JP2000112057A - 熱現像感光材料 - Google Patents

熱現像感光材料

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JP2000112057A
JP2000112057A JP28632298A JP28632298A JP2000112057A JP 2000112057 A JP2000112057 A JP 2000112057A JP 28632298 A JP28632298 A JP 28632298A JP 28632298 A JP28632298 A JP 28632298A JP 2000112057 A JP2000112057 A JP 2000112057A
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silver salt
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Keiko Iwasaki
景子 岩崎
Tetsuro Sunaga
哲朗 須永
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 失透性の低下が少なく、鮮鋭性の良好な熱現
像感光材料を提供する。 【解決手段】 平均円相当径が0.35μm以下であ
り、その変動係数が50%以下である有機銀塩を含有す
ることを特徴とする熱現像感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱現像感光材料に関
し、特にその中に用いられる有機銀塩の粒子径に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】現在、製版及び医療現場におけるフィル
ム処理工程は、露光後、自動現像機を用い、現像液→定
着液→水洗または安定化液→乾燥の順で処理を行ういわ
ゆるWET処理と呼ばれる工程が一般的である。しか
し、この方式は液を使うことから作業性(重い、汚い、
在庫管理)、環境(廃液の発生)の見地から改善を望ま
れていた。
【0003】これらを改善するものとして乾式銀塩感材
がある。代表的なものとしては、米国特許第3,45
7,075号に開示された有機銀塩を用い、熱による反
応で画像を形成する熱現像感光材料がある。
【0004】これらの熱現像感光材料は、有機銀塩、ハ
ロゲン化銀及び還元剤を含有し、露光を受けたハロゲン
化銀が触媒となって有機銀塩が還元剤により還元され銀
画像が形成される。
【0005】これら熱現像感光材料中に用いられる有機
銀塩やハロゲン化銀はバインダー中に分散されており、
現像後も利用されなかった有機銀塩やハロゲン化銀はそ
のまま感応材料中に残っているため、画面が失透し、画
像が不鮮明となるという問題があった。それらの要因に
ついて本発明者らが鋭意検討した結果、含有される有機
銀塩の粒径により又粒径のバラツキにより大きく影響を
受けることが明らかとなった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、鮮鋭
性の高い熱現像感光材料を提供することであり、更には
それに用いられる有機銀塩の調製方法を提供するもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題は、以下の方法
により解決することができた。
【0008】1. 平均円相当径が0.35μm以下で
ある有機銀塩を含有することを特徴とする熱現像感光材
料。
【0009】2. 有機銀塩製造のための有機酸が脂肪
酸であることを特徴とする1項記載の熱現像感光材料。
【0010】3. 円相当径の変動係数が50%以下で
あることを特徴とする1または2項記載の熱現像感光材
料。
【0011】上記平均粒径及び粒径の変動係数が上記の
範囲とすることにより、失透性がなく、鮮鋭性に優れた
熱現像感光材料を得ることができたものである。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明の熱現像感光材料に用いられる有機
銀塩は還元可能な銀源であり、還元可能な銀イオン源を
含有する有機酸の塩である。本発明において用いられる
有機酸としては、脂肪族カルボン酸、炭素環式カルボン
酸、複素環式カルボン酸、複素環式化合物等が用いられ
る。
【0014】本発明に用いられる有機酸銀塩の例として
は、Research Disclosure第170
29及び29963に記載されており、次のものが挙げ
られる。脂肪酸の銀塩(例えば、没食子酸、シュウ酸、
ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン
酸、ラウリン酸等の銀塩);銀のカルボキシアルキルチ
オ尿素塩(例えば、1−(3−カルボキシプロピル)チ
オ尿素、1−(3−カルボキシプロピル)−3,3−ジ
メチルチオ尿素等);アルデヒドとヒドロキシ置換芳香
族カルボン酸との重合反応生成物の銀錯体(例えば、ア
ルデヒド類(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブ
チルアルデヒド等)とヒドロキシ置換芳香族カルボン酸
類(例えば、サリチル酸、安息香酸、3,5−ジヒドロ
キシ安息香酸、5,5−チオジサリチル酸等)との重合
反応生成物の銀錯体等)、チオン類の銀塩または錯体
(例えば、3−(2−カルボキシエチル)−4−ヒドロ
キシメチル−4−チアゾリン−2−チオン、及び3−カ
ルボキシメチル−4−チアゾリン−2−チオン)、イミ
ダゾール、ピラゾール、ウラゾール、1,2,4−チア
ゾール及び1H−テトラゾール、3−アミノ−5−ベン
ジルチオ−1,2,4−トリアゾール及びベンゾトリア
ゾールから選択される窒素酸と銀との錯体また塩;サッ
カリン、5−クロロサリチルアルドキシム等の銀塩;及
びメルカプチド類の銀塩。
【0015】上記記載の有機銀塩の中でも、脂肪酸の銀
塩が好ましく用いられ、更に好ましくは、ベヘン酸銀、
アラキジン酸銀およびステアリン酸銀である。
【0016】本発明に用いられる有機銀塩は、硝酸銀と
有機酸アルカリ金属塩を混合することにより得られる
が、有機銀塩生成時に硝酸銀とハロゲン化銀を同時に添
加、混合する同時混合法を用いて製造されるのが好まし
い。
【0017】例えば、有機酸にアルカリ金属水酸化物
(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)を
加えて有機酸アルカリ金属塩ソープ(例えば、ベヘン酸
ナトリウム、アラキジン酸ナトリウムなど)を作製した
後に、コントロールダブルジェット法を用いて、硝酸銀
とハロゲン化銀を同時に添加、混合して本発明に用いら
れる有機銀塩を作製する事が出来る。
【0018】更に、有機酸のアルカリ金属塩、硝酸銀及
びハロゲン化銀を各々、同時に添加、混合するいわゆる
コントロールトリプルジェット法を用いて本発明に用い
られる有機銀塩を作製することができる。
【0019】このようにして作製された有機銀塩は粒径
が不揃いであったり、凝集して大粒径となったものが混
在しており、そのまま次工程に用いた場合、出来上がっ
た熱現像感光材料の失透性が劣化し、画像露光し、熱現
像後に得られる画像の鮮鋭性が低下し、白濁した画像と
なるという問題があった。
【0020】特開平6−130543号では0.1〜
0.8μmで変動係数が50%の有機銀塩を、特開平8
−15808号では体積粒径1000nm以下の有機銀
塩が用いられることが記載されているが、何れもその目
的は現像安定性であり、本発明のような有機銀塩作製後
更に分散機を用いて粉砕、分散を行った後塗布液を調製
し、塗布乾燥して熱現像感光材料を得ることにより、感
光材料の失透性や鮮鋭性を向上することは行われていな
かった。
【0021】本発明においては、有機銀塩の平均円相当
径が0.35μm以下とする。
【0022】本発明でいう有機銀塩の円相当径とは、有
機銀塩粒子の投影面積に相当する円に換算したときの直
径で表し、その平均値を0.35μm以下とすることに
より、失透性を大きく改良できることを見出したもので
ある。
【0023】また、本発明においては、有機銀塩の円相
当径の変動係数が50%以下であることが好ましい。
【0024】このような粒径及び変動係数とするために
は、有機銀塩形成後、何らかの方法により分散すること
が必要である。本発明においては、特に分散方法には限
定されない。好ましい分散方法としては、高圧ホモジナ
イザー分散法やメディア分散法等が挙げられる。
【0025】次に本発明に用いられるハロゲン化銀粒子
について説明する。本発明の熱現像感光材料に用いられ
るハロゲン化銀粒子は光センサーとして機能する。本発
明においては、画像形成後の失透性を低く抑え、且つ、
良好な画質を得るために、有機銀塩の平均円相当径を特
定の粒子径とすることが必要であるが、更にハロゲン化
銀の平均粒子サイズは0.1μm以下とすることが好ま
しく、更に好ましくは0.01μm〜0.1μmであ
り、特に好ましくは0.02μm〜0.08μmであ
る。
【0026】ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン化銀
粒子が立方体或いは八面体のいわゆる正常晶である場合
には、ハロゲン化銀粒子の稜の長さをいう。また、正常
晶でない場合、例えば球状、棒状、或いは平板状の粒子
の場合には、ハロゲン化銀粒子の体積と同等な球を考え
たときの直径を示す。また、ハロゲン化銀は単分散であ
ることが好ましい。
【0027】ここでいう単分散とは、下記式で求められ
る単分散度が40%以下の場合を表す。本発明において
は、単分散度としては、30%以下が更に好ましく、特
に好ましくは0.1%以上20%以下である。
【0028】単分散度=(粒径の標準偏差)/(粒径の
平均値)×100 本発明においては、ハロゲン化銀粒子が平均粒径0.1
μm以下でかつ単分散粒子であることがより好ましく、
この範囲にすることで画像の粒状性も向上する。
【0029】ハロゲン化銀粒子の形状については、特に
制限はないが、ミラー指数〔100〕面の占める割合が
高いことが好ましく、この割合が50%以上、更には7
0%以上、特に80%以上であることが好ましい。ミラ
ー指数〔100〕面の比率は増感色素の吸着における
〔111〕面と〔100〕面との吸着依存性を利用した
T.Tani,J.Imaging Sci.,29,
165(1985)により求めることができる。
【0030】またもう一つの好ましいハロゲン化銀の形
状は、平板状粒子である。ここでいう平板状粒子とは、
投影面積の平方根を粒径rμmとして垂直方向の厚みが
hμmである場合のアスペクト比=r/hが3以上のも
のをいう。その中でも、更に好ましくはアスペクト比が
3以上50以下である。また粒径は0.1μm以下であ
ることが好ましく、さらに0.01μm〜0.08μm
が好ましい。これらは米国特許第5,264,337
号、同第5,314,798号、同第5,320,95
8号等に記載されており、上記特許を参考にして目的の
平板状粒子を得ることができる。
【0031】本発明においてこれらの平板状粒子を用い
た場合、更に画像の鮮鋭性も向上する。ハロゲン組成と
しては特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化
銀、臭化銀、沃臭化銀、沃化銀のいずれであってもよ
い。本発明に用いられるAgX粒子は、P.Glafk
ides著Chimie et Physique P
hotographique(Paul Montel
社刊、1967年)、G.F.Duffin著 Pho
tographic Emulsion Chemis
try(The Focal Press刊、1966
年)、V.L.Zelikman et al著Mak
ing and Coating Photograp
hic Emulsion(The Focal Pr
ess刊、1964年)等に記載された方法を用いて作
製されたAg乳剤を用いて調製することが出来る。
【0032】本発明に用いられるハロゲン化銀は有機銀
塩に対して0.75〜30重量%の量で含有されること
が好ましい。
【0033】本発明に用いられるハロゲン化銀には、周
期表の6族から11族に属する金属のイオンまたは錯体
イオンを含有することが好ましい。上記の金属として
は、W、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、
Re、Os、Ir、Pt、Auが好ましい。
【0034】これらの金属のイオンは錯体イオンの形で
ハロゲン化銀に導入できる。本発明においては、遷移金
属錯体イオンは、下記一般式で表される6配位錯体イオ
ン若しくは錯化合物が好ましい。
【0035】一般式〔ML6m 式中、Mは周期表の6〜11族の元素から選ばれる遷移
金属、Lは架橋配位子、mは0、−、2−または3−を
表す。Lで表される配位子の具体例としては、ハロゲン
化物(弗化物、塩化物、臭化物及び沃化物)、シアン化
物、シアナート、チオシアナート、セレノシアナート、
テルロシアナート、アジド及びアコの各配位子、ニトロ
シル、チオニトロシル等が挙げられ、好ましくはアコ、
ニトロシル及びチオニトロシル等である。アコ配位子が
存在する場合には、配位子の一つまたは二つを占めるこ
とが好ましい。Lは同一でもよく、また異なっていても
よい。
【0036】Mとして特に好ましい具体例は、ロジウム
(Rh)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)、イ
リジウム(Ir)及びオスミウム(Os)である。
【0037】以下に遷移金属錯体イオン或いは錯化合物
の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0038】1:〔RhCl63- 2:〔RuCl63- 3:〔ReCl63- 4:〔RuBr63- 5:〔OsCl63- 6:〔IrCl62- 7:〔Ru(NO)Cl52- 8:〔RuBr4(H2O)〕2- 9:〔Ru(NO)(H2O)Cl4- 10:〔RhCl5(H2O)〕2- 11:〔Re(NO)Cl52- 12:〔Re(NO)CN52- 13:〔Re(NO)ClCN42- 14:〔Rh(NO)2Cl4- 15:〔Rh(NO)(H2O)Cl4- 16:〔Ru(NO)CN52- 17:〔Fe(CN)63- 18:〔Rh(NS)Cl52- 19:〔Os(NO)Cl52- 20:〔Cr(NO)Cl52- 21:〔Re(NO)Cl5- 22:〔Os(NS)Cl4(TeCN)〕2- 23:〔Ru(NS)Cl52- 24:〔Re(NS)Cl4(SeCN)〕2- 25:〔Os(NS)Cl(SCN)42- 26:〔Ir(NO)Cl52- 27:〔Ir(NS)Cl52- これらの金属のイオンまたは錯体イオンは一種類でもよ
いし、同種の金属及び異種の金属を二種以上併用しても
よい。これらの金属のイオンまたは錯体イオンの含有量
としては、一般的にはハロゲン化銀1モル当たり1×1
-9〜1×10-2モルが適当であり、好ましくは1×1
-8〜1×10-4モルである。
【0039】これらの金属のイオンまたは錯体イオンを
提供する化合物は、ハロゲン化銀粒子形成時に添加し、
ハロゲン化銀粒子中に組み込まれることが好ましく、ハ
ロゲン化銀粒子の調製、つまり核形成、成長、物理熟
成、化学増感の前後のどの段階で添加してもよいが、特
に核形成、成長、物理熟成の段階で添加するのが好まし
く、更には核形成、成長の段階で添加するのが好まし
く、最も好ましくは核形成の段階で添加する。
【0040】添加に際しては、数回に渡って分割して添
加してもよく、ハロゲン化銀粒子中に均一に含有させる
こともできるし、特開昭63−29603号、特開平2
−306236号、同3−167545号、同4−76
534号、同6−110146号、同5−273683
号等に記載されている様に粒子内に分布を持たせて含有
させることもできる。好ましくは粒子内部に分布をもた
せたものである。
【0041】これらの金属化合物は、水或いは適当な有
機溶媒(例えば、アルコール類、エーテル類、グリコー
ル類、ケトン類、エステル類、アミド類)に溶解して添
加することができるが、例えば金属化合物の粉末の水溶
液もしくは金属化合物とNaCl、KClとを一緒に溶
解した水溶液を、粒子形成中の水溶性銀塩溶液または水
溶性ハライド溶液中に添加しておく方法、或いは銀塩溶
液とハライド溶液が同時に混合されるとき第3の水溶液
として添加し、3液同時混合の方法でハロゲン化銀粒子
を調製する方法、粒子形成中に必要量の金属化合物の水
溶液を反応容器に投入する方法、或いはハロゲン化銀調
製時に予め金属のイオンまたは錯体イオンをドープして
ある別のハロゲン化銀粒子を添加して溶解させる方法等
がある。特に、金属化合物の粉末の水溶液もしくは金属
化合物とNaCl、KClとを一緒に溶解した水溶液を
水溶性ハライド溶液に添加する方法が好ましい。
【0042】粒子表面に添加する時には、粒子形成直後
または物理熟成時途中もしくは終了時または化学熟成時
に必要量の金属化合物の水溶液を反応容器に投入するこ
ともできる。
【0043】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は粒
子形成後に脱塩してもしなくてもよいが、脱塩を施す場
合、ヌードル法、フロキュレーション法等、当業界で知
られている方法を用いて水洗することにより脱塩するこ
とができる。
【0044】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は化
学増感されていることが好ましい。好ましい化学増感法
としては当業界でよく知られているように硫黄増感法、
セレン増感法、テルル増感法を用いることができる。ま
た金化合物や白金、パラジウム、イリジウム化合物等の
貴金属増感法や還元増感法を用いることができる。硫黄
増感法、セレン増感法、テルル増感法に好ましく用いら
れる化合物としては公知の化合物を用いることができる
が、特開平7−128768号等に記載の化合物を使用
することができる。テルル増感剤としては例えばジアシ
ルテルリド類、ビス(オキシカルボニル)テルリド類、
ビス(カルバモイル)テルリド類、ジアシルテルリド
類、ビス(オキシカルボニル)ジテルリド類、ビス(カ
ルバモイル)ジテルリド類、P=Te結合を有する化合
物、テルロカルボン酸塩類、Te−オルガニルテルロカ
ルボン酸エステル類、ジ(ポリ)テルリド類、テルリド
類、テルロール類、テルロアセタール類、テルロスルホ
ナート類、P−Te結合を有する化合物、含Teヘテロ
環類、テルロカルボニル化合物、無機テルル化合物、コ
ロイド状テルルなどを用いることができる。貴金属増感
法に好ましく用いられる化合物としては例えば塩化金
酸、カリウムクロロオーレート、カリウムオーリチオシ
アネート、硫化金、金セレナイド、あるいは米国特許第
2,448,060号、英国特許第618,061号な
どに記載されている化合物を好ましく用いることができ
る。
【0045】還元増感法の具体的な化合物としてはアス
コルビン酸、二酸化チオ尿素の他に例えば、塩化第一ス
ズ、アミノイミノメタンスルフィン酸、ヒドラジン誘導
体、ボラン化合物、シラン化合物、ポリアミン化合物等
を用いることができる。また、乳剤のpHを7以上また
はpAgを8.3以下に保持して熟成することにより還
元増感することができる。また、粒子形成中に銀イオン
のシングルアディション部分を導入することにより還元
増感することができる。
【0046】本発明の熱現像感光材料には還元剤を内蔵
させることが好ましい。好適な還元剤の例は、米国特許
第3,770,448号、同第3,773,512号、
同第3,593,863号、及びResearch D
isclosure第17029及び29963に記載
されており、次のものがある。アミノヒドロキシシクロ
アルケノン化合物(例えば、2−ヒドロキシピペリジノ
−2−シクロヘキセノン);還元剤の前駆体としてアミ
ノリダクトン類(reductones)エステル(例
えば、ピペリジノヘキソースリダクトンモノアセテー
ト);N−ヒドロキシ尿素誘導体(例えば、N−p−メ
チルフェニル−N−ヒドロキシ尿素);アルデヒドまた
はケトンのヒドラゾン類(例えば、アントラセンアルデ
ヒドフェニルヒドラゾン);ホスファーアミドフェノー
ル類;ホスファーアミドアニリン類;ポリヒドロキシベ
ンゼン類(例えば、ヒドロキノン、t−ブチル−ヒドロ
キノン、イソプロピルヒドロキノン及び(2,5−ジヒ
ドロキシ−フェニル)メチルスルホン);スルフヒドロ
キサム酸類(例えば、ベンゼンスルフヒドロキサム
酸);スルホンアミドアニリン類(例えば、4−(N−
メタンスルホンアミド)アニリン);2−テトラゾリル
チオヒドロキノン類(例えば、2−メチル−5−(1−
フェニル−5−テトラゾリルチオ)ヒドロキノン);テ
トラヒドロキノキサリン類(例えば、1,2,3,4−
テトラヒドロキノキサリン);アミドオキシン類;アジ
ン類(例えば、脂肪族カルボン酸アリールヒドラザイド
類とアスコルビン酸の組み合わせ);ポリヒドロキシベ
ンゼンとヒドロキシルアミンの組み合わせ、リダクトン
及び/またはヒドラジン;ヒドロキサム酸類;アジン類
とスルホンアミドフェノール類の組み合わせ;α−シア
ノフェニル酢酸誘導体;ビス−β−ナフトールと1,3
−ジヒドロキシベンゼン誘導体の組み合わせ;5−ピラ
ゾロン類;スルホンアミドフェノール還元剤;2−フェ
ニルインダン−1,3−ジオン等;クロマン;1,4−
ジヒドロピリジン類(例えば、2,6−ジメトキシ−
3,5−ジカルボエトキシ−1,4−ジヒドロピリジ
ン);ビスフェノール類(例えば、ビス(2−ヒドロキ
シ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、ビ
ス(6−ヒドロキシ−m−トリ)メシトール(mesi
tol)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチル
フェニル)プロパン、4,5−エチリデン−ビス(2−
t−ブチル−6−メチル)フェノール)、紫外線感応性
アスコルビン酸誘導体及び3−ピラゾリドン類。中でも
特に好ましい還元剤はヒンダードフェノール類である。
ヒンダードフェノール類としては下記一般式(A)で表
される化合物が挙げられる。
【0047】
【化1】
【0048】式中、Rは水素原子、または炭素原子数1
〜10のアルキル基(例えば、ブチル基、2,4,4−
トリメチルペンチル基等)を表し、R′及びR″は炭素
原子数1〜5のアルキル基(例えば、メチル基、エチル
基、t−ブチル基等)を表す。
【0049】一般式(A)で表される化合物の具体例を
以下に示す。ただし、本発明は、これらに限定されな
い。
【0050】
【化2】
【0051】
【化3】
【0052】前記一般式(A)で表される化合物を始め
とする還元剤の使用量は好ましくは銀1モル当り1×1
-2〜10モル、特に1×10-2〜1.5モルである。
【0053】本発明の熱現像感光材料中にはカブリ防止
剤が含まれても良い。最も有効なカブリ防止剤として知
られているものは水銀イオンである。感光材料中にカブ
リ防止剤として水銀化合物を使用することについては、
例えば米国特許第3,589,903号に開示されてい
る。しかし、水銀化合物は環境的に好ましくない。非水
銀カブリ防止剤としては例えば米国特許第4,546,
075号及び同4,452,885号及び特開昭59−
57234号に開示されている様なカブリ防止剤が好ま
しい。
【0054】特に好ましい非水銀カブリ防止剤は、米国
特許第3,874,946号及び同4,756,999
号に開示されているような化合物、−C(X1)(X2
(X3)(ここでX1及びX2はハロゲン原子を表し、X3
は水素またはハロゲン原子を表す)で表される置換基を
1以上備えたヘテロ環状化合物である。好適なカブリ防
止剤の例としては、特開平9−288328号の段落番
号〔0030〕〜〔0036〕に記載されている化合物
等が好ましく用いられる。
【0055】またもう一つの好ましいカブリ防止剤の例
としては特開平9−90550号の段落番号〔006
2〕〜〔0063〕に記載されている化合物である。さ
らにその他の好適なカブリ防止剤は米国特許第5,02
8,523号及び英国特許出願第9300147.7
号、同第9311790.1号に開示されている。
【0056】本発明の熱現像感光材料には、現像後の銀
色調を改良する目的で色調剤を添加することが好まし
い。好適な色調剤の例はResearch Discl
osure第17029号に開示されており、次のもの
がある。
【0057】イミド類(例えば、フタルイミド);環状
イミド類、ピラゾリン−5−オン類、及びキナゾリノン
(例えば、スクシンイミド、3−フェニル−2−ピラゾ
リン−5−オン、1−フェニルウラゾール、キナゾリン
及び2,4−チアゾリジンジオン);ナフタールイミド
類(例えば、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタールイミ
ド);コバルト錯体(例えば、コバルトのヘキサミント
リフルオロアセテート)、メルカプタン類(例えば、3
−メルカプト−1,2,4−トリアゾール);N−(ア
ミノメチル)アリールジカルボキシイミド類(例えば、
N−(ジメチルアミノメチル)フタルイミド);ブロッ
クされたピラゾール類、イソチウロニウム(isoth
iuronium)誘導体及びある種の光漂白剤の組み
合わせ(例えば、N,N′−ヘキサメチレン(1−カル
バモイル−3,5−ジメチルピラゾール)、1,8−
(3,6−ジオキサオクタン)ビス(イソチウロニウム
トリフルオロアセテート)、及び2−(トリブロモメチ
ルスルホニル)ベンゾチアゾールの組み合わせ);メロ
シアニン染料(例えば、3−エチル−5−((3−エチ
ル−2−ベンゾチアゾリニリデン(ベンゾチアゾリニリ
デン))−1−メチルエチリデン)−2−チオ−2,4
−オキサゾリジンジオン);フタラジノン、フタラジノ
ン誘導体またはこれらの誘導体の金属塩(例えば、4−
(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノ
ン、5,7−ジメチルオキシフタラジノン、及び2,3
−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン);フタラジノ
ンとスルフィン酸誘導体の組み合わせ(例えば、6−ク
ロロフタラジノン+ベンゼンスルフィン酸ナトリウムま
たは8−メチルフタラジノン+p−トリスルホン酸ナト
リウム);フタラジン+フタル酸の組み合わせ;フタラ
ジン(フタラジンの付加物を含む)とマレイン酸無水
物、及びフタル酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸ま
たはo−フェニレン酸誘導体及びその無水物(例えば、
フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸及
びテトラクロロフタル酸無水物)から選択される少なく
とも1つの化合物との組み合わせ;キナゾリンジオン
類、ベンゾオキサジン、ナルトキサジン誘導体;ベンゾ
オキサジン−2,4−ジオン類(例えば、1,3−ベン
ゾオキサジン−2,4−ジオン);ピリミジン類及び不
斉−トリアジン類(例えば、2,4−ジヒドロキシピリ
ミジン)、及びテトラアザペンタレン誘導体(例えば、
3,6−ジメルカプト−1,4−ジフェニル−1H,4
H−2,3a,5,6a−テトラアザペンタレン)。好
ましい色調剤としてはフタラゾンまたはフタラジンであ
る。
【0058】本発明の熱現像感光材料には、例えば特開
昭63−159841号、同60−140335号、同
63−231437号、同63−259651号、同6
3−304242号、同63−15245号、米国特許
第4,639,414号、同4,740,455号、同
4,741,966号、同4,751,175号、同
4,835,096号に記載された増感色素が使用でき
る。
【0059】本発明に使用される有用な増感色素は例え
ばResearch Disclosure Item
17643IV−A項(1978年12月p.23)、同
Item1831X項(1978年8月p.437)に
記載もしくは引用された文献に記載されている。特に各
種スキャナー光源の分光特性に適した分光感度を有する
増感色素を有利に選択することができる。例えば特開平
9−34078号、同9−54409号、同9−806
79号記載の化合物が好ましく用いられる。
【0060】本発明には現像を抑制あるいは促進させ現
像を制御するため、分光増感効率を向上させるため、現
像前後の保存性を向上させるためなどにメルカプト化合
物、ジスルフィド化合物、チオン化合物を含有させるこ
とができる。
【0061】本発明にメルカプト化合物を使用する場
合、いかなる構造のものでも良いが、Ar−SM、Ar
−S−S−Arで表されるものが好ましい。式中、Mは
水素原子またはアルカリ金属原子であり、Arは1個以
上の窒素、イオウ、酸素、セレニウムまたはテルリウム
原子を有する芳香環または縮合芳香環を表す。
【0062】該芳香環としては、芳香族炭素環及び複素
芳香族環が用いられるが、本発明においては複素芳香族
環が好ましく用いられる。複素芳香族環としては、例え
ばベンゾイミダゾール、ナフトイミダゾール、ベンゾチ
アゾール、ナフトチアゾール、ベンゾオキサゾール、ナ
フトオキサゾール、ベンゾセレナゾール、ベンゾテルラ
ゾール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾール、ト
リアゾール、チアジアゾール、テトラゾール、トリアジ
ン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ピリジン、プ
リン、キノリンまたはキナゾリノンである。この複素芳
香族環は、例えば、ハロゲン原子(例えば、Brおよび
Cl等)、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基、ア
ルキル基(例えば、1個以上の炭素原子、好ましくは1
〜4個の炭素原子を有するもの)およびアルコキシ基
(例えば、1個以上の炭素原子、好ましくは1〜4個の
炭素原子を有するもの)からなる置換基群から選択され
るものを有してもよい。メルカプト置換複素芳香族化合
物としては、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−
メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾ
チアゾール、2−メルカプト−5−メチルベンゾチアゾ
ール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2
−メルカプトキノリン、8−メルカプトプリン、2,
3,5,6−テトラクロロ−4−ピリジンチオール、4
−ヒドロキシ−2−メルカプトピリミジン、2−メルカ
プト−4−フェニルオキサゾールなどが挙げられるが、
本発明はこれらに限定されない。
【0063】本発明においては、感光性層側にマット剤
を含有することが好ましく、熱現像後の画像の傷つき防
止のためには感光材料の表面にマット剤を配することが
好ましく、そのマット剤を乳剤層側の全バインダーに対
し、重量比で0.5〜30%含有することが好ましい。
【0064】本発明に用いられるマット剤の材質は有機
物及び無機物のいずれでもよい。
【0065】例えば、無機物としては、スイス特許第3
30,158号等に記載のシリカ、仏国特許第1,29
6,995号等に記載のガラス粉、英国特許第1,17
3,181号等に記載のアルカリ土類金属またはカドミ
ウム、亜鉛等の炭酸塩等をマット剤として用いることが
できる。有機物としては、米国特許第2,322,03
7号等に記載の澱粉、ベルギー特許第625,451号
や英国特許第981,198号等に記載された澱粉誘導
体、特公昭44−3643号等に記載のポリビニルアル
コール、スイス特許第330,158号等に記載のポリ
スチレン或いはポリメタクリレート、米国特許第3,0
79,257号等に記載のポリアクリロニトリル、米国
特許第3,022,169号等に記載されたポリカーボ
ネートの様な有機マット剤を用いることができる。
【0066】マット剤の形状は、定形、不定形どちらで
も良いが、好ましくは定形で、球形が好ましく用いられ
る。マット剤の大きさはマット剤の体積を球形に換算し
たときの直径で表される。本発明においてマット剤の粒
径とはこの球形換算した直径のことを示すものとする。
【0067】本発明に用いられるマット剤は、平均粒径
が0.5μm〜10μmであることが好ましく、更に好
ましくは1.0μm〜8.0μmである。又、粒子サイ
ズ分布の変動係数としては、50%以下であることが好
ましく、更に好ましくは40%以下であり、特に好まし
くは30%以下となるマット剤である。
【0068】ここで、粒子サイズ分布の変動係数は、下
記の式で表される値である。
【0069】 (粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100 本発明に用いられるマット剤は任意の構成層中に含むこ
とができるが、本発明の目的を達成するためには好まし
くは感光性層以外の構成層であり、更に好ましくは支持
体から見て最も外側の層である。
【0070】本発明に用いられるマット剤の添加方法
は、予め塗布液中に分散させて塗布する方法であっても
よいし、塗布液を塗布した後、乾燥が終了する以前にマ
ット剤を噴霧する方法を用いてもよい。また複数の種類
のマット剤を添加する場合は、両方の方法を併用しても
よい。
【0071】本発明においては帯電性を改良するために
金属酸化物および/または導電性ポリマーなどの導電性
化合物を構成層中に含ませることができる。これらはい
ずれの層に含有させてもよいが、好ましくは下引層、バ
ッキング層、感光性層と下引の間の層などに含まれる。
【0072】本発明においては米国特許第5,244,
773号カラム14〜20に記載された導電性化合物が
好ましく用いられる。
【0073】各種の添加剤は感光性層、非感光性層、ま
たはその他の構成層のいずれに添加しても良い。本発明
の熱現像感光材料には上述した以外に例えば、界面活性
剤、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤、被
覆助剤等を用いても良い。これらの添加剤及び上述した
その他の添加剤はResearch Disclosu
re Item17029(1978年6月、p.9〜
15)に記載されている化合物を好ましく用いることが
できる。
【0074】本発明の熱現像感光材料に好適なバインダ
ーは透明または半透明で、一般に無色であり、天然ポリ
マー合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィル
ムを形成する媒体、例えば:ゼラチン、アラビアゴム、
ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロー
ス、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチ
レート、ポリ(ビニルピロリドン)、カゼイン、デンプ
ン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル
酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コ
ポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン
−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエ
ン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビ
ニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポ
リ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹
脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、
ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、
セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。親水
性でも非親水性でもよい。また感光材料の表面を保護し
たり擦り傷を防止するために、感光性層の外側に非感光
性層を有することができる。これらの非感光性層に用い
られるバインダーは感光性層に用いられるバインダーと
同じ種類でも異なった種類でもよい。
【0075】本発明においては、熱現像の速度を速める
ために感光性層のバインダー量が1.5〜10g/m2
であることが好ましい。さらに好ましくは1.7〜8g
/m2である。
【0076】本発明で用いられる支持体は現像処理後の
画像の変形を防ぐためにプラスチックフイルム(例え
ば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、
ポリイミド、ナイロン、セルローストリアセテート、ポ
リエチレンナフタレート)であることが好ましい。
【0077】その中でも好ましい支持体としては、ポリ
エチレンテレフタレート(以下PETと略す)及びシン
ジオタクチック構造を有するスチレン系重合体を含むプ
ラスチック(以下SPSと略す)の支持体が挙げられ
る。支持体の厚みとしては50〜300μm程度、好ま
しくは70〜180μmである。
【0078】また熱処理したプラスチック支持体を用い
ることもできる。採用するプラスチックとしては、前記
のプラスチックが挙げられる。支持体の熱処理とはこれ
らの支持体を製膜後、感光性層が塗布されるまでの間
に、支持体のガラス転移点より30℃以上高い温度で、
好ましくは35℃以上高い温度で、更に好ましくは40
℃以上高い温度で加熱することがよい。
【0079】次に用いられるプラスチックについて説明
する。
【0080】PETはポリエステルの成分が全てポリエ
チレンテレフタレートからなるものであるが、ポリエチ
レンテレフタレート以外に、酸成分としてテレフタル
酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、イソフタル
酸、ブチレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸、アジピン酸等と、グリコール成分としてエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル、シクロヘキサンジメタノール等との変性ポリエステ
ル成分が全ポリエステルの10モル%以下含まれたポリ
エステルであってもよい。
【0081】SPSは通常のポリスチレン(アタクチッ
クポリスチレン)と異なり立体的に規則性を有したポリ
スチレンである。SPSの規則的な立体規則性構造部分
をラセモ連鎖といい、2連鎖、3連鎖、5連鎖、あるい
はそれ以上と規則的な部分がより多くあることが好まし
く、本発明において、ラセモ連鎖は、2連鎖で85%以
上、3連鎖で75%以上、5連鎖で50%以上、それ以
上の連鎖で30%以上であることが好ましい。SPSの
重合は特開平3−131843号明細書記載の方法に準
じて行うことが出来る。
【0082】本発明に用いられる支持体の製膜方法及び
下引製造方法は公知の方法を用いることができるが、好
ましくは、特開平9−50094号の段落〔0030〕
〜〔0070〕に記載された方法を用いることである。
【0083】本発明の熱現像感光材料は、熱現像処理に
て写真画像を形成するもので、還元可能な銀源(有機銀
塩)、感光性ハロゲン化銀、還元剤及び必要に応じて銀
の色調を抑制する色調剤を通常(有機)バインダーマト
リックス中に分散した状態で含有している熱現像感光材
料であることが好ましい。本発明の熱現像感光材料は常
温で安定であるが、露光後高温(例えば、80℃〜14
0℃)に加熱することで現像される。加熱することで有
機銀塩(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化
還元反応を通じて銀を生成する。この酸化還元反応は露
光でハロゲン化銀に発生した潜像の触媒作用によって促
進される。露光領域中の有機銀塩の反応によって生成し
た銀は黒色画像を提供し、これは非露光領域と対照をな
し、画像の形成がなされる。この反応過程は、外部から
水等の処理液を供給することなしで進行する。
【0084】本発明の熱現像感光材料は支持体上に少な
くとも一層の感光性層を有している。支持体の上に感光
性層のみを形成しても良いが、感光性層の上に少なくと
も1層の非感光性層を形成することが好ましい。感光性
層に通過する光の量または波長分布を制御するために感
光性層と同じ側にフィルター染料層および/または反対
側にアンチハレーション染料層、いわゆるバッキング層
を形成しても良いし、感光性層に染料または顔料を含ま
せても良い。用いられる染料としては所望の波長範囲で
目的の吸収を有するものであればいかなる化合物でも良
いが、例えば特開昭59−6481号、特開昭59−1
82436号、米国特許第4,271,263号、米国
特許第4,594,312号、欧州特許公開533,0
08号、欧州特許公開652,473号、特開平2−2
16140号、特開平4−348339号、特開平7−
191432号、特開平7−301890号などに記載
の化合物が好ましく用いられる。
【0085】またこれらの非感光性層には前記のバイン
ダーやマット剤を含有することが好ましく、さらにポリ
シロキサン化合物やワックスや流動パラフィンのような
スベリ剤を含有してもよい。
【0086】感光性層は複数層にしても良く、また階調
の調節のため感度を高感層/低感層または低感層/高感
層にしても良い。
【0087】熱現像感光材料の詳細は例えば米国特許第
3,152,904号、同3,457,075号、及び
D.モーガン(Morgan)による「ドライシルバー
写真材料(Dry Silver Photograp
hic Material)」やD.モーガン(Mor
gan)とB.シェリー(Shely)による「熱によ
って処理される銀システム(Thermally Pr
ocessed SilverSystems)」(イ
メージング・プロセッシーズ・アンド・マテリアルズ
(Imaging Processes and Ma
terials)Neblette 第8版、スタージ
(Sturge)、V.ウォールワース(Walwor
th)、A.シェップ(Shepp)編集、第2頁、1
969年)等に開示されている。その中でも本発明にお
いては、感光材料を80〜140℃で熱現像することで
画像を形成させ、定着を行わないことが特徴である。そ
のため、未露光部に残ったハロゲン化銀や有機銀塩は除
去されずにそのまま感光材料中に残る。
【0088】本発明においては、熱現像処理した後の、
400nmにおける支持体を含んだ感光材料の光学透過
濃度が0.2以下であることが好ましい。光学透過濃度
の更に好ましい値は0.02以上0.2以下である。
【0089】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0090】実施例1 [下引済み写真用支持体の作製] 〈PET下引済み写真用支持体の作製〉市販の2軸延伸
熱固定済みの厚さ100μmのPETフィルムの両面に
8w/m2・分のコロナ放電処理を施し、一方の面に下
記下引塗布液a−1を乾燥膜厚0.8μmになるように
塗設し乾燥させて下引層A−1とし、また反対側の面に
下記帯電防止加工下引塗布液b−1を乾燥膜厚0.8μ
mになるように塗設し乾燥させて帯電防止加工下引層B
−1とした。
【0091】 《下引塗布液a−1》 ブチルアクリレート(30重量%)、t−ブチルアクリレート(20重量%) 、スチレン(25重量%)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(25重量%) の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g (C−1) 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g 水で1lに仕上げる 《下引塗布液b−1》 ブチルアクリレート(40重量%)、スチレン(20重量%)、グリシジルア クリレート(40重量%)の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g (C−1) 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g 水で1lに仕上げる 引き続き、下引層A−1及び下引層B−1の上表面に、
8w/m2・分のコロナ放電を施し、下引層A−1の上
には、下記下引上層塗布液a−2を乾燥膜厚0.1μm
になる様に下引層A−2として、下引層B−1の上には
下記下引上層塗布液b−2を乾燥膜厚0.8μmになる
様に帯電防止機能をもつ下引上層B−2として塗設し
た。
【0092】 《下引上層塗布液a−2》 ゼラチン 0.4g/m2になる重量 (C−1) 0.2g (C−2) 0.2g (C−3) 0.1g シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.1g 水で1lに仕上げる 《下引上層塗布液b−2》 (C−4) 60g (C−5)を成分とするラテックス液(固形分20%) 80g 硫酸アンモニウム 0.5g (C−6) 12g ポリエチレングリコール(重量平均分子量600) 6g 水で1lに仕上げる
【0093】
【化4】
【0094】
【化5】
【0095】(支持体の熱処理)上記の下引済み支持体
の下引乾燥工程において、支持体を140℃で加熱し、
その後徐々に冷却した。
【0096】(ハロゲン化銀乳剤Aの調製)水900m
l中にイナートゼラチン7.5g及び臭化カリウム10
mgを溶解して温度35℃、pHを3.0に合わせた
後、硝酸銀74gを含む水溶液370mlとモル比(9
8/2)の臭化カリウムと沃化カリウムを含む水溶液
(硝酸銀と等モル量)及びK2〔Ir(NO)Cl5〕塩
を銀1モル当たり1×10-6モル及び塩化ロジウム塩を
銀1モル当たり1×10-4モルを、pAg7.7に保ち
ながらコントロールドダブルジェット法で添加した。そ
の後4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−
テトラザインデンを添加しNaOHでpHを5に調整し
て平均粒子サイズ0.06μm、単分散度10%の投影
直径面積の変動係数8%、〔100〕面比率87%の立
方体沃臭化銀粒子を得た。この乳剤にゼラチン凝集剤を
用いて凝集沈降させ脱塩処理後フェノキシエタノール
0.1gを加え、pH5.9、pAg7.5に調整し
て、ハロゲン化銀乳剤を得た。さらに塩化金酸及び無機
硫黄で化学増感を行った。
【0097】(ベヘン酸Na溶液の調製)945mlの
純水にベヘン酸32.4g、アラキジン酸9.9g、ス
テアリン酸5.6gを90℃で溶解した。次に高速で撹
拌しながら1.5Mの水酸化ナトリウム水溶液98ml
を添加した。次に濃硝酸0.93mlを加えた後、55
℃に冷却して30分撹拌させてベヘン酸Na溶液を得
た。
【0098】(ベヘン酸銀とハロゲン化銀乳剤Aのプレ
フォーム乳剤の調製)上記のベヘン酸Na溶液に前記ハ
ロゲン化銀乳剤Aを15.1g添加し水酸化ナトリウム
溶液でpH8.1に調整した後に1Mの硝酸銀溶液14
7mlを7分間かけて加え、さらに20分撹拌し限外濾
過により水溶性塩類を除去した。できたベヘン酸銀は平
均粒子サイズ0.8μm、単分散度8%の粒子であっ
た。分散物のフロックを形成後、水を取り除き、更に6
回の水洗と水の除去を行った後乾燥させた。
【0099】(感光性乳剤の調製)できあがったプレフ
ォーム乳剤にポリビニルブチラール(平均分子量300
0)のメチルエチルケトン溶液(17wt%)544g
とトルエン107gを徐々に添加して混合した後に、超
音波分散機、高圧ホモジナイザー、ビーズミルにてそれ
ぞれ分散させた。
【0100】分散条件としては、超音波分散機(600
W、20分)で分散したものを試料1、高圧ホモジナイ
ザー(ナノマイザーLA−31)8000psi、3p
assで分散したものを試料2、ビーズミル(Gett
zmannSLC−12)停滞時間0.5分で分散した
ものを試料3、ビーズミル(GettzmannSLC
−12)停滞時間4分で分散したものを試料4とした。
【0101】前記支持体上に以下の各層を順次形成し、
各試料を作製した。尚、乾燥は各々60℃、15分間で
行った。
【0102】バック面側塗布:以下の組成の液を塗布し
た。
【0103】 酢酸セルロース(10%メチルエチルケトン溶液) 15ml/m2 染料−B 7mg/m2 染料−C 7mg/m2 マット剤:単分散度15%平均粒子サイズ10μm単分散シリカ 30mg/m2917−C64−SO3Na 10mg/m
【0104】
【化6】
【0105】感光層面側塗布 感光層1:以下の組成の液を塗布銀量が2.1g/m
になる様に塗布した。
【0106】 プレフォーム乳剤 240g 増感色素−1(0.1%メタノール溶液) 1.7ml ポリビニルブチラール 表1記載の量 ピリジニウムプロミドペルブロミド(6%メタノール溶液) 3ml 臭化カルシウム(0.1%メタノール溶液) 1.7ml カブリ防止剤−2(10%メタノール溶液) 1.2ml 2−(4−クロロベンゾイル)安息香酸(12%メタノール溶液) 9.2ml 2−メルカプトベンズイミダゾール(1%メタノール溶液) 11ml トリブロモメチルスルホキノリン(5%メタノール溶液) 17ml 還元剤A−4(20%メタノール溶液) 29.5ml
【0107】
【化7】
【0108】表面保護層:以下の組成の液を感光層の上
に塗布した。
【0109】 アセトン 35ml/m2 メチルエチルケトン 17ml/m2 酢酸セルロース 2.3g/m2 メタノール 7ml/m2 フタラシ゛ン 250mg/m2 4−メチルフタル酸 180mg/m2 テトラクロロフタル酸 150mg/m2 テトラクロロフタル酸無水物 170mg/m2 マット剤:単分散度10%平均粒子サイズ4μm単分散シリカ 70mg/m2917−C64−SO3Na 10mg/m2 なお、保護層の膜厚を変化させるときは、酢酸セルロー
スの添加量を変更した。
【0110】《ベヘン酸銀、ハロゲン化銀の投影面積の
測定》分散後の有機銀塩を希釈してカーボン支持膜付グ
リッド上に分散し、透過型電子顕微鏡(日本電子製 2
000FX型)、直接倍率5000倍にて撮影を行っ
た。この時ダメージを防ぐために試料ホルダーを−12
0℃まで冷却した。スキャナーにてネガをデジタル画像
として取り込み適当な画像処理ソフトを用いて円相当径
を300個以上測定し、変動係数を算出した。
【0111】《露光及び現像処理》上記で作製した熱現
像感光材料に810nmの半導体レーザーを有するイメ
ージャーで露光した。その後ヒートドラムを有する自動
現像機を用いて、110℃で15秒熱現像処理した。そ
の際、露光及び現像は23℃、50%RHに調湿した部
屋で行った。なお、感度は比較を100としたときの相
対値で表した。
【0112】《熱現像後のカブリ濃度の評価》上記で作
製した熱現像感光材料を2つに分け、片方を50℃、5
0%RHのサーモ機に5日間投入し、そのカブリ濃度を
測定した。ここでいうカブリ濃度とは網点0%の露光を
した部分の濃度をいう。値の小さいものほど良い。
【0113】《失透性の評価》 4:ほとんど失透していない 3:わずかに失透している 2:かなり失透している 1:失透がひどく製品にならない 《鮮鋭性の評価》 4:非常にシャープ 3:良好だがわずかにボケがある 2:ボケが目立ち読影に若干支障あり 1:ボケにより読影困難 結果を表1に示す。
【0114】
【表1】
【0115】
【発明の効果】本発明により、失透性の低下が少なく、
鮮鋭性の良好な熱現像感光材料を提供することが出来
た。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均円相当径が0.35μm以下である
    有機銀塩を含有することを特徴とする熱現像感光材料。
  2. 【請求項2】 有機銀製造のための有機酸が脂肪酸であ
    ることを特徴とする請求項1記載の熱現像感光材料。
  3. 【請求項3】 円相当径の変動係数が50%以下である
    ことを特徴とする請求項1または2記載の熱現像感光材
    料。
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