JP2002101819A - 揚げ物調製用油脂組成物 - Google Patents
揚げ物調製用油脂組成物Info
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Abstract
に用いる油脂組成物であって、特にその使用に際して熟
練を必要とせず、優れた外観、風味そして食間などを有
する揚げ物を調製することができるように改良された揚
げ物調製用油脂組成物を提供する。 【解決手段】 液状油脂に、該液状油脂に対して4.0
重量%以下となる量の乳化剤を添加・溶解して得られる
油脂組成物であって、該油脂組成物の水との80℃にお
ける、界面形成時より3秒後の界面張力が7mN/m以
下であることを特徴とする揚げ物調製用油脂組成物。
Description
組成物、即ちフライ、天ぷらなどの揚げ物を調製するた
めに用いる油脂組成物に関し、特にその使用に際して熟
練を必要とせず、優れた外観、風味そして食感などを有
する揚げ物を調製することができるように改良された揚
げ物調製用油脂組成物に関する。
油脂の役割は、加熱時の熱媒体、調理材料と調理器具と
の剥離性の保持が主であって、他に油溶性栄養成分の吸
収性向上や、油脂そのものの風味の付与や栄養素として
の摂取がある。加熱調理用の油脂の内で、特に天ぷらや
フライなどの揚げ物用の油脂(いわゆる揚げ油)として
は、従来からコーン油、大豆油、菜種油、綿実油、米
油、サフラワー油、ひまわり油、ごま油、オリーブ油、
紅花油などの液状油脂が、単独あるいは適宜混合して使
用されている。これらの油脂を用いて、外観、風味、食
感などが優れた天ぷらや揚げ物を揚げるには、油脂の選
択や混合条件の選択、揚げ温度、時間などの揚げ条件、
揚げ操作などの各種条件の選択において、慎重な判断や
熟練を必要とする。そして、各種条件の選択のいずれか
が不適切であった場合、あるいは熟練が足りない場合な
どには、油はねの発生、不充分な衣の花咲性(散り状
態、特に天ぷらの場合)、加熱による劣化臭の発生、あ
るいは揚げ上がりの不充分な油切れに起因する衣の油っ
ぽさの発生と食感の不良、そして更には保存性の低下な
どの問題が発生する。
する方法、特に衣の油っぽさを低減させ、食感を向上さ
せる方法として、用いる油や揚げ条件を適切に選択する
こと以外に、揚げ物の対象となる素材(種)の検討や、
調理方法を工夫することも一般に行われている。例え
ば、衣に使用する小麦粉中のグルテン量を低下させる方
法、衣の調製(混合)時の粘度を低下させるように加水
量を調整し、衣の小麦粉濃度をより薄くしたり、グルテ
ンの形成を抑制するために冷水中で調製する方法などが
利用されている。
げている間、種を揺らして(泳がせて)、衣の油中での
広がりを良好にするなどの方法が利用されている。更に
また揚げる温度をより高温にすることによって油切れが
良く、比較的油っぽくない天ぷらができることが経験的
に知られていることから、これらの方法も通常利用され
ている。これは、高温で揚げることによって、衣から多
量の水分が短時間に蒸散し、このため、カラッとした軽
い風味の天ぷらが揚げられるためと考えられている。
低減や、健康上の点から油脂の劣化の抑制を目的とし
て、坑酸化剤を添加した油脂組成物が知られている。例
えば、酸化油の毒性については、J. S. Andrews らによ
る報告( J. Nutrition,90,199,1960)や、太田による成
書「油脂食品の劣化とその抑制」(幸書房、昭和52年
発行)などに多く報告されており、抗酸化剤としてBH
A、TBAの添加や、空気との接触を防止し、酸素と油
脂との接触を防ぎ酸化を抑えるシリコーンの添加が行わ
れてきた。最近では、レシチン、トコフェロール、コー
ヒーや茶の抽出物などの天然のものが使用されてきてい
る。
易く、好ましい。このため液状油脂に、結晶抑制作用の
ある高エステル化度(エステル化度が80%以上で、低
HLBのもの)の多価アルコール型非イオン界面活性剤
を添加することや、低温時に結晶化し易い成分をウイン
タリングによって除去することが提案されている(特開
昭47−34703号、同63−79560号、同63
−63343号の各公報)。しかし上記のような結晶化
の抑制はサラダ油としての利便性(特に低温保存性)の
改良を試みたものであり、いずれも前述の天プラ油のよ
うな揚げ物調製用の油脂に関わる各種の問題の解決には
有効ではない。
物用の油脂として好適な以下の機能の殆ど全てを備えた
揚げ物用油脂組成物を提供することである。 (1)天ぷらの衣の花咲性(散り状態)を向上させる。 (2)衣の水分蒸散速度を促進させて、得られる揚げ物
の食感を向上させる。 (3)揚げ物調製時(揚げ作業時)での油はねを抑制す
る。 (4)揚げ物調製の加熱時の劣化臭(嫌悪感のある臭
い)の発生を抑制する。 (5)油脂の劣化を抑制する。
該液状油脂に対して4.0重量%以下(好ましくは、
3.0重量%以下、更に好ましくは、2.0重量%以
下)となる量の乳化剤を添加・溶解して得られる油脂組
成物であって、該油脂組成物の水との80℃における界
面張力が界面形成時より3秒後に7mN/m以下(好ま
しくは、5mN/m以下、更に好ましくは3mN/m以
下)となるように乳化剤が選ばれていることを特徴とす
る揚げ物調製用油脂組成物にある。なお、上記の界面張
力は、界面形成時より5秒後には、5mN/m以下(特
に3mN/m以下)となることが好ましい。なお、上記
の界面張力の測定基準温度を80℃としたのは、天ぷら
などの揚げ物のたね(調理対象物)を加熱中の油に投入
した際のたね(衣を含む)と油との界面周辺の温度が8
0℃付近となるためである。
的油っぽくない天ぷらは、衣/油界面の界面張力の低下
による油中での衣の広がり易さに関係あるとの新たな知
見に基づき、揚げ物のたね(被調理物)を投入した後、
短時間のうちに油/水の界面張力を一定値以下に低下さ
せるような乳化剤を液状油脂に添加することにより、上
記目的の性能を備えた油脂組成物が得られることを見出
した。また、同時に、このような油脂組成物を用いると
フライ等の天ぷら以外の揚げ物を調製する場合でも、た
ねと油脂との接触面に、添加した乳化剤が配向するため
か、油脂の劣化が抑制される効果や、油はね抑制効果、
また油切れが良くなるなどの効果も得られることを見い
だし、本発明を完成したものである。
しては、ソルビトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪
酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルキル
グルコシド、エリスリトール脂肪酸エステル、及びポリ
オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種の多価アルコール型非イオン
界面活性剤を挙げることができるが、これらの乳化剤の
種類に含まれるものの全てが使用可能であるのではな
く、これらの種類に含まれる乳化剤であっても、例えば
高エステル化度(エステル化度80%以上)の多価アル
コール型非イオン界面活性剤のように、液状油脂に4.
0重量%以下となる量で添加した場合に、得られる油脂
組成物と水との80℃における界面張力が界面形成後、
3秒時に7mN/m以下とならない化合物は、本発明で
用いるのに適切でない。
して、上記の多価アルコール型非イオン界面活性剤とシ
ョ糖脂肪酸エステルとが含まれていることが好ましい。
この組合せによって、乳化剤の添加量を更に低減するこ
とが可能となり、得られる揚げ物の風味、油っぽさ、お
よび/または食感が向上する。なお、この組合せを利用
する場合には、上記の多価アルコール型非イオン界面活
性剤とショ糖脂肪酸エステルとを、それぞれ液状油脂に
対して1重量%以下(特に0.5重量%以下)の量にて
加えるのが好ましい。
力を意味する。この、動的界面張力は、社団法人日本化
学会編「新実験化学講座18:界面とコロイド」(P.
87〜91、昭和58年、第3版、丸善株式会社発行)
に記載されている。また、本発明で規定した動的界面張
力は、市販の界面張力測定装置(滴重法を利用したDrop
Volume Tensiometer −TVT1:ドイツラウダ社製)を用
いて測定することができる。測定方法については後述す
る。
油脂に乳化剤が特定の条件にて添加されてなるものであ
る。液状油脂は、天ぷら油などの揚げ油として一般的に
使用可能とされている各種の油から任意に選んで用いる
ことができる。その例としては、大豆油、菜種油、コー
ン油、紅花油、ひまわり油、綿実油、オリーブ油、胡麻
油などの植物油を揚げることができる。これらの油は、
それぞれ単独で用いてもよく、あるいは適宜混合して用
いてもよい。
で添加される。乳化剤の量が多くなると、特に4重量%
よりも多くなると、一般に調理後の揚げ物の風味が損な
われる傾向がある。従って、本発明で規定した動的界面
張力の条件を満足する限り、乳化剤の量は少ないほうが
好ましい。本発明で用いる乳化剤として好ましいもの
は、ソルビトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルキルグル
コシド、エリスリトール脂肪酸エステル、及びポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステルを挙げることがで
きる。これらの乳化剤は、単独あるいは組合せて用いる
ことができる。
ステル化度が、20〜70%(好ましくは20〜40
%)の範囲にあることが好ましい。なお、本明細書にお
いて、エステル化度とは、糖あるいはポリオールが有す
る水酸基に対しての、脂肪酸がエステル結合している水
酸基の割合(%)を意味する。また、エステルの構成脂
肪酸としては、不飽和脂肪酸が多く含まれているものが
溶解性が高く、使用し易く好ましい。従って、エステル
中に不飽和脂肪酸が、少なくとも50重量%以上(特
に、60重量%以上)含まれていることが好ましい。不
飽和脂肪酸は、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸ま
たはこれらの混合物であることが好ましい。
る。 (1)ソルビトール脂肪酸エステル 本発明で使用することのできるソルビトール脂肪酸エス
テルは、エステル化度が20〜40%の範囲のものであ
ることが好ましい。ソルビトールは、水酸基を6個有し
ており、特にその一つのみがエステル化されたモノエス
テル(エステル化度:17%)は、天ぷら調製時に衣を
散らす効果が最も大きい。しかし、モノエステルのみの
場合は、油にほとんど溶けないため、ジエステル以上が
5〜50重量%以上含まれているソルビトール脂肪酸エ
ステルが好ましい。
ルは、エステル化度が20〜40%(特に20〜30
%)のものであることが好ましい。ジエステル以上が多
く含まれると溶解性は向上するが、多量に含まれると揚
げ物の油っぽさが増大し、また天ぷら調製時の花咲性、
得られる天ぷらの食感の改良効果も低下する。このた
め、主としてモノエステルから構成されていることが好
ましい。構成脂肪酸として不飽和脂肪酸が多く含まれて
いるものが油脂への溶解性がよく、好ましく使用でき
る。なお、ソルバイトエステルが混入していても良い。
また、ジグリセリドを添加することにより、ソルビタン
脂肪酸エステルの溶解度を向上させることができる。
ステルは、エステル化度が20〜75%程度のものであ
ることが好ましい。グリセリンの縮合度は、2〜10の
範囲であることが好ましい。また、エステルとしては、
以下の範囲のものが好ましい。 ─────────────────── ポリグリセリン エステル結合して いる脂肪酸の数 ─────────────────── ジグリセリン 1〜2 トリグリセリン 2〜3 テトラグリセリン 2〜4 ペンタグリセリン 2〜5 ヘキサグリセリン 2〜6 ヘプタグリセリン 3〜6 オクタグリセリン 3〜6 ノナグリセリン 3〜7 デカグリセリン 3〜8 ─────────────────── 本発明で用いることのできるポリグリセリン脂肪酸エス
テルとしては、特に、ジグリセリンモノオレエート、ト
リグリセリンジオレエート、テトラグリセリンジオレエ
ート、テトラグリセリントリオレエート、ヘキサグリセ
リンテトラオレエート、ヘキサグリセリンペンタオレエ
ート、デカグリセリンペンタオレエート、及びデカグリ
セリンヘプタオレエートが好ましい。
ては、モノ、またはジアルキルグルコシドが好ましい。
アルキル基は、その炭素数が14〜22のものが油脂と
の相溶性の点から好ましい。特に炭素数18〜22のモ
ノアルキルグルコシド、炭素数14〜18のジアルキル
グルコシドが好ましく使用できる。
ステルとしては、炭素数18〜22のモノエステルが好
ましい。
酸エステル 本発明で使用することのできるポリオキシエチレンソル
ビタン脂肪酸エステルの例としては、ポリオキシエチレ
ンソルビタンモノステアレート(ポリソルベート6
0)、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート
(ポリソルベート65)、ポリオキシエチレンソルビタ
ンモノオレエート(ポリソルベート80)などを挙げる
ことができ、その外にも各種の公知の化合物を用いるこ
とができる。すなわち、例えばポリオキシエチレンソル
ビタンモノパルミテートなども使用できる。
低温で保存した場合の白濁または油不溶分の析出防止の
ためには、ジグリセリドを、油脂組成物中に、5重量%
以上(更に好ましくは、10重量%以上)含まれている
ことが好ましい。
よび揚げ作業(天ぷらの調製)特性、そして得られた天
ぷらの花咲き性(散り状態)と食感とを調べた。なお、
天ぷらの衣は、水:小麦粉:卵=150:100:50
(重量比)で調製した。得られた結果を表1に示す。
しある) 発煙:AA(発煙は殆どなし)、BB(発煙が少しあ
る) 油汚れ:AA(油の汚れは殆どなし)、BB(油の汚れ
が少し見られる) 花咲き:CC(花咲きが充分でなく、外観が良くない) 食感:BB(カリッとした食感がなく、保存時間と共に
衣がベトつく)
定した。油脂/水の界面(80℃)の動的界面張力の測定方法 試料の油を前述の測定装置(Drop Volume Tensiometer
−TVT1:ドイツラウダ社製)に備えられたガラス製セル
に20mL入れ、シリンジ内に保持した蒸留水をそのセ
ルに滴下する。そして、この時の滴下される水滴の体積
とシリンジ外径及び補正係数(日本化学会編「化学便
覧、基礎編II、改定2版」の6.6、「表面張力と濡
れ」に記載の値σ=62.60mN/m)とから界面張
力の数値を得る。なお、経時的な界面張力の変化(動的
界面張力)は、シリンジの滴下速度を変化させることに
より求めることができる。測定操作は、予め蒸留水を少
量(5mL)入れ、飽和蒸気圧下で行った。80℃での
蒸留水の測定誤差は、1%以内である。なお、測定に供
する水は、蒸留水(和光純薬工業(株)製)を再度蒸留
したものを使用する。シリンジは、ガスタイトシリンジ
(5mL)(ハミルトン社製)を、温度制御には、ポリ
カーボネート製恒温ジャケットを、そしてガラス製セル
の温度制御には、上記の測定装置(TVT1)に付属し
た恒温ジャケットを用いる。
下記の表2のように乳化剤を添加して本発明に従う揚げ
物調製用油脂組成物(本発明品A〜H)を調製した。ベ
ース油のコーン油の成分組成は次の通りである。 脂肪酸:0.4重量%、モノグリセリド:0.2重量
%、ジグリセリド:2.4重量%、トリグリセリド:9
7.0重量% 得られた揚げ物調製用油脂組成物について、前記の方法
により動的界面張力を測定した。得られた結果を表2に
示す。
MO−90(ニッコーケミカルズ(株)製) (2)ヘキサグリセリンモノオレエート:PO−500
(坂本薬品工業(株)製) (3)アルキルグルコシド:構成脂肪酸がオレイン酸の
モノアルキルグルコシド (4)ソルビトールモノエステル: エステル組成:モノエステル60重量%、ジエステル2
8重量%、トリエステル12重量% 構成脂肪酸:オレイン酸68重量%、パルミチン酸4重
量%、リノール酸11重量%、ステアリン酸8重量%、
その他9重量% (5)ペンタエリスリトールモノエステル: エステル組成:モノエステル54重量%、ジエステル3
2重量%、トリエステル14重量% (6)ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート
(Tween60) (7)ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート
(Tween85)
業(天ぷらの調製)特性、そして得られた天ぷらの花咲
き性(散り状態)、食感そして油っぽさを調べた。な
お、対照試料としてベース油として用いたコーン油(乳
化剤無添加)を選び、同様の試験を行なった。それらの
結果を以下の表3に示す。なお、これらの試験における
天ぷらの特性については、評価を更に細かくするため
に、下記の方法により評価した。衣は、前記と同様に、
水:小麦粉:卵=150:100:50(重量比)で、
調製した。
0℃のオイルバスで保温し、この中に、上記の衣の材料
をシリンジより滴下して衣の揚がった形状を測定するこ
とによって花咲性を評価した。すなわち、形成された衣
の写真を画像処理し、その周囲長と面積の比を形状係数
=(周囲長)2/4π面積として算出した。そして、衣
を50個滴下し、そのそれぞれについて形状係数を測定
し、その平均値で評価した。算出した数値は、球形で変
形度が少ないものが1、変形が進むほどこの数値は高く
なる。
80℃にてえび天ぷらを揚げ、これをパネラー5人が食
し、各々がその食感、油っぽさを官能値(1〜5点:最
も良いのが5点、最も悪いのが1点)で示し、その平均
値で評価した。
発明で規定するような特定値以下の動的界面張力を示す
油脂組成物を使用して天ぷらを揚げた場合には、花咲性
がよく、食感も良好で、油っぽさの余り感じない天ぷら
を揚げることができる。
ース油脂(コーン油)に、下記の表4のように乳化剤を
添加して揚げ物調製用油脂組成物(比較品I〜L)を調
製した。得られた揚げ物調製用油脂組成物について、前
記の方法により動的界面張力を測定した。得られた結果
を表4に示す。
ル:ヘキサグリセリンのステアリン酸とパルミチン酸と
の混合酸基エステル
業(天ぷらの調製)特性、そして得られた天ぷらの花咲
き性(散り状態)、食感そして油っぽさを、実施例1に
記載の方法により調べた。それらの結果を以下の表5に
示す。
ール型非イオン界面活性剤を用いても、本発明で規定し
た条件に合わないものを用いた場合には、好ましい特性
の天ぷらを得ることができないことがわかる。
従う油脂組成物A1、B1およびD2を用いて、豚カツ
たね(厚さ1.5cmの豚ロースに小麦粉と卵を付けた
のち、パン粉をまぶしたもの)を油温度約180℃にて
揚げた。このフライ揚げ作業時の油はねと劣化臭をパネ
ラー5人で評価した。また、得られた豚カツの風味、油
っぽさ、そして食感を同じくパネラー5人で評価した。
評価は前記と同様に1〜5点の点数制(最も良好を5
点)とし、与えられた点数を平均して、その評価とし
た。得られた結果を表6に示す。
油脂組成物I1、L2およびベース油脂(コーン油単
独)を用いて、実施例2と同様に豚カツたねを揚げた。
このフライ揚げ作業時の油はねと劣化臭、そして得られ
た豚カツの風味、油っぽさ、そして食感を同様にパネラ
ー5人で評価した。評価は前記と同様に1〜5点の点数
制(最も良好を5点)とし、与えられた点数を平均し
て、その評価とした。得られた結果を表6に示す。
合、そして乳化剤として多価アルコール型非イオン界面
活性剤を用いても、本発明で規定した条件に合わないも
のを用いた場合には、好ましい特性のフライを得ること
ができないことがわかる。
従う油脂組成物A1、B1およびD2を用いて、下記の
方法により油の劣化抑制の定量的な評価実験を行った。
ろ紙片(2×5cm)に、実施例1で使用した衣を付着
させ、これを40枚調製し、試料油脂組成物600g中
(温度:180℃)で続けて揚げ、油脂の劣化度をアク
ロレインの生成量、COV(カルボニル価:油脂の加熱
分解の指標であり、かつ油っぽさの目安の一つである)
のデータから評価した。結果を下記の表7に示す。
油脂組成物I1、L2及びベース油脂(コーン油単独)
を用いて、実施例3と同様に油の劣化抑制の定量的な評
価実験を行った。得られた結果を表7に示す。
従う油脂組成物はいずれも、比較試料として用いた油脂
組成物に比べると、揚げ作業時の加熱による劣化が抑制
されている。
リンモノオレエート(DGMO−90)を添加量0.5
重量%で用い、今度はベース油を表8のように変えて、
実施例1と同様の方法で天ぷら調製試験を行なった。得
られた結果を表8に示す。
酸)エステルを併用した場合の効果を、実施例2と同様
な条件にて豚カツを調製することによって試験した。ベ
ース油脂としてコーン油を選び、ショ糖エステルは下記
の組成ものを用いた。 SME SDE STE STeE以上 ショ糖エステルA 1.2% 38.5% 42.0% 10.3% ショ糖エステルB 0.3% 2.5% 8.7% 88.3% 注:SMEはモノエステルを、SDEはジエステルを、STEはトリエステ ルを、そしてSTeE以上はテトラエステル以上のポリエステルを表わ す。全て重量%である。 測定された動的界面張力、そして揚げ作業時の特性およ
び豚カツの特性をそれぞれ表9と表10に示す。
テルを併用することにより、乳化剤全体の添加量を少な
くしても、目的の動的界面張力特性が得られ、同時に優
れた揚げ作業特性が実現し、かつ各種の特性の優れたフ
ライなどの揚げ物が得られることがわかる。
て天ぷら、フライなどを揚げると、揚げ作業時の油はね
が抑制され、また揚げ作業時の油劣化臭の発生も抑制さ
れる。用いられた油は劣化が抑制されるため、繰り返し
使用期間の延長が可能となる。そして、得られる揚げ物
についても、食感や風味の向上や、油っぽさの低減が実
現する。さらに、天ぷらについては、花咲き性の向上が
顕著に見られる。
Claims (4)
- 【請求項1】 液状油脂に、該液状油脂に対して4.0
重量%以下となる量の乳化剤を添加・溶解して得られる
油脂組成物であって、該油脂組成物の水との80℃にお
ける、界面形成時より3秒後の界面張力が7mN/m以
下であることを特徴とする揚げ物調製用油脂組成物。 - 【請求項2】 油脂組成物の水との80℃における、界
面形成時より3秒後の界面張力が5mN/m以下である
請求項1に記載の揚げ物調製用油脂組成物。 - 【請求項3】 油脂組成物の水との80℃における、界
面形成時より5秒後の界面張力が5mN/m以下となる
請求項1もしくは2に記載の揚げ物調製用油脂組成物。 - 【請求項4】 油脂組成物の水との80℃における、界
面形成時より5秒後の界面張力が3mN/m以下となる
請求項1もしくは2に記載の揚げ物調製用油脂組成物。
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JP2012052048A (ja) * | 2010-09-02 | 2012-03-15 | Riken Vitamin Co Ltd | 油脂の結晶成長抑制剤 |
KR101437662B1 (ko) | 2007-02-09 | 2014-09-04 | 닛신 오일리오그룹 가부시키가이샤 | 식감 개량 유지 조성물 |
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- 2001-08-20 JP JP2001249324A patent/JP3655567B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP3655567B2 (ja) | 2005-06-02 |
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