JPH07101897A - カルボン酸銀の製造方法及びこのカルボン酸銀を用いた乾式銀塩感光体 - Google Patents

カルボン酸銀の製造方法及びこのカルボン酸銀を用いた乾式銀塩感光体

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JPH07101897A
JPH07101897A JP24344693A JP24344693A JPH07101897A JP H07101897 A JPH07101897 A JP H07101897A JP 24344693 A JP24344693 A JP 24344693A JP 24344693 A JP24344693 A JP 24344693A JP H07101897 A JPH07101897 A JP H07101897A
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carboxylic acid
carboxylate
silver carboxylate
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JP24344693A
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Motokazu Kobayashi
本和 小林
Takehiko Oi
毅彦 大井
Takeshi Santo
剛 三東
Kazunori Ueno
和則 上野
Tetsuro Fukui
哲朗 福井
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Canon Inc
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インジウム化合物を共存させて製造した、現
像工程を熱処理方式により行なうことによって画像形成
する、露光部の濃度が高く、未露光部の濃度が低い、コ
ントラストの良好な乾式銀塩感光体に用いる、カルボン
酸銀の製造方法、並びに該カルボン酸銀を用いた乾式銀
塩感光体を提供する。 【構成】カルボン酸を溶解可能な、且つカルボン酸銀及
び硝酸銀を殆ど溶解しない溶媒中へ、カルボン酸を溶解
した溶液と硝酸銀水溶液及び/又は銀錯塩水溶液を混合
し、インジウム化合物を共存させて、カルボン酸と銀イ
オンを反応させ、カルボン酸銀を製造する方法、並び
に、支持体上に少なくとも該カルボン酸銀、還元剤、感
光性ハロゲン化銀及び/又は感光性ハロゲン化銀形成成
分及びバインダーからなる熱現像性要素を含有する目的
の乾式銀塩感光体が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、現像工程を熱処理方式
により行なうことによって画像形成する、乾式銀塩感光
体に用いるカルボン酸銀、及びこのカルボン酸銀を用い
た乾式銀塩感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】カルボン酸銀が乾式銀塩感光体に用いら
れることについては、例えば、特公昭43−4921
号、同43−4924号、米国特許第3589901
号、同第3589903号等に記載されている。これら
の乾式銀塩感光体は、例えば、ベヘン酸銀等のカルボン
酸銀、感光性ハロゲン化銀、又は上記カルボン酸銀と反
応して感光性ハロゲン化銀を生じる化合物、及び還元剤
とから本質的になるものである。
【0003】これらの乾式銀塩感光体は、画像状に露光
した後加熱すると、感光したハロゲン化銀の作用によ
り、カルボン酸銀と還元剤との反応が起こり、銀画像が
得られる。
【0004】この乾式銀塩感光体に好適なカルボン酸銀
塩の製造方法としては、水に不溶性の溶媒にカルボン酸
を溶かした液と、アルカリ可溶性の銀錯塩水溶液とを混
合して、微細なカルボン酸銀を製造する方法が知られて
いる。これについては米国特許第3458544号に記
載されている。
【0005】又、特開昭49−93310号には、カル
ボン酸を含むエマルジョンを製造した後、銀錯塩水溶液
と反応させるカルボン酸銀の製造方法が記載されてい
る。更に、同49−1511号には、鉛化合物を共存さ
せてカルボン酸と銀イオンを反応させるカルボン酸銀の
製造方法が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例で製造したカルボン酸銀を使用して乾式銀塩感光体
を作成すると、露光、現像によって画像は得られるが、
カブリが発生し易いという欠点があった。又、鉛化合物
は毒性が強く、取り扱い上非常に注意しなければならな
いという問題点もあった。尚、カブリとは、未露光部分
を加熱した際に生ずる濃度を意味する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記に鑑み、発明者らは
種々検討の結果、同様のカルボン酸銀の製造法におい
て、鉛化合物の代りに、より毒性が低いインジウム化合
物を共存させて製造した場合にも、同様に微粒子のカル
ボン酸銀が得られ、これを用いた乾式銀塩感光体はカブ
リ濃度が低く、画像濃度の高い、コントラストの良好な
画像が得られることを見い出した。
【0008】本発明は、カルボン酸を溶解することがで
き、且つカルボン酸銀及び硝酸銀を殆ど溶解しない溶媒
中へ、カルボン酸を溶解した溶液と硝酸銀水溶液及び/
又は銀錯塩水溶液を混合し、カルボン酸と銀イオンを反
応させてカルボン酸銀を製造する方法において、該カル
ボン酸と銀イオンを反応させる際に、インジウム化合物
を共存させることを特徴とするカルボン酸銀の製造方
法、並びに、支持体上に少なくともカルボン酸銀
(a)、還元剤(b)、感光性ハロゲン化銀及び/又は
感光性ハロゲン化銀形成成分(c)、及びバインダー
(d)からなる熱現像性要素を含有する乾式銀塩感光体
において、該カルボン酸銀(a)が予め前記の方法で製
造されたものであることを特徴とする乾式銀塩感光体を
開示するものである。
【0009】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明において用いられるインジウム化合物としては、硝酸
インジウムが適しているが、更に一例としてインジウム
トリメトキシド、インジウムトリエトキシド、インジウ
ムトリイソプロポキシド、臭化インジウム、塩化インジ
ウム、フッ化インジウム、水酸化インジウム、沃化イン
ジウム、窒化インジウム、酸化インジウム、リン化イン
ジウム、硫酸インジウム、硫化インジウム等を挙げるこ
とができる。更には、安息香酸インジウム、クエン酸イ
ンジウム等の有機インジウム化合物、トリス(トリエチ
ルアミン)ペンタクロロインジウム、トリス(トリプロ
ピルアミン)ペンタクロロインジウム等のインジウム錯
体も、他の例として挙げることができる。
【0010】これらのインジウム化合物は、硝酸銀の水
溶液中へ溶解、分散させるか又はカルボン酸を溶解させ
た液へ、インジウム化合物を含む溶液を混合させる。共
存させるインジウムの量は、カルボン酸1モルに対し
0.001〜0.8モル、好ましくは0.005〜0.
2モルである。
【0011】本発明に好適に用いられるカルボン酸とし
ては、その銀塩が、光に比較的安定なものが好ましい。
例えば、炭素数が10以上の長鎖脂肪族カルボン酸、具
体的にはカプリン酸、ラムリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等を挙げることがで
きるが、これらに限定されるものではなく、又、上記化
合物を複数組み合わせて用いてもよい。
【0012】カルボン酸を溶解することができ、且つカ
ルボン酸銀及び硝酸銀を殆ど溶解しないカルボン酸の溶
媒の例としては、常温で液体であるようなアルコール類
又はフェノール類のリン酸、フタル酸、カルボン酸、エ
ステル又は高級脂肪酸のグリセリンエステルがある。こ
の他、芳香族炭化水素も有用である。
【0013】具体的な化合物の例として、リン酸トリク
レシジル、リン酸トリブチル、リン酸モノオクチルジブ
チル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸
ジメチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチ
ル、酢酸イソプロピル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸
プロピル、セバシン酸ジオクチル、コハク酸ジエチル、
ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸アミル、
酒石酸ジエチル、酪酸メチル、酪酸エチル、ヒマシ油、
トルエン、キシレン等を挙げることができる。反応に用
いる銀イオンとしては、硝酸銀水溶液、銀アンモニア錯
塩水溶液が好ましいが、更には銀アミン錯塩(メチルア
ミンやエチルアミンの銀アンモニア錯塩等)も使用する
ことができる。銀錯塩水溶液のpHは5以上が好まし
い。
【0014】又微細なカルボン酸銀を製造するために
は、特開昭49−93310号記載の超音波による乳化
方法も有効である。本発明においては、超音波以外にも
ミキサー等による機械的な乳化方法も用いることができ
る。
【0015】カルボン酸を含む油相と水相の量的割合
は、容量比で1:1〜1:40が適しており、更には
1:1〜1:20の範囲が好ましい。反応温度は、溶液
濃度にもよるが、30〜60℃が好ましい。
【0016】30℃未満では、反応前にカルボン酸が析
出するので好ましくなく、又60℃を越えると溶媒が沸
騰したり、微細なカルボン酸銀が製造できなくなるので
好ましくない。カルボン酸を溶解した油相を乳化させる
ための水相としては、通常蒸留水が用いられるが、その
他に硝酸、酢酸等の水溶液も用いられる。
【0017】好ましい有機銀塩の製造法の一例を以下に
示す。 1)カルボン酸を上記の溶媒に溶解する。 2)水相の共存下乳化させる。 3)銀イオン溶液とインジウム化合物を2)で得られた
液と混合する。 4)カルボン酸銀の沈殿を採取する。 5)沈殿を洗浄、濾過、乾燥する。 以上のようにして得られたカルボン酸銀結晶を用いて得
られる乾式銀塩感光体について述べる。
【0018】本発明の乾式銀塩感光体は、前記のカルボ
ン酸銀(a)の他に還元剤(b)、感光性ハロゲン化銀
又は/及び感光性ハロゲン化銀形成成分(c)及びバイ
ンダー(d)を少なくとも含有しており、これらのもの
を支持体上に単一層に含有させることができる。又カル
ボン酸銀(a)及び還元剤(b)を別個の層にして多層
とするか、若しくは上記の単一層の上,又は下に更にカ
ルボン酸銀(a)、又は還元剤(b)を含有する層を設
けた多層とすることもできる。
【0019】本発明において、重合性化合物、及び光重
合開始剤を用いる場合、これらを単一層に含有させるこ
とができるが、上記組成物と重合性化合物、光重合開始
剤とを別個の層にして多層とすることもできる。この層
は積層された状態でも分離された状態でもよく、又、熱
拡散性色素をも含んだ単一層にしても良いし、重合性化
合物、光重合開始剤と同一層にした多層、或は又、更に
重合性化合物、及び光重合開始剤と分離した多層として
もよい。
【0020】本発明において用いられる支持体として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリカーボネート、酢酸セルロース等の合
成樹脂フィルム、合成紙、ポリエチレン等の合成樹脂フ
ィルムで被覆された紙、アート紙、写真用バライタ紙等
の紙類、又はアルミニウム等の金属板(箔)、通常の方
法により金属蒸着膜を有する合成樹脂フィルム又はガラ
ス板等を挙げることができる。
【0021】前記のカルボン酸銀(a)の使用量は、
0.3〜30g/m2 、特に0.7〜15g/m2 、更
には1.2〜8g/m2 が好ましい。
【0022】又、還元剤(b)としては、種々のものを
挙げることができる。一般的には、通常のハロゲン化銀
感光材料に用いられる現像薬、具体的にはハイドロキノ
ン、メチルハイドロキノン、クロロハイドロキノン、メ
チルヒドロキシナフタレン、N,N’−ジエチル−p−
フェニレンジアミン、アミノフェノール、アスコルビン
酸、1−フェニル−3−ピラゾリドン等を挙げることが
でき、又、これらの他に、2,2’−メチレンビス(6
−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール)、4,
4’−ブチリデンビス(6−ターシャリーブチル−3−
メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−ターシ
ャリーブチル−3−メチルフェノール)等、更には特開
昭46−6074号公報に記載のビスナフトール系還元
性化合物、或いはベルギー特許第802519号明細書
に記載の4−ベンゼンスルホンアミドフェノール系化合
物、或いは特開平2−210352号、同3−1355
64号に記載の化合物等を挙げることができる。
【0023】還元剤(b)の好ましい含有量は有機銀塩
1モルに対して0.05〜3モル、より好ましくは0.
2〜2モルである。
【0024】ハロゲン化銀(c)としては、例えば、塩
化銀、臭化銀、沃化銀、沃臭化銀、沃塩化銀、沃塩臭化
銀を挙げることができる。このハロゲン化銀は、特に微
細な粒子状のものが有効である。
【0025】これを調製する方法として被還元性有機銀
塩の一部を感光性ハロゲン化銀形成成分、例えば臭化ア
ンモニウム、臭化リチウム、塩化ナトリウム、N−ブロ
ムコハク酸イミド等によりハロゲン化し、微細なハロゲ
ン化銀を調製する方法等を挙げることができる。又、い
わゆる系外ハロゲン化銀を含有させる方法も用いること
ができる。
【0026】この系外ハロゲン化銀を含有する熱現像性
感光要素は、例えば、ベルギー特許第774436号公
報に記載されている。即ち、熱現像性感光要素とは別の
ところで、換言すると、有機銀塩、還元剤の存在しない
所で、感光性ハロゲン化銀を調製し、次いで調製後、そ
のハロゲン化銀を上記画像形成成分に添加して混合する
ことによって調製される。
【0027】ハロゲン化銀(又は、ハロゲン化銀形成成
分)の好ましい含有量は、被還元性有機銀塩1モル当り
0.001モル〜0.50モル、特に好ましくは0.0
1モル〜0.30モルの範囲である。
【0028】ハロゲン化銀の結晶形状は、(1,0,
0)面の正方晶形が好ましい。ハロゲン化銀粒子の一辺
は0.001〜1.0μmが好ましく、更には0.01
〜0.2μmが好ましく、特に0.03〜0.1μmが
好ましい。
【0029】本発明において用いられるバインダー
(d)は、単独若しくは組み合わせて層中に含有させる
ことができる。バインダーの適当な材料は疎水性或いは
親水性であることができ、又、透明若しくは半透明であ
ることができる。
【0030】具体的には、ポリビニルブチラール、セル
ロースアセテートブチレート、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、酢酸セ
ルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ゼ
ラチン、カナダ特許第774054号公報に記載のスル
ホベタイン繰返し単位を有するもの等を挙げることがで
きる。バインダー(d)の使用量は被還元性有機銀塩に
対し、重量比で10:1〜1:10の範囲が好ましい。
更には、4:1〜1:2の範囲がより好ましい。
【0031】本発明においては、画像の色調性、画像形
成後の安定性を改善するために有機酸を添加することが
好ましく、特に長鎖カルボン酸銀塩と同一か又は近傍の
カルボン酸を、単独或いは組み合わせて含有させるのが
好ましい。これらのカルボン酸の添加量は、被還元性カ
ルボン酸銀塩に対して25〜200モル%であり、特に
好ましくは30〜120モル%である。
【0032】本発明においては更に、色調剤を含有させ
ることができる。色調剤としては米国特許第30802
54号公報に記載のフタラジノン又はその誘導体、特開
昭46−6074号公報に記載の環式イミド類、同50
−32927号公報に記載のフタラジンジオン化合物等
を含む。
【0033】本発明においては又、公知の適当なカブリ
防止剤を併用することができる。カブリ防止剤として
は、特公昭55−42375号公報に記載の1,2,4
−トリアゾール化合物、特開昭57−30828号公報
に記載のテトラゾール化合物、同57−138630号
公報に記載の安息香酸類及び同57−147627号公
報に記載のスルホニルチオ基を有する化合物、同58−
107534号公報に記載の二塩基酸類を挙げることが
できる。特に、本発明に用いられるカブリ防止剤として
は、特開昭58−107534号公報に記載されている
二塩基酸類が好ましく、この二塩基酸は下記一般式
(I)に示されるものである。
【0034】
【化1】 (式中、R2 は炭素数4個以上の直鎖又は分枝のアルキ
レン基又はアルケニレン基を表わす。) 本発明においては更に、画像形成後の光等による非画像
部の着色を防止するための化合物を含有させることがで
きる。この着色防止剤としては、特開昭61−1296
42号公報に記載される化合物が好ましく、この化合物
は、下記の一般式(II)に示されるものである。
【0035】
【化2】 (式中、R3 は置換又は非置換のアルキル基、置換又は
非置換のアリール基、アルコキシ基又はアリールオキシ
基を、又、R4 は水素原子、置換又は非置換のアルキル
基、置換又は非置換のアリール基を表わす。X2 は塩素
原子、臭素原子又は沃素原子を表わす。) 本発明における感光体は、下記一般式(III )又は(I
V)で表わされる化合物を含有することができる。
【0036】
【化3】
【0037】
【化4】 (式中、R5 〜R14は水素原子、置換又は非置換のアル
キル基、置換又は非置換のアルコキシ基、カルボキシル
基、置換又は非置換のアリール基、スルホン酸塩、置換
又は非置換のアミノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アミ
ド基、アルケニル基又はアルキニル基を表わし、R5
6 、R6 とR7 、R7 とR8 は、それぞれ縮合環を形
成してもよい。X3 は−O−、−N(R15)−、又は−
S−を表わし、又、R15は水素、アルキル基又はアリー
ル基を表わす)。
【0038】具体的化合物としては例えば、2−メルカ
プトベンゾオキサゾール、2−メルカプト−6−メチル
ベンゾオキサゾール、2−メルカプト−5−スルホキシ
ベンゾオキサゾール、2−メルカプト−4−メチルベン
ゾオキサゾール、2−メルカプト−5−メトキシベンゾ
オキサゾール、2−メルカプト−5−クロロベンゾオキ
サゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メル
カプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−5−メチ
ルベンゾイミダゾール等があり、とりわけXが−O−と
なるオキサゾール系化合物が好ましい。
【0039】本発明においては、又、現像促進剤を含有
させることができる。好ましい現像促進剤としては、特
公昭64−8809号公報に記載の脂肪酸のアルカリ金
属塩化合物を挙げることができる。
【0040】更に、帯電防止剤として含フッ素系界面活
性剤、又は特開昭64−24245号公報に記載される
含フッ素系界面活性剤とノニオン界面活性剤とを併用し
て含有させることができる。
【0041】更に、増感色素(例えばシアニン色素、メ
ロシアニン色素等)、紫外線吸収剤、イラジェーション
防止染料、蛍光増白剤、フィルター染料(層)等を含有
させることができる。
【0042】又、これらに加え重合性化合物、光重合開
始剤を含有させてもよい。重合性化合物としては、一分
子中に反応性ビニル基の少なくとも1個を有する化合物
が利用できる。例えば、反応性ビニル基含有単量体、反
応性ビニル基含有オリゴマー及び反応性ビニル基含有ポ
リマーからなる群より選択した1種以上を用いることが
できる。
【0043】本発明においては、感光体に像露光すると
同時に、或いは像露光した後に加熱することにより、露
光部が現像される。第1工程の露光は、400〜900
nmの波長を含む光で行なうことができる。露光の光源
としては、LED、ガスレーザー、半導体レーザー、X
eランプ、Wランプ、太陽光、等が用いられる。
【0044】第2工程の加熱する工程は、像露光と同時
に、或いは像露光の後に実施してもよい。加熱について
は、感光体を80〜160℃の温度範囲で、1秒〜3分
間、好ましくは90〜140℃の温度範囲で、3〜90
秒間加熱する。加熱手段としては、ホットプレート、ヒ
ートロール、サーマルヘッド等を使用することができ
る。更に支持体に発熱素子を装着し、通電加熱してもよ
い。
【0045】以下実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0046】
【実施例】
実施例1 トルエン100mlにベヘン酸18.1gを70℃で溶
解した。これに70℃の蒸留水1100mlを加えホモ
ミキサー(特殊機化工業製)を用いて乳化させた。この
混合液を攪拌しながら40℃に降温した後、25%アン
モニア水3.56mlを加えた。更に硝酸銀8.10
g、硝酸インジウム0.35gを蒸留水80mlに溶解
した溶液を攪拌しながら加えた。40℃で15分間攪拌
後、25℃に降温し反応を終了した。白色の結晶を採取
しメタノールと水の混合溶媒で洗浄後、濾過した。この
操作を3回くり返した後、40℃のオーブンで1昼夜乾
燥させ白色のベヘン酸銀微結晶(20.0g)を得た。
【0047】実施例2 実施例1において、硝酸インジウムの代りにインジウム
トリメトキシド0.40gを用い同様に合成し、白色の
微結晶(19.5g)を得た。
【0048】実施例3 イソプロピルアルコール300mlにベヘン酸9.0g
を70℃で溶解した。40℃に降温後、攪拌しながら2
5%アンモニア水1.7mlを加えた。更に硝酸銀4.
0g、硝酸インジウム0.17gを蒸留水40mlに溶
解した溶液を攪拌しながら添加した。40℃で15分間
攪拌後、25℃に降温し、反応を終了した。白色の結晶
を採取し、メタノールと水の混合溶媒で洗浄後、濾過し
た。この操作を3回くり返した後、40℃のオーブンで
1昼夜乾燥させ、白色の微結晶(9.5g)を得た。
【0049】実施例4 実施例1において、ベヘン酸の代りに、ステアリン酸1
5.1gを用い同様に合成し、白色のステアリン酸銀の
微結晶17.0gを得た。
【0050】実施例5 下記処方により乾式銀塩感光体分散液を調製した。
【0051】 ポリビニルブチラール 4.0部(重量比) 実施例1で合成したベヘン酸銀 3.2部 ベヘン酸 1.6部 ホモフタル酸 0.6部 臭化銀 0.3部 アゼライン酸 0.2部 フタラジノン 0.4部 2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール) 2.4部 キシレン 25 部 n−ブタノール 25 部。
【0052】上記組成物のうち、臭化銀は臭化銀結晶の
面指数{100}の立方晶のものであって、その結晶の
1辺の平均長さは0.08μmであった。上記分散液
に、更に下記構造式(V)の色素0.03部をジメチル
ホルムアミド(DMF)5.0部に溶かして添加し分散
液を得た。
【0053】
【化5】 色素を添加した上記分散液を分取し、ポリエチレンテレ
フタレートフィルム上に乾燥膜厚10μmになるように
塗布して、熱現像性感光要素の層を形成した後、感光要
素の層の上にポリビニルアルコールの保護層を2μmの
厚さで設けた。
【0054】実施例6 実施例5において、使用したベヘン酸銀の代りに、実施
例2で調製したベヘン酸銀3.1部を用いた以外は、実
施例5と同様の方法で乾式銀塩感光体を作成した。
【0055】実施例7 実施例5において、使用したベヘン酸銀の代りに、実施
例3で調製したベヘン酸銀3.1部を用いた以外は、実
施例5と同様の方法で乾式銀塩感光体を作成した。
【0056】実施例8 実施例5において、使用したベヘン酸銀の代りに、実施
例4で調製したステアリン酸銀3.5部を用いた以外
は、実施例5と同様の方法で乾式銀塩感光体を作成し
た。
【0057】比較例1 実施例1において、硝酸インジウムを添加しないで、ベ
ヘン酸銀を調製した。更にこのベヘン酸銀を実施例5で
用いたベヘン酸銀の代りに用い、同様に感光体を作成し
た。
【0058】比較例2 実施例1において、硝酸インジウムの代りに、硝酸鉛
0.26gを用い同様にベヘン酸銀を調製した。更にこ
のベヘン酸銀を実施例5中で用いたベヘン酸銀の代りに
用い、同様に感光体を作成した。
【0059】実施例5〜8、並びに比較例1〜2で得ら
れた感光体の評価を、以下の方法で行った。680nm
の半導体レーザーが組込まれたポリゴンスキャン型露光
機(スポット径20μm×40μm、1.67×10-7
sec/dot、像画照度3.8mW)を用いて像露光
し、種々の温度に調節した熱現像機で10秒間加熱し、
露光部と未露光部の光学濃度を測定した。
【0060】結果を表1に示す。表中の分数は、左上の
数値が露光部の光学濃度を、又、右下の数値が未露光部
の光学濃度(カブリ濃度)を表わす。表1より明らかな
ように、比較例1〜2に比べ、実施例5〜8は120℃
の現像条件において、露光部の光学濃度が高く、カブリ
濃度が低く、十分なコントラストを有していることが判
る。
【0061】
【表1】
【0062】
【発明の効果】上記のように、インジウム化合物を共存
させて製造したカルボン酸銀を用いて作成した乾式銀塩
感光体は、露光部の濃度が高く、未露光部の濃度が低い
コントラストの良好なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 和則 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 福井 哲朗 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボン酸を溶解することができ、且つ
    カルボン酸銀及び硝酸銀を殆ど溶解しない溶媒中へ、カ
    ルボン酸を溶解した溶液と硝酸銀水溶液及び/又は銀錯
    塩水溶液を混合し、カルボン酸と銀イオンを反応させて
    カルボン酸銀を製造する方法において、該カルボン酸と
    銀イオンを反応させる際に、インジウム化合物を共存さ
    せてなることを特徴とする、カルボン酸銀の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記カルボン酸を溶解した溶液が、予め
    水相の存在下に乳化されたカルボン酸を含むエマルジョ
    ン溶液であることを特徴とする、請求項1記載のカルボ
    ン酸銀の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記カルボン酸を溶解した溶液と水相の
    割合(容積比)が、1:1乃至1:40であることを特
    徴とする、請求項2記載のカルボン酸銀の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記カルボン酸と銀イオンを反応させる
    際の反応温度が、30乃至60℃であることを特徴とす
    る、請求項1乃至3の何れかに記載のカルボン酸銀の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 支持体上に少なくとも、カルボン酸銀
    (a)、還元剤(b)、感光性ハロゲン化銀及び/又は
    感光性ハロゲン化銀形成成分(c)及びバインダー
    (d)からなる熱現像性要素を含有する乾式銀塩感光体
    において、該カルボン酸銀(a)が、予め請求項1乃至
    4の何れかに記載の方法で製造されたものであることを
    特徴とする乾式銀塩感光体。
JP24344693A 1993-09-30 1993-09-30 カルボン酸銀の製造方法及びこのカルボン酸銀を用いた乾式銀塩感光体 Pending JPH07101897A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009209387A (ja) * 2008-02-29 2009-09-17 Toyo Seikan Kaisha Ltd 金属超微粒子形成用脂肪酸金属塩
JP2010121145A (ja) * 2008-11-17 2010-06-03 Toyo Seikan Kaisha Ltd 金属超微粒子形成用脂肪酸金属塩
CN114875451A (zh) * 2022-06-08 2022-08-09 广东先导稀材股份有限公司 一种硫酸铟电解液及其制备方法

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