JPH07145407A - 意匠塗料用扁平粉末の製造方法 - Google Patents
意匠塗料用扁平粉末の製造方法Info
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- JPH07145407A JPH07145407A JP5316061A JP31606193A JPH07145407A JP H07145407 A JPH07145407 A JP H07145407A JP 5316061 A JP5316061 A JP 5316061A JP 31606193 A JP31606193 A JP 31606193A JP H07145407 A JPH07145407 A JP H07145407A
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- B22—CASTING; POWDER METALLURGY
- B22F—WORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
- B22F9/00—Making metallic powder or suspensions thereof
- B22F9/02—Making metallic powder or suspensions thereof using physical processes
- B22F9/04—Making metallic powder or suspensions thereof using physical processes starting from solid material, e.g. by crushing, grinding or milling
- B22F2009/043—Making metallic powder or suspensions thereof using physical processes starting from solid material, e.g. by crushing, grinding or milling by ball milling
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B22—CASTING; POWDER METALLURGY
- B22F—WORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
- B22F2998/00—Supplementary information concerning processes or compositions relating to powder metallurgy
- B22F2998/10—Processes characterised by the sequence of their steps
Abstract
(57)【要約】
【目的】 表面及び周囲が平滑で、光沢、硬度が高く、
粒径の小さい意匠塗料用扁平粉末を、収率よく製造する
方法を提供する。 【構成】 一般式Al100-a-b Ma Xb (但し、MはC
o、Ni、Crから選ばれた1種又は2種以上の元素、
XはY、La、Ce、Sm、Nd、Ca、Mm[ミッシ
ュメタル]から選ばれた1種又は2種以上の元素であ
り、a、bは原子%で2≦a≦20、1≦b≦15であ
る。)で示される組成の合金溶湯をアトマイズして非晶
質の原料粉末を得る。次いで、この原料粉末から好まし
くは粒径20μm以下の粉末を採取し、ボールミル加工
又はスタンプミル加工して扁平化することにより、意匠
塗料用扁平粉末を得る。
粒径の小さい意匠塗料用扁平粉末を、収率よく製造する
方法を提供する。 【構成】 一般式Al100-a-b Ma Xb (但し、MはC
o、Ni、Crから選ばれた1種又は2種以上の元素、
XはY、La、Ce、Sm、Nd、Ca、Mm[ミッシ
ュメタル]から選ばれた1種又は2種以上の元素であ
り、a、bは原子%で2≦a≦20、1≦b≦15であ
る。)で示される組成の合金溶湯をアトマイズして非晶
質の原料粉末を得る。次いで、この原料粉末から好まし
くは粒径20μm以下の粉末を採取し、ボールミル加工
又はスタンプミル加工して扁平化することにより、意匠
塗料用扁平粉末を得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非晶質アルミニウム合
金からなる意匠塗料用扁平粉末の製造方法に関する。
金からなる意匠塗料用扁平粉末の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、塗膜の耐食性、耐候性を向上
させたり、金属的な輝きをもつ外観を得るために、塗料
用顔料として金属粉末が用いられている。すなわち、金
属粉末を塗料用の樹脂に混合して、刷毛塗り法、スプレ
ー法等により塗布すると、樹脂の硬化時に生じる表面張
力によって粉末が塗面と平行に積層し(これをリーフィ
ング現象という)、連続した被膜が形成されて、素材を
外気から遮断し、良好な耐食性、耐候性が得られるとと
もに、金属光沢を有する美しい外観が得られる。そし
て、このような金属粉末の形状は、リーフィング現象の
発生を良好にするため、一般に薄片状のものが好ましい
とされている。
させたり、金属的な輝きをもつ外観を得るために、塗料
用顔料として金属粉末が用いられている。すなわち、金
属粉末を塗料用の樹脂に混合して、刷毛塗り法、スプレ
ー法等により塗布すると、樹脂の硬化時に生じる表面張
力によって粉末が塗面と平行に積層し(これをリーフィ
ング現象という)、連続した被膜が形成されて、素材を
外気から遮断し、良好な耐食性、耐候性が得られるとと
もに、金属光沢を有する美しい外観が得られる。そし
て、このような金属粉末の形状は、リーフィング現象の
発生を良好にするため、一般に薄片状のものが好ましい
とされている。
【0003】上記の塗料用顔料、特に意匠塗料用顔料と
しては、純アルミニウムからなる扁平粉末が一般に用い
られている。このアルミニウム粉末は、空気アトマイズ
法や不活性ガスアトマイズ法などによって、アルミニウ
ムの溶湯から粒子状の原料粉末を作り、この原料粉末を
ボールミルやスタンプミル中で粉砕し、微粉化するとと
もに、剪断力によって延ばして物理的に扁平化したもの
である。
しては、純アルミニウムからなる扁平粉末が一般に用い
られている。このアルミニウム粉末は、空気アトマイズ
法や不活性ガスアトマイズ法などによって、アルミニウ
ムの溶湯から粒子状の原料粉末を作り、この原料粉末を
ボールミルやスタンプミル中で粉砕し、微粉化するとと
もに、剪断力によって延ばして物理的に扁平化したもの
である。
【0004】また、本出願人らによる特開平1−287
209号には、非晶質相を形成可能な合金の溶湯をノズ
ルから流出させ、この溶湯にガスを噴霧することによっ
て溶湯の液滴を生成させ、この液滴流方向に配置された
傘型又はホーン型の回転冷却体の表面に、上記液滴を凝
固しないうちに衝突させて急冷凝固させることにより、
金属溶湯から直接扁平粉末を製造する方法が開示されて
いる。
209号には、非晶質相を形成可能な合金の溶湯をノズ
ルから流出させ、この溶湯にガスを噴霧することによっ
て溶湯の液滴を生成させ、この液滴流方向に配置された
傘型又はホーン型の回転冷却体の表面に、上記液滴を凝
固しないうちに衝突させて急冷凝固させることにより、
金属溶湯から直接扁平粉末を製造する方法が開示されて
いる。
【0005】一方、近年、アルミニウム系の非晶質合金
が多数発見され、例えば特開平1−275732号に
は、Ala Mb Xc 系の非晶質合金が開示されている。
が多数発見され、例えば特開平1−275732号に
は、Ala Mb Xc 系の非晶質合金が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、純アル
ミニウムのアトマイズ粉末のような結晶質の原料粉末
は、一般に強度が低いので、ボールミルやスタンプミル
中で扁平化すると、原料粉末が砕けたり割れたりして、
周囲や表面に凹凸が生じ、塗料化した場合に良好な反射
率、光沢が得られなかった。また、扁平粉末の硬度が低
いので、塗料を撹拌する際に粉末が折れ曲がるなどし
て、反射率が一層低下するという問題があった。
ミニウムのアトマイズ粉末のような結晶質の原料粉末
は、一般に強度が低いので、ボールミルやスタンプミル
中で扁平化すると、原料粉末が砕けたり割れたりして、
周囲や表面に凹凸が生じ、塗料化した場合に良好な反射
率、光沢が得られなかった。また、扁平粉末の硬度が低
いので、塗料を撹拌する際に粉末が折れ曲がるなどし
て、反射率が一層低下するという問題があった。
【0007】また、意匠塗料用の扁平粉末としては、塗
装性や塗膜強度の点から、粒径が小さいもの、例えば約
50μm以下のものが好ましいとされているが、特開平
1−287209号に開示された方法では、溶湯の液滴
のうち微細なものは、回転冷却体の表面に衝突する前に
球状を保ったまま凝固してしまう。また、回転冷却体に
接触しないで凝固した粒径の大きな粉末は、急冷効果が
不足して非晶質になりにくい。このため、非晶質合金か
らなる微細な扁平粉末の収率が低いという問題があっ
た。
装性や塗膜強度の点から、粒径が小さいもの、例えば約
50μm以下のものが好ましいとされているが、特開平
1−287209号に開示された方法では、溶湯の液滴
のうち微細なものは、回転冷却体の表面に衝突する前に
球状を保ったまま凝固してしまう。また、回転冷却体に
接触しないで凝固した粒径の大きな粉末は、急冷効果が
不足して非晶質になりにくい。このため、非晶質合金か
らなる微細な扁平粉末の収率が低いという問題があっ
た。
【0008】したがって、微細な粒径の非晶質合金粉末
を得るためには、アトマイズするだけで非晶質になるよ
うな合金組成を採用する必要があるが、特開平1−27
5732号に開示されたAla Mb Xc 系の合金組成で
は、アトマイズするだけでは必ずしも非晶質にならなか
った。
を得るためには、アトマイズするだけで非晶質になるよ
うな合金組成を採用する必要があるが、特開平1−27
5732号に開示されたAla Mb Xc 系の合金組成で
は、アトマイズするだけでは必ずしも非晶質にならなか
った。
【0009】したがって、本発明の目的は、表面及び周
囲が平滑で、光沢及び硬度が高く、しかも粒径が小さい
意匠塗料用扁平粉末を、収率よく製造する方法を提供す
ることにある。
囲が平滑で、光沢及び硬度が高く、しかも粒径が小さい
意匠塗料用扁平粉末を、収率よく製造する方法を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の意匠塗料用扁平粉末の製造方法は、一般式
Al100-a-b Ma Xb (但し、MはCo、Ni、Crか
ら選ばれた1種又は2種以上の元素、XはY、La、C
e、Sm、Nd、Ca、Mm[ミッシュメタル]から選
ばれた1種又は2種以上の元素であり、a、bは原子%
で2≦a≦20、1≦b≦15である。)で示される組
成の合金溶湯をアトマイズして、非晶質の原料粉末を得
る工程と、前記原料粉末をボールミル加工又はスタンプ
ミル加工によって扁平化する工程とを含むことを特徴と
する。
め、本発明の意匠塗料用扁平粉末の製造方法は、一般式
Al100-a-b Ma Xb (但し、MはCo、Ni、Crか
ら選ばれた1種又は2種以上の元素、XはY、La、C
e、Sm、Nd、Ca、Mm[ミッシュメタル]から選
ばれた1種又は2種以上の元素であり、a、bは原子%
で2≦a≦20、1≦b≦15である。)で示される組
成の合金溶湯をアトマイズして、非晶質の原料粉末を得
る工程と、前記原料粉末をボールミル加工又はスタンプ
ミル加工によって扁平化する工程とを含むことを特徴と
する。
【0011】以下、本発明について更に詳細に説明す
る。本発明において合金組成を上記のように限定した理
由は、アトマイズするだけで非晶質となるように、より
非晶質化しやすい組成に限定したためである。すなわ
ち、前記のように、溶湯の液滴のうち微細なものは、回
転冷却体の表面に衝突する前に凝固してしまうので、微
細な粒径の非晶質合金粉末を得るためには、回転冷却体
に衝突させなくてもアトマイズするだけで非晶質になり
得る組成にする必要があるからである。本発明におい
て、M量が2原子%未満又は20原子%を超えるもの、
及びX量が1原子%未満又は15原子%を超えるもので
は、アトマイズしただけでは非晶質相の形成が困難とな
るので好ましくない。
る。本発明において合金組成を上記のように限定した理
由は、アトマイズするだけで非晶質となるように、より
非晶質化しやすい組成に限定したためである。すなわ
ち、前記のように、溶湯の液滴のうち微細なものは、回
転冷却体の表面に衝突する前に凝固してしまうので、微
細な粒径の非晶質合金粉末を得るためには、回転冷却体
に衝突させなくてもアトマイズするだけで非晶質になり
得る組成にする必要があるからである。本発明におい
て、M量が2原子%未満又は20原子%を超えるもの、
及びX量が1原子%未満又は15原子%を超えるもので
は、アトマイズしただけでは非晶質相の形成が困難とな
るので好ましくない。
【0012】上記合金溶湯をアトマイズして非晶質の原
料粉末を得る方法に制限はなく、空気アトマイズ法や不
活性ガスアトマイズ法などの、通常行われている各種ア
トマイズ法を適用することができる。例えば、噴射ガス
としては、アルゴン、ヘリウム、窒素、空気あるいはそ
れらの混合ガスなどが好ましく用いられ、噴霧化ノズル
からの噴射ガス圧は、20kg/cm2 以上とすること
が好ましい。
料粉末を得る方法に制限はなく、空気アトマイズ法や不
活性ガスアトマイズ法などの、通常行われている各種ア
トマイズ法を適用することができる。例えば、噴射ガス
としては、アルゴン、ヘリウム、窒素、空気あるいはそ
れらの混合ガスなどが好ましく用いられ、噴霧化ノズル
からの噴射ガス圧は、20kg/cm2 以上とすること
が好ましい。
【0013】本発明では、アトマイズして得られた粉末
のうち、粒径20μm以下の粉末を分級して原料粉末と
するのが好ましく、中でも粒径5〜15μmの粉末が好
ましい。原料粉末の粒径が20μmを超えると、最終的
に得られる扁平粉末の粒径が大きくなりすぎるので好ま
しくない。また、このときの粉末の形状は、扁平化した
ときの粉末の形状が丸い均一な形状となるように、球状
であることがより好ましい。
のうち、粒径20μm以下の粉末を分級して原料粉末と
するのが好ましく、中でも粒径5〜15μmの粉末が好
ましい。原料粉末の粒径が20μmを超えると、最終的
に得られる扁平粉末の粒径が大きくなりすぎるので好ま
しくない。また、このときの粉末の形状は、扁平化した
ときの粉末の形状が丸い均一な形状となるように、球状
であることがより好ましい。
【0014】なお、上記において、粒径20μm以下と
したのは、次のような計算に基づいている。すなわち、
球状粉末を押しつぶして厚さ2μmの円盤状の扁平粉末
に加工したとすると、球状粉末の径Do と、扁平粉末の
径Dd の関係は、両者の体積が等しいとすれば下記表1
の通りである。
したのは、次のような計算に基づいている。すなわち、
球状粉末を押しつぶして厚さ2μmの円盤状の扁平粉末
に加工したとすると、球状粉末の径Do と、扁平粉末の
径Dd の関係は、両者の体積が等しいとすれば下記表1
の通りである。
【0015】
【表1】
【0016】したがって、意匠塗料用の扁平粉末として
好ましいとされる、粒径約50μm以下のものを得よう
とすると、粒径約20μm以下の粉末を扁平化すればよ
いことがわかる。
好ましいとされる、粒径約50μm以下のものを得よう
とすると、粒径約20μm以下の粉末を扁平化すればよ
いことがわかる。
【0017】こうして得られた、好ましくは粒径20μ
m以下の原料粉末をボールミル加工又はスタンプミル加
工によって扁平化することにより、意匠塗料用扁平粉末
を得ることができる。ボールミル装置の大きさや形状、
ボール径、回転速度、処理時間等に制限はなく、原料粉
末の量や、目的とする厚さなどに応じて適宜選択すれば
よい。スタンプミル装置についても特に制限はなく、各
種のものが使用できる。なお、最終的に得られる粉末の
厚さが3μm以下、より好ましくは0.3〜1μmとな
るように扁平化することが好ましい。
m以下の原料粉末をボールミル加工又はスタンプミル加
工によって扁平化することにより、意匠塗料用扁平粉末
を得ることができる。ボールミル装置の大きさや形状、
ボール径、回転速度、処理時間等に制限はなく、原料粉
末の量や、目的とする厚さなどに応じて適宜選択すれば
よい。スタンプミル装置についても特に制限はなく、各
種のものが使用できる。なお、最終的に得られる粉末の
厚さが3μm以下、より好ましくは0.3〜1μmとな
るように扁平化することが好ましい。
【0018】上記ボールミル加工又はスタンプミル加工
においては、ステアリン酸、オレイン酸等の潤滑剤を用
いることが好ましい。これによって、粉末の光沢を良好
に保つことができるほか、粉末どうしの凝着を防ぐこと
ができ、扁平粉末の粒度を均一化することができる。潤
滑剤の使用量は、粉末量に対して0.01〜5重量%程
度が好ましい。また、潤滑剤を溶解する有機溶媒として
は、ミネラルスピリット、アセトン、トルエン等を用い
ればよい。
においては、ステアリン酸、オレイン酸等の潤滑剤を用
いることが好ましい。これによって、粉末の光沢を良好
に保つことができるほか、粉末どうしの凝着を防ぐこと
ができ、扁平粉末の粒度を均一化することができる。潤
滑剤の使用量は、粉末量に対して0.01〜5重量%程
度が好ましい。また、潤滑剤を溶解する有機溶媒として
は、ミネラルスピリット、アセトン、トルエン等を用い
ればよい。
【0019】こうして得られた意匠塗料用扁平粉末は、
好ましくは粒径50μm以下、厚さ3μm以下のほぼ円
形に近い扁平粉末であって、各種の水溶性溶媒塗料、有
機溶媒塗料に顔料として配合して使用することができ
る。
好ましくは粒径50μm以下、厚さ3μm以下のほぼ円
形に近い扁平粉末であって、各種の水溶性溶媒塗料、有
機溶媒塗料に顔料として配合して使用することができ
る。
【0020】
【作用】アルミニウム系の非晶質合金としては、例えば
特開平1−275732号に開示されたAla Mb Xc
系合金など、多くのものが知られているが、本発明の組
成を有する合金は、前述したように他のアルミニウム系
非晶質合金よりも非晶質形成能が高い特徴がある。この
ため、回転冷却体に衝突させなくてもアトマイズするだ
けで非晶質にすることが可能であり、その結果、アトマ
イズ中に空間で凝固してしまうような微細な粒径の粉末
であっても非晶質にすることができる。
特開平1−275732号に開示されたAla Mb Xc
系合金など、多くのものが知られているが、本発明の組
成を有する合金は、前述したように他のアルミニウム系
非晶質合金よりも非晶質形成能が高い特徴がある。この
ため、回転冷却体に衝突させなくてもアトマイズするだ
けで非晶質にすることが可能であり、その結果、アトマ
イズ中に空間で凝固してしまうような微細な粒径の粉末
であっても非晶質にすることができる。
【0021】すなわち、本発明では、合金の組成を上記
のように限定したことにより、粒径の小さい非晶質の原
料粉末を収率よく得ることができる。また、純アルミニ
ウム粉末の硬度がHV20以下であるのに対し、HV2
00以上の高い硬度の原料粉末を得ることができる。更
に、意匠塗料粉末として十分な光輝性、耐食性を有する
粉末を得ることができる。
のように限定したことにより、粒径の小さい非晶質の原
料粉末を収率よく得ることができる。また、純アルミニ
ウム粉末の硬度がHV20以下であるのに対し、HV2
00以上の高い硬度の原料粉末を得ることができる。更
に、意匠塗料粉末として十分な光輝性、耐食性を有する
粉末を得ることができる。
【0022】また、上記非晶質の原料粉末は加工性に優
れているので、ボールミル加工やスタンプミル加工を施
しても砕けたり割れたりすることがなく、表面、周囲を
平滑に保ったまま扁平化することができる。このため、
形状が均一で、光沢、反射率の高い扁平粉末を得ること
ができる。
れているので、ボールミル加工やスタンプミル加工を施
しても砕けたり割れたりすることがなく、表面、周囲を
平滑に保ったまま扁平化することができる。このため、
形状が均一で、光沢、反射率の高い扁平粉末を得ること
ができる。
【0023】
実施例1〜4、比較例1〜7 表2に示す各種組成の合金又はアルミニウムを高周波溶
解炉で溶解し、高圧ガスアトマイズ装置において、比較
例2では圧力20kg/cm2 未満、その他は圧力40
kg/cm2 の窒素ガスを噴霧してアトマイズした。高
圧ガスアトマイズ装置としては、特開平1−28720
9号に記載されたアトマイズ装置から、傘型の回転冷却
体を外したものを使用した。なお、噴霧時の溶湯温度
は、比較例5では800℃、その他は1100℃であっ
た。こうして得られた粉末から、粒径20μm以下の球
状粉末を分級して、原料粉末とした。
解炉で溶解し、高圧ガスアトマイズ装置において、比較
例2では圧力20kg/cm2 未満、その他は圧力40
kg/cm2 の窒素ガスを噴霧してアトマイズした。高
圧ガスアトマイズ装置としては、特開平1−28720
9号に記載されたアトマイズ装置から、傘型の回転冷却
体を外したものを使用した。なお、噴霧時の溶湯温度
は、比較例5では800℃、その他は1100℃であっ
た。こうして得られた粉末から、粒径20μm以下の球
状粉末を分級して、原料粉末とした。
【0024】次いで、各原料粉末50gを容器内径16
0mm、高さ160mmのステンレス製ボールミル(株
式会社入江商会製)中に投入し、ステアリン酸をミネラ
ルスピリッツに溶解したものを潤滑剤として、回転速度
60rpmで12〜24時間微粉砕して扁平粉末を得
た。なお、ボールとしては、3/4、5/8、1/2、
3/8インチのものを組み合わせて使用した。
0mm、高さ160mmのステンレス製ボールミル(株
式会社入江商会製)中に投入し、ステアリン酸をミネラ
ルスピリッツに溶解したものを潤滑剤として、回転速度
60rpmで12〜24時間微粉砕して扁平粉末を得
た。なお、ボールとしては、3/4、5/8、1/2、
3/8インチのものを組み合わせて使用した。
【0025】上記各原料粉末について、ボールミル加工
の前後にX線回折を行い、粉末組織を調べた。また、各
扁平粉末を走査型電子顕微鏡で観察し、形状及び光沢を
比較した。その結果を表2に示す。また、実施例1の扁
平粉末の500倍の走査型電子顕微鏡写真を図1に、比
較例1の扁平粉末の500倍の走査型電子顕微鏡写真を
図2に、それぞれ示す。
の前後にX線回折を行い、粉末組織を調べた。また、各
扁平粉末を走査型電子顕微鏡で観察し、形状及び光沢を
比較した。その結果を表2に示す。また、実施例1の扁
平粉末の500倍の走査型電子顕微鏡写真を図1に、比
較例1の扁平粉末の500倍の走査型電子顕微鏡写真を
図2に、それぞれ示す。
【0026】
【表2】
【0027】表2の結果より、実施例1〜4で示される
組成の合金をアトマイズし、分級すると、完全に非晶質
の粉末が得られることがわかった。一方、比較例1、3
〜7で示される組成の合金をアトマイズした場合には、
完全に非晶質の粉末を得ることはできなかった。また、
比較例2は、実施例1と同じ組成の合金を、噴射ガス圧
力を20kg/cm2 未満としてアトマイズしたもので
あるが、この場合にも、完全に非晶質の粉末を得ること
はできなかった。
組成の合金をアトマイズし、分級すると、完全に非晶質
の粉末が得られることがわかった。一方、比較例1、3
〜7で示される組成の合金をアトマイズした場合には、
完全に非晶質の粉末を得ることはできなかった。また、
比較例2は、実施例1と同じ組成の合金を、噴射ガス圧
力を20kg/cm2 未満としてアトマイズしたもので
あるが、この場合にも、完全に非晶質の粉末を得ること
はできなかった。
【0028】そして、実施例1〜4のような非晶質の粉
末をボールミル加工すると、図1に示されるように、周
囲、表面ともに平滑で、光沢のある扁平粉末を得ること
ができた。一方、比較例1のような結晶質粉末や、比較
例2〜7のような結晶質と非晶質とが混在した粉末をボ
ールミル加工すると、図2に示されるように、粉末の周
囲がひび割れたり、表面に凹凸が生じたりして、実施例
1〜4のような、形状、光沢ともに良好な扁平粉末を得
ることはできなかった。
末をボールミル加工すると、図1に示されるように、周
囲、表面ともに平滑で、光沢のある扁平粉末を得ること
ができた。一方、比較例1のような結晶質粉末や、比較
例2〜7のような結晶質と非晶質とが混在した粉末をボ
ールミル加工すると、図2に示されるように、粉末の周
囲がひび割れたり、表面に凹凸が生じたりして、実施例
1〜4のような、形状、光沢ともに良好な扁平粉末を得
ることはできなかった。
【0029】なお、こうして得られた実施例1〜4の扁
平粉末の平均粒径は、20〜30μmであり、平均厚さ
は、0.5〜2.0μmであった。また、実施例1〜4
における最終的に得られた扁平粉末の収率は、90〜9
5%であった。
平粉末の平均粒径は、20〜30μmであり、平均厚さ
は、0.5〜2.0μmであった。また、実施例1〜4
における最終的に得られた扁平粉末の収率は、90〜9
5%であった。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
特定の組成を有する合金溶湯をアトマイズして非晶質の
原料粉末とし、この原料粉末をボールミル加工又はスタ
ンプミル加工することによって、周囲及び表面が平滑
で、光沢、硬度が高く、粒径の小さい意匠塗料用扁平粉
末を収率よく製造することができる。
特定の組成を有する合金溶湯をアトマイズして非晶質の
原料粉末とし、この原料粉末をボールミル加工又はスタ
ンプミル加工することによって、周囲及び表面が平滑
で、光沢、硬度が高く、粒径の小さい意匠塗料用扁平粉
末を収率よく製造することができる。
【図1】本発明の方法によって製造された意匠塗料用の
扁平金属粉末の粒子構造を示す顕微鏡写真である。
扁平金属粉末の粒子構造を示す顕微鏡写真である。
【図2】従来の方法によって製造された意匠塗料用の扁
平金属粉末の粒子構造を示す顕微鏡写真である。
平金属粉末の粒子構造を示す顕微鏡写真である。
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式Al100-a-b Ma Xb (但し、M
はCo、Ni、Crから選ばれた1種又は2種以上の元
素、XはY、La、Ce、Sm、Nd、Ca、Mm[ミ
ッシュメタル]から選ばれた1種又は2種以上の元素で
あり、a、bは原子%で2≦a≦20、1≦b≦15で
ある。)で示される組成の合金溶湯をアトマイズして、
非晶質の原料粉末を得る工程と、 前記原料粉末をボールミル加工又はスタンプミル加工に
よって扁平化する工程とを含むことを特徴とする意匠塗
料用扁平粉末の製造方法。 - 【請求項2】 前記原料粉末のうち、粒径20μm以下
の粉末を採取して、前記ボールミル加工又はスタンプミ
ル加工を行う請求項1記載の意匠塗料用扁平粉末の製造
方法。 - 【請求項3】 前記原料粉末を厚さ3μm以下に扁平化
する請求項1又は2記載の意匠塗料用扁平粉末の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5316061A JPH07145407A (ja) | 1993-11-22 | 1993-11-22 | 意匠塗料用扁平粉末の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5316061A JPH07145407A (ja) | 1993-11-22 | 1993-11-22 | 意匠塗料用扁平粉末の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07145407A true JPH07145407A (ja) | 1995-06-06 |
Family
ID=18072830
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5316061A Pending JPH07145407A (ja) | 1993-11-22 | 1993-11-22 | 意匠塗料用扁平粉末の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07145407A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999054074A1 (en) * | 1998-04-20 | 1999-10-28 | Asahi Kasei Metals Limited | Aluminum pigment |
US7175888B2 (en) | 2004-03-03 | 2007-02-13 | General Electric Company | Mischmetal oxide TBC |
JP2009504909A (ja) * | 2005-08-12 | 2009-02-05 | ダンウィルコ(1198)リミテッド | 金属フレーク製造方法 |
CN101838780A (zh) * | 2010-06-10 | 2010-09-22 | 中南大学 | 一种Al-Ni-Ce-La系铝基非晶态合金及其制备方法 |
-
1993
- 1993-11-22 JP JP5316061A patent/JPH07145407A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999054074A1 (en) * | 1998-04-20 | 1999-10-28 | Asahi Kasei Metals Limited | Aluminum pigment |
US6454847B1 (en) | 1998-04-20 | 2002-09-24 | Asahi Kasei Metals Limited | Aluminium pigment |
US7175888B2 (en) | 2004-03-03 | 2007-02-13 | General Electric Company | Mischmetal oxide TBC |
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