JP2779465B2 - ショ糖脂肪酸エステル混合物 - Google Patents
ショ糖脂肪酸エステル混合物Info
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Description
ら)用の油(油脂組成物)に有利に利用できるショ糖脂
肪酸エステル混合物に関する。
用いる揚げ物用の油脂としては、比較的淡泊で、油脂自
体に好ましい風味を有するなどの点から、例えば、コー
ン油、菜種油、大豆油、綿実油、米油、サフラワー油、
ひまわり油、ハイオレイックサフラワー油、ハイオレイ
ックひまわり油、ごま油、オリーブ油等の液状油脂が多
く用いられている。また最近では、ラード(脱臭したも
のや水素添加したものなど)、ショートニングなどの固
形油脂も使用されており、これらは、比較的熱に強く、
フライ用に有用である。
げ物時の油はねが生じ易すかったり、また天ぷらを揚げ
た場合には、衣の花咲性(散り状態)が十分でないなど
の問題がある。更に液体油の場合には、特に加熱による
油の劣化臭(嫌悪感のある臭気)が発生し易く、これが
上記の花咲性の不十分さによると思われる油っぽさと相
俟って、揚げ物の風味が損なわれ易かった。
からケーキ等の菓子類の生地の調製用の乳化剤(起泡
剤)として(例えば、特開昭62−162133号公
報)、あるいはショートニングなどに用いられる油脂の
結晶成長抑制剤(例えば、特開昭62−205738号
公報)として良く知られている。また、特開昭47−3
4703号公報には、耐寒性を改良するために、液状の
植物油に蔗糖のジ(または)トリ不飽和脂肪酸エステル
を添加溶解することからなる液状食用油の製造法が開示
されている。本発明者は、上記のようなショ糖脂肪酸エ
ステルを利用した油脂組成物の天ぷら、フライ等の揚げ
物用の油としての利用を検討した。しかしながら、従来
のショ糖脂肪酸エステルは、油脂への溶解性や、加熱時
の劣化臭、揚げ物時の油はね抑制、揚げ物時の衣の花咲
性などの揚げ物用の油としての特性の点においてこれら
全てが満足できるものがなく、更に揚げ物が油っぽかっ
たり、嫌悪感のある油臭を発生させるなど風味の点にお
いても好ましいものではなかった。
物用の油(油脂組成物)に好適な、以下の機能の殆ど全
てを備えたショ糖脂肪酸エステル混合物を提供すること
である。 (1)60℃において白濁したり、油不溶分が生じな
い。 (2)揚げ物時の油はねを抑制する。 (3)揚げ物時の衣の花咲性(散り状態)を向上させ
る。 (4)加熱時の劣化臭(嫌悪感のある臭い)の発生を抑
制する。 (5)揚げ物の風味を低下させない(油っぽさを低減
し、また嫌悪感のある油臭を発生させない)。
な特徴を有する、揚げ物用の油に好適に利用できるショ
糖脂肪酸エステル混合物の発現を目指して鋭意研究を重
ねた。その結果、エステル置換度が異った[SME]、
[SDE]および[SPE]のそれぞれのエステルの持
つ特性、特に[SDE]の持つ特性を十分に生かした配
合の混合物を調製することにより、上記目的とする油脂
組成物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
ここで、[SDE]は、エステル置換度が2のショ糖脂
肪酸エステルを表し、[SPE]は、エステル置換度が
3以上のショ糖脂肪酸エステルの合計量を表し、[SM
E]は、エステル置換度が1のショ糖脂肪酸エステルを
表す。そしてショ糖脂肪酸エステル混合物の構成脂肪酸
として、飽和脂肪酸が5重量%以上、50重量%以下含
まれている。
5重量%以上、50重量%以下で、ショ糖脂肪酸エステ
ル混合物中の[SDE]含有量が、33重量%以上、9
5重量%以下であって、かつ次の基準: [SPE]/[SDE]≦2.0 [SME]/[SDE]≦0.1 を満たすことを特徴とする加熱調理用油脂に添加するた
めのショ糖脂肪酸エステル混合物にある。
る。 (1)[SPE]/[SDE]≦1.0 (2)[SME]/[SDE]≦0.05 (3)ショ糖脂肪酸エステル混合物の構成脂肪酸とし
て、飽和脂肪酸が10重量%以上、30重量%以下含ま
れている。 (4)上記飽和脂肪酸が、ステアリン酸、パルミチン酸
またはこれらの混合物である。 (5)上記ショ糖脂肪酸エステル混合物が、油脂組成物
に0.1〜2重量%含有されている。 (6)上記不飽和脂肪酸が、オレイン酸、リノール酸、
リノレン酸またはこれらの混合物である。 (7)[SME]が、油脂組成物中に0.05重量%以
下含まれている。
[SME](エステル置換度が1のショ糖脂肪酸エステ
ル=ショ糖脂肪酸モノエステル)、[SDE](エステ
ル置換度が2のショ糖脂肪酸エステル=ショ糖脂肪酸ジ
エステル)および[SPE](エステル置換度が3以上
のショ糖脂肪酸エステル=ショ糖脂肪酸ポリエステル)
からなる。[SDE]は、上記混合物中に33重量%以
上、95重量%以下含まれている。[SDE]の含有量
が、33重量%未満であると、油はね抑制効果や衣の花
咲性(散り具合)効果が十分でなく、また加熱時の劣化
臭や揚げ物の油っぽさも十分低減されず、嫌悪感のある
臭い、風味が生じ易くなり、[SDE]の有する性質を
十分享受できない。[SDE]は、上記混合物中に50
重量%以上含まれていることが好ましい。一方、[SD
E]の含有量が、95重量%を越えると、油溶性が悪化
する。このため、[SDE]の含有量は、95重量%以
下に抑える。低温での油溶性を更に高めたい場合には、
[SDE]の含有量は、90重量%以下であることが好
ましい。
[SPE]と[SDE]との関係は、下記の式(1)で
示される。 [SPE]/[SDE]≦2.0・・・(1) すなわち、[SPE]は、ショ糖脂肪酸エステル混合物
の油溶性を高める働きをするが、これが多量に存在する
と、[SDE]の油はね抑制効果を阻害する。阻害効果
は、[SPE]の含量が、ショ糖脂肪酸エステル混合物
中の[SDE]の含量の2倍以上で顕著になる。このた
め、[SPE]の含量は、[SDE]の含量の2倍未満
に抑える。[SPE]の含量は、[SDE]の含量の1
倍以下に抑えることが好ましい。
[SME]と[SDE]との関係は、下記の式(2)で
示される。 [SME]/[SDE]≦0.1・・・(2) すなわち、[SME]は、風味や油溶性を低下させる。
このため、[SME]の含有量は少ないことが好まし
い。しかし、一方で、[SME]は、高い油はね抑制効
果を示すために、[SDE]の含量が少ない場合には、
その油はね抑制効果の不十分さを補うことが可能であ
る。これらの[SME]の性質と[SDE]の含量とを
勘案すると、[SME]の含量は、[SDE]の含量の
0.1倍以下、0.005倍以上である。風味の改良を
更に望む場合には、[SME]の含量は、[SDE]の
含量の0.05倍以下であることが好ましい。具体的に
は、[SME]の含量は、本発明のショ糖脂肪酸エステ
ル混合物中に、0.1重量%以上、10重量%以下(更
に好ましくは、0.5重量%以上、5重量%以下であ
る)含有されていることが好ましい。
については、不飽和脂肪酸のみで構成したショ糖脂肪酸
エステル混合物が、飽和脂肪酸のみで構成したショ糖脂
肪酸エステル混合物に比べ油はね抑制効果が弱く、また
加熱劣化し易くなり、一方、飽和脂肪酸が多くなると油
溶性が低下することから、本発明のショ糖脂肪酸エステ
ル混合物中には、飽和脂肪酸が、5重量%以上、50重
量%以下(好ましくは、10重量%以上、30重量%以
下)含まれるように配合する。一方、残りは、不飽和脂
肪酸であるが、液状油脂に添加する場合には、低温にお
ける油溶性を向上させるために不飽和脂肪酸の構成率
が、70重量%以上であることが好ましい。上記飽和脂
肪酸は、ステアリン酸、パルミチン酸またはこれらの混
合物であることが好ましく、また不飽和脂肪酸は、オレ
イン酸、リノール酸、リノレン酸またはこれらの混合物
であることが好ましい。
上記のようなエステル組成からなり、これを図示する
と、添付の図1のようになる。図1に示されるように、
本発明のショ糖脂肪酸エステル混合物は、[SDE]、
[SME]及び[SPE]を三辺とする正三角形の右側
上部斜面([SDE]−[SPE])に沿った領域(斜
線部分)に存在する。
既知の合成法を利用して調製することができる。一般に
行われる方法は、ショ糖と脂肪酸メチルとのエステル化
反応により生成する方法であるが、ショ糖と脂肪酸メチ
ルの相溶性溶媒(通常、DMF)を用い、炭酸カリウム
を触媒とし、減圧下加熱反応させる方法や、ショ糖と脂
肪酸メチルを水と多量の乳化剤(セッケン)とを用い
て、加熱し、ミクロエマルジョンとした後、これを減圧
脱水し、触媒として炭酸カリウムを加えて反応させる方
法が代表的である。また、炭酸カリウムを触媒として、
ショ糖と油脂を直接加熱反応させる方法も利用できる。
得られた反応生成物から過剰のショ糖や溶媒を除去後、
クロロホルム−メタノールを展開溶媒としたシリカゲル
カラムにかけて分画し、得られた各分画物を目的とする
配合に再配合することにより、本発明のショ糖脂肪酸エ
ステル混合物を調製することができる。なお、市販品の
ショ糖脂肪酸エステル混合物から上記の方法にて分画
し、得れらた各分画物を本発明の配合に従い再配合する
ことによっても得ることができる。
その特徴ある利用分野としての加熱調理用として有利に
利用できる。利用する場合には、本発明のショ糖脂肪酸
エステル混合物を適量油脂に添加、混合し、油脂組成物
として利用することが好ましい。油脂は、従来から揚げ
物用として使用されている油脂(液状油脂でも固形油脂
でも良い)が利用できる。これらの例としては、前述し
た油脂(コーン油、菜種油、大豆油、綿実油、米油、サ
フラワー油、ひまわり油、ハイオレイックサフラワー
油、ハイオレイックひまわり油、ごま油、オリーブ油等
の液状油脂及びラード、ショートニングなどの固形油
脂)を挙げることができる。また、より低温での白濁ま
たは油不溶分の析出防止のためには、ジグリセリドが、
油脂組成物中に5重量%以上(更に好ましくは、10重
量%以上)含まれていることが好ましい。本発明のショ
糖脂肪酸エステル混合物は、油脂組成物中に0.01〜
5重量%(好ましくは、0.1〜2重量%)含有されて
いる場合に特に、揚げ物用の油として有利に利用でき
る。なお、このように調製した油脂組成物中の[SM
E]の含量は、油臭、風味における点から、0.05重
量%以下であることが好ましく、0.0005重量%以
上、0.005重量%以下であることが更に好ましい。
を更に具体的に説明する。
びにAc 〜Dc 、び及びGc (比較例)の調製) 上記ショ糖エステル混合物は、構成脂肪酸の比の異なる
脂肪酸メチルエステルを使用した以外は、下記に示すシ
ョ糖脂肪酸エステル混合物(E、F、Ec 、及びFc )
の調製法と同様な方法を実施して得られたものを、必要
に応じて市販品のショ糖脂肪酸エステル混合物を用いて
再調合することにより得た。
(本発明品)、並びにEC 及びFC (比較品)の調製) 構成脂肪酸の比が、オレイン酸:ステアリン酸=90:
10である脂肪酸メチルエステル75gを三ツ口フラス
コ(容積1リットル)に取り、加熱攪拌しつつ100℃
にて、これにショ糖90gを加えた。この後、25〜5
0mmHgの減圧下、105〜120℃に加熱攪拌しな
がら30分間脱水し、炭酸カリウム2.6g、及び30
重量%カリウムメチラート/メタノール溶液を7g加え
た。その後、更に5〜10mmHgの減圧下、140〜
160℃で8時間反応させて、ショ糖脂肪酸エステル混
合物を得た。得られたショ糖脂肪酸エステル混合物をク
ロロホルム−メタノールを展開溶剤としたシリカゲルカ
ラムにて分画し、得られた各分画物を再調合することに
より、本発明品E及びF、並びに比較品EC 及びFC を
得た。
テル(SE)混合物中のエステル組成等を下記の表1に
示す。なお、表1の「脂肪酸組成」の欄の「ス」、
「パ」、「オ」及び「リ」は、それぞれステアリン酸
(飽和)、パルミチン酸(飽和)、オレイン酸(不飽
和)、及びリノール酸(不飽和)を表す。
価] (油脂組成物A−1及びA−2の調製)コーンサラダ油
(味の素(株)製)500gに、上記で得たショ糖脂肪
酸エステル混合物Aを0.2重量%、または1.0重量
%添加することにより、それぞれに対応する、本発明に
従うショ糖脂肪酸エステル混合物を含有する油脂組成物
A−1及びA−2を調製した。 (油脂組成物B−1及びB−2の調製)上記油脂組成物
A−1及びA−2の調製において、ショ糖脂肪酸エステ
ル混合物Aの代わりに、ショ糖脂肪酸エステル混合物B
を使用した以外は、上記油脂組成物A−1及びA−2の
調製と同様にしてそれぞれに対応する、本発明に従うシ
ョ糖脂肪酸エステル混合物を含有する油脂組成物B−1
及びB−2を調製した。 (油脂組成物D−1の調製)上記油脂組成物A−1の調
製において、ショ糖脂肪酸エステル混合物Aの代わり
に、ショ糖脂肪酸エステル混合物Dを使用した以外は、
上記油脂組成物A−1の調製と同様にして、本発明に従
うショ糖脂肪酸エステル混合物を含有する油脂組成物D
−1を調製した。
にBC −1及びBC −2の調製)上記油脂組成物A−1
及びA−2の調製において、ショ糖脂肪酸エステル混合
物Aの代わりに、ショ糖脂肪酸エステル混合物AC また
はBC [比較品]を使用した以外は、上記油脂組成物A
−1及びA−2の調製と同様にしてそれぞれに対応す
る、比較用のショ糖脂肪酸エステル混合物を含有する油
脂組成物AC −1及びAC −2、並びにBC −1及びB
C −2を調製した。 (油脂組成物GC −1の調製)上記油脂組成物A−1の
調製において、ショ糖脂肪酸エステル混合物Aの代わり
に、ショ糖脂肪酸エステル混合物GC を使用した以外
は、上記油脂組成物A−1の調製と同様にして、比較用
のショ糖脂肪酸エステル混合物を含有する油脂組成物の
GC −1を調製した。
脂肪酸エステル混合物の油脂への溶解性を下記の方法で
調べ、評価した。 (1)油脂への溶解性(油溶性) ショ糖脂肪酸エステル混合物の油溶性は、油脂組成物を
60℃で1時間加熱攪拌した後、油脂組成物中に不溶分
があるかどうかを調べることにより行った。
ぷら)をした場合の油はね、加熱臭(劣化臭)、衣の花
咲性、揚げ物の風味(油っぽさ、加熱による嫌悪感のあ
る臭気、あるいはこれらが混在した風味)を下記のよう
な試験を行うことにより調べ、評価した。 (試験方法)油脂組成物500gを鉄製の揚げ物用鍋
(直径15cm、高さ8cm)に入れ、200℃まで加
熱した。円柱型(直径3cm、高さ1cm、重さ9g)
の豚肉5個に、予め調製した天ぷら用生地20g(0℃
で冷却しながら調製した卵1個、水120g、薄力粉1
00gからなる)を付着させて油脂組成物中に投じ、4
分後に取り出し、天ぷらを揚げた。
8cmの高さのところに地面に対して水平に置き、揚げ
物終了後にこの紙に付着している油はねの程度を、予め
用意した基準用紙(油はねのあった部分を着色した後、
複写した五枚の紙(No.1〜5))と比較した。基準
用紙No.1は、コーンサラダ油(味の素(株)製)の
みを用いて上記と同様な条件下で試験して得た油はねの
パターンに相当する(評点1:極めて激しい油はねを示
す)。基準用紙No.5は、揚げる温度を140℃に変
え、上記基準用紙No.1と同様にして作成した場合の
油はねのパターンに相当する(評点5:油はねは殆ど見
られない。しかしこの温度では、揚げが不可能であ
る)。基準用紙No.2〜4は、種々の活性剤を様々な
濃度でコーンサラダ油に添加し、上記基準用紙No.1
と同様にして作成した場合の油はねのパターンに相当す
る用紙の中から、相当すると思われる用紙を選んで、基
準用紙No.2〜4とした。従って、基準用紙No.3
(評点3)は、基準用紙No.1と基準用紙No.5と
の中間に相当する油はねのパターンと思われるものを選
び、基準用紙No.2(評点2)及び基準用紙No.4
(評点4)は、それぞれ基準用紙No.1と基準用紙N
o.3、基準用紙No.3と基準用紙No.5のそれぞ
れの中間に相当する油はねのパターンと思われるものを
選んだ。 (3)衣の花咲性の評価 衣の花咲性評価は、揚げた天ぷらの衣の状態を基準写真
(衣の散り状態を着色後、撮影した五枚の写真(No.
1〜5))と比較した。基準写真No.1は、コーンサ
ラダ油(味の素(株)製)のみを用いて揚げた場合の衣
の状態に相当し(評点1:花咲性がない)、基準写真N
o.5は、種々の活性剤を様々な濃度でコーンサラダ油
に添加し、上記基準写真No.1と同様にして作成した
場合の衣の状態に相当する(評点5:花咲性は最も良い
が、油溶性、加熱臭、風味は考慮していない)。基準写
真No.2〜4(評点2、3及び4)は、上記油はねを
評価する場合の基準用紙No.2〜4を選定する方法と
同様な方法で、選定し、作成した。 (4)加熱時の劣化臭の評価 味覚、嗅覚の鋭敏な専門評価パネラー5人により、20
0℃で揚げている間の油臭を評価した。コーンサラダ油
を使用して発生した劣化臭または異臭を1、劣化臭また
は異臭が全くない場合を5として5段階評価し、その平
均値を評点とした。 (5)揚げ物の風味の評価 揚げ物の風味の評価は、上記の油脂組成物を使用して揚
げた天ぷらと、コーンサラダ油のみで揚げた天ぷらとを
ブラインドペアテストで行い、コーンサラダ油で揚げた
天ぷらより油っぽくなく、加熱による嫌悪感のある臭
気、あるいはこれらが混在した風味の発生がなく、おい
しいと答えたパネラーの評点を5、コーンサラダ油で揚
げた方がおいしいと答えたパネラーの評価を1、どちら
とも言えないとした場合を3とする5段階評価を行い、
5人のパネラーの評点の平均値をその天ぷらの風味の評
点とした。以上の結果を表2に示す。なお、表2には、
コーンサラダ油のみを使用した場合のデータも比較品と
して併記した。
−2及びD−3の調製)前記実施例1の油脂組成物A−
1及びA−2の調製において、ショ糖脂肪酸エステル混
合物Aを0.2重量%、または1.0重量%添加する代
わりに、実施例1において調製したショ糖脂肪酸エステ
ル混合物CまたはDを0.1重量%、または0.5重量
%添加した以外は、上記油脂組成物A−1及びA−2の
調製と同様にしてそれぞれに対応する、本発明に従うシ
ョ糖脂肪酸エステル混合物を含有する油脂組成物C−1
及びC−2、並びにD−2及びD−3を調製した。
にDC −1及びDC −2の調製)上記油脂組成物C−1
及びC−2、並びにD−2及びD−3の調製において、
ショ糖脂肪酸エステル混合物CまたはDの代わりに、実
施例1において調製したショ糖脂肪酸エステル混合物C
C またはDC [比較品]を使用した以外は、上記油脂組
成物C−1及びC−2、並びにD−2及びD−3の調製
と同様にしてそれぞれに対応する、比較用のショ糖脂肪
酸エステル混合物を含有する油脂組成物CC −1及びC
C −2、並びにDC −1及びDC −2を調製した。
施例1で行った方法と同様な方法を実施し、評価した。
結果を以下の表3に示す。なお、表3には、コーンサラ
ダ油のみを使用した場合のデータも比較品として併記し
た。
記実施例1の油脂組成物A−1の調製において、ショ糖
脂肪酸エステル混合物Aを0.1重量%使用した代わり
に、ショ糖脂肪酸エステル混合物EまたはFを0.05
重量%使用した以外は、上記油脂組成物A−1の調製と
同様にしてそれぞれに対応する、本発明に従うショ糖脂
肪酸エステル混合物を含有する油脂組成物E−1及びF
−1を調製した。
製)上記油脂組成物E−1及びF−1の調製において、
ショ糖脂肪酸エステル混合物EまたはFの代わりに、実
施例1で調製したショ糖脂肪酸エステル混合物ECまた
はFC [比較品]を使用した以外は、上記油脂組成物E
−1及びF−1の調製と同様にして、それぞれに対応す
る、比較用のショ糖脂肪酸エステル混合物を含有する油
脂組成物EC −1及びFC −1を調製した。
施例1で行った方法と同様な方法を実施し、評価した。
結果を以下の表4に示す。なお、表4には、コーンサラ
ダ油のみを使用した場合のデータも比較品として併記し
た。
使用することにより、油脂への溶解性や、加熱時の油臭
(劣化臭)、揚げ物時の油はね抑制、揚げ物時の衣の花
咲性(散り状態)などの揚げ物用の油としての好ましい
特性が付与され、更に揚げ物の油っぽさが低減され、嫌
悪感のある油臭の発生が抑えられるなど、風味の良好な
揚げ物ができる。
PE]、[SDE]及び[SME]の成分比(エステル
組成比)を表す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 構成脂肪酸の飽和脂肪酸含量が5重量%
以上、50重量%以下で、ショ糖脂肪酸エステル混合物
中の[SDE]含有量が、33重量%以上、95重量%
以下であって、かつ次の基準: [SPE]/[SDE]≦2.0 [SME]/[SDE]≦0.1 (ここで、[SDE]は、エステル置換度が2のショ糖
脂肪酸エステルを表し、[SPE]は、エステル置換度
が3以上のショ糖脂肪酸エステルの合計量を表し、[S
ME]は、エステル置換度が1のショ糖脂肪酸エステル
を表す。)を満たすことを特徴とする加熱調理用油脂に
添加するためのショ糖脂肪酸エステル混合物。
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