JPH0710910Y2 - ドアヒンジ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はドアヒンジ、詳細には自動車等乗物のドアヒ
ンジに係る。

（従来の技術） 従来の自動車等乗物用ドアヒンジは、従来の自動車サイ
ドドア部の概略を表す第９図に示す様に、ドア（９）
は、その端部を自動車ボデー（８）にヒンジを支点とし
て開閉可能に固定していた。

（考案が解決しょうとする課題） ところが自動車ボデーサイドの曲面形状が第６図、第７
図に示す様に、曲率の高いものが要求される様になる
と、従来のドアヒンジをそのまま使用するのでは、ヒン
ジ側ドア端部と自動車ボデーとの干渉をさけるためドア
開度が小さくなり、開いたときの足もとが狭くなる課題
を有した。

ドア開度を大きくするためには、ドア側面で一番膨らん
だドア最外側に近づけてドアヒンジを取付ける必要があ
るが、それではヒンジを２箇所に設けた場合の両ヒンジ
間のピッチが少なくなるため、強度を上げるには、ヒン
ジの重量が増したり、コストアップにつながり、あるい
は建付が困難となる等の課題を有した。

（課題を解決するための手段） この考案は、 ガイド部とスライド部とからなり、ガイド部は、ボデー
中心側ではボデー外側方向に連続するとともにドア近く
では方向を変えて折曲するガイドを有するガイドブラケ
ットと、ガイドブラケットのガイドによって動きを規制
される被ガイド物を有するブラケットとからなるととも
に、ガイドブラケットはボデー側に、ブラケットはドア
側に各々固定してなり、スライド部は軸受を有するとと
もにボデー側に固定するボデー側ヒンジと、ガイドのボ
デー外側方向に連続する部分と平行に軸受でボデー外側
方向にスライド可能に支承されるとともに一端でドア側
ヒンジを介してドアに固定するシャフトとからなること
を特徴とするドアヒンジ を提供する。

（作用） ドアを開く場合は、ドアの自由端部を外方へ押す。する
とブラケットの被ガイド物は、ガイドブラケットのガイ
ドに規制されながら移動し、ドア全体も被ガイド物の移
動に伴って同方向に移動する。

即ち、初めは被ガイド物ドア及びシャフトは、ボデー外
側方向に移動する。ついで、ガイドの折れ曲がり地点か
らは被ガイド物、シャフトは、外側への移動をやめ、ま
たドアも全体としての外側への移動はやめるが、シャフ
トをドアに固定するドア側ヒンジを支点として、ドアの
自由端を開く。被ガイド物はガイドにより動きは規制さ
れるため、ドアの開度もこのストッパーの機能で規制さ
れる。

ドアを閉とするときは、逆に順序で被ガイド物をガイド
することでおこなう。

（実施例） 以下この考案の実施例の斜視図を表す第１図（なお、第
１図において、ヒンジ（５）はシャフト（６）への取り
付け状態を明確にするため、シャフト（６）を回転中心
として180度回転させて図示する。）、第１図のＡ−Ａ
断面を表す第２図、部品図を表す第３図、第４図、第５
図、この実施例を使用した自動車の一部平面を表す第６
図、一部断面を表す第７図、平面一部概略を表す第８図
に従い説明する。

Ｂはガイド部、Ｃはスライド部である。この実施例で
は、スライド部Ｃは上下に２個設置してなる。ガイド部
Ｂは、ガイドブラケット（１）及びブラケット（３）か
らなり、ガイドブラケット（１）にはガイド（２）を、
ブラケット（３）には被ガイド物（４）を設けてなる。
ガイドブラケット（１）は、全体としては第３図に示す
様なくの字形からなり、その中央に、ｂ点で折り曲が
り、ａ乃至ｂ点とｂ乃至ｃ点では向きを異にする溝状か
らなるガイド（２）を設ける。ブラケット（３）も同様
全体としてほぼくの字形よりなり、ガイドブラケット
（１）に向いた面の端部には、ロール状の被ガイド物
（４）を突起させる。スライド部Ｃは、ボデー側ヒンジ
（５）及びシャフト（６）からなる。ボデー側ヒンジ
（５）には軸受を設け、シャフト（６）を軸支する。シ
ャフト（６）の先端には、水平方向に移動自在のドア側
ヒンジ（７）を取り付ける。

次に、被ガイド物（４）をガイド（２）に嵌合させなが
ら、かつシャフト（６）の向きは、ガイド（２）のａ乃
至ｂ点間の向きと平行に保たせながら、ガイドブラケッ
ト（１）、ヒンジ（５）は自動車ボデー（８）側に、ブ
ラケット（３）、ドア側ヒンジ（７）は自動車サイドド
アー（９）側に固定する。ガイドブラケット（１）は、
自動車ボデー（８）から室内側に突設させた棚状のリン
フォース（図示せず）上に取り付ける。

次に、実施例の作用について説明する。ドア（９）の自
由端部付近に設ける把手（10）をつかんでドア（９）を
外側に押す。すると被ガイド物（４）は、ローラがガイ
ドブラケット（１）のガイド（２）の溝に規制されなが
らａ点よりｂ点まで移動する。その間シャフト（６）も
同距離だけ外方に移動し、即ち、ドア（９）全体も、外
方へ移動する。被ガイド物（４）がガイド（２）のｂ点
まで来ると、外方への移動は停止するが、更に押すと、
ｂ点からｃ点へ移動する。

即ち、ドア側ヒンジ（７）のボデー外方への移動距離l₁
と等しい距離l₂をａ、ｂの延長上にとった点Ｏを中心と
した円弧上にｂ、ｃ間のガイドに設ける。このときシャ
フト（６）は、外方へは移動せずドア側ヒンジ（７）を
支点としてドア（９）は外方へ開く。

被ガイド物（４）をｃ点まで移動するとドア側ヒンジ
（７）を支点としてドアは開ききり、かつ被ガイド物
（４）はガイド（２）により動きは規制されるため、ド
ア（９）の開度もこのストッパーの機能で規制される。

この状態は、第８図に示す様に、ボデー（８）側面から
一度離した地点でドア側ヒンジ（７）を支点としてドア
は開閉するため、足もとを広くとることが可能となる。

ドア（９）を閉じるときは、逆の手順で操作することで
おこなう。

（考案の効果） 従って、この考案は、側面曲率の大きいドアに使用可能
な、ドアヒンジを提供する。

【図面の簡単な説明】

第１図（なお、第１図において、ヒンジ（５）はシャフ
ト（６）への取り付け状態を明確にするため、シャフト
（６）を回転中心として180度回転させて図示する。）
は、この考案の実施例の斜視図、第２図は第１図のＡ−
Ａ断面図、第３図、第４図、第５図は実施例図、第６
図、第７図、第８図は使用状態図、第９図は従来の使用
状態図である。 Ｂ……ガイド部、Ｃ……スライド部、（１）……ガイド
ブラケット、（２）……ガイド、（３）……ブラケッ
ト、（４）……被ガイド物、（５）……ボデー側ヒン
ジ、（６）……シャフト、（７）……ドア側ヒンジ、
（８）……自動車ボデー、（９）……自動車サイドドア
ー、（10）……把手。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ガイド部とスライド部とからなり、ガイド
   部は、ボデー中心側ではボデー外側方向に連続するとと
   もにドア近くでは方向を変えて折曲するガイドを有する
   ガイドブラケットと、ガイドブラケットのガイドによっ
   て動きを規制される被ガイド物を有するブラケットとか
   らなるとともに、ガイドブラケットはボデー側に、ブラ
   ケットはドア側に各々固定してなり、スライド部は軸受
   を有するとともにボデー側に固定するボデー側ヒンジ
   と、ガイドのボデー外側方向に連続する部分と平行に軸
   受でボデー外側方向にスライド可能に支承されるととも
   に一端でドア側ヒンジを介してドアに固定するシャフト
   とからなることを特徴とするドアヒンジ。