JP2005208476A - 写真感光材料および画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 湿度耐性に優れた写真感光材料および画像形成方法を提供すること。
【解決手段】 下記一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする写真感光材料。
【化1】
Figure 2005208476

(式中、R11はベンゼン環が縮合してもよいチエニル基又はフリル基を表し、R12は電子吸引性基またはシリル基を表し、R13およびR14はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、写真感光材料および画像形成方法に関し、特には印刷製版用に適している熱現像写真感光材料(以下、単に感光材料ともいう)および画像形成方法に関し、更に詳しくは硬調性および湿度耐性の優れた熱現像写真感光材料および画像形成方法に関する。
支持体上に感光層を有し、画像露光することで画像形成を行う感光材料は、数多く知られている。それらの中でも、環境保全や画像形成手段が簡易化できるシステムとして、熱現像により画像を形成する技術が挙げられる。
近年写真製版分野において環境保全、省スペースの観点から処理廃液の減量が強く望まれている。そこで、レーザー・スキャナーまたはレーザー・イメージセッターにより効率的に露光させることができ、高解像度及び鮮鋭さを有する鮮明な黒色画像を形成することができる、写真製版用途の熱現像写真感光材料に関する技術が必要とされている。これら熱現像写真感光材料では、溶液系処理化学薬品の使用をなくし、より簡単で環境を損なわない熱現像処理システムを顧客に対して供給することができる。
熱現像により画像を形成する方法は、例えば、米国特許第3,152,904号明細書、同3,457,075号明細書、及びD.モーガン(Morgan)とB.シェリー(Shely)による「熱によって処理される銀システム(Thermally Processed Silver Systems)A」(イメージング・プロセッシーズ・アンド・マテリアルズ(Imaging Processes and Materials)Neblette 第8版、スタージ(Sturge)、V.ウォールワーズ(Walworth)、A.シェップ(Shepp)編集、第2頁、1969年)に記載されている。
このような熱現像写真感光材料は、還元可能な非感光性の銀源(例えば、有機銀塩)、触媒活性量の光触媒(例えば、ハロゲン化銀)、及び銀の還元剤を通常有機バインダーマトリックス中に分散した状態で含有している。感光材料は常温で安定であるが、露光後高温(例えば、80℃以上)に加熱した場合に、還元可能な銀源(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応を通じて銀を生成する。この酸化還元反応は、露光で発生した潜像の触媒作用によって促進される。露光領域中の還元可能な銀塩の反応によって生成した銀は黒色画像を提供し、これは非露光領域と対照をなし、画像の形成がなされる。
この熱現像写真感光材料にヒドラジン誘導体、アクリロニトリル類を含有せしめて、硬調な画像を得る技術が開示されている(例えば、特許文献1、2参照。)が、これらの化合物を用いた熱現像写真感光材料においては、夏場の高湿環境下では感光材料中の水分量が多くなり、現像反応が進み過ぎてカブリが発生しやすく、また冬場の低湿期には感光材料中の水分量が少なくなり、現像反応が進みにくく濃度がでなくなるという問題がある。
米国特許第5,545,515号明細書 米国特許第5,635,339号明細書
本発明の目的は、湿度耐性に優れた写真感光材料および画像形成方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の手段により達成された。
(請求項1)
下記一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする写真感光材料。
Figure 2005208476
(式中、R11はベンゼン環が縮合してもよいチエニル基又はフリル基を表し、R12は電子吸引性基またはシリル基を表し、R13およびR14はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
(請求項2)
前記一般式(1)におけるR13およびR14のいずれか一方が水素原子であり、他方がヒドロキシル基であることを特徴とする請求項1に記載の写真感光材料。
(請求項3)
下記一般式(2)で表される化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする写真感光材料。
Figure 2005208476
(式中、R21は1価の置換基を表し、R22は電子吸引性基を表し、R23およびR24のいずれか一方は水素原子を表し、他方は酸素アニオンまたは硫黄アニオンを表し、R25はアンモニウム、ホスホニウムまたはスルホニウムを表す。)
(請求項4)
前記一般式(2)におけるR21がアリール基またはヘテロアリール基であることを特徴とする請求項3に記載の写真感光材料。
(請求項5)
前記一般式(2)におけるR22がシアノ基であることを特徴とする請求項3または4に記載の写真感光材料。
(請求項6)
請求項1〜5のいずれか1項に記載の写真感光材料が有機銀塩、感光性ハロゲン化銀および還元剤を含有することを特徴とする熱現像写真感光材料。
(請求項7)
請求項6に記載の熱現像写真感光材料に画像様に露光を与え、次いで80〜250℃で熱現像することを特徴とする熱現像写真感光材料の画像形成方法。
本発明により、湿度耐性の改良された写真感光材料および画像形成方法を提供することができた。
以下、本発明について詳述する。
一般式(1)及び(2)で表される化合物について詳細に述べる。まず、一般式(1)で表される化合物について説明する。
11で表される基はベンゼン環が縮合してもよいチエニル基又はフリル基であり、例えば、チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ベンゾ[c]チエニル基、フリル基、ベンゾフリル基、イソベンゾフラニル基等が挙げられる。これらの基は更に置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基等)、ヘテロ環基(チアゾリジル基、ピロリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基等)、ヘテロアリール基(ピリジル基、ピラジル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、チエニル基、フリル基等)、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(イミダゾリウム、ピリジニウム等)、ヒドロキシル基、アルコキシ基(エチレンオキシもしくはプロピレンオキシ単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、ウレタン基、カルボキシル基、イミド基、アミノ基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、4級のアンモニオ基、アルキル、アリール又は複素環チオ基、メルカプト基、アルキル又はアリールスルホニル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、スルホ基、スルファモイル基、アシルスルファモイル基、アルキル又はアリールスルホニルウレイド基、アルキル又はアリールスルホニルカルバモイル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ホスホルアミド基などが挙げられる。
12で表される電子吸引性基とは、ハメットの置換基定数σpが正の値を取る置換基のことであり、電子吸引性基としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルバモイル基、カルボンアミド基、スルファモイル基、スルホンアミド基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ホスホリル基、カルボキシ基(又はその塩)、スルホ基(又はその塩)、イミノ基、σpが正の値を取るヘテロ環基又はこれらの電子吸引性基で置換されたフェニル基等が挙げられる。ハメット則は、ベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論じるために、1935年にL.P.Hammetにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則により求められた置換基定数にはσp値とσm値とがあり、これらの値は多くの一般的な成書に記載があり、「Lange’s Handbook of Chemistry(J.A.Dean著)」第12販、1979年(Mc Graw−Hill)や「化学の領域増刊」、第122号、96〜103頁、1979年(南光堂)、Chemical Reviews、第91巻、165〜195頁、1991年に詳しく述べられている。本発明における電子吸引性基は、σp値により規定しているが、上記の成書に記載の文献既知の値がある置換基にのみ限定されるものではない。
13、R14で表される1価の置換基としては、前述のR11に置換可能な基と同様の置換基が挙げられる。これらの置換基は、上記の置換基によって更に置換されていてもよく、また複数が互いに結合して環を形成していてもよい。これらの内、好ましくはR13、R14のいずれか一方が水素原子であり、他方がヒドロキシル基又はその塩である。
以下、一般式(1)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下に列挙する化合物において、ケト−エノール型変異性体またはシスートランス型幾何異性体が存在する場合には、その両方を表すものとする。
Figure 2005208476
Figure 2005208476
次に、一般式(2)で表される化合物について詳細に説明する。
21で表される1価の置換基としては、前述の一般式(1)で述べた1価の置換基と同様の基が挙げられる。これらのうち、好ましくはアリール基又はヘテロアリール基である。
22で表される電子吸引性基としては、前述の一般式(1)で述べた電子吸引性基と同様の基が挙げられる。これらのうち、好ましくはシアノ基である。
23およびR24のいずれか一方は水素原子を表し、他方は酸素アニオンまたは硫黄アニオンを表す。これらのうち、好ましくはR23およびR24のいずれか一方は水素原子であり、他方は酸素アニオンである。
25はアンモニウム、ホスホニウムまたはスルホニウムを表す。
以下、一般式(2)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下に列挙する化合物において、ケト−エノール型互変異性体又はシス−トランス型幾何異性体が存在する場合には、その両方を表すものとする。
Figure 2005208476
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Figure 2005208476
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Figure 2005208476
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これら一般式(1)および(2)で表される化合物は、公知の方法により容易に合成することができるが、以下にいくつか合成例を示す。
化合物1−11の合成
トルエン300mlに60%水素化ナトリウム10.0g(0.25mol)を分散撹拌し、エタノール1mlを加えた。内温を10℃に冷却してチオフェン−2−アセトニトリル29.0g(0.24mol)とギ酸エチル34.9g(0.47mol)の混合物を2時間かけて滴下した。反応終了後、水100mlを加えてトルエン層を洗浄し、更に1Mの塩酸水溶液、次いで食塩水で洗浄した。トルエン層を硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、減圧留去した。得られた残渣を酢酸エチルで再結晶し、目的の化合物1−11、27.0gを得た(収率75%)。
化合物2−49の合成
3−ヒドロキシ−2−(2−ピリジル)アクリロニトリル2.9g(20mmol)をメタノール30mlに溶解し、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン2.3g(20mmol)を加えた。5分撹拌後、臭化デシルトリフェニルホスホニル9.7g(20mmol)を加えて更に5分撹拌した。酢酸エチル200mlを加えて水50mlで3回洗浄し、酢酸エチルを減圧留去した。得られた残渣12.1gをアセトニトリル40mlで再結晶し、目的の化合物2−49、6.4gを得た(収率58%)。
化合物2−66の合成
3−ヒドロキシ−2−(p−トルイル)アクリロニトリル3.2g(20mmol)をメタノール30mlに溶解し、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン2.3g(20mmol)を加えた。5分撹拌後、塩化トリフェニルスルホニル6.0g(20mmol)を加えて更に5分撹拌した。酢酸エチル150mlを加えて水50mlで3回洗浄し、酢酸エチルを減圧留去した。得られた残渣9.9gをアセトニトリル40mlで再結晶し、目的の化合物2−66、5.4gを得た(収率64%)。
本発明の化合物の添加層は、ハロゲン化銀乳剤を含む感光層及び/又は感光層に隣接した層であることが好ましい。又、添加量は、ハロゲン化銀粒子の粒径、ハロゲン組成、化学増感の程度、抑制剤の種類等により最適量が異なり、一様ではないが、概ねハロゲン化銀1モル当たり10-6〜10-1モル程度、特に10-5〜10-2モルの範囲が好ましい。
本発明に係る一般式(1)および(2)は適当な有機溶媒、例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、弗素化アルコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等に溶解して用いることができる。又、既に良く知られている乳化分散法によっても組み入れることができる。例えば、ジブチルフタレート、トリクレジルホスフェート、グリセリルトリアセテート又はジエチルフタレート等の高沸点有機溶媒及び酢酸エチルやシクロヘキサノン等の補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化して乳化分散物を作製し、所望の構成層に添加することができる。又、固体分散法として知られている方法、例えば、本発明の化合物の粉末を、ボールミル、コロイドミル、あるいは超音波分散機等の分散手段を用いて水系微粒子分散物として任意に添加することもできる。
本発明の熱現像写真感光材料には、上記化合物の他に米国特許第5,545,505号明細書に記載のヒドロキシルアミン化合物、アルカノールアミン化合物やフタル酸アンモニウム化合物、同5,545,507号明細書に記載のヒドロキサム酸化合物、同5,558,983号明細書に記載のN−アシル−ヒドラジン化合物、同5,937,449号明細書に記載のベンズヒドロールやジフェニルホスフィンやジアルキルピペリジンやアルキル−β−ケトエステル等の水素原子ドナー化合物、特開2001−330919号公報に記載のスルホニウム塩化合物を適宜添加することができる。
熱現像写真感光材料に用いられる有機銀塩は、還元可能な銀源であり、還元可能な銀イオン源を含有する有機酸及びヘテロ有機酸の銀塩、その中でも特に長鎖(炭素原子数10〜30、好ましくは15〜25)の脂肪族カルボン酸及び含窒素複素環の銀塩が好ましい。配位子が、銀イオンに対する総安定定数として4.0〜10.0の値を有する有機又は無機の銀錯体も有用である。好適な銀塩の例は、リサーチ・ディスクロージャ(以下、RDと略記)17029及び同29963に記載されており、以下のものを挙げることができる。
有機酸の銀塩(没食子酸、蓚酸、ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の銀塩);銀のカルボキシアルキルチオ尿素塩(1−(3−カルボキシプロピル)チオ尿素、1−(3−カルボキシプロピル)−3,3−ジメチルチオ尿素等);アルデヒドとヒドロキシ置換芳香族カルボン酸〔アルデヒド類(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド等)とヒドロキシ置換酸類(サリチル酸、安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、5,5−チオジサリチル酸等)〕とのポリマー反応生成物の銀錯体;チオン類の銀塩又は錯体(3−(2−カルボキシエチル)−4−ヒドロキシメチル−4−(チアゾリン−2−チオン、及び3−カルボキシメチル−4−チアゾリン−2−チオン));イミダゾール、ピラゾール、ウラゾール、1,2,4−チアゾール及び1H−テトラゾール、3−アミノ−5−ベンジルチオ−1,2,4−トリアゾール及びベンゾトリアゾールから選択される窒素酸と銀との錯体又は塩;サッカリン、5−クロロサリチルアルドキシム等の銀塩;及びメルカプチド類の銀塩等である。好ましい銀源はベヘン酸銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸銀及びそれらの混合物である。
有機銀塩化合物は、水溶性銀化合物と銀と錯形成する化合物を混合することにより得られるが、正混合法、逆混合法、同時混合法、特開平9−127643号公報に記載されている様なコントロールド・ダブルジェット法等が好ましく用いられる。例えば、有機酸にアルカリ金属塩(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)を加えて、有機酸アルカリ金属塩ソープ(ベヘン酸ナトリウム、アラキジン酸ナトリウム等)を作製した後に、コントロールド・ダブルジェット法により、前記ソープと硝酸銀などを添加して有機銀塩の結晶を作製する。その際、以下に述べる感光性ハロゲン化銀粒子(以下、単にハロゲン化銀粒子と言う)を混在させてもよい。本発明におけるハロゲン化銀粒子は、光センサーとして機能するものである。
本発明においては、画像形成後の感光材料の白濁化の抑制、及び良好な画質を得るため平均粒子サイズは小さい方が好ましく、平均粒子サイズが0.1μm以下、より好ましくは0.01〜0.1μm、特に好ましくは0.02〜0.08μmである。ここで言う粒子サイズ(粒径)とは、ハロゲン化銀粒子が立方体あるいは八面体のいわゆる正常晶である場合には、ハロゲン化銀粒子の稜の長さを言う。又、正常晶でない場合、例えば、球状、棒状、あるいは平板状の粒子の場合には、ハロゲン化銀粒子の体積と同等な球を想定した時の球の直径を言う。又、ハロゲン化銀粒子は単分散であることが好ましい。ここで言う単分散とは、下記式で求められる単分散度が40%以下を言う。更に好ましくは30%以下であり、特に好ましくは0.1〜20%となる粒子である。
単分散度=(粒径の標準偏差/粒径の平均値)×100
本発明においては、ハロゲン化銀粒子が平均粒径0.1μm以下で、且つ単分散粒子であることが好ましく、この範囲にすることで画像の粒状度も向上する。
ハロゲン化銀粒子の形状については特に制限はないが、ミラー指数〔100〕面の占める割合が高いことが好ましく、この割合が50%以上、更には70%以上、特には80%以上であることが好ましい。ミラー指数〔100〕面の比率は、増感色素の吸着における〔111〕面と〔100〕面との吸着依存性を利用したT.Tani,J.Imaging Sci.,29,165(1985)に記載の方法により求めることができる。
本発明における好ましい他のハロゲン化銀粒子の形状は、平板粒子である。ここで言う平板粒子とは投影面積の平方根を粒径rμmとし、垂直方向の厚みをhμmとした場合のアスペクト比(r/h)が3以上のものを言う。その中でも好ましくはアスペクト比が3〜50である。又、平板粒子の粒径は0.1μm以下であることが好ましく、更に0.01〜0.08μmが好ましい。これら平板粒子は米国特許第5,264,337号、同5,314,798号、同5,320,958号の各明細書等に記載の方法により、容易に得ることができる。該平板状粒子を用いることにより、更に画像の鮮鋭度も向上することができる。
ハロゲン化銀粒子のハロゲン組成は特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、沃臭化銀、沃化銀の何れであってもよい。
本発明に用いられる写真乳剤は、P.Glafkides著Chimieet Physique Photographique(Paul Montel社刊,1967年)、G.F.Duffin著PhotographicEmulsion Chemistry(The Focal Press刊,1966年)、V.L.Zelikman et al著Makingand Coating Photographic Emulsion(The Focal Press刊,1964年)等に記載された方法を用いて調製することができる。
本発明に用いられるハロゲン化銀には、相反則不軌特性改良や階調調整のために、元素周期律表の第6族〜第10族に属する金属のイオン又は錯体イオンを含有させることが好ましい。上記金属としては、W、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Pt、Auが好ましい。
ハロゲン化銀粒子は、ヌードル法、フロキュレーション法等、当業界で知られている方法により不要の塩類を除去(脱塩)することができるが、本発明においては脱塩は行っても行わなくても何れでもよい。ハロゲン化銀粒子は化学増感が施されていることが好ましい。好ましい化学増感法としては、当業界でよく知られているような硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法、金化合物や白金、パラジウム、イリジウム化合物等の貴金属増感法や還元増感法等を用いることができる。
感光材料の失透を防ぐため、ハロゲン化銀及び有機銀塩の総量は、銀量に換算して1m2当たり0.5〜2.2gであることが好ましい。この範囲に銀量を設定することにより硬調な画像を得ることができる。又、銀総量に対するハロゲン化銀量の比率は質量比で50%以下、好ましくは25%以下、更に好ましくは0.1〜15%である。
本発明の熱現像写真感光材料に用いられる還元剤としては、一般に知られているものが挙げられ、例えば、フェノール類、2個以上のフェノール基を有するポリフェノール類、ナフトール類、ビスナフトール類、2個以上のヒドロキシル基を有するポリヒドロキシベンゼン類、2個以上のヒドロキシル基を有するポリヒドロキシナフタレン類、アスコルビン酸類、3−ピラゾリドン類、ピラゾリン−5−オン類、ピラゾリン類、フェニレンジアミン類、ヒドロキシルアミン類、ハイドロキノンモノエーテル類、ヒドロオキサミン酸類、ヒドラジド類、アミドオキシム類、N−ヒドロキシ尿素類等があり、更に詳しくは米国特許第3,615,533号、同3,679,426号、同3,672,904号、同3,751,252号、同3,782,949号、同3,801,321号、同3,794,488号、同3,893,863号、同3,887,376号、同3,770,448号、同3,819,382号、同3,773,512号、同3,839,048号、同3,887,378号、同4,009,039号、同4,021,240号の各明細書、英国特許第1,486,148号明細書もしくはベルギー特許第786,086号明細書及び特開昭50−36143号、同50−36110号、同50−116023号、同50−99719号、同50−140113号、同51−51933号、同51−23721号、同52−84727号もしくは特公昭51−35851号の各公報等に具体的に例示された還元剤等を挙げることができ、上記の公知な還元剤の中から適宜選択して使用することが出来る。選択方法としては、実際に還元剤を含む熱現感材を作製し、その写真性能を直接評価することにより、還元剤の適否を確認する方法が最も効率的である。
上記還元剤の中で、有機銀塩として脂肪族カルボン酸銀塩を使用する場合の好ましい還元剤としては、2個以上のフェノール基がアルキレン基又は硫黄によって連結されたポリフェノール類、特にフェノール基のヒドロキシ置換位置に隣接した位置の少なくとも一つにアルキル基(メチル、エチル、プロピル、t−ブチル、シクロヘキシル等)又はアシル基(アセチル、プロピオニル等)が置換したフェノール基の2個以上がアルキレン基又は硫黄によって連結されたポリフェノール類、例えば、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)メタン、(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メタン、6,6′−ベンジリデン−ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)、6,6′−ベンジリデン−ビス(2−t−ブチル−4−メチルフェノール)、6,6′−ベンジリデン−ビス(2,4−ジメチルフェノール)、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−メチルプロパン、1,1,5,5−テトラキス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2,4−エチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロパン等の米国特許第3,589,903号明細書、同4,021,249号明細書もしくは英国特許第1,486,148号明細書及び特開昭51−51933号、同50−36110号、同50−116023号、同52−84727号もしくは特公昭51−35727号の各公報に記載されたポリフェノール化合物、米国特許第3,672,904号明細書に記載されたビスナフトール類、例えば、2,2′−ジヒドロキシ−1,1′−ビナフチル、6,6′−ジブロモ−2,2′−ジヒドロキシ−1,1′−ビナフチル、6,6′−ジニトロ−2,2′−ジヒドロキシ−1,1′−ビナフチル、ビス(2−ヒドロキシ−1−ナフチル)メタン、4,4′−ジメトキシ−1,1′−ジヒドロキシ−2,2′−ビナフチル等、更に米国特許3,801,321号明細書に記載されるようなスルホンアミドフェノール又はスルホンアミドナフトール類、例えば、4−ベンゼンスルホンアミドフェノール、2−ベンゼンスルホンアミドフェノール、2,6−ジクロロ−4−ベンゼンスルホンアミドフェノール、4−ベンゼンスルホンアミドナフトール等を挙げることができる。
熱現像写真感光材料に使用される還元剤の適量は、使用する有機銀塩や還元剤の種類、その他の添加剤により一様ではないが、一般的には有機銀塩1モル当たり0.05〜10モル、好ましくは0.1〜3モルの範囲が適当である。又、この範囲内においては、上述した還元剤を2種以上併用してもよい。本発明においては、還元剤を塗布直前に感光層塗布液に添加し塗布することが、感光層塗布液の停滞時間による写真性能変動を小さくする上で好ましい。
本発明の熱現像写真感光材料に好適なバインダーは透明又は半透明で、一般に無色である、天然ポリマー合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば、ゼラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、カゼイン、澱粉、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(ビニルアセタール)類〔ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール)〕、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。
バインダーとしては親水性でも疎水性でもよいが、熱現像処理後のカブリを低減させるためには、疎水性透明バインダーを使用することが好ましい。好ましいバインダーとしては、例えば、ポリビニルブチラール、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリル酸、ポリウレタン等が挙げられる。その中でも、ポリビニルブチラール、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート及びポリエステルが、特に好ましく用いられる。
感光材料の表面を保護したり擦り傷を防止するために、感光層の外側に非感光層を塗設することが好ましい。これらの非感光層に用いられるバインダーは、感光層に用いられるバインダーと同じ種類でも異なった種類でもよい。
熱現像速度を高めるため、感光層のバインダー量が1.5〜10g/m2であることが好ましい。更に好ましくは1.7〜8g/m2である。1.5g/m2未満では未露光部の濃度(Dmin)が大幅に上昇し、実用上障害を起こす場合がある。
感光層側にマット剤を含有せしめることが好ましく、熱現像処理後の画像の傷付き防止のため、感光材料の表面に配するマット剤量は、感光層側の全バインダーに対し質量比で0.5〜30%含有することが好ましい。又、支持体を挟み感光層の反対側に非感光層を設ける場合には、該非感光層側の少なくとも1層中にマット剤を含有することが、滑り性や指紋付着防止のためにも好ましく、そのマット剤量は、該非感光層の全バインダーに対し質量比で0.5〜40%含有せしめることが好ましい。マット剤の形状は定形、不定形どちらでもよいが、好ましくは定形で特には球形が好ましい。
本発明の熱現像写真感光材料は支持体上に少なくとも1層の感光層を有している。支持体上に感光層のみを形成してもよいが、感光層の上に少なくとも1層の非感光層を形成することが好ましい。又、感光層を通過する光の量又は波長分布を制御するため、感光層と同じ側にフィルター染料層及び/又は反対側にアンチハレーション染料層、所謂バッキング層を形成してもよいし、あるいは感光層に直接、染料又は顔料を含ませてもよい。これら非感光層には、前記のバインダーやマット剤の他にポリシロキサン化合物、ワックス類や流動パラフィンのような滑り剤を含有してもよい。
又、熱現像写真感光材料には、塗布助剤として各種の界面活性剤を用いることができる。その中でも、特に弗素系界面活性剤が帯電特性を改良したり、斑点状の塗布故障を防ぐために好ましく用いられる。
感光層は複数層にしてもよく、また階調を整えるため高感度層/低感度層又は低感度層/高感度層等の複数の層構成を採ってもよい。
本発明に用いられる好適な色調剤例は、RD17029に開示されている。熱現像写真感光材料には、現像を抑制あるいは促進させ現像強度を制御するため、分光増感効率を向上させるため、又は現像処理前後における保存安定性を向上させるため、メルカプト化合物、ジスルフィド化合物、チオン化合物等の抑制剤を含有させることができる。
又、例えば、界面活性剤、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤、被覆助剤等を用いてもよい。これらの添加剤及び上述したその他の添加剤は、RD17029(1978年6月、9〜15頁)に記載される化合物を好ましく用いることができる。
上述の各種添加剤は感光層、非感光層又はその他の形成層の何れに添加してもよい。
本発明で用いられる支持体は現像処理後に所定の光学濃度を得るため、及び現像処理後の画像の変形を防ぐため、プラスチックフィルム(ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ナイロン、セルローストリアセテート、ポリエチレンナフタレート等)であることが好ましい。その中でも好ましい支持体としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体を含むプラスチック(SPS)の支持体が挙げられる。支持体の厚みとしては50〜300μm程度、好ましくは70〜180μmである。
又、熱処理したプラスチック支持体を用いることもできる。採用するプラスチックとしては、前述のプラスチックが挙げられる。支持体の熱処理とは、支持体を製膜後、感光層が塗布される迄の間に、支持体のガラス転移点より30℃以上高い温度、好ましくは35℃以上高い温度で、更に好ましくは40℃以上高い温度で加熱することを指す。
本発明においては、帯電性を改良するために金属酸化物及び/又は導電性ポリマーなどの導電性化合物を構成層中に含ませることができる。これらは何れの層に含有させてもよいが、好ましくは下引層、バッキング層、感光層と下引の間の層などである。
熱現像写真感光材料には、例えば、特開昭63−159841号、同60−140335号、同63−231437号、同63−259651号、同63−304242号、同63−15245号の各公報、米国特許第4,639,414号、同4,740,455号、同4,741,966号、同4,751,175号、同4,835,096号の各明細書等に記載された増感色素が使用できる。有用な増感色素の具体例は、例えば、RD17643IV−A項(1978年12月、23頁)、同18431X項(1979年8月、437頁)に記載もしくは引用された文献に記載されている。
本発明においては、特に各種スキャナー光源の分光特性に適合した分光感度を有する増感色素を有利に選択することができる。例えば、アルゴンレーザー光源に対しては、特開昭60−162247号公報、特開平2−48653号公報、米国特許第2,161,331号明細書、西独特許第936,071号明細書、特開平5−11389号公報等に記載のシンプルメロシアニン類;ヘリウム−ネオンレーザー光源に対しては、特開昭50−62425号、同54−18726号、同59−102229号の各公報等に記載の三核シアニン色素類、特開平7−287338号公報に記載のメロシアニン類;LED光源及び赤色半導体レーザーに対しては、特公昭48−42172号、同51−9609号、同55−39818号、特開昭62−284343号、特開平2−105135号の各公報に記載されたチアカルボシアニン類;赤外半導体レーザー光源に対しては、特開昭59−191032号公報、同60−80841号公報に記載されたトリカルボシアニン類、特開昭59−192242号公報、特開平3−67242号公報の一般式(IIIa)、一般式(IIIb)に記載された4−キノリン核を含有するジカルボシアニン類などが有利に選択される。
これらの増感色素は単独に用いても、あるいはそれらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せは特に強色増感の目的でしばしば用いられる。増感色素と共に、それ自身分光増感作用を持たない色素、あるいは可視光を実質的に吸収しない物質であって強色増感を示す物、質をハロゲン化銀乳剤中に含んでもよい。
本発明の熱現像写真感光材料の露光は、Arレーザー(488nm)、He−Neレーザー(633nm)、赤色半導体レーザー(670nm)、赤外半導体レーザー(780nm、830nm)等のレーザー光源を用いて行うことが一つの特徴であり、特に該レーザー光源の波長が700〜1000nmである赤外半導体レーザーの使用が好ましい。
熱現像写真感光材料には、ハレーション防止層として染料を含有する層を設けることができる。Arレーザー、He−Neレーザー、赤色半導体レーザー用には、400〜750nmの範囲で、露光波長において少なくとも0.3以上、好ましくは0.8以上の吸収となるように染料を添加することが好ましい。赤外半導体レーザー用には、750nm〜1500nmの範囲で、露光波長において少なくとも0.3以上、好ましくは0.8以上の吸収となるように染料を添加することが好ましい。染料は1種でも数種を組み合わせてもよい。該染料は感光層と同じ側の支持体に近い染料層、又は感光層と反対側の染料層に添加することができる。
本発明の熱現像写真感光材料は如何なる方法で現像されてもよいが、イメージワイズに露光した感光材料を昇温し、温度として80〜250℃で熱現像処理を行うことが一つの特徴であり、好ましくは100〜140℃である。現像時間としては1〜180秒が好ましく、10〜90秒が更に好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
実施例1
1.下引済みPET支持体の作製
2軸延伸熱固定済みの厚さ125μmのPETフィルムの両面に下記の条件でプラズマ処理1を施し、次いで一方の面に前記下引塗布液a−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設してから乾燥させて下引層A−1とし、又反対側の面に下記帯電防止加工した下引塗布液b−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設してから乾燥させて導電層としての下引層B−1とした。次いで、それぞれの下引き層表面に下記の条件でプラズマ処理2を施した。
《プラズマ処理条件》
バッチ式の大気圧プラズマ処理装置(イーシー化学(株)製、AP−I−H−340)を用いて、高周波出力が4.5kW、周波数が5kHz、処理時間が5秒及びガス条件としてアルゴン、窒素及び水素の体積比をそれぞれ90%、5%及び5%で、プラズマ処理1及びプラズマ処理2を行った。
〈下引塗布液a−1〉
ブチルアクリレート(30質量%)/t−ブチルアクリレート(20質量%)/スチレン(25質量%)/2−ヒドロキシエチルアクリレート(25質量%)の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g
ポリスチレン微粒子(平均粒径3μm) 0.05g
コロイダルシリカ(平均粒径90μm) 0.1g
水で1リットルに仕上げる
〈下引塗布液b−1〉
酸化錫(インジウムを0.1%ドープした平均粒径36nm)
0.26g/m2になる量
ブチルアクリレート(30質量%)/スチレン(20質量%)/グリシジルアクリレート(40質量%)の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g
水で1リットルに仕上げる。
〈支持体の熱処理〉
得られた下引済み支持体の下引乾燥工程にて支持体を140℃で加熱し、その後徐々に冷却した。その際に1×105Paの張力で搬送した。
2.バック層面側の塗布
以下の組成のバック層塗布液1とバック保護層塗布液1を、それぞれ塗布前に絶対濾過精度20μmのフィルターを用いて濾過した後、押し出しコーターで前記作製した支持体の帯電防止加工した下引層B−1面上に、合計ウェット膜厚が30μmになるよう、毎分120mの速度で同時重層塗布し、60℃で4分間乾燥を行った。
〈バック層塗布液1〉
メチルエチルケトン 16.4g/m2
染料A 17mg/m2
安定化剤B−1(住友化学社スミライザーBPA) 20mg/m2
安定化剤B−2(吉富製薬トミソーブ77) 50mg/m2
セルロースアセテートプロピレート(Eastman Chemical社CAP504−0.2) 0.5g/m2
セルロースアセテートブチレート(Eastman Chemical社CAB381−20) 1.5g/m2
Figure 2005208476
〈バック保護層塗布液1〉
メチルエチルケトン 22g/m2
帯電防止剤;(CH33SiO〔(CH32SiO〕2O〔CH3SiO{CH2CH2CH2O(CH2CH2O)10(CH2CH2CH2O)15CH3}〕3OSi(CH33
22mg/m2
フッ素系界面活性剤F−1:C817SO3Li 10mg/m2
セルロースアセテートプロピレート(Eastman Chemical社CAP504−0.2) 0.5g/m2
セルロースアセテートブチレート(Eastman Chemical社CAB381−20) 1.5g/m2
マット剤(富士デビソン社サイロイド74;平均粒径7μmのシリカ)
12mg/m2
(ハロゲン化銀粒子の調製)
純水900ml中にゼラチン7.5g及び臭化カリウム10mgを溶解して温度35℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀74gを含む水溶液370mlと(96/4)のモル比の臭化カリウムと沃化カリウム0.436モルと(NH42RhCl5(H2O)を5×10-6mol/Lを含む水溶液370mlをpAg7.7に保ちながらコントロールドダブルジェット法で10分間かけて添加した。その後、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン0.3gを添加し、NaOHでpHを5に調整して平均粒子サイズ0.06μm、投影直径面積の変動係数8%、{100}面比率86%の立方体沃臭化銀からなるハロゲン化銀粒子を得た。この乳剤にゼラチン凝集剤を用いて凝集沈降させ脱塩処理後フェノキシエタノール0.1gを加え、pH5.9、pAg7.5に調整した。
(有機脂肪酸銀乳剤の調製)
水300ml中にベヘン酸10.6gを入れ90℃に加熱溶解し、十分攪拌した状態で1mol/Lの水酸化ナトリウム31.1mlを添加し、そのままの状態で1時間放置した。その後30℃に冷却し、1mol/Lのリン酸7.0mlを添加して十分攪拌した状態でN−ブロモこはく酸イミド0.01gを添加した。その後、あらかじめ調製したハロゲン化銀粒子をベヘン酸に対して銀量として10モル%となるように40℃に加温した状態で攪拌しながら添加した。更に1mol/L硝酸銀水溶液25mlを2分間かけて連続添加し、そのまま攪拌した状態で1時間放置した。
この乳剤に酢酸エチルに溶解したポリビニルブチラールを添加して十分攪拌した後に静置し、ベヘン酸銀粒子とハロゲン化銀粒子を含有する酢酸エチル相と水相に分離した。水相を除去した後、遠心分離にてベヘン酸銀粒子とハロゲン化銀粒子を採取した。その後、東ソー(株)社製合成ゼオライトA−3(球状)20gとイソプロピルアルコール22mlを添加し、1時間放置した後濾過した。更にポリビニルブチラール3.4gとイソプロピルアルコール23mlを添加し、35℃にて高速で十分攪拌して分散し、有機脂肪酸銀乳剤の調製を終了した。
(感光層組成)
有機脂肪酸銀乳剤 1.4g(銀で)/m2
ピリジニウムヒドロブロミドペルブロミド 1.5×10-4mol/m2
臭化カルシウム 1.8×10-4mol/m2
2−(4−クロロベンゾイル)安息香酸 1.5×10-3mol/m2
赤外増感色素1 4.2×10-6mol/m2
2−メルカプトベンズイミダゾール 3.2×10-3mol/m2
2−トリブロモメチルスルホニルキノリン 6.0×10-4mol/m2
4−メチルフタル酸 1.6×10-3mol/m2
テトラクロロフタル酸 7.9×10-4mol/m2
1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン 4.8×10-3mol/m2
染料B 3×10-5mol/m2
本発明の化合物及び比較化合物(表1に記載) 0.5×10-3mol/m2
Figure 2005208476
Figure 2005208476
(表面保護層組成)
表面保護層塗布液を下記のように調製した。
セルロースアセテートブチレート 4g/m2
フタラジン 3.2×10-3mol/m2
マット剤(粒径2μm) 50mg/m2
溶媒には、メチルエチルケトン、アセトン、メタノールを適宜用いた。
(露光)
製造した各熱現像写真感光材料に対して、ビーム径(ビーム強度の1/2のFWHM)12.56μm、レーザー出力50mW、出力波長783nmの半導体レーザーを搭載した単チャンネル円筒内面方式のレーザー露光装置を使用して、ミラー回転数60000rpm、露光時間1.2×10-8秒の条件下で露光を実施した。このときのオーバーラップ係数は0.449にし、熱現像写真感光材料面上のレーザーエネルギー密度は75μJ/cm2とした。
(熱現像処理)
熱現像処理は120℃、17.2秒で行なった。
(写真性能の評価)
熱現像写真感光材料を23℃、80%12時間調湿の試料と23℃、20%12時間調湿の試料を作製し、同一環境下で50μmの線幅露光を行なって熱現像処理を行なった。それぞれの処理後の線幅の差を測定することにより、湿度依存性を評価した。またそれぞれの環境下でのDmin(カブリ)とDmax(最高濃度)についても評価した。濃度測定はマクベスTD904濃度計で行なった。各熱現像写真感光材料の評価結果を表1に示す。
Figure 2005208476
表1から明らかなように、本発明の試料は比較に対して何れも優れた性能を示した。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする写真感光材料。
    Figure 2005208476
    (式中、R11はベンゼン環が縮合してもよいチエニル基又はフリル基を表し、R12は電子吸引性基またはシリル基を表し、R13およびR14はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
  2. 前記一般式(1)におけるR13およびR14のいずれか一方が水素原子であり、他方がヒドロキシル基であることを特徴とする請求項1に記載の写真感光材料。
  3. 下記一般式(2)で表される化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする写真感光材料。
    Figure 2005208476
    (式中、R21は1価の置換基を表し、R22は電子吸引性基を表し、R23およびR24のいずれか一方は水素原子を表し、他方は酸素アニオンまたは硫黄アニオンを表し、R25はアンモニウム、ホスホニウムまたはスルホニウムを表す。)
  4. 前記一般式(2)におけるR21がアリール基またはヘテロアリール基であることを特徴とする請求項3に記載の写真感光材料。
  5. 前記一般式(2)におけるR22がシアノ基であることを特徴とする請求項3または4に記載の写真感光材料。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の写真感光材料が有機銀塩、感光性ハロゲン化銀および還元剤を含有することを特徴とする熱現像写真感光材料。
  7. 請求項6に記載の熱現像写真感光材料に画像様に露光を与え、次いで80〜250℃で熱現像することを特徴とする熱現像写真感光材料の画像形成方法。
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