JPH11292971A - 高純度シリコーンラダーポリマーおよびその製造方法 - Google Patents

高純度シリコーンラダーポリマーおよびその製造方法

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JPH11292971A
JPH11292971A JP9905498A JP9905498A JPH11292971A JP H11292971 A JPH11292971 A JP H11292971A JP 9905498 A JP9905498 A JP 9905498A JP 9905498 A JP9905498 A JP 9905498A JP H11292971 A JPH11292971 A JP H11292971A
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JP
Japan
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lower alkyl
alkyl group
fluorine atom
group
silicone ladder
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Application number
JP9905498A
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English (en)
Inventor
Shigeyuki Yamamoto
茂之 山本
Naoki Yasuda
直紀 保田
Hiroshi Adachi
廣士 足達
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不純物が少なく分子量の大きい高純度シリコ
ーンラダーポリマー。 【解決手段】 一般式:(1) 【化1】 (式中、R1およびR2のいずれか一方は必ずフッ素原子
またはフッ素原子を含有する低級アルキル基、アルケニ
ル基もしくはアリール基、他方は水素原子、フッ素原
子、低級アルキル基、アルケニル基、アリール基または
フッ素原子を含有する低級アルキル基、アルケニル基も
しくはアリール基、R3、R4、R5およびR6はそれぞれ
独立して水素原子、低級アルキル基またはフッ素原子を
含有する低級アルキル基、nは5〜10000の整数)
で示され、Na、K、Fe、Cu、Pb、Mg、Mnお
よびClのいずれの含有量も1ppm以下であり、かつ
UおよびThのいずれの含有量も1ppb以下である高
純度シリコーンラダーポリマー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、側鎖にフッ素原子
を有する高純度シリコーンラダープレポリマーの製造方
法に関する。さらに詳しくは、本発明は、半導体などの
保護膜、層間絶縁膜などとして好適に使用しうる高純度
シリコーンラダープレポリマー、シリコーンラダーポリ
マーおよびそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からシリコーンラダープレポリマー
およびシリコーンラダーポリマーは、その分子構造に起
因して耐熱性、電気絶縁性、耐薬品性に優れており、電
子部品あるいは半導体装置などの保護膜、層間絶縁膜用
材料として用いられている。
【0003】かかるシリコーンラダーポリマーの製造方
法は、たとえば特開昭60−124943号公報に記載
されている。当該技術によれば、有機溶媒溶液中でトリ
エトキシシランを加水分解し、減圧下で重合させたの
ち、えられた重合物の末端をジメチルクロロシランで修
飾し、有機溶媒で精製してシリコーンラダーポリマーを
えている。
【0004】しかし、かかる技術においては、えられる
シリコーンラダーポリマーには、副生成物、つまり原
料、有機溶媒などが含有しているナトリウム、カリウ
ム、鉄、銅、鉛、マグネシウム、マンガン、塩素、ウラ
ンおよびトリウムなどの不純物が含まれている。これ
は、末端修飾後の精製が不充分であったり、加水分解後
の反応を比較的高い温度(35℃)で行うことに起因し
てかかる不純物が除去されにくい条件で製造されている
ことによる。また、えられるシリコーンラダーポリマー
の分子量は10万以下であり、厚い膜を形成するのが困
難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上の事実に鑑み、本
発明の目的は、不純物が少なく分子量の大きいシリコー
ンラダーポリマーをうることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式:
(1)
【0007】
【化3】
【0008】(式中、R1 およびR2 のいずれか一方は
必ずフッ素原子またはフッ素原子を含有する低級アルキ
ル基、アルケニル基もしくはアリール基、他方は水素原
子、フッ素原子、低級アルキル基、アルケニル基、アリ
ール基またはフッ素原子を含有する低級アルキル基、ア
ルケニル基もしくはアリール基、R3 、R4 、R5 およ
びR6 はそれぞれ独立して水素原子、低級アルキル基ま
たはフッ素原子を含有する低級アルキル基、nは5〜1
0000の整数)で示され、ナトリウム、カリウム、
鉄、銅、鉛、マグネシウム、マンガンおよび塩素のいず
れの含有量も1ppm以下であり、かつウランおよびト
リウムのいずれの含有量も1ppb以下である高純度シ
リコーンラダーポリマーに関する。
【0009】また、本発明は、(a)一般式(2):R
7 SiOR8 OR9 OR10(式中、R7 はフッ素原子ま
たはフッ素原子を含有する低級アルキル基、アルケニル
基もしくはアリール基、R8 、R9 およびR10はそれぞ
れ独立して低級アルキル基またはフッ素原子を含有する
低級アルキル基)で示されるオルガノトリアルコキシシ
ランを、または一般式(2)で示されるオルガノトリア
ルコキシシランと 一般式(3):R11SiOR8 OR9 OR10 (式中、R11は水素原子、低級アルキル基、アルケニル
基またはアリール基、R8 、R9 およびR10はそれぞれ
独立して低級アルキル基またはフッ素原子を含有する低
級アルキル基)で示されるオルガノトリアルコキシシラ
ンとを有機溶剤に溶解する工程、(b)えられる溶液を
超純水を用いて冷却下で加水分解、脱水縮合する工程、
(c)えられる脱水縮合物を超純水で洗浄する工程を含
む一般式:(4)
【0010】
【化4】
【0011】(式中、R1 およびR2 のいずれか一方は
必ずフッ素原子またはフッ素原子を含有する低級アルキ
ル基、アルケニル基もしくはアリール基、他方は水素原
子、フッ素原子、低級アルキル基、アルケニル基、アリ
ール基またはフッ素原子を含有する低級アルキル基、ア
ルケニル基もしくはアリール基、R3 、R4 、R5 およ
びR6 はそれぞれ独立して水素原子、低級アルキル基ま
たはフッ素原子を含有する低級アルキル基、mは5〜6
00の整数)で示され、ナトリウム、カリウム、鉄、
銅、鉛、マグネシウム、マンガンおよび塩素のいずれの
含有量も1ppm以下であり、かつウランおよびトリウ
ムのいずれの含有量も1ppb以下である高純度シリコ
ーンラダープレポリマーの製造方法にも関する。
【0012】このばあい、工程(a)が、一般式
(5):R12SiCl3(式中、R12はフッ素原子、フ
ッ素原子を含有する低級アルキル基、アルケニル基もし
くはアリール基で示されるオルガノトリクロロシラン
を、または一般式(5)で示されるオルガノトリクロロ
シランと 一般式(6):R13SiCl3 (式中、R13は水素原子、低級アルキル基、アルケニル
基またはアリール基)で示されるオルガノトリクロロシ
ランとの混合物を有機溶剤に溶解する工程であるのもよ
い。
【0013】また、本発明は、前記方法によりえられる
高純度シリコーンラダープレポリマーを有機溶媒に溶解
し、えられる溶液に求核試薬を添加して脱水縮合させ、
ついでえられる脱水縮合物を溶解再沈法によって精製す
る前記式(1)(ただし、n=10〜10000)で示
される高純度シリコーンラダーポリマーの製造方法にも
関する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、一般式:(1)
【0015】
【化5】
【0016】(式中、R1 およびR2 のいずれか一方は
必ずフッ素原子またはフッ素原子を含有する低級アルキ
ル基、アルケニル基もしくはアリール基、他方は水素原
子、フッ素原子、低級アルキル基、アルケニル基、アリ
ール基またはフッ素原子を含有する低級アルキル基、ア
ルケニル基もしくはアリール基、R3 、R4 、R5 およ
びR6 はそれぞれ独立して水素原子、低級アルキル基ま
たはフッ素原子を含有する低級アルキル基、nは5〜1
0000の整数)で示され、ナトリウム、カリウム、
鉄、銅、鉛、マグネシウム、マンガンおよび塩素のいず
れの含有量も1ppm以下であり、かつウランおよびト
リウムのいずれの含有量も1ppb以下である高純度シ
リコーンラダーポリマーに関する。なお、このポリマー
は、後述するプレポリマーおよびポリマーAを含む。
【0017】本発明においては、プレポリマーからポリ
マーAが生成される。まず、ポリマーAについて説明す
る。高純度シリコーンラダーポリマーAは、前記式
(1)において、R1 およびR2 のいずれか一方は必ず
フッ素原子、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル
基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、
ヘプタフルオロプロピル基などのフッ素原子含有低級ア
ルキル基、トリフルオロビニル基、ペンタフルオロアリ
ル基、ヘプタフルオロプロピニル基などのフッ素原子含
有アルケニル基、4−フルオロフェニル基、4−トリフ
ルオロメチルフェニル基などのフッ素原子含有アリール
基であり、他方は水素原子、フッ素原子またはフッ素原
子を含有する前記低級アルキル基、アルケニル基もしく
はアリール基である。ここで、「低級アルキル基」の
「低級」とは、炭素数が1〜7個であることをいう。な
お、置換フッ素原子の数には特に制限はなく、各ユニッ
トごとにR1 およびR2 は異なっていてもよい。
【0018】なかでも、炭素数が少ないという点から、
フッ素原子、トリフルオロメチル基、4−フルオロフェ
ニル基であるのが好ましい。
【0019】また、R3 、R4 、R5 およびR6 はそれ
ぞれ独立して水素原子、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基などの低級アルキル基または
フッ素原子で置換された前記低級アルキル基である。な
かでも、炭素数が少ないという点から、水素原子、メチ
ル基、エチル基、プロピル基であるのが好ましい。
【0020】nは10〜10000の整数であるが、有
機溶媒への溶解性、有機溶媒への溶解後の分子量安定性
という点から、10〜8000であるのが好ましく、さ
らに600〜8000であるのが特に好ましい。
【0021】ここで、式(1)においてR1 、R2 、R
3 、R4 、R5 およびR6 ならびにnの好ましい組み合
わせを例示する。
【0022】(例1)R1 :フッ素原子、R2 :フッ素
原子、R3 :水素原子、R4 :水素原子、R5 :水素原
子、R6 :水素原子、n:10〜8000。
【0023】この組み合わせによるシリコーンラダーポ
リマーは、炭素を含んでいないという点で好ましい。
【0024】(例2)R1 :フッ素原子、R2 :フッ素
原子、R3 :トリフルオロメチル基、R4 :トリフルオ
ロメチル基、R5 :トリフルオロメチル基、R6 :トリ
フルオロメチル基、n:10〜8000。
【0025】この組み合わせによるシリコーンラダーポ
リマーは、末端が水酸基でないという点で好ましい。
【0026】(例3)R1 :4−フルオロフェニル基、
2 :4−フルオロフェニル基、R3 :水素原子、
4 :水素原子、R5 :水素原子、R6 :水素原子、
n:10〜8000。
【0027】この組み合わせによるシリコーンラダーポ
リマーは、厚い膜の形成が可能という点で好ましい。
【0028】つぎに、本発明の高純度シリコーンラダー
ポリマーAの製造方法について説明する。
【0029】本発明においては、まず一般式(4):
【0030】
【化6】
【0031】(式中、R1 およびR2 のいずれか一方は
必ずフッ素原子またはフッ素原子を含有する低級アルキ
ル基、アルケニル基もしくはアリール基、他方は水素原
子、フッ素原子、低級アルキル基、アルケニル基、アリ
ール基またはフッ素原子を含有する低級アルキル基、ア
ルケニル基もしくはアリール基、R3 、R4 、R5 およ
びR6 はそれぞれ独立して水素原子、低級アルキル基ま
たはフッ素原子で置換された低級アルキル基、mは5〜
600の整数)で示される高純度シリコーンラダープレ
ポリマーを製造する。なお、式(4)中の置換基R1
2 、R3 、R4、R5 およびR6 は式(1)中のもの
と同じである。
【0032】本発明においては、かかる高純度シリコー
ンラダープレポリマーの製造方法として2種類の方法が
ある。
【0033】本発明の高純度シリコーンラダープレポリ
マーの第一の製造方法は、(a)オルガノトリアルコキ
シシランを有機溶剤中に溶解し、(b)冷却下で塩化水
素含有超純水を用いて冷却下で加水分解および脱水縮合
させ、ついで(c)えられる脱水縮合物を超純水で洗浄
することからなる。
【0034】ここで、本発明における前記方法において
用いることのできるオルガノトリアルコキシシランと
は、 一般式(2):R7 SiOR8 OR9 OR10 (式中、R7 はフッ素原子、フッ素原子で置換された低
級アルキル基、アルケニル基もしくはアリール基、
8 、R9 およびR10はそれぞれ独立して低級アルキル
基またはフッ素原子で置換された低級アルキル基)で示
されるオルガノトリアルコキシシラン(以下、「オルガ
ノトリアルコキシシランA」ともいう)、 オルガノトリアルコキシシランAと 一般式(3):R11SiOR8 OR9 OR10 (式中、R11は水素原子、低級アルキル基、アルケニル
基またはアリール基、R 8 、R9 およびR10はそれぞれ
独立して低級アルキル基またはフッ素原子で置換された
低級アルキル基)で示されるオルガノアルコキシシラン
(以下、「オルガノアルコキシシランBともいう)との
混合物である。混合物として用いるばあいのオルガノア
ルコキシシランAとオルガノアルコキシシランの混合比
(モル比)は1:99〜99:1であればよい。
【0035】ここで、式(2)におけるR7 は、フッ素
原子を含有する低級アルキル基、アルケニル基もしくは
アリール基であり、前記式(1)におけるR1 について
列挙したものと同じでよい。また、式(3)におけるR
11のうち低級アルキル基、アルケニル基、アリール基に
ついては、式(1)におけるものと同じでよい。
【0036】また、R8 、R9 およびR10はそれぞれ独
立して低級アルキル基またはフッ素原子を含有する低級
アルキル基であり、具体的には前述したものと同じでよ
い。
【0037】式(2)で示されるオルガノアルコキシシ
ランAとしては、特に制限はないが、たとえばフルオロ
トリメトキシシラン、フルオロトリエトキシシラン、フ
ルオロトリプロポキシシラン、トリフルオロメチルトリ
メトキシシラン、トリフルオロメチルトリエトキシシラ
ン、トリフルオロメチルトリプロポキシシラン、3−モ
ノフルオロメチルプロピルトリメトキシシラン、3−モ
ノフルオロメチルプロピルトリエトキシシラン、3−モ
ノフルオロメチルプロピルトリプロポキシシラン、3,
3,3−トリフルオロメチルフェニルトリメトキシシラ
ン、3,3,3−トリフルオロメチルフェニルトリエト
キシシラン、3,3,3−トリフルオロメチルフェニル
トリプロポキシシランなどがあげられ、なかでも炭素数
が少ないという点から、フルオロトリメトキシシラン、
フルオロトリエトキシシラン、トリフルオロメチルトリ
メトキシシラン、トリフルオロメチルトリエトキシシラ
ンを用いるのが好ましい。
【0038】また、式(3)で示されるオルガノアルコ
キシシランBとしては、特に制限はないが、たとえばト
リメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキ
シシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリ
プロポキシシラン、2−フェニルビニルトリメトキシシ
ラン、2−フェニルビニルトリエトキシシラン、2−フ
ェニルビニルトリプロポキシシラン、3−フェニルアリ
ルトリメトキシシラン、3−フェニルアリルトリエトキ
シシラン、3−フェニルアリルトリプロポキシシラン、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリプロポキシシラン、アリルトリメトキシ
シラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリプロポ
キシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエ
トキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルト
リメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチル
トリプロポキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラ
ン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルト
リプロポキシシランなどがあげられ、なかでも炭素数が
少ないという点から、トリメトキシシラン、トリエトキ
シシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエト
キシシランを用いるのが好ましい。
【0039】前記方法の工程(a)においては、前記オ
ルガノアルコキシシランを有機溶媒に溶解させる。この
有機溶媒は、後述する工程えられる加水分解物を溶解し
うる非水系有機溶媒であれば特に制限はなく、たとえば
メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンなどのケ
トン、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテルなどの
エーテル、キシレン。トルエン、ベンゼンなどの芳香族
炭化水素などがあげられ、それぞれ単独でまたは任意に
組み合わせて用いることができる。なかでも、電子工業
用の高純度のもの(ELグレード)を用いるのが好まし
い。
【0040】有機溶媒中における前記オルガノアルコキ
シシランの濃度としては、0.005〜0.3g/lの
範囲となるように適宜選択すればよい。当該濃度が0.
005g/ml未満であると、つづく工程(b)におけ
る脱水縮合の反応速度が遅くなり、えられるプレポリマ
ーの分子量が低くなって、工程(c)における洗浄後、
有機相と水相を分離しにくくなる。また、0.3g/m
lを超えると、工程(b)における加水分解時に発生す
る熱が発散しにくく、部分的に脱水縮合の反応速度に変
化が生じ、えられるプレポリマー中に不規則な構造部分
が生じうる。好ましくは、0.05〜0.2g/mlで
あるのがよい。
【0041】つぎに、工程(b)においては、前記工程
(a)においてえられた溶液に、塩化水素を含む超純水
を用いて冷却下で加水分解および脱水縮合させる。
【0042】工程(b)においては、塩化水素含有超純
水に含まれる水によって前記オルガノアルコキシシラン
が加水分解し、ついで、塩化水素含有超純水に含まれる
塩化水素が触媒として働き、加水分解されたオルガノア
ルコキシシランが脱水縮合して高純度シリコーンラダー
プレポリマーを生成する。
【0043】ここで、塩化水素を含む超純水について説
明する。
【0044】まず、本発明においていう超純水とは、比
抵抗が16MΩ・cm以上の水のことをいう。かかる超
純水は、蒸留し、イオン交換樹脂層中を通すなどの方法
によってうることができる。
【0045】つぎに、本発明における前記塩化水素含有
超純水には、工程(a)においてえた溶液中のオルガノ
アルコキシシラン1モルに対して0.01〜0.23モ
ルとなるように塩化水素を含有させる。0.01モル未
満のばあいは、触媒効果が低く、脱水縮合の反応速度が
低くなり、0.23モルを超えると、添加量に見合った
触媒効果がえられず、逆に脱水縮合反応を阻害する傾向
にあるからである。そして、塩化水素は、前記オルガノ
トリアルコキシシランを加水分解させ、ついで脱水縮合
させるための触媒としての役割を果たす。
【0046】塩化水素含有超純水を用いて加水分解およ
び脱水縮合させる方法としては、工程(a)でえられた
溶液に、冷却下で、撹拌しながら塩化水素含有超純水を
滴下させればよい。
【0047】このときの冷却温度としては、−30〜+
40℃であればよい。−30℃より低いばあいは、滴下
した塩化水素含有超純水が凝固して加水分解が有効に進
行せず、+40℃を超えると、加えた塩化水素の発散が
進行しやすくなって加水分解が速やかに進行しないから
である。さらに、反応速度を制御しやすいという点か
ら、−20〜+30℃であるのが好ましい。
【0048】また、撹拌および滴下の方法としては、常
法であってよい。
【0049】工程(b)における反応が終了したのち、
反応液は有機溶媒相と水相とに分離し、ついで工程
(c)において、えられる脱水縮合物を超純水で洗浄す
る。
【0050】具体的には、まず前記反応液から、分液漏
斗などを用いて下相の水相を除去し、プレポリマーを含
む有機溶媒相を回収する。かかる有機溶媒相を超純水に
よって洗浄する。ここで用いる超純水は、前記工程
(b)において用いたものと同じでよい。
【0051】工程(c)における洗浄方法としては、特
に制限はなく、従来からの方法を用いることができる。
なかでも、有機溶媒相を同じ量の超純水と混合し、撹拌
または振とうしたのち、再度有機溶媒相を取り出す方法
があげられる。
【0052】かかる洗浄方法を採用するばあい、プレポ
リマー中のナトリウムイオン、カリウムイオン、塩素イ
オン、カルシウムイオン、鉄イオン、銅イオン、鉛イオ
ン、マグネシウムイオンなどの不純物を除去するという
点から、洗浄操作を3回以上繰り返して行うのが好まし
い。洗浄回数の上限としては特に制限はないが、原料中
に含まれる不純物量は少ないという点から、5回程度で
あればよい。
【0053】このように、不純物が簡単な洗浄方法によ
って除去されるのは、本発明のプレポリマーが梯子型構
造を有しており、不純物が分子中に取り込まれにくいか
らであると考えられる。
【0054】なお、前述のようにしてえられる高純度シ
リコーンラダープレポリマーは、前記式(4)で示さ
れ、式(4)中、mは5〜600であるが、初期の反応
速度は速いという点から、10〜600であるのが好ま
しい。mは、当業者であれば、原料濃度、超純水量、加
水分解時間、加水分解温度、反応時間などを適宜選択す
ることによって制御することができる。
【0055】つぎに、本発明の高純度シリコーンラダー
プレポリマーの第二の製造方法について説明する。第二
の製造方法においては、前記第一の方法において、出発
物質であるオルガノトリアルコキシシランのかわりに、 一般式(5):R12SiCl3 (式中、R12はフッ素原子、フッ素原子を含有する低級
アルキル基、アルケニル基もしくはアリール基で示され
るオルガノトリクロロシラン(以下、「オルガノトリク
ロロシラン」ともいう)、 前記オルガノトリクロロシランAと 一般式(6):R13SiCl3 (式中、R13は水素原子、低級アルキル基、アルケニル
基またはアリール基)で示されるオルガノトリクロロシ
ラン(以下、「オルガノトリクロロシランB」ともい
う)との混合物を用いる。オルガノトリクロロシランA
とオルガノトリクロロシランBとの混合比(モル比)は
1:99〜99:1であればよい。
【0056】ここで、式(5)におけるR12はフッ素原
子、フッ素原子を含有する低級アルキル基、アルケニル
基もしくはアリール基であるが、フッ素原子を含有する
低級アルキル基、アルケニル基もしくはアリール基につ
いては、前記式(1)のRについて例示したものと同じ
でよい。
【0057】また、式(6)におけるR13は水素原子、
低級アルキル基、アルケニル基またはアリール基である
が、低級アルキル基、アルケニル基またはアリール基に
ついては、前記式(1)について例示したものと同じで
よい。
【0058】オルガノトリクロロシランAとしては、式
(5)を満たすものであれば特に制限はないが、たとえ
ばフルオロトリクロロシラン、トリフルオロメチルトリ
クロロシラン、3−トリフルオロメチルプロピルトリク
ロロシラン、3−トリフルオロメチルフェニルトリクロ
ロシランなどがあげられる。
【0059】また、オルガノトリクロロシランBとして
は、式(6)を満たすものであれば特に制限はないが、
たとえばトリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、
エチルトリクロロシラン、プロピルトリクロロシラン、
3−メチルフェニルトリクロロシランなどがあげられ
る。
【0060】かかる本発明の高純度シリコーンラダープ
レポリマーの第二の製造方法においては、出発物質とし
て前記オルガノトリクロロシランを用いるため、工程
(b)において用いる塩化水素含有超純水は塩化水素を
含んでいなくてもよい。塩化水素を含まないばあいであ
っても、原料が加水分解することにより塩化水素が発生
するという理由から脱水縮合反応が起こる。また、塩化
水素を含むばあいは、前記第一の方法におけるものと同
じでよい。
【0061】本発明の高純度シリコーンラダープレポリ
マーの第二の製造方法は、出発物質および塩化水素含有
超純水のほかは、第一の方法と同じでよい。
【0062】かくして、本発明の高純度シリコーンラダ
ープレポリマーをうることができる。
【0063】ついで、本発明においては、前述のように
してえられる高純度シリコーンラダープレポリマーを有
機溶媒に溶解し、えられる溶液に求核試薬を添加してさ
らに脱水縮合させ、脱水縮合物を溶解再沈法によって精
製し、前記式(1)(ただし、n=10〜10000)
によって示される高純度シリコーンラダーポリマーAを
製造する。
【0064】このときに用いる有機溶媒としては、前記
高純度シリコーンラダーポリマーAを溶解しうる非水系
有機溶媒であれば特に制限はなく、たとえばメチルイソ
ブチルケトン、メチルエチルケトンなどのケトン、ジエ
チルエーテル、イソプロピルエーテルなどのエーテル、
キシレン。トルエン、ベンゼンなどの芳香族炭化水素な
どがあげられ、それぞれ単独でまたは任意に組み合わせ
て用いることができる。なかでも、電子工業用の高純度
のもの(ELグレード)を用いるのが好ましい。
【0065】また、求核試薬としては、前記プレポリマ
ーに対して触媒作用をもち、前記プレポリマーをさらに
脱水縮合させて高分子量化を促進するものであればよ
く、たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化セシウムなどの水酸化物があげられる。
【0066】ここで、かかる求核試薬の使用量として
は、前記プレポリマーの0.005〜5重量%であれば
よい。0.005重量%未満であると、触媒活性が小さ
く、前記プレポリマーの反応速度が小さくなる。また、
5重量%を超えると、使用量に見合った効果がえられず
に不均一な反応が進行したり、求核試薬の存在で生じる
シロキサン結合の解離が優先して高分子量化しなくなる
傾向にある。また、反応速度を制御しやすいという点か
ら、0.01〜3重量%であるのが好ましい。
【0067】前記プレポリマーを含む溶液に求核試薬を
添加してさらに脱水縮合させるばあい、加熱下で行な
う。このときの加熱温度としては、反応速度を制御しや
すいという点から、40〜200℃であればよく、さら
に、50〜150℃であるのが好ましい。
【0068】また、加熱時間としては、長時間反応させ
てもあまり分子量が大きくならずむしろ立体規則性がく
ずれる可能性があるという点から、0.5〜20時間で
あればよく、さらに、1〜10時間であるのが好まし
い。
【0069】かくしてえられる脱水縮合物(シリコーン
ラダーポリマー)は求核試薬、原料、有機溶媒などに起
因する不純物を含んでいる。そこで、本発明において
は、かかる脱水縮合物を溶解再沈法によって精製する。
【0070】この溶解再沈法とは、不純物を含有する物
質を良溶媒に溶解させた溶液を、貧溶媒に徐々に滴下し
て再沈殿させる方法をいう。
【0071】前記良溶媒としては、たとえばテトラヒド
ロフランなどがあげられ、不純物混入をさけるという点
から、あらかじめ蒸留、濾過などによって精製しておく
のが好ましい。特に、濾過に用いるフィルターの孔径と
しては0.5μm以下であるのが好ましい。
【0072】また。貧溶媒としては、たとえばメチルア
ルコールなどがあげられる。この貧溶媒についても、E
Lグレードの高純度のものを用いるのが好ましい。
【0073】本発明においては、前記脱水縮合物の濃度
が2〜15重量%となるように良溶媒と前記脱水縮合物
を混合する。2重量%未満のばあいは、シリコーンラダ
ーポリマーが再沈しにくく、精製が困難となる。また、
15重量%を超えると、濃度が高すぎて求核試薬が分子
間に取り込まれやすくなり、再沈して精製することが困
難となる傾向にある。
【0074】つぎに、良溶媒と混合したシリコーンラダ
ーポリマー溶液を貧溶媒に滴下する。シリコーンラダー
ポリマーを沈殿させるこのとき、イオンのみがアルコー
ル溶媒に溶解するという機構によって、シリコーンラダ
ーポリマーに含まれる不純物が除去される。
【0075】滴下の方法としては、不純物イオンの除去
効率という点から、撹拌しながら滴下するのが好まし
い。このときの貧溶媒の使用量としては、容量でシリコ
ーンラダーポリマー溶液の5〜20倍程度であるのが好
ましい。5倍未満であると不純物イオンを除去しにく
く、また20倍を超えると溶媒が無駄になる。
【0076】本発明においては、シリコーンラダープレ
ポリマーの不純物を除去するために、前記操作を3〜5
回程度繰り返して行なう。
【0077】かくして、式(1)(ただし、n=10〜
10000)で示されるナトリウム、カリウム、鉄、
銅、鉛、マグネシウム、マンガンおよび塩素それぞれの
含有量が1ppm以下であり、ウランおよびトリウムそ
れぞれの含有量が1ppb以下である、本発明の高純度
シリコーンラダーポリマーAをうることができる。
【0078】本発明の高純度シリコーンラダーポリマー
Aは、表面保護膜材料、層間絶縁膜材料などの半導体用
周辺材料、LCD用周辺材料、光伝送材料、接着剤など
に好適に用いることができる。
【0079】以下に実施例を用いて本発明をより詳しく
説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものでは
ない。
【0080】
【実施例】実施例1〜7 (高純度シリコーンラダープレポリマーの製造)オルガ
ノトリアルコキシシランAおよびBならびにELグレー
ドの溶媒を表1に示す配合量で配合した溶液を滴下漏
斗、温度計および撹拌棒を取り付けた2リットルの4つ
口フラスコへ移し、表1に示す温度(加水分解温度)に
冷却した。冷却および撹拌下で表1に示す量の塩化水素
含有超純水を徐々に滴下した。なお、塩化水素含有超純
水としては、蒸留し、その後イオン交換樹脂層中を通し
て、または蒸留せずにイオン交換樹脂層中を通してえ
た、比抵抗16MΩ・cmの超純水に塩化水素を表1に
示すモル数を含有させたものを用いた。このときの発熱
はあまり激しくなく、この滴下を0.5〜2時間かけて
行なった。滴下終了後、2時間撹拌を継続し、加水分解
および脱水縮合反応を完結させた。えられたプレポリマ
ー溶液を分液漏斗に移し静置してプレポリマー溶液を2
相に分離させた。下相の水相を除去し、プレポリマーを
含む有機相を回収した。この有機相に該有機相と同容量
の超純水を加えて振とうして洗浄した。この操作を5回
繰り返して本発明の高純度シリコーンラダープレポリマ
ー1〜7をえた。
【0081】[評価] イオンクロマトグラフィー分析装置(横川北辰電機
(株)製、品番:IC−500)により、洗浄後のプレ
ポリマーに含有された不純物量を分析したところ、実施
例1〜7でえられたプレポリマー中の塩素イオンの含有
量はいずれも1回目の洗浄後では約1000ppm、3
回目の洗浄後には、1ppm以下であった。また、カリ
ウムイオン濃度も洗浄にともない減少し、3回目の洗浄
後には、1ppm以下であった。
【0082】つぎに実施例1〜7でえられた各プレポ
リマーの重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー(日本分光(株)製、品番:TRI−RO
TAR−)にて測定した。その結果を式(1)中のnと
ともに表1に示す。また、3回洗浄した後のプレポリマ
ーの不純物量は、表2に示すようにナトリウム、カリウ
ム、鉄、銅、鉛および塩素の各含有量が1ppm以下で
あり、ウラン、トリウムの各含有量が1ppb以下であ
った。
【0083】つぎに実施例1〜7でえられた各プレポ
リマーの構造を赤外線分光法(日本分光(株)製、品
番:FT/IR−111型)で調べたところ、1100
cm-1付近にシロキサン結合のブダルピークが見られる
(ジャーナル オブ ポリマーサイエンス(196年
刊、C−1巻、83ページ)ことから、これらのプレポ
リマーはいずれも一般式(1)で表わされる構造を有す
ることが確認された。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】比較例1〜4 表3に示す配合量、加水分解温度とするほかは、実施例
1〜7と同様にして、表3に示す種々のオルガノトリア
ルコキシシランの加水分解を行なった。比較例1、3で
は、加水分解温度が55℃と低く、滴下した超純水は凝
固して加水分解反応が進行せず、分子量がきわめて小さ
かった。また比較例2、4では、加水分解温度が50℃
と高く、超純水とともに滴下する塩化水素の蒸発が激し
く、この場合も加水分解反応は進行しなかった。したが
って、溶液は水洗によって精製することはできなかっ
た。
【0087】
【表3】
【0088】実施例8〜14 (高純度シリコーンラダーポリマーの製造)表4に示す
配合量および条件にかえたほかは実施例1と同様にして
合成した高純度プレポリマーを含む溶液をテフロン撹拌
棒、デーンスタークトラップおよび温度計をつけた石英
ガラス製2リットルの4つ口フラスコに移し、メタノー
ル(ELグレード)に溶解した濃度0.05g/mlの
KOH溶液を、プレポリマーに対する量が表4に示す量
となるように求核試薬として添加して、加熱下で表4に
示す時間反応を行なった。
【0089】所定の時間加熱した反応溶液は放冷後、ポ
リマー成分含有量が表4に示す濃度となるように、精製
したテトラヒドロフランを加え、充分に撹拌して溶液と
した後、10倍量のメチルアルコール(ELグレード)
に滴下し、高分子量のシリコーンラダーポリマーの沈澱
物を回収した。沈澱物を乾燥後、前述で用いたものと同
じ所定の濃度のテトラヒドロフラン溶液とし、沈澱させ
てシリコーンラダーポリマーを回収した。この操作を4
回繰り返した。
【0090】このようにして合成した高分子量シリコー
ンラダーポリマーについて、実施例1と同様にして重量
平均分子量および不純物の量を評価した。結果を表5に
示す。表5からわかるように高純度のシリコーンラダー
ポリマーがえられた。また、不純物イオン濃度は再沈回
数の増加にともない減少した。
【0091】
【表4】
【0092】
【表5】
【0093】実施例15〜21 表6に示す配合量および条件にかえたほかは実施例1と
同様にして合成した高純度プレポリマーを含む溶液をテ
フロン撹拌棒、デーンスタークトラップおよび温度計を
つけた石英ガラス製2リットルの4つ口フラスコに移
し、メタノール(ELグレード)に溶解した濃度0.0
5g/mlのKOH溶液を、プレポリマーに対する量が
表6に示す量となるように求核試薬として添加して、加
熱下で表6に示す時間反応を行なった。
【0094】所定の時間加熱した反応溶液は放冷後、ポ
リマー成分含有量が表6に示す濃度となるように、精製
したテトラヒドロフランを加え、充分に撹拌して溶液と
した後、10倍量のメチルアルコール(ELグレード)
に滴下し、高分子量のシリコーンラダーポリマーの沈澱
物を回収した。沈澱物を乾燥後、前述で用いたものと同
じ所定の濃度のテトラヒドロフラン溶液とし、沈澱させ
てシリコーンラダーポリマーを回収した。この操作を4
回繰り返した。
【0095】このようにして合成した高分子量シリコー
ンラダーポリマーについて実施例1と同様にして重量平
均分子量および不純物の量を評価した。結果を表7に示
す。表7からわかるように高純度のシリコーンラダーポ
リマーがえられた。また、不純物イオン濃度は再沈回数
の増加にともない減少した。
【0096】
【表6】
【0097】
【表7】
【0098】比較例5〜11 表8の配合量および条件にかえたほかは比較例1と同様
にして種々のトリクロロシランの加水分解を行なった。
えられた加水分解物は、低分子量のために水洗によって
は精製することはできず、そのまま表8に示す量のKO
Hを触媒として添加し、所定時間加熱して脱水縮合反応
を行なった。加水分解物はわずかに重合したので、水洗
によって精製したが、表9に示すように不純物濃度は高
かった。
【0099】
【表8】
【0100】
【表9】
【0101】表1〜表9の結果より、本発明の製造方法
によれば、不純物であるナトリウム、カリウム、塩素、
鉄、銅、鉛、マグネシウム、マンガン、ウランおよびト
リウムの含有量がきわめて少ない高純度の、また高分子
量のシリコーンラダーポリマーをうることができること
がわかる。
【0102】
【発明の効果】本発明によれば、不純物が少なく分子量
の大きい高純度シリコーンラダーポリマーをうることが
できる。
【0103】請求項1記載の本発明によれば、半導体用
材料としての保護膜、絶縁膜に好適な高純度シリコーン
ラダーポリマーをうることができるという効果を奏す
る。
【0104】請求項2記載の本発明によれば、立体規則
性の良好な高純度シリコーンラダープレポリマーをうる
ことができるという効果を奏する。
【0105】請求項3記載の本発明によれば、立体規則
性の良好な高純度シリコーンラダーポリマーをうること
ができるという効果を奏する。
【0106】請求項4記載の本発明によれば、高純度シ
リコーンラダーポリマーをうることができるという効果
を奏する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式:(1) 【化1】 (式中、R1 およびR2 のいずれか一方は必ずフッ素原
    子またはフッ素原子を含有する低級アルキル基、アルケ
    ニル基もしくはアリール基、他方は水素原子、フッ素原
    子、低級アルキル基、アルケニル基、アリール基または
    フッ素原子を含有する低級アルキル基、アルケニル基も
    しくはアリール基、R3 、R4 、R5 およびR6 はそれ
    ぞれ独立して水素原子、低級アルキル基またはフッ素原
    子を含有する低級アルキル基、nは5〜10000の整
    数)で示され、ナトリウム、カリウム、鉄、銅、鉛、マ
    グネシウム、マンガンおよび塩素のいずれの含有量も1
    ppm以下であり、かつウランおよびトリウムのいずれ
    の含有量も1ppb以下である高純度シリコーンラダー
    ポリマー。
  2. 【請求項2】 (a)一般式(2):R7 SiOR8
    9 OR10 (式中、R7 はフッ素原子またはフッ素原子を含有する
    低級アルキル基、アルケニル基もしくはアリール基、R
    8 、R9 およびR10はそれぞれ独立して低級アルキル基
    またはフッ素原子を含有する低級アルキル基)で示され
    るオルガノトリアルコキシシランを、または一般式
    (2)で示されるオルガノトリアルコキシシランと 一般式(3):R11SiOR8 OR9 OR10 (式中、R11は水素原子、低級アルキル基、アルケニ
    ル基またはアリール基、R8 、R9 およびR10はそれぞ
    れ独立して低級アルキル基またはフッ素原子を含有する
    低級アルキル基)で示されるオルガノトリアルコキシシ
    ランとを有機溶剤に溶解する工程、(b)えられる溶液
    を超純水を用いて冷却下で加水分解、脱水縮合する工
    程、(c)えられる脱水縮合物を超純水で洗浄する工程
    を含む一般式:(4) 【化2】 (式中、R1 およびR2 のいずれか一方は必ずフッ素原
    子またはフッ素原子を含有する低級アルキル基、アルケ
    ニル基もしくはアリール基、他方は水素原子、フッ素原
    子、低級アルキル基、アルケニル基、アリール基または
    フッ素原子を含有する低級アルキル基、アルケニル基も
    しくはアリール基、R3 、R4 、R5 およびR6 はそれ
    ぞれ独立して水素原子、低級アルキル基またはフッ素原
    子を含有する低級アルキル基、mは5〜600の整数)
    で示され、ナトリウム、カリウム、鉄、銅、鉛、マグネ
    シウム、マンガンおよび塩素のいずれの含有量も1pp
    m以下であり、かつウランおよびトリウムのいずれの含
    有量も1ppb以下である高純度シリコーンラダープレ
    ポリマーの製造方法。
  3. 【請求項3】 工程(a)が、一般式(5):R12Si
    Cl3(式中、R12はフッ素原子またはフッ素原子を含
    有する低級アルキル基、アルケニル基もしくはアリール
    基で示されるオルガノトリクロロシランを、または一般
    式(5)で示されるオルガノトリクロロシランと 一般式(6):R13SiCl3 (式中、R13は水素原子、低級アルキル基、アルケニル
    基またはアリール基)で示されるオルガノトリクロロシ
    ランとの混合物を有機溶剤に溶解する工程である請求項
    2記載の高純度シリコーンラダープレポリマーの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載の方法によりえら
    れる高純度シリコーンラダープレポリマーを有機溶媒に
    溶解し、えられる溶液に求核試薬を添加して脱水縮合さ
    せ、ついで該脱水縮合物を溶解再沈法によって精製する
    請求項1記載の高純度シリコーンラダーポリマー(ただ
    し、式(1)中、n=10〜10000)の製造方法。
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