JP2544963B2 - 薄片状粉末 - Google Patents

薄片状粉末

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JP2544963B2 JP63183098A JP18309888A JP2544963B2 JP 2544963 B2 JP2544963 B2 JP 2544963B2 JP 63183098 A JP63183098 A JP 63183098A JP 18309888 A JP18309888 A JP 18309888A JP 2544963 B2 JP2544963 B2 JP 2544963B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、塗料用顔料又はプラスチック用フィラーと
して用いられる薄片状粉末に関する。
「従来の技術」 従来より、耐食性、耐候性を要求される分野に使用さ
れる塗料として、硝子、金属などからなる粉末を混合し
たものが使用されている。これらの粉末は、硝子粉
末、ステンレス粉末のように、粉末自体が耐食性を有し
ており、粉末によって塗面を覆うことにより耐食性を付
与するもの、亜鉛粉末のように、粉末が犠牲電極とな
ることにより塗面の腐食を防止するもの、アルミニウ
ム粉末のように、メタリック塗装を施して耐候性を向上
させるものなどに分類することができる。
このような粉末のうち、硝子粉末としては、ガラスバ
ルーンを割った球面のかけらのようなものが使用されて
いる。
また、ステンレス粉末としては、ステンレスの圧延材
を粒界腐食して物理的に粉砕したものや、ステンレスの
溶湯を水アトマイズして粉末を作り、この粉末をスタン
プミルなどで物理的に扁平化したものなどが使用されて
いる。
さらに、亜鉛粉末としては、亜鉛の溶湯をガスアトマ
イズして得られた球状粉末や、この粉末をスタンプミル
などで物理的に扁平化したものなどが使用されている。
アルミニウム粉末としても同様なものが使用されてい
る。
一方、各種プラスチックにおいても、電磁シールド、
磁気シールドなどの作用を付与するために導電性フィラ
ーを添加したり、あるいはプラスチックを強化するため
に強化用フィラーなどを添加したものが知られている。
特に導電性フィラーとしては、銅、ニッケル、銀などの
金属フィラーが用いられている。
これらの金属フィラーとしては、旋盤を用いたビビリ
振動法により金属を削って作った繊維状または樹枝状の
ものがよく使用されている。
「発明が解決しようとする課題」 塗料用の粉末としては、一般に薄片状のものが好まし
いとされている。すなわち、粉末を塗料用の樹脂に混合
して刷毛塗り、スプレー等で塗布したとき、樹脂の硬化
時に生じる表面張力によって粉末が塗面と平行に積層し
(これをリーフィング現象という)、粉末による連続し
た被膜が形成され、素材を外気から遮断してより良好な
耐食性、耐候性を付与するからである。また、粉末の厚
さが厚くなると、塗膜の平滑度が悪くなるという問題も
生じる。さらに、長径があまり大きくなると塗膜のひび
割れ、剥離等が生じやすくなり、塗膜の強度が低下する
傾向がある。
ところが、硝子バルーンを割って作った硝子粉末は、
球面のかけらのようなものであるから、完全な平面とは
ならず、上記リーフィング現象を良好に起こすことがで
きず、耐食性を充分に付与することができなかった。
また、圧延材を粒界腐食して物理的に粉砕したステン
レス粉末や、アトマイズにより作った粉末をスタンプミ
ルなどで物理的に扁平化したステンレス、亜鉛、アルミ
ニウム粉末などにおいては、その形状が不規則なものと
なりやすく、充分に薄い扁平なものが得られなかった。
このため、やはり上記リーフィング現象を良好に起こす
ことができず、充分な耐食性を付与できなかった。
一方、従来のプラスチック用の金属フィラーは、その
殆どが繊維状または樹枝状のものであるため、これをプ
ラスチックに混合したとき、フィラーとフィラーの間に
多数の隙間が形成され、特に電磁シールド、磁気シール
ドなどの目的で使用される導電性フィラーの場合には、
その効果が充分に得られない傾向があった。
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的は、塗料用顔料や、プラス
チック用フィラーとして好適な薄片状粉末を提供するこ
とにある。
「課題を解決するための手段」 本発明者らは、塗料用顔料又はプラスチック用フィラ
ーとして好適な粉末を得るため、硝子、金属などの溶融
物にガスを噴霧することにより液滴を形成し、この液滴
を種々の回転冷却体に衝突させて冷却凝固させる実験を
行なった。その結果、従来よりアモルファス合金などの
製造に用いられている円筒状の回転冷却体に従来の方法
で液滴を衝突させても、厚さが不揃いでしかも不定形な
粉末が多く形成されてしまい、目的とする薄片状の粉末
を効率的に得ることができなかった。ところが、上記溶
融物の液滴を傘型またはホーン型の回転冷却体に衝突さ
せると、厚さが薄い木の葉形をなす薄片状の粉末が極め
て高収率で得られ、この粉末が塗料用顔料又はプラスチ
ック用フィラーとして極めて優れた特性を有することを
見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、塗料用顔料又はプラスチック用
フィラーとして用いられる薄片状粉末において、硝子、
亜鉛、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ニッケル、銀
から選ばれた一種からなり、全体として木の葉形をな
し、厚さが0.5〜5μm、短径および長径が5〜500μ
m、アスペクト比(厚さに対する長径の比)が5以上で
あることを特徴とする。
本発明の粉末を塗料用顔料として使用する場合、塗料
中への粉末の混合量は、5〜20vol%程度が好ましい。
粉末の含有量が5vol%未満では、塗布の際に塗膜内にお
いて基材塗料のみの部分が多くなり、粉末混入の効果が
充分にでない。また、20vol%を超えると、塗膜の強度
が弱くなり、クラックや剥離などを起こしたり、加工密
着性が悪くなる傾向がある。ただし、この量は、使用す
る粉末や塗料の種類によって適宜変更されるものであ
る。
塗料のバインダー成分としては、塗料に用いられる各
種の合成樹脂が自由に使用できるが、例えばビニル樹
脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂な
どが好ましく用いられる。ただし、ここで塗料用バイン
ダー成分とは、塗布した後に硬化させるものにおいて
は、それらの樹脂のモノマーやオリゴマーを含む意味で
ある。
この塗料中には、上記粉末と塗料バインダー成分の他
に、必要に応じて溶剤、硬化剤、顔料、増粘剤、分散
剤、安定剤などを自由に添加することができる。溶剤
は、使用する樹脂に応じて適宜選択されるが、例えばキ
シレン、トルエン、アルコール、アセトン、酢酸エチル
などが用いられる。また、塗料の形式としても、溶剤
型、エマルジョン型、無溶剤型、粉体型など各種のもの
を採用することができる。
また、塗料用バインダー成分として、無機バインダー
を用いることもできる。例えばけい酸ソーダ水溶液に少
量の重炭酸ソーダを加えたものをバインダーとして使用
し、塗布した後にリン酸水溶液をかけて硬化させるよう
な塗料である。
この塗料は、例えば刷毛塗り法、スプレー法などの各
種の方法で塗布することができる。この場合、粉末を分
散させて良好に密着させるために、塗布に先立って界面
活性剤、カバーリング剤等の表面処理剤、表面改質剤を
用いて表面処理を施してもよい。
また、本発明の粉末をプラスチック用フィラーとして
用いる場合、プラスチック中への粉末の混合量は、10〜
60重量%とすることが好ましい。10重量%未満では、粉
末を混合した効果が充分に得られず、60重量%を超える
と、プラスチックの外観や強度に悪影響を与える傾向が
ある。
プラスチックとしては、例えばポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑
性樹脂や、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、ポリウレタンなどの熱硬化性樹脂など、
各種の樹脂が自由に使用できる。また、必要に応じて、
硝子繊維などの補強材、可塑剤、安定剤、着色剤などを
添加することも自由である。
プラスチックの成形方法としては、粉末を同一方向に
配向させるという理由からプレス成形が最も好ましい
が、射出成形、押出し成形などの他の成形方法も採用で
きる。電磁シールド、磁気シールド特性を向上させるた
めには、粉末を同一方向に配向させる方が好ましいが、
粉末がランダムに配列されていたとしても、本発明で得
られる粉末は薄片状でその表面積が大きいので、従来の
繊維状または樹枝状のフィラーよりは優れた特性を付与
することができる。
「作用」 本発明の薄片状粉末は、全体として木の葉形をなし、
厚さが0.5〜5μm、短径および長径が5〜500μm、ア
スペクト比(厚さに対する長径の比)が5以上であるた
め、塗料用顔料として用いると、塗膜の乾燥中に塗面と
平行に配列するリーフィング現象が良好に起こり、塗面
を隙間なく覆って良好な耐食性、耐候性が付与され、ま
た、厚さが充分に薄いので、塗膜の平滑度が良好とな
り、表面歪みなどの応力に対して割れが生じにくくなる
という優れた効果がもたらされる。
また、本発明の薄片状の粉末をプラスチック用フィラ
ーとして用いると、プラスチックを例えばプレス成形す
るときに、プレスの圧力によって粉末が互いに平行にな
るように配向する現象が効果的に起こり、粉末の平面が
同一方向を向くように配列され、特性の方向に対して粉
末が隙間なく並び、従来の繊維状または樹枝状のフィラ
ーを用いた場合に比べて、電磁シールド、磁気シールド
などの特性が向上する。
本発明の薄片状粉末において、厚さが0.5μm未満で
は長期間に亙る耐食性の維持に問題があり、厚さが5μ
mを超えると塗膜の平滑度が悪くなる。また、短径が5
μm以下では粉末相互の重なりが不均一となり、長径が
500μmを超えると塗膜の強度が劣化する。さらに、ア
スペクト比が5未満だとリーフィング現象が起こりにく
くなる。なお、短径と長径の比は、1〜10程度が好まし
く、10を超えると粉末どうしの間に隙間が生じやすくな
り、目的とする特性を効果的に付与できなくなる。
「実施例」 第1図には、本発明の薄片状粉末を製造するための装
置の一例が示されている。
粉末化する材料は、高周波溶解炉、抵抗炉などの装置
を用いて溶融される。なお、溶融温度は、材料の融点+
50〜300℃程度とすればよい。この溶融物1を流出する
ノズル2が設置されており、落下する溶融物1に対して
高圧の噴射ガスを吹き付ける噴霧化ノズル3が設置され
ている。噴霧ノズル3は、ノズル2を囲むように例えば
円形に配置され、多数の噴出口から溶湯1の流れに向け
て高速ガスを噴出する構造となっている。ノズル2の下
方には、傘型の回転冷却体4がその回転軸をノズル2の
直下からやや横方向にずらして配置されている。
したがって、ノズル2から流出し落下する溶融物1の
流れに対して、噴霧化ノズル3から高圧の噴出ガスが吹
き付けられ、これによって溶融物1の液滴5が形成され
る。この液滴5は、下方に向けて広がりながら飛散し、
回転冷却体4の円錐面に衝突して冷却凝固し、扁平化さ
れた薄片状の粉末6が形成される。なお、この実施例に
おいては、回転冷却体4として第2図(a)に示すよう
な傘型のものが用いられているが、第2図(b)に示す
ようなホーン型のものでもよい。
なお、噴霧化ノズル3からの噴射ガス圧は、好ましく
は40kg/cm2以上とされる。また、噴射ガスとしては、例
えばアルゴン、ヘリウム、窒素、空気あるいは混合ガス
など各種のものが使用可能である。さらに、回転冷却体
4は、例えば水冷などの手段によって少なくとも400℃
以下に冷却され、回転数は1000〜20000rpmとされること
が好ましい。
実施例1 第1図に示した装置を用い、ソーダガラス500gを黒鉛
製のルツボに入れ、1500℃で溶融させて溶融物1とし
た。この溶融物1をノズル2から流出滴下させ、滴下す
る溶融物1に対して噴霧化ノズル3よりアルゴンガスを
100kg/cm2の圧力で吹き付け、液滴5を形成した。この
液滴5をロール径300mmφ、円錐角120゜、回転数7200rp
mの傘型回転冷却体に衝突させ、木の葉形の薄片状粉末
を得た。
この粉末を分級し、厚さ0.5〜5μm(平均2μ
m)、短径および長径5〜500μm、アスペクト比5以
上(平均20)、短径と長径の比1〜10の形状特性を有す
るものを分取した。得られた粉末の収率は68%であっ
た。
比較例1 ソーダガラスでできたバルーン(中空球)を機械的に
粉砕し、硝子粉末を得た。この硝子粉末を分級し、厚さ
2〜5μm(平均3μm)、短径および長径10〜100μ
m、平均アスペクト比13、短径と長径の比1〜10のもの
を得た。
なお、顕微鏡観察した結果、実施例1で得られた粉末
は第3図に示すような形状をなし、比較例1で得られた
粉末は第4図に示すような形状をなしていることがわか
った。
試験例1 ポリ酢酸ビニル系樹脂85vol%、実施例1または比較
例1の粉末15vol%を混合し、これに希釈剤として5%
の溶剤を加えて、実施例1の粉末を含む塗料と、比較例
1の粉末を含む塗料をそれぞれ調製した。
厚さ3.2mm、幅20mm、長さ50mmのSS41鋼板を用意し、
サンドブラスト処理した後、トリクレン中で超音波洗浄
した後、上記で調製したそれぞれの塗料の塗膜の厚さが
100μm前後になるように刷毛塗り塗装した。
乾燥後、塗膜状態を観察すると共に、耐食性テストを
行なった。耐食性テストは、20℃の王水中に浸漬して母
材が溶出する時間を調べることによって行なった。この
結果を第1表に示す。
実施例2 第1図に示した装置を用い、99.99%の亜鉛400gをア
ルミナ製のルツボにセットし、550℃で溶融させて溶融
物1とした。この溶融物1をノズル2から流出滴下さ
せ、滴下する溶融物1に対して噴霧化ノズル3よりアル
ゴンガスを80kg/cm2の圧力で吹き付け、液滴5を形成し
た。この液滴5をロール径300mmφ、円錐角120゜、回転
数7200rpmの傘型回転冷却体に衝突させ、木の葉形の薄
片状粉末を得た。
この粉末を分級し、厚さ0.5〜5μm、短径および長
径5〜500μm、アスペクト比5以上、短径と長径の比
1〜10の形状特性を有するものを分取した。得られた粉
末の収率は81%であった。
比較例2 市販されている気相法で得られた亜鉛の球状粉を用意
した。この球状粉は、99.99%以上の純度の亜鉛からな
り、平均粒径25μmである。
試験例2 無機質バインダーとして、けい酸ソーダ水溶液に少量
の重炭酸ソーダを加えたものを使用し、これに実施例2
または比較例2の亜鉛粉末を、重量で65、70、75、80、
85、90%加えてそれぞれの塗料を調製した。
厚さ3.2mm、幅20mm、長さ50mmのSS41鋼板を用意し、
サンドブラスト処理した後、トリクレン中で超音波洗浄
した後、上記で調製したそれぞれの塗料を塗膜の厚さが
100μm前後になるように刷毛塗り塗装した。その後、
リン酸水溶液をかけて硬化させた。
塗膜を乾燥させた後、食塩水中における耐食性試験を
行なった。耐食性試験は、塗膜に十字状の切りきずを入
れて3%の食塩水に浸漬し、切りきずからの腐食の進行
による塗膜のふくれや、鉄の溶出を調べて行なった。食
塩水の温度は25±2℃とした。この結果を第2表に示
す。
実施例3 第1図に示した装置を用い、ステンレス(SUS316)の
鋳塊500gをアルミナ製のルツボにセットし、1550℃で溶
融させて溶融物1とした。この溶融物1をノズル2から
流出滴下させ、滴下する溶融物1に対して噴霧化ノズル
3よりアルゴンガスを80kg/cm2の圧力で吹き付け、液滴
5を形成した。この液滴5をロール径300mmφ、円錐角1
20゜、回転数7200rpmの傘型回転冷却体に衝突させ、木
の葉形の薄片状粉末を得た。
この粉末を分級し、厚さ0.5〜5μm、短径および長
径5〜500μm、アスペクト比5以上、短径と長径の比
1〜10の形状特性を有するものを分取した。得られた粉
末の収率は72%であった。
比較例3 市販のステンレス(SUS316)粉末を用意した。この粉
末は、ステンレス(SUS316)の溶湯を水アトマイズ法に
より不規則粉末とし、この粉末を焼鈍する。そのとき、
ステアリン酸亜鉛を5%添加し、ボールミル中で粉末を
扁平化することにより得られたものである。この粉末
は、不規則形状をしており、厚さ1〜10μm、短径およ
び長径5〜500μm、アスペクト比10〜100である。
試験例3 実施例3で得られたステンレス粉末と、比較例3のス
テンレス粉末について、2N−HC1中に浸漬したときの状
態、スキマ腐食特性、形状について調査した。その結果
を第3表に示す。
また、ポリ酢酸ビニル系樹脂85vol%、実施例3また
は比較例3の粉末15vol%を混合し、これに希釈剤とし
て5%の溶剤を加えて、実施例3の粉末を含む塗料と、
比較例3の粉末を含む塗料をそれぞれ調製した。
厚さ3.2mm、幅20mm、長さ50mmのSS41鋼板を用意し、
サンドブラスト処理した後、トリクレン中で超音波洗浄
した後、上記で調製したそれぞれの塗料を塗膜の厚さが
100μm前後になるように刷毛塗り塗装した。
乾燥後、塗膜状態を観察すると共に、耐食性テストを
行なった。耐食性テストは、20℃の王水中に浸漬して母
材が溶出する時間を調べることによって行なった。この
結果を第4表に示す。
実施例4 第1図に示した装置を用い、99%の銅の鋳造塊500gを
黒鉛のルツボにセットし、1250℃で溶融させて溶融物1
とした。この溶融物1をノズル2から流出滴下させ、滴
下する溶融物1に対して噴霧化ノズル3より窒素ガスを
80kg/cm2の圧力で吹き付け、液滴5を形成した。この液
滴5をロール径300mmφ、円錐角45゜、回転数10000rpm
の傘型回転冷却対に衝突させ、木の葉形の薄片状粉末を
得た。
この粉末を分級し、厚さ0.5〜5μm、短径および長
径5〜500μm、アスペクト比5以上、短径と長径の比
1〜10の形状特性を有するものを分取した。得られた粉
末の収率は75%であった。
比較例4 市販の3種類の銅粉末を用意した。すなわち、電解粉
(樹枝状、粒径10〜40μm)と、電解粉を破砕した粉
(片状、粒径10〜40μm)と、アトマイズ粉(球状粒径
10〜40μm)である。
試験例4 無機質バインダーとして、けい酸ソーダ水溶液に少量
の重炭酸ソーダを加えたものを使用し、これに実施例4
または比較例4の銅粉末を、40重量%加えてそれぞれの
塗料を調製した。
厚さ3mm、縦150mm、横75mmのケイ酸カルシウム板に、
上記で調製したそれぞれの塗料を塗膜厚さが100μmに
なるように刷毛塗り塗装した。このあと、リン酸水溶液
をかけて硬化させた。
塗膜を乾燥させた後、アドバンテック法で塗膜の電気
抵抗および100MHz電磁シールド効果を測定した。この結
果を第5表に示す。
実施例5 第1図に示した装置を用い、99.9%のアルミニウムの
鋳塊200gを黒鉛のルツボにセットし、800℃で溶融させ
て溶融物1とした。この溶融物1をノズル2から流出滴
下させ、滴下する溶融物1に対して噴霧化ノズル3より
窒素ガスを80kg/cm2の圧力で吹き付け、液滴5を形成し
た。この液滴5をロール径300mmφ、円錐角90゜、回転
数7200rpmの傘型回転冷却体に衝突させ、木の葉形の薄
片状粉末を得た。
この粉末を分級し、厚さ0.5〜5μm、短径および長
径5〜500μm、アスペクト比5以上、短径と長径の比
1〜10の形状特性を有するものを分取した。得られた粉
末の収率は76%であった。
比較例5 市販のアルミニウム扁平粉末を用意した。この粉末
は、純度99.9%のアルミニウムからなり、厚さ0.5〜2.0
μm、短径および長径5〜500μm、アスペクト比10〜1
00である。
試験例5 ヤシ油変性短油性アルキド樹脂ワニス42重量%、ブチ
ル化メラミン樹脂ワニス15重量%、溶剤11重量%に対し
て、実施例5または比較例5のアルミニウム粉末を32重
量%混合してそれぞれの塗料を調製した。
厚さ3.2mm、幅200mm、高さ500mmのSPC−1鋼板に、下
地処理として薄膜型リン酸亜鉛化成被膜処理をした後、
塗膜厚さが50μmとなるように刷毛塗りし、110〜130℃
で焼付け塗装した。
こうして得られた塗膜について、断面を観察して顔料
であるアルミ粉の配向性を調査した。その結果、実施例
5の粉末を含有するものは良好な配向性を有しており、
比較例5の粉末を含有するものは配向性がやや劣ってい
た。
また、それぞれの塗膜について鏡面反射率を測定した
ところ、実施例5の粉末を含有するものは90%以上であ
り、比較例5の粉末を含有するものは約85%であった。
このように、メタリック塗装においても本発明で得られ
た粉末は、優れた特性を有している。
「発明の効果」 以上説明したように、本発明の薄片状粉末は、硝子、
亜鉛、ステンレス、アルミニウム、銅、ニッケル、銀か
ら選ばれた一種からなり、全体として木の葉形状をな
し、厚さが0.5〜5μm、短径および長径が5〜500μ
m、アスペクト比が5以上であるという特徴を有するの
で、塗料用顔料としたとき、塗膜の乾燥中に塗面と平行
に配列するリーフィング現象が良好に起こり、塗面を隙
間なく覆って良好な耐食性、耐候性を付与することがで
きる。また、本発明の薄片状粉末をプラスチック用フィ
ラーとしたときには、良好な電磁シールド、磁気シール
ド特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の薄片状粉末を製造するための装置の一
例を示す概略断面図、第2図(a)、(b)は同製造装
置で用いられる回転冷却体のそれぞれ異なる例を示す
図、第3図は従来の硝子粉末を示す模式図、第4図は本
発明の一実施例である硝子粉末を示す模式図である。 図中、1は溶融物、2はノズル、3は噴霧化ノズル、4
は回転冷却体、5は液滴、6は粉末である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原川 義夫 東京都中央区八重洲1丁目9番9号 帝 国ピストンリング株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−287201(JP,A) 特開 平2−4902(JP,A) 特開 平1−319606(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塗料用顔料又はプラスチック用フィラーと
    して用いられる薄片状粉末において、硝子、亜鉛、ステ
    ンレス鋼、アルミニウム、銅、ニッケル、銀から選ばれ
    た一種からなり、全体として木の葉形をなし、厚さが0.
    5〜5μm、短径および長径が5〜500μm、アスペクト
    比(厚さに対する長径の比)が5以上であることを特徴
    とする薄片状粉末。
JP63183098A 1988-05-12 1988-07-22 薄片状粉末 Expired - Fee Related JP2544963B2 (ja)

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