JPH0557290B2 - - Google Patents

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JPH0557290B2
JPH0557290B2 JP63089428A JP8942888A JPH0557290B2 JP H0557290 B2 JPH0557290 B2 JP H0557290B2 JP 63089428 A JP63089428 A JP 63089428A JP 8942888 A JP8942888 A JP 8942888A JP H0557290 B2 JPH0557290 B2 JP H0557290B2
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phenyltrialkoxysilane
phenyl silicone
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Hiroshi Adachi
Etsushi Adachi
Osamu Hayashi
Kazuo Okabashi
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は高純度フエニルシリコーンラダーポリ
マーの製造法に関する。さらに詳しくは本発明は
半導体などの保護膜、層間絶縁膜などとして使用
しうる高純度フエニルシリコーンラダーポリマー
およびその製造法に関する。 [従来の技術] 従来よりフエニルシリコーンラダーポリマーは
耐熱性ポリマーとしてよく知られているが、電子
デバイスへの応用を目的とした高純度のフエニル
シリコーンラダーポリマーを製造する技術はまだ
確立されていない。 従来のフエニルシリコーンラダーポリマーの製
造プロセス(特公昭40−15989号公報、特開昭50
−111197号、特開昭50−111198号公報および特開
昭57−18729号公報参照)によれば、末端水酸基
を有するフエニルシリコーンラダーポリマーをう
ることができるが、原料として用いられるフエニ
ルトリクロロシランの反応性がきわめて高く、空
気中の湿気と容易に反応して分解するおそれがあ
るため、その取り扱いに充分に注意をする必要が
ある。また、前記フエニルシリコーンラダーポリ
マーはフエニルトリクロロシランを有機溶剤中で
加水分解してえられる加水分解物を水洗いして加
水分解時に発生する多量の塩化水素を除き、その
後有機溶剤を留去して加水分解物(重量平均分子
量:約200)を回収し、さらに有機溶剤中で求核
試薬を用いて高温下で脱水縮合反応を行なうこと
によつて製造されているが、このようにして製造
されたフエニルシリコーンラダーポリマーは多量
の不純物を含んでいる。これは、高分子量化を固
相に近い状態で行なつたり(特公昭40−15989号
公報、特開昭50−111197号公報および特開昭50−
111198号公報参照)あるいはカルボジイミドなど
の触媒を多量に使用する(特開昭57−18729号公
報参照)など、不純物や副生成物が除去され難い
条件で製造されたことによるものである。 また反応性の低いフエニルトリエトキシシラン
を用いたばあいには(ジヤーナルオブポリマーサ
イエンス、28巻、17頁、1958年参照)、原料の取
り扱いは容易になるが、高分子量化されにくいと
いう問題がある。 [発明が解決しようとする課題] そこで本発明者らは、前記のごとく従来技術の
問題点に鑑みて、かかる問題点を解決するべく鋭
意研究を重ねた結果、原料としてフエニルアルコ
キシシランを用い、該原料の有機溶剤溶液に少量
の塩化水素を含む超純水を滴下して加水分解を行
ない、えられた加水分解物を超純水で水洗して塩
化水素を除去し、しかるのちにこの加水分解物を
含む溶液に少量の求核試薬を用いて撹拌化脱水縮
合反応を行ない高分子量化し、反応終了後に電子
工業用などの高純度のメタノール中に反応溶液を
滴下して反応生成物を沈澱して回収したばあい、
取り扱いの容易なフエニルトリアルコキシシラン
を原料として半導体の保護膜、層用絶縁膜などに
用いうる膜形成が可能な高純度フエニルシリコー
ンラダーポリマーがえられることを見出し、本発
明を完成するにいたつた。 [課題を解決するための手段] すなわち、本発明はナトリウム、カリウム、
鉄、銅、鉛および塩素の各含有量が1ppm以下で
ある一般式(): (式中、R1〜R4はそれぞれ低級アルキル基、
nは6〜1000の整数を示す)で表わされる高純度
フエニルシリコーンラダーポリマーの製造法に関
する。 [実施例] 本発明の製造法によれば、ナトリウム、カリウ
ム、鉄、銅、鉛および塩素の各含有量が1ppm以
下、ウラン、トリウムの各含有量が1ppb以下で
ある一般式(): (式中、R1〜R4はそれぞれ低級アルキル基、
nは6〜12の整数を示す)で表わされる高純度フ
エニルシリコーンラダーポリマーは、フエニルト
リアルコキシシランを有機溶剤に溶解し、冷却下
で微量の塩化水素を含有する純水を滴下して該フ
エニルトリアルコキシシランを加水分解したの
ち、えられた加水分解物(以下、プレポリマーと
いう)が超純水で洗浄することによつてえられ
る。 一般式()中、R1〜R4は低級アルキル基で
あるが、かかる低級アルキル基としては、たとえ
ば、メチル基、エチル基、プロピル基などがあげ
られる。 本発明のフエニルシリコーンラダーポリマーの
原料には、フエニルトリアルコキシシランを減圧
下でチツ素気流中で蒸留して精製したものが用い
られる。該フエニルトリアルコキシシランとして
は、たとえば、フエニルトリエトコキシシラン、
フエニルトリメトキシシラン、フエニルトリプロ
ピルシランなどがあげられる。これらのアルコキ
シシランは、水分に対する反応性が小さく、大気
中に放置しても変化しにくく、しかも加水分解や
重縮合などを生じにくいという性質を有するもの
である。 前記フエニルトリアルコキシシランは、まずは
じめに有機溶剤に溶解される。該フエニルトリア
ルコキシシランの有機溶剤溶液中における濃度に
ついてはとくに限定はないが、通常有機溶剤溶液
中において、えられるプレポリマーの濃度が0.1
〜0.3g/mlとなるように調整されるのが好まし
い。かかるプレポリマーの濃度は0.1g/ml未満
であるばあい、重合反応速度が遅く、また0.3
g/mlをこえるばあい、プレポリマー中に不規則
な構造が導入されやすくなる。 前記有機溶剤としては加水分解物を溶解しうる
非水系溶剤が用いられる。かかる有機溶剤の具体
例としては、たとえばメチルイソブチルケトン、
メチルエチルケトンなどのケトン類;ジエチルエ
ーテル、イソプロピルエーテルなどのエーテル
類;キシレン、トルエン、ベンゼンなどの芳香族
炭化水素などがあげられる。これらのなかでは電
子工業用高純度医薬品(ELSSグレード)が好ま
しい。 つぎにフエニルトリアルコキシシランを有機溶
剤に溶解した有機溶剤溶液には微量の塩化水素を
含有した超純水が滴下される。 ここで前記超純水とは、不純物ができるかぎり
除かれた比抵抗が16MΩ・cm以上の純水をいう。 前記超純水に含有される塩化水素の量は、フエ
ニルトリアルコキシシラン1モル部に対して0.02
〜0.23モル部となるように調整される。かかる塩
化水素量が0.02モル部未満であるばあい、塩化水
素が脱水縮合反応の触媒として働く効果が小さい
ので反応速度が遅くなり、また0.23モル部をこえ
るばあい、さらに添加した量に見合つただけの触
媒として働く効果がえられないのみならず、かえ
つて脱水縮合反応の進行を阻害する傾向がある。 前記有機溶剤溶液を冷却するときには、該有機
溶剤溶液の温度は0〜30℃、なかんづく5〜20℃
となるように調整されるのが好ましい。かかる温
度は、0℃よりも低いばあい、滴下した超純水が
凝固し、加水分解が有効に進行しなくなる傾向が
あり、また30℃をこえるばあい、加えた塩化水素
が発散しやすくなるので加水分解がすみやかに進
行しなくなる傾向がある。 なお、超純水を滴下し終えたあとには、加水分
解反応を完結するためにさらに3時間程度の撹拌
を継続するのが好ましい。 反応終了後、反応液は有機溶剤相と水相の二相
に分離する。つぎにたとえば分液漏斗などを用い
て下相の水相を除去し、プレポリマーを含む有機
溶剤相を回収する。 回収された有機溶剤相は、つぎに超純水によつ
て洗浄されるが、本発明はかかる洗浄方法によつ
て限定されるものではなく、公知の種々の方法が
採用されうる。その一例をあげれば、たとえば有
機溶剤相を同容量の前記超純水と混合し、撹拌あ
るいは振とうしたのち、有機溶剤相をとり出す方
法があげられる。かかる洗浄方法を採用したばあ
いには、前記した洗浄の操作を3回以上繰り返し
て行なえばプレポリマー中のナトリウムイオン、
カリウムイオンをはじめ、フエニルトリアルコキ
シシラン加水分解時に添加した塩素イオンが容易
に取り除かれる。これらの不純物が除去されるの
は、えられたプレポリマーが梯子型構造を有する
ものであり、不純物が分子中に取り込まれにくい
ためであると考えられる。なお、前記プレポリマ
ーは、分子量が小さく、適当な溶媒を用いた通常
の沈殿法によつては回収することができないの
で、溶剤を留去して乾固し粉末として回収するの
が好ましい。 かくしてナトリウム、カリウム、鉄、銅、鉛お
よび塩化水素の各含有量が1ppm以下であり、ウ
ランおよびトリウムの各含有量が1ppm以下であ
る重合度(n)が6〜12の前記一般式()で示され
る高純度フエニルシリコーンラダーポリマーが回
収される。 また、前記一般式()において、重合度(n)が
13〜1000である高純度フエニルシリコーンラダー
ポリマーは、前記プレポリマーを含む有機溶剤相
をたとえばフツ素樹脂製撹拌棒、還流冷却器およ
びデーンスタークトラツプを備えた石英ガラス製
フラスコに移し、つぎに該フラスコ内に求核試薬
を添加し、加熱することにより脱水縮合せしめて
えられた高分子量物を溶解再沈法によつて精製す
ることによりえられる。 前記求核試薬としては、K、Na、Csなどの水
酸化物があげられる。好ましくはELSSグレード
の水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの求核
試薬を用いるのがよい。該触媒量はプレポリマー
に対して0.05〜5重量%であるのが好ましい。該
求核試薬量は0.05重量%未満であるばあい、触媒
活性が小さくなつてプレポリマーの反応速度が小
さくなり、また5重量%をこえるばあい、求核試
薬の存在で生じるシロキサン結合の解離が優先し
て高分子量化しなくなる傾向があり、さらに求核
試薬が不純物として残留することになる。 つぎに前記求核試薬が添加された有機溶媒相中
で、プレポリマーは還流下脱水縮合される。この
際還流時間は1時間以上であるのが好ましい。還
流時間は1時間よりも短いばあいには、反応があ
まり進まないことがある。 かくして重合度(n)が13〜1000である前記一般式
()で示されるフエニルシリコーンラダーポリ
マーがえられる。該ポリマーの重合度(n)は、溶媒
と触媒の種類およびそれらの使用量ならびに縮合
反応時間を適宜選択することにより調整される。 なお、えられたフエニルシリコーンラダーポリ
マーには、求核試薬が不純物として微量ながら含
有されているため、溶解再沈法によつて精製され
る。 前記溶解再沈法とは、不純物を含有する溶質を
良溶媒に溶解させた溶液を貧溶媒に徐々に滴下し
て再沈殿させる精製方法をいう。前記良溶媒とし
ては本発明においてエーテル系の溶媒が用いられ
る。かかる良溶媒の代表例としてはテトラヒドロ
フランがあげられる。なお、該良溶媒は、あらか
じめ蒸留され、ついで開孔径が0.5μmのフイルタ
ーで濾過されていることが好ましい。 前記貧溶媒としては本発明においてはアルコー
ル系の溶媒があげられる。かかる貧溶媒の代表例
としてはメチルアルコールがあげられる。なお、
該貧溶媒としては、ELSSグレードの高純度のも
のを用いることが望ましい。 前記良溶媒は、前記フエニルシリコーンラダー
ポリマーを含む反応溶液に前記フエニルシリコー
ンラダーポリマーの濃度が2〜8重量%となるよ
うに添加される。かかるフエニルシリコーンラダ
ーポリマーの濃度は2重量%未満であるばあい、
フエニルシリコーンラダーポリマーが再沈しがた
く精製するのが困難となり、また8重量%をこえ
るばあい、濃度が高すぎて求核試薬が分子間に取
り込まれやすくなるために、再沈させて精製する
ことが困難となる傾向にある。 つぎに良溶媒が添加されるフエニルシリコーン
ラダーポリマーを含む反応溶液は貧溶媒に徐々に
滴下される。かかる貧溶媒は、前記反応溶液に対
して該貧溶媒の容量が5〜20倍となるように添加
されるのが好ましい。該貧溶媒の溶量が5倍未満
であるばあい、不純物イオンを除去しがたくな
り、また20倍をこえるばあい、溶媒が無駄とな
る。なお、前記貧溶媒が徐々に滴下されるのは不
純物イオンの除去を効率よくするためである。 かくして貧溶媒へ添加することにより沈殿さ
れ、回収されたフエニルシリコーンラダーポリマ
ーは、さらに前記と同様にして良溶媒に溶解さ
れ、ついで貧溶媒に滴下して沈殿物として回収さ
れる。この精製の操作を3〜5回くりかえすと求
核試薬の含有量は1ppm以下となる。 かくしてナトリウム、カリウム、鉄、銅、鉛お
よび塩化水素の各含有量が1ppm以下であり、ウ
ランおよびトリウムの各含有量が1ppm以下であ
る重合度(n)が13〜1000の前記一般式()で示さ
れる高純度フエニルシリコーンラダーポリマーが
えられる。 つぎに本発明の高純度フエニルシリコーンラダ
ーポリマーの製造法を実施例に基づいてさらに詳
細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限
定されるものではない。 実施例 1〜9 原料のフエニルトリエトキシシランを14mmHg
の減圧チツ素気流下で116〜118℃で蒸留した。蒸
留したフエニルトリエトキシシラン240.39gおよ
び第1表に示す量のELSSグレードの溶剤を配合
した溶液を滴下漏斗、温度計および撹拌棒を取り
つけた2容の4つ口フラスコへ移し、第1表に
示す温度(加水分解温度)に冷却した。つぎにか
かる温度が維持されるように冷却しながら撹拌下
で第1表に示す量の純水を1〜2時間かけて徐々
に滴下した。このとき、発熱は激しくなかつた。
滴下終了後、さらに撹拌を3時間継続し、加水分
解反応を完結させた。このプレポリマー溶液を分
液漏斗に静置し、プレポリマー溶液を二層に分離
させた。つぎに下層の水層を除去し、プレポリマ
ーを含む有機層を回収した。この有機層に該有機
層と同体積の超純水を加えて振とうして洗浄し
た。この洗浄操作を5回繰返したのち、イオンク
ロマトグラフイー分析装置(横河北辰電機(株)製、
品番:IC−500)により、洗浄後の水溶液を分析
したところ、実施例1〜9のいずれにおいても塩
素イオンの含有量は1回目の洗浄では5ppm、3
回目の洗浄では1ppm以下であつた。他の含有イ
オン濃度も洗浄にともなつて減少し、1ppm以下
となつた。 つぎに実施例1〜9でえられた各プレポリマー
の重量平均分子量でゲルパーミエーシヨンクロマ
トグラフイー(日本分光(株)製;品番TRI−
ROTAR−V1)にて測定した。その結果を第1
表に示す。また3回洗浄したあとのプレポリマー
の不純物含有量は第1表に示すようにナトリウ
ム、カリウム、鉄、銅、鉛および塩素の各含有量
が1ppm以下、放射性元素であるウランおよびト
リウムの各含有量が1ppm以下であつた。 つぎに実施例1〜9でえられた各プレポリマー
の構造を赤外分析法(日本分光(株)製、FT/1R−
111型)で調べたところ、1100cm-1付近にシロキ
サン結合のダブルピークが見られる(ジヤーナ
ル・オブ・ポリマーサイエンス(1963年刊)C−
1巻、83頁)ことから、これらのプレポリマーは
いずれも一般式(): (式中、R1〜R4およびnは前記と同じ)で表
わされる構造を有することが確認された。 実施例 10〜12 原料のフエニルトリメトキシシランを20mmHg
の減圧チツ素気流下で106〜108℃で蒸留した。蒸
留したフエニルトリメトキシシラン198.3gおよ
びELSSグレードの溶剤を第1表に示す配合量で
配合し、さらに第1表に示す温度で実施例1〜9
と同様にして加水分解してプレポリマーを合成
し、超純水で洗浄した。不純物含有量は第1表に
示すように低濃度であつた。 比較例 1〜3 第1表に示す配合量および加水分解温度とする
ほかは実施例1〜12と同様にしてフエニルトリア
ルコキシシランを加水分解した。加水分解温度が
−5℃のときは、滴下した純水は凝固して加水分
解反応が進行せず、えられたポリマーの分子量が
きわめて小さかつた。また加水分解温度が40℃の
ばあいには、純水とともに滴下する塩化水素の蒸
発が激しく、このばあいにも加水分解反応は進行
しなかつた。したがつて溶液は水洗によつて精製
することができなかつた。
【表】
【表】 実施例 13〜19 実施例1〜9の方法にしたがつて第2表の配合
量で合成した高純度プレポリマーを含む溶液を、
テフロン撹拌棒、デーンスタークトラツプおよび
温度計をつけた石英ガラス製2の4つ口フラス
コに移し、メタノール(ELSSグレード)に溶解
した濃度0.1g/mlのKOH溶液を第2表に示すよ
うに触媒として添加して、還流下で第2表に示す
時間反応を行なつた。この間の脱水量は約15ml
で、約1時間で留去された。 所定の時間加熱した反応溶液は放冷後、ポリマ
ー成分含有量が第2表に示す濃度となるように精
製したテトラヒドロフランを加え、充分に撹拌し
て溶液とした後、10倍量のメチルアルコール
(ELSSグレード)に滴下し、高分子量のフエニ
ルシリコーンラダーポリマーの沈澱物を回収し
た。沈澱物を乾燥後前述で用いたものと同じ所定
の濃度のテトラヒドロフラン溶液とし、再度メチ
ルアルコールに滴下し、沈澱させてフエニルシリ
コーンラダーポリマーを回収した。この操作を4
回繰返した。 このようにして合成した高分子量フエニルシリ
コーンラダーポリマーの分子量をゲルパーミエー
シヨンクロマトグラフイー(日本分光(株)製、品
番、TRI−ROTA−VI)で、ナトリウムイオン、
カリウムイオン、鉄イオン、銅イオン、鉛イオン
濃度を原子吸光分析装置(島津製作所(株)製、品
番:AA−670型)で、また塩素イオン濃度をイ
オンクロマトグラフイー(横河北辰電機(株)製、品
番:IC−500)で、放射性元素のウラン、トリウ
ムの各含有量を分光蛍光光度計(日立製作所(株)
製、品番:MPF−4型)で分析した結果を第2
表に示す。第2表からわかるように高純度のフエ
ニルシリコーンラダーポリマーがえられた。また
不純物イオン濃度は再沈回数の増加にともない減
少した。 また、えられたフエニルシリコーンラダーポリ
マーの耐熱性を下記の測定方法により求めた。そ
の結果を第2表に示す。 (熱分解開始温度) 熱天秤を用いて昇温速度10℃/minで空気中で
えられたポリマーを加熱して重量変化を調べ、重
量変化開始温度を測定した。 実施例 20〜25 実施例10〜12の方法にしたがつて、第2表の配
合量で合成した高純度プレポリマーを含む溶液
を、フツ素樹脂製撹拌棒、デーンスタークトラツ
プおよび温度計をつけた石英ガラス製2容の4
つ口フラスコに移し、メタノール(ELSSグレー
ド)に溶解した濃度0.1g/mlのKOH溶液を第2
表に示すように触媒として添加して、還流下、第
2表に示す時間反応を行なつた。所定の時間加熱
した反応溶液は放冷後、実施例13〜19と同様にし
て精製して回収した。 比較例 4〜6 比較例1〜3にしたがつてフエニルトリアルコ
キシシランの加水分解を行なつた。えられた加水
分解物はきわめて低分子量のために水洗によつて
は精製することはできず、そのまま第2表に示す
量の水酸化カリウムを触媒として加え、所定時間
加熱して縮合反応を行なつた。加水分解物はわず
かに重合したので、水洗によつて精製したが、第
2表に示すように不純物濃度は高かつた。
【表】
【表】 第1表および第2表の結果から明らかなように
本発明の製造法によれば、高純度フエニルシリコ
ーンラダーポリマー中のナトリウム、カリウム、
塩素、鉄、銅、鉛、ウランおよびトリウムなどの
不純物の含有量をきわめて少なくすることができ
る。 [発明の効果] 前記のように本発明の方法によれば、原料の取
り扱いが容易であり、きわめて高純度のフエニル
シリコーンラダーポリマーが容易に製造され、さ
らにえられた本発明の高純度フエニルシリコーン
ラダーポリマーはきわめてすぐれた耐熱性を有す
るので、半導体素子のバツシベーシヨン膜、バツ
フアコート膜、層間絶縁膜などに適用可能とな
り、半導体素子の信頼性の向上に寄与するという
効果を奏する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 フエニルトリアルコキシシランを、プレポリ
    マーの濃度が0.1〜0.3g/mlとなるように有機溶
    剤に溶解し、0〜30℃で微量の塩化水素を含有し
    た純水を滴下して該フエニルトリアルコキシシラ
    ンを加水分解したのち、超純水を用いて洗浄する
    ことを特徴とするナトリウム、カリウム、鉄、
    銅、鉛および塩素の各含有量が1ppm以下、ウラ
    ンおよびトリウムの各含有量が1ppb以下である
    一般式(): (式中、R1〜R4はそれぞれ低級アルキル基、
    nは6〜12の整数を示す)で表わされる高純度フ
    エニルシリコーンラダーポリマーの製造法。 2 フエニルトリアルコキシシランを、プレポリ
    マーの濃度が0.1〜0.3g/mlとなるように有機溶
    剤に溶解し、0〜30℃で微量の塩化水素を含有す
    る超純水を滴下して加水分解したのち、えられた
    加水分解物を超純水で洗浄し、加水分解物を含む
    溶液に求核試薬を添加して脱水縮合せしめてえら
    れた高分子量物を溶解再沈法によつて精製するこ
    とを特徴とするナトリウム、カリウム、鉄、銅、
    鉛および塩素の各含有量が1ppm以下、ウラン、
    トリウムの各含有量が1ppb以下である一般式
    (): (式中、R1〜R4はそれぞれ低級アルキル基、
    nは13〜1000の整数を示す)で表わされる高純度
    フエニルシリコーンラダーポリマーの製造法。
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WO2016104621A1 (ja) * 2014-12-25 2016-06-30 日本山村硝子株式会社 フェニル変性ハイブリッドプレポリマー、フェニル変性ポリジメチルシロキサン系ハイブリッドプレポリマー及びフェニル変性ポリジメチルシロキサン系ハイブリッドポリマー並びにそれらの製造方法

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