JPH0710919B2 - シリコーン樹脂の精製法 - Google Patents

シリコーン樹脂の精製法

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JPH0710919B2
JPH0710919B2 JP10502590A JP10502590A JPH0710919B2 JP H0710919 B2 JPH0710919 B2 JP H0710919B2 JP 10502590 A JP10502590 A JP 10502590A JP 10502590 A JP10502590 A JP 10502590A JP H0710919 B2 JPH0710919 B2 JP H0710919B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、アルカリ金属、ハロゲン原子等を水可溶性の
形で不純物として含有しているシリコーン樹脂の精製法
に関する。
(従来技術) 電気絶縁材料などのエレクトロニクス材料においては、
アルカリ金属、ハロゲン原子等の不純物が、例えばアル
ミニウム配線の腐食や半導体性能の劣化の原因となるの
で、これらの不純物の含有量が1ppm以下となるような高
い精製度が要求されている。
而して、エレクトロニクス用材料として特に重要なシリ
コーン樹脂は、一般にクロロシラン類を原料とし、NaO
H,KOH,LiOH等のアルカリ触媒を用いて重縮合反応を行う
ことによって製造されている。このために、シリコーン
樹脂中には、アルカリ金属、ハロゲン原子等の不純物が
含まれており、これらの不純物を除去することが必要で
ある。
(発明が解決しようとする問題点) シリコーン樹脂のような重合体の一般的な精製法として
は、洗浄法、抽出法及び再沈澱法が知られている。
然しながら、洗浄法及び抽出法は、再沈澱法の予備操作
に過ぎず、それ単独では十分に高い精製度が得られな
い。また再沈澱法は、洗浄法及び抽出法に比して高い精
製度を得ることはできるが、不純物含有量が1ppm以下と
なるような高い精製度を得ることが困難である。
従って本発明の目的は、アルカリ金属、ハロゲン原子等
の不純物含有量を、例えば1ppm以下となるような極めて
微量の範囲にまで有効に低減し得るようなシリコーン樹
脂の精製法を提供するにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、特定の有機溶剤及び水を使用することによ
り、上述した目的を達成することに成功したものであ
る。
即ち本発明によれば、水可溶性成分を不純物として含む
シリコーン樹脂を、20℃における水100gに対する溶解度
が0.4〜40gの範囲にある有機溶剤に溶解させ、このシリ
コーン樹脂溶液に水を加え、撹拌、静置した後に、水層
を分離することにより、前記水可溶性成分を除去するこ
とを特徴とするシリコーン樹脂の精製法が提供される。
シリコーン樹脂 本発明において、精製の対象とするシリコーン樹脂は、
アルカリ金属及びハロゲン等を水可溶性、例えば水溶性
の水酸化物、酸若しくは塩等の形で不純物として含むシ
リコーン樹脂であり、例えばこの様な不純物が混入する
ような方法で製造されるシリコーン樹脂の精製に適用さ
れ、特に室温(20℃)で固体、例えば融点或いは軟化点
が20℃以上のシリコーン樹脂の精製に好適に適用され
る。
この様なシリコーン樹脂を説明すると、これは一般的に
言って、下記一般式〔I〕、 RnSiCl4-n 〔I〕 式中、Rはメチル基、フェニル基等の一価の炭化水素基
であり、 nは1〜3の整数である、 で表されるクロロシラン類をアルコキシ化又は加水分解
することによって得られるアルコキシシラン又はシラノ
ールを、重縮合反応させることによって製造されるもの
である。即ち、この様な方法によってシリコーン樹脂を
製造する場合、アルコキシ化、加水分解及び重縮合の各
工程において、反応触媒として水酸化アルカリやハロゲ
ン化水素が使用されるため、得られるシリコーン樹脂中
には、不純物としてアルカリ金属及びハロゲンが水可溶
性の形で含まれることになる。
本発明において、特に好適に処理されるシリコーン樹脂
としては、下記一般式〔II〕、 式中、nは5〜65の整数である、 で表されるシリコーン樹脂が例示される。このシリコー
ン樹脂は、融点が150〜160℃の範囲にあり、例えば以下
の合成経路に従って製造される。
(上記式中、t-Buは、第3級ブチル基を示す) 即ち、出発物質として、常法により合成されたアルコキ
シシラン(イ)を使用し、水酸化ナトリウム等の水酸化
アルカリを触媒として、加水分解及び重合を行なって重
合体(ロ)を得、次いでこれにHClを作用させ、該重合
体(ロ)中のt-ブトキシ基を水酸基に置換して一般式
〔II〕で表されるシリコーン樹脂を得る。
このシリコーン樹脂中には、合成経路で使用した水酸化
アルカリ及びHClに起因して、ナトリウム等のアルカリ
金属及び塩素原子を、NaCl,NaOH,HCl等の水可溶性の不
純物として多量に含んでいる。
尚、本発明の精製処理の対象となるシリコーン樹脂に関
しては、特にアルカリ金属及び塩素原子を不純物として
含有するシリコーン樹脂を例にとって説明したが、不純
物が水可溶性の形で含まれている限りにおいて、アルカ
リ金属以外の他の金属成分或いは塩素原子以外の他のハ
ロゲン原子を不純物として含有するシリコーン樹脂の精
製にも本判明を適用することが可能である。
有機溶剤による抽出 本発明の精製法においては、まず上述したシリコーン樹
脂を有機溶剤に溶解させる。
ここで用いられる有機溶剤は、20℃における水100gに対
する溶解度が0.4〜40g、好ましくは5〜10gのものであ
る。即ち、この溶解度が0.4gよりも小さいと、以下の水
による洗浄工程において、前記不純物の洗浄除去が有効
に行われず、また溶解度が40gよりも大きいと、水によ
る洗浄工程において、シリコーン樹脂が多量に水層に移
行してしまい、収率が低下するという不都合を招く。
このような溶解度を有する有機溶剤としては、これに限
定されるものではないが、例えば次のものを例示するこ
とができる。
酢酸メチル(24.5g)、酢酸エチル(8.7g)、 酢酸ブチル(0.68g)、1-ブタノール(7.4g)等。
尚( )内の値は、20℃における水100gに対する溶解度
である。
またシリコーン樹脂の有機溶剤溶液は、シリコーン樹脂
濃度が5〜20重量%、特に8〜12重量%の範囲となるよ
うに調製される。シリコーン樹脂濃度が上記範囲よりも
低いと、有機溶剤の使用量が多いために、その除去等が
面倒になり、また格別の利点もないので不利である。更
にシリコーン樹脂濃度が上記範囲よりも高いと、不純物
の分離除去を有効に行うことが困難となる。
水による洗浄 本発明によれば、上記シリコーン樹脂の有機溶剤溶液に
水を撹拌混合し、静置して油層と水層とに分離する。
使用する水は、目的とする精製度に応じて、水道水、純
水等を使用することができ、特に不純物含有量を1ppm以
下に除去しなければならないような場合には純水が使用
される。ここで純水とは、蒸留水或いはイオン交換水で
あり、工業的にはイオン交換水が用いられる。
水の使用量は、シリコーン樹脂溶液に対して、体積比で
0.5〜2.0倍であることが好適である。この使用量があま
り多くても装置が過大になり、また両液の撹拌を有効に
行うことが困難となって不利を免れず、またあまり少な
くても不純物の抽出を有効に行うことが困難となる。
水を加えての撹拌は、一般に10〜120分間程度行われ、
これによって有機溶剤中に補捉された不純物が有機溶剤
の一部とともに、水層中に移行される。
撹拌を停止した後、この混合溶液を静置することによ
り、シリコーン樹脂が溶解した有機層と、不純物が溶解
した水層とに分離するので、該水層を除去し、更に溶剤
を分離除去することによって、精製されたシリコーン樹
脂が得られる。
尚、水層を分離除去したのち、再び水を加え、同様の操
作を繰り返すことにより、精製度を向上させることがで
き、例えばアルカリ金属、ハロゲン等の不純物の含有量
を1ppm以下の範囲に低減させることができる。
また溶剤の除去は、通常、常圧又は減圧下において通常
のオーブンを用いて加熱することにより容易に行うこと
ができる。
(実施例) 実施例1 不純物としてNa,Clをそれぞれ1000ppm及び1400ppm含
み、且つ下記式、 で表される融点155℃のシリコーン樹脂を、酢酸エチル
に溶解させ、5重量%濃度のシリコーン樹脂溶液を調整
した。
このシリコーン樹脂溶液に、0.5容量倍のイオン交換水
を加え、1時間撹拌した後、静置し、水層を分離し、得
られたシリコーン樹脂溶液を減圧下に加熱(5mmHg,50
℃,8hrs)して溶剤の除去を行ない、得られたシリコー
ン樹脂に含まれる不純物の濃度を測定した。
更に、イオン交換水の添加から水層の分離までの水洗操
作を複数回行う以外は、上記と全く同様にしてシリコー
ン樹脂を得、その不純物濃度を測定した。
水洗回数毎の不純物濃度を第1表に示した。
尚、水洗を5回繰り返した場合において、シリコーン樹
脂の収率は、95重量%であった。
比較例1 実施例1で用いたシリコーン樹脂を、THFに溶解させ、5
0重量%のシリコーン樹脂溶液を調製した。尚、THFの水
100gに対する溶解度(20℃)は、100g以上であり、すな
わち任意に混合し得る。
このシリコーン樹脂溶液を、2.0/hの滴下速度で、20
容量倍のイオン交換水の中へ滴下してシリコーン樹脂を
沈澱せしめた。沈澱したシリコーン樹脂を回収し、得ら
れたシリコーン樹脂を減圧乾燥し、その不純物濃度を測
定した。
またTHFへの溶解から沈澱までの操作を複数回行った以
外は、上記と同様にしてシリコーン樹脂を得、その不純
物濃度を測定した。
沈澱操作の回数毎の不純物濃度を第2表に示した。尚、
沈澱操作を5回行った場合におけるシリコーン樹脂の収
率は85重量%であり、実施例1に比してかなり低かっ
た。
実施例2 酢酸エチルの代わりに酢酸メチルを使用した以外は、実
施例1と全く同様にしてシリコーン樹脂の精製を行っ
た。
精製されたシリコーン樹脂に含まれる不純物濃度を第3
表に示した。尚、水洗を5回繰り返した場合において、
シリコーン樹脂の収率は、97重量%であった。
実施例3 酢酸エチルの代わりに酢酸ブチルを使用した以外は、実
施例1と全く同様にしてシリコーン樹脂の精製を行っ
た。
精製されたシリコーン樹脂に含まれる不純物濃度を第4
表に示した。尚、水洗を5回繰り返した場合において、
シリコーン樹脂の収率は、95重量%であった。
(発明の効果) 本発明のシリコーン樹脂の精製法によれば、アルカリ金
属、ハロゲン等の不純成分を、エレクトロニクス材料の
分野において要求されている1ppm以下の濃度に有効に低
減させることが可能となり、しかもこの精製法により、
得られるシリコーン樹脂の収率は何ら損なわれることが
ない。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水可溶性成分を不純物として含むシリコー
    ン樹脂を、20℃における水100gに対する溶解度が0.4〜4
    0gの範囲にある有機溶剤に溶解させ、このシリコーン樹
    脂溶液に水を加え、撹拌、静置した後に、水層を分離す
    ることにより、前記水可溶性成分を除去することを特徴
    とするシリコーン樹脂の精製法。
JP10502590A 1990-04-20 1990-04-20 シリコーン樹脂の精製法 Expired - Fee Related JPH0710919B2 (ja)

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