JPH07105718A - 導電性ポリマーと高分子電解質とからなる分子錯体およびその製造方法 - Google Patents

導電性ポリマーと高分子電解質とからなる分子錯体およびその製造方法

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JPH07105718A
JPH07105718A JP11203892A JP11203892A JPH07105718A JP H07105718 A JPH07105718 A JP H07105718A JP 11203892 A JP11203892 A JP 11203892A JP 11203892 A JP11203892 A JP 11203892A JP H07105718 A JPH07105718 A JP H07105718A
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Keimei Ryu
佳明 劉
Rinfu Son
林楓 孫
Shisei Yo
思成 楊
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Abstract

(57)【要約】 【構成】テンプレート化学重合により製造された分子錯
体を含む加工可能な導電性ポリマー組成物であって、分
子錯体が(A)高分子電解質および(B)導電性ポリマ
ーを含むことを特徴とする導電性ポリマー組成物。 【効果】優れた光学的性質、特別な形態及び良好な導電
性を有し、加工に有利な組成物を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性ポリマーと高分
子電解質とからなる分子錯体およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【発明の背景】導電性ポリマー(conductive
polymer)は、その新規な電気的及び光学的性
質のゆえに、近年研究がなされている〔アール.ビー.
カーナー及びエー.ジー.マクダイアミド、サイエンテ
ィフィック アメリカ(R.B.Kaner and
A.G.MacDiarmid,Scientific
America),258,106(1988)〕。導
電性ポリマーは電気的導電性を有しているため、導電性
ペイント(conductive paints)、可
撓性電気回路板(flexible electric
al circuit boards)中の電気接続
(electrical connection)、電
磁遮蔽(electromagnetic shiel
ding)、抗静電塗装(anti−electros
tatic coatings)などとして使用するこ
とができる。その光学的性質からは、光フィルター(l
ight filters)、薄膜偏光子(thin
film light polarizer)、色調の
変化する塗料(color variable pai
nt)及び非線形光学物質(nonlinear op
tical materials)としての応用が可能
となる。さらに、導電性ポリマーは、電気化学的な酸化
及び還元により可逆的にドーピングされたりドーピング
されない(doped or undoped)状態に
なり得る、電気的活性物質でもある。この性質により、
再充電可能なバッテリー、エレクトロクロミック・ディ
スプレイ装置(electrochromic dis
play devices)及びエレクトロクロミック
・ウィンドウ(electrochromic win
dows)としての応用が可能となる。
【0003】導電性ポリマー合成の一般的な方法によれ
ば、通常工業的加工には適さない加工困難な物質が導か
れる。例えば、導電性の形態のポリアニリンは溶媒に不
溶なので、溶液加工(solution−proces
sed)に供することは困難である。加熱すると、ポリ
アニリンは融解する前に分解するので、溶融加工(me
lt−processed)は行えない。他の導電性ポ
リマーも、同様に加工性を有しない問題があるため、導
電性ポリマーの実用的な適用には限界がある。
【0004】導電性ポリマーは、ドーピングされた導電
性の形態ではほとんどが不溶性である。脱ドーピングさ
れた(de−doped)絶縁性の形態に変換すること
により、若干可溶性にできる導電性ポリマーもある。例
えば、ドーピングされていないポリアニリンは、N−メ
チルピロリジノン及び80%酢酸に対して低い溶解性を
有している〔アンジェロプロスら(Angelopou
los et al)、Mol.Cryst.Liq.
Cryst.,vol.160,p.151−163
(1988)〕。この溶液から得られた物品は電気的に
導電性ではなく、導電性ポリマーに関連する特定の望ま
しい光学的性質に欠けている。該固形物の再ドーピング
(re−doping)は困難であり、ドーパント分子
(dopant molecules)の緻密な固形物
中への挿入によりフィルムに亀裂(cracking)
が生じやすい。
【0005】導電性の形態のポリアニリンの溶液を作成
する方法が工夫されてきた。エルゼンバウマー(Els
enbaumer)〔米国特許第4,983,322号
及び第5,006,278号〕は、特異的な酸化性ドー
パントと連結した極性の有機溶媒を用いて、ポリアニリ
ン(エメラルジン塩基(emeraldine bas
e))のドーピングされていない塩基の形態を溶解させ
た。該工程は、水性の酸性媒体中における導電性ポリマ
ーの合成、塩基処理、乾燥後、塩化第二鉄のニトロメタ
ン溶液に再溶解させる処理を含んでいる。該多段階工程
は幾分厄介であり、溶解の進行は遅い。さらに不利な点
は、熱(エバポレーション)により、あるいは有機溶媒
もしくは水に溶解することにより低分子量のドーパント
類がホスト高分子(host polymer)から比
較的容易に離れることができるため、生成された製品が
脱ドーピングされるかもしれないことである。
【0006】ドーパント類をさらに強く結合させて導電
性ポリマーを導電性の形態に保たせると同時に溶解性を
持たせるために、ポリアニリンを置換基を含有するスル
ホン酸基で官能化させる(functionaliz
e)試みがなされてきた。例えば、ポリ(アニリンスル
ホン酸)のようなスルホン化されたポリアニリンは、ス
ルホネート基が水分子と溶媒和しているため、強い酸性
及び塩基性水溶液に可溶である〔ジェー.ユー、エス.
エイチ.ワン、ケイ.アール.クロマック、エー.ジェ
イ.エプシュタイン、及びエー.ジー.マクダイアミ
ド、ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサエ
ティー(J.Yue,S.H.Wang,K.R.Cr
omack,A.J.Epstein,and A.
G.MacDiarmid,J.Am.Chem.So
c.),113,2665(1991)〕。又、長いア
ルキル鎖又はアルキルスルホン酸鎖(sulfonic
chain)は、有機溶媒又は水性溶媒中の溶解性を
増すために、ポリアニリンの芳香族環に共有結合させる
ことができる〔エル.エイチ.ダオ、エム.レクラー
ク、ジェイ.ゲイ及びジェイ.ダブリュー.シェヴァリ
エ(L.H.Dao,M.Leclerc,J.Gua
y and J.W.Chevalier),Synt
h.Metals, 29,E377(1989)〕。
残念ながら、スルホン酸基の強い電気的効果により生じ
る電子構造障害のため、又は無置換ポリアミンの比較的
平面である構造をねじり、パイ電子の共役(pi el
ectronic conjugation)を減少さ
せる、かさ高い置換基による立体障害のために、共有結
合した側鎖は常にポリアニリンの電気的及び光学的特性
に影響を及ぼしている。
【0007】他の方法は、導電性ポリマー(ポリピロー
ル及びポリアニリン)のコロイド粒子の形成を伴う。こ
の方法においては、立体安定化剤(steric st
abilizer)は、ポリピロール又はポリアニリン
の骨格(backbone)に化学的に結合している
〔エス.ピー.アームズ及びビー.ヴィンセント、ジャ
ーナル オブ ケミカル ソサエティー、ケミカル コ
ミュニケーションズ(J.Chem.Soc.,Che
m.Commun.)、p.288(1987);エ
ス.ピー.アームズ、ジェイ.エフ.ミラー及びビー.
ヴィンセント、ジャーナル オブ コロイド アンド
インターフェイス サイエンス(S.P.Armes
and B.J.F.Miller and B.Vi
ncent,J.Coll.Interface Sc
i.),118,410,(1987);ジャーナル
オブ ケミカル ソサイエティー、ケミカル コミュニ
ケーションズ(J.Chem.Soc.,Chem.C
ommun,)、88,(1989);アームズら(A
rmes et al)、米国特許第4,959,18
0号及び第4,959,126号〕。立体安定化剤は懸
濁液中でのコロイドの安定化を助けるため、プロトン化
されたビニルピリジン単位を使用しているので、コロイ
ドは塩基溶液中において凝集する。該コロイド粒子は、
薄いフィルムを流延(casting)するには適して
いるが、延伸又は溶融工程に充分な繊維形態(fibr
ous morphology)を有していない。
【0008】従来のエレクトロクロミック装置の研究で
は〔ヤンら(Yang et al)、米国特許第37
3,195号〕、電気化学的合成方法は望ましいカラー
スイッチングレスポンス(color−switchi
ng responses)によりエレクトロクロミッ
クポリアニリンを製造するために用いられた。該エレク
トロクロミック物質は、高分子電解質及び単量体アニリ
ンの溶液を電気分解することにより製造された〔フアン
グら、シンテティック メタルズ(Hwanget a
l,Synthetic Metals)、29、E2
71〜E276(1989);ツァングら、シンテティ
ック メタルズ(Zhang etal,Synthe
tic Metals)、29、E251〜E256
(1989);ツァングら、エムアールエス シンポジ
ウム プロシーディングス(Zhang et al,
MRS Symposium Proceeding
s)、(1990);ヒョウドーら、エレクトロケミカ
ル アクタ(Hyodoet al,Electroc
hemical Acta)、36、87〜91(19
91)〕。このような物質は、導電性ポリマー及び高分
子電解質を含む固形物である。電気化学的重合により作
られた物質は水及び他の有機溶媒に不溶であるため、溶
液加工に使用するのは困難である。電気化学的重合は、
大規模製造へと発展させるためには決して容易ではな
い。
【0009】本発明においては、加工に用途の広い高分
子電解質及び導電性ポリマーの分子錯体を形成するため
に、化学的重合を使用する。該合成方法は大量生産に適
しており、望ましい異なる性質の分子錯体提供するよう
に制御することができる。以下に、異なる加工性を有す
る新規物質及び合成方法を開示する: (1)導電性ポリマーの薄膜の流延及び噴霧に便利であ
る、導電性ポリマー錯体の水性及び非水溶液。 (2)コーティング、塗装、印刷又は配合(compo
unding)に有利である導電性ポリマー複合体のコ
ロイド懸濁液。 (3)延伸、溶融加工、又は配合に有利である導電性ポ
リマー複合体の固形状態。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、新規加工性物
質及びその製造のための新規手法を開示するものであ
る。これら新規加工性物質は、高分子電解質と導電性ポ
リマーとの間の分子錯体のファミリーに属する。新規手
法は、分子錯体が望ましい異なった特性を有するように
制御することが可能なテンプレート化学重合(temp
late−guided chemical poly
merization)の利用を含むものである。テン
プレート化学重合により作られたこれら新規物質は、良
好な光学的性質、特殊な形態、良好な導電性を持ち合わ
せており、加工にも有利である。
【0011】また、本発明は、以下の*〜*35を提
供するものである。 * テンプレート化学重合により製造された分子錯体を含む
加工可能な導電性ポリマー組成物であって、分子錯体が
(A)高分子電解質および(B)導電性ポリマーを含む
ことを特徴とする導電性ポリマー組成物。 * 成分(A)が全体として負の電荷を有する高分子電解質
であり、成分(B)が全体として正の電荷を有する導電
性ポリマーであるに記載の組成物。 * 成分(A)が全体として正の電荷を有する高分子電解質
であり、成分(B)が全体として負の電荷を有する導電
性ポリマーであるに記載の組成物。 * 成分(A)が全体として負の電荷を有する高分子電解質
であり、成分(B)が非導電性の電気的に中立の状態に
ある導電性ポリマーであるに記載の組成物。 * 成分(A)が全体として正の電荷を有する高分子電解質
であり、成分(B)が非導電性の電気的に中立の状態に
ある導電性ポリマーであるに記載の組成物。 * 成分(A)がカルボン酸基、スルホン酸基ならびにそれ
らの塩から選ばれたアニオン性官能基を有する下記のポ
リマーから選ばれた高分子電解質であるに記載の組成
物;ポリ(スチレンスルホン酸)およびその塩、ポリ
(アクリル酸)およびその塩、ポリ(2−アクリルアミ
ド−2−メチル−1−プロペンスルホン酸)およびその
塩、ポリ(ブタジエン−マレイン酸)およびその塩、ポ
リ(メタクリル酸)およびその共重合体。 * 成分(B)が下記のポリマーから選ばれた導電性ポリマ
ーであるに記載の組成物;ポリアニリン、ポリピロー
ル、ポリチオフェン、ポリ(フェニレンサルファイ
ド)、ポリ(p−フェニレン)、ポリ(フェニレンビニ
レン)、ポリ(フリレンビニレン)、ポリ(カルバゾー
ル)、ポリ(チエニレンビニレン)、ポリアセチレン、
ポリ(イソチアナフタレン)およびその置換体。 * (A)高分子電解質タイプ1、(B)高分子電解質タイ
プ2および(C)導電性ポリマーからなる分子錯体を含
む加工可能な導電性ポリマー組成物。 * 成分(A)および成分(B)がに記載の高分子電解質
から選ばれ、成分(C)がに記載の導電性高分子から
選ばれたに記載の組成物。 *10 成分(A)がポリ(アクリル酸)であり、成分(B)が
ポリ(スチレンスルホン酸)であり、成分(C)がポリ
アニリンであるに記載の組成物。 *11 成分(A)がポリ(スチレンスルホン酸)であり、成分
(B)がポリアニリンであるに記載の組成物。 *12 成分(A)がポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−
1−プロペンスルホン酸)であり、成分(B)がポリア
ニリンであるに記載の組成物。 *13 成分(A)がポリ(アクリル酸)であり、成分(B)が
ポリアニリンであるに記載の組成物。 *14 成分(A)がポリ(ブタジエン−マレイン酸)であり、
成分(B)がポリアニリンであるに記載の組成物。 *15 成分(A)がポリ(アクリル酸)であり、成分(B)が
ポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロペン
スルホン酸)であり、成分(C)がポリアニリンである
に記載の組成物。 *16 成分(A)がポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−
1−プロペンスルホン酸)であり、成分(B)がポリ
(スチレンスルホン酸)であり、成分(C)がポリアニ
リンであるに記載の組成物。 *17 成分(A)がポリ(スチレンスルホン酸)であり、成分
(B)がポリピロールであるに記載の組成物。 *18 乃至17のいずれかに記載の組成を有する分子錯体の
水性または非水性溶液或いはコロイド状懸濁液。 *19 乃至17のいずれかに記載の組成を有する分子錯体の
粉末、繊維または薄いフィルム。 *20 最初にテンプレートとしての機能を有する高分子電解質
とモノマー(ANとする)とを結合してテンプレート−
(AN)錯体を形成させた後、オキシダントによりモ
ノマーを酸化重合させて高分子電解質と導電性高分子と
からなる分子錯体を形成させることを特徴とする加工可
能な導電性ポリマー組成物の製造方法。 *21 テンプレートである高分子電解質を水性または非水性溶
媒に溶解して、テンプレートに対するANの結合を促進
する20に記載の方法。 *22 ANのオキシダントが以下の群から選ばれる20に記載
の方法;過硫酸ナトリウム、過酸化水素、塩化第二鉄、
過よう素酸ナトリウム、過酸化ベンゾイル、酸素、塩素
酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、臭素および塩素。 *23 ANのオキシダントが過酸化水素と塩化第二鉄との混合
物である20に記載の方法。 *24 導電性ポリマー製造用のモノマーに代えて二量体または
オリゴマーを使用する20に記載の方法。 *25 導電性ポリマー製造用のモノマー、二量体およびオリゴ
マーの混合物を使用する20に記載の方法。 *26 ANがアニリン、アニリン二量体、アニリンオリゴマー
または置換アニリンであり、下記の成分を含む酸性水性
媒体中で行なう20に記載の方法; 成分(A)…に記載された高分子電解質、および 成分(B)…22に記載されたANのオキシダント。 *27 ANのオキシダントが過酸化水素と塩化第二鉄との混合
物である26に記載の方法。 *28 高分子電解質の分子量が、高分子電解質−導電性高分子
の溶液、コロイド状分散液または固体を形成する様に、
制御されている20に記載の方法。 *29 高分子電解質のモノマー単位に対するANのモル比が、
高分子電解質−導電性高分子の溶液、コロイド状分散液
または固体を形成する様に、制御されている20に記載
の方法。 *30 高分子電解質の分子量が、光学的または電気的に異方性
の繊維またはフィルムを形成し得る様に延伸加工可能な
粘性ゲルまたは固体状繊維材料を合成できる様に制御さ
れている20に記載の方法。 *31 高分子電解質と導電性高分子との組成比を調整するため
に、2段階合成方法を採用する方法。 *32 溶剤が以下の群から選ばれる21に記載の方法;水、ア
セトン、メチルエチルケトン、酢酸、メタノール、エタ
ノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、
テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、N−メチ
ルピロリドン、ジメチルスルホキシド、およびこれらの
混合物。 *33 18 に記載の溶液またはコロイドをキャスティングまた
はスピンコーティングして、導電性高分子フィルムを形
成する方法。 *34 反応混合物から遊離の高分子電解質分子を除去する方法
であって、液液抽出および液固抽出を含む溶剤抽出を使
用する方法。 *35 溶剤が以下の群から選ばれる34に記載の方法;イソプ
ロピルアルコール、n−ブタノール、n−ペンタノー
ル、n−ヘキサノール、アセトンおよびメチルエチルケ
トン。分子錯体 導電性ポリマーが加工困難である理由を議論すること
は、本発明の分子錯体が可変性でかつ多様な加工性を有
することができる理由を理解するための助けになる。現
象及び原理は一般に他の導電性ポリマーに適用可能では
あるが、ここでは一例としてポリアニリンを使用する。
【0012】酸性媒体中では、ポリアニリンはその分子
骨格に陽性の電荷を有している。これらの電荷は、窒素
原子部位におけるプロトン化又はπ−電子系(π−el
ectronic system)におけるポラロン
(polarons)に由来するものである〔エー.ジ
ー.マクダイアミド、ジェイ.シー.シャン、エー.エ
フ.リヒター、エー.ジェイ.エプシュタイン、シンテ
ティック メタル(A.G.MacDiarmid,
J.C.Chiang,A.F.Richter,A.
J.Epstein,Synth.Metal)、
,285(1987);ピー.エム.マクメイナス、
エス.シー.ヤン及びアール.ジェイ.クッシュマン、
ジェイ.シー.エス.ケミカル ソサイエティー、ケミ
カル コミュニケーションズ(P.M.McManu
s,S.C.Yang and R.J.Cushma
n,J.C.S.Chem.Soc.,Chem.Co
mmun.)、1556,(1985);ピー.エム.
マクメイナス、アール.ジェイ.クッシュマン、エス.
シー.ヤン、ジャーナル オヴ フィジカル ケミスト
リー(P,M.McManus,R.J.Cushma
n,S.C.Yang,J.Phys.Chem.)、
91,744(1987);アール.ジェイ.クッシュ
マン、ピー.エム.マクメイナス、及びエス.シー.ヤ
ン、ジャーナル オヴエレクトロアナリュチカル ケミ
ストリー(R.J.Cushman,P.M.McMa
nus,and S.C.Yang,J.Electr
oanl.Chem.),291,335(198
6);エー.ジー.マクダイアミド、エー.ジェイ.エ
プシュタイン(A.G.MacDiarmid,A.
J.Epstein)、Faraday Discus
ss.Chem.Soc.,88,317(198
9)〕。ポリアニリンは、その陽性の電荷のためにポリ
カチオンであるにもかかわらず、その物理的性質は従来
の高分子電解質とは全く異なっている。例えば、伝統的
なポリカチオンであるポリ(ビニルベンジルトリメチル
アンモニウムクロライド)は、水に溶けるが、ポリアニ
リン分子(及び他の導電性ポリマーも同様)は加工困難
な固形物に凝集する傾向にある。伸びたパイ共役(pi
conjugation)による強固な分子骨格を有
するため、及び隣接したポリアニリン鎖のπ電子雲(π
clouds)間の強固な短い範囲の分子間引力(i
nter−molecular attractive
forces)を有するために、導電性ポリマーは加
工困難な固形物に凝集する。さらに、ドーピングされた
導電性ポリマーも同様に、荷電した高分子骨格とドーパ
ントとの間に長い範囲の引力を有している。これらの鎖
間引力(interchainattractive
forces)のために、導電性ポリマーは、加工の際
における溶解または溶融が困難となる。
【0013】従来の技術の箇所で既に記載したようにポ
リアニリンの骨格に置換基を結合させることにより溶解
性が得られるが、そのことにより導電性ポリマーのパイ
電子系が逆に妨害される。これらの問題は該置換基が導
電性ポリマーと共有結合を形成しているという事実から
生じているので、電子構造及び分子配座(molecu
lar conformation)への強い摂動(p
erturbation)が、化学的に置換されたポリ
アニリンの電子的及び光学的性質を低下させている。同
様の効果が、若干の例外を除いて、他の導電性ポリマー
において見受けられる。
【0014】本発明においては、導電性ポリマーを溶解
性にするが、導電性ポリマーのパイ電子系に対する妨害
を最小限にするために、導電性ポリマーと分子錯体を形
成する高分子電解質を使用する。図1の単純化した図解
的表現が、この点を例示する。単一の導電性ポリマー鎖
のセグメントが、図面中の曲線により示される。イオン
性官能基X(例えばX=SO)が溶解性の問題のた
め導電性ポリマーの骨格に共有結合しているとき(図
1)〔マクダイアミド(MacDiarmid)ら、ジ
ャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー
(J.Am.Chem.Soc.),113,2665
(1991);エル.エイチ.ダオ(L.H.Dao)
ら、Synth.Metals,29,E377(19
89)〕、導電性ポリマーのパイ電子系は妨害される。
分子錯体の形成(図1−b)は、化学的に置換された導
電性ポリマーに見られる強い妨害性共有結合の不存在の
ために溶解性錯体に導くが、導電性ポリマーのパイ電子
系に対しわずかな妨害しか行わない。
【0015】これらの分子錯体に基づく材料の他の利点
は、融通性である。この利点は、2種の成分の選択を、
材料の性質の微調整のために変えることができるという
事実からくるものである。高分子電解質部分と導電性ポ
リマー部分はいずれも材料の性質を調整するために候補
材料の大きなプールから選択できる。例示的な実施例と
して、本発明者はここに合成法及び異なる加工性の分子
錯体を開示する: (1)導電性ポリマーの薄膜の噴霧及び流延(cast
ing)に有用な導電性ポリマー錯体の水性または非水
溶液 (2)コーティング、塗装(painting)、印刷
または配合のために有利な導電性ポリマー錯体のコロイ
ド懸濁液 (3)延伸、溶融加工または配合のために有利な導電性
ポリマー錯体の固体状態。 合成的アプローチ:導電性ポリマーのテンプレート化学
重合 既述の新規加工性材料は、テンプレート化学重合により
合成される。
【0016】図2は、導電性ポリマーのテンプレート合
成の一般的な概念を示す。分子テンプレート(TEM
P、図1の太線)は、アニリンモノマー(ANまたはH
AN)に結合し、TEMP−(AN)分子錯体を形
成する。該研究で用いられるテンプレート分子は、アニ
オン性官能基を備えた高分子電解質である。ANとTE
MPの間の引力は、モノマーをテンプレート分子の円筒
容積(cylindrical volume)内に閉
じ込めるための(1)部位特異的結合(例えば、配位
力、水素結合、他の短距離の力)または(2)“特定領
域の結合”(territorial bindin
g)〔ジー.エス.マニング(G.S.Mannin
g),J.Chem.Phys. 51,924(19
69),及び89,3772(1988)〕である。マ
ニング(Manning)のカウンターイオン縮合の理
論によれば、適当な条件下で電解質溶液中のカウンター
イオン(この場合H.AN)はこの円筒容積内に濃縮
され、その結果H.ANモノマーは“特定領域に結合
され”る。TEMP−(AN)錯体の配座(conf
ormation)及び形状(例えばコイル、ロッド、
縮められまたは伸ばされた鎖)は、ANとTEMPの間
の静電的、疎水性及び他の相互作用により決定される。
それゆえ、異なるTEMP分子は、異なる配座及び形状
の錯体となり得る。選択されたTEMP分子でさえ、T
EMP−(AN)錯体形成の反応条件は、異なる性質
を有する異なるTEMP−(PAN)を提供し得る。
【0017】TEMPポリマーの結合部位を効果的にさ
らす溶媒(solution medium)を使用す
ることが重要である。伸ばされた鎖の配座を有利にする
溶媒は、結合部位をより多くさらすことになり、従って
TEMP−(AN)錯体を形成するためのTEMP上
ヘのANの負荷(loading)の程度を高めること
になる。そのため、Anモノマーを結合するために十分
にさらされた結合部位は、反応媒体中でTEMP−(A
n)錯体の均一な種を提供するためのキーポイントと
なり、次いで均質な形状及び性質の分子錯体TEMP−
PANとなるよう重合する。テンプレートの選択を変え
る能力及びTEMP−(AN)錯体形成の可変性のた
め、テンプレート化学重合法は、広い範囲の加工性の材
料を製造するのに使用される。
【0018】上記TEMP−(An)錯体は均一な種
(species)であり、そのためPAA−PAN錯
体の以下の実施例における小さいフィブリルは、均一な
形状となる。M.W.250000のPAAの分子錯体
の形態と、以下の実施例で二相法により製造されるそれ
は、それらが均一なTEMP−(An)錯体から製造
されるためほとんど同一であり、このこともテンプレー
ト化学重合により製造された分子錯体が、従来の電気化
学的重合〔フアング(Hwang)ら,シンテティック
・メタルズ(Synthetic Metals),2
9,E271−E276(1989);ツァング(Zh
ang)ら,シンテティック・メタルズ(Synthe
tic Metals),29,E251−E256
(1989);ツァング(Zhang)ら,エムアール
エス・シンポジウム・プロシーディングズ(MRS S
ymposium Proceedings),(19
90);ヒョードー(Hyodo)ら、エレクトロケミ
カル・アクタ(Electrochemical Ac
ta),36,87−91(1991)〕からのものと
異なることを示している。該電気化学的重合により製造
された材料は、導電性ポリマー及び高分子電解質を含む
固体であり、元素分析の結果はPAN比率が高いことを
示す。このことは、モノマーAnは、より高い分子量の
高分子電解質よりも重合されるべき電極表面に到着する
ために、より可動性であることを示している。従って、
電気化学的重合の過程は、均一なTEMP−(AN)
錯体を伴うテンプレート化学重合とは本質的に全く異な
っており、それらにより製造された分子錯体も全く異な
っている。以下の実施例中で、PSSA−PAN及びP
AMPSA−PANの分子錯体のDSC(示差走査熱量
計)の測定も、錯体形成を示している。
【0019】重合において、モノマーANは近接するA
Nと共有結合してポリアニリン(PAN)を形成し、T
EMP−PAN錯体を形成するようにテンプレートに付
着したままである。分子モデリング(molecula
r modeling)から、TEMP及びPAN分子
はTEMP−PANの分子錯体の状態で互いにからみつ
いていることが判る。少なくとも、TEMPn−とPA
m+の間の引力の一部は、静電的なものに起因する。
分子生物学者から容易に学べるように、水素結合、ファ
ンデルワールス引力または疎水性相互作用のような他の
力も、異なるTEMP分子に種々の重要さで役割を果た
している。
【0020】以下に例示される製剤によれば、TEMP
−PAN錯体は水溶性または安定なコロイド懸濁液また
は制御された均一な形態の固体である。TEMP−(A
N)錯体の形状はTEMP分子の選択によるため、生
成物の形態はテンプレート分子の選択にも依存してい
る。
【0021】プロトン化されたアニリンであるアニリニ
ウムイオンは、分子の一端に正の電荷を有し、他端に疎
水性の芳香族官能基を有している。TEMPとANの間
の引力は、イオン結合、特定領域の静電結合、水素結
合、ファンデルワールス引力または疎水性相互作用であ
る。図2の概略図は、可能な結合様式の幾つかのみを例
示している。異なる結合力の相対的重要性は、TEMP
の選択を変えるにつれて変化する。このことは、ポリマ
ーの形態及び錯体の他の性質を調節する機会を提供す
る。一度重合が完結してTEMP−PAN錯体が形成さ
れると、TEMPとPANの間の引力は、TEMPとA
Nの間のそれと同じであることも同じでないこともあり
得る。
【0022】錯体TEMP−PANについての一つの興
味深い実験的事実は、イオン結合がTEMPとPANの
間の結合力のすべてを説明しないことである。以下の実
施例1の議論は、PANが塩基性の電気的に中性な状態
に変換された場合でさえ錯体が解離しないため、異なる
結合力が存在することを示している。このことは、テン
プレート化学重合の概念が、イオン性TEMPとイオン
性PANとに限定されないことを示している。
【0023】上記記載において、アニリンモノマーは、
該原理を例示する特別な例として使用される。該概念
は、ANが他の導電性ポリマーの構成単位(bindi
ngblock)の場合にも容易に一般化できる。構成
単位がテンプレート分子に十分に引き付けられている限
り、テンプレート−(構成単位)錯体は重合性錯体へと
重合される。
【0024】TEMP−(ポリピロール)錯体の形成の
例は、テンプレート化学重合の概念を大きな努力なしに
どのように一般化するかを示すのに有用である。ピロー
ルはアニリンのような強力な塩基性部位を有しない。そ
れゆえ、TEMPとピロールの間のイオン性または水素
結合性引力を起こすプロトン化されたピロールモノマー
を使用することは困難である。しかしながら、モノマー
性ピロール溶液が酸化されると、オリゴマー化したピロ
ールが重合の完結の前に中間体として形成される。重合
速度及び溶媒の選択を調節することにより、オリゴマー
(Py)の妥当な定常状態の濃度が反応溶液中に現れ
る。(Py)は、Pyモノマーよりも低いイオン化ポ
テンシャル(酸化ポテンシャル)を有しており、それは
溶液中で安定な(一時的に働く(Arbeit tra
nsient))カチオンとして存在する。このこと
は、モノマーPyのプロトン化部位の必要なしにイオン
性構成単位(Py) を提供する。このオリゴマー性
構成単位は、テンプレート分子とのファンデルワールス
引力及び疎水性相互作用に加えて静電的結合を提供し、
そのためTEMP−((Py)錯体の形成がより
容易になる。次の重合により、TEMP−(ポリピロー
ル)錯体が導かれる。
【0025】上記戦略は、ポリチオフェン、ポリ(p−
フェニレン)、ポリ(フェニレンビニレン)などの他の
導電性ポリマーにも一般的な適用性を有する。一般的
に、導電性ポリマーの大部分は導電性の形態(ドーピン
グされたポリマー(p−doped))でのポリカチオ
ンである。これは、該ポリカチオンが周囲の環境で存在
するのに化学的に十分安定であることを示している。該
安定性は、ラジカル(ポラロン(polarons))
またはジカチオン(バイポラロン(bipolaron
s))が広がったパイオービタル結合のため共鳴的に安
定化されているという事実から来る。オリゴマー化した
カチオンが、十分な化学的安定性を有し、数時間から数
日のオーダーの半減期の安定性になるオリゴマー化した
カチオンを得るのが妥当である。そのようなオリゴマー
化したカチオンは、化学的分解の前にテンプレートに結
合し、化学重合を完結するために使用される。
【0026】
【実施例】テンプレート化学重合は、1:1の比率の成
分ポリマーの一本鎖錯体形成に制限的なものではない。
他の混合比及び各成分の種々のタイプも行われ、望まし
い特別な性質を有し得る。
【0027】溶解性分子錯体 実施例1 PSSA−PAN錯体の合成 PSSA−PAN錯体の合成のため、アニリン(アルド
リッチ製、再蒸留されたもの)2.7mlを、30%ポ
リ(スチレン−スルホン酸)溶液(ポリサイエンス(P
olysciences)、分子量70000)20g
中に加える。該溶液を30分攪拌した後、0.1M塩化
第二鉄 2ml及び30%H 2mlを、攪拌を
続けながら該溶液に加える。均一な緑色の溶液が形成さ
れる。水で30倍に希釈された該溶液の光学吸収スペク
トル(optical absorption spe
ctra)が、図3及び4の#1として示される。図3
は、PANが導体との電荷移動(ポラロン)に関係する
760及び420nmの光学吸収遷移を有する緑色の導
電性の形態にあることを示している。この点におけるよ
り希釈された溶液の吸収は、各々PAN及びPSSAの
公知のパイ−パイ遷移(pi−pi*transiti
on)と一致する230及び262nmの強い紫外線吸
収バンドを有する図4の曲線#1に示される。 PSSA−PAN分子錯体形成のための実験的裏付け 本発明者は、2つの目的で実施例1の反応生成物の性質
を調べるために今立ち止まる:(1)ポリマー性重合体
の存在の証拠を示すこと、及び(2)該分子錯体の有用
な性質を示すこと。この目的のため、本発明者は最初に
実質的に純粋なPSSA−PAN分子錯体を得るために
反応生成物を精製する。精製過程は、すべての遊離(錯
体となっていない)PSSAまたはPANを除去するこ
とを確実にするために、注意深くモニターされた(その
ような精製過程は、実際の適用には必要でないかもしれ
ない。例えば、上述の方法により調製された溶液は、P
SSA−PANの導電性の緑色のフィルムを流延するた
めに直接使用することができる)。この方法で精製され
たサンプルは、元素組成分析(elementalco
mposition analysis)、電子顕微鏡
及び他の物理的性質の分析に供せられる。 精製:実施例1で得られた溶液は、遊離のPSSA、ア
ニリンオリゴマー及び低分子量電解質を含み得る。該溶
液は、濾紙上にいかなる固体も残すことなく濾紙を通過
するため、錯体となっていないPANはほとんど或いは
まったくないように見える。元素分析(以下に示され
る)が上記不純物を含まないサンプルで行われたことを
確かめるために、本発明者は、PSSA及び低分子量の
有機化合物を除去するための溶媒抽出及び低分子量の電
解質を除去するための透析を含む精製を行った。
【0028】遊離のPSSAは、1−ペンタノールがP
SSAを溶解するがPSSA−PAN錯体は溶解しない
という事実に基づき、1−ペンタノールで抽出される。
実施例1で得られた深い緑色の溶液が、深い緑色のゲル
として沈殿する錯体を形成するよう50mlの1−ペン
タノール中に注がれる。ゲルまたは沈殿は、1−ペンタ
ノールが溶液中のPSSAだけでなく水も抽出するため
に形成される。該抽出物は、PANのいかなる緑色も示
さず、このことはPSSA−PAN錯体が1−ペンタノ
ールに実際極めて溶け難いことを示している(該抽出物
は、PSSAの出発物質由来の不純物のために明るい黄
色を示す)。抽出物を含むペンタノールの光学吸収スペ
クトルは、図4の曲線#1として示される。PSSAの
芳香環吸収の262nmのバンドが主なものであるた
め、該溶液は主にPSSAを含むものと見ることができ
る。図3及び図4に見られる760、420及び230
nmのPANの遷移は、図5では見られないことも注目
すべきである。このことは、1−ペンタノールが実際好
適にPSSAを抽出するが、PSSA−PANは抽出し
ないことを証明している。この知識により、本発明者
は、抽出を繰り返すことによりすべての錯体を形成して
いないPSSAをサンプルから除去することを確認でき
る。
【0029】抽出サイクルを繰り返すため、沈殿(また
はゲル)は、水50mlに再度溶解され、希釈されたサ
ンプル(以前と同一の希釈)の光学吸収スペクトルが図
3及び図4の曲線#2として示される。この溶液は、2
度目にPSSA−PAN錯体を沈殿させるため、1−ペ
ンタノール50mlで抽出された。該抽出物の光学吸収
スペクトルは、図5の曲線#2として示される。曲線#
2のPSSA吸収バンドは、曲線#1の約1/3であ
り、このことは、遊離PSSAの約2/3は1回の抽出
サイクルで除去されることを示している。
【0030】この抽出過程は、5回繰り返され、溶液の
スペクトルは、モニターされて図3、4及び5に示され
る。図6は、抽出が繰り返されるにつれてPSSAの2
62nmのバンドの吸収が減少することを示している。
実質的にすべての抽出可能なPSSAはサンプルから除
去されたと見ることができる。
【0031】幾つかの実施例において、1−ペンタノー
ル抽出物中のPSSAの量は、酸−塩基滴定により測定
され、結果は、上記に示される分光学的測定により定量
的である。
【0032】PSSAを含まないはサンプルは、次いで
低分子量電解質を除去するため水溶液中での反復透析
(分子量6000−8000で遮断される)に供せられ
る。この精製されたサンプルの水溶液は、次いでロータ
リーエバポレーター中70℃で先ず乾燥し、次いでオー
ブン中70℃で一夜乾燥した。精製された固体は、元素
分析用に粉末にすりつぶした。 元素分折 変化した合成条件で合成された2種類の異なる起源のP
SSAから幾つかのサンプルが、元素分析のためエム−
エイチ−ダブリュウ・ラボラトリーズ(M−H−W L
aboratories)(フェニックス,エイゼット
(Phoenix,AZ))に供された。 上記表から、該材料は一般的化学式: (CSOH):(CNH)1.0
(HO) を有すると結論することができる。
【0033】この一般的な経験式(empirical
formula)は、モノマーが化学式(−C
SOH−)及び(−CNH−)(PANの還元
された塩基の形態)を各々有するPSSA及びPANの
間の分子錯体と一致している。PANの異なる酸化及び
プロトネーション状態の化学式は、ドーピングの程度に
よりわずかに変化した水素原子含量を有する。該経験式
は、ポリマー錯体(錯体の70℃の緩和な乾燥下)に結
合した水分子を有するものとも一致している。上記のP
ANに関係した水素原子の量の不確実さ及び幾分吸湿性
のサンプルの操作の困難さのために水の量を正確に測定
することはできない。
【0034】上記元素分析の信頼性は、純粋なポリアニ
リン及び純粋なPSSAナトリウム塩であるブラインド
サンプルにより試験された。塩基の形態の純粋なポリア
ニリンは、以下の手順により合成及び精製された。 合成:アニリンモノマー10mlを3M−HCl 70
mlに加えて攪拌し、均一な溶液とし、次いで30%過
酸化水素水2.5ml及び0.1M FeCl2.5
mlを加えて重合し、緑色のポリアニリンの小粒子を得
た。 精製:粒状のPANを400mlの0.1M−HC1溶
液で3回洗浄し、次いで500mlのメタノールで洗浄
し、ポア3μmのポリカーボネートメンブレンフィルタ
ー(ポレティクス(Poretics)社製)で濾過し
た。該粒子を28.8%のアンモニア水で処理し、6時
間攪拌した。PANは紫色のドープされていない形態と
なり、水及びメタノールで洗浄し、次いで70℃で乾燥
した。上記PANの精製された塩基型の元素分析は、
C:75.38%,H:5.04%,N:14.63
%,SO灰分:0%,Cl:0%;であり、これはC
4.81.0の経験式を与える。十分に還元され
たポリアニリン塩基の期待される式は、CNであ
る。しかしながら、安定なポリアニリンは、キノーイミ
ン(quino−imine)単位の数の増加につれて
酸化の程度が変化する酸化された形態で存在する。最も
酸化された形態は、理論式CNを有する。
【0035】ポリサイエンス(Polyscienc
e)からの純粋なPSSAナトリウム塩のサンプルは、
元素分析に供され、C:38.97%,H:4.16
%,S:13.94%,NaSO灰分:37.86
%;を与え、経験式C9.541.05
3.84Na0.70を与える。これは、理論式C
Na*(HO)と一致している。
【0036】純粋なPAN及びPSSAナトリウム塩の
元素分析のこれらの結果は、上述のPSSA−PAN分
子錯体の元素分析結果が信頼できることを示している。
【0037】実施例1で合成された材料のより詳細な研
究は、上述のPSSA−PAN分子錯体のPAN部分
は、PSSAにすべて結合したポリアニリン分子の幾つ
かのセグメントからなることを示している。ANの重合
は、TEMP−(AN)錯体の幾つかの核形成部位
(nucleation site)で始まり、結果と
して得られるPANは鎖長の分布を有する。反応条件及
びタイプまたはテンプレート分子の配座を調整すること
により、錯体のPAN部分の分子量分布も調整し得る。
PANの平均分子量が低いとPSSA−PAN錯体を水
により溶けやすくすることができ、一方平均分子量が高
いとコロイドまたは不溶性固体の形成を導くことにな
る。 溶解性:上記錯体の乾燥粉末は、水、メタノールおよび
DMSOに容易に再溶解する。上記した試薬の比で製造
されたサンプルについては、PSSA−PAN錯体は、
真の溶液である。上記緑の溶液(green solu
tion)は、0.2μmのポアサイズのミリポアフィ
ルターを透過し、1.6×10g加速度での超遠心分
離で水又はメタノール溶液から沈殿しない。超遠心機に
使用される溶媒の比重は、水にメタノールを混合するこ
とにより、0.997〜0.79の間で変化させた。
【0038】該溶液は、通常の一連の、透明、緑、青、
および紫の色に亘る色変化を行うべく、酸化剤、酸、還
元剤、又は塩基により、化学的にドープ(dope)又
はアンドープ(undope)することができる。ドー
ピングおよびアンドーピングのサイクルは、可逆的であ
り、分子錯体の沈殿を誘発しない。UV−Vis領域に
おける光学吸収スペクトルは、薄膜に関して報告されて
いるものと実質的に同一である[ピー.エム.マクマナ
ス(P.M.McManus),アール.ジェイ.クッ
シュマン(R.J.Cushman)およびエス.シ
ー.ヤン(S.C.Yang),J.Phys.Che
m.,91,744(1987);アール.ジェイ.ク
ッシュマン(R.J.Cushman)、ピー.エム.
マクマナス(P.M.McManus)およびエス.シ
ー.ヤン(S.C.Yang),J.Electroa
nal.Chem.,291,335(1986)]。
このことは、水溶性ポリアニリンが、過去に報告された
フィルムと実質的に同一の電子構造を有していることを
示している。上記溶液は、ドープ又はアンドープして各
種の色の形態(ないし酸化状態およびプロトン化状態)
になるので、化学的および物理的に安定であるように思
われる。このことは、可溶性分子錯体は、プロトン化さ
れた又は脱プロトン化されたポリアニリンの形態で相互
に結合した状態にとどまることを示している。このこと
から、静電引力が上記錯体を結束させている唯一の力で
はなく、該錯体のコンポーネントの結合を同様に助長す
る他の相互作用(恐らく近距離力)が存在するかもしれ
ないことが示唆される。ポリアニリン骨格は、その脱プ
ロトン化された、青色の絶縁体形態では電荷を有してい
ないものと予想されるので、そのような状態のPSSA
−PAN錯体には、静電引力は存在しないであろう。
【0039】上記の記載において、PSSA−PANの
溶解性が、従来の方法で製造されたPANのそれと著し
く対照的であることが判る。PSSA−PANの乾燥粉
末は再溶解又は再分散できるが、従来のPANは取り扱
いにくい(intractable)ものである。
【0040】PSSA−PANの精製され乾燥された粉
末は、錯体を形成していないPAN粉末(uncomp
lexed PAN powder)とは全く異なると
いう性質をも有している。PSSA−PANおよびPA
Nの双方のサンプルが加熱された場合、前者は約270
℃にてガラス転移を行なうのに対して、PANは軟化又
は融解の何等の徴候をも示すこと無く分解する。固体の
DSCを測定した場合、PSSA−PAN錯体は、32
5℃にて熱吸収のブロードなピークを示す。他の興味深
い点は、PSSA−PANがPANに比し、加熱又はプ
ロトンの水抽出により遥かに脱ドープ(de−dop
e)されにくいことである。材料加工に有用であること
に加えて、これらの現象は、PSSA−PANが分子錯
体であって、PSSAとPANとの粒子状材料の単なる
ブレンドではないことを更に証明するものである。 形態学 実施例1において合成されたPSSA−PANの緑色が
かった(green−tinted)フィルムを、TE
M測定用のサンプルグリッド上に支持された薄膜フォル
ムバー(Formvar)サブストレート上に流延(c
asted)する。フィルムは、100K倍拡大まで均
質であり、特徴がない(featureless)よう
に思われる。 実施例2:ポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1
−プロペンスルホン酸)とポリアニリンとの分子錯体。
PAMPSA−PAN 合成:3.5mlのアニリンを、ポリ(AMPSA)
(10%水溶液、アルドリッチ(Aldrich)社
製)80gに添加し、30分間撹拌する。この溶液に、
10mlの2M硫酸、1.5mlの30%過酸化水素及
び1mlの0.1M塩化第二鉄を添加する。溶液は、ア
ニリンの重合により、緑色に変化する。室温で3時間反
応後、反応生成物を濾過する(ミリポアフィルター、
1.2μmのポアサイズ)。濾液は、透明な緑色溶液で
ある。遊離のポリ(AMPSA)を抽出により除去し、
アニリンオリゴマー、低分子量イオン類を繰り返し透析
することにより除去した。精製された溶液を、ロータリ
ーエバポレーション及び一夜70℃のオーブン中での乾
燥により乾燥させた。精製されたサンプルのDSCを測
定したところ、二つのブロードなピークが観測された。
その一方は210℃であり、他方は320℃である。こ
れらデータは、上記分子錯体が、溶融過程(meltp
rocess)を行なう機会を有することを示してい
る。
【0041】得られた粉末は、水、メタノール、エタノ
ール、DMSO、THFその他の極性溶媒に可溶であ
る。溶液からフォルムバー(Formvar)サブスト
レート上に流延された薄膜を走査型及び透過型電子顕微
鏡にて調べた。該フィルムは、100K倍拡大まで均質
であり、特徴がない(featureless)ように
思われる。 分子錯体のコロイド懸濁液(colloidal su
spension) 実施例3:ポリアクリル酸とポリアニリンとの分子錯
体。(PAA−PAN) 合成:市販のポリアクリル酸25m1(アルドリッチ
(Aldrich)社製、M.W.=90000。25
重量%水溶液)を200mlのテトラヒドロフラン(T
HF)に溶解して均質な透明溶液を得た。この溶液に、
過剰の新しく蒸留したアニリンを添加し、激しく撹拌し
て、アニリンとポリアクリル酸の分子錯体からなるゲル
を得た。該ゲル錯体を、30mlのTHFで2回洗浄
し、過剰のアニリンを除去し、200mlの1M HC
lに再溶解し、再度透明な溶液を得た。次いで、1ml
の30%過酸化水素及び5mlの5%塩化第二鉄を反応
混合物に添加した。1時間撹拌後、反応混合物は、若干
濁った暗緑色(dark green)に変化した。少
量の粒状物を定量グレードの濾紙(フィッシャーサイエ
ンティフィク(Fisher Scientifi
c)、Fisherbrand Cat.No.09−
790−2A、粒子保持(particle rete
ntion)2〜5μm)を用いて濾過することにより
除去し、ほぼ透明な暗緑色(dark green)溶
液を得た。
【0042】該見掛上透明な溶液は、実際に、2種の異
なるサイズのフィブリルのコロイド懸濁液を含んでい
た。参考図面1は、直径約50nm(スパッターコーテ
ィング厚を除く)、長さ2〜5μmの長いフィブリルの
走査型電子顕微鏡写真(SEM)を示す。これらフィブ
リルは、5μmのポリカーボネートメンブレンフィルタ
ー(Poretics,Co.Cat.No.1306
8)で再濾過することにより捕獲された。濾液は、参考
図面2に示すような直径約50nm、長さ100〜20
0nmの小さいフィブリルを含む透明な暗緑色(dar
k green)コロイド懸濁液である。該透過型電子
顕微鏡写真(TEM)は、1%モリブデン酸アンモニウ
ムの2%酢酸ナトリウム溶液をステイニング溶液として
使用することにより得られた。小さいフィブリルの直径
が、上記長いフィブリルのそれとほぼ同一であり、小さ
いフィブリルの形状が著しく均一であることは興味深い
ことである。このことは、TEMP−(An)錯体の
形成が非常に均質で均一であることを示している。
【0043】透明な暗緑色の溶液は、酸化−還元又は酸
−塩基反応によって色調を変えることができる。これを
希釈して、吸光度が3.00以下になるようにし、次い
で塩化スズ(II)、硫酸セリウムアンモニウム、及び
水酸化ナトリウムで滴定した。いくつかの代表的なイン
ジッツ スペクトル(in situ spectr
a)を図7及び8に示し、それぞれのスペクトルについ
ての静止電位(restpotential:R.
P.)及びpH値を表1に挙げた。
【0044】表1は、静止電位(Rest poten
tial)(R.P.)vs.SCE並びに図7及び図
8のスペクトルのpHを示す。
【0045】
【表1】 図7に示したスペクトルは、対応するpH及び電気化学
的電位において、電気化学的に合成したポリアニリンフ
ィルムについてのものとあまり相違しない〔ピー.エ
ム.マクマナス(P.M.McManus),アール.
ジェイ.クッシュマン(R.J.Cushman)及び
エス.シー.ヤン(S.C.Yang),ジャーナル
オブ フィジカル ケミストリー(J.Phys.Ch
em.),91,744(1987);アール.ジェ
イ.クッシュマン(R.J.Cushman),ピー.
エム.マクマナス(P.M.McManus)及びエ
ス.シー.ヤン(S.C.Yang),ジャーナル オ
ブ エレクトロアナリティカルケミストリー(J.El
ectroanal.Chem.),291,335
(1986)〕。当初の希釈反応混合物は、R.P.=
+0.445及びpH=2.169であり、スペクトル
1であった。当初の希釈反応混合物に、しだいに多くの
還元剤を添加すると、320nmでの吸光度が増加し、
800nmバンドが減少して、水平となり(スペクトル
#6)、複合(complex)フィブリルが十分還元
したロイコ型に近いものであることを示した。硫酸セリ
ウムアンモニウムを当初の反応混合物に滴下すると、ス
ペクトル7〜10の順に800nmバンドが610nm
の方向にブルーシフトし、同時に330nmの吸光度が
増加する。これは、水溶液中でコロイド状の緑色導電体
を化学的に酸化してコロイド状の青色絶縁体を得ること
ができることを示す。
【0046】図8は、塩基滴定の結果のスペクトルを示
す。溶液中で遊離のHCl又は過剰のカルボキシル基が
中和される際、滴定の初期段階では吸光度の変化は非常
に少ない。より多量の塩基を添加してpH10.9とす
ると、すでに報告されているpH−電位状態図〔アー
ル.ジェイ.クッシュマンら(R.J.Cushman
et al),ジャーナル オブ エレクトロアナリテ
ィカル ケミストリー(J.Electroanal.
Chem.),291,335(1986)〕と同様
に、R.P.は、−0.039となり(スペクトル#1
5)、色は青色に変化した。短フィブリルは、あらゆる
利用しやすい形態のポリアニリンに変えることができ、
これは広いpH範囲及び酸化状態において水溶液中でコ
ロイド懸濁液として存在する。しかしながら、コロイド
懸濁液は、強い酸化剤の添加によって、最終的に沈殿す
る。塩基処理した反応混合物に硫酸セリウムアンモニウ
ム1mlを添加すると(スペクトル#17)、短い複合
フィブリルが沈殿し始める。このことは、複合フィブリ
ルは、十分に還元したロイコ型よりも十分に酸化した状
態のほうが安定性が低いことを示すものである。ポリア
ニリン−ポリ酸錯体の安定性は、フィブリル内における
ポリアニリンの第二アミンとポリ(アクリル酸)のカル
ボキシル基との引力による達成されるものと思われる。 精製:反応混合物の他のバッチを元素分析のために精製
した。10000RPMで超遠心分離を行ない(加速力
=重力の12000倍)、コロイド粒子を沈降させた。
上記溶液から沈降物を除き、この比較的透明な溶液のp
Hを測定した。沈降物を水洗し、再度超遠心分離を行な
った。このサイクルを4回繰り返した。溶液の上層のp
H値は、第一サイクルの溶液ではpH1であったもの
が、第4サイクルでは、pH6−7に上昇することが認
められた。pHの上昇は、遊離PAA又は他の酸のほぼ
完全な分離を示すものである。第4サイクルからの沈降
物をメタノールで洗浄し、ロータリーエバポレーターで
乾燥し、次いで70℃でオーブン乾燥した。 元素分析:精製、乾燥した試料を元素分析のためにM−
H−Wラボラトリーズ(フェニックス、AZ)に送っ
た。
【0047】 実施例4:ポリ(スチレンスルホン酸)−ポリ(m−ク
ロロアニリン)のコロイド粒子。(PSSA−(Cl−
PAN)) 30%ポリ(スチレン−スルホン酸)(ポリサイエン
ス、M.W.=70000)3ml及びm−クロロアニ
リン1.2mlの溶液を50mlの1MHClに添加し
た。次いで、この反応混合物に30%過酸化水素1ml
及び5%塩化第二鉄5mlを添加した。1時間撹拌する
と、反応混合物は暗緑色になった。
【0048】該暗緑色溶液を透過型電子顕微鏡(TE
M))用のサンプル保持グリッドで乾燥した。コロイド
をTEMで検査し(染色することなしに)、約100n
mの直径の球状粒子であった。TEM測定の間、X線マ
イクロ分析を行ない、SとClの割合はほぼ1:1であ
ることが判った。図9にX線マイクロ分析の例を示す。 繊維状形態の導電性ポリマー:例えばPAA−PAN 引張り加工、溶融加工等の適用、及び配合にとって、繊
維状固形材料は有利である。繊維状材料を形成する一つ
の方法は、図1のTEMPへのAN付与量(loadi
ng)を増加させることである。 実施例5:PAA−PANの二相合成 二相法 高アニリン含量のテンプレート錯体の製造のた
めの代表的工程:市販のポリ(アクリル酸)(アルドリ
ッチ カンパニー、M.W.=90000、25重量%
水溶液)25mlを3M HCl水溶液100mlに溶
解した。この混合物に30%H1ml及び5%F
eCl3mlを添加し、次いでアニリン3mlとトル
エン25mlからなる溶液を添加した。4時間激しく撹
拌して暗緑色の沈殿物を得た。400mlの水中で24
時間撹拌して洗浄した後、固形物を濾過し、次いで、シ
リンジから押し出して繊維形の錯体を得た。参考写真3
は、この材料の繊維状の形態を示すものである。
【0049】本実施例では、重合は水相で起り、一方有
機相は単量体反応物を蓄える貯蔵器として役立つ。該反
応中、水相の単量体濃度は低く維持され、そして有機相
と水相の間の分配により比較的に一定の濃度に維持され
る。この条件下で、アニリンのオリゴマー(TEMPに
付着)は、鎖長を伸長するための単量体単位に付加する
反応性基として存在するため、重要な役割を果す。核形
成部位の数は、ラジカルオリゴマーの反応性及び水相の
単量体の低濃度により、低く保たれる。
【0050】この原理は、関連する合成において、示さ
れる。本発明者は、出発溶液として参考写真2の短いフ
ィブリル及び酸化剤を含む緑色のコロイド溶液(長い繊
維は5μmのフィルターで除去された)を使用し、そこ
にトルエンに溶解したアニリンを含む有機相の一部を激
しく撹拌しながら加えた。生成物は、主に、5μmのフ
ィルターを通過できない長い繊維からなっており、そし
て濾液は出発溶液の暗緑色に反して無色であり、本発明
者が全ての小粒子を長い繊維に変換したことを示してい
た。この実験は、オリゴマーのラジカルカチオンが、テ
ンプレートに結合し、その化学的分解の前に化学的重合
が完結するするように使用できるという考えについて更
に支持を与える。 より高分子量の分子テンプレート ある種の適用のためには、より長い鎖長の分子錯体を製
造すること、及び延伸加工(stretch proc
essing)のために有利な長い繊維を製造すること
が望ましい。そのような材料は、より高い導電性と異方
性の光学的性質を持つだろう。一つの戦略は、より高分
子量の分子テンプレートを使用することである。 実施例6:M.W.=250000 テンプレートポリ
マーとしてのポリ(アクリル酸) より高い分子量のポリ(アクリル酸)は、酸性溶液に溶
解するのが困難であり、又THF溶液に溶解するのも困
難である。そのため、アニリニウムイオン及びポリ(ア
クリル酸)の均一なTEMP−(AN)を得るのが容
易ではない。アニリニウムイオン/ポリ酸の均一な分子
錯体を供給するために、本発明者はポリ(アクリル酸)
を1N NaOH水溶液で処理して清澄な溶液を得た。
これは、この高度にイオン化されたポリアニオン上の電
荷のクーロン反発のために、伸長された鎖のポリアクリ
レート類を与える。次いで、過剰のアニリン単量体を加
えて、激しく撹拌した。この時点で、反応混合物は、ア
ニリンに富んだ油滴を含んだ油状のエマルジョンであ
る。3M HCl水溶液を中和点に達するまでゆっくり
と調節しつつ加えることにより、アニリン単量体は油滴
から水性媒体へと移動した。中和点の後、反応混合物は
ゲルを形成し始めるが、その間3M HCl水溶液は引
続き滴下した。そのゲルは1M HCl溶液に再溶解さ
せ、TEMP−(AN)中でアニリンを重合するため
、FeClを加え、暗緑色の沈殿を与えた。
これらの沈殿は、遊離のポリ酸を除去するため24時間
水で洗浄し、次いで濾過するとより高い分子量の性質を
示す柔軟性シートを得た。参考写真3と類似した形態を
持つSEM画像を参考写真4に示した。四プローブ法
(four probe method)で測定した導
電率は、約1×10−1Scm−1であった。該導電率
は、二相法で用いたM.W.90000のテンプレート
ポリマーより、10倍増加していた。これは、本発明
者が電子構造の混乱を最小限にして形態を調節するのに
成功したことを示している。 実施例7:M.W.=750000 テンプレートポリ
マーとしてのポリ(アクリル酸) 合成手順は、用いたテンプレートポリ(アクリル酸)が
より高い分子量のもの(M.W.=750000)であ
ること以外は実施例6と同様である。反応生成物は、容
易に沈殿するコロイドである。参考写真5は、コロイド
状粒子のTEM画像である。長い繊維は、高分子量のテ
ンプレートの使用により形成された。この物質は、延伸
加工(stretch processing)に有利
であろう。 実施例8:ポリ(ブタジエン−マレイン酸)−ポリアニ
リン ポリサイエンス社製のポリ(ブタジエン−マレイン酸)
10gの42%水溶液を、20mlの蒸留水で希釈し
た。この溶液に、撹拌継続下、2mlのアニリンを加え
て白色のゲルを得た。この白色のゲルを、20mlの3
M HCl、1mlの10%過酸化水素及び1mlの
0.1M FeClを混合して調製した溶液中に加え
る。室温で1時間撹拌すると、緑色の粘着性で弾力のあ
るゲルを得た。このゲルは、ポリ(ブタジエン−マレイ
ン酸)とポリアニリンの錯体を含んでいる。これは、テ
ンプレートとして共重合体を用いて修飾された性質を持
つ分子錯体のファミリーを形成する例である。
【0051】異なる共重合体テンプレートを選ぶことに
よって、物質の性質を調整することができる。錯体は、
異なった溶解性、ガラス転移温度、及び相溶性を持つこ
とができ、これらの性質は特定の適用のために調整でき
る。
【0052】ポリ(ブタジエン−マレイン酸)とポリア
ニリンの特別な錯体は、高度に伸長できて長い繊維とな
るという興味深い性質を有している。本実施例で得た緑
色のゲルは、室温で溶媒を蒸発させると、長い繊維に引
き伸ばされた。これらの繊維は、可撓性であり、導電性
を示した。 実施例9:混合テンプレートポリマー 30gのポリ(アクリル酸)(アルドリッチ社製、M.
W.=90000、水中25%)及び30gのポリ(ス
チレンスルホン酸)(ポリサイエンス社製、M.W.=
70000)を200mlのTHFに溶解して清澄な溶
液を得た。過剰の新たに蒸留したアニリンを加えてゲル
を得、次いでTHF溶液をデカントし、ゲルを30ml
のTHFで2回洗浄した。そのゲルは1N HCl水溶
液に再溶解させ、3mlの30%H、1mlの5
%FeClを加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌
すると緑色のコロイド懸濁液を得た。反応生成物は、ポ
リ酸とポリアニリンとの二種の分子錯体を含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は化学的に置換した導電性ポリマーを示
し、この例では硫酸官能基が導電性ポリマーの骨格に共
有結合している。(b)は、導電性ポリマー(曲線)及
び溶解性とするため官能化された高分子電解質(コイ
ル)からなる分子錯体を示す。
【図2】導電性ポリマーのテンプレート合成の概略図で
ある。
【図3】抽出の前後におけるPAN−PSSA錯体の可
視スペクトルを示す。
【図4】抽出の前後におけるPAN−PSSA錯体のU
Vスペクトルを示す。
【図5】PAN−PSSA錯体から1−ペンタノールで
抽出した遊離のPSSAのUVスペクトルを示す。
【図6】PAN−PSSA錯体から1−ペンタノールで
抽出した遊離のPSSAの量の変化を示す。
【図7】酸化剤及び還元剤とともにコロイド性ポリアニ
リンを滴定した時に得た電子吸収スペクトル(elec
tron absorption spectra)を
示し、スペクトル2〜4(0.1mol dm−3
nCl)、スペクトル5〜6(2mol dm−3
SnCl)、スペクトル7〜10(0.1mol d
−3 Ce(NH(SO)である。条件
は、表1に示す。
【図8】0.1mol dm−3 NaOHとともにコ
ロイド性ポリアニリンを滴定した時に得た電子吸収スペ
クトルを示す。条件は、表1に示す。
【図9】PSSA−(Cl−PAN)のX線マイクロ分
析を示す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テンプレート化学重合により製造された分
    子錯体を含む加工可能な導電性ポリマー組成物であっ
    て、分子錯体が(A)高分子電解質および(B)導電性
    ポリマーを含むことを特徴とする導電性ポリマー組成
    物。
  2. 【請求項2】テンプレート化学重合により製造された分
    子錯体を含む加工可能な導電性ポリマー組成物であっ
    て、(A)高分子電解質タイプ1、(B)高分子電解質
    タイプ2および(C)導電性ポリマーからなる分子錯体
    を含む加工可能な導電性ポリマー組成物。
  3. 【請求項3】請求項1および2のいずれかに記載の組成
    を有する分子錯体の水性または非水性溶液或いはコロイ
    ド状懸濁液。
  4. 【請求項4】請求項1および2のいずれかに記載の組成
    を有する分子錯体の粉末、繊維または薄いフィルム。
  5. 【請求項5】テンプレートとしての機能を有する高分子
    電解質とモノマー(ANとする)とを結合してテンプレ
    ート−(AN)錯体を形成させた後、オキシダントに
    よりANを酸化重合させて高分子電解質と導電性ポリマ
    ーとからなる分子錯体を形成させることを特徴とする加
    工可能な導電性ポリマー組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の方法で得られた反応混合
    物から遊離の高分子電解質分子を除去して分子錯体を精
    製する方法であって、液液抽出および液固抽出を含む溶
    剤抽出を使用する加工可能な導電性ポリマー組成物の製
    造方法。
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