JPH07102143B2 - 赤色色素の製造法 - Google Patents

赤色色素の製造法

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JPH07102143B2
JPH07102143B2 JP2085469A JP8546990A JPH07102143B2 JP H07102143 B2 JPH07102143 B2 JP H07102143B2 JP 2085469 A JP2085469 A JP 2085469A JP 8546990 A JP8546990 A JP 8546990A JP H07102143 B2 JPH07102143 B2 JP H07102143B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、赤色色素の製造方法に関する。本発明の方法
により、赤色色素を放線菌の培養物中に顕著に生成・蓄
積させて回収することができる。
〔従来の技術〕
従来、天然の赤色色素としては、植物性色素としてビー
トや赤皮ブドウから抽出した色素などがあるが、いずれ
も農業生産物の廃棄物からの抽出法によるものが主要な
ものであり、生産が季節や地域によって限定されてい
た。人為的に大量生産する試みとして、植物組織培養に
よる生産も試みられた(特公昭55−3378号公報)が、ベ
タシアニン、アントシアン、カロチノイド、キノンなど
の赤色色素はいずれも細胞内に蓄積し、培地には分泌し
ないために、生産される色素量は細胞の生育量に限定さ
れ、大量生産は困難であった。細胞内に生産された赤色
色素を培地中に分泌生産させあるいは培地中に直接生産
させて、これを回収できれば生産量を高めることができ
る。このような事例はムラサキの毛状根によるキノンの
一種シコニンの生産(嵯峨ら、生薬学会第34回年会講演
要旨、62ページ、1987)で知られているにすぎない。本
発明のように培地中に特異的に赤色色素を生産する例は
これまで知られていない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、赤色色素を大量生産する実用的な方法を提供
することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の赤色色素の製造法は、ナス科植物の根を含む培
地で放線菌を培養するか、またはナス科植物の根を培養
した培養物から根を除いた培養液で放線菌を、培養する
ことにより、培養物中に赤色色素を生成・蓄積させ、該
培養物より赤色色素を採取することを特徴とするもので
ある。
本発明によると、ナス科植物の根と放線菌を同時に培養
するか、ナス科植物の根を培養した培養物に放線菌を感
染させるか、根を培養した培養物から培養液のみを回収
してこれに放線菌を植菌あるいは固定化した放線菌と接
触させることによって、培養物中に赤色色素を生産し、
回収することができる。
本発明に用いられるナス科植物としては、ダツラ、ズボ
イシア、スコポリア、ソラナム、ヒヨス、アトロパ(ア
トロパ・ベラドンナあるいはベラドンナと呼ぶ)、ペチ
ュニアなどナス科に属する植物の根であればいずれでも
よく、通常は培養によって増殖した根が用いられる。
これらの根はそれ自体公知の手法でエタノール、次亜塩
素酸ナトリウムなどを用いて殺菌し、適当な大きさ(通
常1〜20mm)の切片に切断して培養増殖して用いられ
る。
ナス科植物の根を培養増殖する培地の組成は基本的には
植物組織の培養に用いる培地であればいかなる培地でも
利用することができる。すなわち、培地としては、10〜
100g/の糖、0.1〜10mg/の植物ホルモン類および窒
素源、無機物、ビタミン類などをほどよく含有するもの
であれば天然または合成培地のいずれでも用いられる。
糖としては、シュークロース、グルコース、ラクトー
ス、マルトースなどが用いられる。
植物ホルモン類としては、α−ナフタレン酢酸、2,4−
ジクロロフェノキシ酢酸、インドール酢酸、インドール
酢酸などのオーキシン類、カイネチン、N−(2−クロ
ロ−4−ピリジル)−N−フェニル尿素、ベンジルアデ
ニン、ゼアチンなどのサイトカイニン類、ジベレリンA
3、ジベレリンA4、ジベレリンA7などのジベレリン類、
アブサイジン類、エチレンなどが用いられる。
窒素源としては、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸
アンモニウム、硝酸カルシウム、硫酸アンモニウム、グ
リシン、グルタミン酸、リジン、アスパラギン酸などの
アミノ酸、イーストエキス、肉エキス、ペプトンなどが
用いられる。
無機物としては、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化
マンガン、塩化ニッケル、塩化コバルト、塩化アルミニ
ウム、塩化鉄、硫酸マグネウム、硫酸ナトリウム、硫酸
ニッケル、硫酸鉄、硫酸マンガン、硫酸チタン、硫酸亜
鉛、硫酸銅、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カ
リウム、ヨウ化カリウム、ホウ酸、モリブデン酸ナトリ
ウムなどが用いられる。
その他さらに必要に応じて培地にビタミンB1、イノシト
ール、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸、塩酸チアミン、
ビオチンなどを加えてもよい。
具体的な培地としてはムラシゲ・スクーグ氏培地、リン
スマイヤー・スクーグ氏培地、ホワイト氏培地、クノッ
プ氏培地などが用いられる。
培養は温度10〜35℃、照度0〜20,000ルクス、pH3.5〜
8.5でおこなわれ、通常10〜100日間で完了するが、さら
に培養を続けてもよい。
培養に際してはまずナス科植物の葉、茎、根などの組織
を小片(5×5〜50×50mm)に切断し、表面をたとえば
次亜塩素酸ナトリウム、エチルアルコールなどで殺菌処
理した後、無菌水で良く洗う。このように表面殺菌した
小片を滅菌固体培地に培地2〜10ml当り小片1個の割合
で置床後、10〜35℃で20〜50日間静置培養すると茎葉、
根などの分化組織の塊が得られる。このようにして得ら
れる分化組織の塊から根を分離し、滅菌した液体培地を
含むフラスコまたは培養槽に移植し培養する。液体培地
での培養は、たとえば300ml容エルレンマイヤーフラス
コを用いる場合では30〜200ml程度の液体培地に、培地1
00ml当り上記の根を新鮮重量として約1g移植し、10〜35
℃、毎分60〜250回転の振とう培養をおこなう。また3
容の培養槽を用いる場合では1〜2の液体培地に、
培地100ml当り上記の根を新鮮重量として約1g入れ、10
〜35℃で毎分0.5〜3の無菌空気を通気しつつ培養す
る。根が移植した量の2から20倍に生育したら培地から
取り出し、2〜20個に分割して上記の方法と同様に液体
培地100ml当り分割した根を新鮮重量として約1g液体培
地に移植して同一条件で培養する操作を繰り返す。
このように培養を繰り返し、移植した量の2〜20倍に生
育した根を赤色色素を生産する材料として得る。このほ
か、赤色色素を生産させるナス科植物の根を材料として
得る方法としては、既知の方法(たとえば、特開昭61−
274694号公報記載の方法)を利用することができる。こ
のようにしてナス科植物の根を液体培地内で培養し、増
殖させたら、次に培養物に放線菌を植菌するか、根の培
養物から培養液のみを回収してこれに放線菌を植菌ある
いは固定化した放線菌と接触させることにより、赤色色
素を生産させる。放線菌を植菌、接触後、培養は、温度
10〜35℃、照度0〜20000ルクス、pH3.5〜8.5でおこな
われ、通常10〜100日間で完了する。
本発明で用いる放線菌としては、ノカルディオプシス属
に属し、ナス科植物の根を含む培地で培養したときある
いはナス科植物の根を培養した培養物から根を除いた培
養液で培養したとき、赤色色素を生産することができる
菌株であればいずれでも用いられる。
具体的菌株の例としては、ベラドンナ(Atropabelladon
na)の根より分離したノカルディオプシス・エスピーBL
−1株をあげることができる。BL−1株の形態、培養、
生理における特徴を記述する。
I.形態 BL−1株は、一般に使用されている寒天培地で生育させ
た場合、隔壁を有し分岐する。基生菌糸および気中菌糸
を形成するが、特徴的な基生菌糸の分断はみられない。
また、胞子嚢および菌核の形成は見いだされない。
胞子は、気中菌糸より単純分岐した胞子柄に10個以上の
長い鎖状に形成され、その形態は直状または波状、成熟
した胞子の大きさは0.3−0.4μm×0.6−0.9μmであ
り、柱状または卵形を示し、その表面は平滑で鞭毛を持
たない。
II.各種培地上での生育状態 BL−1株は、一般に使用されている天然培地で普通もし
くは旺盛な生育を示すが、合成培地での生育は不良であ
る。基生菌糸は一般に薄黄色を、一方気中菌糸は白色を
呈する。培地によっては、特徴的な赤紫色の可溶性色素
を生産する。
各種培地上での28℃、2週間培養したときの生育および
色の特徴を下記に示す。なお、色の表示はカラー・ハー
モニー・マニュアル〔Color Hormony Manual(Containe
r Corporation of America)〕による色の分類に従っ
た。
1.グルコース・アスパラギン寒天培地 生育、裏面の色:普通、ライトアイボリー(2ca) 気中菌糸:なし 可溶性色素:ローズ 2:グリセロール・アスパラギン寒天培地 生育、裏面の色:普通、クリーム(1 1/2ca) 気中菌糸:なし 可溶性色素:なし 3.シュークロース・硝酸塩寒天培地 生育、裏面の色:普通、パールピンク(3ca) 気中菌糸:貧弱、ホワイト(a) 可溶性色素:ピンク 4.スターチ・無機塩寒天培地 生育、裏面の色:貧弱、ライトアイボリー(2ca) 気中菌糸:なし 可溶性色素:なし 5.チロシン寒天培地 生育、裏面の色:普通、ライトタン(3gc) 気中菌糸:貧弱、ホワイト(a) 可溶性色素:ブラウン 6.栄養寒天培地 生育、裏面の色:普通、ライトフィート(2ea) 気中菌糸:なし 可溶性色素:なし 7.麦芽エキス・酵母エキス寒天培地 生育、裏面の色:良好、シナモン(3le) 気中菌糸:貧弱、ホワイト(a) 可溶性色素:薄いブラウン 8.オートミール寒天培地 生育、裏面の色:普通、ライトアイボリー(2ca) 気中菌糸:なし 可溶性色素:なし 9.ペプトン・酵母・鉄寒天培地 生育、裏面の色:良好、ライトベージュ(3ec) 気中菌糸:なし 可溶性色素:ブラウン III.生理的性質 BL−1株の生理的性質を以下に示す。温度は培養開始後
6日間、その他は2週間後の結果を記述する。
(1) 炭素源の利用性:基礎培地としてプリドハム・
ゴッドリーブ無機培地(ISP9号)に酵母エキス0.1%を
添加したものを使用した。
BL−1株は、D−グルコース、D−キシロース、シュー
クロース、フラクトースを資化するが、L−アラビノー
ス、i−イノシトール、ラフィノース、L−ラムノー
ス、D−マニトールを資化しない。
(2) ゲラチンの液化作用:あり (3) ミルクに対する作用:凝固、液化あり (4) デンプンの加水分解作用:なし (5) 生育温度範囲:16℃−34.5℃ (6) チロシナーゼの生成:あり (7) メラノイド色素の生成:あり IV.菌体成分 全菌体加水分解物には、ジアミノピメリン酸として、me
so−ジアミノピメリン酸のみが検出され、また還元糖と
してグルコース、ガラクトース、マンノース、ラムノー
ス、リボースそして未同定のペントースとヘキソースが
検出された。
以上気中菌糸上に形成される胞子鎖およびジアミノピメ
リン酸の立体型、還元糖組成などから、本菌株は放線菌
の中でノカルディオプシス(Nocardiopsis)属に分類さ
れる。
ノカルディオプシス属で、細菌学名承認リスト〔インタ
ーナショナル・ジャーナル・システマティック・バクテ
リオロジー(Inst.J.Syst.Bacteriol.30:225,1980)〕
において承認され、かつ同誌に公表された既知菌種とし
ては9種あるが、その多くは十分な菌学的記載がされて
いない。しかし本菌株のようにメラニン色素と同時に特
徴的な色素を生産するものはない。本菌株をノカルディ
オプシス属の新種に属するものと同定しノカルディオプ
シス・エスピー・BL−1(Nocardiopsis sp.BL−1)と
称する。本菌株はブタペスト条約にもとづき平成2年3
月28日付で工業技術院微生物工業技術研究所に微工研条
寄第2832号として寄託されている。
本発明の製造方法によって得られる赤色色素は新規物質
であり、以下の物理化学的性質を有する。
・mp>285℃ ・EIMS m/z:227,210,188,181,171,155,142,130,105 EIMSは主要フラグメントでM+は観察されていない。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
これらの実施例は本発明の範囲を何ら制限するものでは
ない。
実施例1 ベラドンナの茎を約5cmの長さに切り、70%エチルアル
コールで2分間、次いで次亜塩素酸ナトリウム水溶液
(有効塩素量0.5%)で100分間殺菌した後に5〜10mmの
切片に切った。該切片を、第1表に示したムラシゲ・ス
クーグ培地にN−(2−クロロ−4−ピリジル)N−フ
ェニル尿素を培地1当り1mgおよび寒天を培地1当
り8gの濃度で添加した培地(以下、培地aという。)10
mlを含有する直径24mm、長さ125mmの試験管に移植し、2
2℃、2500ルクス連続照明下30日間培養した。
培養30日後、生育した組織を無菌的に取り出し、ピンセ
ットとメスを用いて組織から発生した根のみを無菌的に
採取した。これらの根を、第2表の組成からなる新鮮培
地100mlを含有するコニカルビーカーに移植して、22℃
で30日間培養し、生育した根の塊を得た。この根の塊を
ピンセットとメスを用いて無菌的に分割し、再び第2表
の組成からなる新鮮培地100mlを含有するコニカルビー
カーに移植して前記と同様の方法で継代増殖を繰り返し
て根のみを増殖させた。このようにして増殖した根を無
菌的に取り出し、ピンセットとメスを用いて組織から発
生した根のみを無菌的に採取した。これらの根を前記第
1表の組成のうちシュークロースを60.0gに変更し、さ
らにα−ナフタレン酢酸を0.3mgに変更した液体培地
(以下培地bという。)100mlを含有する300ml容広口フ
ラスコに培地100ml当り平均2gを移植して、22℃で25日
間毎分120回転で回転振とう培養して培地中に根を培地1
00ml当り平均約6gに生育させた。このようにして生育さ
せた根の培養物に、放線菌BL−1株をブイヨン液体培地
で25℃、3日間生育させた培養液1mlを植菌し、22℃で2
5日間毎分120回転で回転振とう培養を継続した後、培地
を回収し、回収した培地を合成吸着剤HP−40に通過させ
て色素を吸着させた後、メチルアルコールで吸着した色
素を溶出した。メチルアルコールを乾固した後の色素量
は、培地1当りの収量に換算して1.2gであった。この
粗色素をカラムクロマトグラフィーで精製した結果、培
地1当りの収量に換算して93mgの精製色素が得られ
た。
第1表 ムラシゲ・スクーグ培地組成 硝酸アンモニウム 1,650 mg 硝酸カリウム 1,900 mg 塩化カルシウム・2水塩 440 mg 硫酸マグネシウム・7水塩 370 mg リン酸第一カリウム 170 mg Na2EDTA・2水塩 37.3 mg 硫酸第一鉄・7水塩 27.8 mg ホウ酸 6.2 mg 硫酸マンガン・4水塩 22.3 mg 硫酸亜鉛・7水塩 8.6 mg ヨウ化カリウム 0.83 mg モリブデン酸ナトリウム・2水塩 0.25 mg 硫酸第一銅 0.025mg 塩化コバルト 0.025mg ビタミンB1 0.40 mg イノシトール 100 mg 塩酸ピリドキシン 0.50 mg ニコチン酸 0.50 mg グリシン 2.00 mg シュークロース 30.0 g (前記の成分を脱イオン水に溶かして1とし、0.1規
定の水酸化ナトリウム水溶液でpHを6.2に調節し、培養
容器に分注した後121℃で20分間殺菌する。) 第2表 ムラシゲ・スクーグ改変培地組成 硝酸アンモニウム 825 mg 硝酸カリウム 950 mg 塩化カルシウム・2水塩 220 mg 硫酸マグネシウム・7水塩 185 mg リン酸第一カリウム 85 mg Na2EDTA・2水塩 18.65 mg 硫酸第一鉄・7水塩 13.9 mg ホウ酸 3.1 mg 硫酸マンガン・4水塩 11.15 mg 硫酸亜鉛・7水塩 4.3 mg ヨウ化カリウム 0.415 mg モリブデン酸ナトリウム・2水塩 0.125 mg 硫酸第一銅 0.0125mg 塩化コバルト 0.0125mg ビタミンB1 0.2 mg イノシトール 50.0 mg 塩酸ピリドキシン 0.25 mg ニコチン酸 0.25 mg グリシン 1.00 mg シュークロース 30.0 g ナフタレン酢酸 0.1 mg (前記の成分を脱イオン水に溶かして1とし、0.1規
定の水酸化ナトリウム水溶液でpHを6.2に調節し、培養
容器に分注した後121℃で20分間殺菌する。) 実施例2 ベラドンナの茎を約5cmの長さに切り、70%エチルアル
コールで2分間、次いで次亜塩素酸ナトリウム水溶液
(有効塩素量0.5%)で100分間殺菌した後に5〜10mmの
切片に切った。該切片を、培地a10mlを含有する直径24m
m、長さ125mmの試験管に移植し、22℃、250ルクス連続
照明下30日間培養した。
培養30日後、生育した組織を無菌的に取り出し、ピンセ
ットとメスを用いて組織から発生した根のみを無菌的に
採取した。これらの根を、第2表の組成からなる新鮮培
地100mlを含有するコニカルビーカーに移植して、22℃
で30日間培養し、生育した根の塊を得た。この根の塊を
ピンセットとメスを用いて無菌的に分割し、再び第2表
の組成からなる新鮮培地100mlを含有するコニアルビー
カーに移して前記と同様の方法で継代増殖を繰り返して
根のみを増殖させた。このようにして増殖した根を無菌
的に取り出し、ピンセットとメスを用いて組織から発生
した根のみを無菌的に採取した。これらの根を液体培地
b8を含有する10容の植物器官の培養用培養槽(特開
平1−243985号公報)に培養槽当りコニカルビーカー8
本分を移植して、22℃で25日間毎分30回転でほぐし装置
を5日間隔で一回当り30分運転して培養し、集塊を形成
することなく根を培養槽全体に均一に分散して培養槽当
り乾燥重として約55g(新鮮重量として約540g相当)に
生育させた(この結果は培地の電気伝導度の変化量から
計算した)。
このようにして培養した培養槽から根は培養槽に残し培
地のみを無菌的に2のフラスコに約1を回収すると
共に、培地bと同一組成の新鮮培地1を補充した。こ
のようにして回収した培地にブイヨン液体培地で25℃、
3日間培養した放線菌BL−1株を5ml植菌し、25℃、毎
分120回転で10日間液体回転振とう培養をおこなった後
培地を回収し、回収した培地を合成吸着剤HP−40に通過
させて色素を吸着させた後、メチルアルコールで吸着し
た色素を溶出した。別にさらに4日後に再度培養槽から
培地のみを無菌的に2のフラスコに前回と同様に約1
を回収すると共に、培地bと同一組成の新鮮培地1
を補充した。このようにして回収した培地にブイヨン液
体培地で培養した放線菌BL−1株を5ml植菌し、25℃、
毎分120回転で10日間液体回転振とう培養をおこなった
後培地を回収し、回収した培地を合成吸着剤HP−40に通
過させて色素を吸着させた後、メチルアルコールで吸着
した色素を溶出した。先にメチルアルコールで溶出した
色素とあわせた後、メチルアルコールを乾固して粗色素
量2.4gを得た。この粗色素をカラムクロマトグラフィー
で精製した結果、175mgの精製色素が得られた。
〔発明の効果〕
本発明によれば、赤色色素を培養物中に顕著に生産する
ことができる。そして、赤色色素のほとんどが培養物中
に生産されるため、培養したナス科植物の根や放線菌を
回収する必要がないばかりか赤色色素を分離するためナ
ス科植物の根や放線菌を破砕して精製する必要がない。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アトロパ属に属する植物の根を含む培地で
    ノカルディオプシス属に属する微生物を培養し、培養物
    中に赤色色素を生成・蓄積させ、該培養物より赤色色素
    を採取することを特徴とする赤色色素の製造法。
  2. 【請求項2】アトロパ属に属する根を培養した培養物か
    ら根を除いた培養液でノカルディオプシス属に属する微
    生物を培養し、培養物中に赤色色素を生成・蓄積させ、
    該培養物より赤色色素を採取することを特徴とする赤色
    色素の製造法。
  3. 【請求項3】ノカルディオプシス属に属する微生物がノ
    カルディオプシス・エスピー・BL−1である請求項1ま
    たは2記載の製造法。
JP2085469A 1990-03-31 1990-03-31 赤色色素の製造法 Expired - Lifetime JPH07102143B2 (ja)

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