JP2003043618A - 熱現像記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

熱現像記録媒体及びその製造方法

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JP2003043618A
JP2003043618A JP2001236455A JP2001236455A JP2003043618A JP 2003043618 A JP2003043618 A JP 2003043618A JP 2001236455 A JP2001236455 A JP 2001236455A JP 2001236455 A JP2001236455 A JP 2001236455A JP 2003043618 A JP2003043618 A JP 2003043618A
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carbon atoms
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JP2001236455A
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Yasunobu Kobayashi
康伸 小林
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学濃度、UVDmin、保存経過時UVD
min、現像むら等の写真性能が優れていると共に、感
光性層、中間層、保護層等の各層間の膜付き、塗布面の
傷、塗布故障等の物性が改善された熱現像記録媒体及び
その製造方法の提供。 【解決手段】 支持体上に有機銀塩、感光性ハロゲン化
銀、還元剤及びバインダーを含有する感光性層を有する
熱現像記録媒体において、支持体側から、感光性層、中
間層及び保護層をこの順に有し、該中間層に硬調化剤の
少なくとも1種を含有することを特徴とする熱現像記録
媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱現像記録媒体及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、印刷製版や医療の分野では、
ハロゲン化銀感光材料の湿式処理に伴う廃液が、作業性
の上で問題になっており、近年では環境保全、省スペー
スの観点からも処理廃液の減量が強く望まれている。そ
こで、レーザーイメージセッターやレーザーイメージャ
ーにより効率的な露光が可能で、高解像度で鮮明な黒色
画像を形成することができる光熱写真材料に関する技術
が必要とされてきた。このための技術として熱処理によ
り写真画像を形成する熱現像記録媒体が知られており、
これらは例えば、米国特許第3,152,904号、同
3,457,075号等の明細書及びD.モーガン(M
organ)とB.シェリー(Shely)による「熱
によって処理される銀システム(Thermally
Processed Silver System
s)」、イメージング・プロセッシーズ・アンド・マテ
リアルズ(Imaging Processes an
d Materials)Neblette 第8版、
スタージ(Sturge)、V.ウォールワース(Wa
lworth)、A.シェップ(Shepp)編集、第
2頁、1969年等に開示されている。このような熱現
像記録媒体は、還元可能な銀源(例えば有機銀塩)、触
媒活性量の光触媒(例えばハロゲン化銀)、及び還元剤
を通常有機のバインダーマトリクス中に分散した状態で
含有している。上記熱現像記録媒体は常温で安定である
が、露光後高温に加熱した場合に還元可能な銀源(酸化
剤として作用する)と還元剤との間の酸化還元反応によ
り銀を生成する。
【0003】この酸化還元反応は露光で発生した潜像の
触媒作用によって促進される。露光領域中の有機銀塩の
反応によって生成した銀は黒色像を提供し、これは非露
光域と対照をなし、画像の形成がなされる。
【0004】本発明でいう熱現像記録媒体は主として、
印刷用に用いられるため、熱現像により高ガンマで高濃
度の鮮明な画像が得られることが要請される。そこで、
通常は感光性層中に硬調化剤が含有されるが、該硬調化
剤の種類や構造によっては、経時により、又は感光性層
中に含有される添加剤によって分解され、その機能を喪
失、又は減退してしまい、画像の濃度低下、カブリや現
像むら等の発生の原因となることが多かった。また、感
光性層とともに、その他の非感光性を積層して塗布加工
する時は、各層のバインダーの構成が適性でない場合や
塗布方法の種類により積層される各層間の膜付き不良や
塗布故障を生ずることがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は光学濃
度、紫外部領域における最低濃度(以下、UVDmin
ともいう)、保存経過時UVDmin、現像むら等の写
真性能が優れていると共に、感光性層、中間層、非感光
性層(保護層ともいう)等の各層間の膜付き、塗布面の
傷、塗布故障等の塗布不良等が改善された熱現像記録媒
体及びその製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
の結果、硬調化剤の一部、又は全部を添加剤の影響のな
い他の層へ移すことにより、硬調化剤が分解した場合の
影響を最小限に抑制できることを見いだし本発明を完成
したのである。さらにまた支持体上に感光性層、中間
層、保護層等を積層して設ける場合、各層に統一したバ
インダーを用いることにより、各層間の膜付きが改良さ
れ、かつ各層を同時塗布することにより塗布故障等が大
幅に改良されることを見出し、本発明を完成したのであ
る。
【0007】従って本発明の前記の目的は下記構成によ
り達成される。 1.支持体上に有機銀塩、感光性ハロゲン化銀、還元剤
及びバインダーを含有する感光性層を有する熱現像記録
媒体において、支持体側から、感光性層、中間層及び保
護層をこの順に有し、該中間層に硬調化剤の少なくとも
1種を含有することを特徴とする熱現像記録媒体。
【0008】2.感光性層及び中間層の少なくとも一方
に前記一般式(1)で表される化合物を含有することを
特徴とする前記1に記載の熱現像記録媒体。
【0009】3.感光性層、中間層及び保護層に、同一
な溶媒に可溶なバインダーを用いることを特徴とする前
記1又は2に記載の熱現像記録媒体。
【0010】4.前記1〜3の何れか1項に記載の熱現
像記録媒体の感光性層、中間層及び保護層を同時重層塗
布することを特徴とする熱現像記録媒体の製造方法。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。 〔熱現像記録媒体〕本発明の熱現像記録媒体は支持体上
に感光性層、中間層及び保護層を積層して得られ、感光
性層、中間層及び保護層の各層には後述する親水性又は
疎水性バインダーが用いられると共に、感光性層には有
機銀塩、感光性ハロゲン化銀(単に、ハロゲン化銀又は
ハロゲン化銀粒子ともいう)、還元剤等が含有され、ま
た中間層には必須要件として硬調化剤が含有され、また
該硬調化剤は必要により感光性層又は保護層に含有され
てもよい。さらには、感光性層又は中間層には後述する
一般式(1)で表される化合物が含有されるのが好まし
い。
【0012】〈バインダー〉本発明の熱現像記録媒体の
感光性層、中間層、保護層の各層に用いられるバインダ
ーは親水性バインダー(水に溶解するバインダー若しく
はラテックス類)又は疎水性バインダー(有機溶剤に溶
解するバインダー)の何れでもよいが、各層のバインダ
ーが互いに同一の溶剤系に溶解するバインダーであるの
が好ましく、例えば感光性層、中間層、保護層の各層の
バインダーが何れも有機溶剤系バインダーであるか、又
は親水性バインダーであるのが好ましい。本発明の熱現
像記録媒体の感光性層、中間層、保護層の各層に用いら
れるバインダーは透明又は半透明で、一般に無色であ
り、天然ポリマーや合成モノポリマー及びコポリマー、
その他フィルムを形成する媒体となるものが用いられ
る。上記バインダーの具体例としては、例えば:ゼラチ
ン、アラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロ
キシエチルセルロース、カゼイン、デンプン等の水溶性
バインダー、セルロースアセテート、セルロースアセテ
ートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ア
クリル酸)、ポリ(メチルメタクリル酸)、ポリ(塩化
ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コポリ(スチレン−
無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリ
ル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(ビニル
アセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及
びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、
ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニ
リデン)、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネー
ト)類、ポリ(ビニルアセテート)、セルロースエステ
ル類、ポリ(アミド)等の疎水性バインダー、好ましく
はポリビニルブチラール、セルロースアセテート、セル
ロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリカー
ボネート、ポリアクリル酸、ポリウレタン等の疎水性バ
インダー、特にはポリビニルブチラール、セルロースア
セテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエス
テル等の疎水性バインダー、及びそれらのバインダー樹
脂のモノマーを乳化重合法又は懸濁重合法等により水中
で重合して得られるラテックス等が挙げられる。
【0013】疎水性バインダーを溶解するための主溶媒
としては、例えばアルコール類(メタノール、エタノー
ル、プロパノール)、ケトン類(アセトン、メチルエチ
ルケトン)ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、メチルセルソルブ等が好ましく用いられる。
【0014】〈有機銀塩〉本発明熱現像記録媒体の感光
性層に含有される有機銀塩は還元可能な銀源であり、還
元可能な銀イオン源を含有する有機酸及びヘテロ有機酸
の銀塩、特に長鎖(10〜30、好ましくは5〜25の
炭素原子数)の脂肪族カルボン酸及び含窒素複素環カル
ボン酸が好ましい。配位子が、4.0〜10.0の銀イ
オンに対する総安定定数を有する有機又は無機の銀塩錯
体も有用である。好適な銀塩の例は、Research
Disclosure第17029及び29963に
記載されており、次のものがある:有機酸の塩(例え
ば、没食子酸、シュウ酸、ベヘン酸、ステアリン酸、パ
ルミチン酸、ラウリン酸等の塩);銀のカルボキシアル
キルチオ尿素塩(例えば、1−(3−カルボキシプロピ
ル)チオ尿素、1−(3−カルボキシプロピル)−3,
3−ジメチルチオ尿素等);アルデヒドとヒドロキシ置
換芳香族カルボン酸とのポリマー反応生成物の銀錯体
(例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチ
ルアルデヒドのようなアルデヒド類とサリチル酸、ベン
ジル酸3,5−ジヒドロキシ安息香酸、5,5−チオジ
サリチル酸のようなヒドロキシ置換酸類);チオン類の
銀塩又は錯体(例えば、3−(2−カルボキシエチル)
−4−ヒドロキシメチル−4−チアゾリン−2−チオン
及び3−カルボキシメチル−4−メチル−4−チアゾリ
ン−2−チオン);イミダゾール、ピラゾール、ウラゾ
ール、1,2,4−チアゾール及び1H−テトラゾー
ル、3−アミノ−5−ベンジルチオ−1,2,4−トリ
アゾール及びベンゾトリアゾールから選択される窒素酸
と銀との錯体又は塩;サッカリン、5−クロロサリチル
アルドキシム等の銀塩;メルカプチド類の銀塩等が挙げ
られる。好ましい銀源はベヘン酸銀、アラキジン酸銀又
はステアリン酸銀である。
【0015】有機銀塩は、水溶性銀化合物と銀と錯形成
する化合物を混合することにより得られるが、正混合
法、逆混合法、同時混合法、特開平9−127643号
公報に記載されている様なコントロールドダブルジェッ
ト法等が好ましく用いられる。例えば、有機酸にアルカ
リ金属塩(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
など)を加えて有機酸アルカリ金属塩ソープ(例えば、
ベヘン酸ナトリウム、アラキジン酸ナトリウムなど)を
作製した後に、コントロールドダブルジェットにより、
前記ソープと硝酸銀などを添加して有機銀塩の結晶を作
製する。その際にハロゲン化銀粒子を混在させてもよ
い。
【0016】〈ハロゲン化銀粒子〉本発明の熱現像記録
媒体の感光性層に含有されるハロゲン化銀粒子は光セン
サーとして機能するものである。本発明においては、画
像形成後の白濁を低く抑えるため、及び良好な画質を得
るために平均粒子サイズが小さい方が好ましく、平均粒
子サイズが好ましくは0.03μm以下、より好ましく
は0.01〜0.03μmの範囲である。なお、本発明
の熱現像記録媒体のハロゲン化銀粒子は前記有機銀塩調
製時に同時に作製されるか、又は前記有機銀塩調製時に
該ハロゲン化銀粒子を混在させて調製することにより、
有機銀塩に融着した状態でハロゲン化銀粒子を形成させ
て微小粒子のいわゆるin situ銀とするのが好ま
しい。なお、上記ハロゲン化銀粒子の平均粒子径の測定
方法は、電子顕微鏡により50000倍で撮影し、それ
ぞれのハロゲン化銀粒子の長辺と短辺を実測し、100
個の粒子を測定し、平均したものを平均粒径とする。
【0017】ここで、上記粒子サイズとは、ハロゲン化
銀粒子が立方体或いは八面体のいわゆる正常晶である場
合には、ハロゲン化銀粒子の稜の長さをいう。又、正常
晶でない場合、例えば、球状、棒状、或いは平板状の粒
子の場合には、ハロゲン化銀粒子の体積と同等な球を考
えたときの直径をいう。またハロゲン化銀粒子は単分散
であることが好ましい。ここでいう単分散とは、下記式
で求められる単分散度が40%以下をいう。更に好まし
くは30%以下であり、特に好ましくは0.1〜20%
となる粒子である。
【0018】単分散度=(粒径の標準偏差)/(粒径の
平均値)×100 本発明において、ハロゲン化銀粒子は平均粒径0.01
〜0.03μmで、かつ単分散粒子であることがより好
ましく、この範囲にすることで画像の粒状性も向上す
る。
【0019】ハロゲン化銀粒子の形状については、特に
制限はないが、ミラー指数〔100〕面の占める割合が
高いことが好ましく、この割合が50%以上、更には7
0%以上、特に80%以上であることが好ましい。ミラ
ー指数〔100〕面の比率は、増感色素の吸着における
〔111〕面と〔100〕面との吸着依存性を利用した
T.Tani;J.Imaging Sci.,29,
165(1985)により求めることができる。
【0020】またもう一つの好ましいハロゲン化銀粒子
の形状は、平板粒子である。ここでいう平板粒子とは、
投影面積の平方根を粒径rμmとして、垂直方向の厚み
をhμmとした場合のアスペクト比=r/hが3以上の
ものをいう。その中でも好ましくは、アスペクト比が3
以上、50以下である。また粒径は0.03μm以下で
あることが好ましく、さらに0.01〜0.03μmが
好ましい。これらの製法は米国特許第5,264,33
7号、同5,314,798号、同5,320,958
号等の各明細書に記載されており、容易に目的の平板状
粒子を得ることができる。本発明においてこれらの平板
状粒子を用いた場合、さらに画像の鮮鋭性も向上する。
【0021】ハロゲン化銀粒子の組成としては特に制限
はなく、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、沃臭
化銀、沃化銀の何れであってもよい。本発明に用いられ
る写真乳剤は、P.Glafkides著Chimie
et PhysiquePhotographiqu
e(Paul Montel社刊、1967年)、G.
F.Duffin著 Photographic Em
ulsion Chemistry(The Foca
l Press刊、1966年)、V.L.Zelik
man et al著Making and Coat
ing Photographic Emulsion
(The Focal Press刊、1964年)等
に記載された方法を用いて調製することができる。
【0022】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子に
は、照度不軌改良や改良調整のために、元素周期律表の
6族から10族に属する金属のイオン又は錯体イオンを
含有することが好ましい。上記の金属としては、W、F
e、Co、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Re、O
s、Ir、Pt、Auが好ましい。
【0023】ハロゲン化銀粒子は、ヌードル法、フロキ
ュレーション法等、当業界で知られている方法の水洗に
より脱塩することができるが、本発明においては脱塩し
てもしなくてもよい。
【0024】本発明におけるハロゲン化銀粒子は、化学
増感されていることが好ましい。好ましい化学増感法と
しては、当業界でよく知られているように硫黄増感法、
セレン増感法、テルル増感法、金化合物や白金、パラジ
ウム、イリジウム化合物等の貴金属増感法や還元増感法
を用いることができる。
【0025】本発明においては熱現像記録媒体の失透を
防ぐためには、ハロゲン化銀粒子及び有機銀塩の総量
は、銀量に換算して1m2当たり0.3〜2.2gであ
り、0.5〜1.5gがより好ましい。この範囲にする
ことで硬調な画像が得られる。また銀総量に対するハロ
ゲン化銀の量は、質量比で50%以下、好ましくは25
%以下、更に好ましくは0.1〜15%の間である。
【0026】本発明におけるハロゲン化銀粒子は350
〜450μmに光の極大吸収を有し、特に増感色素を有
してなくてもよいが、必要に応じて含有させてもよい。
【0027】〈還元剤〉本発明の熱現像記録媒体の感光
性層又は保護層に含有される好適な還元剤の例は、米国
特許第3,770,448号、同第3,773,512
号、同第3,593,863号等の各明細書及びRes
earch Disclosure第17029号及び
同29963に記載されており、次のものが挙げられ
る。
【0028】アミノヒドロキシシクロアルケノン化合物
(例えば、2−ヒドロキシ−3−ピペリジノ−2−シク
ロヘキセノン);還元剤の前駆体としてアミノレダクト
ン類(reductones)エステル(例えば、ピペ
リジノヘキソースレダクトンモノアセテート);N−ヒ
ドロキシ尿素誘導体(例えば、N−p−メチルフェニル
−N−ヒドロキシ尿素);アルデヒド又はケトンのヒド
ラゾン類(例えば、アントラセンアルデヒドフェニルヒ
ドラゾン);ホスファーアミドフェノール類;ホスファ
ーアミドアニリン類;ポリヒドロキシベンゼン類(例え
ば、ヒドロキノン、t−ブチル−ヒドロキノン、イソプ
ロピルヒドロキノン及び(2,5−ジヒドロキシ−フェ
ニル)メチルスルホン);スルフヒドロキサム酸類(例
えば、ベンゼンスルフヒドロキサム酸);スルホンアミ
ドアニリン類(例えば、4−(N−メタンスルホンアミ
ド)アニリン);2−テトラゾリルチオヒドロキノン類
(例えば、2−メチル−5−(1−フェニル−5−テト
ラゾリルチオ)ヒドロキノン);テトラヒドロキノキサ
リン類(例えば、1,2,3,4−テトラヒドロキノキ
サリン);アミドオキシム類;アジン類;脂肪族カルボ
ン酸アリールヒドラザイド類とアスコルビン酸の組み合
わせ;ポリヒドロキシベンゼンとヒドロキシルアミンの
組み合わせ;レダクトン及び/又はヒドラジン;ヒドロ
キサン酸類;アジン類とスルホンアミドフェノール類の
組み合わせ;α−シアノフェニル酢酸誘導体;ビス−β
−ナフトールと1,3−ジヒドロキシベンゼン誘導体の
組み合わせ;5−ピラゾロン類;スルホンアミドフェノ
ール還元剤;2−フェニルインダン−1,3−ジオン
等;クロマン;1,4−ジヒドロピリジン類(例えば、
2,6−ジメトキシ−3,5−ジカルボエトキシ−1,
4−ジヒドロピリジン);ビスフェノール類(例えば、
ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフ
ェニル)メタン、ビス(6−ヒドロキシ−m−トリ)メ
シトール(mesitol)、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、4,4−エチ
リデン−ビス(2−t−ブチル−6−メチルフェノー
ル))、紫外線感応性アスコルビン酸誘導体;ヒンダー
ドフェノール類;3−ピラゾリドン類。中でも特に好ま
しい還元剤は、ヒンダードフェノール類である。ヒンダ
ードフェノール類としては、下記一般式(A)で表され
る化合物が挙げられる。
【0029】
【化2】
【0030】式中、Rは水素原子、又は炭素原子数1〜
10のアルキル基(例えば、−C49、2,4,4−ト
リメチルペンチル)を表し、R′及びR″は炭素原子数
1〜5のアルキル基(例えば、メチル、エチル、t−ブ
チル)を表す。
【0031】一般式(A)で表される化合物の具体例を
以下に示す。ただし、本発明は、以下の化合物に限定さ
れるものではない。
【0032】
【化3】
【0033】
【化4】
【0034】前記一般式(A)で表される化合物を始め
とする還元剤の使用量は、好ましくは銀1モル当り1×
10-2〜10モル、特に1×10-2〜1.5モルであ
る。
【0035】〈硬調化剤〉本発明の熱現像記録媒体の感
光性層又は保護層に用いられる硬調化剤としてのヒドラ
ジン化合物としては、Research Disclo
sure Item 23515(1983年11月
号、P.346)及びそこに引用された文献の他、米国
特許第4,080,207号、同第4,269,929
号、同第4,276,364号、同第4,278,74
8号、同第4,385,108号、同第4,459,3
47号、同第4,478,928号、同第4,560,
638号、同第4,686,167号、同第4,91
2,016号、同第4,988,604号、同第4,9
94,365号、同第5,041,355号、同第5,
104,769号、英国特許第2,011,391B
号、欧州特許第217,310号、同第301,799
号、同第356,898号、特開昭60−179734
号、同61−170733号、同61−270744
号、同62−178246号、同62−270948
号、同63−29751号、同63−32538号、同
63−104047号、同63−121838号、同6
3−129337号、同63−223744号、同63
−234244号、同63−234245号、同63−
234246号、同63−294552号、同63−3
06438号、同64−10233号、特開平1−90
439号、同1−100530号、同1−105941
号、同1−105943号、同1−276128号、同
1−280747号、同1−283548号、同1−2
83549号、同1−285940号、同2−2541
号、同2−77057号、同2−139538号、同2
−196234号、同2−196235号、同2−19
8440号、同2−198441号、同2−19844
2号、同2−220042号、同2−221953号、
同2−221954号、同2−285342号、同2−
285343号、同2−289843号、同2−302
750号、同2−304550号、同3−37642
号、同3−54549号、同3−125134号、同3
−184039号、同3−240036号、同3−24
0037号、同3−259240号、同3−28003
8号、同3−282536号、同4−51143号、同
4−56842号、同4−84134号、同2−230
233号、同4−96053号、同4−216544
号、同5−45761号、同5−45762号、同5−
45763号、同5−45764号、同5−45765
号、同6−289524号、同9−160164号等の
各公報に記載されたものを挙げることができる。
【0036】この他にも、特公平6−77138号公報
に記載の(化1)で表される化合物で、具体的には同公
報3頁、4頁に記載された化合物、特公平6−9308
2号公報に記載された一般式(1)で表される化合物で
具体的には同公報8頁〜18頁に記載の1〜38の化合
物、特開平6−23049号公報に記載の一般式
(4)、(5)及び(6)で表される化合物で、具体的
には同公報25頁、26頁に記載の化合物4−1〜4−
10、28頁〜36頁に記載の化合物5−1〜5−4
2、及び39頁、40頁に記載の化合物6−1〜6−
7、特開平6−289520号公報に記載の一般式
(1)及び(2)で表される化合物で、具体的には同公
報5頁から7頁に記載の化合物1−1)〜1−17)及
び2−1)、特開平6−313936号公報に記載の
(化2)及び(化3)で表される化合物で具体的には同
公報6頁から19頁に記載の化合物、特開平6−313
951号公報に記載の(化1)で表される化合物で、具
体的には同公報3頁から5頁に記載された化合物、特開
平7−5610号公報に記載の一般式(I)で表される
化合物で、具体的には同公報の5頁から10頁に記載の
化合物I−1〜I−38、特開平7−77783号公報
に記載の一般式(II)で表される化合物で、具体的には
同公報10頁〜27頁に記載の化合物II−1〜II−10
2、特開平7−104426号公報に記載の一般式
(H)及び一般式(Ha)で表される化合物で、具体的
には同公報8頁〜15頁に記載の化合物H−1〜H−4
4に記載されたもの等を用いることができる。
【0037】本発明において特に好ましいヒドラジン化
合物は下記一般式〔H〕で示されるものである。
【0038】
【化5】
【0039】式中、A0はそれぞれ置換基を有してもよ
い脂肪族基、芳香族基、複素環基又は−G0−D0基を、
0はブロッキング基を表し、A1、A2はともに水素原
子、又は一方が水素原子で他方はアシル基、スルホニル
基又はオキザリル基を表す。ここで、G0は−CO−
基、−COCO−基、−CS−基、−C(=NG11
−基、−SO−基、−SO2−基又は−P(O)(G1
1)−基を表し、G1は単なる結合手、−O−基、−S−
基又は−N(D1)−基を表し、D1は脂肪族基、芳香族
基、複素環基又は水素原子を表し、分子内に複数のD1
が存在する場合、それらは同じであっても異なってもよ
い。D0は水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、
アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル
チオ基、アリールチオ基を表す。
【0040】一般式〔H〕において、A0で表される脂
肪族基は好ましくは炭素数1〜30のものであり、特に
炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基が好
ましく、例えばメチル基、エチル基、t−ブチル基、オ
クチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基が挙げられ、
これらは更に適当な置換基(例えばアリール基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリール
チオ基、スルホキシ基、スルホンアミド基、スルファモ
イル基、アシルアミノ基、ウレイド基等)で置換されて
いてもよい。
【0041】一般式〔H〕において、A0で表される芳
香族基は、単環又は縮合環のアリール基が好ましく、例
えばベンゼン環又はナフタレン環が挙げられ、A0で表
される複素環基としては、単環又は縮合環で窒素、硫
黄、酸素原子から選ばれる少なくとも一つのヘテロ原子
を含む複素環が好ましく、例えばピロリジン環、イミダ
ゾール環、テトラヒドロフラン環、モルホリン環、ピリ
ジン環、ピリミジン環、キノリン環、チアゾール環、ベ
ンゾチアゾール環、チオフェン環、フラン環が挙げら
れ、A0で表される−G0−D0基において、G0は−CO
−基、−COCO−基、−CS−基、−C(=NG
11)−基、−SO−基、−SO2−基又は−P(O)
(G11)−基を表す。G1は単なる結合手、−O−
基、−S−基又は−N(D1)−基を表し、D1は脂肪族
基、芳香族基、複素環基又は水素原子を表し、分子内に
複数のD1が存在する場合、それらは同じであっても異
なってもよい。D0は水素原子、脂肪族基、芳香族基、
複素環基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アルキルチオ基、アリールチオ基を表し、好ましい
0としては水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ア
ミノ基等が挙げられる。A0の芳香族基、複素環基及び
−G0−D0基は置換基を有していてもよい。
【0042】A0として特に好ましいものはアリール基
及び−G0−D0基である。又、一般式〔H〕において、
0は耐拡散基又はハロゲン化銀吸着基を少なくとも一
つ含むことが好ましい。耐拡散基としてはカプラー等の
不動性写真用添加剤にて常用されるバラスト基が好まし
く、バラスト基としては写真的に不活性であるアルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、フェ
ニル基、フェノキシ基、アルキルフェノキシ基等が挙げ
られ、置換基部分の炭素数の合計は8以上であることが
好ましい。
【0043】一般式〔H〕において、ハロゲン化銀吸着
促進基としてはチオ尿素、チオウレタン基、メルカプト
基、チオエーテル基、チオン基、複素環基、チオアミド
複素環基、メルカプト複素環基、或いは特開昭64−9
0439号公報に記載の吸着基等が挙げられる。
【0044】一般式〔H〕において、B0はブロッキン
グ基を表し、好ましくは−G0−D0基であり、G0は−
CO−基、−COCO−基、−CS−基、−C(=NG
11)−基、−SO−基、−SO2−基又は−P(O)
(G11)−基を表す。好ましいG0としては−CO−
基、−COCO−基が挙げられ、G1は単なる結合手、
−O−基、−S−基又は−N(D1)−基を表し、D1
脂肪族基、芳香族基、複素環基又は水素原子を表し、分
子内に複数のD1が存在する場合、それらは同じであっ
ても異なってもよい。D0は水素原子、脂肪族基、芳香
族基、複素環基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基を表し、好ま
しいD0としては水素原子、アルキル基、アルコキシ
基、アミノ基等が挙げられる。A1、A2はともに水素原
子、又は一方が水素原子で他方はアシル基(アセチル
基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基等)、スル
ホニル基(メタンスルホニル基、トルエンスルホニル基
等)、又はオキザリル基(エトキザリル基等)を表す。
【0045】上記一般式〔H〕の具体的化合物としては
下記のものを挙げることができる。
【0046】
【化6】
【0047】
【化7】
【0048】さらに本発明に用いられるその他の硬調化
剤としては特開平11−316437号公報の33頁か
ら53頁に記載の化合物であり、さらに好ましくは特開
平12−298327号公報に記載の下記一般式(C
1)、一般式(C2)及び一般式(C3)のビニール系
化合物が好ましく用いられる。
【0049】
【化8】
【0050】一般式(C1)において、R11、R12及び
13は、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、Z
は電子吸引基又はシリル基を表し、R11とZ、R12とR
13、及びR13とZとはそれぞれ互いに結合して環状構造
を形成してもよいまた、一般式(C2)において、R14
は置換基を表す。また、一般式(C3)において、X及
びYはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、A及
びBはそれぞれ独立にアルコオキシ基、アルキルチオ
基、アルキルアミノ基、アリールチオ基、アニリノ基、
ヘテロ環オキシ基、ヘテロ環チオ基又はヘテロ環アミノ
基を表す。一般式4において、XとY及びAとBは、そ
れぞれ互いに結合して環状構造を形成してもよい。
【0051】上記一般式(C1)、一般式(C2)及び
一般式(C3)の具体的化合物としては、下記化合物が
ある。
【0052】
【化9】
【0053】
【化10】
【0054】
【化11】
【0055】
【化12】
【0056】前記のように、本発明では感光性層と保護
層との間に設けられた中間層に硬調化剤の少なくとも1
種を含有させることを特徴としており、必要により該硬
調化剤を感光性層にも含有させることができる。本発明
の熱現像記録媒体に含有される硬調化剤の量は銀1モル
に対して0.1〜0.001モルが好ましく、0.05
〜0.005モルがより好ましい。なお、中間層に含有
される硬調化剤の量は0.005モル以上が好ましい。
【0057】次に、本発明の熱現像記録媒体では、前記
一般式(1)の化合物を感光性層又は中間層に含有する
ことを好ましい要件としており、以下、一般式(1)の
構成を詳細に説明する。
【0058】一般式(1)において、T31で表される脂
肪族炭化水素基からなる2価の連結基としては、直鎖、
分岐又は環状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜2
0、より好ましくは1〜16、更に好ましくは1〜1
2)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より
好ましくは2〜16、更に好ましくは2〜12)、アル
キニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは
2〜16、更に好ましくは2〜12)であり、置換基を
有していてもよく、例えば脂肪族炭化水素基としては、
直鎖、分岐又は環状のアルキル基(好ましくは炭素数1
〜20、より好ましくは1〜16、更に好ましくは1〜
12)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、よ
り好ましくは2〜16、更に好ましくは2〜12)、ア
ルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましく
は2〜16、更に好ましくは2〜12)であり、アリー
ル基としては、炭素数6〜20の単環又は縮環のアリー
ル基(例えば、フェニル、ナフチル等が挙げられ、好ま
しくはフェニル)であり、複素環基としては、3〜10
員の飽和、不飽和のヘテロ環基(例えば、2−チアゾリ
ル、1−ピペラジニル、2−ピリジル、3−ピリジル、
2−フリル、2−チエニル、2−ベンズイミダゾリル、
カルバゾリル、等)であり、これらの基中のヘテロ環は
単環であっても、他の環と縮合環を形成してもよい。こ
れらの各基は任意の個所に置換基を有していてもよく、
例えば、アルキル基(シクロアルキル基、アラルキル基
を含み、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭
素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例
えばメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピ
ル、n−ブチル、tert−ブチル、n−ヘプチル、n
−オクチル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ヘキサ
デシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキ
シル、ベンジル、フェネチル等が挙げられる。)、アル
ケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは
炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、
例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニ
ル等が挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素
数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ま
しくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−
ペンチニル等が挙げられる。)、アリール基(好ましく
は炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特
に好ましくは炭素数6〜12であり、例えば、フェニ
ル、p−トリル、o−アミノフェニル、ナフチル等が挙
げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数、0〜2
0、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭
素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミノ、エチ
ルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジフェニ
ルアミノ、ジベンジルアミノ等が挙げられる。)、イミ
ノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素
数1〜18、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例
えば、メチルイミノ、エチルイミノ、プロピルイミノ、
フェニルイミノ等が挙げられる。)アルコキシ基(好ま
しくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜1
2、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えば、メト
キシ、エトキシ、ブトキシ等が挙げられる。)、アリー
ルオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましく
は炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であ
り、例えば、フェニルオキシ、2−ナフチルオキシ等が
挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜2
0、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭
素数1〜12であり、例えば、アセチル、ベンゾイル、
ホルミル、ピバロイル等が挙げられる。)、アルコキシ
カルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好まし
くは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12で
あり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ル等が挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基
(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7
〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例え
ば、フェニルオキシカルボニル等が挙げられる。)、ア
シルオキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好まし
くは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜10で
あり、例えば、アセトキシ、ベンゾイルオキシ等が挙げ
られる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数1〜2
0、より好ましくは炭素1〜16、特に好ましくは炭素
数1〜10であり、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイ
ルアミノ等が挙げられる。)、アルコキシカルボニルア
ミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭
素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、
例えば、メトキシカルボニルアミノ等が挙げられ
る。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましく
は炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特
に好ましくは炭素数7〜12であり、例えば、フェニル
オキシカルボニルアミノ等が挙げられる。)、スルホニ
ルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましく
は炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であ
り、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニ
ルアミノ等が挙げられる。)、スルファモイル基(好ま
しくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素0〜16、
特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えば、スルフ
ァモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモ
イル、フェニルスルファモイル等が挙げられる。)、カ
ルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好まし
くは炭素1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であ
り、例えば、カルバモイル、メチルカルバモイル、ジエ
チルカルバモイル、フェニルカルバモイル等が挙げられ
る。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、
より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数
1〜12であり、例えば、メチルチオ、エチルチオ等が
挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6
〜20、より好ましくは炭素6〜16、特に好ましくは
炭素数6〜12であり、例えば、フェニルチオ等が挙げ
られる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜2
0、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭
素数1〜12であり、例えば、メタンスルホニル、トシ
ル等が挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭
素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好
ましくは炭素数1〜12であり、例えば、メタンスルフ
ィニル、ベンゼンスルフィニル等が挙げられる。)、ウ
レイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは
炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であ
り、例えば、ウレイド、メチルウレイド、フェニルウレ
イド等が挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは
炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に
好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、ジエチルリ
ン酸アミド、フェニルリン酸アミド等が挙げられ
る。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子
(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原
子)、シアノ基、スルホ基、スルフィノ基、カルボキシ
ル基、ホスホノ基、ホスフィノ基、ニトロ基、ヒドロキ
サム酸基、ヒドラジノ基、ヘテロ環基(例えば、イミダ
ゾリル、ベンズイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチア
ゾリル、カルバゾリル、ピリジル、フリル、ピペリジ
ル、モルホリノ等が挙げられる。)等が挙げられる。
【0059】上記の基のうちヒドロキシ基、メルカプト
基、スルホ基、スルフィノ基、カルボキシル基、ホスホ
ノ基、ホスフィノ基等のような塩形成可能な基は塩であ
ってもよい。これらの置換基は更に置換されてもよい。
また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なって
もよい。置換基として好ましくは、アルキル基、アラル
キル基、アルコキシ基、アリール基、アルキルチオ基、
アシル基、アシルアミノ基、イミノ基、スルファモイル
基、スルホニル基、スルホニルアミノ基、ウレイド基、
アミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、ヘテロ環基、アル
コキシカルボニル基、ヒドロキシ基、スルホ基、カルバ
モイル基、カルボキシル基であり、より好ましくはアル
キル基、アルコキシ基、アリール基、アルキルチオ基、
アシル基、アシルアミノ基、イミノ基、スルホニルアミ
ノ基、ウレイド基、アミノ基、ハロゲン原子、ニトロ
基、ヘテロ環基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシ
基、スルホ基、カルバモイル基、カルボキシル基であ
り、更に好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリー
ル基、アルキルチオ基、アシルアミノ基、イミノ基、ウ
レイド基、アミノ基、ヘテロ環基、アルコキシカルボニ
ル基、ヒドロキシ基、スルホ基、カルバモイル基、カル
ボキシル基である。
【0060】アミジノ基としては、置換基を有するもの
を含み、置換基としては例えば、アルキル基(メチル、
エチル、ピリジルメチル、ベンジル、フェネチル、カル
ボキシベンジル、アミノフェニルメチル等の各基)、ア
リール基(フェニル、p−トリル、ナフチル、o−アミ
ノフェニル、o−メトキシフェニル等の各基)、複素環
基(2−チアゾリル、2−ピリジル、3−ピリジル、2
−フリル、3−フリル、2−チエノ、2−イミダゾリ
ル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル等の各基)等が挙
げられる。
【0061】Ra、Rb、Rc、Rdで表される脂肪族
炭化水素基、アリール基及び複素環基は、前記T31に於
て脂肪族炭化水素基、アリール基及び複素環基の例とし
て挙げたと同様のものを挙げることができ、好ましい範
囲も同様である。Ra、Rb、Rc、Rdで表されるア
シル基としては炭素数1〜12の脂肪族或いは芳香族の
基であり、具体的にはアセチル、ベンゾイル、ホルミ
ル、ピバロイル等の基が挙げられる。RaとRb、Rc
とRd、RaとRc或いはRbとRdの間で結合して形
成する含窒素複素環基としては3〜10員の飽和、不飽
和のヘテロ環基(例えば、ピペリジン環、ピペラジン
環、アクリジン環、ピロリジン環、ピロール環、モルフ
ォリン環等の環基)が挙げられる。
【0062】J31で表される酸素原子、硫黄原子又は窒
素原子を一つ以上含む2価の連結基としては、例えば、
以下のものが挙げられる。また、これらの組み合わせで
あってもよい。
【0063】
【化13】
【0064】ここで、Re及びRfは各々、上記のRa
〜Rdに定義した内容に同義である。
【0065】H31Arで表される芳香族炭化水素基とし
ては好ましくは炭素数6〜30のものであり、より好ま
しくは炭素数6〜20の単環又は縮環のアリール基であ
り、例えば、フェニル、ナフチル等が挙げられ、特に好
ましくはフェニルである。H 31Arで表される芳香族複
素環基としてはN、O及びSのうちの少なくとも一つの
原子を含む5〜10員の不飽和のヘテロ環基であり、こ
れらの基中のヘテロ環は単環であってもよいし、更に他
の環と縮合環を形成してもよい。このようなヘテロ環基
中のヘテロ環として好ましくは、5〜6員の芳香族ヘテ
ロ環、及びそのベンゾ縮合環であり、より好ましくは窒
素原子を含む5〜6員の芳香族ヘテロ環、及びそのベン
ゾ縮合環であり、更に好ましくは窒素原子を1〜2原子
含む5〜6員の芳香族ヘテロ環、及びそのベンゾ縮合環
である。
【0066】ヘテロ環基の具体例としては、例えば、チ
オフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾー
ル、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、
トリアジン、インドール、インダゾール、プリン、チア
ジアゾール、オキサジアゾール、キノリン、フタラジ
ン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノ
リン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フ
ェナジン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、
ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾチア
ゾール、ベンゾチアゾリン、ベンゾトリアゾール、テト
ラザインデン、カルバゾール、等から誘導される基が挙
げられる。ヘテロ環基として好ましくは、イミダゾー
ル、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、インドール、イ
ンダゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、キノ
リン、フェナジン、テトラゾール、チアゾール、オキサ
ゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベ
ンゾチアゾール、ベンゾチアゾリン、ベンゾトリアゾー
ル、テトラザインデン、カルバゾールからなる基であ
り、更に好ましくは、イミダゾール、ピリジン、ピラジ
ン、キノリン、フェナジン、テトラゾール、チアゾー
ル、ベンズオキサゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾ
チアゾール、ベンゾチアゾリン、ベンゾトリアゾール、
カルバゾールから誘導される基が挙げられる。
【0067】H31Arで表される芳香族炭化水素基並び
に芳香族複素環基は置換基を有していても良く、置換基
としては、例えば、T31の置換基として挙げた基と同様
のものを挙げることができ、好ましい範囲も同様であ
る。これらの置換基は更に置換されてもよく、また、置
換基が二つ以上ある場合には各々、同じでも異なっても
よい。H31Arで表される基は好ましくは芳香族複素環
基である。
【0068】M31で表される分子内の電荷を相殺するに
必要なイオンとして酸アニオンの具体例としては例え
ば、ハロゲンイオン(例えば塩素イオン、臭素イオン、
沃素イオン等)、p−トルエンスルホン酸イオン、過塩
素酸イオン、4フッ化ホウ素イオン、硫酸イオン、メチ
ル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、メタンスルホン酸イ
オン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等が挙げら
れる。
【0069】以下に一般式(1)で表される化合物の具
体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0070】
【化14】
【0071】
【化15】
【0072】
【化16】
【0073】
【化17】
【0074】
【化18】
【0075】
【化19】
【0076】本発明の一般式(1)で表される化合物
は、市販のものを用いても良いし、あるいは既知の方法
で合成しても良い。例えば、日本化学会編、新実験化学
講座14巻(III)1739〜1741頁(1978)
等に記載の方法で合成することができる。
【0077】本発明の一般式(1)で表される化合物
は、熱現像記録媒体において、感光性層でも保護層でも
添加することができるが、好ましくは感光性層である。
【0078】本発明の一般式(1)で表される化合物の
添加量は所望の目的により異なるが、銀1モル当たり1
-4〜1モル、好ましくは10-3〜0.3モル、更に好
ましくは10-3〜0.1モル添加することが好ましい。
また一般式(1)の化合物は、一種のみを用いても二種
以上を併用してもよい。
【0079】本発明の一般式(1)の化合物は、水或い
は適当な有機溶媒、例えば、アルコール類(メタノー
ル、エタノール、プロパノール、フッ素化アルコー
ル)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン)、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセ
ロソルブ等に溶解して用いることができる。また、既に
よく知られている乳化分散法によって、ジブチルフタレ
ート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリア
セテートあるいはジエチルフタレート等のオイル、酢酸
エチルやシクロヘキサノン等の補助溶媒を用いて溶解
し、機械的に乳化分散物を作製して用いることができ
る。あるいは固体分散法として知られている方法によっ
て、粉末を水の中にボールミル、コロイドミル、サンド
グラインダーミル、マントンゴーリン、マイクロフルイ
ダイザーあるいは超音波によって分散し用いることがで
きる。また、固体微粒子分散する際に分散助剤を用いて
もよい。
【0080】〈熱現像記録媒体のその他の構成〉感光性
層に通過する光の量又は波長分布を制御するために、感
光性層と同じ側にフィルター染料層、又は反対側にアン
チハレーション染料層、いわゆるバッキング層等の補助
層を形成しても良いし、感光性層に染料又は顔料を含ま
せても良い。これらの補助層にはバインダーやマット剤
の他に、ポリシロキサン化合物、ワックス、流動パラフ
ィンのような滑り剤を含有しても良い。
【0081】また、本発明の熱現像記録媒体には、塗布
助剤として各種の界面活性剤が用いられ、中でもフッ素
系界面活性剤が、帯電特性を改良したり、斑点状の塗布
故障を防ぐために好ましく用いられる。
【0082】本発明の熱現像記録媒体の感光性層は複数
層にしても良く、また階調の調節のため、感光性層の構
成として高感度層/低感度層、又は低感度層/高感度層
にしても良い。
【0083】また、本発明に用いられる好適な色調剤の
例は、Research Disclosure第17
029号に開示されている。
【0084】本発明の熱現像記録媒体にはかぶり防止剤
が用いられてもよく、これらの添加剤は感光性層、中間
層、保護層又はその他の形成層の何れに添加してもよ
い。
【0085】本発明の熱現像記録媒体には例えば、界面
活性剤、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、被覆助剤等を
用いても良い。これらの添加剤及び上述したその他の添
加剤はResearch Disclosure第17
029号(1978年6月p.9〜15)に記載されて
いる化合物を好ましく用いることができる。
【0086】〈支持体〉本発明で用いられる支持体は、
現像処理後に所定の光学濃度を得るため及び現像処理後
の画像の変形を防ぐために、プラスチックフィルム(例
えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネー
ト、ポリイミド、ナイロン、セルローストリアセテー
ト、ポリエチレンナフタレート)であることが好まし
い。
【0087】その中でも好ましい支持体としては、ポリ
エチレンテレフタレート及びシンジオタクチック構造を
有するスチレン系重合体を含むプラスチックの支持体が
挙げられる。支持体の厚みとしては50〜300μm程
度、好ましくは70〜180μmである。
【0088】また熱処理したプラスチック支持体を用い
ることもできる。採用するプラスチックとしては、前記
のプラスチックが挙げられる。支持体の熱処理とはこれ
らの支持体を製膜後、ハロゲン化銀感光層、非感光性
層、又はその他の形成層が塗布されるまでの間に、支持
体のガラス転移点より30℃以上高い温度で、好ましく
は35℃以上高い温度で、更に好ましくは40℃以上高
い温度で加熱することがよい。但し、支持体の融点を超
えた温度に加熱することは支持体の強度の均一性を損
い、好ましくない。
【0089】本発明においては帯電性を改良するために
金属酸化物又は導電性ポリマーなどの導電性化合物を構
成層中に含ませることができる。これらはいずれの層に
含有させてもよいが、好ましくは下引層、バッキング
層、銀感光性層と下引の間の層などである。
【0090】〈感光性層、中間層、保護層の塗布方法〉
本発明は感光性層、中間層、保護層を同時に塗布する重
層塗布を行うことを特徴とする。塗布方式としては、リ
バースロール、グラビアロール、エアドクターコータ、
ブレードコータ、エアナイフコータ、スクイズコータ、
含浸コータ、ワイヤーバーコータ、トランスファロール
コータ、キスコータ、キャストコータ或いはスプレーコ
ータ、エクストルージョンコータがあるが、エクストル
ージョン方式のエクストルージョンコータによりウェッ
ト−オン−ウェット方式の重層塗布を行うのがより好ま
しい。
【0091】なお、ウェット−オン−ウェット方式にお
ける重層塗布においては、下側の層が湿潤状態になった
ままで上側の層を塗布するので、上下層間の接着性が向
上するとともに、塗布を一度で終了させるので塗布面に
傷が入り難く、平滑性が良いため現像むらが出にくく、
更に歩留まりを向上させることができる。
【0092】(塗布液の粘度)各塗布液の粘度は、0.
2Pa・s以上、0.5Pa・s以下であることが好ま
しい。0.2Pa・s以下になると、条件によってはむ
らが発生することがあり、0.5Pa・s以上になると
塗布液の流動性が低くなり、塗布性が低下してしまう。
この範囲内であれば、塗布液の流動性も良く、塗布むら
も発生しにくいので、いかなる条件でも均一に塗布する
ことが可能となる。
【0093】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るがこれにより本発明が限定されるものではない。
【0094】実施例1 〔試料1の作製〕 〈下引及びバック面塗布済みPET支持体の作製〉帝人
(株)製の2軸延伸熱固定済みの厚さ125μmのPE
Tフィルムの両面に下記に示す条件でプラズマ処理1を
施し、次いで一方の面に下記下引塗布液a−1を乾燥膜
厚0.8μmになるように塗設し乾燥させて下引層A−
1とし、また反対側の面に下記帯電防止用の下引塗布液
b−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥さ
せて帯電防止加工下引層B−1とした。
【0095】 《下引塗布液a−1》 ブチルアクリレート(30質量%) t−ブチルアクリレート(20質量%) スチレン(25質量%) 2−ヒドロキシエチルアクリレート(25質量%) の共重合体ラテックス液(固形分30質量%) 270g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g ポリスチレン微粒子(平均粒径3μm) 0.05g コロイダルシリカ(平均粒径90μm) 0.1g 水で1Lに仕上げる 《下引塗布液b−1》 酸化錫(インジウムを0.1質量%ドープした平均粒子径36nm)g/m2 になる量 0.26g ブチルアクリレート(30質量%) スチレン(20質量%) グリシジルアクリレート(40質量%)の共重合体ラテックス液(固形分30 質量%) 270g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g 水で1Lに仕上げる。
【0096】引き続き、下引層A−1及びB−1の表面
に8W/m2・分のコロナ放電を施し、下引層A−1の
上には下記下引き上層塗布液a−2を、乾燥膜厚0.1
μmになるように下引上層A−2として塗布し、また下
引層B−1の上には下記下引き上層塗布液b−2を、乾
燥膜厚0.8μmになるように帯電防止機能を持つ下引
上層B−2として塗布した。
【0097】 《下引き上層塗布液a−2》 ゼラチン 0.4g/m2になる量 (C−1) 0.2g (C−2) 0.2g (C−3) 0.2g シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.1g 水で1Lに仕上げる。
【0098】 《下引き上層塗布液b−2》 (C−4) 60g (C−5)を成分とするラテックス液(固形分20質量%) 80g 硫酸アンモニウム 0.5g (C−6) 12g ポリエチレングリコール(質量平均分子量600) 6g 水で1Lに仕上げる。
【0099】《支持体の熱処理》上記の下引済み支持体
の下引乾燥工程において、支持体を140℃で加熱し、
その後徐々に冷却した。その際に1×105Paの張力
で搬送した。
【0100】〈バック層及びバック保護層塗布〉以下の
組成のバック層塗布液3とバック保護層塗布液4を、そ
れぞれ塗布前に準絶対濾過精度20μmのフィルタを用
いて濾過した後、押し出しコーターで前記下引上層B−
2面上に、下記付き量となるように、毎分120mの速
度で同時重層塗布し、60℃で4分間乾燥を行った。
【0101】 《バック層塗布液3》 メチルエチルケトン 16.4g/m2 ポリエステル樹脂(Bostic社製、Vitel PE2200B) 106mg/m2 セルロースアセテートプロピレート(Eastman Chemical社製 、CAP504−0.2) 1.0g/m2 セルロースアセテートブチレート(Eastman Chemical社製、 CAB381−20) 1.0g/m2 《バック保護層塗布液4》 メチルエチルケトン 22g/m2 ポリエステル樹脂(Bostic社製、Vitel PE2200B) 106mg/m2 帯電防止剤;(CH33SiO−〔(CH32SiO〕20−〔CH3SiO{ CH2CH2CH2O(CH2CH2O)10(CH2CH2CH2O)15CH3}〕30− Si(CH33 22mg/m2 フッ素系界面活性剤F−1:C817SO3Li 10mg/m2 セルロースアセテートプロピレート(Eastman Chemical社製 、CAP504−0.2) 1.0g/m2 セルロースアセテートブチレート(Eastman Chemical社製、 CAB381−20) 1.0g/m2 マット剤(富士デビソン社製、サイロイド74;平均粒子サイズ7μmのシリ カ) 17mg/m2 上記のようにして得られた下引及びバック面塗布済み支
持体に以下のようにして感光性層塗布液、中間層塗布液
及び保護層塗布液を順次塗布して試料1を作製した。
【0102】
【化20】
【0103】
【化21】
【0104】 〈感光性層塗布液、中間層塗布液及び保護層塗布液の作製〉 《感光性ハロゲン化銀乳剤Bの調製》 A1 フェニルカルバモイルゼラチン 88.3g 下記化合物(A)(10質量%メタノール溶液) 10ml 臭化カリウム 0.32g 水で5429mlに仕上げる B1 0.67M硝酸銀水溶液 2635ml C1 臭化カリウム 51.55g 沃化カリウム 1.47g 水で660mlに仕上げる D1 臭化カリウム 154.9g 沃化カリウム 4.41g 塩化イリジウム(1質量%溶液) 0.93ml E1 0.4M臭化カリウム水溶液 下記銀電位制御量 F1 56質量%酢酸水溶液 16.0ml G1 無水炭酸ナトリウム 1.72g 水で151mlに仕上げる 化合物(A): HO(CH2CH2O)n−[CH(CH3)CH2O]17−(CH2CH2O)m H m+n=5〜7 特公昭58−58288号公報に示される混合撹拌機を
用いて溶液A1に溶液B1の1/4量及び溶液C1全量
を45℃、pAg8.09に制御しながら、同時混合法
により4分45秒を要して添加し、核形成を行った。
【0105】7分間経過後、溶液B1の残り及び溶液D
1の全量を、溶液E1でpAgを8.09に制御しなが
ら、45℃で同時混合法により14分15秒かけて添加
した。混合中、反応溶液のpHは5.6であった。
【0106】5分間撹拌した後、40℃に降温し、溶液
F1を全量添加し、ハロゲン化銀乳剤を沈降させた。沈
降部分2000mlを残し上澄み液を取り除き、水を1
0L加え、撹拌後、再度ハロゲン化銀乳剤を沈降させ
た。沈降部分1500mlを残し、上澄み液を取り除
き、更に水を10L加え、撹拌後、ハロゲン化銀乳剤を
沈降させた。沈降部分1500mlを残し、上澄み液を
取り除いた後、溶液G1を加え、60℃に昇温し、更に
120分撹拌した。最後にpHが5.8になるように調
整し、銀量1モル当たり1161gになるように水を添
加して感光性ハロゲン化銀乳剤Bを得た。得られた感光
性ハロゲン化銀乳剤Bのハロゲン化銀粒子は平均粒子サ
イズが0.058μm、粒子サイズの変動係数が12
%、[100]面比率が92%の立方体沃臭化銀粒子であ
った。
【0107】《粉末有機銀塩Bの調製》4720mlの
純水にベヘン酸130.8g、アラキジン酸67.7
g、ステアリン酸43.6g、パルミチン酸2.3gを
80℃で溶解した。次に1.5Mの水酸化ナトリウム水
溶液540.2mlを添加し濃硝酸6.9mlを加えた
後、55℃に冷却して脂肪酸ナトリウム溶液を得た。上
記の脂肪酸ナトリウム溶液の温度を55℃に保ったま
ま、31.7gの上記の感光性ハロゲン化銀乳剤Bと純
水465mlを添加し5分間攪拌した。
【0108】次に1Mの硝酸銀溶液702.6mlを2
分間かけて添加し、10分間攪拌し有機銀塩分散物を得
た。その後、得られた有機銀塩分散物を水洗容器に移
し、脱イオン水を加えて攪拌後、静置させて有機銀塩分
散物を浮上分離させ、下方の水溶性塩類を除去した。そ
の後、排水の電導度が2μS/cmになるまで脱イオン
水による水洗、排水を繰り返し、遠心脱水を実施した
後、気流式乾燥機フラッシュジェットドライヤー(株式
会社セイシン企業製)を用いて、乾燥機入口熱風温度7
5℃の運転条件により含水率が0.1%になるまで乾燥
して粉末有機銀塩Bを得た。この時、乾燥熱風は大気中
の空気を電気ヒーターで加熱したものを使用した。な
お、粉末有機銀塩Bの含水率測定には赤外線水分計を使
用した。
【0109】《予備分散液Bの調製》ポリビニルブチラ
ール粉末「Butvar B−79」(Monsant
o社製)14.57gをメチルエチルケトン(以下ME
Kと略す)1457gに溶解し、VMA−GETZMA
NN社製「ディゾルバDISPERMAT CA−40
M型攪拌機」により攪拌しながら粉末有機銀塩Bの50
0gを徐々に添加して十分に混合することにより予備分
散液Bを調製した。
【0110】《感光性乳剤分散液Bの調製》予備分散液
Bをポンプを用いてミル内滞留時間が10分間となるよ
うに、0.5mm径のジルコニアビーズ(東レ製トレセ
ラム)を内容積の80%充填したメディア型分散機DI
SPERMAT SL−C12EX型(VMA−GET
ZMANN社製)に供給し、ミル周速13m/sにて分
散を行なうことにより感光性乳剤分散液Bを調製した。
【0111】《溶液aの調製》後述の化合物Pの0.1
g、化合物Qの0.1gをメタノール10.1gに溶解
し、溶液aを作製した。
【0112】《増感色素液aの調製》29mgの増感色
素1を、4.5gの2−クロロ−安息香酸、溶液aを
8.4g、及び280mgの5−メチル−2−メルカプ
トベンズイミダゾールを77.2mlのMEKに暗所に
て溶解し、増感色素液aを調製した。
【0113】《添加液aの調製》例示化合物A−4(還
元剤)107g及び、4−メチルフタル酸4.8gをM
EK261gに溶解し、添加液aとした。
【0114】《添加液bの調製》11.6gのかぶり防
止剤2をMEK137gに溶解し、添加液bとした。
【0115】《添加液cの調製》アルコキシシラン化合
物:C65−NH−(CH2)−Si−(OCH33
21.7gと、かぶり防止剤3を45gを、MEK15
9gに溶解し、添加液cとした。
【0116】《感光性層塗布液E−1の調製》前記感光
性乳剤分散液B(24.61g/m2)及びMEK
(7.59g/m2)を撹拌しながら21℃に保温し、
かぶり防止剤1(11.2質量%メタノール溶液、0.
1612g/m2)を加え、1時間撹拌した。さらに臭
化カルシウム(11.2質量%メタノール溶液、0.2
04g/m2)を添加して20分撹拌した。続いて、溶
液a(0.0195g/m2)を添加して10分間撹拌
した後、増感色素液aを添加して1時間撹拌した。その
後、温度を13℃まで降温してさらに30分撹拌した。
13℃に保温したまま、ポリビニルブチラール「But
var B−79」(Monsanto社製)、5.2
437g/m2を添加して30分撹拌した後、テトラク
ロロフタル酸(0.0525g/m2)を添加して30
分間撹拌した。その後、5−ニトロインダゾール(0.
0180g/m2)、5−ニトロベンズイミダゾール
(0.0060g/m2)及びMEK(3.3748g
/m2)を添加した。さらに撹拌を続けながら、添加液
a、添加液bを(それぞれ2.2289g/m2)、添
加液c(3.3748g/m2)を順次撹拌することに
より感光性層塗布液E−1を得た。
【0117】《中間層塗布液1−1の調製》1m2当た
りMEK31.8gを撹拌しながら、セルロースアセテ
ートブチレート(Eastman Chemical社
製、CAB171−15):3.6gを添加して溶解
し、中間層塗布液1−1を調製した。
【0118】
【化22】
【0119】
【化23】
【0120】《保護層塗布液P−1の調製》1m2あた
りMEK15.9gを攪拌しながら、セルロースアセテ
ートブチレート(Eastman Chemical社
製、CAB171−15):1.8g、ポリメチルメタ
クリル酸(ローム&ハース社製、パラロイドA−2
1):85mg、ベンゾトリアゾール:20mg、フッ
素系界面活性剤F−1:C817SO3Liの13mg、
フッ素系界面活性剤F−2:C817(CH2CH2O)
22817の50mgを添加し溶解した。次に下記マッ
ト剤分散液1.75g及び添加液dの2.90gを添加
して攪拌し、保護層塗布液P−1を調製した。
【0121】(マット剤分散液の調製)1m2当たり
1.7gのMEKに平均粒径3.5μmの単分散シリカ
50mgを添加し、ディゾルバ型ホモジナイザにて80
00rpmで30分間分散しマット剤分散液を調製し
た。
【0122】(添加液dの調製)1m2あたり0.17
gになる量のフタラジンを1m2あたり2.73gにな
る量のMEKに溶解し添加液dとした。
【0123】〈感光性層側の塗布〉上記のようにして得
られた感光性層塗布液E−1、中間層塗布液1−1及び
保護層塗布液P−1のそれぞれを、ろ過精度20%のフ
ィルターを通してろ過後にエクストルージョン型ダイコ
ーターのスリットより吐き出させて、前記下引き及びバ
ックコート層塗布済み支持体の下引層A−2上に毎分9
0mの速度で同時重層塗布し、その8秒後に、乾燥温度
75℃の熱風を用いて5分間乾燥し、環境温湿度23
℃、50%RH、張力196N/mでロール状に巻きと
ることにより、試料1(比較用)の熱現像記録媒体を作
製した。得られた熱現像記録媒体の感光性層の塗布銀量
は1.5g/m2であり、硬調化剤は添加しなかった。
【0124】〔試料2〜8の作製〕硬調化剤の種類及び
その量を変化して保護層塗布液P−1又はP−2、中間
層塗布液1−1〜1−3、感光性層塗布液E−1〜E−
3を作製し、これらの3層の塗布液を表1の如く組み合
わせて塗布加工した他は試料1と同様にして試料1〜8
を得、得られた各試料のUVDmin及び現像むらの特
性を測定し、その結果を表1に示した。
【0125】〈露光、現像処理〉上記試料1〜8をそれ
ぞれ25cm×30cmに切断して23℃、50%RH
の条件で12時間調湿した後、その後780nmの半導
体レーザーを有する感光計でウェッジを介して露光し
た。現像はImation社製フィルムプロセッサーm
odel 2771を用い、120℃、48秒の設定で
熱現像処理した。その際、露光及び現像は23℃、50
%RHに調湿した部屋で行った。
【0126】〈画像評価〉光学濃度計(X−rite社
製)で光学濃度を測定し、Dmax部はビジュアルの濃
度、Dmin部はUVの濃度を測定した。Dmax=
4.0以上のもの、Dmin=0.2以下のものを合格
とした。経時劣化は24時間後のUVDminを測定
し、0.22以下のものを合格とし、評価結果を表1に
示した。
【0127】
【表1】
【0128】表1より、本発明の試料2〜5はいずれも
カブリが無く、高濃度の鮮明な画像が得られ、かつ生試
料の経時保存においてもカブリの変動が無く優れている
が、比較の試料1及び6〜8はそれらの特性のいずれか
が悪く、実用性に乏しいことがわかる。
【0129】実施例2 本実施例では中間層塗布液又は感光性層塗布液に一般式
(1)の化合物を用いたことにより主として現像むらの
改良効果を目的とした。
【0130】〔試料9〜11の作製〕硬調化剤の種類及
びその量(銀に対するモル比)を表2の如く変化して保
護層塗布液P−1を一定にし、中間層塗布液1−1又は
1−4、感光性層塗布液E−2又はE−4を作製し、こ
れらの3層の塗布液を表2の如く組み合わせて塗布加工
した他は試料1と同様にして試料3及び試料9〜11を
作製し、得られた各試料のUVDmin及び現像むらの
特性を表2に示した。
【0131】〈画像評価〉本実施例においては、UVD
min及び現像むらに着目して下記のように評価した。
【0132】《UVDminの評価》実施例1と同様に
してウエッジ露光、熱現像して得られた画像を光学濃度
計(X−rite社製)でDmin部のUVの濃度を測
定し、得られた結果を表2に示した。Dmin部のUV
の濃度が0.2以下を実用上合格とした。
【0133】《現像むらの評価》濃度2.0となるよう
にベタ露光を行い、実施例1の場合と同様120℃、4
8秒にて熱現像処理し、現像むらの度合いを目視評価
し、得られた結果を表2に示した。1〜5までで評価
し、5は全く現像むらが見えないレベル、4は僅かに現
像むらが確認できるレベル、3は実用上は問題ないが、
ユーザーから指摘されるレベル、2は多くのユーザーか
ら指摘されるレベル、1は実用上問題となるレベルと
し、4以上を合格とした。
【0134】
【表2】
【0135】表2より感光性層又は中間層に一般式
(1)の化合物1−21を添加した試料9〜11は該化
合物1−21を添加していない試料6に比してDmin
部のUVの濃度が低く、現像むらが少なくより良質の画
像が得られることがわかる。
【0136】実施例3 本実施例では、主として感光性層、中間層、保護層に同
一溶剤系のものを使用した場合の効果を確かめることを
目的としている。
【0137】〔試料12の作製〕実施例1で用いた試料
3の有機溶剤系の感光性層、中間層、保護層を水系感光
性層、水系中間層、水系保護層に改造して試料12を作
製した。
【0138】〈下引き及びバック面塗布済み支持体の作
製〉 《感光性層側下引き層(a)及び下引き層(b)》実施
例1で使った125μm厚のPETフィルム支持体の片
面に感光性層側下引き層(a)、その上に下引き層
(b)を下記の付き量となるよう塗布した。
【0139】 (下引き層(a)) ポリマーラテックス2(スチレン/ブタジエン/ヒドロキシエチルメタクリレ ート/ジビニルベンゼン=67/30/2.5/0.5(質量%)) 160mg/m2 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン 4mg/m2 マット剤(ポリスチレン、平均粒径2.4μm) 3mg/m2 (下引き層(b)) アルカリ処理ゼラチン(Ca2+含有量30ppm、ゼリー強度230g) 50mg/m2 《バック層側導電層及びその保護層》前記125μm厚
のPETフィルム支持体のバック層側に導電層、その上
に該導電層の保護層を下記の付き量となるよう塗布し
た。
【0140】 (導電層) ジュリマーET−410(日本純薬(株)製) 96mg/m2 アルカリ処理ゼラチン(分子量10000、Ca2+含有量30ppm) 42mg/m2 脱イオン処理ゼラチン(Ca2+含有量0.6ppm) 8mg/m2 前記化合物(A) 0.2mg/m2 ポリオキシエチレンフェニルエーテル 10mg/m2 スミテックスレジンM−3(水溶性メラミン化合物 住友化学工業(株)製) 18mg/m2 SnO2/Sb(9/1質量比、針状微粒子、長軸/短軸=20〜30、石原 産業(株)製) 160mg/m2 マット剤(ポリメチルメタクリレート、平均粒子径5μm) 7mg/m2 (導電層の保護層) ポリマーラテックス3(メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシ ルアクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸=59/ 9/26/5/1(質量%の共重合体)) 1g/m2 ポリスチレンスルホン酸塩(分子量1000〜5000) 2.6g/m2 セゾール524(中共油脂(株)製) 25mg/m2 スミテックスレジンM−3(水溶性メラミン化合物 住友化学工業(株)製) 218mg/m2 上記のように感光性層側に下引き層(a)及び下引き層
(b)を順次塗布した支持体のバック面側に導電層及び
その保護層を順次塗布し、それぞれ180℃、30秒間
乾燥して下引き及びバック面塗布済み支持体を作製し
た。
【0141】このようにして作製された下引き及びバッ
ク面塗布済み支持体は、さらに160℃に設定した全長
230mの熱処理ゾーンに入れ、張力1.4×9.8×
10 3Pa、搬送速度20m/分で自重搬送され、その
後で、40℃のゾーンに15秒間通し、9.8×105
Paの巻き取り張力で巻き取られた。
【0142】〈水系感光性層塗布液、水系中間層塗布
液、水系保護層塗布液の調製〉 《感光性ハロゲン化銀乳剤Aの調製》水700mlにフ
タル化ゼラチン11g、臭化カリウム30mg及びベン
ゼンチオスルホン酸ナトリウム10mgを溶解して、温
度55℃にてpHを5.0に合わせた後、硝酸銀18.
6gを含む水溶液159mlと1モル/リットルの臭化
カリウムを含む水溶液をpAg7.7に保ちながらコン
トロールドダブルジェット法で3分30秒間かけて添加
した。次いで、硝酸銀55.5gを含む水溶液476m
lと臭化カリウムを1モル/リットル含む水溶液をpA
g7.7に保ちながらコントロールドダブルジェット法
で15分30秒かけて添加した。その後pHを下げて凝
集沈降させて脱塩処理をし、前記化合物(A)を0.1
7g、脱イオンゼラチン(カルシウム含有量として20
ppm以下)23.7gを加え、pH5.9、pAg
8.0に調整した。
【0143】得られた粒子は平均粒子サイズ0.058
μm(投影面積直径)、該投影面積直径の変動係数8
%、(100)面比率93%の立方体粒子であった。こ
のようにして得たハロゲン化銀粒子を60℃に昇温し
て、銀1モル当たり76μモルのベンゼンチオスルホン
酸ナトリウムを添加し、3分後にチオ硫酸ナトリウム1
54μモルを添加して、100分間熟成した。
【0144】その後、40℃に温度を保ち、下記増感色
素Aをハロゲン化銀の銀1モルに対して6.4×10-4
モル、下記化合物Bをハロゲン化銀の銀1モルに対して
6.4×10-3モル撹拌しながら添加し、20分後に3
0℃に急冷して感光性ハロゲン化銀乳剤Aの調製を終了
した。
【0145】
【化24】
【0146】《有機銀塩分散物Aの調製》アラキジン酸
6.1g、ベヘン酸37.6g、蒸留水700ml、1
モル/LのNaOH水溶液123mlを混合し、75℃
で60分撹拌し反応させ、65℃に降温した。次いで、
硝酸銀22gの水溶液112.5mlを45秒かけて添
加し、そのまま20分間放置し、30℃に降温した。そ
の後、吸収濾過で固形分を濾別し、該固形分を濾水の伝
導度が30μS/cmになるまで水洗した。
【0147】こうして得られた固形分は、乾燥させない
でウェットケーキとして取り扱い、乾燥固形分100g
相当のウェットケーキに対し、ポリビニルアルコール
(クラレ(株)製;PVA−205)5g及び水を添加
し、全体量を500gとしてからホモミキサーにて予備
分散した。
【0148】次に予備分散済みの原液を分散機(商品
名:マイクロフルイダイザーM−11OS−EH、マイ
クロフルイデックス・インターナショナル・コーポレー
ション製、G10Zインタラクションチャンバー使用)
の圧力を1750kg/cm2に調節して、三回処理
し、有機銀塩分散物Aを得た。こうして得られた有機銀
塩分散物Aに含まれる有機銀塩粒子は平均短径0.04
μm、平均長径0.08μm、変動係数30%の針状粒
子であった。粒子サイズの測定は、MalvernIn
struments Ltd.製Master Siz
erXにて行った。冷却操作は、蛇管式熱交換器をイン
タラクションチャンバーの前後に各々装着し、冷媒の温
度を調節することで所望の分散温度に設定した。
【0149】《1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5
−ジメチルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサ
ンの還元剤固体微粒子分散物の調製》1,1−ビス(2
−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,
5−トリメチルヘキサン20gに対してクラレ(株)製
MPポリマーのMP203を3.0gと水77mlを添
加して良く撹拌して、スラリーとして3時間放置した。
その後、0.5mmのジルコニア製ビーズ360gを用
意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/
4Gサンドグラインダーミル:アイメックス(株)製)
にて3時間分散し、還元剤固体微粒子分散物を調製し
た。粒子径は、粒子の80質量%が0.3μm以上1.
0μm以下であった。
【0150】《トリブロモメチルフェニルスルホンの固
体微粒子分散物の調製》トリブロモメチルフェニルスル
ホン30gに対してヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス0.5gと、化合物Cの0.5gと、水88.5gを
添加して良く攪拌してスラリーとして3時間放置した。
その後、還元剤固体分散物の調製と同様にしてカブリ防
止剤としてのトリブロモメチルフェニルスルホンの固体
微粒子分散物を調製した。粒子径は80質量%が0.3
〜1.0μmであった。
【0151】《水系感光性層塗布液E−2wの調製》上
記で作製した有機銀塩分散物Aの銀1モルに対して、以
下のバインダー、素材及び感光性ハロゲン化銀乳剤Aを
添加し、更に水を加えた後、0.5モル/リットルの硫
酸又は1モル/リットルの水酸化ナトリウムを用いてp
H7.5に調整して、水系乳剤層塗布液Aとした。pH
調整には、東亜電波工業(株)製pHメーターHM−6
0Sを用いた。得られた水系乳剤層塗布液Aの粘度は5
5×10-3Pa・sであった。
【0152】 バインダー:ラックスター3307B(大日本インキ化学工業(株)製;SB Rラテックスでガラス転移温度17℃) 固形分として470g 1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5− トリメチルヘキサン 固形分として110g オルトリン酸二水素ナトリウム 0.44g ベンゾトリアゾール 1.25g トリブロモメチルフェニルスルホン 固形分として25g ポリビニルアルコール(クラレ(株)製MP−203) 46g iso−プロピルフタラジン 0.12モル 化合物Z 0.003モル 硬調化剤(C−65) 0.03モル 感光性ハロゲン化銀粒子乳剤A Ag量として0.05モルとな る量。
【0153】
【化25】
【0154】 《水系中間層塗布液1−2wの調製》 ポリマーラテックス1(メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシ ルアクリレート/アクリル酸=59/9/26/5/1の共重合体、固形分27 .5質量%、ガラス転移温度55℃) 109g H2O 3.75g 硬調化剤(C−65) 2.0g ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA−235) 0.225g H2Oを加えて完成液として 150g 《水系保護層塗布液P−1wの調製》25℃で以下のバ
インダー及び素材に水を加えて、pH2.8に調整し完
成液で150gにして水系感光性層保護層塗布液とし
た。pH調整は、水系感光性層塗布液の時と同様にして
行った。なお、上記水系感光性層保護層塗布液の粘度は
40×10-3Pa・sであった。
【0155】 ポリマーラテックス1(メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシ ルアクリレート/アクリル酸=59/9/26/5/1の共重合体、固形分27 .5%、ガラス転移温度55℃) 109g H2O 3.75g 造膜助剤としてベンジルアルコール 4.5g 化合物E 0.45g 化合物F 0.125g 化合物G 0.0125g ポリビニールアルコール(クラレ(株)製、PVA−235) 0.225g H2Oを加えて完成液として 150g 上記のようにして作製された下引き及びバック面塗布さ
れた支持体の下引き層(a)、(b)の付いた側に、水
系感光性層塗布液E−2wを銀量1.5g/m 2になる
ように塗布し、水系中間層塗布液1−2w、水系保護層
塗布液P−1wをそれぞれ6.0g/m2、3.0g/
2となるように塗布した。
【0156】
【化26】
【0157】〔試料13〜試料16の作製〕上記のよう
にして作製された下引き及びバック面塗布済み支持体の
感光性層側に、実施例1の感光性層塗布液E−2又は水
系感光性層塗布液E−2wをそれぞれ塗布し、実施例1
の中間層1−2又は水系中間層塗布液1−2w、実施例
1の保護層塗布液P−1又は水系保護層塗布液P−1w
をそれぞれ表3の組み合わせで塗布した他は試料3と同
様にして試料13〜試料16を作製した。
【0158】本実施例では、感光性層側の膜付きに着目
して下記のように評価した。 《膜付き評価》試料の感光性層側に、カッターを用い1
cm間隔で支持体に届く深さで、膜面に対し45度及び
90度の切り込みを各1本付ける。ニチバン社製セロテ
ープ(R)(24mm幅)を切込みに対し直角に9.8
×104Paの圧力で貼りつける。その後90度上方向
に一気に引き剥がし、剥がれが起きるかどうか、剥がれ
が起きた場合どの界面で剥がれが起きたかをn=5で評
価した。なお、剥がれが起きた場合「剥がれ」、剥がれ
が起きない場合は「良」で区別し、その結果を表3に示
した。
【0159】
【表3】
【0160】表3から、感光性層、中間層、保護層のす
べてが同一溶剤系の場合(試料3、試料12)は、1つ
でも異なる溶剤系の層を有する場合(試料13〜試料1
6)に比して膜付きの特性が優れていることがわかる。
【0161】実施例4 本実施例は実施例1の試料6の熱現像記録媒体を塗布加
工する方法を下記のように変化して、その影響を調べ
た。
【0162】〔試料17の作製〕実施例1の試料3と同
様の構成の熱現像記録媒体を用い、感光性層、中間層、
保護層の各層の塗布加工機にW,B塗布コータを用い、
W/D積層方法で、逐次重層塗布方法で塗布加工して試
料17を得た。
【0163】〔試料18〜20の作製〕塗布加工機、積
層方法、重層塗布方法を表4のように変化させた外は試
料17と同様にして試料18〜20を作製した。
【0164】 塗布加工機:W,B塗布コータ(ワイヤーバーコータ) SSE塗布コータ(単層押し出しコータ) TSE塗布コータ(3重層押し出しコータ) 積層方法:W/D(ウエットオンドライ、下層塗布乾燥後上層を積層する) W/W(ウエットオンウエット、下層塗布後、未乾燥のまま上層を 積層する) 塗布方法:逐次塗布方法(1層毎に順次塗布する) 同時重層塗布方法(押し出しコータで3層を同時塗布する) 本実施例では、感光性層側の塗布面の傷、塗布故障に着
目して下記のように評価した。
【0165】《塗布面の傷》塗布面の傷とは、コータに
よって塗膜に付く傷を指す。塗布面の傷は、塗布後の生
フィルムを目視で評価した。1〜5までで評価し、5は
全く故障が無いレベル、4は僅かに傷が確認できるレベ
ル、3は実用上は問題ないが、ユーザーから指摘される
レベル、2は多くのユーザーから指摘されるレベル、1
は実用上問題となるレベルとし、4以上を合格とした。
得られた結果を表4に示した。
【0166】《塗布故障》塗布故障とは、塗布時に発生
する搬送方向のスジ、搬送方向の横方向に発生するいわ
ゆる横段むら、塗布面全面に発生する鱗状や畳の目状の
むら、搬送による擦り傷を指す。
【0167】塗布故障は、塗布後の生フィルムを目視で
評価した。1〜5までで評価し、5は全く故障が無いレ
ベル、4は僅かにスジが確認できるレベル、3は実用上
は問題ないが、ユーザーから指摘されるレベル、2は多
くのユーザーから指摘されるレベル、1は実用上問題と
なるレベルとし、4以上を合格とした。得られた結果を
表4に示した。
【0168】
【表4】
【0169】表4より、塗布にワイヤーバーを用いた場
合、塗布面の傷や塗布故障が多く実用性がないが、押し
出しコータを用いて塗布するのが好ましく、特に3重層
押し出しコータを用いて同時塗布を行うのが優れている
ことがわかる。
【0170】
【発明の効果】実施例により実証されたように、本発明
の熱現像記録媒体及びその製造方法によれば、光学濃
度、UVDmin、経時UVDmin、現像むら等の写
真性能が優れていると共に、感光性層、中間層、保護層
等の各層間の膜付き、塗布面の傷、塗布故障等の物性を
改善する効果を有する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に有機銀塩、感光性ハロゲン化
    銀、還元剤及びバインダーを含有する感光性層を有する
    熱現像記録媒体において、支持体側から、感光性層、中
    間層及び保護層をこの順に有し、該中間層に硬調化剤の
    少なくとも1種を含有することを特徴とする熱現像記録
    媒体。
  2. 【請求項2】 感光性層及び中間層の少なくとも一方に
    下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特
    徴とする請求項1に記載の熱現像記録媒体。 【化1】 〔式中、H31Arは芳香族炭化水素基又は芳香族複素環
    基を表し、T31は脂肪族炭化水素基からなる2価の連結
    基又は連結基を表し、J31は酸素原子、硫黄原子又は窒
    素原子を一つ以上含む2価の連結基又は連結基を表す。
    Ra、Rb、Rc及びRdは各々、水素原子、アシル
    基、脂肪族炭化水素基、アリール基又は複素環基を表
    し、RaとRb、RcとRd、RaとRc或いはRbと
    Rdの間で結合して含窒素複素環基を形成することがで
    きる。M31は分子内の電荷を相殺するに必要なイオンを
    表し、k31は分子内の電荷を相殺するに必要なイオン
    の数を表す。〕
  3. 【請求項3】 感光性層、中間層及び保護層に、同一な
    溶媒に可溶なバインダーを用いることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の熱現像記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項に記載の熱現
    像記録媒体の感光性層、中間層及び保護層を同時重層塗
    布することを特徴とする熱現像記録媒体の製造方法。
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