JP2003029370A - 熱現像写真感光材料およびその製造方法、画像形成方法 - Google Patents

熱現像写真感光材料およびその製造方法、画像形成方法

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JP2003029370A
JP2003029370A JP2001210772A JP2001210772A JP2003029370A JP 2003029370 A JP2003029370 A JP 2003029370A JP 2001210772 A JP2001210772 A JP 2001210772A JP 2001210772 A JP2001210772 A JP 2001210772A JP 2003029370 A JP2003029370 A JP 2003029370A
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Takuji Hasegawa
拓治 長谷川
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Konica Minolta Inc
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高画質で塗布性が良好な熱現像写真感光材料
でありながら、熱現像後における銀画像の安定性に優れ
た熱現像写真感光材料及びその製造方法、画像形成方法
を提供すること。 【解決手段】 少なくとも有機銀塩、感光性ハロゲン化
銀、還元剤及びバインダーを含有する組成物を塗布して
なる感光層に隣接し、且つ支持体に近い位置に紫外光又
は可視光に露光することで銀を酸化し得る反応活性種を
発生する化合物を含有する層を有することを特徴とする
熱現像写真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高画質で塗布性が良
好で、且つ現像後の銀画像の保存性に優れた熱現像写真
感光材料(以下、感光材料とも言う)に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、医療や印刷製版の分野では、画像
形成材料の湿式処理に伴う廃液が、作業性の上で問題と
なっており、近年では環境保全、省スペースの観点から
も処理廃液の減量が強く望まれている。
【0003】そこで、レーザー・イメージャーやレーザ
ー・イメージセッターにより効率的な露光が可能で、高
解像度で鮮明な黒色画像形成することができる写真技術
用途の光熱写真材料に関する技術が必要とされている。
【0004】かかる技術として、例えば米国特許第3,
152,904号、同3,487,075号及びD.モ
ーガン(Morgan)による「ドライシルバー写真材
料(Dry Silver Photographic
Materials)」(Handbook of
Imaging Materials,MarcelD
ekker,Inc.第48頁、1991)等に記載さ
れているように、支持体上に有機銀塩、感光性ハロゲン
化銀及び還元剤を含有する熱現像写真感光材料が知られ
ている。この熱現像写真感光材料では溶液系処理薬品を
一切使用しないため、より簡便で環境を損なわないシス
テムをユーザーに提供することができる。
【0005】ところでこれらの熱現像写真感光材料は感
光層中に設置された感光性ハロゲン化銀粒子を光センサ
ーとし、有機銀塩を銀イオンの供給源とし、内蔵された
還元剤によって通常80〜140℃で熱現像することで
画像を形成させ、定着を行わないことが特徴である。そ
のため、ハロゲン化銀へのスムーズな銀イオン供給と光
散乱による透明感の低下防止を両立させるべく、有機銀
塩粒子の形状改良に多くの努力が払われてきた。
【0006】しかしながら、上記の目的に対し、分散機
等を用いて高いエネルギーで分散及び/又は粉砕するな
どして単純に微粒化しようという試みに対しては、ハロ
ゲン化銀粒子や有機銀塩粒子の損傷によってカブリが上
昇し、感度が低下するほか、画質が劣化するなどという
問題が発生するため、銀量を増加させることなく高い光
感度、画像濃度が得られ、且つカブリも低下させる技術
が求められていた。
【0007】また熱現像写真感光材料の製造において
は、ハロゲン化銀粒子や有機銀塩粒子の損傷や熱現像中
のカブリ上昇を抑えるため、通常5g/m2以上のバイ
ンダーが必要となり、更に塗布時の乾燥負荷を軽減する
ために、通常100mPa・s以上の塗布液粘度で塗布
する必要がある。複数の塗布液を積層させて塗布するエ
クストルージョン型ダイコーターを用いる同時重層塗布
方式では、支持体や支持体搬送ロールについたゴミなど
の異物による凹凸によって、画像濃度が部分的に白く抜
ける故障等が発生しやすい。
【0008】改良する手段としてスライド塗布方式が有
効であることがわかったが、前記のような比較的高粘度
塗布液を塗布する際、支持体側に最も近い層に低粘度塗
布液層(スリップ層)が必要となる。スリップ層は低粘
度液である必要があり、単純に溶剤層を下層に設けると
ウエット膜厚が上昇し、塗布性劣化(乾燥ムラ)が生じ
る。ウエット膜厚の上昇を抑えるために種々の添加剤を
下層に含有させようとした場合、写真性能上問題が生じ
てしまう。
【0009】一方、熱現像写真感光材料においては、有
機銀塩、感光性ハロゲン化銀及び還元剤を含有するた
め、熱現像前の保存期間及び熱現像時にカブリが生じ易
いばかりでなく、熱現像処理後の保存期間にもカブリ又
は光分解銀(プリントアウト銀)が生じやすい問題があ
る。特に該感光材料では、露光後、通常80〜250℃
で熱現像するだけで定着を行わないため、未露光部に残
ったハロゲン化銀、有機銀塩及び還元剤が併存する条件
下での長期間保存において、熱や光により銀画像が変色
することが問題であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は上記
の事情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は高
画質で塗布性が良好な熱現像写真感光材料でありなが
ら、熱現像後における銀画像の安定性に優れた熱現像写
真感光材料及びその製造方法、画像形成方法を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は以下
の手段により達成される。
【0012】1)少なくとも有機銀塩、感光性ハロゲン
化銀、還元剤及びバインダーを含有する組成物を塗布し
てなる感光層に隣接し、且つ支持体に近い位置に紫外光
又は可視光に露光することで銀を酸化し得る反応活性種
を発生する化合物を含有する層を有することを特徴とす
る熱現像写真感光材料。
【0013】2)前記1)に記載の熱現像写真感光材料
に対し、省銀化剤を更に含有することを特徴とする熱現
像写真感光材料。
【0014】3)紫外光又は可視光に露光することで銀
を酸化し得る反応活性種を発生する化合物がハロゲン原
子を含む反応活性種として放出できる化合物であること
を特徴とする前記1)又は2)に記載の熱現像写真感光
材料。
【0015】4)紫外光又は可視光に露光することで銀
を酸化し得る反応活性種を発生する化合物が前記一般式
(1)で表される化合物であることを特徴とする前記
1)又は2)に記載の熱現像写真感光材料。
【0016】5)前記1)〜4)のいずれか1項に記載
の熱現像写真感光材料の製造において、紫外光又は可視
光に露光することで銀を酸化し得る反応活性種を発生す
る化合物を含有する層が塗布液粘度5〜50mPa・s
で塗布されることを特徴とする熱現像写真感光材料の製
造方法。
【0017】6)前記1)〜4)のいずれか1項に記載
の熱現像写真感光材料の製造において、スライドコーテ
ィング方式で塗布されることを特徴とする熱現像写真感
光材料の製造方法。
【0018】7)前記1)〜4)のいずれか1項に記載
の熱現像写真感光材料が80℃以上、250℃以下で加
熱することにより現像されることを特徴とする画像形成
方法。
【0019】8)前記1)〜4)のいずれか1項に記載
の熱現像写真感光材料が露光面と走査レーザー光のなす
角度が実質的に垂直になることがないレーザー走査露光
機で露光されることを特徴とする画像形成方法。
【0020】9)走査レーザー光が縦マルチであるレー
ザー走査露光機による露光であることを特徴とする前記
8)に記載の画像形成方法。
【0021】10)前記1)〜4)のいずれか1項に記
載の熱現像写真感光材料が、塗布乾燥した後の残存溶剤
量が5〜500mg/m2である状態において、加熱現
像されることを特徴とする画像形成方法。
【0022】以下、本発明を詳述する。本発明において
有機銀塩は還元可能な銀源であり、還元可能な銀イオン
源を含有する有機酸及びヘテロ有機酸の銀塩、特に長鎖
(10〜30、好ましくは15〜25の炭素原子数)の
脂肪族カルボン酸及び含窒素複素環が好ましい。配位子
が、4.0〜10.0の銀イオンに対する総安定定数を
有する有機又は無機の銀塩錯体も有用である。好適な銀
塩の例は、Research Disclosure1
7029及び29963に記載されており、次のものが
ある:有機酸の塩(例えば、没食子酸、シュウ酸、ベヘ
ン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラ
ウリン酸等の塩);銀のカルボキシアルキルチオ尿素塩
(例えば、1−(3−カルボキシプロピル)チオ尿素、
1−(3−カルボキシプロピル)−3,3−ジメチルチ
オ尿素等);アルデヒドとヒドロキシ置換芳香族カルボ
ン酸とのポリマー反応生成物の銀錯体例えば、アルデヒ
ド類(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルア
ルデヒド等)、ヒドロキシ置換酸類(例えば、サリチル
酸、安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、5,5
−チオジサリチル酸)、チオン類の銀塩又は錯体例え
ば、3−(2−カルボキシエチル)−4−ヒドロキシメ
チル−4−(チアゾリン−2−チオン)、及び3−カル
ボキシメチル−4−(チアゾリン−2−チオン)、イミ
ダゾール、ピラゾール、ウラゾール、1,2,4−チア
ゾール及び1H−テトラゾール、3−アミノ−5−ベン
ジルチオ−1,2,4−トリアゾール及びベンゾトリア
ゾールから選択される窒素酸と銀との錯体または塩;サ
ッカリン、5−クロロサリチルアルドキシム等の銀塩;
及びメルカプチド類の銀塩。好ましい銀源はベヘン酸
銀、アラキジン酸銀および/またはステアリン酸銀であ
る。
【0023】有機銀塩化合物は、水溶性銀化合物と銀と
錯形成する化合物を混合することにより得られるが、正
混合法、逆混合法、同時混合法、特開平9−12764
3号に記載されている様なコントロールドダブルジェッ
ト法等が好ましく用いられる。例えば、有機酸にアルカ
リ金属塩(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
など)を加えて有機酸アルカリ金属塩ソープ(例えば、
ベヘン酸ナトリウム、アラキジン酸ナトリウムなど)を
作製した後に、コントロールドダブルジェットにより、
前記ソープと硝酸銀などを添加して有機銀塩の結晶を作
製する。その際にハロゲン化銀粒子を混在させてもよ
い。
【0024】本発明の熱現像写真感光材料に使用される
感光性ハロゲン化銀は、シングルジェットもしくはダブ
ルジェット法などの写真技術の分野で公知の任意の方法
により、例えばアンモニア法乳剤、中性法、酸性法等の
いずれかの方法でも調製できる。この様に予め調製し、
次いで本発明の他の成分と混合して本発明に用いる組成
物中に導入することが出来る。この場合に感光性ハロゲ
ン化銀と有機銀塩の接触を充分に行わせるため、例えば
感光性ハロゲン化銀を調製するときの保護ポリマーとし
て米国特許第3,706,564号、同3,706,5
65号、同3,713,833号、同3,748,14
3号、英国特許第1,362,970号に記載されたポ
リビニルアセタール類などのゼラチン以外のポリマーを
用いる手段や、英国特許第1,354,186号に記載
されているような感光性ハロゲン化銀乳剤のゼラチンを
酵素分解する手段、又は米国特許第4,076,539
号に記載されているように感光性ハロゲン化銀粒子を界
面活性剤の存在下で調製することによって、保護ポリマ
ーの使用を省略する手段等の各手段を適用することが出
来る。
【0025】ハロゲン化銀は、光センサーとして機能す
るものであり、画像形成後の白濁を低く抑える為、又良
好な画質を得るために粒子サイズが小さいものが好まし
い。平均粒子サイズで0.1μm以下、好ましくは0.
01〜0.1μm、特に0.02〜0.08μmが好ま
しい。ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子が
立方体或いは八面体のいわゆる正常晶である場合には、
ハロゲン化銀粒子の稜の長さをいう。又、正常晶でない
場合、例えば球状、棒状、或いは平板状の粒子の場合に
は、ハロゲン化銀粒子の体積と同等な球を考えたときの
直径をいう。ハロゲン化銀は単分散であることが好まし
い。ここでいう単分散とは、下記式で求められる分散度
が40%以下をいう。更に好ましくは30%以下であ
り、特に好ましくは0.1%以上、25%以下となる粒
子である。
【0026】分散度(%)=(粒径の標準偏差)/(粒
径の平均値)×100 本発明に於いては、ハロゲン化銀粒子が平均粒径0.1
μm以下で、かつ単分散粒子であることがより好まし
く、この範囲にすることで画像の粒状性も向上する。
【0027】又、ハロゲン化銀の形状としては特に制限
はなく、立方体、八面体の所謂正常晶や正常晶でない球
状、棒状、平板状等の粒子がある。又ハロゲン化銀組成
としても特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化
銀、臭化銀、沃臭化銀、沃化銀のいずれであってもよ
い。ハロゲン化銀の量はハロゲン化銀及び後述の有機銀
塩の総量に対し50%以下、好ましくは25%〜0.1
%、更に好ましくは15%〜0.1%の間である。
【0028】本発明の熱現像写真感光材料に使用される
感光性ハロゲン化銀は、又、英国特許第1,447,4
54号に記載されている様に、有機銀塩を調製する際に
ハライドイオン等のハロゲン成分を有機銀塩形成成分と
共存させこれに銀イオンを注入する事で有機銀塩の生成
とほぼ同時に生成させることが出来る。
【0029】更に他の方法としては、予め調製された有
機銀塩の溶液もしくは分散液、又は有機銀塩を含むシー
ト材料にハロゲン化銀形成成分を作用させて、有機銀塩
の一部を感光性ハロゲン化銀に変換することもできる。
このようにして形成されたハロゲン化銀は有機銀塩と有
効に接触しており好ましい作用を呈する。ハロゲン化銀
形成成分とは有機銀塩と反応して感光性ハロゲン化銀を
生成しうる化合物であり、どのような化合物がこれに該
当し有効であるかは次のごとき簡単な試験で判別する事
が出来る。即ち、有機銀塩と試験されるべき化合物を混
入し、必要ならば加熱した後にX線回折法によりハロゲ
ン化銀に特有のピークがあるかを調べるものである。か
かる試験によって有効であることが確かめられたハロゲ
ン化銀形成成分としては、無機ハロゲン化物、オニウム
ハライド類、ハロゲン化炭化水素類、N−ハロゲン化合
物、その他の含ハロゲン化合物があり、その具体例につ
いては米国特許第4,009,039号、同3,45
7,075号、同4,003,749号、英国特許第
1,498,956号及び特開昭53−27027号、
同53−25420号に詳説されるが以下にその一例を
示す。 (1)無機ハロゲン化物:例えば、MXnで表されるハ
ロゲン化物(ここでMはH、NH4及び金属原子を表
し、nはMがH及びNH4の時は1を、Mが金属原子の
時はその原子価を表す。金属原子としては、リチウム、
ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、カル
シウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、カドミウ
ム、水銀、錫、アンチモン、クロム、マンガン、鉄、コ
バルト、ニッケル、ロジウム、セリウム等がある)。
又、臭素水などのハロゲン分子も有効である。 (2)オニウムハライド類:例えば、トリメチルフェニ
ルアンモニウムブロマイド、セチルエチルジメチルアン
モニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウム
ブロマイドの様な第4級アンモニウムハライド、テトラ
エチルフォスフォニウムブロマイドの様な第4級フォス
フォニウムハライド、トリメチルスルフォニウムアイオ
ダイドの様な第3級スルフォニウムハライドがある。 (3)ハロゲン化炭化水素類:例えば、ヨードフォル
ム、ブロモフォルム、四塩化炭素、2−ブロム−2−メ
チルプロパン等。 (4)N−ハロゲン化合物:例えば、N−クロロ琥珀酸
イミド、N−ブロム琥珀酸イミド、N−ブロムフタルイ
ミド、N−ブロムアセトアミド、N−ヨード琥珀酸イミ
ド、N−ブロムフタラゾン、N−ブロムオキサゾリノ
ン、N−クロロフタラゾン、N−ブロモアセトアニリ
ド、N,N−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N−ブ
ロモ−N−メチルベンゼンスルホンアミド、1,3−ジ
ブロモ−4,4−ジメチルヒダントイン、N−ブロモウ
ラゾール等。 (5)その他のハロゲン含有化合物:例えば、塩化トリ
フェニルメチル、臭化トリフェニルメチル、2−ブロム
酢酸、2−ブロムエタノール、ジクロロベンゾフェノン
等がある。
【0030】これらのハロゲン化銀形成成分は、有機銀
塩に対して化学量論的には少量用いられる。通常、その
範囲は有機銀塩1モルに対し、0.001〜0.7モ
ル、好ましくは0.03〜0.5モルである。ハロゲン
化銀形成成分は上記の範囲で2種以上併用されてもよ
い。上記のハロゲン化銀形成成分を用いて有機銀塩の一
部をハロゲン化銀に変換させる工程の反応温度、反応時
間、反応圧力等の諸条件は、作製の目的にあわせ適宜設
定する事が出来るが、通常、反応温度は20〜70℃、
その反応時間は0.1秒〜72時間であり、その反応圧
力は大気圧に設定されるのが好ましい。この反応は又、
後述する結合剤として使用されるポリマーの存在下に行
われることが好ましい。この際のポリマーの使用量は、
有機銀塩1質量部当たり0.01〜100質量部、好ま
しくは0.1〜10質量部である。
【0031】上記した各種の方法によって調製される感
光性ハロゲン化銀は、例えば含硫黄化合物、金化合物、
白金化合物、パラジウム化合物、銀化合物、錫化合物、
クロム化合物又はこれらの組み合わせによって化学増感
する事が出来る。この化学増感の方法及び手順について
は、例えば米国特許第4,036,650号、英国特許
第1,518,850号、特開昭51−22430号、
同51−78319号、同51−81124号に記載さ
れている。又ハロゲン化銀形成成分により有機銀塩の一
部を感光性ハロゲン化銀に変換する際に、米国特許第
3,980,482号に記載されているように、増感を
達成するために低分子量のアミド化合物を共存させても
よい。
【0032】又、これらの感光性ハロゲン化銀には、照
度不軌や、階調調整の為に元素周期律表の6族から11
族に属する金属、例えばRh、Ru、Re、Ir、O
s、Fe等のイオン、その錯体又は錯イオンを含有させ
ることが出来る。特に錯イオンとして添加するのが好ま
しく、例えば照度不軌のために〔IrCl62-等のI
r錯イオンを添加してもよい。
【0033】本発明に於ける感光性ハロゲン化銀粒子は
化学増感されてもよい。好ましい化学増感法としては、
当業界でよく知られているように硫黄増感法、セレン増
感法、テルル増感法、金化合物や白金、パラジウム、イ
リジウム化合物等の貴金属増感法や還元増感法を用いる
ことができる。硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感
法に好ましく用いられる化合物としては、公知の化合物
を用いることができるが、特開平7−128768号等
に記載の化合物を使用することができる。貴金属増感法
に好ましく用いられる化合物としては、例えば塩化金
酸、カリウムクロロオーレート、カリウムオーリチオシ
アネート、硫化金、金セレナイド、或いは米国特許第
2,448,060号、英国特許第618,061号な
どに記載されている化合物を好ましく用いることができ
る。還元増感法の具体的な化合物としては、アスコルビ
ン酸、二酸化チオ尿素の他に、例えば塩化第一スズ、ア
ミノイミノメタンスルフィン酸、ヒドラジン誘導体、ボ
ラン化合物、シラン化合物、ポリアミン化合物等を用い
ることができる。又、乳剤のpHを7以上又はpAgを
8.3以下に保持して熟成することにより還元増感する
ことができる。又、粒子形成中に銀イオンのシングルア
ディション部分を導入することにより還元増感すること
ができる。
【0034】本発明の熱現像写真感光材料には還元剤を
内蔵させることが好ましい。好適な還元剤の例は、米国
特許第3,770,448号、同3,773,512
号、同3,593,863号、及びResearch
Disclosure17029及び29963に記載
されており、次のものがある。アミノヒドロキシシクロ
アルケノン化合物(例えば、2−ヒドロキシピペリジノ
−2−シクロヘキセノン);還元剤の前駆体としてアミ
ノリダクトン類(reductones)エステル(例
えば、ピペリジノヘキソースリダクトンモノアセテー
ト);N−ヒドロキシ尿素誘導体(例えば、N−p−メ
チルフェニル−N−ヒドロキシ尿素);アルデヒドまた
はケトンのヒドラゾン類(例えば、アントラセンアルデ
ヒドフェニルヒドラゾン);ホスファーアミドフェノー
ル類;ホスファーアミドアニリン類;ポリヒドロキシベ
ンゼン類(例えば、ヒドロキノン、t−ブチル−ヒドロ
キノン、イソプロピルヒドロキノン及び(2,5−ジヒ
ドロキシ−フェニル)メチルスルホン);スルフヒドロ
キサム酸類(例えば、ベンゼンスルフヒドロキサム
酸);スルホンアミドアニリン類(例えば、4−(N−
メタンスルホンアミド)アニリン);2−テトラゾリル
チオヒドロキノン類(例えば、2−メチル−5−(1−
フェニル−5−テトラゾリルチオ)ヒドロキノン);テ
トラヒドロキノキサリン類(例えば、1,2,3,4−
テトラヒドロキノキサリン);アミドオキシン類;アジ
ン類(例えば、脂肪族カルボン酸アリールヒドラザイド
類とアスコルビン酸の組み合わせ);ポリヒドロキシベ
ンゼンとヒドロキシルアミンの組み合わせ、リダクトン
及び/またはヒドラジン;ヒドロキサム酸類;アジン類
とスルホンアミドフェノール類の組み合わせ;α−シア
ノフェニル酢酸誘導体;ビス−β−ナフトールと1,3
−ジヒドロキシベンゼン誘導体の組み合わせ;5−ピラ
ゾロン類;スルホンアミドフェノール還元剤;2−フェ
ニルインダン−1,3−ジオン等;クロマン;1,4−
ジヒドロピリジン類(例えば、2,6−ジメトキシ−
3,5−ジカルボエトキシ−1,4−ジヒドロピリジ
ン);ビスフェノール類(例えば、ビス(2−ヒドロキ
シ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、ビ
ス(6−ヒドロキシ−m−トリ)メシトール(mesi
tol)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチル
フェニル)プロパン、4,5−エチリデン−ビス(2−
t−ブチル−6−メチル)フェノール)、紫外線感応性
アスコルビン酸誘導体及び3−ピラゾリドン類。中でも
特に好ましい還元剤はヒンダードフェノール類である。
ヒンダードフェノール類としては下記一般式(A)で表
される化合物が挙げられる。
【0035】
【化2】
【0036】式中、Rは水素原子、または炭素原子数1
〜10のアルキル基(例えば、ブチル基、2,4,4−
トリメチルペンチル基等)を表し、R′及びR″は炭素
原子数1〜5のアルキル基(例えば、メチル基、エチル
基、t−ブチル基等)を表す。
【0037】一般式(A)で表される化合物の具体例を
以下に示す。ただし、本発明は、これらに限定されな
い。
【0038】
【化3】
【0039】
【化4】
【0040】前記一般式(A)で表される化合物を始め
とする還元剤の使用量は好ましくは銀1モル当り1×1
-2〜10モル、特に1×10-2〜1.5モルである。
【0041】本発明の熱現像写真感光材料においては、
紫外光又は可視光に露光することで銀を酸化し得る反応
活性種を発生する化合物を含有する。これは紫外光又は
可視光によって、ラジカルのような反応活性種が生成
し、この反応活性種が酸化的作用を示すことによって還
元剤を不活性化するものである。かかる化合物として
は、ハロゲン原子を含む反応活性種を放出できる化合物
が一般的であり、化合物の具体例としては、前記一般式
(1)の化合物である。
【0042】一般式(1)中、Qで表されるアリール基
は、単環または縮環していてもよく、好ましくは炭素数
6〜30の単環または二環のアリール基(例えば、フェ
ニル、ナフチル等)であり、より好ましくはフェニル
基、ナフチル基であり、更に好ましくはフェニル基であ
る。
【0043】Qで表されるヘテロ環基は、N、Oまたは
Sの少なくとも一つの原子を含む3乃至10員の飽和も
しくは不飽和のヘテロ環基であり、これらは単環であっ
ても良いし、更に他の環と縮合環を形成してもよい。
【0044】ヘテロ環基として好ましくは、縮合環を有
していてもよい5乃至6員の不飽和ヘテロ環基であり、
より好ましくは縮合環を有していてもよい5乃至6員の
芳香族ヘテロ環基である。更に好ましくは窒素原子を含
む縮合環を有していてもよい5乃至6員の芳香族ヘテロ
環基であり、特に好ましくは窒素原子を1乃至4原子含
む縮合環を有していてもよい5乃至6員の芳香族ヘテロ
環基である。
【0045】このようなヘテロ環基におけるヘテロ環と
して好ましくは、イミダゾール、ピラゾール、ピリジ
ン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾー
ル、トリアジン、インドール、インダゾール、プリン、
チアジアゾール、オキサジアゾール、キノリン、フタラ
ジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シン
ノリン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、
フェナジン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾー
ル、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズ
チアゾール、インドレニン、テトラザインデンであり、
より好ましくはイミダゾール、ピリジン、ピリミジン、
ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、チ
アジアゾール、オキサジアゾール、キノリン、フタラジ
ン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノ
リン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベン
ズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾー
ル、テトラザインデンであり、更に好ましくはイミダゾ
ール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、
トリアゾール、トリアジン、チアジアゾール、キノリ
ン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾ
リン、シンノリン、テトラゾール、チアゾール、ベンズ
イミダゾール、ベンズチアゾールであり、特に好ましく
はピリジン、チアジアゾール、キノリン、ベンズチアゾ
ールである。
【0046】Qで表されるアリール基およびヘテロ環基
は−Y−C(X1)(X2)(X3)の他に置換基を有し
ていてもよく、置換基として好ましくはアルキル基、ア
ルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、アシルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニ
ル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、
アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリ
ールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、
スルファモイル基、カルバモイル基、スルホニル基、ウ
レイド基、リン酸アミド基、ハロゲン原子、シアノ基、
スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヘテロ環基であ
り、より好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキ
シ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルアミノ基、
アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボ
ニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル
基、カルバモイル基、ウレイド基、リン酸アミド基、ハ
ロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヘテロ環基であり、
更に好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アシル基、アシルアミノ基、ス
ルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル
基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヘテロ環基で
あり、特に好ましくはアルキル基、アリール基、ハロゲ
ン原子である。
【0047】X1、X2及びX3は、好ましくはハロゲン
原子、ハロアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニ
ル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、
スルファモイル基、スルホニル基、ヘテロ環基であり、
より好ましくはハロゲン原子、ハロアルキル基、アシル
基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、スルホニル基であり、更に好ましくはハロゲン原
子、トリハロメチル基であり、特に好ましくはハロゲン
原子である。ハロゲン原子の中でも好ましくは塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子であり、更に好ましくは塩素
原子、臭素原子であり、特に好ましくは臭素原子であ
る。
【0048】Yは−CO−、−SO−、−SO2−を表
し、好ましくは−SO2−である。これらの化合物の具
体例を以下に挙げる。
【0049】
【化5】
【0050】
【化6】
【0051】
【化7】
【0052】
【化8】
【0053】
【化9】
【0054】
【化10】
【0055】本発明において使用される省銀化剤とは、
一定の銀画像濃度を得るために必要な銀量を低減化し得
る化合物をいう。この低減化する機能の作用機構は種々
考えられるが、現像銀の被覆力を向上させる機能を有す
る化合物が好ましい。ここで、現像銀の被覆力とは、銀
の単位量当たりの光学濃度をいう。なおこの省銀化剤は
感光層、非感光層のいずれか、更にはそのいずれにも含
有せしめることができる。
【0056】省銀化剤としては、下記一般式〔H〕で表
されるヒドラジン誘導体化合物、下記一般式(G)で表
されるビニル化合物、下記一般式(P)で表される4級
オニウム化合物等が好ましい例として挙げられる。
【0057】
【化11】
【0058】
【化12】
【0059】一般式〔H〕において、式中、A0はそれ
ぞれ置換基を有してもよい脂肪族基、芳香族基、複素環
基又は−G0−D0基を、B0はブロッキング基を表し、
1、A2はともに水素原子、又は一方が水素原子で他方
はアシル基、スルホニル基又はオキザリル基を表す。こ
こで、G0は−CO−基、−COCO−基、−CS−
基、−C(=NG11)−基、−SO−基、−SO2
基又は−P(O)(G1 1)−基を表し、G1は単なる
結合手、−O−基、−S−基又は−N(D1)−基を表
し、D1は脂肪族基、芳香族基、複素環基又は水素原子
を表し、分子内に複数のD1が存在する場合、それらは
同じであっても異なってもよい。D0は水素原子、脂肪
族基、芳香族基、複素環基、アミノ基、アルコキシ基、
アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基を
表す。好ましいD0としては、水素原子、アルキル基、
アルコキシ基、アミノ基等が挙げられる。
【0060】一般式〔H〕において、A0で表される脂
肪族基は、好ましくは炭素数1〜30のものであり、特
に炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基が
好ましく、例えばメチル基、エチル基、t−ブチル基、
オクチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基が挙げら
れ、これらは更に適当な置換基(例えば、アリール基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、ア
リールチオ基、スルホキシ基、スルホンアミド基、スル
ファモイル基、アシルアミノ基、ウレイド基等)で置換
されていてもよい。
【0061】一般式〔H〕において、A0で表される芳
香族基は、単環又は縮合環のアリール基が好ましく、例
えばベンゼン環又はナフタレン環が挙げられ、A0で表
される複素環基としては、単環又は縮合環で窒素、硫
黄、酸素原子から選ばれる少なくとも一つのヘテロ原子
を含む複素環が好ましく、例えばピロリジン環、イミダ
ゾール環、テトラヒドロフラン環、モルホリン環、ピリ
ジン環、ピリミジン環、キノリン環、チアゾール環、ベ
ンゾチアゾール環、チオフェン環、フラン環が挙げられ
る。A0の芳香族基、複素環基及び−G0−D0基は置換
基を有していてもよい。A0として、特に好ましいもの
はアリール基及び−G0−D0基である。
【0062】又、一般式〔H〕において、A0は耐拡散
基又はハロゲン化銀吸着基を、少なくとも一つ含むこと
が好ましい。耐拡散基としては、カプラー等の不動性写
真用添加剤にて常用されるバラスト基が好ましく、バラ
スト基としては、写真的に不活性であるアルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、フェニル
基、フェノキシ基、アルキルフェノキシ基等が挙げら
れ、置換基部分の炭素数の合計は8以上であることが好
ましい。
【0063】一般式〔H〕において、ハロゲン化銀吸着
促進基としては、チオ尿素、チオウレタン基、メルカプ
ト基、チオエーテル基、チオン基、複素環基、チオアミ
ド複素環基、メルカプト複素環基或いは特開昭64−9
0439号に記載の吸着基等が挙げられる。
【0064】一般式〔H〕において、B0はブロッキン
グ基を表し、好ましくは−G0−D0基であり、G0は−
CO−基、−COCO−基、−CS−基、−C(=NG
11)−基、−SO−基、−SO2−基又は−P(O)
(G11)−基を表す。好ましいG0としては−CO−
基、−COCO−基が挙げられ、G1は単なる結合手、
−O−基、−S−基又は−N(D1)−基を表し、D1
脂肪族基、芳香族基、複素環基又は水素原子を表し、分
子内に複数のD1が存在する場合、それらは同じであっ
ても異なってもよい。D0は水素原子、脂肪族基、芳香
族基、複素環基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基を表し、好ま
しいD0としては水素原子、アルキル基、アルコキシ
基、アミノ基等が挙げられる。A1、A2はともに水素原
子、又は一方が水素原子で他方はアシル基(アセチル
基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基等)、スル
ホニル基(メタンスルホニル基、トルエンスルホニル基
等)、又はオキザリル基(エトキザリル基等)を表す。
【0065】これら本発明の一般式〔H〕で表される化
合物は、公知の方法により容易に合成することができ
る。例えば、米国特許第5,464,738号、同5,
496,695号を参考にして合成することができる。
【0066】その他に好ましく用いることのできるヒド
ラジン誘導体は、米国特許第5,545,505号カラ
ム11〜20に記載の化合物H−1〜H−29、米国特
許第5,464,738号カラム9〜11に記載の化合
物1〜12である。これらのヒドラジン誘導体は公知の
方法で合成することができる。
【0067】一般式(G)において、XとRはシスの形
で表示してあるが、XとRがトランスの形も一般式
(G)に含まれる。この事は具体的化合物の構造表示に
おいても同様である。
【0068】一般式(G)において、Xは電子吸引性基
を表し、Wは水素原子、アルキル基、アルケニル基、ア
ルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、
アシル基、チオアシル基、オキサリル基、オキシオキサ
リル基、チオオキサリル基、オキサモイル基、オキシカ
ルボニル基、チオカルボニル基、カルバモイル基、チオ
カルバモイル基、スルホニル基、スルフィニル基、オキ
シスルフィニル基、チオスルフィニル基、スルファモイ
ル基、オキシスルフィニル基、チオスルフィニル基、ス
ルフィナモイル基、ホスホリル基、ニトロ基、イミノ
基、N−カルボニルイミノ基、N−スルホニルイミノ
基、ジシアノエチレン基、アンモニウム基、スルホニウ
ム基、ホスホニウム基、ピリリウム基、インモニウム基
を表す。
【0069】Rはハロゲン原子、ヒドロキシル基、アル
コキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アル
ケニルオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニ
ルオキシ基、アミノカルボニルオキシ基、メルカプト
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ
基、アルケニルチオ基、アシルチオ基、アルコキシカル
ボニルチオ基、アミノカルボニルチオ基、ヒドロキシル
基又はメルカプト基の有機又は無機の塩(例えば、ナト
リウム塩、カリウム塩、銀塩等)、アミノ基、アルキル
アミノ基、環状アミノ基(例えば、ピロリジノ基)、ア
シルアミノ基、オキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環基
(5〜6員の含窒素ヘテロ環、例えばベンツトリアゾリ
ル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル
基等)、ウレイド基、スルホンアミド基を表す。Xと
W、XとRは、それぞれ互いに結合して環状構造を形成
してもよい。XとWが形成する環としては、例えばピラ
ゾロン、ピラゾリジノン、シクロペンタンジオン、β−
ケトラクトン、β−ケトラクタム等が挙げられる。
【0070】一般式(G)について更に説明すると、X
の表す電子吸引性基とは、置換基定数σpが正の値をと
りうる置換基のことである。具体的には、置換アルキル
基(ハロゲン置換アルキル等)、置換アルケニル基(シ
アノビニル等)、置換・未置換のアルキニル基(トリフ
ルオロメチルアセチレニル、シアノアセチレニル等)、
置換アリール基(シアノフェニル等)、置換・未置換の
ヘテロ環基(ピリジル、トリアジニル、ベンゾオキサゾ
リル等)、ハロゲン原子、シアノ基、アシル基(アセチ
ル、トリフルオロアセチル、ホルミル等)、チオアセチ
ル基(チオアセチル、チオホルミル等)、オキサリル基
(メチルオキサリル等)、オキシオキサリル基(エトキ
サリル等)、チオオキサリル基(エチルチオオキサリル
等)、オキサモイル基(メチルオキサモイル等)、オキ
シカルボニル基(エトキシカルボニル等)、カルボキシ
ル基、チオカルボニル基(エチルチオカルボニル等)、
カルバモイル基、チオカルバモイル基、スルホニル基、
スルフィニル基、オキシスルホニル基(エトキシスルホ
ニル等)、チオスルホニル基(エチルチオスルホニル
等)、スルファモイル基、オキシスルフィニル基(メト
キシスルフィニル等)、チオスルフィニル基(メチルチ
オスルフィニル等)、スルフィナモイル基、ホスホリル
基、ニトロ基、イミノ基、N−カルボニルイミノ基(N
−アセチルイミノ等)、N−スルホニルイミノ基(N−
メタンスルホニルイミノ等)、ジシアノエチレン基、ア
ンモニウム基、スルホニウム基、ホスホニウム基、ピリ
リウム基、インモニウム基が挙げられるが、アンモニウ
ム基、スルホニウム基、ホスホニウム基、インモニウム
基等が環を形成したヘテロ環状のものも含まれる。σp
値として0.30以上の置換基が特に好ましい。
【0071】Wとして表されるアルキル基としては、メ
チル、エチル、トリフルオロメチル等が、アルケニル基
としてはビニル、ハロゲン置換ビニル、シアノビニル等
が、アルキニル基としてはアセチレニル、シアノアセチ
レニル等が、アリール基としてはニトロフェニル、シア
ノフェニル、ペンタフルオロフェニル等が、ヘテロ環基
としてはピリジル、ピリミジル、トリアジニル、スクシ
ンイミド、テトラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリ
ル、ベンゾオキサゾリル等が挙げられる。Wとしてはσ
p値が正の電子吸引性基が好ましく、更にはその値が
0.30以上のものが好ましい。
【0072】上記Rの置換基の内、好ましくはヒドロキ
シル基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルチオ
基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基又はメルカプト基の
有機又は無機の塩、ヘテロ環基が挙げられ、更に好まし
くはヒドロキシル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基又
はメルカプト基の有機又は無機の塩、ヘテロ環基が挙げ
られ、特に好ましくはヒドロキシル基、ヒドロキシル基
又はメルカプト基の有機又は無機の塩が挙げられる。
【0073】また上記X及びWの置換基の内、置換基中
にチオエーテル結合を有するものが好ましい。
【0074】一般式(P)において、Qは窒素原子又は
燐原子を表し、R1、R2、R3及びR4は、各々水素原子
又は置換基を表し、X-はアニオンを表す。尚、R1〜R
4は互いに連結して環を形成してもよい。
【0075】R1〜R4で表される置換基としては、アル
キル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
ヘキシル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(ア
リル基、ブテニル基等)、アルキニル基(プロパルギル
基、ブチニル基等)、アリール基(フェニル基、ナフチ
ル基等)、複素環基(ピペリジニル基、ピペラジニル
基、モルホリニル基、ピリジル基、フリル基、チエニル
基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、
スルホラニル基等)、アミノ基等が挙げられる。
【0076】R1〜R4が互いに連結して形成しうる環と
しては、ピペリジン環、モルホリン環、ピペラジン環、
キヌクリジン環、ピリジン環、ピロール環、イミダゾー
ル環、トリアゾール環、テトラゾール環等が挙げられ
る。
【0077】R1〜R4で表される基はヒドロキシル基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル基、ス
ルホ基、アルキル基、アリール基等の置換基を有しても
よい。R1、R2、R3及びR4としては、水素原子及びア
ルキル基が好ましい。
【0078】X-が表すアニオンとしては、ハロゲンイ
オン、硫酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオン、p−トル
エンスルホン酸イオン等の無機及び有機のアニオンが挙
げられる。
【0079】上記4級オニウム化合物は公知の方法に従
って容易に合成でき、例えば上記テトラゾリウム化合物
はChemical Reviews vol.55
p.335〜483に記載の方法を参考にできる。上記
省銀化剤の添加量は有機銀塩1モルに対し10-5〜1モ
ル、好ましくは10-4〜5×10-1モルの範囲である。
【0080】本発明の省銀化剤の具体的化合物として
は、特開2001−66725号に記載のものが挙げら
れる。
【0081】本発明は上記の各種化合物の他に、Res
earch Disclosure17029号に記載
の色調剤、特開2000−112057号の段落番号
〔0060〕〜〔0062〕に記載の化合物、特開20
00−310832号の段落番号〔0116〕に記載の
染料、特開2000−112057号の段落番号〔00
63〕〜〔0070〕に記載のマット剤、特開2000
−112057号の段落番号〔0071〕に記載の導電
性化合物などを含有せしめることができる。
【0082】本発明の熱現像写真感光材料に好適なバイ
ンダーは、透明又は半透明で一般に無色であり、天然ポ
リマーや合成ポリマー及びコポリマー、その他、フィル
ムを形成する媒体、例えば、ゼラチン、アラビアゴム、
ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、
セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレー
ト、ポリビニルピロリドン、カゼイン、澱粉、ポリアク
リル酸、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル
酸、ポリ塩化ビニル、コポリ(スチレン−無水マレイン
酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ
(スチレン−ブタジエン)、ポリビニルアセタール類、
例えば、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラー
ル、ポリエステル類、ポリウレタン類、フェノキシ樹
脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリエポキシド類、ポリカー
ボネート類、ポリビニルアセテート類、セルロースエス
テル類、ポリアミド等があり、親水性でも非親水性でも
よい。しかしながら、これらのバインダーの中でも特に
好ましいのは、セルロースアセテート、セルロースアセ
テートブチレート、ポリビニルブチラールのような非水
溶性のポリマーであり、この中で特に好ましいのはポリ
ビニルブチラールである。さらに本発明においては、T
g(ガラス転移点)が50℃以上150℃以下のものが
好ましい。
【0083】本発明においては、感光層のバインダー量
が1.5〜30g/m2であることが好ましい。更に好
ましくは1.7〜25g/m2である。1.5g/m2
満では未露光部の濃度が大幅に上昇し、使用に耐えない
場合がある。
【0084】熱現像写真感光材料に用いる支持体の素材
としては、各種高分子材料、ガラス、ウール布、コット
ン布、紙、金属(例えば、アルミニウム)等が挙げられ
るが、情報記録材料としての取り扱い上は可撓性のある
シート又はロールに加工できるものが好適である。従っ
て本発明の熱現像写真感光材料における支持体として
は、プラスチックフィルム(例えば、セルロースアセテ
ートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテ
レフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィ
ルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、セル
ローストリアセテートフィルム又はポリカーボネートフ
ィルム等)が好ましく、本発明においては2軸延伸した
ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
支持体の厚みとしては50〜300μm程度、好ましく
は70〜180μmである。
【0085】本発明の熱現像写真感光材料における層構
成としては、感光層の上に少なくとも一層の非感光層を
形成するのが好ましい。また、ハロゲン化銀粒子を含有
する層に隣接し、且つ支持体に近い位置に銀を酸化し得
る反応活性種を発生する化合物を含有する層を設けるこ
とで感光材料の製造過程における塗布性に問題がなく且
つ画像保存性が安定である熱現像写真感光材料が得られ
る。
【0086】感光層は複数層にしてもよく、又階調の調
節のために高感度層、低感度層を設け、これを組み合わ
せてもよい。各種の添加剤は感光層、非感光層又はその
他の形成層のいずれに添加してもよい。本発明の熱現像
写真感光材料には、例えば界面活性剤、酸化防止剤、安
定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤、被覆助剤等を用いても
よい。
【0087】また、本発明の熱現像写真感光材料の製造
方法においては、5g/m2以上のバインダーが必要と
なり、更に塗布時の乾燥負荷を軽減するために通常10
0mPa・s以上の塗布液を塗布する。
【0088】塗布方式は前記理由よりスライド塗布方式
が有効であり、前記のような比較的高粘度塗布液を塗布
する際、支持体側に最も近い層に低粘度塗布液層(スリ
ップ層)を設けることが好ましい。ここでスリップ層は
低粘度液である必要があり、単純に溶剤層を下層に設け
るとウエット膜厚が上昇してしまうが、本発明のように
スリップ層に銀を酸化し得る反応活性種を発生する化合
物を含有させ、塗布液粘度を5〜50mPa・sとする
ことで層全体の膜厚上昇を抑え、塗布性劣化なく、画像
保存性が改良できる。
【0089】ここで塗布液粘度が5mPa・s未満で
は、銀を酸化し得る反応活性種を発生する化合物の濃度
を低くする必要があり、ウエット膜厚が上昇してしまっ
たり、支持体との接着性が悪い等の問題が生じる。また
50mPa・s以上では、スリップ層の上層となるハロ
ゲン化銀粒子を含有する層への添加剤の拡散が不十分で
濃度ムラ等が生じてしまう。
【0090】本発明に於いて、現像条件は使用する機
器、装置、或いは手段に依存して変化するが、典型的に
は適した高温に於いて像様に露光した熱現像写真感光材
料を加熱することを伴う。露光後に得られた潜像は、中
程度の高温(例えば、約80〜200℃、好ましくは約
100〜200℃)で十分な時間(一般には約1秒〜約
2分間)、感光材料を加熱することにより現像すること
ができる。
【0091】加熱温度が80℃以下では短時間に十分な
画像濃度が得られず、又200℃以上ではバインダーが
溶融し、ローラーへの転写など、画像そのものだけでな
く搬送性や、現像機等へも悪影響を及ぼす。加熱するこ
とで有機銀塩(酸化剤として機能する)と還元剤との間
の酸化還元反応により銀画像を生成する。この反応過程
は、外部からの水等の処理液の一切の供給なしに進行す
る。
【0092】加熱する機器、装置、或いは手段はホット
プレート、アイロン、ホットローラー、炭素又は白色チ
タン等を用いた熱発生器として典型的な加熱手段で行っ
てよい。より好ましくは本発明に係わる保護層の設けら
れた熱現像写真感光材料は、保護層を有する側の面を加
熱手段と接触させ加熱処理するのが、均一な加熱を行う
上で、又熱効率、作業性の点などから好ましく、該面を
ヒートローラに接触させながら搬送し加熱処理して現像
することが好ましい。
【0093】本発明の熱現像写真感光材料の露光は、当
該感光材料に付与した感色性に対し適切な光源を用いる
ことが望ましい。例えば、当該感光材料を赤外光に感じ
得るものとした場合は、赤外光域ならば如何なる光源に
も適用可能であるが、レーザーパワーがハイパワーであ
る事や、感光材料を透明にできる等の点から、赤外半導
体レーザー(780nm、820nm)がより好ましく
用いられる。
【0094】本発明において、露光はレーザー走査露光
により行うことが好ましいが、その露光方法には種々の
方法が採用できる。例えば、第1の好ましい方法とし
て、感光材料の露光面と走査レーザー光のなす角が実質
的に垂直になることがないレーザー走査露光機を用いる
方法が挙げられる。
【0095】ここで、「実質的に垂直になることがな
い」とはレーザー走査中に最も垂直に近い角度として好
ましくは55度以上88度以下、より好ましくは60度
以上86度以下、更に好ましくは65度以上84度以
下、最も好ましくは70度以上82度以下であることを
いう。
【0096】レーザー光が、感光材料に走査されるとき
の感光材料露光面でのビームスポット直径は、好ましく
は200μm以下、より好ましくは100μm以下であ
る。これは、スポット径が小さい方がレーザー入射角度
の垂直からのずらし角度を減らせる点で好ましい。な
お、ビームスポット直径の下限は10μmである。この
ようなレーザー走査露光を行うことにより干渉縞様のム
ラの発生等のような反射光に係る画質劣化を減じること
が出来る。
【0097】また、第2の方法として、本発明における
露光は縦マルチである走査レーザー光を発するレーザー
走査露光機を用いて行うことも好ましい。縦単一モード
の走査レーザー光に比べて干渉縞様のムラの発生等の画
質劣化が減少する。
【0098】縦マルチ化するには、合波による、戻り光
を利用する、高周波重畳をかける、などの方法がよい。
なお、縦マルチとは、露光波長が単一でないことを意味
し、通常露光波長の分布が5nm以上、好ましくは10
nm以上になるとよい。露光波長の分布の上限には特に
制限はないが、通常60nm程度である。
【0099】更に、第3の態様としては、2本以上のレ
ーザを用いて、走査露光により画像を形成することも好
ましい。
【0100】このような複数本のレーザを利用した画像
記録方法としては、高解像度化、高速化の要求から1回
の走査で複数ラインずつ画像を書き込むレーザプリンタ
やデジタル複写機の画像書込み手段で使用されている技
術であり、例えば特開昭60−166916号公報等に
より知られている。これは、光源ユニットから放射され
たレーザ光をポリゴンミラーで偏向走査し、fθレンズ
等を介して感光体上に結像する方法であり、これはレー
ザイメ−ジャなどと原理的に同じレーザ走査光学装置で
ある。
【0101】レーザプリンタやデジタル複写機の画像書
込み手段における感光体上へのレーザ光の結像は、1回
の走査で複数ラインずつ画像を書き込むという用途か
ら、一つのレーザ光の結像位置から1ライン分ずらして
次のレーザ光が結像されている。具体的には、二つの光
ビームは互いに副走査方向に像面上で数10μmオーダ
ーの間隔で近接しており、印字密度が400dpi(本
発明においては、1インチ即ち、2.54cm当たりに
1ドットの印字密度のことをdpi(ドットパーイン
チ)と定義する)で2ビームの副走査方向ピッチは6
3.5μm、600dpiで42.3μmである。この
ような、副走査方向に解像度分ずらした方法とは異な
り、本発明では同一の場所に2本以上のレーザを入射角
を変え露光面に集光させ画像形成することを特徴として
いる。この際の、通常の1本のレーザ(波長λ〔n
m〕)で書き込む場合の露光面での露光エネルギーがE
である場合に、露光に使用するN本のレーザが同一波長
(波長λ〔nm〕)、同一露光エネルギー(En)とし
た場合、0.9×E≦En×N≦1.1×Eの範囲にす
るのが好ましい。このようにすることにより、露光面で
はエネルギーは確保されるが、それぞれのレーザ光の画
像形成層への反射は、レーザの露光エネルギーが低いた
め低減され、ひいては干渉縞の発生が抑えられる。
【0102】なお、上述では複数本のレーザの波長をλ
と同一のものを使用したが、波長の異なるものを用いて
も良い。この場合、λ〔nm〕に対して(λ−30)<
λ1、λ2、・・・・・λn≦(λ+30)の範囲にす
るのが好ましい。
【0103】なお、上述した第1、第2、第3の態様の
画像記録方法において、走査露光に用いるレーザとして
は、一般によく知られている、ルビーレーザ、YAGレ
ーザ、ガラスレーザ等の固体レーザ;He−Neレー
ザ、Arイオンレーザ、Krイオンレーザ、CO2レー
ザ、COレーザ、He−Cdレーザ、N2レーザ、エキ
シマーレーザ等の気体レーザ;InGaPレーザ、Al
GaAsレーザ、GaAsPレーザ、InGaAsレー
ザ、InAsPレーザ、CdSnP2レーザ、GaSb
レーザ等の半導体レーザ;化学レーザ、色素レーザ等を
用途に併せて適時選択して使用できるが、これらの中で
もメンテナンスや光源の大きさの問題から、波長が60
0〜1200nmの半導体レーザを用いるのが好まし
い。なお、レーザ・イメージャやレーザ・イメージセッ
タで使用されるレーザにおいて、光熱写真材料に走査さ
れるときの該材料露光面でのビームスポット径は、一般
に短軸径として5〜75μm、長軸径として5〜100
μmの範囲であり、レーザ光走査速度は熱現像写真感光
材料固有のレーザ発振波長における感度とレーザパワー
によって、感光材料毎に最適な値に設定することができ
る。
【0104】本発明においては熱現像写真感光材料が、
現像時において溶剤を5〜1000mg/m2の範囲で
含有していることが好ましい。好ましくは、100〜5
00mgであるように調整することが必要である。それ
により高感度、低カブリ、最高濃度の高い感光材料とな
る。
【0105】溶剤としては、例えばアセトン、メチルエ
チルケトン、イソフォロン等のケトン類、メチルアルコ
ール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シ
クロヘキサノール、ベンジルアルコール等のアルコール
類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレ
ングリコール等のグリコール類、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテル等のエーテルアルコール類、イソプロピルエーテ
ル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステ
ル類、塩化メチレン、ジクロルベンゼン等の塩化物類、
炭化水素類等が挙げられる。その他水、ホルムアミド、
ジメチルホルムアミド、トルイジン、テトラヒドロフラ
ン、酢酸等が挙げられる。但しこれらに限定されるもの
ではない。又、これらの溶剤は、単独、又は、数種類組
み合わせる事が出来る。
【0106】尚、感光材料中の上記溶剤の含有量は塗布
工程後の乾燥工程等における温度条件等の条件変化によ
って調整できる。又、当該溶剤の含有量は含有させた溶
剤を検出するために適した条件下におけるガスクロマト
グラフィーで測定できる。
【0107】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0108】実施例1 〔下引済み写真用支持体の作製〕市販の2軸延伸熱固定
済みの厚さ175μmの、光学濃度で0.170(コニ
カ株式会社製デンシトメータPDA−65にて測定)に
青色着色したPETフィルムの両面に8W/m2・分の
コロナ放電処理を施し、一方の面に下記下引塗布液a−
1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥させて
下引層A−1とし、また反対側の面に下記下引塗布液b
−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥させ
て下引層B−1とした。
【0109】 《下引塗布液a−1》 ブチルアクリレート(30質量%) t−ブチルアクリレート(20質量%) スチレン(25質量%) 2−ヒドロキシエチルアクリレート(25質量%) の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g C−1 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g 水で1Lに仕上げる 《下引塗布液b−1》 ブチルアクリレート(40質量%) スチレン(20質量%) グリシジルアクリレート(40質量%) の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g C−1 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g 水で1Lに仕上げる 引き続き、下引層A−1及び下引層B−1の上表面に、
8W/m2・分のコロナ放電を施し、下引層A−1の上
には、下記下引上層塗布液a−2を乾燥膜厚0.1μm
になるように下引上層A−2として、下引層B−1の上
には下記下引上層塗布液b−2を乾燥膜厚0.8μmに
なるように帯電防止機能をもつ下引上層B−2として塗
設した。
【0110】 《下引上層塗布液a−2》 ゼラチン 0.4g/m2になる質量 C−1 0.2g C−2 0.2g C−3 0.1g シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.1g 水で1Lに仕上げる 《下引上層塗布液b−2》 C−4 60g C−5を成分とするラテックス液(固形分20%) 80g 硫酸アンモニウム 0.5g C−6 12g ポリエチレングリコール(重量平均分子量600) 6g 水で1Lに仕上げる
【0111】
【化13】
【0112】
【化14】
【0113】〔バック層側塗布〕メチルエチルケトン
(MEK)830gを攪拌しながら、セルロースアセテ
ートブチレート(EastmanChemical社、
CAB381−20)84.2gおよびポリエステル樹
脂(Bostic社、VitelPE2200B)4.
5gを添加し、溶解した。次に溶解した液に、0.30
gの赤外染料1を添加し、更にメタノール43.2gに
溶解したF系活性剤(旭硝子社、サーフロンKH40)
4.5gとF系活性剤(大日本インク社、メガファッグ
F120K)2.3gを添加して、溶解するまで十分に
攪拌を行った。最後に、メチルエチルケトンに1質量%
の濃度でディゾルバ型ホモジナイザにて分散したシリカ
(W.R.Grace社、シロイド64X6000)を
75g添加、攪拌し、バック面塗布液を調製した。
【0114】
【化15】
【0115】このように調製したバック面塗布液を、乾
燥膜厚が3.5μmになるように押し出しコーターにて
下引上層B−2に塗布した。乾燥温度100℃、露点温
度10℃の乾燥風を用いて5分間かけて乾燥した。
【0116】 《感光性ハロゲン化銀乳剤Aの調製》 A1 フェニルカルバモイル化ゼラチン 88.3g 化合物(A)(10%メタノール水溶液) 10ml 臭化カリウム 0.32g 水で5429mlに仕上げる B1 0.67mol/L硝酸銀水溶液 2635ml C1 臭化カリウム 51.55g 沃化カリウム 1.47g 水で660mlに仕上げる D1 臭化カリウム 154.9g 沃化カリウム 4.41g 塩化イリジウム(1%溶液) 0.93ml 水で1982mlに仕上げる E1 0.4mol/L臭化カリウム水溶液 下記銀電位制御量 F1 水酸化カリウム 0.71g 水で20mlに仕上げる G1 56%酢酸水溶液 18.0ml H1 無水炭酸ナトリウム 1.72g 水で151mlに仕上げる 化合物(A): HO(CH2CH2O)n(CH(CH3)CH2O)17(CH2CH2O)mH (m+n=5〜7) 特公昭58−58288号、同58−58289号に示
される混合攪拌機を用いて溶液(A1)に溶液(B1)
の1/4量及び溶液(C1)全量を温度45℃、pAg
8.09に制御しながら、同時混合法により4分45秒
を要して添加し、核形成を行った。1分後、溶液(F
1)の全量を添加した。この間pAgの調整を(E1)
を用いて適宜行った。6分間経過後、溶液(B1)の3
/4量及び溶液(D1)の全量を、温度45℃、pAg
8.09に制御しながら、同時混合法により14分15
秒かけて添加した。5分間攪拌した後、40℃に降温
し、溶液(G1)を全量添加し、ハロゲン化銀乳剤を沈
降させた。沈降部分2000mlを残して上澄み液を取
り除き、水を10L加え、攪拌後、再度ハロゲン化銀乳
剤を沈降させた。沈降部分1500mlを残し、上澄み
液を取り除き、更に水を10L加え、攪拌後、ハロゲン
化銀乳剤を沈降させた。沈降部分1500mlを残し、
上澄み液を取り除いた後、溶液(H1)を加え、60℃
に昇温し、更に120分攪拌した。最後にpHが5.8
になるように調整し、銀量1モル当たり1161gにな
るように水を添加し、感光性ハロゲン化銀乳剤Aを得
た。
【0117】この乳剤は平均粒子サイズ0.058μ
m、粒子サイズの変動係数12%、〔100〕面比率9
2%の単分散立方体沃臭化銀粒子であった。
【0118】《粉末有機銀塩Aの調製》4720mlの
純水にベヘン酸130.8g、アラキジン酸67.7
g、ステアリン酸43.6g、パルミチン酸2.3gを
80℃で溶解した。次に1.5Mの水酸化ナトリウム水
溶液540.2mlを添加し、濃硝酸6.9mlを加え
た後、55℃に冷却して脂肪酸ナトリウム溶液を得た。
上記の脂肪酸ナトリウム溶液の温度を55℃に保ったま
ま、45.3gの上記の感光性ハロゲン化銀乳剤Aと純
水450mlを添加し5分間攪拌した。
【0119】次に1Mの硝酸銀溶液702.6mlを2
分間かけて添加し、10分間攪拌し有機銀塩分散物を得
た。その後、得られた有機銀塩分散物を水洗容器に移
し、脱イオン水を加えて攪拌後、静置させて有機銀塩分
散物を浮上分離させ、下方の水溶性塩類を除去した。そ
の後、排水の電導度が2μS/cmになるまで脱イオン
水による水洗、排水を繰り返し、遠心脱水を実施した
後、得られたケーキ状の有機銀塩を、気流式乾燥機フラ
ッシュジェットドライヤー(株式会社セイシン企業製)
を用いて、窒素ガス雰囲気及び乾燥機入り口熱風温度の
運転条件により含水率が0.1%になるまで乾燥して有
機銀塩の乾燥済み粉末有機銀塩Aを得た。
【0120】なお、有機銀塩組成物の含水率測定には赤
外線水分計を使用した。 〈予備分散液Aの調製〉ポリビニルブチラール粉末(M
onsanto社製、Butvar B−79)14.
57gをメチルエチルケトン1457gに溶解し、VM
A−GETZMANN社製ディゾルバDISPERMA
T CA−40M型にて、攪拌しながら粉末有機銀塩A
500gを徐々に添加して十分に混合することにより予
備分散液Aを調製した。
【0121】〈感光性乳剤分散液1の調製〉予備分散液
Aをポンプを用いてミル内滞留時間が1.5分間となる
ように、0.5mm径のジルコニアビーズ(東レ製トレ
セラム)を内容積の80%充填したメディア型分散機D
ISPERMAT SL−C12EX型(VMA−GE
TZMANN社製)に供給し、ミル周速8m/sにて分
散を行なうことにより感光性乳剤分散液1を調製した。
【0122】〈安定剤液の調製〉1.0gの安定剤1、
0.31gの酢酸カリウムをメタノール4.97gに溶
解し、安定剤液を調製した。
【0123】〈赤外増感色素液Aの調製〉19.2mg
の赤外増感色素1、1.488gの2−クロロ−安息香
酸、2.779gの安定剤2および365mgの5−メ
チル−2−メルカプトベンズイミダゾールを31.3m
lのMEKに暗所にて溶解し、赤外増感色素液Aを調製
した。
【0124】〈添加液aの調製〉現像剤としての1,1
−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)
−2−メチルプロパンを27.98gと1.54gの4
−メチルフタル酸、0.48gの前記赤外染料1をME
K110gに溶解し、添加液aとした。
【0125】〈添加液bの調製〉3.56gの化合物1
−64をMEK40.9gに溶解し、添加液bとした。
【0126】《感光層塗布液AおよびCの調製》不活性
気体雰囲気下(窒素97%)において、前記感光性乳剤
分散液1(50g)およびMEK15.11gを攪拌し
ながら21℃に保温し、化学増感剤S−5(0.5%メ
タノール溶液)1000μlを加え、2分後にカブリ防
止剤1(10%メタノール溶液)390μlを加え、1
時間攪拌した。更に臭化カルシウム(10%メタノール
溶液)494μlを添加して10分撹拌した後に上記の
有機化学増感剤の1/20モル相当の金増感剤Au−5
を添加し、更に20分攪拌した。続いて、安定剤液16
7mlを添加して10分間攪拌した後、1.32gの前
記赤外増感色素液Aを添加して1時間攪拌した。その
後、温度を13℃まで降温して更に30分攪拌した。1
3℃に保温したまま、ポリビニルブチラール(Mons
anto社 Butvar B−79)13.31gを
添加して30分攪拌した後、テトラクロロフタル酸
(9.4質量%MEK溶液)1.084gを添加して1
5分間攪拌し感光層塗布液Aを得た。
【0127】次に感光層塗布液Aに添加液a、Desm
odurN3300/モーベイ社製の脂肪族イソシアネ
ート(10%MEK溶液)、添加液bのそれぞれを、上
記順に78:2:15:5の質量比になるように順次イ
ンライン添加を行い、スタティックミキサーで混合し、
感光層塗布液Cを得た。
【0128】〈マット剤分散液の調製〉セルロースアセ
テートブチレート(Eastman Chemical
社、7.5gのCAB171−15)をMEK42.5
gに溶解し、その中に、炭酸カルシウム(Specia
lity Minerals社、Super−Pfle
x200)5gを添加し、ディゾルバ型ホモジナイザに
て8000rpmで30min分散し、マット剤分散液
を調製した。
【0129】《表面保護層塗布液の調製》MEK(メチ
ルエチルケトン)865gを攪拌しながら、セルロース
アセテートブチレート(Eastman Chemic
al社、CAB171−15)を96g、ポリメチルメ
タクリル酸(ローム&ハース社、パラロイドA−21)
を4.5g、ビニルスルホン化合物(VSC)を1.5
g、ベンズトリアゾールを1.0g、F系活性剤(旭硝
子社、サーフロンKH40)を1.0g、フタラジン
9.8gを添加し溶解した。次に上記マット剤分散液3
0gを添加して攪拌し、表面保護層塗布液を調製した。
【0130】
【化16】
【0131】
【化17】
【0132】《感光層下層液の調製》感光層塗布液Aの
一部と添加液bを表1に記載したように感光層下層液に
振り分けメチルエチルケトンを混合して、感光層下層液
を調製した。
【0133】〔感光層側塗布〕感光層下層液、感光層塗
布液Cおよび表面保護層塗布液を、スライドコーターを
用いて下引上層A−2に支持体側から順に感光層下層
液、感光層塗布液、表面保護層塗布液を同時重層塗布し
た。感光層は塗布銀量1.8g/m2、表面保護層は乾
燥膜厚で2.5μmになるように、毎分30mの速度で
塗布した。その後、乾燥温度75℃、露点温度10℃の
乾燥風を用いて、10分間乾燥を行った。
【0134】なお比較の試料No.1は感光層塗布液C
と表面保護層塗布液を押し出し(エクストルージョン)
コーターを用いて塗布を行った以外は、上記と同様の方
法で試料を塗布乾燥した。
【0135】〔露光及び現像処理〕上記のように作製し
た感光材料の乳剤面側から、高周波重畳にて波長800
〜820nmの縦マルチモード化された半導体レーザを
露光源とした露光機によりレーザ走査による露光を与え
た。この際に、感光材料の露光面と露光レーザ光の角度
を75度として画像を形成した。(なお、当該角度を9
0度とした場合に比べムラが少なく、且つ予想外に鮮鋭
性等が良好な画像が得られた。) 《センシトメトリーの評価》前記塗布済み試料を3.5
cm×15cmに断裁し、810nmダイオードを備え
たレーザー感光計で露光した後、写真材料をDRYPr
o722(コニカ(株)社製)で標準現像処理を行っ
た。得られた画像の評価を濃度計により行った。測定の
結果は、Dmin、感度(Dminより1.0高い濃度
を与える露光量の比の逆数)で評価し、試料No.1の
感度を100として相対感度で表1に示した。
【0136】《画像保存性の評価》センシトメトリー評
価と同様の処理をした試料を、表面温度45℃、100
00lxのシャーカステン上に感光層面を密着させ、2
0時間後にカブリ部分および画像濃度1.5の濃度を測
定し、画像濃度変動を測定した。結果を表1に示す。
【0137】
【表1】
【0138】表1から、比較の感光材料と比べて、本発
明の感光材料は高感度であるにも拘わらず、画像保存性
が優れた熱現像写真感光材料であることが明らかであ
る。
【0139】実施例2 実施例1の試料No.3の感光層下層液の粘度を、表2
になるようにメチルエチルケトンの量を調整し、スライ
ドコーターにて塗布した試料No.5〜7を作製した。
なお、試料No.8は粘度が試料No.5と同じである
が、押し出し(エクストルージョン)コーターを用いて
塗布を行ったものである。
【0140】なお感光層塗布液の粘度は23℃で700
mPa・s、表面保護層の粘度は550mPa・sであ
った。各試料について実施例1と同様に露光、現像処理
し、実施例1と同じ評価及び下記の塗布性の評価を行っ
た。
【0141】《塗布性の評価》前記塗布済み試料を14
インチ×17インチに断裁し、現像後の濃度が1.5に
なるように露光を行い、DRYPro722(コニカ
(株)社製)で標準現像処理を行った。塗布性の評価段
階は以下の通りである。
【0142】 ×:全体にはっきりしたムラがある △:うっすらとしたムラが見えるレベル ○:ムラが見えないレベル
【0143】
【表2】
【0144】表2の結果から、感光層下層を有し、粘度
が本発明範囲内で、塗布をスライドコーターで行った試
料No.5〜6は塗布性において明らかに優れているこ
とがわかる。
【0145】実施例3 バック層側塗布までは実施例1と同様で、感光層側の塗
布、乾燥は下記の如く行った。
【0146】〈添加液cの調製〉5.0gの省銀化剤A
をMEK45.0gに溶解し添加液cとした。
【0147】
【化18】
【0148】《感光層塗布液Bの調製》感光層塗布液A
にDesmodurN3300/モーベイ社製の脂肪族
イソシアネート(10%MEK溶液),添加液a、添加
液b、添加液cのそれぞれを、上記順に78:2:1
5:5:10の質量比になるように順次インライン添加
を行い、スタティックミキサーで混合し感光層塗布液B
を得た。
【0149】《感光層下層液の調製》感光層塗布液Aの
一部と添加液bを表3に記載したように感光層下層液に
振り分けメチルエチルケトンを混合して、感光層下層液
を調製した。
【0150】〔感光層側塗布〕前記感光層下層液と前記
感光層塗布液Aと感光層塗布液Bと表面保護層塗布液を
スライドコーターを用いて下引上層A−2に支持体側か
ら順に感光層下層液、感光層塗布液B、感光層塗布液
A、表面保護層塗布液を同時重層塗布した。感光層は感
光層塗布液Bの塗布銀量が0.7g/m2、感光層塗布
液Aの塗布銀量が0.8g/m2、表面保護層は乾燥膜
厚で2.5μmになるように毎分20mの速度で塗布し
た。その後、乾燥温度75℃、露点温度10℃の乾燥風
を用いて、10分間乾燥を行った。
【0151】なお比較の試料No.9は感光層塗布液
B、感光層塗布液Aと表面保護層塗布液を押し出し(エ
クストルージョン)コーターを用いて塗布を行った以外
は、上記と同様の方法で試料を塗布乾燥した。
【0152】各試料について実施例1と同様に露光、現
像処理し、評価も同様に行った。結果を表3に示す。
【0153】
【表3】
【0154】表3から、比較の感光材料と比べて、本発
明の感光材料は高感度であるにも拘わらず、画像保存性
が優れた熱現像写真感光材料であることが明らかであ
る。
【0155】
【発明の効果】本発明によって、感光材料の製造過程に
おける塗布性に問題がなく、且つ高感度で、画像保存性
が優れた熱現像写真感光材料およびその製造方法、画像
形成方法を提供することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 1/74 351 G03C 1/74 351 1/76 351 1/76 351 5/08 351 5/08 351 Fターム(参考) 2H123 AB00 AB01 AB03 AB23 AB25 BB00 BB02 BB09 BB31 BC01 CA22 CB00 CB03 4D075 AC02 AC11 AC17 AC96 AE02 BB24Z BB44Z BB46Z BB48Z BB54Z BB93Z CA48 DA04 DB07 DB13 DB18 DB20 DB33 DB48 DB53 DC27 EA07 EA45 EB07 EB10 EB12 EB14 EB15 EB19 EB20 EB22 EB32 EB33 EB35 EB38 EB39 EC07 EC08

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも有機銀塩、感光性ハロゲン化
    銀、還元剤及びバインダーを含有する組成物を塗布して
    なる感光層に隣接し、且つ支持体に近い位置に紫外光又
    は可視光に露光することで銀を酸化し得る反応活性種を
    発生する化合物を含有する層を有することを特徴とする
    熱現像写真感光材料。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の熱現像写真感光材料に
    対し、省銀化剤を更に含有することを特徴とする熱現像
    写真感光材料。
  3. 【請求項3】 紫外光又は可視光に露光することで銀を
    酸化し得る反応活性種を発生する化合物がハロゲン原子
    を含む反応活性種として放出できる化合物であることを
    特徴とする請求項1又は2に記載の熱現像写真感光材
    料。
  4. 【請求項4】 紫外光又は可視光に露光することで銀を
    酸化し得る反応活性種を発生する化合物が下記一般式
    (1)で表される化合物であることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の熱現像写真感光材料。 【化1】 (式中、Qはアリール基またはヘテロ環基を表す。
    1、X2及びX3は水素原子、ハロゲン原子、アシル
    基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
    ル基、スルフォニル基、アリール基を表すが、少なくと
    も一つはハロゲン原子である。Yは−CO−、−SO−
    または−SO2−を表す。)
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱
    現像写真感光材料の製造方法において、紫外光又は可視
    光に露光することで銀を酸化し得る反応活性種を発生す
    る化合物を含有する層が塗布液粘度5〜50mPa・s
    で塗布されることを特徴とする熱現像写真感光材料の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱
    現像写真感光材料の製造方法において、スライドコーテ
    ィング方式で塗布されることを特徴とする熱現像写真感
    光材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱
    現像写真感光材料が80℃以上、250℃以下で加熱す
    ることにより現像されることを特徴とする画像形成方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱
    現像写真感光材料が、露光面と走査レーザー光のなす角
    度が実質的に垂直になることがないレーザー走査露光機
    で露光されることを特徴とする画像形成方法。
  9. 【請求項9】 走査レーザー光が縦マルチであるレーザ
    ー走査露光機による露光であることを特徴とする請求項
    8に記載の画像形成方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    熱現像写真感光材料が、塗布乾燥した後の残存溶剤量が
    5〜500mg/m2である状態において、加熱現像さ
    れることを特徴とする画像形成方法。
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