JP3195833B2 - 新規生理活性物質及びその製造法 - Google Patents
新規生理活性物質及びその製造法Info
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Description
害活性及び細胞増殖阻害活性を有する新規生理活性物質
と、その製造法に関する。
来、種々の抗癌剤が医薬品として実用化されている。し
かしながら、副作用の問題などから、医療分野におい
て、現在も新規な抗癌剤が求められている。
フィザルム・ポリセファラム(Physarum po
lycephalum)MCI 2526の単相アメー
バより細胞増殖阻害活性のある生理活性物質を発見し、
その産生する物質について単離、精製を行った。
α阻害活性を有し、特に癌細胞に対し、強い阻害活性を
有するとの知見を得て、その単離・精製を行い、新規な
生理活性物質を得るに至り、本発明を完成した。
下記式で表される新規生理活性物質及びその製造法に存
する。
明の新規生理活性物質は上記式で表される。該生理活性
物質は例えば変形菌網 モジホコリ目 モジホコリ科
モジホコリ属に属する菌によって生産される。かかる生
産菌としては、例えばフィザルム・ポリセファラム(P
hysarum polycephalum)MCI
2526が挙げられ、かかる菌株は微工研菌寄第115
76号(FERM P−11576)として寄託されて
いる。
rum polycephalum)MCI 2526
(以下、「MCI 2526号菌」と略す)の微生物学
的性状は以下の通りである。
活し、腐敗した植物体や、その上で繁殖するバクテリア
を餌としている。黄色の色素を持つ半透明ゼラチン状の
生物体で、網目状に平たく広がり、大きさは数cmから数
十cmに及ぶ。厚さは0.5〜数mm程度である。この変形
体は細胞壁のない1個の細胞からできており、内部には
多数の直径約3μmの核を持つ。変形体の生長に伴な
い、核は分裂を繰り返し、他の細胞内小器官も数を増す
が、細胞質分裂は起こらない。餌を探して巨大なアメー
バ様に移動し生長を続けるが、生長中の変形体は湿った
暗所を好む。成熟すると、倒木の樹皮の割れ目や落ち葉
の下から、光の当たる乾いた場所へと移動し、そこで子
実体を形成する。子実体は高さ1〜1.5mmで、原形質
が集合し上へ伸びてできた柄の上に、枕状の形をした胞
子嚢が数個付着する。1個の胞子嚢の直径は0.3〜
0.5mm、胞子嚢の色は暗い紫褐色で、胞子嚢の袋(表
皮)に石灰が付着しているために、乾燥すると白っぽく
見える。子実体は、倒木や落ち葉の上に直接生じている
のではなく、変形膜と呼ばれる透明な膜を介して倒木な
どにしっかり付着している。
径は約8μm、表面にトゲ状の突起を持つ。色は暗紫
色。胞子嚢には細毛体と呼ばれる中空の細い管が存在
し、胞子嚢の形を保ち、また胞子の飛散に役立ってい
る。直径約10cmの変形体から100個以上の子実体が
形成され、それぞれの子実体では、100万個もの胞子
が作られる。
ると、単相(n世代)のアメーバ(ミクソアメーバ)と
なる。このアメーバは、複相の変形体とは全く独立に生
活することができ、細胞分裂を行って増殖する。単相ア
メーバは直径約10μmで色素を持たない。固体上では
一般的な土壌アメーバと同様な挙動を示し、細胞ははっ
きりした極性を持たないが、水中では2本の鞭毛を生
じ、はっきりした極性を持つようになる。生存に不適当
な条件下では、周囲に主としてガラクトサミンとタンパ
ク質から成る細胞壁を形成し、休眠型細胞であるシスト
となる。シストは、直径約5μmの球形細胞である。単
相アメーバの内部には直径約3μmの核が1個存在する
が、この核は変形体の核と形態的には区別できない。ミ
トコンドリアは原生動物のものとよく似ていて、電子密
度の高いヌクレオイド構造を持っている。大きさは変形
体のものと変わらない。小胞体は、粗面、滑面のいずれ
もがよく発達しており、ゴルジ体は核の近くに存在す
る。(変形体では、小胞体、ゴルジ体は、鮮明には観察
されない。)中心子と基底小体は単相の時期にのみ見ら
れる構造で、中心子の大きさは180nm×470nmであ
る。単相アメーバは配偶子に相当し、雄と雌とに相当す
るもの同士が出会うと、接合して、複相(2n世代)に
なる。複相の接合子は、融合と核分裂を繰り返して、黄
色い色素を持った変形体へと生長する。本発明には、以
上述べた生活環のうち、単相アメーバを生理活性物質生
産菌として用いた。
培養) 35℃以上では細胞壁を作って休眠型細胞(シスト)と
なる。
れている。本菌体は、(1)胞子嚢を作り(内生胞
子)、(2)胞子の色は暗い紫褐色で、(3)胞子嚢表
皮に顆粒状の石灰質の結晶を蓄積しており、(4)細毛
体は表面に突起模様を持たないことから、Myceto
zoa;ed.3.British Museum.
(Nat.Hist.)London(1925),T
he Myxomycetes; pp.561,Un
iv.of lowa Press,Iowa(196
9),The Myxomycetes in “Th
e Fungi:An Advanced Treat
is”;vol.4B,pp.39,Acad.Pre
ss,New York(1973),Myxomyc
etes.Flora Neotropica Mon
ogr;No.16,pp.304,New York
Bot.Gard.,New York(1976)
による分類に基き、変形菌網(Myxomycete)
モジホコリ目(Physarales)モジホコリ科
(Physaraceae)に帰属することが明らかで
ある。
討すると、(1)胞子嚢の形が枕状で、(2)出来上が
ったばかりの胞子嚢は、オレンジがかった黄色だが、そ
れが成熟し乾燥するに従って、白味を帯びた紫褐色とな
り、(3)透明で繊細な細毛体が枝分かれしたりつなが
ったりして網目を作っている。また、(4)柱軸を持っ
ていることから、モジホコリ属(Physarum)に
帰属することは明らかである。
iv.of IowaPress,Iowa(196
9)〔参照〕によれば、モジホコリ属(Physar
um)には84種が報告されており、その後、少なくと
も10種が付け加えられている。MCI 2526号菌
は、子実体の柄の上に多頭の胞子嚢が生じることから、
種はモジホコリ(モジホコリカビPhysarum p
olycephalum)であることが判明している。
(N.Kamiya,元.大阪大学教授,国立基礎生物
学研究所教授)が、1939年から1942年にかけて
ペンシルバニア大学のDr.W.Seifrizの研究
室から入手した株の一つ(PPO株と名付けられてい
る)であり、1954年にお茶の水大学に分譲され、1
965年以降Journal of General
Microbiology;25,47,(1961)
の方法に従って、無菌的に変形体培養を行い、更に、胞
子形成を行わせ、単胞子培養を行って、単相アメーバの
J株及びF株を分離(Botanical Magaz
ine(Tokyo),86,290,1973)した
その単相アメーバのJ株を本発明に用いている。
に、他の菌類の場合に見られるようにその性状が変化し
やすい。
セファラム(Physarum Polycephal
um)の菌株24112,24466,24467,2
4738,24739,26788,36822,38
898,38899,38900,38901,389
02,42489,42601,42602,4260
4,42605,42627,44490,4449
1,44912,52728が寄託されており、MCI
2526号菌はこれらのいずれとも起源を異にする
が、当該生理活性物質の生産能を有するものであれば本
発明の方法に使用が可能であり、例えば、上記以外に
も、MCI 2526号菌の、またはこの株に由来する
突然変異体(自然発生または誘発性)の、形質接合体ま
たは遺伝子組換え体であっても、当該生理活性物質の生
産能を有するものは全て本発明の方法に使用することが
できる。
物が利用しうる栄養物を含有する培地でバクテリアと共
に二員培養する。栄養源としてはグルコース、水アメ、
デキストリン、シュクロース、デンプン、糖蜜、動・植
物油等を使用できる。また窒素源として大豆粉、小麦胚
芽、コーンスティーブ・リカー、綿実粕、肉エキス、ペ
プトン、酵母エキス、硫酸アンモニウム、硝酸ソーダ、
尿素等を使用できる。その他必要に応じて、ナトリウ
ム、カリウムカルシウム、マグネシウム、コバルト、塩
素、リン酸、硫酸及びその他のイオンを生成することの
できる無機塩類を添加することは有効である。また菌の
生育を助け、上記式で表される生理活性物質(以下、当
該生理活性物質と記す。)生産を促進するような有機及
び無機物を適当に添加することができる。
法、特に寒天培地上での暗所培養が最も適している。培
養に適当な温度は20℃〜25℃であるが多くの場合、
24℃付近で培養する。また、当該生理活性物質生産菌
を培養する前に、この餌となる微生物、例えばアエロバ
クター属の細菌を作製した寒天培地上に接種し、育成さ
せておく。具体的には、このようなエアロバクター属の
細菌としてはエアロバクター・エアロゲネス(Aero
bacter aerogenes)MCI 2517
号菌が挙げられ、かかる菌株は微工研菌寄第11577
号(FERM P−11577)として寄託されてい
る。
養条件等により異なるが、通常4〜5日間でその蓄積量
が最高に達する。この時点で培養を停止し、培養物から
目的物質を単離精製する。本発明において、当該生理活
性物質の培養物からの採取に当たっては、その性状を利
用した通常の分離手段、例えば、溶剤抽出法、イオン交
換樹脂法、吸着または分配カラムクロマト法、ゲルろ過
法、透析法、沈殿法等を単独でまたは適宜組み合わせて
抽出精製することができる。例えば、当該生理活性物質
は、培養菌体中からはメタノールとクロロホルム/メタ
ノールで抽出し、減圧下で濃縮する。濃縮液をイオン交
換クロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー、
ゲルろ過クロマトグラフィー、逆相高速液体クロマトグ
ラフィー等を組み合わせて精製すると、純粋な当該生理
活性物質が得られる。
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。 実施例1. (1)培養 グルコース5.0g,酵母エキス0.5g,バクトペプ
トン5.0g,リン酸二水素カリウム(KH2 PO4 )
2.3g,リン酸水素二カリウム(K2 HPO 4 )1.
5g,硫酸マグネシウム7水塩(MgSO4 ・7H
2 O)0.5g,寒天30gを1リットルの蒸留水で調
整し、滅菌後シャーレに分注し、厚さ0.7cmの寒天培
地を作製した。
ター・エアロゲネス(Aerobacter aero
genes)MCI 2517号菌を斜面培地より白金
耳を用い液状培地(上記培地中から寒天を抜いたもの)
中へ植菌し、24℃において、1日暗所で培養した。作
製した寒天培地(直径20cmのシャーレ)上に、前記種
培養液を2〜3滴接種し、一面に広げ、更に24℃にお
いて2日間暗所で培養した。エアロバクター・エアロゲ
ネスMCI 2517号菌を育成した寒天培地上に、白
金耳を用い真性粘菌MCI 2526号菌の単相アメー
バの増殖先端部をかきとり、前記シャーレに植菌し、2
4℃において4〜5日間暗所培養した。
天培地上らか採取し、エアロバクター・エアロゲネスM
CI 2517号菌を除去するために数十倍量の蒸留水
に懸濁し、500〜1000回転/分で遠心分離を行い
上清を除いた。この操作を数回繰り返し、上清がきれい
になったところで、再び蒸留水を加え、3000〜35
00回転/分で遠心分離し培養菌体を得た。この菌体
は、エタノール中に懸濁し、−80℃で保存した。
20倍量のメタノールを数回に分けて加え、30分間超
音波破砕装置にかけ、その後遠心分離機で上清を分離し
抽出した。同様の操作で、前記沈殿物をクロロホルム:
メタノール=1:2、クロロホルム:メタノール=1:
1、クロロホルム:メタノール=2:1の順番で抽出
し、各々の得られた抽出液を全て混合し、減圧下濃縮乾
固し抽出物を得た。
破砕装置にかけた後、遠心分離機で上清を沈殿物より分
離した。同様の操作で、クロロホルム:メタノール=
1:2、クロロホルム:メタノール=1:1の順番で抽
出し、各々得られた抽出液を全て混合し、減圧下濃縮乾
固し抽出物を得た。次に、これを少量のクロロホルム:
メタノール=1:2に溶かし、同溶媒で平衡下充填した
DEAE−セファデックスのカラムにのせ、同溶媒でイ
オン交換クロマトグラフィーを行った。DNAポリメラ
ーゼα阻害活性画分を集め、減圧下濃縮乾固し抽出物を
得た。
ノール=1:2に溶かし、分取薄層クロマトグラフィー
(60プレート)にのせ、クロロホルム:メタノール:
水=60:40:9の混合溶媒で展開し、活性画分(R
f=0.50〜0.65)を削り取り、10倍量のメタ
ノールを加え、30分間超音波破砕装置にかけた後、遠
心分離機で上清を分離し抽出した。同様の操作で、クロ
ロホルム:メタノール=1:2、クロロホルム:メタノ
ール=1:1、クロロホルム:メタノール2:1の順番
で抽出し、各々の得られた抽出液を全て混合し、減圧下
濃縮乾固し抽出物を得た。
(14プレート)にのせ、クロロホルム:メタノール:
酢酸:水=10:2:2:4:1の混合溶媒で展開し、
活性画分(Rf=0.45〜0.60)を削り取り、1
0倍量のメタノールを加え、30分間超音波破砕装置に
かけた後、遠心分離機で上清を分離し抽出した。同様の
操作で、クロロホルム:メタノール=1:2、クロロホ
ルム:メタノール=1:1、クロロホルム:メタノール
=2:1の順番で抽出し、各々の得られた抽出液を全て
混合し、減圧下濃縮乾固し抽出物を得た。
タノール=1:1に溶かし、遠心分離機にかけ不溶物を
除き、同溶媒で充填したセファデックスG−15のカラ
ムにのせ、同溶媒でゲル濾過を行った。活性画分を集
め、減圧下濃縮乾固し抽出物を得た。更にこれをメタノ
ール:水=65:35に溶かし、遠心分離機にかけ不溶
物を除き、同溶媒を用い逆相高速液体クロマトグラフィ
ー(HPLC 島津6Aシリーズ)で精製した。用いた
カラムは、TSK−ODS−80TM,0.46×15
cm、溶出速度は、1ml/min 、温度は35℃に設定し
た。フラクションNo.14〜17に活性物質が溶出し
たが、最も活性が高かったのはNo.15であり、減圧
下濃縮乾固の結果、約250μg活性物質が得られた。
同物質は、以下の物性から上記した式で表される。
オン化法マススペクトロメトリー(FAB−MS)によ
り測定した。M/z=427にプロトン化イオン(M+
H)+ が観測された。測定したスペクトルを図1に示
す。
した500.02MHz水素核磁気共鳴スペクトルを図3
に示す。
ペクトル(H−H COSY) 重クロロホルム:重メタノール=3:1の溶媒を用い、
共鳴周波数は 1H500.02MHz 、位相検出2量子フ
ィルター法で測定した。観測幅は5KHz 、データ点は、
t2 軸512、t1 軸128にとり、データ処理時にt
1 軸のみ4倍にゼロ・ファイリングした。測定したスペ
クトルを図4に示す。
核磁気共鳴スペクトル(H−C COSY)重クロロホ
ルム:重メタノール=3:1の溶媒を用い、HMQC法
(水素核観測による高感度スペクトル測定法)で、1/
2J=3.5msec(J〜143Hz),3.1mse
c(J〜161Hz)の2点につき測定を行った。共鳴周
波数は、 1H 500.02MHz ,13C 125.8MH
z 、観測幅は、t2 ( 1H)軸 4KHz,t1 (13C)軸
25KHz 、データ点は、t2 軸512、t1 軸128
にとり、データ処理時にt1 軸のみ4倍にゼロ・ファイ
リングした。測定したスペクトルを図5,図6に示す。
鳴スペクトル(NOESY) 重クロロホルム:重メタノール=3:1の溶媒を用い、
共鳴周波数は、 1H500.02MHz で測定を行った。
データ点は、t2 軸512、t1 軸128にとり、デー
タ処理時にt1 軸のみ4倍にゼロ・ファイリングした。
測定したスペクトルを図7に示す。
共鳴周波数31P202.5MHz で、測定したスペクトル
を図8に示す。 9)CADスペクトル 本発明の生理活性物質を5NのNaCl中、70℃にて5
時間加水分解した後ジエチルエーテルで抽出し、それを
負イオンFAB/MS測定した。m/z=267に検出
されたカルボン酸由来と考えられるイオンから、磁場強
度を調製することにより親イオンを選択し、電場電圧を
走査し、MS/MS分析した。FAB/MS測定ならび
にMS/MS分析の条件は下記のとうり。
0-6mbar) 積算回数 :10回 その他の条件はFAB/MS測定条件と同じ。測定した
スペクトルを図9に示す。各ピークはCH2を示してお
り、本発明の生理活性物質が上記式で表されることがわ
かった。
性化DNA,デオキシリボヌクレオチド三リン酸(dN
TPs)、トリチウム標識したデオキシチミジン三リン
酸( 3H−dTTP)を用い、実施例1で得られた生理
活性物質の、精製された牛胸腺由来DNAポリメラーゼ
α〔バイオケミカ バイオフィジカ アクタ(Bioc
himika et Biophysica Act
a)950,1988 263〜273〕に対する阻害
活性を測定した。
活性化DNA2μg,dNTPs20μM(0.4μC
i 3H−dTTPを含む),2−メルカプトエタノール
2mM,牛血清アルブミン400μg/ml,10%グリ
セロール,塩化マグネシウム10mM,トリス塩酸塩5
0mM(PH7.5)を混合し、得られた反応液を50
μlとし、当該生理活性物質を0,14,35,70,
140,210,280ng加え、各々37℃で60分
間保温し反応させた。
n 3MM)にスポットし、10%トリクロロ酢酸で1
5分間洗浄後、5%トリクロロ酢酸で15分間3回洗浄
を繰り返し、更に99%エタノールで洗浄した後、ろ紙
を乾燥させた。ろ紙上の放射活性を、トルエンシンレー
ターの中で、液体シンチレーションカウンター(Pac
kard社,Tri−carb3255)を用いて測定
し、合成されたDNAの定量を行った。その結果を図1
0に示す。
s−HCl(pH7.5)40mM、デオキシアデニン
三リン酸(dATP)20μM、デオキシシトシン三リ
ン酸(dCTP)20μM、デオキシグアニン三リン酸
(dGTP)20μM、デオキシチミジン三リン酸(d
TTP)10μM、MgCl27mM、KCl50m
M、ウシ血清アルブミン(BAS)10μg、10%グ
リセロース、2−メルカプトエタノール2mM、活性化
DNA2μg、DNAポリメラーゼα0.05ユニッ
ト、本発明の生理活性物質0.25μを混合し、得られ
た反応液を25μlと下。この反応液を37℃にて60
分間(Physarum Polycephalum由
来のDNAポリメラーゼαを含んでいるものは25℃に
て60分間)反応させ、当該生理活性物質に取り込まれ
た放射活性を上記試験例1と同様の方法により測定し
た。その結果を表−1に示す。
えない場合、+PHYLPAは本発明の生理活性物質を
加えた場合を示し、’はDE−I、”はDE−IIを示
す。 試験例3 〔in vivoにおける癌細胞増殖抑制効果〕エムシ
ーディービー104(MCDB104)培地に、インシ
ュリン5μg/ml,トランスフェリン5μg/ml,デキ
サメサゾン10ng/ml,ピーディージーエフ(PDG
F)125ng/mlを加えた無血清培地を作製し、ヒト
子宮頸癌由来ヒーラ細胞(Hela細胞)をシャーレに
104 個/cm2 接種し、37℃で4日間CO2 インキュ
ベータで培養した。
0.5−1μg/ml濃度で当培養系に添加したところ、
Hela細胞をほぼ100%死滅させた。一方、同様の
条件下でヒト胎児肺由来ティーアイジィー3細胞(TI
G−3細胞)をシャーレに104 個/cm2 接種し、37
℃で4日間CO2 インキュベータで培養し、実施例1で
得られた生理活性物質を0.5−1μg/ml濃度で添加
したところ、TIG−3細胞の増殖を100%抑制し
た。また、当培養系から当該生理活性物質を除去すると
細胞の増殖能が回復し、この抑制作用は可逆的であっ
た。
リメラーゼα阻害活性を有しており、抗癌剤としての有
用性が期待される。
図である。
示す図である。
示す図である。
ペクトル(H−H COSY)を示す図である。
msecで測定した異種核間( 1H−13C)J相関2次
元核磁気共鳴スペクトルを示す図である。
msecで測定した異種核間( 1H−13C)J相関2次
核磁気共鳴スペクトルを示す図である。
クトル(NOESY)を示す図である。
ある。
験結果を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記式【化1】 で表される新規生理活性物質。
- 【請求項2】真性粘菌フィザルム・ポリセファラム(P
hysarum polycephalum)の単相ア
メーバを培地中で培養することを特徴とする請求項1記
載の新規生理活性物質の製造方法。
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