JPH07109A - ショ糖脂肪酸エステル混合物およびこれを含有する油脂組成物 - Google Patents
ショ糖脂肪酸エステル混合物およびこれを含有する油脂組成物Info
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- JPH07109A JPH07109A JP5172312A JP17231293A JPH07109A JP H07109 A JPH07109 A JP H07109A JP 5172312 A JP5172312 A JP 5172312A JP 17231293 A JP17231293 A JP 17231293A JP H07109 A JPH07109 A JP H07109A
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Abstract
はね抑制、衣の花咲性、加熱時の劣化臭の発生の抑制な
ど揚げ物用の油として好適な機能を付与し、しかも風味
の良い揚げ物が得られるショ糖エステル混合物及びこれ
を含有する油脂組成物を提供する。 【構成】 組成中の[SPE]の含有量が5〜30重量
%であって、かつ次の条件:2≦平均エステル化度≦
4.5、([SPE]+[STE])/[SDE]≦
2.3、[SME]/[SDE]≦0.1、[SPE]
/[SDE]≦0.8([SME]:ショ糖モノエステ
ル、[SDE]:ショ糖ジエステル、[STE]:ショ
糖トリエステル、[SPE]:ショ糖ポリエステル、平
均エステル化度:ショ糖エステルの脂肪酸エステル化度
の平均値)を満たすことを特徴とするショ糖エステル混
合物およびこれを含有する油脂組成物。
Description
ら)用の油に添加して有利に利用できるショ糖脂肪酸エ
ステル混合物およびこれを含有する油脂組成物に関す
る。
用いる揚げ物用の油脂としては、比較的淡泊で、油脂自
体に好ましい風味を有するなどの点から、例えば、コー
ン油、菜種油、大豆油、綿実油、米油、サフラワー油、
ひまわり油、ハイオレイックサフラワー油、ハイオレイ
ックひまわり油、ごま油、オリーブ油等の液状油脂が多
く用いられている。また最近では、ラード(脱臭したも
のや水素添加したものなど)、ショートニングなどの固
形油脂も使用されており、これらは、比較的熱に強く、
フライ用に有用である。
げ物を作る時の油はねが生じ易かったり、また天ぷらを
揚げた場合には、衣の花咲性(散り状態)が十分でない
などの問題がある。更に液体油の場合には、特に加熱に
よる油の劣化臭(嫌悪感のある臭気)が発生し易く、こ
れが上記の花咲性の不十分さによると思われる油っぽさ
と相俟って、揚げ物の風味が損なわれ易かった。
からケーキ等の菓子類の生地の調製用の乳化剤(起泡
剤)として(例えば、特開昭62−162133号公
報)、あるいはショートニングなどに用いられる油脂の
結晶成長抑制剤(例えば、特開昭62−205738号
公報)として良く知られている。また、特開昭47−3
4703号公報には、耐寒性を改良するために、液状の
植物油に蔗糖のジ(または)トリ不飽和脂肪酸エステル
を添加溶解することからなる液状食用油の製造法が開示
されている。
うなショ糖脂肪酸エステルを利用した油脂組成物の天ぷ
ら、フライ等の揚げ物用の油としての利用を検討した。
しかしながら、従来のショ糖脂肪酸エステルは、油脂へ
の溶解性や、加熱時の劣化臭、揚げ物を作る時の油はね
抑制、揚げ物を作る時の衣の花咲性などの揚げ物用の油
としての特性の点においてこれら全てが満足できるもの
がなく、更に揚げ物が油っぽかったり、嫌悪感のある油
臭を発生させるなど風味の点においても十分満足できる
とは言えなかった。本発明の目的は、揚げ物用の油(油
脂組成物)に好適な以下の機能の殆ど全てを付与するこ
とのできるショ糖脂肪酸エステル混合物及びこれを含む
油脂組成物を提供することである。 (1)揚げ物を作る時の衣の花咲性(散り状態)や食感
を向上させる。 (2)加熱時の劣化臭(嫌悪感のある臭い)の発生を抑
制する。 (3)揚げ物の風味を低下させない(油っぽさを低減
し、また嫌悪感のある油臭を発生させない)。 (4)揚げ作業時の油はねを抑制する。 (5)室温(20℃)において白濁したり、油不溶分を
生じない。
な特徴を有する、揚げ物用の油に添加して好適に利用で
きるショ糖脂肪酸エステル混合物を見い出すことを目的
として鋭意研究を重ねた。その結果、エステル置換度が
異った四種類以上のエステルのそれぞれの持つ特性、特
にジエステルやエステル置換度が4以上のポリエステル
の持つ特性を十分に生かした配合の混合物を調製するこ
とにより、上記目的とするショ糖脂肪酸エステル混合物
及びこれを含む油脂組成物が得られることを見出し、本
発明を完成させた。
の[SPE]含有量が5〜30重量%であって、かつ次
の条件: 2≦平均エステル化度≦4.5 ([SPE]+[STE])/[SDE]≦2.3 [SME]/[SDE]≦0.1 [SPE]/[SDE]≦0.8 を満たすことを特徴とするショ糖脂肪酸エステル混合物
にある。ここで、[SME]は、エステル置換度が1の
ショ糖脂肪酸エステルを表し、[SDE]は、エステル
置換度が2のショ糖脂肪酸エステルを表し、[STE]
は、エステル置換度が3のショ糖脂肪酸エステルを表
し、[SPE]は、エステル置換度が4〜8のショ糖脂
肪酸エステルの合計量を表す。なお、本明細書におい
て、「平均エステル化度」は、以下の式により規定され
る値を意味する。但し、エステル化度が、iのショ糖脂
肪酸エステル中における構成重量%をWi とする。
脂肪酸エステル混合物を組成物中に0.01〜5重量%
含有されてなる油脂組成物を提供することでもある。
る。 (1)5重量%≦[SPE]≦25重量% (2)([SPE]+[STE])/[SDE]≦2.
0 (3)2.0≦平均エステル化度≦3.5 (4)[SME]/[SDE]≦0.05 (5)[SPE]/[SDE]≦0.7 (6)25重量%≦[SDE]≦90重量% (7)上記ショ糖脂肪酸エステルの脂肪酸が、ステアリ
ン酸及び/又はパルミチン酸を主成分とする飽和脂肪酸
及びオレイン酸、リノール酸、及び/又はリノレン酸を
主成分とする不飽和脂肪酸を組み合わせたものである。 (8)上記ショ糖脂肪酸エステルの脂肪酸の50重量%
以上が不飽和脂肪酸である。 (9)上記ショ糖脂肪酸エステルの脂肪酸の70重量%
以上が不飽和脂肪酸である。 (10)上記ショ糖脂肪酸エステルの脂肪酸の90重量
%以上が不飽和脂肪酸である。
酸エステル(以下、ショ糖エステルという場合もある)
混合物は、[SME](エステル置換度が1のショ糖脂
肪酸エステル=ショ糖脂肪酸モノエステル)、[SD
E](エステル置換度が2のショ糖脂肪酸エステル=シ
ョ糖脂肪酸ジエステル)、[STE](エステル置換度
が3のショ糖脂肪酸エステル=ショ糖脂肪酸トリエステ
ル)および[SPE](エステル置換度が4〜8のショ
糖脂肪酸エステル=ショ糖脂肪酸ポリエステル)からな
る。そして、本発明のショ糖脂肪酸エステル混合物は、
上記のエステル組成が前記の関係を満たすように調製さ
れていることを特徴とする。以下、これらの関係を詳述
する。
(散り具合)に効果があり、また加熱時の劣化臭や揚げ
物の油っぽさの低減に寄与するなど揚げ物用に有利な性
質を有する。このため[SDE]は、多量に含まれてい
ることが好ましい。しかし、極端に多いと油溶性を低下
させる。このことから、[SDE]は、上記混合物中に
25重量%以上(好ましくは、40重量%以上)含まれ
ていることが好ましく、一方、[SDE]含有量は、9
0重量%以下であることが好ましい。低温での油溶性を
更に高めたい場合には、[SDE]の含有量は、70重
量%以下であることが更に好ましい。
てショ糖エステル混合物の製造を容易にさせ、またショ
糖エステル混合物の油溶性を向上させる。しかしこれを
多量に含有させると[SDE]や[STE]の衣を散ら
す作用(花咲性)を低下させる。このため、[SPE]
は、上記混合物中の含有量を、5重量%〜30重量%と
する。好ましくは、5重量%〜25重量%である。上記
の[SDE]、[SPE]あるいは[STE]の各性質
から、本発明においては、[SDE]、[SPE]及び
[STE]のエステル組成は、以下の関係を満足するよ
うに調整する。 [SPE]/[SDE]≦0.8(好ましくは、≦0.
7) ([SPE]+[STE])/[SDE]≦2.3(好
ましくは、≦2.0)
多くなると、風味や油溶性を低下させるため、少ないこ
とが好ましい。しかし、[SME]は、高い油はね抑制
効果を示し、[SDE]の含有量が、相対的に少ない場
合には、[SME]を増量することによって油はね抑制
効果を補うことができる。[SME]のこのような性質
から、本発明においては、[SDE]及び[SME]の
エステル組成は、以下の関係を満足するように調製す
る。 [SME]/[SDE]≦0.1(好ましくは、≦0.
05) 更に具体的には、[SME]は、ショ糖エステル中に、
0.1重量%以上、10重量%以下(更に好ましくは、
0.5重量%〜5重量%)であるように調整することが
好ましい。
値である。本発明者の検討によると、平均エステル化度
が低過ぎると油溶性及び風味が低下する傾向にあり、一
方その値が高過ぎると花咲性の効果や油はね抑制効果が
十分得にくくなることが判明した。従って、本発明にお
いて、各エステル組成は、その平均エステル化度が、2
〜4.5の範囲(好ましくは、2〜3.5の範囲)にあ
るように調整する。
については、特に制限はないが、飽和脂肪酸が多過ぎる
と油溶性が不十分となり易いので、不飽和脂肪酸が50
重量%以上あることが好ましい。不飽和脂肪酸のみで構
成したショ糖脂肪酸エステル混合物は、油はね抑制効果
が弱く、また加熱劣化し易くなる。本発明のショ糖脂肪
酸エステル混合物中には、飽和脂肪酸が、5重量%以
上、50重量%以下(好ましくは、10重量%以上、3
0重量%以下)含まれるように配合することが好まし
い。一方、液状油脂に添加する場合には、低温における
油溶性を向上させるために不飽和脂肪酸の構成率が、7
0重量%以上(更に好ましくは、90重量%以上)とす
ることが好ましい。
の構成脂肪酸は加熱時の劣化臭や嫌な臭いの発生の少な
い炭素数14以上のものであることが好ましく、特に、
飽和脂肪酸は、炭素数16のパルミチン酸、炭素数18
のステアリン酸またはこれらの混合物を主成分とするも
のであることが好ましく、また不飽和脂肪酸は、炭素数
18のオレイン酸、リノール酸、リノレン酸またはこれ
らの混合物を主成分とするものであることが好ましい。
既知の合成法を利用して得ることができる。一般に行わ
れる方法は、ショ糖と脂肪酸メチルとのエステル化反応
により生成する方法であるが、ショ糖と脂肪酸メチルの
相溶性溶媒(通常、DMF)を用い、炭酸カリウムを触
媒とし、減圧下加熱反応させる方法や、ショ糖と脂肪酸
メチルを水と多量の乳化剤(セッケン)とを用いて、加
熱し、ミクロエマルジョンとした後、これを減圧脱水
し、触媒として炭酸カリウムを加えて反応させる方法が
代表的である。また、炭酸カリウムを触媒として、ショ
糖と油脂を直接加熱反応させる方法も利用できる。得ら
れた反応生成物から過剰のショ糖や溶媒を除去後、クロ
ロホルム−メタノールを展開溶媒としたシリカゲルカラ
ムにかけて分画し、得られた各分画物を目的とする配合
に再配合することにより、本発明のショ糖脂肪酸エステ
ル混合物を調製することができる。また、市販品のショ
糖脂肪酸エステル混合物から上記の方法にて分画し、得
られた各分画物を本発明の配合に従い再配合することに
よっても得ることができる。更に、市販品のショ糖脂肪
酸エステルをヘキサンに溶解後、エタノールと水を添加
し、エタノールと水の量比を調節することにより、ヘキ
サン相にショ糖脂肪酸エステルのジエステル以上の成分
を濃縮することによって得られたものも利用することが
できる。
したショ糖脂肪酸エステル混合物を加熱調理用油脂に添
加、混合することによって調製することができる。そし
てショ糖脂肪酸エステル混合物は、油脂組成物中に0.
01〜5重量%含有されるように添加される。好ましく
は、0.1〜2重量%含有されるように添加される。油
脂組成物の調製に際しては、上記のようにショ糖エステ
ル混合物を油脂に添加することもできるし、あるいは各
条件で示されるショ糖エステル各々を油脂に添加するこ
ともできる。油脂は、従来から揚げ物用として使用され
ている油脂(液状油脂でも固形油脂でも良い)が利用で
きる。これらの例としては、前述した油脂(コーン油、
菜種油、大豆油、綿実油、米油、サフラワー油、ひまわ
り油、ハイオレイックサフラワー油、ハイオレイックひ
まわり油、ごま油、オリーブ油等の液状油脂及びラード
などの固形油脂)を挙げることができる。なお、より低
温での白濁または油不溶分の析出防止のためには、ジグ
リセリドが、油脂組成物中に5重量%以上(更に好まし
くは、10重量%以上)含まれていることが好ましい。
本発明の油脂組成物中の[SME]の含有量は、油臭、
風味における点から、0.05重量%以下であることが
好ましく、0.0005重量%以上、0.02重量%以
下であることが更に好ましい。
を更に具体的に説明する。 [実施例1] (ショ糖脂肪酸エステル混合物A〜D(本発明品)、並
びにAc 〜Dc (比較例)の調製) 上記ショ糖エステル混合物は、構成脂肪酸の比の異なる
脂肪酸メチルエステルを使用した以外は、下記に示すシ
ョ糖脂肪酸エステル混合物(E、F、Ec 及びFc )の
調製法と同様な方法を実施して得られたものを、必要に
応じて市販品のショ糖脂肪酸エステル混合物を用いて再
調合することにより得た。
(本発明品)、並びにEC 及びFC (比較品)の調製)
構成脂肪酸の比が、オレイン酸:ステアリン酸=90:
10である脂肪酸メチルエステル75gを三ツ口フラス
コ(容積1リットル)に取り、加熱攪拌しつつ100℃
にて、これにショ糖90gを加えた。この後、25〜5
0mmHgの減圧下、105〜120℃に加熱攪拌しな
がら30分間脱水し、炭酸カリウム2.6g、及び30
重量%カリウムメチラート/メタノール溶液を7g加え
た。その後、更に5〜10mmHgの減圧下、140〜
160℃で8時間反応させて、ショ糖脂肪酸エステル混
合物を得た。得られたショ糖脂肪酸エステル混合物をク
ロロホルム−メタノールを展開溶剤としたシリカゲルカ
ラムにて分画し、得られた各分画物を再調合することに
より、本発明品E及びF、並びに比較品EC およびFC
を得た。
テル(SE)混合物の特徴を下記の表1に示す。
価] (油脂組成物A−1及びA−2の調製)コーンサラダ油
(味の素(株)製)500gに、上記で得たショ糖脂肪
酸エステル混合物Aを0.2重量%、または1.0重量
%添加することにより、それぞれに対応する、本発明に
従うショ糖脂肪酸エステル混合物を含有する油脂組成物
A−1及びA−2を調製した。
製)上記油脂組成物A−1及びA−2の調製において、
ショ糖脂肪酸エステル混合物Aの代わりに、ショ糖脂肪
酸エステル混合物AC [比較品]を使用した以外は、上
記油脂組成物A−1及びA−2の調製と同様にしてそれ
ぞれに対応する、比較用のショ糖脂肪酸エステル混合物
を含有する油脂組成物AC −1及びAC −2を調製し
た。
油脂組成物A−1の調製において、ショ糖脂肪酸エステ
ル混合物Aの代わりに、ショ糖脂肪酸エステル混合物B
〜Gをそれぞれ使用した以外は、上記油脂組成物A−1
の調製と同様にしてそれぞれに対応する、本発明に従う
ショ糖脂肪酸エステル混合物B〜Gを含有する油脂組成
物B−1〜G−1を調製した。
上記油脂組成物AC −1の調製において、ショ糖脂肪酸
エステル混合物AC の代わりに、ショ糖脂肪酸エステル
混合物BC 〜FC をそれぞれ使用した以外は、上記油脂
組成物AC −1の調製と同様にして、比較用のショ糖脂
肪酸エステル混合物を含有する油脂組成物BC −1〜F
C −1を調製した。
脂肪酸エステル混合物の油脂への溶解性を下記の方法で
調べ、評価した。 (1)油脂への溶解性(油溶性) ショ糖脂肪酸エステル混合物の油溶性は、油脂組成物を
60℃で1時間加熱攪拌した後、油脂組成物中に不溶分
があるか否かを調べることにより行った。
ぷら)をした場合の油はね、加熱臭(劣化臭)、衣の花
咲性、揚げ物の風味(油っぽさ、加熱による嫌悪感のあ
る臭気あるいはこれらが混在した風味)を下記のような
試験を行うことにより調べ、評価した。 (試験方法)油脂組成物500gを鉄製の揚げ物用の鍋
(直径15cm、高さ8cm)に入れ、200℃まで加
熱した。円柱型(直径3cm、高さ1cm、重さ9g)
の豚肉5個に、予め調製した天ぷら用生地20g(0℃
で冷却しながら調製した卵1個、水120g、薄力粉1
00gからなる)を付着させて油脂組成物中に投じ、4
分後に取り出し、天ぷらを揚げた。
8cmの高さのところに地面に対して水平に置き、揚げ
物終了後にこの紙に付着している油はねの程度を、予め
用意した基準用紙(下記の基準の油を用い、油はねのあ
った部分を着色した後、これを複写機を用いて可視画像
とした五枚の紙(No.1〜5))と比較した。基準用
紙No.1は、コーンサラダ油(味の素(株)製)のみ
を用いて上記と同じ条件下(200℃)で試験して得た
油はねのパターンに相当する(評点1:極めて激しい油
はねを示す)。基準用紙No.5は、揚げる温度を14
0℃に変え、上記基準用紙No.1と同様にして作成し
た場合の油はねのパターンに相当する(評点5:油はね
は殆ど見られない。しかしこの温度では、揚げ物の調製
は不可能である)。基準用紙No.2〜4は、種々の界
面活性剤を様々な濃度でコーンサラダ油に添加し、上記
基準用紙No.1と同様にして作成した場合の油はねの
パターンに相当する用紙の中から、相当すると思われる
用紙を選んで、基準用紙No.2〜4とした。すなわ
ち、基準用紙No.3(評点3)は、基準用紙No.1
と基準用紙No.5との中間に相当する油はねのパター
ンと思われるものを選び、基準用紙No.2(評点2)
及び基準用紙No.4(評点4)は、それぞれ基準用紙
No.1と基準用紙No.3、基準用紙No.3と基準
用紙No.5のそれぞれの中間に相当する油はねのパタ
ーンと思われるものを選んだ。
(衣の散り状態を着色後、撮影した五枚の写真(No.
1〜5))と比較した。基準写真No.1は、コーンサ
ラダ油(味の素(株)製)のみを用いて揚げた場合の衣
の状態に相当し(評点1:花咲性がない)、基準写真N
o.5は、最も良好な花咲性を示す種々の界面活性剤を
様々な濃度でコーンサラダ油に添加して、実施した衣の
状態に相当する(評点5:花咲性は最も良いが、油溶
性、加熱臭、風味は考慮していない)。基準写真No.
2〜4(評点2、3及び4)は、上記油はねを評価する
場合の基準用紙No.2〜4を選定する方法と同様な方
法で作成し、選定した。
で調理している間の油臭を評価した。また、揚げ種から
の臭いが出ないように濾紙を使用し、これを長方形(2
×5cm)に切ったものに衣(水:小麦粉:卵=15
0:100:50(重量比))を付けて、一回に5枚ず
つ40枚を揚げながら評価した。コーンサラダ油を使用
して発生した劣化臭または異臭を1、劣化臭または異臭
のない場合を5として評価し、その平均値を評点とし
た。
げた天ぷらと、コーンサラダ油のみで揚げた天ぷらとを
ブラインドペアテストで行い、コーンサラダ油で揚げた
天ぷらより油っぽくなく、加熱による嫌悪感のある臭
気、あるいはこれらが混在した風味の発生がなく、おい
しいと答えたパネラーの評点を5、コーンサラダ油で揚
げた方がおいしいと答えたパネラーの評価を1、どちら
とも言えないとした場合を3とする5段階評価を行い、
5人のパネラーの評点の平均値をその天ぷらの風味の評
点とした。
を放置した後、水分を800ppmまで上昇させ、容器
を密閉し、これを5℃の状態に一週間保存し、保存後の
各油脂組成物の状態を以下の基準で評価した。 5:透明でまったく霞がかかっていないもの、 4:透明であるが、少し霞がかかっているもの、 3:全体に霞がかかっているもの、 2:かなり霞がかかり、白く濁っているもの、 0:一部結晶が析出してくるもの 以上の結果を表2に示す。
エステル混合物(A〜G)を食用油脂に添加することに
よって、揚げ物用の油として必要とされるほとんどの性
能が向上することがわかる。
は、油脂への溶解性、加熱時の油臭(劣化臭)、揚げ物
作業時の油はね抑制、そして揚げ物作業時の衣の花咲性
(散り状態)などの揚げ物用の油に添加して利用するの
に極めて良好な特性が付与されている。従ってこれを含
む本発明の油脂組成物の保存性も向上する。更に揚げ物
の油っぽさが低減され、嫌悪感のある油臭の発生が抑え
られるなど、風味の良好な揚げ物ができる。
る。 (1)5重量%≦[SPE]≦25重量% (2)([SPE]+[STE])/[SDE]≦2.
0 (3)2・0≦平均エステル化度≦3.5 (4)[SME]/[SDE]≦0.05 (5)[SPE]/[SDE]≦0.7 (6)25重量%≦[SDE]≦90重量% (7)上記ショ糖脂肪酸エステルの脂肪酸が、ステアリ
ン酸及び/又はパルミチン酸を主成分とする飽和脂肪酸
及びオレイン酸、リノール酸、及び/又はリノレン酸を
主成分とする不飽和脂肪酸を組み合わせたものである。 (8)上記ショ糖脂肪酸エステルの脂肪酸の50重量%
を越える量が不飽和脂肪酸である。 (9)上記ショ糖脂肪酸エステルの脂肪酸の70重量%
以上が不飽和脂肪酸である。 (10)上記ショ糖脂肪酸エステルの脂肪酸の90重量
%以上が不飽和脂肪酸である。
を放置した後、水分を800ppmまで上昇させ、容器
を密閉し、これを5℃の状態に一週間保存し、保存後の
各油脂組成物の状態を以下の基準で評価した。 5:透明でまったく霞がかかっていないもの、 4:透明であるが、少し霞がかかっているもの、 3:全体に霞がかかっているもの、 2:かなり霞がかかり、白く濁っているもの、1 :一部結晶が析出してくるもの、 以上の結果を表2に示す。
Claims (2)
- 【請求項1】 ショ糖脂肪酸エステル混合物中の[SP
E]含有量が5〜30重量%であって、かつ次の条件: 2≦平均エステル化度≦4.5 ([SPE]+[STE])/[SDE]≦2.3 [SME]/[SDE]≦0.1 [SPE]/[SDE]≦0.8 (ここで、[SME]はエステル置換度が1のショ糖脂
肪酸エステルを表し、[SDE]はエステル置換度が2
のショ糖脂肪酸エステルを表し、[STE]はエステル
置換度が3のショ糖脂肪酸エステルを表し、[SPE]
はエステル置換度が4以上のショ糖脂肪酸エステルの合
計量を表し、平均エステル化度は、ショ糖脂肪酸エステ
ルの脂肪酸エステル化度の平均値を表す。)を満たすこ
とを特徴とするショ糖脂肪酸エステル混合物。 - 【請求項2】 上記請求項1のショ糖脂肪酸エステル混
合物が、組成物中に0.01〜5重量%含有されてなる
油脂組成物。
Priority Applications (2)
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---|---|---|---|
JP17231293A JP3781440B2 (ja) | 1993-06-17 | 1993-06-17 | ショ糖脂肪酸エステル混合物およびこれを含有する油脂組成物 |
TW82107069A TW283627B (ja) | 1993-06-17 | 1993-08-31 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|
JPH07109A true JPH07109A (ja) | 1995-01-06 |
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JP17231293A Expired - Lifetime JP3781440B2 (ja) | 1993-06-17 | 1993-06-17 | ショ糖脂肪酸エステル混合物およびこれを含有する油脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3781440B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010106044A (ja) * | 2010-02-04 | 2010-05-13 | Mitsubishi Chemicals Corp | 乳化組成物 |
KR20110056279A (ko) | 2008-09-12 | 2011-05-26 | 카오카부시키가이샤 | 유지 조성물 |
-
1993
- 1993-06-17 JP JP17231293A patent/JP3781440B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
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KR20110056279A (ko) | 2008-09-12 | 2011-05-26 | 카오카부시키가이샤 | 유지 조성물 |
JP2010106044A (ja) * | 2010-02-04 | 2010-05-13 | Mitsubishi Chemicals Corp | 乳化組成物 |
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JP3781440B2 (ja) | 2006-05-31 |
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