JPH07102350A - Fe基磁性合金粉末及びその製造方法 - Google Patents

Fe基磁性合金粉末及びその製造方法

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JPH07102350A
JPH07102350A JP5250629A JP25062993A JPH07102350A JP H07102350 A JPH07102350 A JP H07102350A JP 5250629 A JP5250629 A JP 5250629A JP 25062993 A JP25062993 A JP 25062993A JP H07102350 A JPH07102350 A JP H07102350A
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JP
Japan
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magnetic
powder
alloy powder
particle size
magnetic alloy
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JP5250629A
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Inventor
Kiyoshi Suzuki
喜代志 鈴木
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Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Publication date
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  • Powder Metallurgy (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗料に混合して磁気カードに塗布したり、バ
インダに混合して成形し、あるいはそれ自体を圧粉焼結
してノイズ吸収用磁性リングにする等して用いられる平
均粒径3〜550μmのFe基磁性合金粉末の磁気特性
を向上する。 【構成】 不純物としてのP,Cu,Niの含有量が十
分に小さい母材を用い、精錬によってS含有量を低下せ
しめた溶湯を、水アトマイザーに注湯してアトマイズ
し、粒径3〜550μmのFe基磁性合金粉末であっ
て、不純物としてのP,S,Cu,Niの合計含有量を
0.15重量%以下に抑制した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁ステンレス鋼やセ
ンダストなどのFe基磁性合金の粉末に係り、特に、塗
料に混合して磁気カードに塗布したり、バインダに混合
して成形し、あるいはそれ自体を圧粉焼結してノイズ吸
収用磁性リングにする等して用いられる平均粒径3〜5
50μmのFe基磁性合金粉末に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電磁ステンレス鋼やセンダストな
どのFe基磁性合金は、その粉末を塗料に混合して磁気
カードに塗布したり、バインダに混合して成形し、ある
いはそれ自体を圧粉焼結してノイズ吸収用磁性リングに
する等して用いられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年のめざま
しいOA化などによりノイズ吸収用磁性リングにおいて
はその磁気特性の向上が望まれている。また、磁気カー
ドに塗布する場合も、磁気特性の向上が望まれているこ
とは同様である。
【0004】ところで、こうした磁性材料の粉末は、粒
径が大きくなるほど磁気特性が向上することは知られて
いるが、粒径が数mmもある様な大きな粉末では上記用
途に用いることができない。そこで、本発明において
は、平均粒径が3〜550μm程度のFe基磁性合金粉
末の磁気特性を向上することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】かかる目的を達
成するためなされた本発明のFe基磁性合金粉末は、請
求項1に記載した様に、塗料に混合して磁気カードに塗
布したり、バインダに混合して成形し、あるいはそれ自
体を圧粉焼結してノイズ吸収用磁性リングにする等して
用いられる平均粒径3〜550μmのFe基磁性合金粉
末であって、不純物としてのP,S,Cu,Niの合計
含有量を0.15重量%以下に抑制したことを特徴とす
る。
【0006】このFe基磁性合金粉末は、不純物として
のP,S,Cu,Niの合計含有量を0.15重量%以
下に抑制したので、上記したようなアトマイズにより製
造するとき、溶湯の凝結固化に際しての不純物析出数が
小さく、その結果、同一粒径の従来品と比べて結晶粒度
が大きくなる傾向にある。例えば、不純物が多量に含有
されている従来の合金粉末と、本発明の如く不純物を十
分に抑制した合金粉末とを比較した場合、視覚的モデル
として図1に示した様に、本発明の粉末の方が結晶粒が
大きくなる。この結果、本発明の粉末では、個々の結晶
粒の磁気特性が向上し、かつそれらが相乗的に作用し
て、粉末自体の磁気特性を向上させるものと解される。
【0007】特に、請求項2記載の様に、この請求項1
記載のFe基磁性合金粉末において、結晶粒度が、直径
1μmの円形の結晶粒に相当する結晶粒度以上となるよ
うに凝固するとよい。磁気カード塗布用の微小な粉末
(平均粒径3〜15μm程度)でも十分な磁気特性を得
ることができる。
【0008】なお、これらのFe基磁性合金粉末は、不
純物としてのP,Cu,Niの含有量が十分に小さい母
材を用い、精錬によってS含有量を低下せしめ、これら
P,S,Cu,Niの合計含有量を0.15重量%以下
に抑制した溶湯を、アトマイザーに注湯してアトマイズ
し、上記粒径に分級することにより簡単に製造すること
ができる。不純物の含有量を抑制することで、不純物析
出による結晶粒の微細化を抑制できるからである。
【0009】
【実施例】次に、本発明を一層明らかにするために、好
適な実施例を比較例と共に説明する。実施例として、以
下の方法により、電磁ステンレス鋼として知られている
Fe−13Cr合金の粉末を製造した。
【0010】この粉末は、予め、表1に示すようにP,
Cu,Niの含有量を抑制した母材を、真空脱炭素精錬
(VOD)により精錬することでSをも抑制した溶湯
を、水アトマイザーにてアトマイズし、回収・乾燥後、
分級工程を経て製造した。
【0011】
【表1】
【0012】なお、実施例の代表的なものの成分組成
と、比較例としての成分組成とを表2に例示する。
【0013】
【表2】
【0014】表2の組成のもの以外にも、母材の選定や
精錬条件の調整などにより、Cu,Ni,P,Sの合計
含有量が種々異なる粉末を製造し、アトマイズにおける
溶湯注湯速度や水の噴霧圧などを調整することにより粉
末の粒度をコントロールし、後述の表の様に、実施例,
比較例粉末を各種製造した。ちなみに、溶湯注湯速度を
速めると粉末の粒度は大きくなり、水の噴霧圧を上げる
ほど粉末の粒度は小さくなる。
【0015】次に、この粉末を、成形圧7ton/cm
2 にて磁気特性試験用のリング状試験片に圧粉成形し、
500℃×30min及び1200℃×1hr(真空
中)にて焼結した。この試験片を用いて透磁率を測定し
て評価した。また、各粉末の結晶粒度についても比較し
た。この評価結果を表3に示す。
【0016】
【表3】
【0017】ここで、結晶粒度評価は、JISG055
2における粒度評価を採用した。結晶粒度番号N=10
を越えるものについては、円形の結晶粒を想定したとき
に以下の直径寸法を意味する。N=11は3μm以上5
μm未満を、N=12は1μm以上3μm未満を、N=
13は1μm未満を意味する。
【0018】また、透磁率評価は、実施例No.10
(平均粒径520μm)の粉末における透磁率を10と
し、同じく実施例No.11(平均粒径4μm)の粉末
における透磁率を1として評価した。表から分かる様
に、比較例は大部分において透磁率の評価が3以下とな
って、使用上、十分な透磁率が得られなかった。比較例
中最大粒径のNo.21(500μm)においても透磁
率評価は4であり、目標としていた5には到達しなかっ
た。一方、実施例はいずれも5以上の評価を得ることが
でき、特に、平均粒径3μmといった微小なもの(N
o.1)についても評価が5以上であった。
【0019】即ち、比較例では何とか使えるのが平均粒
径330μm以上であり、それでも510μm程度では
未だ十分ではないことが分かる。これに対し、実施例に
よれば、塗料に混合して磁気カードに塗布する用途用
(平均粒径5〜15μm)、水ガラスなどのバインダに
混合して成形し、ノイズ吸収用磁性リングにする用途用
(平均粒径50〜250μm)、それ自体を圧粉焼結し
てノイズ吸収用磁性リングにする用途用(平均粒径50
〜150μm)などであっても、十分な磁気特性が得ら
れることが分かる。もちろん、これらの用途に限らず、
磁性材料として各種用途に用いることができることはい
うまでもない。
【0020】なお、表3では、比較例同士の比較によ
り、粒径が小さい粉末ほど結晶粒が小さく、透磁率が悪
くなるということが確認できる。この点は、実施例にお
いても同様である。また、実施例と比較例との関係か
ら、粒径が同じならば不純物の含有量が抑制されるほ
ど、結晶粒が大きくなり、透磁率が向上するということ
も確認できる。従って、実施例の粉末についていえるこ
とは、本来ならば透磁率が悪い範囲の粒径でありなが
ら、不純物の抑制によって結晶粒を大型化させ、不純物
の抑制自体による透磁率の改善と併せて、従来品に比べ
て大幅に透磁率を向上させることができたといえる。ま
た、比較例同士の関係からも明かな様に、粉末中の結晶
粒度の大型化が重要であり、粉末製造時の凝固速度をコ
ントロールすることによって平均粒径3〜50μmの粉
末における結晶粒径を、同じ粒径の従来品よりも大きい
1μm以上とすることで、磁気特性の向上が望めること
が明らかになった。
【0021】以上本発明の実施例を説明したが、本発明
はこれら実施例に限定されるものではなく、その要旨を
逸脱しない範囲内で種々なる態様にて実現することがで
きることはいうまでもない。例えば、水アトマイズに限
らず、ガスアトマイズや遠心アトマイズなどにより粉末
を製造してもよい。また、電磁ステンレス鋼(Fe−1
3Cr)に限らず、高Si鋼(Fe−2.5〜8Cr)
や、センダスト(Fe−9.5Si−5.5Al)な
ど、各種のFe基磁性合金粉末として本発明を適用し得
ることはもちろんである。これら実施例以外の鋼種にお
いても、不純物の抑制によって結晶粒の大型化を促進で
き、平均粒径3〜550μm程度の粉末における磁気特
性を向上できることは、実施例で実証した作用から明ら
かだからである。
【0022】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明のFe基磁性
合金粉末によれば、平均粒径が3〜550μm程度と、
塗料に混合して磁気カードに塗布したり、バインダに混
合して成形し、あるいはそれ自体を圧粉焼結してノイズ
吸収用磁性リングにする等して用いるのに適し、しか
も、従来品に比べて磁気特性を向上させることができる
ので、これら用途に用いた場合に高い効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の作用を示す説明図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗料に混合して磁気カードに塗布した
    り、バインダに混合して成形し、あるいはそれ自体を圧
    粉焼結してノイズ吸収用磁性リングにする等して用いら
    れる平均粒径3〜550μmのFe基磁性合金粉末であ
    って、不純物としてのP,S,Cu,Niの合計含有量
    を0.15重量%以下に抑制したことを特徴とするFe
    基磁性合金粉末。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のFe基磁性合金粉末にお
    いて、結晶粒度が、直径1μmの円形の結晶粒に相当す
    る結晶粒度以上となるように凝固されていることを特徴
    とするFe基磁性合金粉末。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のFe基磁性合金
    粉末の製造方法であって、 不純物としてのP,Cu,Niの含有量が十分に小さい
    母材を用い、精錬によってS含有量を低下せしめ、これ
    らP,S,Cu,Niの合計含有量を0.15重量%以
    下に抑制した溶湯を、アトマイザーに注湯してアトマイ
    ズし、上記粒径に分級することを特徴とするFe基磁性
    合金粉末の製造方法。
JP5250629A 1993-10-06 1993-10-06 Fe基磁性合金粉末及びその製造方法 Pending JPH07102350A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007314885A (ja) * 1998-01-30 2007-12-06 Thyssenkrupp Vdm Gmbh 小さな抗磁力、高い透過性および改善された耐蝕性を有する軟磁性材料
JP2014060284A (ja) * 2012-09-18 2014-04-03 Tdk Corp コイル部品及びこれに用いる金属磁性粉含有樹脂

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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