JPH07102759A - ハッチを有する足場材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 建築現場等において使用されかつ作業者の交
通や資材の通過のためにハッチ（開口）を有する足場材
について、ハッチカバー取付ヒンジ部の回転機構を簡素
化し、ハッチカバーを９０〜１００°開閉自在とする。
従来の鋼製の丁番の取付けを不要とし、ハッチカバーの
取付工数を削減する。軽量化を果す。サビ・腐食の発生
がなく美観を向上する。 【構成】 ハッチ４を有する足場材１は、足場材本体２
の側枠部材１１に第１ヒンジ構成部１３が設けられ、ハ
ッチカバー２０の側枠部材２２に嵌合用凹溝２８を有す
る第２ヒンジ構成部２３が設けられている。足場材本体
側枠部材１１の第１ヒンジ構成部１３が、ハッチカバー
側枠部材２２の第２ヒンジ構成部２３の凹溝２８に嵌め
込まれている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、例えば建築現場等に
おいて使用される足場材、とくにハッチを有していてハ
ッチカバーが９０〜１００°開閉自在となされた足場材
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、建築現場等において使用される足
場材には、作業者の交通や資材の通過のためにハッチ
（開口）が設けられており、かつこのハッチを塞ぐ大き
さを有するハッチカバーが、鋼製の丁番により足場材本
体に取り付けられていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
丁番によるハッチカバーの取付けは、その取付け作業に
手間がかゝるとともに、鋼製の丁番は、個々の重量が重
いため、ハッチ付き足場材全体としての重量が増大する
し、またハッチカバー取付部の外側に丁番が現れて見え
るため、丁番による凹凸が生じて外観が悪く、美観上好
ましくないうえに、鋼製の丁番は長期の使用によりサビ
・腐食が発生し、外観が劣るとともに、動作性も劣ると
いう問題があった。

【０００４】この発明の目的は、上記の従来技術の問題
を解決し、ハッチカバー取付ヒンジ部の回転機構を簡素
化し、ハッチカバーが９０〜１００°開閉自在であると
ともに、従来の鋼製の丁番の取付けが全く不要で、ハッ
チカバーの取付工数を削減することができ、ハッチカバ
ーの取付け作業に手間がかゝらず、しかも軽量化を果た
し得るうえに、ヒンジ部分の外面に凹凸がなくて非常に
見映えが良く、また長期の使用によってもサビ・腐食の
発生がなく美観を向上し得、さらにハッチカバーの取付
ヒンジ部の動作性にもすぐれている、ハッチを有する足
場材を提供しようとするにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、所要箇所にハッチを有する足場板お
よびこれの左右両側縁部の下面に取り付けられた側枠部
材を備えた足場材本体と、ハッチを塞ぐ大きさの蓋板お
よびこれの一側縁部下面に取り付けられた側枠部材を有
するハッチカバーとによって構成され、足場材本体一側
の側枠部材の上端内側縁部に、横断面略鉤形の第１ヒン
ジ構成部が上方突出状に設けられ、ハッチカバーの側枠
部材に、第１ヒンジ構成部が嵌め入れられる嵌合用凹溝
と、該凹溝の開口縁部より内方にのびかつ第１ヒンジ構
成部の垂下壁部の下端と掛かり合う内方凸部とを備えた
第２ヒンジ構成部が設けられ、凹溝内に、内方凸部と反
対側の開口縁部より凹溝の水平張出部内面の左側縁部に
至る横断面円弧形の案内面が設けられており、足場材本
体側枠部材の第１ヒンジ構成部が、ハッチカバー側枠部
材の第２ヒンジ構成部の凹溝に嵌め込まれている、ハッ
チを有する足場材を要旨としている。

【０００６】

【作用】上記ハッチを有する足場材においては、ハッチ
カバーが足場材本体のハッチを塞いだ状態では、足場材
本体一側の側枠部材の横断面鉤形の第１ヒンジ構成部
が、ハッチカバー同側の側枠部材の第２ヒンジ構成部の
凹溝内に嵌め合わせられ、かつ第１ヒンジ構成部の垂下
壁部の先端と、第２ヒンジ構成部の内方凸部とが、互い
に掛かり合わせられている。

【０００７】足場材のハッチカバーを開くには、ハッチ
カバーの他側の側縁部を持ち上げて、ハッチカバーを上
方に揺動させれば良い。これにより、ハッチカバーの側
枠部材側の第２ヒンジ構成部が、これの内方凸部と掛か
り合っている第１ヒンジ構成部の垂下壁部の先端をほゞ
中心として回動し、ハッチカバーは、足場材本体の側枠
部材に対して上方向に９０〜１００°開かれて保持され
るものである。

【０００８】こうして、足場材のハッチカバーが開かれ
た状態で、例えば現場作業者の交通や資材の通過が行な
われる。

【０００９】このように、この発明によれば、足場材本
体の側枠部材に対するハッチカバー取付ヒンジ部の回転
機構が簡素化されており、ハッチカバーが９０〜１００
°開閉自在であるとともに、従来の鋼製丁番の取付けが
全く不要である。

【００１０】また、足場材本体にハッチカバーを取り付
ける場合には、両者の側枠部材が、通常アルミニウム押
出形材等によりつくられているため、例えばハッチカバ
ーの側枠部材を足場材本体の側枠部材の一端よりスライ
ドさせるようにして、両者の第１および第２ヒンジ構成
部を嵌め合わせれば良く、このような嵌合わせ作業は、
簡単に行なうことができるので、ハッチカバーの取付け
作業に手間がかゝらず、ハッチカバーの取付工数を削減
することができる。

【００１１】また、足場材本体の側枠部材およびハッチ
カバーの側枠部材は、いずれも通常アルミニウム押出形
材等によりつくられているから、足場材の軽量化を果た
し得、かつヒンジ部分の外面に凹凸がなくて非常に見映
えが良いし、また長期の使用によってもサビ・腐食の発
生がなく美観を向上し得るとともに、ハッチカバーの取
付ヒンジ部の動作性にもすぐれている。

【００１２】なお、足場材本体の側枠部材とハッチカバ
ーの側枠部材は、アルミニウム押出形材製に限らず、そ
の他の金属、あるいは硬質の合成樹脂等の材料によりつ
くられていても良い。

【００１３】

【実施例】つぎに、この発明の実施例を図面に基づいて
説明する。

【００１４】この明細書において、左右および上下は図
１を基準とし、左とは図１の左側、右とは同右側をい
ゝ、上とは同図上側、下とは同下側をいうものとする。
また内外は、足場材を基準として足場材の内側を内、同
外側を外というものとする。

【００１５】まず図４に示すように、この発明による足
場材(1) は、例えば建築現場等において支柱(6) や縦桟
(7) および横桟(8) あるいは梯子(9) と共にいわゆる作
業用足場を組むのに使用されるものである。

【００１６】つぎに、図１〜図３において、この発明に
よる足場材(1) は、所要箇所にハッチ（開口）(4) を有
する足場板(3) およびこれの左右両側縁部の下面に取り
付けられた側枠部材(11)(12)を備えた足場材本体(2)
と、ハッチ(4) を塞ぐ大きさの蓋板(21)およびこれの左
側縁部下面に取り付けられた左側枠部材(22)および右側
縁部寄り部分に取り付けられた右側枠部材(24)を有する
ハッチカバー(20)とによって構成されている。

【００１７】ここで、足場材本体(2) の左右両側枠部材
(11)(12)およびハッチカバー(20)の左右両側枠部材(22)
(24)は、いずれも横断面略矩形のアルミニウム中空押出
形材によりつくられている。

【００１８】そして、ハッチカバー(20)は、足場材本体
(2) の左側枠部材(11)に、ヒンジ部(5) を介して上下方
向に略１００°開閉可能に取り付けられている。

【００１９】ヒンジ部(5) は、図１に詳しく示すよう
に、足場材本体(2) の左側枠部材(11)の上端内側縁部に
上方突出状に設けられた横断面略鉤形の第１ヒンジ構成
部(13)と、ハッチカバー(20)の左側枠部材(22)に左方突
出状に設けられた第２ヒンジ構成部(23)とよりなるもの
である。

【００２０】足場材本体(2) の左側枠部材(11)の頂壁(1
5)と横断面略鉤形の第１ヒンジ構成部(13)との間に凹陥
部(16)が設けられていて、第１ヒンジ構成部(13)の下向
きに開口する凹溝(17)が凹陥部(16)に連なっている。凹
陥部(16)の底壁(16a) は水平より略１０°程度左方下向
きに傾斜し、凹陥部(16)の側壁(16b) は垂直より略１０
°程度上方外向きに傾斜している。

【００２１】第２ヒンジ構成部(23)は、ハッチカバー(2
0)の左側枠部材(22)の頂壁(25)より左方突出状に設けら
れた水平張出部(26)と、これの先端に連なる垂下壁部(2
7)と、垂下壁部(27)の下端よりより内方にのびかつ第１
ヒンジ構成部(13)の垂下壁部(14)の下端に掛かり合う内
方凸部(29)とが設けられ、第２ヒンジ構成部(23)の内側
には、第１ヒンジ構成部(13)が嵌め入れられかつ下方に
開口した嵌合用凹溝(28)が形成されている。また凹溝(2
8)内に、内方凸部(29)と反対側の開口縁部より凹溝(28)
の水平張出部(26)内面の左側縁部に至る横断面円弧形の
案内面(28a) が設けられている。なお、足場材本体(2)
の左側枠部材(11)側の横断面略鉤形の第１ヒンジ構成部
(13)の内側面より頂面に至る対向面(13a) も、上記凹溝
(28)の案内面(28a) と同様に横断面円弧形となされてい
るものである（図１参照）。

【００２２】また、足場材本体(2) の左側枠部材(11)の
頂壁(15)の左側縁部には、足場板(2) の厚みに略等しい
高さを有する上方凸部(18)が設けられ、またハッチカバ
ー(20)の左側枠部材(22)の頂壁(25)には、蓋板(21)の厚
みに略等しい高さを有する段部(30)が設けられている。

【００２３】上記足場材(1) において、ハッチカバー(2
0)が足場材本体(2) のハッチ(4) を塞いだ状態では、図
１に示すように、ハッチカバー(20)の左側枠部材(22)が
足場材本体(2) の左側枠部材(11)の内側に当接せしめら
れ、かつハッチカバー(20)の蓋板(21)の右側縁部は足場
材本体(2) の右側枠部材(12)の上面に受け止められてい
る（図示略）。

【００２４】またこのとき、足場材本体(2) の左側枠部
材(11)の第１ヒンジ構成部(13)が、ハッチカバー(20)の
左側枠部材(22)の第２ヒンジ構成部(23)の凹溝(28)内に
嵌め合わせられ、かつ第１ヒンジ構成部(13)の垂下壁部
(14)の先端と、第２ヒンジ構成部(23)の内方凸部(29)と
が、互いに掛かり合わせられている。

【００２５】例えば現場作業者の交通や資材の通過のた
めに、足場材(1) のハッチカバー(20)を開くには、蓋板
(21)の右側縁部を持ち上げて、ハッチカバー(20)を上方
に揺動させれば良い。

【００２６】これにより、図２〜図４に示すように、ハ
ッチカバー(20)の左側枠部材(22)側の第２ヒンジ構成部
(23)が、これの内方凸部(29)と掛かり合っている第１ヒ
ンジ構成部(13)の垂下壁部(14)の先端をほゞ中心として
回動し、内方凸部(29)が、第１ヒンジ構成部(13)の下向
き開口の凹溝(17)内に侵入するとともに、第２ヒンジ構
成部(23)が、足場材本体(2) の左側枠部材(11)の凹陥部
(16)内に嵌め入れられ、第２ヒンジ構成部(23)の水平張
出部(26)が凹陥部(16)の底壁(16a) に、また同垂下壁部
(27)が凹陥部(16)の側壁(16b) に、それぞれ当接せしめ
られて、結局、ハッチカバー(20)は、足場材本体(2) の
左側枠部材(11)に対して上方向に略１００°開かれて保
持されるものである。

【００２７】上記足場材(1) によれば、ハッチカバー(2
0)の取付ヒンジ部(5) の回転機構が簡素化されており、
ハッチカバー(20)が略１００°開閉自在である。

【００２８】そして、足場材本体(2) にハッチカバー(2
0)を取り付ける場合には、両者の側枠部材(11)(22)は、
いずれもアルミニウム中空押出形材によりつくられてい
るため、例えばハッチカバー(20)の左側枠部材(22)を、
足場材本体(2) の左側枠部材(11)の一端よりスライドさ
せるようにして、第１および第２ヒンジ構成部(13)(23)
を嵌め合わせれば良く、このような嵌合わせ作業は、簡
単に行なうことができるので、ハッチカバー(20)の取付
け作業に手間がかゝらず、ハッチカバー(20)の取付工数
を削減することができる。

【００２９】また、足場材本体(2) の左右両側枠部材(1
1)(12)およびハッチカバー(20)の左右両側枠部材(22)(2
4)は、いずれもアルミニウム押出形材製であるから、足
場材(1) の軽量化を果たし得、かつヒンジ部分の外面に
凹凸がなくて非常に見映えが良く、また屋外での長期の
使用によってもサビ・腐食の発生がなく美観を向上し得
るとともに、ハッチカバー(20)の取付ヒンジ部(5) の動
作性にもすぐれているものである。

【００３０】

【発明の効果】この発明によるハッチを有する足場材
は、上述のように、所要箇所にハッチを有する足場板お
よびこれの左右両側縁部の下面に取り付けられた側枠部
材を備えた足場材本体と、ハッチを塞ぐ大きさの蓋板お
よびこれの一側縁部下面に取り付けられた側枠部材を有
するハッチカバーとによって構成され、足場材本体一側
の側枠部材の上端内側縁部に、横断面略鉤形の第１ヒン
ジ構成部が上方突出状に設けられ、ハッチカバーの側枠
部材に、第１ヒンジ構成部が嵌め入れられる嵌合用凹溝
と、該凹溝の開口縁部より内方にのびかつ第１ヒンジ構
成部の垂下壁部の下端と掛かり合う内方凸部とを備えた
第２ヒンジ構成部が設けられ、凹溝内に、内方凸部と反
対側の開口縁部より凹溝の水平張出部内面の左側縁部に
至る横断面円弧形の案内面が設けられており、足場材本
体側枠部材の第１ヒンジ構成部が、ハッチカバー側枠部
材の第２ヒンジ構成部の凹溝に嵌め込まれている。

【００３１】この発明のハッチを有する足場材によれ
ば、ハッチカバーの取付ヒンジ部の回転機構を簡素化す
ることができて、ハッチカバーが９０〜１００°開閉自
在である。そして、足場材本体とハッチカバーの側枠部
材は、通常アルミニウム押出形材等によりつくられてい
るため、足場材本体にハッチカバーを取り付ける場合、
両者の第１および第２ヒンジ構成部を嵌め合わせれば良
く、このような嵌合わせ作業は、簡単に行なうことがで
きるので、ハッチカバーの取付工数を削減することがで
き、ハッチカバーの取付け作業に手間がかゝらない。ま
た足場材本体およびハッチカバーの側枠部材の第１およ
び第２ヒンジ構成部には、それらの製作の精度がさほど
要求されず、ハッチ付き足場材の製造が容易である。

【００３２】またこの発明のハッチを有する足場材によ
れば、従来の鋼製の丁番の取付けが全く不要であるた
め、足場材の軽量化を果たし得るうえに、ヒンジ部分の
外面に凹凸がなくて非常に見映えが良く、また長期の使
用によってもサビ・腐食の発生がなく美観を向上し得、
さらにハッチカバーの取付ヒンジ部の動作性にもすぐれ
ているという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明による足場材の要部拡大断面図で、ハ
ッチカバーによりハッチを閉じた状態を示している。

【図２】同要部拡大断面図で、ハッチカバーを開いた状
態を示している。

【図３】この発明による足場材のハッチ部分の拡大斜視
図である。

【図４】この発明による足場材の使用状態を示す概略斜
視図である。

【符号の説明】

１ 足場材 ２ 足場材本体 ３ 足場板 ４ ハッチ ５ ヒンジ部 １１ 左側枠部材 １２ 右側枠部材 １３ 横断面略鉤形の第１ヒンジ構成部 １４ 垂下壁部 ２０ ハッチカバー ２１ 蓋板 ２２ 左側枠部材 ２３ 第２ヒンジ構成部 ２８ 嵌合用凹溝 ２８ａ 案内面 ２９ 内方凸部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 所要箇所にハッチ(4) を有する足場板
   (3) およびこれの左右両側縁部の下面に取り付けられた
   側枠部材(11)(12)を備えた足場材本体(2) と、ハッチ
   (4) を塞ぐ大きさの蓋板(21)およびこれの一側縁部下面
   に取り付けられた側枠部材(22)を有するハッチカバー(2
   0)とによって構成され、足場材本体(2) 一側の側枠部材
   (11)の上端内側縁部に、横断面略鉤形の第１ヒンジ構成
   部(13)が上方突出状に設けられ、ハッチカバー(20)の側
   枠部材(22)に、第１ヒンジ構成部(13)が嵌め入れられる
   嵌合用凹溝(28)と、該凹溝(28)の開口縁部より内方にの
   びかつ第１ヒンジ構成部(13)の垂下壁部(14)の下端と掛
   かり合う内方凸部(29)とを備えた第２ヒンジ構成部(23)
   が設けられ、凹溝(28)内に、内方凸部(29)と反対側の開
   口縁部より凹溝(28)の水平張出部(26)内面の左側縁部に
   至る横断面円弧形の案内面(28a) が設けられており、足
   場材本体側枠部材(11)の第１ヒンジ構成部(13)が、ハッ
   チカバー側枠部材(22)の第２ヒンジ構成部(23)の凹溝(2
   8)に嵌め込まれている、ハッチを有する足場材。