加し、さらにメタノール43.2g
に溶解したF系活性剤(旭硝子社、サーフロンKH4
0)4.5gとF系活性剤(大日本インク社、メガファ
ッグF120K)2.3gを添加して、溶解するまで十
分に攪拌を行った。最後に、メチルエチルケトンに1質
量%の濃度でディゾルバー型ホモジナイザーにて分散し
たシリカ(W.R.Grace社、シロイド64X60
00)を75g添加、攪拌しバック面側用の塗布液を調
製した。
【0252】
【化65】
【0253】このように調製したバック面塗布液を、前
記下引済み支持体のB−2層上に乾燥膜厚が3.5μm
になるように押し出しコーターにて塗布、乾燥を行っ
た。乾燥温度100℃、露天温度10℃の乾燥風を用い
て5分間かけて乾燥した。
【0254】 〔感光材料の作製〕 《感光性ハロゲン化銀乳剤Aの調製》 A1 フェニルカルバモイル化ゼラチン 88.3g 化合物(A)(10%メタノール水溶液) 10ml 臭化カリウム 0.32g 水で5429mlに仕上げる B1 0.67mol/L硝酸銀水溶液 2635ml C1 臭化カリウム 51.55g 沃化カリウム 1.47g 水で660mlに仕上げる D1 臭化カリウム 154.9g 沃化カリウム 4.41g 塩化イリジウム(1%溶液) 0.93ml 水で1982mlに仕上げる E1 0.4mol/L臭化カリウム水溶液 下記銀電位制御量 F1 水酸化カリウム 0.71g 水で20mlに仕上げる G1 56%酢酸水溶液 18.0ml H1 無水炭酸ナトリウム 1.72g 水で151mlに仕上げる 化合物(A):HO(CH2CH2O)n−(CH(C
3)CH2O)17−(CH2CH2O)mH (m+n=5〜7) 特公昭58−58288号、同58−58289号に示
される混合攪拌機を用いて溶液(A1)に溶液(B1)
の1/4量及び溶液(C1)全量を温度45℃、pAg
8.09に制御しながら、同時混合法により4分45秒
を要して添加し、核形成を行った。1分後、溶液(F
1)の全量を添加した。この間pAgの調整を(E1)
を用いて適宜行った。6分間経過後、溶液(B1)の3
/4量及び溶液(D1)の全量を、温度45℃、pAg
8.09に制御しながら、同時混合法により14分15
秒かけて添加した。5分間攪拌した後、40℃に降温
し、溶液(G1)を全量添加し、ハロゲン化銀乳剤を沈
降させた。沈降部分2000mlを残して上澄み液を取
り除き、水を10リットル加え、攪拌後、再度ハロゲン
化銀乳剤を沈降させた。沈降部分1500mlを残し、
上澄み液を取り除き、更に水を10リットル加え、攪拌
後、ハロゲン化銀乳剤を沈降させた。沈降部分1500
mlを残し、上澄み液を取り除いた後、溶液(H1)を
加え、60℃に昇温し、更に120分攪拌した。最後に
pHが5.8になるように調整し、銀量1モル当たり1
161gになるように水を添加し、感光性ハロゲン化銀
乳剤Aを得た。
【0255】この乳剤は平均粒子サイズ0.058μ
m、粒子サイズの変動係数12%、〔100〕面比率9
2%の単分散立方体沃臭化銀粒子であった。
【0256】《粉末有機銀塩Aの調製》4720mlの
純水にベヘン酸130.8g、アラキジン酸67.7
g、ステアリン酸43.6g、パルミチン酸2.3gを
80℃で溶解した。次に1.5mol/Lの水酸化ナト
リウム水溶液540.2mlを添加し濃硝酸20mlを
加えた後、55℃に冷却して脂肪酸ナトリウム溶液を得
た。上記の脂肪酸ナトリウム溶液の温度を55℃に保っ
たまま、45.3gの上記の感光性ハロゲン化銀乳剤A
と純水450mlを添加し5分間攪拌した。
【0257】次に1mol/Lの硝酸銀溶液468.4
mlを2分間かけて添加し、10分間攪拌し有機銀塩分
散物を得た。その後、得られた有機銀塩分散物を水洗容
器に移し、脱イオン水を加えて攪拌後、静置させて有機
銀塩分散物を浮上分離させ、下方の水溶性塩類を除去し
た。その後、排水の電導度が2μS/cmになるまで脱
イオン水による水洗、排水を繰り返し、遠心脱水を実施
した後、得られたケーキ状の有機銀塩を、気流式乾燥機
フラッシュジェットドライヤー(株式会社セイシン企業
製)を用いて、窒素ガス雰囲気及び乾燥機入り口熱風温
度の運転条件により含水率が0.1%になるまで乾燥し
て有機銀塩の乾燥済み粉末有機銀塩Aを得た。
【0258】なお、有機銀塩組成物の含水率測定には赤
外線水分計を使用した。 《粉末有機銀塩Bの調製》4720mlの純水にベヘン
酸130.8g、アラキジン酸67.7g、ステアリン
酸43.6g、パルミチン酸2.3gを80℃で溶解し
た。次に1.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液5
40.2mlを添加し濃硝酸6.9mlを加えた後、5
5℃に冷却して脂肪酸ナトリウム溶液を得た。上記の脂
肪酸ナトリウム溶液の温度を55℃に保ったまま、4
5.3gの上記の感光性ハロゲン化銀乳剤Aと純水45
0mlを添加し5分間攪拌した。
【0259】次に1mol/Lの硝酸銀溶液702.6
mlを2分間かけて添加し、10分間攪拌し有機銀塩分
散物を得た。以下粉末有機銀塩Aを調製するのと同様に
して粉末有機銀塩Bを得た。
【0260】《粉末有機銀塩Cの調製》4720mlの
純水にベヘン酸217.6g、アラキジン酸28.2
g、ステアリン酸6.4gを90℃で溶解した。次に4
mol/LのNaOH93.3mlを添加し40℃に冷
却して脂肪酸ナトリウム溶液を得た。上記脂肪酸ナトリ
ウム溶液を40℃に保ったまま45.3gの感光性ハロ
ゲン化銀乳剤Aと純水450mlを添加し5分間攪拌し
た。以下粉末有機銀塩Aを調製するのと同様にして粉末
有機銀塩Cを得た。
【0261】《予備分散液Aの調製》ポリビニルブチラ
ール粉末(Monsanto社製、Butvar B−
79)14.57gをメチルエチルケトン1457gに
溶解し、VMA−GETZMANN社製ディゾルバーD
ISPERMAT CA−40M型にて攪拌しながら粉
末有機銀塩A500gを徐々に添加して十分に混合する
ことにより予備分散液Aを調製した。
【0262】《予備分散液B及びCの調製》粉末有機銀
塩Aを粉末有機銀塩B及びCにかえた以外は予備分散液
Aを調製するのと同様にして予備分散液B及びCを調製
した。
【0263】《感光性乳剤分散液1の調製》予備分散液
Aをポンプを用いてミル内滞留時間が10分間となるよ
うに、0.5mm径のジルコニアビーズ(東レ製トレセ
ラム)を内容積の80%充填したメディア型分散機DI
SPERMAT SL−C12EX型(VMA−GET
ZMANN社製)に供給し、ミル周速13m/sにて分
散を行なうことにより感光性乳剤分散液1を調製した。
【0264】《感光性乳剤分散液2の調製》予備分散液
Bをミル内滞留時間が3分間となるように、感光性乳剤
分散液1の調製に使用した分散機に供給し、ミル周速1
3m/sにて分散を行ない、感光性乳剤分散液2を調製
した。
【0265】《感光性乳剤分散液3の調製》予備分散液
Bをミル内滞留時間が1.5分間となるように、感光性
乳剤分散液1の調製に使用した分散機に供給し、ミル周
速8m/sにて分散を行ない、感光性乳剤分散液3を調
製した。
【0266】《感光性乳剤分散液4の調製》予備分散液
Cをミル内滞留時間が3分間となるように、感光性乳剤
分散液1の調製に使用した分散機に供給し、ミル周速8
m/sにて分散を行ない、感光性乳剤分散液4を調製し
た。
【0267】《安定剤液の調製》1.0gの安定剤1、
0.31gの酢酸カリウムをメタノール4.97gに溶
解し安定剤液を調製した。
【0268】《赤外増感色素液の調製》19.2mgの
赤外増感色素1、1.488gの2−クロロ−安息香
酸、2.779gの安定剤2及び365mgの5−メチ
ル−2−メルカプトベンズイミダゾールを31.3ml
のMEKに暗所にて溶解し赤外増感色素液を調製した。
【0269】《添加液aの調製》現像剤としての1,1
−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)
−2−メチルプロパンを27.98gと1.54gの4
−メチルフタル酸、0.48gの前記赤外染料1をME
K110gに溶解し添加液aとした。
【0270】《添加液bの調製》3.56gのカブリ防
止剤2、3.43gのフタラジンをMEK40.9gに
溶解し添加液bとした。
【0271】《感光層塗布液の調製》不活性気体雰囲気
下(窒素97%)において、前記感光性乳剤分散液1
(50g)及びMEK15.11gを攪拌しながら21
℃に保温し、表1に記載の有機増感剤(0.5%メタノ
ール溶液)1000μlを加え、2分後にカブリ防止剤
1(10%メタノール溶液)390μlを加え、1時間
攪拌した。さらに臭化カルシウム(10%メタノール溶
液)494μlを添加して30分撹拌した。続いて、安
定剤液167mlを添加して10分間攪拌した後、1.
32gの前記赤外増感色素液を添加して1時間攪拌し
た。その後、温度を13℃まで降温してさらに30分攪
拌した。13℃に保温したまま、ポリビニルブチラール
(Monsanto社 Butvar B−79)1
3.31gを添加して30分攪拌した後、テトラクロロ
フタル酸(9.4質量%MEK溶液)1.084gを添
加して15分間攪拌した。さらに攪拌を続けながら、1
2.43gの添加液a、1.6mlのDesmodur
N3300(モーベイ社製の脂肪族イソシアネート10
%MEK溶液)、4.27gの添加液b及び表1に記載
の画像安定化剤を順次添加し攪拌することにより感光層
塗布液を得た。
【0272】《マット剤分散液の調製》セルロースアセ
テートブチレート(Eastman Chemical
社、7.5gのCAB171−15)をMEK42.5
gに溶解し、その中に、炭酸カルシウム(Specia
lity Minerals社、Super−Pfle
x200)5gを添加し、ディゾルバー型ホモジナイザ
ーにて8000rpmで30min分散しマット剤分散
液を調製した。
【0273】《表面保護層塗布液の調製》MEK(メチ
ルエチルケトン)865gを攪拌しながら、セルロース
アセテートブチレート(Eastman Chemic
al社、CAB171−15)を96g、ポリメチルメ
タクリル酸(ローム&ハース社、パラロイドA−21)
を4.5g、ビニルスルホン化合物(VSC)を1.5
g、ベンズトリアゾールを1.0g、F系活性剤(旭硝
子社、サーフロンKH40)を1.0g、添加し溶解し
た。次に上記マット剤分散液30gを添加して攪拌し、
表面保護層塗布液を調製した。
【0274】
【化66】
【0275】《感光材料の作製》前記感光層塗布液と表
面保護層塗布液を、前記バック面塗布の逆面に押し出し
コーターを用いて同時に重層塗布することにより感光材
料101を作製した。塗布は、感光層は塗布銀量1.5
g/m2、表面保護層は乾燥膜厚で2.5μmになる様
にして行った。その後、乾燥温度75℃、露点温度10
℃の乾燥風を用いて、10分間乾燥を行った。
【0276】次いで、感光性乳剤分散液1の代わりに、
上記記載の感光性乳剤分散液2〜4を各々用いる以外
は、感光材料101の作製と同様にして、感光材料10
2〜114を作製した。
【0277】〔評価〕 《有機銀塩の粒径と厚さの測定》分散後の有機銀塩を希
釈してカーボン支持膜付きグリッド上に分散し、透過型
電子顕微鏡(日本電子製、2000FX型)を用いて直
接倍率5000倍で撮影し、スキャナーにてネガをデジ
タル画像として取り込み、画像処理装置LUZEXIII
(ニコレ社製)を用いて300個の粒径を測定し、この
平均値を求めた。
【0278】次に厚さを求めるため、支持体上に塗布さ
れた感光性層を接着剤によりホルダーに貼り付け、支持
体面と垂直な方向にダイヤモンドナイフを用いて厚さ
0.1〜0.2μmの超薄切片を作製した。超薄切片を
銅メッシュに支持させ、グロー放電により親水化された
カーボン膜上に移し液体窒素により−130℃以下に冷
却しながら上記透過型電子顕微鏡を用いて、倍率5,0
00〜40,000で明視野像を観察し画像をフィルム
に記録した。この画像を画像処理装置LUZEXIII
(ニコレ社製)を用いて300個の厚さを測定し、この
平均値を求めた。
【0279】《露光及び現像処理》上記のように作製し
た感光材料の乳剤面側から、高周波重畳にて波長800
nm〜820nmの縦マルチモード化された半導体レー
ザを露光源とした露光機によりレーザ走査による露光を
与えた。この際に、感光材料の露光面と露光レーザ光の
角度を75度として画像を形成した。(なお、当該角度
を90度とした場合に比べムラが少なく、かつ予想外に
鮮鋭性等が良好な画像が得られた。)その後、ヒートド
ラムを有する自動現像機を用いて感光材料の保護層とド
ラム表面が接触するようにして、110℃で15秒熱現
像処理した。その際、露光及び現像は23℃、50%R
Hに調湿した部屋で行った。得られた画像を濃度計によ
り測定し、感度(未露光部分よりも1.0高い濃度を与
える露光量の比の逆数)及びカブリを評価した。感度は
感光材料101の感度を100とする相対値で示した。
【0280】《画像保存性の評価》写真性能の評価と同
様に保存条件A下で10日放置後現像処理をした感光材
料を更に25℃、55%RHで7日間蛍光灯下に放置し
た後、色調を観察し、下記基準に基づき評価した。これ
も表1に示した。
【0281】 ランク 評価基準 5 全く問題ない色調 4 実技上問題の無い色調 3 僅かに黄色味を帯びているが、問題ない色調 2 不快な色調であり、問題となる可能性がある色調 1 明らかに顕著な変化が認められ、実技上問題となる色調 《フィルム中の溶媒含有量の測定》フィルム面積として
46.3cm2を切り出し、これを5mm程度に細かく
刻んで専用バイアル瓶に収納しセプタムとアルミキャッ
プで密閉した後、ヒューレット・パッカード社製ヘッド
スペースサンプラーHP7694型にセットした。
【0282】ヘッドスペースサンプラーと接続したガス
クロマトグラフィー(GC)は検出器として水素炎イオ
ン化検出器(FID)を装着したヒューレット・パッカ
ード社製5971型を使用した。主な測定条件は下記の
とおりである。
【0283】ヘッドスペースサンプラー加熱条件:12
0℃、20分 GC導入温度:150℃ カラム:J&W社製 DB−624 昇温:45℃、3分保持→100℃(8℃/分) 上記の測定条件を用いてガスクロマトグラムを得た。測
定対象溶媒はMEK、メタノールとし、左記溶媒の各々
ブタノールにて希釈された一定量を専用バイアル瓶に収
納した後、上記と同様に測定して得られたクロマトグラ
ムのピーク面積を用いて作成した検量線を使用してフィ
ルム試料中の溶媒含有量を得た。
【0284】
【表1】
【0285】なお、本実験で用いた感光材料試料が全て
溶媒含有量が実質的にほぼ同一と見なせる量であり、写
真性能に対する影響も実質的に相違がない領域内であっ
た。
【0286】表1から明らかなように、本発明に係る感
光材料は、比較の感光材料に比べ、高感度でありなが
ら、カブリが低く、未現像感光材料の経時保存性が優れ
ているが、特に、カルコゲン原子を含有する有機増感剤
を用いた系で感度に優れ、画像安定剤を用いた系で画像
安定性に優れている。
【0287】実施例2 表2に記載の感光性乳剤分散液、カルコゲン原子を含有
する増感剤、画像安定化剤、省銀化剤(添加は調液最
後)を変化させて感光層塗布液の調製を行い、銀量を
1.0g/mにすること以外、実施例1と同様にして感
光材料試料201〜208を作製した。評価の結果を表
3に示す。
【0288】《カバリングパワーの測定》上記のように
作製した感光材料の最高濃度を塗布銀量で割った値をカ
バリングパワーという。感光材料201の値を100と
したときの相対値を表3に示した。
【0289】
【表2】
【0290】
【表3】
【0291】表2、3から明らかなように、本発明に係
る感光材料は、比較の感光材料に比べ、高感度でありな
がら、カブリが低く、未現像感光材料の経時保存性が優
れているが、特に、省銀化剤を用いた系でカバリングパ
ワーが向上している。
【0292】
【発明の効果】高感度、高カバリングパワーでありなが
ら、熱現像後における銀画像の安定性に優れた熱現像感
光材料、画像記録方法及び画像形成方法を提供すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 1/74 351 G03C 1/74 351 1/76 351 1/76 351 5/08 351 5/08 351

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機銀塩粒子、感光性ハロゲン化銀粒子
    及び有機溶媒を含有する感光性乳剤において、該有機銀
    塩粒子の平均厚さが0.005〜0.05μmであり、
    かつ平均粒径が0.05〜0.5μmであることを特徴
    とする感光性乳剤。
  2. 【請求項2】 平均厚さが0.005〜0.05μmで
    あり、かつ平均粒径が0.05〜0.5μmである有機
    銀塩粒子、感光性ハロゲン化銀粒子及び該有機銀塩の銀
    イオンを銀に還元し得る還元剤を含有する感光性層を有
    し、かつ感光性層中の総銀量が1.7g/m2以下であ
    ることを特徴とする熱現像感光材料。
  3. 【請求項3】 紫外光または可視光に露光することで、
    銀を酸化し得る反応活性種を発生する、または還元剤を
    不活性化し有機銀塩の銀イオンを銀に還元できないよう
    にすることができる反応活性種を発生する化合物を少な
    くとも2種含有することを特徴とする請求項2に記載の
    熱現像感光材料。
  4. 【請求項4】 感光性ハロゲン化銀粒子がカルコゲン原
    子を含有する有機増感剤を用いてカルコゲン増感を施さ
    れたことを特徴とする請求項2または3に記載の熱現像
    感光材料。
  5. 【請求項5】 カルコゲン原子を含有する有機増感剤が
    ハロゲン化銀粒子へ吸着可能な基とカルコゲン原子部位
    を有する化合物であることを特徴とする請求項4に記載
    の熱現像感光材料。
  6. 【請求項6】 有機増感剤のカルコゲン原子が炭素原子
    またはリン原子と二重結合で結合している構造を有する
    化合物であることを特徴とする請求項4または5に記載
    の熱現像感光材料。
  7. 【請求項7】 有機銀塩が少なくとも2種類の有機酸の
    銀塩の混合物であることを特徴とする請求項2〜6のい
    ずれか1項に記載の熱現像感光材料。
  8. 【請求項8】 反応活性種がハロゲン原子または複数の
    原子からなる有機フリーラジカルであることを特徴とす
    る請求項3〜7のいずれか1項に記載の熱現像感光材
    料。
  9. 【請求項9】 ハロゲン原子以外の反応活性種を発生す
    る化合物が炭素環式または複素環式の芳香族基を有する
    ことを特徴とする請求項3〜8のいずれか1項に記載の
    熱現像感光材料。
  10. 【請求項10】 平均厚さが0.005〜0.05μm
    であり、かつ平均粒径が0.05〜0.5μmである有
    機銀塩粒子、感光性ハロゲン化銀粒子、有機溶媒を含有
    する感光性乳剤及び該有機銀塩の銀イオンを銀に還元し
    得る還元剤、及び省銀化剤(銀被覆力向上剤)を含有す
    ることを特徴とする熱現像感光材料。
  11. 【請求項11】 省銀化剤(銀被覆力向上剤)を含有す
    ることを特徴とする請求項2〜9のいずれか1項に記載
    の熱現像感光材料。
  12. 【請求項12】 請求項2〜11のいずれか1項に記載
    の熱現像感光材料に、該熱現像感光材料と走査レーザ光
    のなす角度が実質的に垂直になることがないレーザ露光
    装置を用いて露光することを特徴とする画像記録方法。
  13. 【請求項13】 請求項2〜11のいずれか1項に記載
    の熱現像感光材料に画像を記録する際、走査レーザ光が
    縦マルチである走査レーザ露光装置を用いて露光を行う
    ことを特徴とする画像記録方法。
  14. 【請求項14】 請求項2〜11のいずれか1項に記載
    の熱現像感光材料が有機溶媒を熱現像感光材料1m2
    たり5〜1000mg含有している状態において熱現像
    することを特徴とする画像形成方法。
  15. 【請求項15】 請求項2〜11のいずれか1項に記載
    の熱現像感光材料が保護層を有し、保護層を有する面と
    加熱されたドラムを接触させることにより熱現像を行う
    ことを特徴とする画像形成方法。
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